(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「豊かな地域社会づくりに貢献する生活基盤創造企業」を標榜し、社会資本の整備を責務として事業を展開しております。当社グループにおいてはこの考え方をもとに、道路建設を主軸に土木、水利・環境、舗装資材の製造販売等の事業領域を確保し、社会基盤整備の担い手として、健全な発展と存続を目指しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題等
道路建設業界におきましては、高速道路のリニューアルプロジェクトや政府による「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の推進等により、公共投資は底堅く推移することが見込まれますが、一方では、アスファルト合材の需要停滞や原材料価格の高騰に直面するなど、予断を許さない事業環境が続いております。また、地政学的リスクによる不確実性の高まりや少子高齢化による労働人口の減少懸念、地球環境問題の深刻化など様々な変化がみられるなか、企業として健全に存続し、持続的に成長するためには、競争力の維持・向上は勿論のこと、サステナビリティを巡る課題への取り組みが必要不可欠となっております。
当社グループでは、このような状況に対応するため、2021年5月、『2030年のあるべき姿』を「人の成長と企業の成長を両立し 持続可能な社会の実現に貢献する 真に強靭な企業グループ」とする長期ビジョンを明確にし、現在はその実現を目指し、主に以下の取り組みを進めております。
① 中期経営計画(2021-2023年度)
『2030年のあるべき姿』に向けた第1フェーズとして、2021年5月より、「中期経営計画(2021-2023年度)」を遂行しております。引き続き、「真に強靭な企業グループ」となる礎を築くべく、各種施策を着実に実行してまいります。
② サステナビリティを巡る課題への取り組み
サステナビリティへの対応を加速化すべく組織化した、「サステナブル経営戦略プロジェクト」「働き方改革プロジェクト」「ダイバーシティ推進プロジェクト」を中心に、職場環境の改善を含めた人材への投資、稼ぐ力と環境配慮を両立する投資活動を推進するほか、2022年8月に認証を受けたSBT(Science Based Targets)の達成に向け具体的な取り組みを進めるなど、サステナブルな経営を具現化してまいります。
③ 独占禁止法をはじめとする法令順守の徹底
当社は、2015年1月27日以前における独占禁止法違反行為により、2017年8月から2019年7月の間に、複数回、独占禁止法に基づく処分を受けております。
当社では、これら違反行為の発覚以降、再発防止策の確実な運用はもとより違法行為の徹底排除に取り組んでおりますが、今後とも、このような違反行為が存在した事実を風化させることなく、全社を挙げてコンプライアンス経営を推進してまいります。
なお、アスファルト合材の販売価格決定に関する違反行為により2019年7月に受けた課徴金納付命令で課徴金算定の対象とされた売上高の一部に関する見解の相違について公正な判断を求めるため、当社が、2020年1月に公正取引委員会を被告として提起した課徴金納付命令の一部に対する取消訴訟につきましては、第1審の東京地方裁判所および第2審の東京高等裁判所において当社請求を棄却する判決が言い渡され、当社は最高裁判所に上告および上告受理申立てを行っておりましたが、2022年11月10日、当社の上告を棄却し、上告審として受理しない旨の決定がなされております。
(長期ビジョンおよび中期経営計画の概要)
①長期ビジョン『2030年のあるべき姿』
「人の成長と企業の成長を両立し 持続可能な社会の実現に貢献する 真に強靭な企業グループ」
「基本方針」
1. 安定収益の拡大
当社は、道路舗装を主とした建設事業および舗装資材製造販売事業において、近年、一定の利益を確保するに至ったが、これら本業における技術と経験を磨き上げ、さらなる競争力強化に努め、安定収益を拡大する。
2.収益源の多様化
当社の事業は、国内道路建設市場の動向に大きく影響を受けるため、既存事業の領域拡大、さらには新たな事業分野の開拓も視野に入れ、収益源の多様化に挑戦し、環境変化に強い企業体質づくりを推進する。
