第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、近年「エネルギー」と「エコロジー」の豊かな共存こそが企業に課せられた重要なテーマといわれるなかで、「顧客の創造と信頼の確保」、「社会への貢献」、「未来への挑戦」の3つの経営理念に基づき、コア事業である断熱工事・技術を通じてエネルギーの有効利用に貢献するとともに、事業領域の拡大を図り、燃焼技術を基礎としたボイラの製造・据付、クリーンルーム内装工事、冷凍冷蔵低温設備工事および環境関連等に取組んでおります。
 こうしたなかで、当社グループの技術力は多業種にわたるユーザーから高い信頼を得るとともに、地球規模の課題である省エネルギーや環境保全を推進することで、企業としての社会的責任を果たすために尽力しております。

 

(2)経営戦略等

 当社は、近年企業のグローバル化およびボーダレス化が進むなか、将来の当社としてのあるべき姿を見据えて、2018年4月に中期経営計画(2018年度~2020年度)を新たにスタートさせました。本計画は、「新たな価値の創造」をスローガンとして、コンプライアンスの徹底に基づく適正なガバナンスの確立を目指す一方、企業風土の醸成、当社グループ内の意識改革を図り、新たなビジネスチャンスを創出するため、次のとおり基本方針を掲げております。

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①環境変化への対応と挑戦

最近の経営を取り巻く環境は、環境意識の高まりや急速なIoT・AI等の進展によるデジタル技術革新による産業構造の変革等進化を遂げており、その環境変化に対応するべく新たな成長分野に経営資源の投下を図ってまいります。

持続的成長への礎を構築

国内領域においては、新規顧客の開拓や既存顧客に対する深耕営業を強化し、事業領域の拡大に取り組んでまいります。海外領域においても、経営資源を積極的に投入し、継続的な受注獲得・事業拡大に取り組んでまいります。また、M&Aも視野に入れた新規事業の創出や事業の多角化等、新たな発想で未知の領域に機動的に挑戦し持続的成長への礎を築いてまいります。

③安定した収益の確保

今まで築き上げた施工技術や工法の改善・改良を更に進めることによる施工能力の高度化や市場競争力の強化とともに、生産・調達の多様化・効率化による徹底した採算管理を行うことにより、市場環境に影響されない安定した収益基盤の構築に取り組んでまいります。

④活力ある企業風土の醸成

従業員の資質向上、働きがいのある職場・魅力ある職場づくり及び企業人としての意識改革に取り組んでまいります。特に高度な技術・施工体制を確立するには、高い専門性や豊富な経験を有する人材が不可欠であるため、人材の確保・育成に努めてまいります。

⑤企業価値の向上

当社グループは今後とも継続して法令遵守の徹底や事業を通じた社会貢献を推進することによる企業としての社会的責任の強化とともに、企業価値の向上を図ってまいります。

 

 当社グループは、国内外における各事業領域の連携により収益基盤を強化し、その拡充を柱に、収益力・成長力・技術力の一層の向上を基本方針として、グループ一丸となって経営諸施策を実施することにより、企業価値の最大化に取り組んでまいります。

 

 

 

(3)経営環境

 当社グループ事業を取り巻く経営環境は、建設工事事業におきましては、国内生産設備の合理化および省力化に向けた設備投資や定期修理工事の堅調が見込まれますが、建設業界全体の人手不足問題が引き続きコスト面に影響を及ぼすものと思われます。また、海外領域では、産油・産ガス国において大型LNGや製油所新設案件を中心とした設備投資の進展に期待が寄せられる一方で、エネルギー価格の急落が今後の不安材料となっております。

 ボイラ事業におきましては、設備増強投資や既存ボイラの更新投資は継続しており、バイオマス発電も小規模発電設備の需要は増加してくるものと思われます。

 足元の状況といたしましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で経済活動の収縮が世界中に広がり、需要が落ち込み低成長・低金利が長期的に続く懸念があり、需要の縮小によりわが国の輸出・生産の低迷を長引かせる可能性が高まることで、企業業績へのダメージは避けられない状況になるものと思われます。また、米中間の通商問題や中国経済の先行き、地政学的なリスクに伴う金融資本市場の動向につきましても、依然として先行き不透明感の継続が予想されます。

