当連結会計年度におけるわが国経済は、政府・日本銀行による政策効果等もあり、全体としては緩やかな回復基調を辿ってまいりましたが、新興国・資源国を中心とした世界経済の減速懸念に加え、年明け以降は円高・株安が急激に進行し、国内景気の先行き不安が一段と高まるなど、次第に停滞感が強まる展開となりました。
道路建設業界におきましても、民間建設投資は底堅く推移したものの、国・地方自治体による発注工事が減少傾向に転じ、また、舗装用資材の需要につきましても総じて低迷するなど、依然として予断を許さない事業環境が続きました。
このような情勢のもと、当社グループでは、計画2年目となる「中期3ヶ年経営計画」(平成26年4月1日~平成29年3月31日)に基づき、引き続き、収益の源泉となる工事受注の確保やアスファルト合材などの製品販売に注力するとともに、市場シェアの拡大に向け、支店組織の再編や再配置、グループとしての事業拠点の拡充を進めるなど、将来を見据えた経営基盤の強化にも積極的に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、受注高(製品売上高および不動産事業等売上高を含む)は757億24百万円(前連結会計年度比6.5%増)、売上高は746億34百万円(同17.5%増)、経常利益は62億61百万円(同39.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は56億82百万円(同30.2%増)となりました。
セグメントの概況を示すと、次の通りであります。
なお、完成工事高、売上高および営業利益(セグメント利益)については、セグメント間の内部取引高等を含めた調整前の金額をそれぞれ記載しております。
建設事業におきましては、地域の需要動向や今後の事業展開を見据えた営業・施工体制の整備拡充を継続して進めるとともに、技術提案力の強化や環境関連技術をはじめとする差別化商品の営業展開、さらには原価低減や利益の逸失防止に向けた諸施策に全社を挙げて取り組み、収益の確保を図ってまいりました。なお、当社では、平成27年4月、神奈川県で建設業を営む株式会社孝松工務店の全株式を取得し、同社を完全子会社化いたしました。
当連結会計年度の業績につきましては、受注高は592億96百万円(前連結会計年度比11.4%増)、完成工事高は582億6百万円(同27.5%増)、営業利益は40億67百万円(同60.1%増)となり、また、当連結会計年度末における次期への繰越工事高は280億88百万円(同4.0%増)となりました。
舗装資材製造販売事業におきましては、製品需要が伸び悩むなか、引き続き販売数量の確保に注力し収益拡大に努めるとともに、リサイクル施設の新設をはじめ、設備の更新・拡充を計画的に進めるなど、生産効率の向上や環境負荷の低減、将来に向けた事業基盤の強化にも継続して取り組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、製品売上高は247億54百万円(前連結会計年度比6.4%減)、営業利益は43億80百万円(同9.4%増)となりました。
当社グループでは、建設事業および舗装資材製造販売事業のほか、不動産事業等を営んでおり、その他の事業における売上高は5億95百万円(前連結会計年度比1.6%増)、営業利益は99百万円(同13.3%減)となりました。
当連結会計年度におきましては、税金等調整前当期純利益59億35百万円を計上したことに加え、未成工事支出金の減少などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは、66億79百万円の資金増加(前年同期は28億62百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度におきましては、舗装資材製造販売事業にかかるリサイクル設備の更新や施工用機械の取得などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは16億58百万円の資金減少(前年同期は12億34百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度におきましては、期末配当金の支払に加え、借入金の一部返済を行ったことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは16億3百万円の資金減少(前年同期は16億4百万円の資金減少)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度の期末残高と比べ34億17百万円増加し、84億82百万円となりました。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
建設事業 |
アスファルト舗装 |
44,650 |
7.7 |
|
コンクリート舗装 |
917 |
△42.8 |
|
|
土木工事等 |
13,728 |
35.1 |
|
|
計 |
59,296 |
11.4 |
|
|
舗装資材製造販売事業 |
16,364 |
△8.0 |
|
|
その他 |
63 |
△22.9 |
|
|
合計 |
75,724 |
6.5 |
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(注) セグメント間の内部取引については相殺消去しております。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度(百万円) (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