3.人を基軸とした経営の実践
競争力の源泉である「人」の育成コストを経費ではなく「投資」と捉え、人材の成長に取り組むとともに、多様な人材を確保し、活躍の場を提供することにより、当社グループの組織力向上を図る。
4.新しい働き方の確立
長時間労働の是正はもとより、職場環境の再整備、デジタル化による業務プロセス改善等を図り、従業員のワークライフバランスと、組織の生産性向上を両立させる新しい働き方を確立、定着させる。
5.経営・財務基盤の充実
コーポレートガバナンスのさらなる改善やリスクマネジメントの強化、コンプライアンス重視の企業風土醸成等に継続的に取り組むとともに、財務健全性の確保および安定的な株主還元に努め、強靭で健全な経営・財務基盤を構築する。
『2030年のあるべき姿』重要業績評価指標(KPI)[連結]
②中期経営計画(2021-2023年度)
「個別戦略・重点施策」
1. 本業のさらなる競争力強化による安定収益の拡大
(建設事業)
・施工実績の蓄積と対応体制の強化により、国交省・高速道路会社発注工事における受注競争力を高める。
・国内の建設工事拠点(営業所)全てが地域で自立自活し、基盤数値の底上げを図る。
・底堅い需要が見込まれるインフラ老朽化対策、防災・減災分野、再生可能エネルギー事業への営業展開に注力する。
(舗装資材製造販売事業)
・自社工事を網羅する拠点配置、設備と営業員の拡充により、市場規模の大きい大都市圏において販売量を確保する。
・低環境負荷商品の充実と製品の品質向上により顧客の要求に応え、さらなる販売シェア拡大につなげる。
(技術開発)
・将来における舗装の役割や機能の変化を見据えた技術開発を遂行し、新たな付加価値を創出する。
2. 事業領域の拡大、新たな事業分野開拓への挑戦
・保有する道路の点検・診断技術等をさらに磨き、包括的維持工事の受注に向けたアドバンテージを獲得する。
・海外事業を軌道に乗せ、国内建設市場の変化に左右されない新たな収益の柱として確立する。
・既存事業とのシナジーや事業領域・マーケットの拡大につながるM&A・提携等を推進し、成長基盤づくりを加速する。
3. 人材の「採用・定着・育成」における好循環の創出
・ダイバーシティ採用の推進、教育機関との結びつき強化等により、目指す事業規模達成に必要な人材を確保する。
・従業員にとって働きやすく働き甲斐のある「魅力ある職場づくり」を推進し、エンゲージメントの向上を図る。
・多様化する人材に応じたキャリアパスの形成と教育体系の再構築により、従業員一人ひとりの能力を向上させる。
4. 生産性向上に資する新しい働き方の確立
・ICTの積極活用および業務効率化等により、生産性の向上と長時間労働の是正、4週8休を実現する。
・業務プロセスのデジタル化等による効率向上を図るとともに、ワークライフバランスの実現できる環境整備を推進する。
5. 強靭で健全な経営・財務基盤の構築
・独占禁止法違反再発防止策の完全実施、その他法令順守の徹底に注力し、ステークホルダーからの信用・信頼を回復する。
・コーポレートガバナンス強化の取り組みを継続するとともに、情報開示を充実させ、経営の透明性をさらに高める。
・会計処理の標準化を推進するとともに、会計実務に関する社内教育を強化し、変化する会計基準・税制に適切に対応する。
「資本政策(投資計画、財務計画、株主還元)」
1. 持続可能な事業基盤構築に向けた継続的・戦略的投資の実施
2. 財務健全性の維持・向上/資本効率とのバランスにも配慮
3. 配当性向30%程度・総還元性向50%以上を目標とした、安定的・継続的な株主還元
※2023年5月9日開催の取締役会において、2023年度以降の株主還元方針を
「配当性向100%・DOE8%を目標とした株主還元」に変更いたしております。
中期経営計画(2021-2023年度)主要経営指標[連結]
文中における見通し、予想等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであり、様々な不確定要素が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティを巡る課題への対応に関する基本的な考え方
