「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「豊かな地域社会づくりに貢献する生活基盤創造企業」を標榜し、社会資本の整備を責務として事業を展開しております。当社グループにおいてはこの考え方をもとに、道路建設を主軸に土木、水利・環境、舗装資材の製造販売等の事業領域を確保し、社会基盤整備の担い手として、健全な発展と存続を目指しております。
(2) 中期経営計画(2018-2020年度)の総括
2020年度を最終年度とする『中期経営計画(2018-2020年度)』では、「持続的成長へのチャレンジ」を基本方針に掲げ、中核事業の競争力強化に加え、企業価値向上に資する成長投資の実践、担い手確保に向けた働き方改革、コーポレート・ガバナンスの充実など、数年先、そしてその先の将来を見据えた諸施策に取り組んでまいりました。計画策定後2年目に、原油高を背景とした仕入れコスト上昇に鑑みて、計画値の下方修正を行ったものの、最終年度においては当初策定時の計画値を概ね達成する結果となりました。
(3) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題等
道路建設業界におきましては、防災・減災、国土強靭化対策等により底堅い公共需要が見込まれるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による市場縮小が懸念され、また、中長期的には、人口減少・高齢化による国や地方の税収減少に伴い、公共事業関係費用の漸減傾向が想定されるなど、予断を許さない状況が続くものと思われます。
当社グループにおきましては、2020年度を最終年度とする『中期経営計画(2018-2020年度)』の期間中において、事業面、財務面、またガバナンスの面においても着実に改善が進み、経営基盤の強化が図られてまいりました。一方、この間も、当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行等による不確実性の高まり、少子高齢化による労働人口の減少懸念、地球環境問題の深刻化など様々な変化を見せており、あらためて、当社グループはもとより社会全体の持続可能性を意識しながら、中長期的な視点・思考をもって経営に取り組むことの重要性を強く認識するところとなりました。こうした状況を踏まえ、2021年5月、あらたに当社グループの『2030年のあるべき姿』を示す長期ビジョンを定め、あわせて、ビジョン実現に向けた第1フェーズとして『中期経営計画(2021-2023年度)』を策定いたしました。
当社グループでは、長期ビジョンおよび中期経営計画に掲げる各種施策に真摯に取り組み、将来のどのような環境変化にも対応できる「真に強靭な企業グループへ」と進化を遂げ、「豊かな地域社会づくりに貢献する生活基盤創造企業」として、社会に対する永続的な価値の提供と、中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。
なお、当社はアスファルト合材の販売価格決定に関し、2015年1月27日以前において独占禁止法違反行為があったとして、2019年7月30日、公正取引委員会から、独占禁止法に基づく、排除措置命令および課徴金納付命令を受けておりますが、課徴金算定の対象とされた売上高に関し、公正取引委員会との間で一部に見解の相違があることから、2020年1月、課徴金納付命令の一部に対する取消訴訟を東京地方裁判所に提起しており、現在も審理が継続しております。当社では、今後も司法の場において公正な判断を求めてまいりますが、一方では、このような違反行為が存在した事実を風化させることなく、引き続き、再発防止策の確実な運用はもとより、コンプライアンス経営の推進に全社を挙げて取り組み、違法行為の徹底排除に努めてまいります。
(長期ビジョンおよび中期経営計画の概要)
①長期ビジョン『2030年のあるべき姿』
「人の成長と企業の成長を両立し 持続可能な社会の実現に貢献する 真に強靭な企業グループ」
「基本方針」
1. 安定収益の拡大
当社は、道路舗装を主とした建設事業および舗装資材製造販売事業において、近年、一定の利益を確保するに至ったが、これら本業における技術と経験を磨き上げ、さらなる競争力強化に努め、安定収益を拡大する。
2.収益源の多様化
当社の事業は、国内道路建設市場の動向に大きく影響を受けるため、既存事業の領域拡大、さらには新たな事業分野の開拓も視野に入れ、収益源の多様化に挑戦し、環境変化に強い企業体質づくりを推進する。
3.人を基軸とした経営の実践
競争力の源泉である「人」の育成コストを経費ではなく「投資」と捉え、人材の成長に取り組むとともに、多様な人材を確保し、活躍の場を提供することにより、当社グループの組織力向上を図る。
4.新しい働き方の確立
長時間労働の是正はもとより、職場環境の再整備、デジタル化による業務プロセス改善等を図り、従業員のワークライフバランスと、組織の生産性向上を両立させる新しい働き方を確立、定着させる。
5.経営・財務基盤の充実
コーポレートガバナンスのさらなる改善やリスクマネジメントの強化、コンプライアンス重視の企業風土醸成等に継続的に取り組むとともに、財務健全性の確保および安定的な株主還元に努め、強靭で健全な経営・財務基盤を構築する。
