文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「社会の求めるものに応えることを通し、社会に奉仕する。このため会社はその存続発展をはかるに足る相応の利益を挙げる。」を経営信条に掲げ、ひたすら誠意と努力を積み重ね社会の期待に応えることを基本方針としています。また、経営環境の変化に敏速に対応するために、社是である「誠実、創造、最高の技術」を念頭におき、「ステークホルダーの期待に応え、信用され続ける企業」、「持続的収益を基盤として、社員に安心・安全を与える企業」、「人と地球に優しい環境技術を追求する企業」を目指しています。
将来にわたり持続的な成長を実現するため、技術開発・人材育成・設備等への将来を見据えた投資を積極的に行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響は、工事現場の施工停止、工場の稼働停止などもなく順調に営業しており、現時点においては軽微であります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束の時期は未だ不透明であり、事業活動への影響を現時点では予測できない状況となっております。この先、新型コロナウイルス感染症の拡大による工事の発注抑制、工事現場の施工停止や工場の稼働停止などの事態が生じた場合には、翌期以降の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。影響額については、現時点において合理的に算定することが困難でありますが、グループ全体で利益確保に努めてまいります。
このような環境のもと、まずは新型コロナウイルス感染症による足元の影響の極小化に努め、目標最終年度を迎える「中期経営計画(2018年度~2020年度)」の達成に向けて、当社グループ一丸となって取り組んでおります。重点施策である、安定した収益の確保、現場力の向上、コーポレートガバナンスの更なる充実、コンプライアンス経営の徹底に継続的に取り組んでおります。また、目標達成のために、「組織の見直し」「人材配置の最適化」「レベルアップ教育」を行い、どんな環境でも利益を出せる会社を目指し企業価値の向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 受注環境について
当社グループの主要事業である道路舗装工事及び一般土木建築工事の今後の受注環境は、現況よりも官公庁の公共投資や民間設備投資に大きな抑制要因が生じた場合に、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。このため、官公庁や民間の投資動向の早期把握に努め、建設需要に対応した人材配置の最適化により経営の効率化を図ることとしております。
当社グループの製品製造・販売事業に係る主要な原材料(特にストレートアスファルト)価格の高騰が長期化し、その価格を販売価格に転嫁できない場合、また舗装、土木事業において売上高に価格転嫁ができない場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。このため、原材料市況を常に把握し、早期に原価検討を実施することにより、影響を最小限にとどめることとしております。
当社グループが有する完成工事未収入金・貸付金・その他債権または求償権について、顧客に債務の不履行がある場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。このため、与信管理規程に基づく受注可否の徹底や未収入金の管理の徹底に努めることとしております。
当社グループは、建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、将来これらの法令の改正、新たな法令規制が制定適用された場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。このため、関係法令等の動向について適宜情報収集及びその分析を行い、関連部署を中心に適切に対応することとしております。
当社グループの事業所や合材工場周辺で地震等の大規模な自然災害が発生し、生産設備等に被害を受けた場合、売上高の低下や設備復旧費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。このため、全社的なBCPと防災マニュアル及び地域ごとに地震・災害マニュアルを策定し、大規模災害を想定した訓練及び必要な対策を継続実施することにより、影響を最小限にとどめることとしております。
パンデミックが起こった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。このため、パンデミックの発生が懸念される場合、事業活動の継続や従業員の衛生・健康の確保のために必要な対応を適時適切に行うこととしております。
特に、現下の新型コロナウイルス感染症拡大に関しては、工事の進捗等への影響は出ていない状況ですが、あらゆる面でその影響を注視し、必要な対応を図ってまいります。現時点におきましては、「新型コロナウイルス感染症予防対策ガイドライン」を策定し、従業員をはじめステークホルダーの生命と健康を守るため、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みを実施しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の当期事業への大きな影響はありませんでした。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善などを背景に景気は緩やかな回復基調で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、消費や生産の停滞が顕在化するなど、景気の先行きは非常に厳しい状況で推移いたしました。
道路建設業界におきましては、公共投資、民間設備投資ともに堅調に推移しましたが、受注競争の激化や原材料費・労務費の上昇傾向が続くなど、経営環境は依然として厳しい状況でありました。
