第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢、所得環境に改善が見られるなど、穏やかな回復基調が見られました。
 道路建設業界におきましては、公共工事は減少傾向にあるものの高水準を維持する一方、人材不足や原材料価格の動向など不透明な状況もあり、引き続き厳しい経営環境が続いております。
 当社グループでは、このような状況下、採算性を重視した受注方針を徹底するとともに、創意工夫を凝らした技術提案による生産性の向上に取り組み、業績の向上に努めてまいりました。その結果、受注高は、379億9千1百万円(前年同期の受注高424億7千1百万円)となり、売上高は、402億2千万円(前年同期の売上高388億2千万円)となりました。
 利益につきましては、全社を挙げて施工効率の改善に取り組むとともに、原価や一般管理費などの削減に努力いたしました。また、製品販売部門において原油価格の低下により、販売利益が増加し、その結果、経常利益は、25億3千3百万円(前年同期の経常利益15億3千3百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は14億7千9百万円(前年同期の親会社株主に帰属する当期純利益9億1千5百万円)となりました。
 部門別の概況については、次のとおりです。
 工事部門では、すべての国内連結会社が舗装、土木工事等に係る建設工事の受注、施工を行っており、当連結会計年度における受注高は、前連結会計年度に比べ13.1%減の327億2千8百万円、完成工事高は、前連結会計年度に比べ2.8%増の349億5千8百万円となりました。
 製品販売部門では、アスファルト合材等の製造、販売を行っており、売上高は前連結会計年度に比べ9.3%増の52億6千2百万円となりました。
 なお、当社グループの売上総利益につきましては、前連結会計年度に比べ28.7%増の43億8千万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて28億2千7百万円増加し、49億4千5百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度におきましては、税金等調整前当期純利益が、22億3千9百万円となり、また、売上債権の減少や減価償却費等により営業活動によるキャッシュ・フローは、36億2千6百万円の増加となりました。なお、前年同期は、4千3百万円の増加でありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 主に有形固定資産の取得により5億9千万円の減少となりました。なお、前年同期は、17億4百万円の減少でありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 長期借入金の返済による支出などにより1億8千8百万円の減少となりました。なお、前年同期は、6億2百万円の増加でありました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 売上高に対する部門別比率

 

部門別

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

工事部門(%)

87.6

86.9

製品等販売部門(%)

12.4

13.1

計(%)

100.0

100.0

 

 

(2) 工事部門の工事種類別比率

 

工事種類別

完成工事

手持工事

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度末
(平成28年3月31日)

舗装(%)

85.3

85.1

89.6

土木等(%)

14.7

14.9

10.4

計(%)

100.0

100.0

100.0

 

 

(3) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

年度別

工事
種類別

前期繰越
工事高
(千円)

当期受注
工事高
(千円)

合計
(千円)

当期完成
工事高
(千円)

次期繰越
工事高
(千円)

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

舗 装

9,146,091

32,325,772

41,471,863

28,993,352

12,478,511

土木等

1,046,431

5,331,018

6,377,450

5,012,878

1,364,571

10,192,523

37,656,790

47,849,313

34,006,231

13,843,082

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

舗 装

12,478,511

27,656,382

40,134,894

29,733,272

10,401,622

土木等

1,364,571

5,072,025

6,436,597

5,224,864

1,211,732

13,843,082

32,728,408

46,571,491

34,958,136

11,613,354

 

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)であります。

 

 

(4) 受注工事高の受注方法別比率

 

年度別

特命(%)

競争入札(%)

計(%)

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

67.4

32.6

100.0

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

82.1

17.9

100.0

 

(注) 百分比は受注工事高比であります。

 

(5) 完成工事高

 

年度別

工事種類別

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

舗装

19,790,290

9,203,061

28,993,352

土木等

1,770,454

3,242,423

5,012,878

21,560,745

12,445,485

34,006,231

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

舗装

19,450,280

10,282,991

29,733,272

土木等

2,160,101

3,064,763

5,224,864

21,610,382

13,347,754

34,958,136

 

(注) 1 完成工事のうち主なものは次のとおりであります。

前連結会計年度の完成工事のうち請負金3億円以上の主なもの

工事件名

発注者

東北自動車道 福島管内舗装補修工事

東日本高速道路株式会社

大船渡港茶屋前地区埠頭用地ほか災害復旧工

岩手県

野村阿佐ヶ谷解体開発工事

株式会社安藤・間

平成25年度豊見城トンネル舗装(下り線)工事

内閣府沖縄総合事務所

駟馳山バイパス福部IC舗装工事

国土交通省鳥取河川国道事務所

 