『2030年のあるべき姿』重要業績評価指標(KPI)[連結]
②中期経営計画(2021-2023年度)
「個別戦略・重点施策」
1. 本業のさらなる競争力強化による安定収益の拡大
(建設事業)
・施工実績の蓄積と対応体制の強化により、国交省・高速道路会社発注工事における受注競争力を高める。
・国内の建設工事拠点(営業所)全てが地域で自立自活し、基盤数値の底上げを図る。
・底堅い需要が見込まれるインフラ老朽化対策、防災・減災分野、再生可能エネルギー事業への営業展開に注力する。
(舗装資材製造販売事業)
・自社工事を網羅する拠点配置、設備と営業員の拡充により、市場規模の大きい大都市圏において販売量を確保する。
・低環境負荷商品の充実と製品の品質向上により顧客の要求に応え、さらなる販売シェア拡大につなげる。
(技術開発)
・将来における舗装の役割や機能の変化を見据えた技術開発を遂行し、新たな付加価値を創出する。
2. 事業領域の拡大、新たな事業分野開拓への挑戦
・保有する道路の点検・診断技術等をさらに磨き、包括的維持工事の受注に向けたアドバンテージを獲得する。
・海外事業を軌道に乗せ、国内建設市場の変化に左右されない新たな収益の柱として確立する。
・既存事業とのシナジーや事業領域・マーケットの拡大につながるM&A・提携等を推進し、成長基盤づくりを加速する。
3. 人材の「採用・定着・育成」における好循環の創出
・ダイバーシティ採用の推進、教育機関との結びつき強化等により、目指す事業規模達成に必要な人材を確保する。
・従業員にとって働きやすく働き甲斐のある「魅力ある職場づくり」を推進し、エンゲージメントの向上を図る。
・多様化する人材に応じたキャリアパスの形成と教育体系の再構築により、従業員一人ひとりの能力を向上させる。
4. 生産性向上に資する新しい働き方の確立
・ICTの積極活用および業務効率化等により、生産性の向上と長時間労働の是正、4週8休を実現する。
・業務プロセスのデジタル化等による効率向上を図るとともに、ワークライフバランスの実現できる環境整備を推進する。
5. 強靭で健全な経営・財務基盤の構築
・独占禁止法違反再発防止策の完全実施、その他法令順守の徹底に注力し、ステークホルダーからの信用・信頼を回復する。
・コーポレートガバナンス強化の取り組みを継続するとともに、情報開示を充実させ、経営の透明性をさらに高める。
・会計処理の標準化を推進するとともに、会計実務に関する社内教育を強化し、変化する会計基準・税制に適切に対応する。
「資本政策(投資計画、財務計画、株主還元)」
1. 持続可能な事業基盤構築に向けた継続的・戦略的投資の実施
2. 財務健全性の維持・向上/資本効率とのバランスにも配慮
3. 配当性向30%程度・総還元性向50%以上を目標とした、安定的・継続的な株主還元
中期経営計画(2021-2023年度)主要経営指標[連結]
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2021年6月23日)において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2021年6月23日)において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢について
当社グループの事業内容のうち、主要な部分を占める建設事業および舗装資材製造販売事業の業績は、公共工事の発注動向に大きく影響されます。したがいまして、公共事業費の過度の縮減傾向は、当社グループの収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、同様の理由から取引先の経営状態が悪化した場合、貸倒れの発生等により当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 資材価格の変動について
当社グループで製造する舗装資材の主要な原材料はストレートアスファルトであり、原材料の仕入値は原油市場の動向に大きく左右されます。仕入価格の上昇を製品価格に転嫁できない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、急激な需要動向の変化に伴う需給逼迫、あるいは為替の変動により資機材価格が上昇する可能性があるほか、建設事業につきましても同様に、資機材価格の高騰により利益率が低下する可能性があります。
(3) 法規制等について
当社グループは事業を遂行するうえで、建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制等を受けております。当社グループでは、各種マニュアルの策定、教育・研修および内部監査の実施等により、これらの法的規制等の順守に努めておりますが、コスト増加や事業上の新たな制約につながる法的規制の新設や改廃、適用基準の変更等があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 契約不適合責任について
品質管理につきましては、品質保証に関する国際規格の認証を取得するなど、重要課題として取り組んでおりますが、当社グループの施工物件に契約不適合責任が発生した場合には、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) シンジケートローンならびに金利の変動について