建設事業 |
アスファルト舗装 |
43,954 |
22.2 |
|
コンクリート舗装 |
1,312 |
27.2 |
|
|
土木工事等 |
12,938 |
49.3 |
|
|
計 |
58,206 |
27.5 |
|
|
舗装資材製造販売事業 |
16,364 |
△8.0 |
|
|
その他 |
63 |
△22.9 |
|
|
合計 |
74,634 |
17.5 |
|
(注) 1 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 主要相手先別売上状況
総売上高に対する割合が100分の10以上に該当する相手先は次のとおりであります。
前連結会計年度
該当する相手先はありません。
当連結会計年度
該当する相手先はありません。
3 セグメント間の内部取引については相殺消去しております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び施工高の状況
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
|
期別 |
工種別 |
前期繰越 |
当期受注 |
計 |
当期完成 |
次期繰越工事高 |
当期 |
||
|
手持 |
うち施工高 |
||||||||
|
比率 |
金額 |
||||||||
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前事業年度
(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
アスファルト舗装 |
13,336 |
39,972 |
53,308 |
34,651 |
18,656 |
44.0 |
8,214 |
39,194 |
|
コンクリート舗装 |
512 |
1,602 |
2,115 |
1,032 |
1,083 |
24.8 |
269 |
1,253 |
|
|
土木工事等 |
5,439 |
10,160 |
15,599 |
8,665 |
6,934 |
36.7 |
2,545 |
10,397 |
|
|
計 |
19,288 |
51,735 |
71,023 |
44,349 |
26,674 |
41.4 |
11,030 |
50,844 |
|
|
当事業年度
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
アスファルト舗装 |
18,656 |
42,660 |
61,317 |
42,094 |
19,222 |
29.0 |
5,576 |
39,609 |
|
コンクリート舗装 |
1,083 |
917 |
2,001 |
1,312 |
688 |
3.2 |
22 |
1,065 |
|
|
土木工事等 |
6,934 |
13,728 |
20,662 |
12,938 |
7,724 |
32.2 |
2,485 |
12,724 |
|
|
計 |
26,674 |
57,307 |
83,981 |
56,345 |
27,635 |
29.3 |
8,084 |
53,400 |
|
(注) 1 前期以前に受注した工事で契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にも同様の増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の工事施工高は、手持工事高の工事進捗部分であります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+当期の次期繰越工事施工高-前期の次期繰越工事施工高)に一致します。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争入札に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争入札(%) |
合計(%) |
|
前事業年度
(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
アスファルト舗装 |
63.1 |
36.9 |
100.0 |
|
コンクリート舗装 |
14.4 |
85.6 |
100.0 |
|
|
土木工事等 |
61.9 |
38.1 |
100.0 |
|
|
当事業年度
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
アスファルト舗装 |
58.9 |
41.1 |
100.0 |
|
コンクリート舗装 |
42.7 |
57.3 |
100.0 |
|
|
土木工事等 |
74.7 |
25.3 |
100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
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期別 |
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
合計(百万円) |
|
前事業年度
(自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
