第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調が続いているものの、中国およびアジア新興国の経済減速に加え、英国のEU離脱問題など、先行きが不透明な状況で推移しました。
 建設業界におきましては、公共投資が底堅く推移するなか、民間設備投資は持ち直しの動きに足踏みがみられ、引き続き厳しい経営環境が続きました。
 このような状況のもと、当社グループは、第11次中期経営計画目標の「安定的成長(ROEの安定的向上)を支える確固たる事業基盤の構築」のため、営業基盤の拡充、海外マーケット領域の拡大や各種リスクへの管理体制強化を図り、安定的な受注量と適正利益の確保および施工効率の向上に取り組んでおります。
 このような結果、当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。
 受注高は、467億59百万円(前年同期比3.5%減)となりました。部門別の内訳は、内線部門(プラント事業部を含む。)は、マレーシア国内の受注が減少したことにより、279億45百万円(前年同期比13.2%減)となりました。電力部門は、大型送電線工事の受注により、117億62百万円(前年同期比4.2%増)となり、空調給排水部門は、子会社との一体営業による相乗効果もあり63億74百万円(前年同期比46.2%増)となりました。
 売上高は、電力部門での太陽光発電所建設工事など大型の再生可能エネルギー関連工事が順調に推移したことにより、463億97百万円(前年同期比3.6%増)となりました。
 利益面では、人件費や固定資産の維持更新による減価償却費などの固定費の増加の影響もあり、営業利益11億9百万円(前年同期比10.3%減)、経常利益14億71百万円(前年同期比3.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、税金費用が増加したことにより9億52百万円(前年同期比20.8%減)を計上する結果となりました。
 個別業績につきましては、受注高は347億28百万円(前年同期比6.6%増)となりました。売上高は321億91百万円(前年同期比1.9%増)となり、利益面では、営業利益8億4百万円(前年同期比32.6%減)、経常利益12億4百万円(前年同期比16.3%減)、当期純利益8億77百万円(前年同期比11.6%減)を計上する結果となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(日本)
 当連結会計年度の売上高は311億84百万円(前年同期比6.1%増)となり、営業利益は20億57百万円(前年同期は営業利益21億32百万円)となりました。
(東南アジア)
 当連結会計年度の売上高は141億2百万円(前年同期比1.9%減)となり、営業利益は2億68百万円(前年同期は営業利益1億70百万円)となりました。
(その他アジア)
 当連結会計年度の売上高は12億67百万円(前年同期比18.6%増)となり、営業損失は1億81百万円(前年同期は営業損失1億23百万円)となりました。

 

なお、「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、77億86百万円(前年同期比23.1%減)となりました。
 各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
 営業活動によるキャッシュ・フローは、9億87百万円の支出(前年同期は5億19百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が15億26百万円となった他、仕入債務の減少20億62百万円や法人税等の支払額3億76百万円などにより資金が減少したことによるものです。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、2億98百万円の支出(前年同期は3億3百万円の収入)となりました。主な要因は、有価証券の償還による収入2億円や投資有価証券の売却による収入1億81百万円などにより資金が増加しましたが、無形固定資産の取得による支出1億93百万円や投資不動産の取得による支出3億79百万円などにより資金が減少したことによるものです。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、9億30百万円の支出(前年同期は8億66百万円の支出)となりました。主な要因は、自己株式の取得による支出4億23百万円や配当金の支払額4億71百万円による支出などにより資金が減少したことによるものです。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 受注実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度
自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日
(千円)

当連結会計年度
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日
(千円)

増減率
(%)

日本

31,120,730

33,774,161

8.5

東南アジア

16,410,031

11,352,582

△30.8

その他アジア

908,595

1,632,565

79.7

合計

48,439,357

46,759,310

△3.5

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

 

(2) 売上実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度
自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日
(千円)

当連結会計年度
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日
(千円)

増減率
(%)

日本

29,384,572

31,184,071

6.1

東南アジア

14,377,455

14,102,330

△1.9

その他アジア

1,068,787

1,267,883

18.6

合計

44,830,815

46,554,285

3.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

   2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

 3 総売上実績に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上実績及びその割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

清水建設㈱

3,525,394

7.9

5,236,917

11.3

 

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

期別

区分

前期繰越
工事高
(千円)

当期受注
工事高
(千円)


(千円)

当期完成
工事高
(千円)

次期繰越工事高

当期
施工高
(千円)

手持工事高
(千円)

うち施工高
(%)   (千円)

前事業年度
自平成27年4月1日
至平成28年3月31日

内線工事

16,225,691

19,211,765

35,437,457

20,103,070

(15,334,386)