当社は安定的な金融取引体制の構築を目的として、金融機関数社との間にシンジケートローン契約を締結いたしておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、これらの条件に抵触した場合には期限の利益を喪失し、一括返済を求められる可能性があります。
また、本契約による借入金残高は全て変動金利によるものであり、将来の金利情勢の動向により当社グループの経営成績が変動する可能性があります。
(6) 関係会社等に関する重要事項について
当社は、その他の関係会社である東急株式会社および東急建設株式会社をはじめとする東急グループ各社との間で、工事受注等の取引を継続的に行っております。
(7) 国際事業の展開に伴うリスクについて
国際事業を展開する上で、海外諸国の政治・経済情勢、為替や法的規制等、事業環境に著しい変化が生じた場合、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8) 新型コロナウイルス感染症等の拡大に係るリスクについて
新型コロナウイルス感染症等の感染拡大により、建設事業における工事の中止や、舗装資材製造販売事業における工場の操業停止を余儀なくされる事態に至った場合、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、工事の発注状況に大きな変動が生じた場合にも、(1)と同様の理由により悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、2度にわたり緊急事態宣言が発出されるなど、国民生活や企業活動への影響が長期化する厳しい状況が続きました。
道路建設業界におきましては、防災・減災、国土強靭化対策等により公共投資は底堅く推移したものの、民間設備投資については減少傾向となり、また、主要資材であるアスファルトの仕入価格が、年度後半にかけて次第に騰勢を強めるなど依然として予断を許さない事業環境となりました。
このような状況のもと、当社グループでは、計画最終年度となる「中期経営計画(2018-2020年度)」に基づき、引き続き、中核事業の競争力強化に注力するとともに、将来における事業環境の変化に対しても迅速、的確、柔軟に対応できる強固な経営基盤の構築に向け、各種施策を推進してまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、受注高(製品売上高および不動産事業等売上高を含む)は896億11百万円(前連結会計年度比3.1%増)、売上高は900億25百万円(同14.5%増)となりました。また、損益面につきましては、経常利益は83億95百万円(同39.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は51億80百万円(同20.8%減)となりました。
セグメントの概況を示すと、次の通りであります。
なお、完成工事高、売上高および営業利益(セグメント利益)については、セグメント間の内部取引高等を含めた調整前の金額をそれぞれ記載しております。
当連結会計年度の業績につきましては、受注高は739億44百万円(前連結会計年度比4.0%増)、完成工事高は743億57百万円(同18.3%増)、営業利益は84億28百万円(同36.5%増)となりました。
当連結会計年度の業績につきましては、製品売上高は287億21百万円(前連結会計年度比0.5%増)、営業利益は31億63百万円(同22.3%増)となりました。
当社グループでは、建設事業および舗装資材製造販売事業のほか、不動産事業等を営んでおり、その他の事業における売上高は7億65百万円(前連結会計年度比1.8%減)、営業利益は1億54百万円(同7.5%減)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較し47億53百万円増加の794億9百万円となりました。完成工事未収入金の増加などにより、流動資産が47億69百万円増加した一方、アスファルトプラントの設備更新等により有形固定資産が増加したものの、無形固定資産や繰延税金資産の減少などにより固定資産は15百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較し5億96百万円増加の386億19百万円となりました。未成工事受入金の減少などにより流動負債は30億31百万円の減少となりましたが、長期借入金が増加したことなどにより、固定負債は36億27百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、期末配当金18億93百万円の支払などの減少要因はありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益51億80百万円を計上したことにより、前連結会計年度末と比較し41億57百万円増加の407億90百万円となりました。