アスファルト舗装 |
11,384 |
23,267 |
34,651 |
|
コンクリート舗装 |
663 |
368 |
1,032 |
|
|
土木工事等 |
3,024 |
5,641 |
8,665 |
|
|
計 |
15,072 |
29,277 |
44,349 |
|
|
当事業年度
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
アスファルト舗装 |
17,459 |
24,635 |
42,094 |
|
コンクリート舗装 |
1,105 |
207 |
1,312 |
|
|
土木工事等 |
4,935 |
8,003 |
12,938 |
|
|
計 |
23,499 |
32,846 |
56,345 |
前事業年度の完成工事のうち主なものは次のとおりであります。
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工事名称 |
発注者 |
|
千歳(25)誘導路等整備土木工事 |
防衛省北海道防衛局 |
|
関越自動車道湯沢管内舗装補修工事 |
東日本高速道路株式会社 |
|
東京国際空港C滑走路舗装改良等工事 |
国土交通省関東地方整備局 |
|
路面補修工事(25四の15・二層式低騒音舗装) |
東京都 |
|
中央自動車道多治見管内舗装補修工事(H24年度) |
中日本高速道路株式会社 |
当事業年度の完成工事のうち主なものは次のとおりであります。
|
工事名称 |
発注者 |
|
H26上尾道路小敷谷地区舗装工事 |
国土交通省関東地方整備局 |
|
中央自動車道大月管内舗装補修工事(平成25年度) |
中日本高速道路株式会社 |
|
平成26年度1号下之一色地区舗装工事 |
国土交通省中部地方整備局 |
|
舗装補修工事(26-5-神) |
阪神高速道路株式会社 |
|
熊本空港誘導路改良外2件工事 |
国土交通省九州地方整備局 |
④ 手持工事高(平成28年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
合計(百万円) |
|
アスファルト舗装 |
12,162 |
7,060 |
19,222 |
|
コンクリート舗装 |
504 |
184 |
688 |
|
土木工事等 |
3,088 |
4,636 |
7,724 |
|
計 |
15,754 |
11,880 |
27,635 |
手持工事のうち主なものは次のとおりであります。
|
工事名称 |
発注者 |
完成予定年月 |
|
楢這トンネル舗装工事 |
国土交通省東北地方整備局 |
平成29年3月 |
|
(高負)YK34工区~YK43工区他舗装工事 |
首都高速道路株式会社 |
平成29年2月 |
|
中央自動車道飯田管内舗装補修工事(平成26年度) |
中日本高速道路株式会社 |
平成28年6月 |
|
名神高速道路京都高速道路事務所管内舗装補修工事 |
西日本高速道路株式会社 |
平成29年2月 |
|
関西国際空港2期新ターミナル(T3)地区アクセス道路等整備工事 |
新関西国際空港株式会社 |
平成28年9月 |
舗装資材製造販売事業における製造及び販売状況
|
期別 |
アスファルト合材 |
その他 |
売上高計 |
||
|
生産実績(千t) |
売上数量(千t) |
売上金額 |
|||
|
前事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
1,824 |
1,405 |
13,288 |
4,469 |
17,758 |
|
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
1,657 |
1,300 |
11,936 |
4,442 |
16,378 |
(注) 1 アスファルト合材の生産実績と売上数量との差異は、当社の請負工事に使用した数量であります。
2 その他製品売上金額は、アスファルト乳剤、砕石等の販売による売上高であります。
その他における売上状況
|
前事業年度 |
17百万円 |
|
当事業年度 |
17百万円 |
道路建設業界におきましては、防災・減災事業や東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたインフラ整備等により、ここ数年は底堅い需要が見込まれておりますが、一方では、資機材や技能労働者等の需給逼迫、建設コストの上昇をはじめ多くの懸念材料が存在しており、また、国・地方の財政状況等から長期的には公共事業費の漸減傾向が想定されるなか、将来にわたり、安定的・継続的に収益を確保していくためには、事業環境の変化に対する十分な備えと迅速かつ的確な対応が必要不可欠であると認識しております。
このような状況のなか、当社グループでは、引き続き「中期3ヶ年経営計画」に基づき、これまで実行してきた収益力の向上と財務体質改善に向けた取り組みをさらに深化させるとともに、「成長基盤の構築に向けた事業構造の改革と経営基盤のさらなる強化」に努め、ステークホルダーの皆様から「選ばれ続ける企業へ」の変革を推し進めてまいります。
また、安全・品質の確保や環境保全、コンプライアンスに対する取り組みをより一層強化するなど、「豊かな地域社会づくりに貢献する生活基盤創造企業」としての責務を誠実に果たし、社会からの信頼に応え、企業価値の向上に邁進してまいる所存であります。