15,092,554

1.1

164,019

20,114,987

電力工事

6,040,678

11,289,388

17,330,067

8,693,666

8,636,401

0.3

24,068

7,851,204

空調給排
水工事

2,600,642

1,478,858

4,079,500

2,113,160

1,966,340

0.4

7,080

2,117,352

機器製作

220,707

586,176

806,883

688,725

118,158

13.7

16,184

674,177

25,087,720

32,566,189

57,653,909

31,598,622

(26,055,287)

25,813,454

0.8

211,353

30,757,720

当事業年度
自平成28年4月1日
至平成29年3月31日

内線工事

15,092,554

20,247,693

35,340,247

18,203,766

(17,136,481)

16,975,427

0.8

135,963

18,175,710

電力工事

8,636,401

11,762,197

20,398,599

11,577,243

8,821,355

0.8

70,706

11,623,881

空調給排
水工事

1,966,340

2,041,166

4,007,506

1,842,830

2,164,676

0.2

3,383

1,839,133

機器製作

118,158

677,346

795,505

567,672

227,832

18.9

43,075

594,563

25,813,454

34,728,404

60,541,859

32,191,514

(28,350,345)

28,189,292

0.9

253,128

32,233,288

 

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。

4 当期受注工事高のうち海外工事の割合は、前事業年度15.7%、当事業年度17.9%で、そのうち請負金額8億円以上の主なものは次のとおりであります。

前事業年度

KOON SENG CONSTRUCTION PTE LTD

NUH UTILITY SERVICES BUILDING

(シンガポール)

 

OBAYASHI SINGAPORE PTE LTD

PROJECT ZENITH

(シンガポール)

当事業年度

HOCK LIANG SENG INFRASTRUCTURE PTE LTD

CHANGI EAST 3 RUNWAY-PKG2

(シンガポール)

 

5 外貨建契約による海外工事の受注高と完成工事高の為替換算差額については、当該期の次期繰越工事高を修正しております。

手持工事高欄の(   )内の金額は換算差額修正前の金額であります。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されております。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

内線工事

9.1

90.9

100.0

電力工事

20.4

79.6

100.0

空調給排水工事

0.3

99.7

100.0

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

内線工事

2.7

97.3

100.0

電力工事

31.2

68.8

100.0

空調給排水工事

0.1

99.9

100.0

 

(注) 1 百分比は請負金額比であります。

2 機器製作は少額のため内線工事に含めております。

 

 

③ 完成工事高

 

期別

区分

官公庁
(千円)

民間会社
(千円)

電力会社
(千円)


    (千円)    (%)

前事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

内線工事

2,985,702

17,117,227

141

(5,090,856)

20,103,070

(25.3)

 

電力工事

4,224,997

4,468,668

8,693,666

 

空調給排水工事

469

2,112,691

2,113,160

 

機器製作

688,725

688,725

 

2,986,171

24,143,641

4,468,809

(5,090,856)

31,598,622

(16.1)

 

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

内線工事

2,429,535

15,770,481

3,750

(5,757,204)

18,203,766

(31.6)

 

電力工事

6,176,574

5,400,668

11,577,243

 

空調給排水工事

60,420

1,782,410

1,842,830

 

機器製作

567,378

294

567,672

 

2,489,955

24,296,846

5,404,712

(5,757,204)

32,191,514

(17.9)

 

 

(注) 1 合計欄の( )内の数字(内書)は海外工事高及び海外工事割合であります。

2 海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。

 

地域

前事業年度(%)

当事業年度(%)

東南アジア

89.0

71.5

その他アジア

11.0

28.5

100.0

100.0

 

3 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度 請負金額8億円以上の主なもの

株式会社エコパワーJP

釧路音別太陽光発電所建設工事

SATO KOGYO(S) PTE LTD.

HI-TECH DATA PROCESSING AND COMPUTING FACIRITY DEVELOPMENT

中国電力株式会社

山陰幹線№256-258/269-278経年鉄塔建替工事及び除却工事

株式会社フジタ

広島原爆病院電気設備工事

戸田建設株式会社

クリーンエナジー清里の杜太陽光発電所建設工事(電気設備工事)

東北電力株式会社

東通支線増強工事(1工区)

 

 