 このような状況のもと、持続的な成長を成し遂げるためには、新たな発想で企業価値の創出を行っていく必要があることを踏まえ“新たな価値の創造”をスローガンに掲げ、グループ企業一丸となって収益力・競争力の強化及び事業領域拡大に向け経営諸資源を投入し、企業価値をより高めるために取り組んでまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 上記の経営環境を踏まえ、当社グループは、2018年度を始期とする中期経営計画(2018年度~2020年度)最終年度の目標達成に向けて、「新たな価値の創造」のスローガンのもと、「改革、スピード&チャレンジ」の行動指針をグループ全体で共有し、事業環境の変化に対応しながら安定した収益の確保を目指し、さらなる企業力の強化に取り組んでまいります。また、適正なコーポレート・ガバナンス体制を構築するためにコンプライアンスの浸透ならびにリスク・マネジメントを徹底し、ステークホルダーの皆様のご期待にお応えできるよう、未来に向けた経営諸施策を着実に遂行し、持続的な企業価値の向上に邁進する所存です。

 セグメント別の対処すべき課題は、以下のとおりであります。

①建設工事事業

 事業対象となる石油・石油化学分野における設備投資の伸び悩みや国内マーケットの縮小、価格競争の熾烈化などにより、引き続き厳しい事業環境となるものと予想されますが、原発停止を契機にエネルギー源の転換が迫られ、クリーンエネルギー源としてますます需要の高まるLNG関連分野を始め、火力発電設備増強への対応のウェイトを高め、全国の拠点を活かしたメンテナンス分野・海外ならびに環境分野にも注力いたします。

②ボイラ事業

 近年、社会のエネルギーに対するニーズが安全・安心なエネルギーへとシフトし、特に自然エネルギーを活用した再生可能エネルギー発電事業に注目が高まっております。当社グループでは設備の基本計画から設計、製作、据付工事と引渡し後のメンテナンスを含む一貫業務を行い、多種・多様・多岐にわたるボイラを提供しておりますが、変化する顧客ニーズを着実に捉えることで販路を維持・拡大し、景気に大きく左右されず、時代に即応できる企業体質の強化を図っていく必要があります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、売上高、営業利益、経常利益および親会社株式に帰属する当期利益を、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等として用いており、各指標等の状況は次のとおりであります。

当連結会計年度

 

(単位:百万円)

指標

2019年5月公表

年度計画

実績

増減

対予想比増減

売上高

53,000

53,073

73

0.1%

営業利益

5,200

6,442

1,242

23.9%

経常利益

5,350

6,996

1,646

30.8%

親会社株主に帰属する当期純利益

3,500

4,709

1,209

34.6%

 なお、経営指標については各種のものがあり、それぞれが企業の健全性、収益性、効率性等の一面を示すものとして有効であることは承知しておりますが、経営に当たっては特定の指標のみをメルクマールとするのではなく、総合的な判断が必要であると考えます。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループを取り巻く事業環境は、国内外経済に影響を与えうる不確定な要素も多く、先行きの見通しは不透明な状況が続くと懸念しておりますが、将来の経営基盤の強化に向けた諸施策を実施することにより、収益力の向上を図ります。

 また、業界シェアの拡大及び競争力の強化に注力するとともに、新技術・工法の開発によるコストダウン等による収益力の向上を図り、事業基盤を強化してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります当社は、「リスク管理規程」に基づきリスク管理体制を明確化し、グループ全体のリスクを網羅的・統括的に管理しております。また、必要に応じて各リスク委員会を設置し、緊急時には対策本部の設置を行う等、リスクを最小限に止める体制を整備しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループに関連する需要市場の急激な変動

 当社グループが形成する各セグメント及び各事業領域は、幅広い需要分野に支えられていますが、収益基盤である国内需要分野の経済状況、統廃合、製造拠点の海外移転等により、需要が長期に停滞、減少傾向が続くと、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(2)完成工事補償のリスク

 海外工事、大型工事等について、引渡しを完了した工事に係る瑕疵担保の費用が大きく発生した場合には、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(3)海外事業に伴うリスク

 当社グループの海外事業はアジア地域を中心に展開しており、テロや政情悪化、予期しない法律・規制の変更、市況の悪化、JV等のパートナー企業の経営状況等によって業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(4)為替及び金利の変動リスク

 急激な為替相場の変動または金利の上昇により、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(5)顧客に対する信用リスク

 当社グループが多額の債権を有する顧客が財務上の問題に直面した場合には、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(6)会計基準に係る見積りリスク等