このような状況の中で、当社グループは、“創業100周年”と“ポスト五輪”を見据え、経営基盤のさらなる強化を推進することを基本方針とする「中期経営計画(2018年度~2020年度)」を策定し、その計画達成に向けてグループ一丸となって取り組んでまいりました。その結果、売上高は前期繰越工事が増加したものの、当期受注工事の受注時期の遅延等から完成時期の翌期へのずれ込み等の影響により、受注高は、394億3千6百万円(前年同期の受注高は401億9千4百万円)となり、売上高は、368億6千1百万円(前年同期の売上高は388億3千5百万円)となりました。
損益につきましては、売上高の減少に加え、手持工事で利益改善が計画通り進まなかったこと等により、経常利益は15億6千5百万円(前年同期の経常利益は18億5千3百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は10億4千4百万円(前年同期の親会社株主に帰属する当期純利益は12億3千3百万円)となりました。
部門別の事業の概況は以下の通りであります。
(工事部門)
当連結会計年度の受注高は348億2千3百万円(前年同期比2.4%減)となりました。また、完成工事高は322億4千8百万円(前年同期比6.1%減)となり、次期繰越高は153億3千9百万円(前年同期比20.2%増)となりました。
(製品等販売部門)
当連結会計年度の売上高は46億1千3百万円(前年同期比2.3%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10億4千4百万円増加し、38億4千6百万円となりました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の増加は、24億3千2百万円(前連結会計年度は22億6千5百万円の増加)となりました。主な増加の要因は、税金等調整前当期純利益と売上債権の減少によるものであります。また、主な減少の要因は法人税等の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の減少は、5億1千万円(前連結会計年度は13億4千6百万円の減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の減少は、8億7千7百万円(前連結会計年度は10億3千4百万円の減少)となりました。主な要因は、短期借入金の返済によるものであります。
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)であります。
(注) 百分比は受注工事高比であります。
(注) 1 完成工事のうち主なものは次のとおりであります。
前連結会計年度の完成工事のうち請負金3億円以上の主なもの
当連結会計年度の完成工事のうち請負金3億円以上の主なもの
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。
前連結会計年度完成工事高
当連結会計年度完成工事高
f. 手持工事高 (2020年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち主なものは次のとおりであります。
手持工事のうち請負金3億円以上の主なもの
アスファルト合材等の販売実績は次のとおりであります。
(注)製造数量と販売数量との差異は、連結会社の請負工事に使用した数量であります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(資産)
当連結会計年度の資産合計は315億1千5百万円(前連結会計年度比4億1百万円増、1.3%増)、流動資産は184億1千万円(同4億9千1百万円増、2.7%増)、固定資産は131億5百万円(同9千百万円減、0.7%減)となりました。
流動資産増加の主な要因につきましては、代金回収などにより現金・預金が10億4千4百万円増加したことによります。固定資産減少の主な要因は減価償却によるものです。
(負債)
当連結会計年度の負債合計は152億8千3百万円(同3億6千万円減、2.3%減)、流動負債は116億2千1百万円(同3億3千6百万円減、2.8%減)、固定負債は36億6千2百万円(同2千4百万円減、0.7%減)となりました。流動負債減少の主な要因は、短期借入金が5億円減少したことによります。固定負債減少の主な要因は、長期借入金が1億4千8百万円減少したことによります。
(純資産)
当連結会計年度の純資産合計は162億3千2百万円(同7億6千1百万円増、4.9%増)となりました。純資産増加の主な要因は、利益剰余金が8億5千3百万円増加したことによります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度の49.5%から51.3%に増加し、1株当たり純資産額は前連結会計年度の4,831円60銭から5,066円78銭に増加しました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は施工高が減少したことにより、368億6千1百万円と前連結会計年度と比較して19億7千3百万円減少しました。減少要因として受注計画の狂いがあります。受注高としましては、ほぼ計画通りでありますが、受注時期の遅延等から完成時期の翌期へのずれ込みが影響しております。
受注計画の狂いを分析しますと、主に官公庁発注工事に配置する技術職員についての保守的な計画が影響し、民間工事を積極的に受注できなかったことが主な要因であります。このため、全国レベルでの「人材配置の最適化」を図ることとしております。
(営業利益)
製品販売部門の採算性が向上したものの、工事部門おける売上高減少に伴う粗利益の減少、受注競争の激化による粗利益の低下、大型工事における利益改善の計画未達等が影響し、14億3千3百万円と前連結会計年度と比較して3億6百万円減少しました。
工事の採算性につきましては、受注競争の激化もありますが、職員の現場管理能力にばらつきがあったことが利益改善未達の主な要因でした。このため、工事施工の効率化、生産性の向上、厳正な原価管理等の「レベルアップ教育」により改善を図ることとしております。
(経常利益)
持分法による投資利益が増加したことにより営業外収益が増加し、支払利息が減少したことにより営業外費用が減少したことから、経常利益は15億6千5百万円と前連結会計年度と比較して2億8千8百万円減少しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は3百万円の支出と僅少であり、親会社株主に帰属する当期純利益は10億4千4百万円と前連結会計年度と比較して1億8千9百万円減少しました。