当連結会計年度におきましては、売上債権が増加する一方、税金等調整前当期純利益71億円を計上したことや未成工事支出金の減少などにより、営業活動によるキャッシュ・フローは、11億38百万円の資金増加(前年同期は 44億61百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度におきましては、アスファルトプラントの設備更新や事業所用地の取得などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは36億22百万円の資金減少(前年同期は38億8百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度におきましては、期末配当金の支払により資金を支出する一方、長期借入による収入の増加などにより、財務活動によるキャッシュ・フローは23億43百万円の資金増加(前年同期は29億19百万円の資金減少)となりました。
以上に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度の期末残高と比べ1億33百万円減少し、140億35百万円となりました。
(注) セグメント間の内部取引については相殺消去しております。
(注) 1 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 主要相手先別売上状況
総売上高に対する割合が100分の10以上に該当する相手先は次のとおりであります。
前連結会計年度
該当する相手先はありません。
当連結会計年度
該当する相手先はありません。
3 セグメント間の内部取引については相殺消去しております。
ハ. 建設事業における受注工事高、完成工事高及び繰越工事高
(注) 1 前期以前に受注した工事で契約の更改等により請負金額や工種に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。
2 次期繰越工事高は、(前期の次期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致します。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況を次に示しております。
(建設事業)
a. 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争入札に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
b. 完成工事高
前事業年度の完成工事のうち主なものは次のとおりであります。
当事業年度の完成工事のうち主なものは次のとおりであります。
c. 手持工事高(2021年3月31日現在)
手持工事のうち主なものは次のとおりであります。
(舗装資材製造販売事業)
製造及び販売状況
(注) 1 アスファルト合材の生産実績と売上数量との差異は、当社の請負工事に使用した数量であります。
2 その他製品売上金額は、アスファルト乳剤、砕石等の販売による売上高であります。
(その他)
売上状況
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容
① 経営成績について
セグメントの経営成績につきましては、次の通りであります。
建設事業におきましては、ICT(情報通信技術)の活用による現場における省力化や生産性向上に継続して取り組むとともに、受注競争力の強化や利益の逸失防止に向けた諸施策を推進し、収益の拡大に努めてまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、大型工事の受注や豊富な手持工事の施工が順調に進捗したことなどにより、受注高は739億44百万円(前連結会計年度比4.0%増)、完成工事高は743億57百万円(同18.3%増)、営業利益は84億28百万円(同36.5%増)となりました。ここ数年、高速道路や空港など、生産性の高い大型の舗装工事を継続して受注しており、実績を重ねてきたことが業績に大きく寄与しております。
舗装資材製造販売事業におきましては、製品工場の空白地域解消を進めるなど販売数量確保に注力し収益拡大に努めてまいりました。また、アスファルトプラントの設備更新を計画的に実施し、環境配慮型商品等の製造・販売体制を整備するとともに、製造効率の向上や製品製造過程における環境負荷の低減にも継続して取り組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、製品需要が引き続き横ばい圏で推移するなか、アスファルト合材の生産数量・販売数量ともに、前年と概ね同水準を維持したことで、製品売上高は287億21百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。なお、新型コロナウイルス感染症の影響による世界的な需要低迷に伴い、年度前半に原材料価格が一時的に下落していたことなどを受け、営業利益は31億63百万円(同22.3%増)となりました。
当社グループでは、建設事業および舗装資材製造販売事業のほか、不動産事業等を営んでおり、その他の事業における売上高は7億65百万円(前連結会計年度比1.8%減)、営業利益は1億54百万円(同7.5%減)となりました。
② 財政状態について