なお、当社は、独占禁止法違反の疑いがあるとして公正取引委員会による立入検査および東京地方検察庁による強制捜査を受けており、また、東日本高速道路株式会社東北支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札に関する独占禁止法違反行為について、公正取引委員会に対し、課徴金減免制度の適用を申請いたしております。当社では、このたびの事態を厳粛に受け止め、取締役会において違法行為の徹底排除につきあらためて決議し、法令順守に向けた様々な施策を推進しておりますが、引き続き、違反行為の再発防止はもとよりコンプライアンス体制のさらなる強化に全社を挙げて取り組み、信頼の回復に努めてまいります。
(注) 当連結会計年度において当社が受けた立入検査等の概要は次のとおりであります。
1. 平成28年1月21日、東日本高速道路株式会社東北支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入検査および東京地方検察庁による強制捜査を受けました。
2. 平成28年3月24日、東日本高速道路株式会社関東支社が発注する東日本大震災に係る舗装災害復旧工事の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入検査を受けました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(平成28年6月23日)において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢について
当社グループの事業内容のうち、主要な部分を占める建設事業および舗装資材製造販売事業の業績は、公共工事の発注動向に大きく影響されます。したがいまして、公共事業費の過度の縮減傾向は、当社グループの収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、同様の理由から取引先の経営状態が悪化した場合、貸倒れの発生等により当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 資材価格の変動について
当社グループで製造する舗装資材の主要な原材料はストレートアスファルトであり、原材料の仕入値は原油市場の動向に大きく左右されます。仕入価格の上昇を製品価格に転嫁できない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、急激な需要動向の変化に伴う需給逼迫、あるいは為替の変動により資機材価格が上昇する可能性があるほか、建設事業につきましても同様に、資機材価格の高騰により利益率が低下する可能性があります。
(3) 法規制等について
当社グループは事業を遂行するうえで、建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制等を受けております。当社グループでは、これらの法的規制等の順守に努めておりますが、コスト増加や事業上の新たな制約につながる法的規制の新設や改廃、適用基準の変更等があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 瑕疵担保責任について
品質管理につきましては、品質保証に関する国際規格の認証を取得するなど、重要課題として取り組んでおりますが、当社グループの施工物件に重大な瑕疵担保責任が発生した場合には、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) シンジケートローンならびに金利の変動について
当社は安定的な金融取引体制の構築を目的として、金融機関数社との間にシンジケートローン契約を締結いたしておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、これらの条件に抵触した場合には期限の利益を喪失し、一括返済を求められる可能性があります。
また、本契約による借入金残高は全て変動金利によるものであり、将来の金利情勢の動向により当社グループの経営成績が変動する可能性があります。
(6) 関係会社等に関する重要事項について
当社は、その他の関係会社である東京急行電鉄株式会社および東急建設株式会社をはじめとする東急グループ各社との間で、工事受注等の取引を継続的に行っております。
特記事項はありません。
近年、道路をはじめとする社会インフラの重要性が再認識され、維持管理・更新のあり方も見直されつつあるなど、道路建設業を取り巻く環境は大きく変化しており、舗装に求められるニーズもより多様化、高度化しております。また、公共工事の発注も総合評価方式により入札が行われる比率が高まり、企業が保有する技術力や技術提案能力が工事受注に大きく影響を与えるようになっております。
当社では、このような状況の下、環境・景観に配慮した工法や国・地方の財政状況を踏まえた施工コスト縮減、維持管理の効率化など、舗装に求められる社会のニーズを的確に把握したうえで開発テーマを選定し、研究開発を行っております。
なお、当社の研究開発活動は、技術研究所を中心に行われており、当連結会計年度における建設事業および舗装資材製造販売事業の研究開発費は、2億87百万円となりました。
主な研究開発
(1) ザペック工法タイプGのコスト縮減、付加価値化
当社固有の凍結抑制工法であるザペック工法タイプGは、その機能の優位性が評価されておりますが、より競争力を高めるため、コスト縮減をテーマとし、施工機械の開発に取り組みました。