以上の結果から、1株当たり当期純利益は、327円40銭(前連結会計年度は386円74銭)となりました。
当連結会計年度の達成・進捗状況は以下のとおりであります。
売上高は受注時期の遅延等から施工高が減少したことにより、計画比31億3千9百万円減少(7.8%減)となりました。営業利益は売上高の減少や工事の採算性向上が進まなかったことなどよる売上総利益の減少により、計画比3億6千7百万円減少(20.4%減)となりました。
自己資本比率は借入金の減少により負債割合が減少し、前連結会計年度より1.75ポイント増加の51.29%(前連結会計年度は49.54%)となり、ROE(自己資本利益率)は親会社株主に帰属する当期純利益の減少により、前連結会計年度より1.63ポイント減少の6.62%(前連結会計年度は8.25%)となりました。また、配当性向につきましては、1株当たり配当額は計画通りですが、親会社株主に帰属する当期純利益の減少により、計画比2.3ポイント増となりました。
(注)2019年度は中期経営計画の経過年であるため、2019年度(計画)の自己資本比率及びROE(自己資本利益率)については、公表しておりません。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)連結経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、運転資金として、建設事業に係る材料費・労務費・外注費・経費・一般管理費等があります。また設備資金としては、事業所の更新や工事用機械、合材工場用機械の拡充更新等があります。
当社グループでは、運転資金及び設備資金につきましては、主に自己資金、金融機関からの借入により資金調達することを基本としております。このうち、借入につきましては、運転資金は短期借入金で、設備などの長期資金は長期借入金で調達することを基本としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、財政状態・経営成績及びキャッシュ・フローに影響を与える見積りが含まれております。当社グループではこの見積りを、過去の実績値や合理的と判断される入手可能な情報により継続的に行っております。しかし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は現時点においては軽微であります。また、新型コロナウイルス感染症の収束の時期は未だ不透明であり、将来の業績予測に反映することが難しいため、新型コロナウイルス感染症の影響は考慮しておりません。
(a)工事進行基準
完成工事高の計上は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用しております。適用にあたり、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積り、完成工事高を計上しております。利益管理プロセスとして工事契約ごとの収支管理や工期管理を行い、工事原価総額の見積りにおいても、各工事の工事収益総額、工事原価総額は工事責任者が見積り、所属長が承認する等、内部統制を適切に整備・運用しております。また、決算日における工事進捗度を見積る方法として原価比例法を採用しており、適切に工事進捗度を見積もっておりますが、見積りの不確実性や今後の工事内容の変更により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(b)繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対し評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得見込額を合理的に見積もっております。
課税所得見込額はその時の業績により変動するため、課税所得見込額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(c)退職給付費用及び退職給付債務
退職給付費用及び退職給付債務は、主に数理計算で算定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率、発生した給付額、昇給率等に基づいて計算しております。実際の結果がこれらの想定と異なる場合、退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。
(d)工事損失引当金
当社グループでは、受注工事の損失に備えるため、手持工事のうち損失が確実視され、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事については、工事損失引当金を計上しております。手持工事の損失見込額については、工事責任者が工事収益総額及び工事原価総額を見積り、所属長が承認しておりますが、見積る際に想定していなかった工事契約変更や施工条件の悪化等により損失見込額が増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
当社グループでは、これからの舗装のニーズとされる長寿命化、維持修繕を想定し、これに対応する商品の開発及び技術提案できる工法及び従来工法の高度化について、研究開発活動を実施しております。また、環境商品(透水性舗装、歩行者系舗装材、景観舗装等)の研究開発にも力を入れております。
研究の形態としましては、自社独自の研究開発及び東京ガス(株)、東京大学、帝人(株)、各種研究会との共同研究を通じて、商品開発、特許出願、論文発表を成果品とした研究活動を実施しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額 は
(1)舗装の長寿命化、維持修繕に関する研究開発
①長寿命化舗装材料に関する研究開発
②コンクリート舗装の施工の高度化に関する研究開発
③アスファルト混合物の品質確保に関する研究開発
④コンクリート舗装維持修繕技術に関する研究開発
(2)環境商品に関する研究開発
①透水性コンクリート舗装に関する研究開発
②舗装の補修材料に関する研究開発
③凍結抑制舗装技術に関する研究開発
④歩道等の材料に関する研究開発
⑤各種舗装の熱環境に関する研究開発
⑥舗装の人体への影響に関する研究開発
(3)共同研究他
①補修材、仮復旧材に関する研究開発(東京ガス(株))
②環境景観(透水性)舗装の舗装温度に関する研究開発(東京大学)
③透水性舗装の高度化に関する研究開発(帝人(株))