財政状態の概要につきましては、「(1)経営成績等の概要」に記載のとおりでございます。
当社グループでは、ここ数年、将来の健全な存続と持続的成長に向け、機械装置の更新や施工用機械の取得など事業の根幹を支える投資に注力しておりますが、かかる投資については、原則として自己資金により行われており、当連結会計年度末における固定比率につきましては62.7%となっております。
また、当連結会計年度末における純資産合計につきましては、期末配当金18億93百万円の支払などの減少要因はありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益51億80百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度末と比較し41億57百万円増加の407億90百万円となり、自己資本比率は51.4%となっております。
なお、財政状態については事業全体で管理を行っており、セグメントごとでの記載が困難なため記載しておりません。
③ キャッシュ・フローについて
当社グループの資金状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて11億38百万円の資金増加 (前年同期は44億61百万円の資金増加)となり、前連結会計年度と比較し増加額は33億22百万円減少いたしました。
一方、投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、中期経営計画に基づく計画的な設備投資の一環として、アスファルト合材工場の設備更新などを進めた結果、当連結会計年度におきましては36億22百万円の資金減少(前連結会計年度は38億8百万円の資金減少)となりました。なお、中期経営計画(2018-2020年度)における投資計画につきましては、設備投資・戦略投資あわせて105億円を計画していましたが、3年累計で106億円の投資実績となりました。
また、期中におきまして、取引先への支払条件改善等を目的としてシンジケートローンにより新たに50億円を調達しており、財務活動によるキャッシュ・フローは、23億43百万円の資金増加(前連結会計年度は29億19百万円の資金減少)となっております。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社における資金の使途は、大別すると、運転資金、事業投資(設備投資、戦略投資、研究開発、人材投資、等)、株主還元となります。運転資金を含む手元資金については、支出先行のビジネスモデル、請負工事の大型化、社会資本整備を担う企業としてあるべき財務健全性等に鑑み、月商の2倍程度の手元流動性は確保すべきであると考えております。
また、将来の持続的成長を実現するためには、継続的・戦略的な設備投資、技術開発が不可欠であり、当面は、環境負荷低減や生産性向上に向けた事業資産の質的な転換期にあることから、中期経営計画(2021-2023年度)期間においては3年累計で、総額150億円程度の設備投資を計画し、さらにM&A等により15億円程度の戦略投資を見込んでおります。
なお、株主還元につきましては、配当性向30%程度、総還元性向50%以上を目標としており、さらに、2021年度中に総額25億円または350万株を上限として自己株式取得を実施いたしますが、財政状態、資金状況、事業環境等を勘案し、機動的に追加的施策を実施することも選択肢としております。
一方、財源については、営業活動によるキャッシュ・フローを基本としておりますが、必要に応じ、長期借入、当座借越契約、コミットメントラインなどにより、資金調達あるいは手元流動性を確保することも想定しており、その意味でも、信用格付「A」相当を目安として、財務健全性の維持・向上を図っていく方針です。
また、当社グループでは、グループ内の資金の効率化を図るため、当社と各子会社間における資金融通制度を構築・運用いたしております。
なお、2021年3月末現在における現金及び現金同等物の期末残高は140億35百万円(前連結会計年度末は141億69百万円)、有利子負債残高は50億7百万円(前連結会計年度末は7億72百万円)となっております。
有価証券報告書提出日現在において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当社グループの財政状態、資金状況への影響はありませんが、公共工事発注動向への影響も含め、引き続き状況を注視しながら、上記方針のとおり財務健全性の維持・向上を図ってまいります。
⑤ 中期経営計画における主要な計画数値について
中期経営計画(2018-2020年度)の最終年度となった当連結会計年度を振り返ると、道路建設業界におきましては、防災・減災、国土強靭化対策などにより、公共投資は引き続き堅調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、民間建設投資が減少傾向となり、また、主要材料であるアスファルトの仕入価格が大きく変動するなど依然として予断を許さない事業環境となりました。
このような状況のなか、当社グループでは中期経営計画に掲げた諸施策を遂行しながら、工事の受注、施工、そして製品の販売に注力し、収益の確保を図る一方、数年後、そしてその先の将来を見据えた強固な経営基盤構築にも積極的に取り組んでまいりました。