また、本工法をよりアピールするために、グルービングを備える特性を活かし、音響道路とザペック工法タイプGを組み合わせた工法の開発に取り組みました。供用中の道路において、試験施工(延長180m)を行い、走行試験による音響測定、冬季降雪時の融雪機能の状況観察から、両機能を十分備えた工法であることを確認いたしました。
(2) 常温合材の付加価値商品の開発(カラー常温合材)
常温合材の多様化が進むなか、一般ユーザー向けのカラー常温合材の開発を行いました。脱色バインダーを使用し、保存性、施工性、品質、耐候性を確認し、新商品を開発いたしました。
今後は、販売促進に取り組んでまいります。
(3) 防草舗装の改良及び効果検証
防草舗装のニーズが高いことから、従来の防草アスファルト加熱合材の改良を行いました。忌避剤を添加したアスファルト加熱合材に中温化剤等の特殊添加剤を混入し、また、配合を見直して施工性を改善したものを開発いたしました。
現在は試験ヤードにて防草効果の追跡調査を行っております。
(4) 歩行者が安全で快適に通行できる歩行者系舗装の開発
2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に伴うインフラ整備や、少子高齢化社会対応ユニバーサルデザインの推進を受けた需要拡大を見据え、弾力性、衝撃緩和性を有する歩行者系景観舗装の開発に取り組みました。
具体的には、2014年に土木学会より発刊された「舗装工学ライブラリー11 歩行者系舗装入門―安全で安心な路面を目指して―」において、歩行者が安全で快適に通行できる弾力性の範囲が示されたことから、これを目標値とした工法を開発いたしました。
名称は「アーバンエコナード」とし、営業展開を進めております。
(5) 枯葉舗装(押し花舗装)
東京都練馬区の軽交通道路において、枯葉が貼りついたすべり止め舗装が近隣で好評をえているとの情報があり、市場性のある特殊工法になりうるとして開発いたしました。景観イメージを模写したトレーシングフィルム(転写フィルム)の検討を行い、景観、施工、コストの面から実現性があると判断し、開発をすすめ実用化の目途がたちました。
今後は、転写フィルムの製造委託会社の選定、デザイナー選定、現道での施工・追跡調査を行い、パンフレット、技術資料を整備してまいります。
(6) CIM技術の舗装工事への活用および情報化施工の開発と推進
①CIM(Construction Information Modeling)の適用性検討
電線共同溝工事においてCIMを日々の安全確認、出来形管理、工事写真管理に活用いたしました。地下埋設物が多い場所ではCIMによる3Dモデルが特に効果を発揮することが確認されました。
②GNSSを用いたマシンコントロールの検討
当社では、トータルステーションによる情報化施工技術を進めていますが、複数の情報施工機器を同時に使用する場合には、人工衛星を用いた測位システム(基地局設置RTK-GNSS)が、コスト・手間などにおいて優位であると考え、実際に施工現場において確認した結果、その優位性が実証されました。
今後は、本システムの活用、現場支援を進めてまいります。
③排土板付ミニバックホウのマシンコントロール
小規模工事、または大規模工事の矮小部の施工においては、小型ブルドーザーより排土板付バックホウが利便性が高く、民間工事での効率化を図るべくミニバックホウの排土板を情報化施工技術によりコントロールする技術を開発いたしました。
(7) 中温化フォームド技術の確立
中温化技術、再生合材施工性向上技術としてフォームド技術の開発を行いました。
具体的には多摩合材工場に、マイクロバブル発生装置3基と技術研究所に室内実験用1基を設置し、運用しております。二酸化炭素排出量の削減効果に加え、作業性についても当社独自の評価法を確立し、作業性の良い混合物であることを確認しております。
今後はパンフレット、技術資料を作成し、販売促進を行ってまいります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積もりが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積もりにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較し14億65百万円増加の575億44百万円となりました。現金預金の増加などにより、流動資産は9億67百万円の増加となり、また、リサイクル施設の新設や施工用機械の購入、事業用用地の取得等により、固定資産は4億97百円の増加となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較し26億82百万円減少の363億13百万円となりました。未成工事受入金の減少などにより、流動負債は27億70百万円の減少となり、また、長期借入金が減少する一方、退職給付に係る負債の増加などにより、固定負債は87百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、期末配当金6億5百万円の支払や退職給付に係る調整累計額の変動などの減少要因はありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益56億82百万円を計上したことにより、前連結会計年度末と比較し41億48百万円増加の212億31百万円となりました。