 有形固定資産については、主に事業用の土地、建物、機械及び装置等を保有しておりますが、事業環境が著しく変動した場合、時価の下落や設備等の遊休化、稼働率の低下等により、減損損失を計上する可能性があります。

 繰延税金資産については、税効果会計における回収可能性を見積って計上しておりますが、想定している業績計画を下回った場合、繰延税金資産の取り崩しを行う可能性があります。

 投資不動産及び有価証券については、時価の下落により、減損損失を計上する可能性があります。

 退職給付債務については、年金資産の運用状況等により、費用処理額が増加する可能性があります。

 上記いずれの場合におきましても、業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(7)不採算工事の発生に対するリスク

 工事施工段階での想定外の追加原価等により不採算工事が発生した場合には、業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

 

(8)災害等の発生によるリスク

 想定外の災害や感染症の流行などにより、当社グループや主要取引先の事業活動に支障をきたす事態が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行しており、製造や流通などの経済活動が停滞し、資機材及び人員確保の困難化や、受注案件の工期遅延や中止などが発生した場合は、業績に悪影響を与える可能性がありますが、提出日現在において影響を定量的に見積ることは困難であります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当社グループの当連結会計年度の受注高は、建設工事事業、ボイラ事業ともに国内外の大型受注案件の減少等により、建設工事事業においては43,528百万円(対前年同期比11.9%減)、ボイラ事業においては3,971百万円(同41.1%減)の計上にとどまり、当社グループ全体では47,499百万円(同15.4%減)の計上となりました。

 売上高は、ボイラ納入や冷凍冷蔵低温工事等の堅調な推移により、53,073百万円(同0.5%増)の計上となりました。

 利益面につきましては、人手不足等によるコスト増加等が影響し、営業利益は6,442百万円(前年同期比11.5%減)、経常利益は6,996百万円(同7.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,709百万円(同7.1%減)の計上にとどまりました

 セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

(建設工事事業)

 建設工事事業におきましては、冷凍冷蔵低温工事や国内メンテナンス関連工事等は堅調に推移したものの、国内外におけるLNG関連の長期大型工事が前連結会計年度中に完工したこと等により、売上高は45,475百万円(前年同期比1.9%減)の計上にとどまりました。また、売上高の減少及び人手不足等によるコスト増加等の影響により、セグメント利益は5,828百万円(同13.5%減)の計上となりました。

(ボイラ事業)

 ボイラ事業におきましては、ボイラ納入が堅調に進捗したことにより、売上高は7,597百万円(前年同期比17.6%増)、セグメント利益は604百万円(同37.8%増)の計上となりました。

 

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比べ208百万円減少し、66,324百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比べ2,275百万円減少し、15,540百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比べ2,067百万円増加し、50,783百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ、1,261百万円減少して19,381百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

1. 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動による資金は、915百万円の増加(前年同期は2,970百万円の増加)となりました。

 主な増加要因は、税金等調整前当期純利益6,996百万円であり、主な減少要因は、法人税等の支払額2,469百万円、未成工事受入金の減少額1,216百万円によるものであります。

2. 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動による資金は、200百万円の増加(前年同期は802百万円の減少)なりました

 主な増加要因は、定期預金の払戻による収入763百万円であり、主な減少要因は、定期預金の預入による支出550百万円であります。

3. 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動による資金は、2,376百万円の減少(前年同期は1,308百万円の減少)となりました

 主な減少要因は、配当金の支払額1,563百万円、自己株式の取得による支出800百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の状況

1. 受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期比

自 2018年4月1日

至 2019年3月31日

自 2019年4月1日

至 2020年3月31日

建設工事事業(百万円)

49,418

43,528

△11.9%

ボイラ事業(百万円)

6,746

3,971

△41.1%

合計(百万円)

56,165

47,499

△15.4%

 

2. 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前年同期比

自 2018年4月1日

至 2019年3月31日

自 2019年4月1日

至 2020年3月31日

建設工事事業(百万円)

46,351

45,475

△1.9%

ボイラ事業(百万円)

6,459

7,597

17.6%

合計(百万円)