当事業年度 請負金額8億円以上の主なもの

三井物産プラントシステム株式会社

北杜明野ソーラー発電所建設工事

OBAYASHI CORPORATION

EAST-WEST TRANSMISSION CABLE TUNNEL EW1

SBエナジー株式会社

ソフトバンク那須塩原ソーラーパーク工事

LIAN SOON CONSTRUCTION PTE LTD

FRENCH PRIMARY SCHOOL

KOON SENG CONSTRUCTION PTE LTD

NUH UTILITY PLANT

清水建設株式会社

京橋二丁目西再開発電気設備工事

中国四国防衛局

岩国飛行場(H26)下士官宿舎等新設電気工事

 

 

4 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度  該当する相手先はありません。

当事業年度  清水建設株式会社     3,455,251千円   10.73%

 

 

④ 手持工事高(平成29年3月31日現在)

 

区分

官公庁
(千円)

民間会社
(千円)

電力会社
(千円)


     (千円)      (%)

内線工事

3,938,893

13,036,534

(4,175,413)

16,975,427

(24.6)

 

電力工事

3,634,389

5,186,966

8,821,355

 

空調給排水工事

2,164,676

2,164,676

 

機器製作

227,832

227,832

 

3,983,893

19,063,432

5,186,966

(4,175,413)

28,189,292

(14.8)

 

 

(注) 1 合計欄の( )内の数字(内書)は海外工事の手持工事高及び手持工事割合であります。

2 手持工事のうち請負金額10億円以上の主なもの

合同会社JRE高知香美

JRE高知香美太陽光発電所建設工事

平成29年9月完成予定

清水建設株式会社

京王調布駅ビル電気工事

平成29年9月完成予定

中国電力株式会社

220KV広島東幹線一部増強工事(3工区)

平成30年3月完成予定

東京電力パワーグリッド株式会社

飛騨信濃直流幹線新設工事(4工区)

平成33年6月完成予定

HOCK LIANG SENG INFRASTRUCTURE
PTE LTD

CHANGI EAST 3 RUNWAY-PKG2

平成33年10月完成予定

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループは、
・わたしたちは、自然環境をやさしくまもり、育てます。
・わたしたちは、顧客満足をたゆまずに追求します。
・わたしたちは、創造的に、積極的に行動します。
を経営理念に掲げ、電気設備工事をはじめ建築設備全般に携わる者として、その社会的責任の重さを自覚し、高い倫理観に根ざした社会的良識をもって行動する企業行動憲章のもと、企業の持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上を実現し、社会の繁栄に貢献していくことによって、社会的役割・使命を果たしてまいります。

 

(2) 経営戦略

当社グループは、経営環境の変化に対応しつつ、企業の持続的かつ安定的な成長による企業価値の向上、ROEの安定的向上を目指し、そのために必要な業績を確保していくことを目的として、平成28年度より開始した第11次中期経営計画(2016年4月~2019年3月)を策定し、中期の経営目標の達成に取り組んでおります。
 
[第11次中期経営計画計数目標]
 中計最終年度の営業利益23億円を目指す
 
[重点方針]
・コア事業の更なる強化と事業領域の拡大
・生産性の向上等構造改善と利益の拡大
・次世代を展望した人財力の強化
・成長を支えるガバナンスの確保

 

(3) 対処すべき課題

当社グループは、安定的成長を支える確固たる事業基盤の構築のため、営業基盤の拡充、海外マーケット領域の拡大や各種リスクへの管理体制強化を図り、安定的な受注量と適正利益の確保および施工効率の向上に取り組んでおります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があるリスクには以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 競合による受注価格の低下と資材費・労務費の高騰による原価の上昇について
 当社グループは、厳しい市場環境のもと業者間で受注競争状態にあることから、事業競争力が相対的に減退した場合には業績が悪化する可能性があります。また、資材費・労務費が、国内外の政治・経済情勢などの影響により価格が高騰した場合、工事原価の上昇をもたらすことがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 取引先の信用リスクについて
 当社グループは、取引先の財政状態に応じた与信管理を実施し、可能な限り信用リスクの回避のため方策を講じておりますが、万一、発注者、協力会社および共同施工会社等の取引先が信用不安に陥った場合には、請負代金、工事立替資金等の回収不能や工事の進捗に支障をきたすこともあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 海外事業における社会的変動と為替相場の変動について
 当社グループは、売上の約30%以上は海外売上であり、進出国の政治・経済情勢、法制度などの著しい変化により工事の遂行計画や採算、代金回収などへの影響が生じた場合や金利水準の急激な変動や為替相場の大幅な変動などが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 建設工事にともなう人的・物的事故あるいは災害の発生について
 当社グループは、工事現場などでの作業が主体であるため人的・物的事故や災害発生のリスクが常にあり、事故・災害が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。これら事故・災害の発生を排除するために、品質管理、事故・災害撲滅活動の強化や教育を徹底するとともに、ISOなどの国際規格・規準の導入により工事完成に至るまで系統的な未然防止に努めております。
(5) 偶発事象(係争事件に係わる賠償責任等)
 当社グループは、製品の品質管理に万全を期しておりますが、瑕疵担保責任および製造物責任による損害賠償が発生した場合や工事現場での人的災害などの発生で訴訟を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法的規制について
 当社グループは、建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法などによる法的規制を受けており、これらの改廃や新設、適用基準の変更などがあった場合、または法的規制による行政処分を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社グループは、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行13行と貸出コミットメント契約(融資枠契約)を締結しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結貸借対照表関係)」に記載しております。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度において、特記すべき重要な事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状などを勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