中期経営計画における主要な経営数値につきましては、計画策定後2年目に、原油高を背景とした仕入れコスト上昇に鑑みて、計画値の下方修正を行ったものの、最終年度においては当初策定時の計画値を達成する結果となりました。
中期経営計画(2018-2020年度)における主要な経営数値の達成状況については以下のとおりです。
主要経営指標(連結)
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
道路建設業界では、ここ数年、建設需要は堅調に推移してまいりましたが、一方、当社グループを取り巻く環境は、この間も、新型コロナウイルス感染症の世界的流行等による不確実性の高まり、少子高齢化による労働人口の減少懸念、地球環境問題の深刻化など様々な変化を見せており、あらためて、当社グループはもとより社会全体の持続可能性を意識しながら、中長期的な視点・思考をもって経営に取り組むことの重要性を強く認識するところとなっております。
当社グループといたしましては、対処すべき課題(第一部 第2「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」)に記載のとおり、長期ビジョンおよび中期経営計画に掲げる各種施策に真摯に取り組み、将来のどのような環境変化にも対応できる「真に強靭な企業グループへ」と進化を遂げ、「豊かな地域社会づくりに貢献する生活基盤創造企業」として、社会に対する永続的な価値の提供と、中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。
なお、当社の業績に影響を与える可能性のある事項につきましては第一部 第2「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2021年6月23日)において当社グループが判断したものであります。
特記事項はありません。
近年、社会インフラの重要性が再認識されるなか、道路建設業を取り巻く環境も大きく変化しており、インフラの老朽化対策、地球環境問題等、舗装に求められる社会からのニーズもより多様化、高度化しております。
このような状況のもと、当社は、道路インフラ整備の効率化、長寿命化、リサイクル、生産性向上に重点を置いた開発テーマを選定し、研究開発活動を行っております。
なお、当社の研究開発活動は、技術研究所を中心に行われており、当連結会計年度における建設事業および舗装資材製造販売事業の研究開発費は、
主な研究開発
(1) 再生混合物の品質向上
再生混合物については、永続的なリサイクルを目指す必要がありますが、再生骨材配合率の上昇、再生骨材の低針入度化、再々生、改質由来アスファルト等による耐久性、作業性の低下が問題視されています。
これらを踏まえ、アスファルトと再生用添加剤を予め混合しフォームド化させるコンバインドフォームドとフォームド化したアスファルトの泡を更に微細化するラインミキサー等の特殊装置を組み合わせる手法を開発しました。これらによりフォームド効果を更に高めることが可能となり当社オリジナルの再生混合物製造方法を確立しました。
(2) AI技術を導入した路面性状測定車の開発
インフラの老朽化や労働人口の減少に伴い、効率的な調査点検手法が急務となっております。このようなことから当社ではレーザスキャナやカメラを用いた路面性状測定車を開発しており、最も解析時間を要する路面のひび割れ率の算定にはAIによる画像処理システムを採用し省力化を実現しました。更に、自動運転の普及やポットホール(路面の穴)による事故を鑑み、道路の白線のかすれやポットホールもAIで自動認識できるように開発を進めております。
(3) i-Constructionへ対応する技術の開発
舗設技術の向上及び省人力化を目的にアスファルト混合物の運搬、敷き均し、転圧までの一連の流れを最適化する管理システムを開発しています。これまでにアスファルト混合物運搬ダンプの走行位置からアスファルトフィニッシャの最適走行速度を算出し、敷き均し速度を自動制御する手法を確立しており、ローラーについては走行折り返し時の制動による荷重を軽減させて平坦性を向上させるガイダンスシステムの開発を進めております。今後は施工現場への展開に向けた実証実験を行ってまいります。
(4) コンクリート舗装用ひび割れ注入剤
コンクリート舗装については長寿命化を図るため、発生したひび割れの処置が重要となります。従来はシーリング工法としてアスファルト系やエポキシ樹脂系が用いられており、前者はひび割れ面での接着性、後者ではひび割れ内部への浸透性が課題となっておりました。そこで当社では水に近い極低粘度を実現した樹脂系補修材を開発しました。これにより、ひび割れに対し浸透性に優れ、比較的初期のコンクリート舗装版のひび割れ補修において、圧力注入用シリンダ等の準備工を必要とせず、短時間でひび割れ部の接着性や強度を回復し、目地部周辺で発生しやすいひび割れによるコンクリート片の飛散防止、ひび割れの拡大防止に効果を発揮します。今後は当社が受注している維持工事で実績を積み、インフラアセットマネジメントおよび空港等のコンセッション事業への活用や、物流施設建設の床材として使用されるコンクリートの補修にも展開していく所存です。