52,810

53,073

0.5%

 (注)当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況

a.受注工事高、完成工事高及び繰越工事高

期別

区分

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

施工

9,609

37,223

46,832

37,255

9,576

販売

32

1,321

1,353

709

644

9,641

38,544

48,186

37,965

10,220

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

施工

9,576

36,033

45,609

36,136

9,472

販売

644

794

1,438

1,333

105

10,220

36,827

47,048

37,470

9,577

 (注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

3.当期受注工事高のうち海外工事の割合は、前事業年度6.0%、当事業年度1.2%であります。

4.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

合計(%)

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

施工

42.9

57.1

100.0

販売

100.0

100.0

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

施工

41.7

58.3

100.0

販売

100.0

100.0

 (注)百分比は請負金額比であります。

 

c.完成工事高

期別

区分

国内

海外

合計

(B)

(百万円)

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(A)

(百万円)

(A/B)

(%)

前事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

施工

2

35,631

1,622

4.4

37,255

販売

14

535

159

22.5

709

17

36,166

1,781

4.7

37,965

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

施工

2

36,122

12

0.0

36,136

販売

1

340

992

74.4

1,333

3

36,462

1,004

2.7

37,470

 (注)1.海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。

地域

前事業年度(%)

当事業年度(%)

オセアニア

90.2

アジア

5.6

98.0

その他

4.2

2.0

100.0

100.0

2.完成工事高の内で主なものは、次のとおりであります。

前事業年度

JKC Australia LNG Pty Ltd.

LNGプラント断熱・塗装工事(オーストラリア国)

 

三菱造船㈱

LNG船タンク防熱工事(三菱造船㈱香焼工場)

当事業年度

川崎重工業

LNGタンク防熱工事(川崎重工業㈱坂出工場)

 

㈱IHI

LNGタンク保冷工事(相馬LNG基地)

3.上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

d.次期繰越工事高(2020年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

施工

9,472

9,472

販売

0

104

105

0

9,576

9,577

 (注)1.次期繰越工事高の内で主なものは、次のとおりであります。

住友重機械工業㈱

バイオマス発電所建設断熱工事

2020年12月完成予定

沖縄うるまニューエナジー㈱

バイオマス発電所建設断熱工事

2021年9月完成予定

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。

(財政状態)

 当連結会計年度末における総資産は、66,324百万円となり、前連結会計年度末と比べ208百万円減少いたしました

 資産の部は、流動資産は45,218百万円となり、前連結会計年度末と比べ177百万円増加いたしました。主な要因は完成工事未収入金の増加2,476百万円、現金預金の減少1,471百万円、電子記録債権の減少833百万円であります。固定資産は21,106百万円となり、前連結会計年度末と比べ385百万円減少いたしました。主な要因は繰延税金資産の増加66百万円、有形固定資産の増加60百万円、投資有価証券の減少486百万円であります。

 負債の部は、流動負債は11,747百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,850百万円減少いたしました。主な要因は未成工事受入金の減少1,216百万円、未払法人税等の減少298百万円であります。固定負債は3,793百万円となり、前連結会計年度末と比べ424百万円減少いたしました。主な要因は、長期借入金の減少460百万円であります。この結果、負債合計は15,540百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,275百万円減少いたしました。

 純資産の部は50,783百万円となり、前連結会計年度末と比較して2,067百万円増加いたしました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加4,709百万円、剰余金の配当による減少1,565百万円、自己株式の取得による減少800百万円であります。

 この結果、自己資本比率は76.0%(前連結会計年度末は72.7%)となりました。

 

(経営成績)

 当連結会計年度は、中期経営計画(2018年5月10日発表)の2年目にあたり、“新たな価値の創造”のスローガンのもと、「改革、スピード&チャレンジ」を行動指針として、グループ企業一丸となって収益力・競争力の強化及び事業領域拡大に向け経営資源を投入し、企業価値をより高めるために取り組んでまいりました。

1. 売上高

 当連結会計年度の売上高は、53,073百万円(対前年同期比0.5%増)の計上となりました。

 セグメント別では、建設工事事業においては、冷凍冷蔵低温設備工事や国内メンテナンス関連工事等は堅調に推移したものの、国内外のLNG関連の長期大型工事が前連結会計年度中に完工したこと等により、45,475百万円(対前年同期比1.9%減)の計上にとどまりましたが、ボイラ事業においては、前連結会計年度中に受注した納入案件が順調に引き渡しを終えたこと等により、7,597百万円(同17.6%増)の計上となりました。

2. 営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、6,442百万円(対前年同期比11.5%減)の計上にとどまりました。