①収益の認識基準
 当社グループの売上高は、主として工事進行基準によっております。将来、工事完成基準に比べ、工事収益および工事原価に対して見積要素による変動が発生する可能性があります。

②貸倒引当金の計上基準
 当社グループは、売上債権などの貸倒による損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。

③たな卸資産の評価基準
 当社グループのたな卸資産は、主として未成工事支出金であり、個別法による原価法によっております。将来、市場の需給の影響を受け、市場の価格変動により工事利益を圧迫する可能性があります。

④有価証券の減損処理
 当社は、長期的な取引関係の維持などの目的により、特定の顧客および金融機関に対する株式を保有しております。これらの株式には、価格変動性がある上場会社の株式と価格の決定が困難である非上場会社の株式が含まれております。上場会社の株式市場の価格変動リスクや非上場会社の純資産額の低下リスクを負っているため、将来、合理的な基準に基づき、評価損の計上をする可能性があります。

⑤繰延税金資産の回収可能性の評価
 当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価において、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

①売上高の分析
 売上高は、電力部門での太陽光発電所建設工事など大型の再生可能エネルギー関連工事が順調に推移したことにより、463億97百万円(前年同期比3.6%増)となりました。部門別の内訳は、内線工事部門が283億96百万円(前年同期比7.3%減)、電力工事部門が115億77百万円(前年同期比33.2%増)、空調給排水工事部門が58億55百万円(前年同期比22.9%増)、機器製作部門が5億67百万円(前年同期比17.6%減)となりました。
 また、海外工事高が152億13百万円(前年同期比1.3%減)と売上高の32.8%を占めることになりました。

②売上原価、販売費及び一般管理費の分析
 売上原価は売上高の増加にともない、410億円41百万円(前年同期比4.2%増)となりました。また、売上原価率は前連結会計年度より0.5ポイント悪化し88.5%となりました。
 販売費及び一般管理費は42億45百万円(前年同期比2.4%増)となりました。主なものは、従業員給料手当20億63百万円であります。

③営業外損益の分析
 営業外収益は6億78百万円(前年同期比9.5%増)となりました。主なものは、受取地代家賃3億38百万円であります。
 営業外費用は3億15百万円(前年同期比27.1%減)となりました。主なものは、為替差損44百万円および不動産賃貸費用1億44百万円であります。不動産賃貸費用は、投資不動産に対する固定資産税や定期的な修繕費などによるものであります。

④特別損益の分析
 特別利益は1億7百万円となりました。主なものは、投資有価証券売却益1億5百万円であります。
 特別損失は52百万円となりました。主なものは、固定資産除却損46百万円であります。

⑤当期損益の分析
 人件費や固定資産の維持更新による減価償却費などの固定費の増加の影響もあり、営業利益11億9百万円(前年同期比10.3%減)、経常利益14億71百万円(前年同期比3.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、税金費用が増加したことにより9億52百万円(前年同期比20.8%減)を計上する結果となりました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①財政状態の状況 

 当連結会計年度末における総資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億70百万円減少し、436億78百万円となりました。主な要因は、時価の上昇等による投資有価証券6億52百万円の増加に対し、現金預金23億41百万円の減少などによるものです。
 負債合計は、前連結会計年度末に比べ19億3百万円減少し、134億74百万円となりました。主な要因は、長期の繰延税金負債2億19百万円の増加に対し、支払手形・工事未払金等22億83百万円の減少などによるものです。
 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4億33百万円増加し、302億3百万円となりました。主な要因は、利益剰余金4億80百万円の増加などによるものです。

②キャッシュ・フローの状況
 キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

③資金需要について
 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事に要する材料の購入、外注費の他、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払によるものであります。
 運転資金については、自己資金、工事の前受金によるものの他、借入を適宜有効に行い調達しております。また、当社は総額40億50百万円の貸出コミットメント契約も締結しております。