(3) 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、工事受注が堅調に推移したことなどにより、受注高(製品売上高および不動産事業等売上高を含む)は757億24百万円(前連結会計年度比6.5%増)となり、期首における手持工事が高水準であったことや、大型工事の完成などにより、舗装資材製造販売事業およびその他の事業を含めた売上高合計は、746億34百万円(前連結会計年度比17.5%増)となりました。
損益面につきましても、売上高の増加に加え、原油価格の下落に伴う製造コストの低下や、各種施策の効果により採算性が向上したことなどにより、経常利益は62億61百万円(前連結会計年度比39.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は56億82百万円(前連結会計年度比30.2%増)となり、前連結会計年度との比較では13億17百万円の増益となりました。
なお、次期繰越工事高は前連結会計年度と比較し10億90百万円増加の280億88百万円となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
道路建設業界では、防災・減災事業や東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたインフラ整備等により、ここ数年は底堅い需要が見込まれておりますが、その一方で、技能労働者や資機材等の需給逼迫、建設コストの上昇などの懸念材料も抱えております。また、国・地方の財政状況等から長期的には公共事業費の漸減傾向は避けられず、資源価格変動リスクの増大など様々な要因と相俟って、今後とも予断を許さない経営環境が続くものと認識しております。このような状況を踏まえ、当社グループでは提出会社を中心に収益構造の改善と財務基盤の強化を進め、安定した経営基盤の構築に取り組んでおります。
なお、当社の業績に影響を与える可能性のある事項につきましては第一部 第2「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5) 戦略的現状と見通し
中長期的には建設投資の縮小による競争激化が避けられない見通しのもと、当社では有利子負債の圧縮、自己資本の充実を図るなど、当社の信頼性確保と経営安定化の早期実現に取り組んでおります。
当社グループといたしましては、対処すべき課題(第一部 第2「3 対処すべき課題」)に記載のとおり、全社を挙げて収益力の向上と財務体質改善、将来を見据えた事業構造の改革と経営基盤のさらなる強化に取り組むとともに、生活基盤創造企業としての責務を誠実に果たし、引き続き社会からの信頼に応えることにより、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて66億79百万円の資金増加(前年同期は28億62百万円の資金増加)となり、前連結会計年度と比較し増加額は38億17百万円増加いたしました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益が59億35百万円となり、前連結会計年度と比較し14億21百万円の増益となったことに加え、未成工事支出金が前連結会計年度の増加から減少に転じたことなどによるものであります。
一方、投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、アスファルト合材工場や施工用機械の更新・増強を計画的に進めたことや事業用用地の取得などにより、その支出総額は前年を上回り、当連結会計年度におきましては16億58百万円の資金減少(前連結会計年度は12億34百万円の資金減少)となりました。
また、当社グループでは従前より、安定した経営基盤を構築するため積極的に有利子負債の圧縮を進めており、過去3年間の財務活動によるキャッシュ・フローの推移につきましても、15億51百万円(平成26年3月期)、16億4百万円(前連結会計年度)、16億3百万円(当連結会計年度)の減少となっております。
なお、自己資本の状況につきましては、剰余金の配当6億5百万円の支払や退職給付に係る調整累計額の変動などの減少要因はありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益56億82百万円を計上したことにより、当連結会計年度末における期末残高は212億31百万円(前連結会計年度末は170億83百万円)となり、また、有利子負債残高につきましては25億8百万円(前連結会計年度末は35億8百万円)となっております。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループでは、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めております。数年先、さらにその先における建設投資の動向を見据えると、当社グループを取り巻く事業環境は今後とも予断を許さない状況が続くものと予想されます。
このような状況を踏まえ、当社グループでは、将来にわたって生き残りを図るため、さらなる収益構造の改善と財務基盤の強化に向け、各施策に取り組んでまいる所存であります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(平成28年6月23日)において当社グループが判断したものであります。
「第2 事業の状況」における売上高等の金額には、消費税等は含まれておりません。