 セグメント別では、建設工事事業においては、売上高の減少及び人手不足等によるコスト増加等の影響により5,828百万円(対前年同期比13.5%減)の計上にとどまりました。ボイラ事業においては順調に推移し、604百万円(同37.8%増)の計上となりました。

3. 経常利益

 当連結会計年度の経常利益は、投資事業組合運用益は増加したものの、営業利益の減少に伴い、6,996百万円(対前年同期比7.1%減)の計上にとどまりました。

4. 親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少に伴い4,709百万円(対前年同期比7.1%減)の計上にとどまりました。

 

 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大が国内外の企業活動に様々な影響を与えておりますが、当社グループにおきましては、感染予防対策として、衛生管理の徹底をはじめ、密閉空間・密集場所・密接場所が重なる場所への立ち入りを控え、出張の自粛やテレビ会議およびウェブ会議の利用を行い、状況に応じて時差出勤及び時短勤務を実施する等の各施策を講じております。

 同感染症の収束の見通しは未だ不透明ですが、経済活動への影響は一定期間続き、翌連結会計年度後半にはある程度回復すると見込んでおります。当社グループ事業への影響に関しましては、マイナス面もプラス面もあり全体で見ると影響は軽微であると考えております。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、キャッシュ・フロー指標の傾向は下記のとおりであります。

 

2016年3月期

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

自己資本比率(%)

70.1

70.8

71.8

72.7

76.0

時価ベースの自己資本比率(%)

45.7

57.0

59.7

58.6

56.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.8

2.8

0.1

0.3

1.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

121.4

43.3

1,298.4

173.8

164.1

 (注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※営業キャッシュ・フローがマイナスとなった期につきましては、「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」及び「インタレスト・カバレッジ・レシオ」を記載しておりません。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは材料費・外注費等の工事原価、並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要の主なものは、設備投資等によるものであります。

 資金需要には基本的に自己資金及び銀行借入等にて対応しております。なお、当社においては、機動的な資金調達手段の確保を目的として、総額3,500百万円のコミットメントライン契約を締結しております。

 当連結会計年度末における有利子負債残高は982百万円であり、現金及び現金同等物の残高は19,381百万円であります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づいて実施しております。中でも連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられるものは、以下のとおりであります。

1.完成工事高及び完成工事原価の計上

 社内規程による予算承認制度及び過去の実績に基づき見積りを行っております。成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。想定していなかった原価の発生等により工事進捗度が変動した場合は、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。

2.固定資産の減損処理

 事業計画に従って見積りを行っております。固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 その他の事項については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響につきましては、翌事業年度(2021年3月期)の一定期間にわたり当感染症の影響が継続し、年度後半にはある程度回復するとの仮定に基づき、合理的な見積りを実施しておりますが、不確実性が更に高まり、見積りに差異が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において資産又は負債の帳簿価額の見直しを行う可能性があります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、顧客のニーズに迅速に対応するため、材料・製品等の開発・改良から施工技術の開発まで、幅広く積極的に活動を行っております。

 現在、研究開発は、当社の中央研究所及び各技術部門を中心に、工事部門及び関連会社、協力会社と密接に連携し、推進しております。

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は204百万円であります。

 

(1)建設工事事業

 断熱・耐火・防音・防食等、幅広い事業分野に於いて、在来工法との差別化につながる工法開発を行っております。特に超低温保冷分野においては他社に先駆けていち早く工法の開発に着手し、業界での優位性を維持しております。

 保冷工事関連では、主材料である硬質ウレタンフォームのノンフロン処方を確立し、自社工場で生産・製品化しております。

 当事業における研究開発費は177百万円であります。

 

・LNG工事関連

 海外出荷基地、LNG運搬船、国内受入基地における断熱等の幅広い分野の工事に関し、新材料の調査・新工法の開発及び開拓に取り組んでおります。

 LNGタンクにおいては、顧客のニーズに対応すべく、保冷構造の工法改良や断熱部材などの開拓・実証試験等の研究開発を行っております。

 

・その他

 高機能断熱材を応用した断熱材の改良や施工システムの開発分野におきましても研究開発を行っております。

 

(2)ボイラ事業

 ボイラ燃料の燃焼効率向上及びコストダウンに貢献する新たな方式の研究開発に取り組んでおります。

 現在、新たなボイラ原料による燃焼効率テストに取り組んでいく予定となっております。

 当事業における研究開発費は27百万円であります。