当連結会計年度の完成工事のうち請負金3億円以上の主なもの

工事件名

発注者

首都圏中央連絡自動車道 相模原IC舗装工事

中日本高速道路株式会社

南三陸西地区舗装工事

国土交通省仙台河川国道事務所

大船渡国道維持補修工事

国土交通省三陸国道工事事務所

巣子地区舗装工事

国土交通省岩手河川国道事務所

近畿自動車道紀勢線安宅トンネルコンクリート舗装工事

国土交通省紀南河川国道事務所

 

 

 

2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。

前連結会計年度完成工事高

      当連結会計年度は、完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先がなかったため、記載を省略
  しております。

 

     当連結会計年度完成工事高

相手先

金額(千円)

割合(%)

国土交通省

4,523,381

11.2

東京ガス株式会社

4,415,375

11.0

 

 
 

 

 

(6) 手持工事高 (平成28年3月31日現在)

 

工事種類別

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

舗装

7,984,074

2,417,547

10,401,622

土木等

672,827

538,905

1,211,732

8,656,901

2,956,453

11,613,354

 

(注) 手持工事のうち主なものは次のとおりであります。

手持工事のうち請負金3億円以上の主なもの

工事件名

発注者

完成予定

新名神高速道路 川西舗装工事

西日本高速道路株式会社

平成29年8月

東北中央自動車道 栗子トンネル舗装(福島側)工事

国土交通省福島河川国道事務所

平成29年3月

新名神高速道路 四日市舗装工事

中日本高速道路株式会社

平成28年7月

東北自動車道 泉~一関舗装補修工事

東日本高速道路株式会社

平成29年1月

立川基地跡地昭島地区国営公園道路舗装工事その他工事

株式会社鴻池組

平成29年3月

 

 

(7) 販売実績

アスファルト合材等の販売実績は次のとおりであります。

 

年度別

アスファルト合材

その他
売上金額
(千円)

売上高
合計
(千円)

製造数量(t)

販売数量(t)

販売金額
(千円)

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

年間

625,041

389,461

4,121,041

693,261

4,814,302

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

年間

600,487

414,242

4,290,194

972,546

5,262,740

 

(注)製造数量と販売数量との差異は、連結会社の請負工事に使用した数量であります。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後のわが国経済は、政府の各種政策の効果もあって、国内景気は穏やかな回復傾向が続くと予想されます。
 道路建設業界におきましては、政府の経済政策に伴う公共投資や、企業の収益改善による設備投資の増加が期待されますが、今後の企業間の受注競争はさらに厳しさが増すと思われます。
 このような情勢のなか、当社グループは受注の拡大、利益の確保を目指し、利益重視による選択受注の徹底により「収益力の強化」を図るとともに、営業力・技術力を一層強化して競争力を高め、財務体質の強化に取り組んでまいります。
 また、CSRを自覚し、新たな組織体制や情報管理システムの有効活用による内部統制の的確な運用に努め、「安定した売上と利益を確保できる経営基盤の構築」に向け、以下の重点課題に取り組んでまいります。
 1.既存顧客との関係強化や新分野、新規事業への進出などによる顧客の拡充に努め、受注拡大を図る。
 2.品質重視の施工管理や確実な工程管理の一層の徹底により、収益力の強化を図る。
 3.業務効率の向上による経営コストの削減を図る。
 4.経営資産の活用による財務体質の強化を図る。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループにおいて投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は次のとおりであります。なお、これらの項目は将来に関する事項が含まれておりますが、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 受注環境について

当社グループの主要事業である道路舗装工事及び一般土木建築工事の今後の受注環境は、現況よりも官公庁の公共投資や民間設備投資に大きな抑制要因が生じた場合に,当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(2) 資材価格の変動

当社グループの製品製造・販売事業に係る主要な原材料(特にストレートアスファルト)価格の高騰が長期化し、その価格を販売価格に転嫁できない場合、また舗装、土木事業において売上高に価格転嫁ができない場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(3) 顧客に関する信用リスクについて

当社グループが有する完成工事未収入金・貸付金・その他の債権または求償権について、顧客に債務の不履行がある場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(4) 法的規制等について

当社グループの属する道路建設業界は、建設業法により法的規制を受けており、将来これらの法令の改正、新たな法令規制が制定適用された場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(5) 訴訟、規制当局による措置その他の法的手続について

当社は、東日本高速道路株式会社東北支社発注の、東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札に関して、独占禁止法違反の疑いがあるとして、平成27年1月に公正取引委員会の立入り調査を受け、平成28年3月、当社および当社関係者が、同法違反の容疑により、東京地方検察庁から起訴されました。また、当社は同年3月に東日本高速道路株式会社、国土交通省東北地方整備局等から指名停止措置を受けております。かかる独占禁止法違反に関連して発生しうる課徴金につきましては、平成27年3月に、違約金につきましては平成28年3月に既に特別損失としてそれぞれ計上しておりますが、裁判の結果により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、この度の事態を厳粛かつ真摯に受け止め、原因の究明など再発防止に必要な社内調査の実施と、具体的な再発防止策の策定を進めるとともに、本件に係る事実の確認および原因の究明並びに、再発防止策の妥当性に関する客観的な評価および提言を得ることを目的に、当社から独立した社外の有識者・専門家から構成される「社外調査委員会」を設置しております。役職員一同、法令遵守の一層の徹底に取り組み、早期の信頼回復に最善を尽くしてまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、これからの舗装のニーズとされる長寿命化、維持修繕を想定し、これに対応する商品の開発および技術提案できる工法について、研究開発活動を実施しております。また、環境商品(凍結抑制、振動抑制、透水性舗装、景観舗装、補修材等)の研究開発にも力を入れております。
 研究の形態としましては、自社独自の研究開発及び東京ガス㈱、佐藤工業㈱との共同研究を通じて、商品開発、特許出願、論文発表を成果品とした研究活動を実施しております。
 当連結会計年度における研究開発費の総額 は4千万円であり、主な研究・開発のテーマは次のとおりであります。
(1)舗装の長寿命化、維持修繕に関する研究開発
 ①長寿命化舗装材料に関する研究
 ②舗装の点検方法に関する研究
 ③コンクリート舗装の施工方法に関する研究
 ④橋梁の修繕方法に関する研究
(2)環境商品に関する研究
 ①透水性コンクリート舗装に関する研究
 ②舗装の補修材料に関する研究
 ③土系舗装に関する研究
 ④凍結抑制舗装に関する研究
(3)共同研究他
 ①補修材、仮復旧材に関する研究開発(東京ガス(株))
 ②保水型透水性舗装に関する研究(佐藤工業㈱)

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」又は「当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
 

(1) 財政状態

(資産)
 当連結会計年度における資産の残高は323億8千6百万円となり、前連結会計年度と比較して14億6千1百万円増加しました。これは工事代金の入金により現金預金が28億2千7百万円増加し、受取手形・完成工事未収入金等が17億3百万円減少したことが主な要因であります。
(負債)
 当連結会計年度における負債の残高は202億2千1百万円となり、前連結会計年度と比較して1億5千9百万円増加しました。これは設備関係支払手形が3億2千9百万円増加したことが主な要因であります。
(純資産)
  当連結会計年度における純資産の残高は121億6千4百万円となり、前連結会計年度と比較して13億2百万円増加しました。これは利益剰余金が14億2千万円増加したことが主な要因であります。

 

 

(2) 経営成績

(売上高)
  当連結会計年度の売上高は施工高と製品販売高が増加したことにより、402億2千万円と前連結会計年度と比較して14億円増加しました。
  (売上原価)
  工事部門及び製品販売部門では原材料価格の下落などにより、売上高に対する原価率は前連結会計年度と比較して2.1ポイント減少して、89.1%となりました。
  (売上総利益)
  売上総利益は前連結会計年度と比較して9億7千5百万円増の43億8千万円となり、原価率の低下により、売上総利益率は10.9%と前連結会計年度に比較して2.1ポイント増加しました。
  (販売費及び一般管理費)
  販売費及び一般管理費は、賞与引当金繰入額の減少等により、前連結会計年度と比較して2百万円減の19億3千6百万円となりました。
  (営業利益)
 売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は、前連結会計年度に比較して9億7千8百万円増の24億4千4百万円となりました。
  (営業外収益・費用)
 受取利息から支払利息を差し引いた純金利負担は5千6百万円となりました。
  (経常利益)
 営業利益に営業外収益・費用を加減算した経常利益は、前連結会計年度に比較して10億円増の25億3千3百万円となりました。
 (特別利益・損失)
 特別損益としては、独占禁止法関連損失引当金繰入額を特別損失に計上したことなどから、特別利益から特別損失を差し引いた純額は2億9千4百万円の損失となりました。
 (税金等調整前当期純利益)
 経常利益に特別利益・損失を加減算した税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比較して9億3千万円増の22億3千9百万円となりました。
 (親会社株主に帰属する当期純利益)
 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比較して5億6千4百万円増の14億7千9百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の21億1千7百万円に比べて28億2千7百万円増加し、49億4千5百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は35億8千2百万円の増加となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益と売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は11億1千4百万円の増加となりました。これは、主に固定資産の取得による支出が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は7億9千1百万円の減少となりました。これは、主に長期借入れによる収入が減少したことによるものであります。