当社グループではサステナビリティについての取り組みを重要な課題と認識しており、世紀東急工業コーポレートガバナンス・ガイドラインにおいて「当社は、社会資本整備の一端を担う企業として、サステナビリティを巡る課題への対応について、リスクの減少および収益機会の両面から、その重要性を認識し、これらの課題に対する積極的・能動的な取り組みを通じ、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に努めるものとする。」と定めております。
(2) ガバナンス
取締役会では、長期ビジョンを策定する過程において、その他のリスク・機会とあわせて、サステナビリティに関するリスク・機会とその対応策などについて審議を行い、その内容は、当社グループの「2030年のあるべき姿」、「マテリアリティ」および「中期経営計画」に反映されております。
気候変動、人的資本関連を含むサステナビリティ課題への対応に関し、重要事項については取締役会に報告されており、当社グループのサステナビリティへの対応状況を監督しております。
当社におけるリスク管理は、管理本部担当役員をリスク管理総括管理者、取締役社長を最終的な責任者としております。
また、当社では、サステナビリティに関する方針策定、目標設定、取組の推進などを行う組織として、サステナブル経営戦略プロジェクト、ダイバーシティ推進プロジェクト、働き方改革プロジェクトを設置しております。各プロジェクトは取締役社長直下の組織として設置され、適宜、プロジェクトの取り組み状況を取締役会に報告し、監督を受けております。
なお、気候関連を含む環境全般への対応については、取締役社長が委員長を務め、環境マネジメントシステム総括管理責任者である事業推進本部担当役員ほか数名が委員を構成する環境対策委員会において審議され、必要に応じ、経営資源の投入や環境施策の追加・修正について指示を行うとともに、重要事項については取締役会に報告されております。
(3) リスク管理
サステナビリティ関連を含む全社的なリスクおよび機会については、通常の事業活動のなかで、それぞれの所管部署において検討・管理されており、必要に応じ、リスク管理総括管理者を委員長、内部監査の機能を有する内部統制推進部を事務局としてリスク管理委員会を組成することで、実効性あるリスク管理体制を構築・運用しております。
なお、特に重要なリスクおよびその対応策に関しては、取締役会に報告されており、サステナビリティ関連の対応に関しても、こうしたリスク管理のプロセスに組み込まれております。
(4) 戦略
サステナビリティ関連を含むリスクおよび機会については、長期ビジョンおよび中期経営計画を策定する過程において、その他のリスクおよび機会とともに外部環境および内部資源として分析・検討を行い、その概要について公表しております。
なお、現時点において、気候変動に係る精緻なシナリオ分析および財務的影響の定量的な試算は実施しておりませんが、今後は、2022年8月にSBT認定を取得したGHG排出量の削減目標も踏まえ、1.5℃シナリオを中心に検討を深めていきたいと考えております。
当社では、長期ビジョン『2030年のあるべき姿』策定に際し、中長期的な時間軸での将来の社会の姿、当社のビジネスモデル、当社の強み・弱み・リスク・機会、当社および社会における重要性等を勘案しつつ、あらためて「持続可能な社会の実現」と「当社グループの持続的な成長」の両立に向けた重要課題を体系的に整理し、長期ビジョンと一体不可分のものとしてサステナブル重要テーマ(マテリアリティ)を特定し、公表いたしました。
2030年に向けて目指す姿を明確にし、各種の課題に取り組むとともに、気候変動関連を含むサステナビリティに関するリスクおよび機会を考慮した、人的資本、知的資産、設備・施設、M&A等への投資を戦略的に進めています。
イ. 人的資本への投資
当社グループにおいて、人材は価値創造の源泉であり、長期ビジョンにおいても、「本業における技術と経験を磨き上げ、競争力強化に努める」旨、「人を基軸とした経営の実践」、「新しい働き方の確立」を、基本方針として明示いたしております。
人的資本への投資については、人材の確保育成に向けた費用を、コストではなく投資と捉え、役職員の能力向上、職場環境・住環境の改善、従業員の処遇見直し、採用活動の強化等への取り組みを積極的に推進しております。
ロ. 多様性の確保に向けた考え方
当社では、多様なバックグラウンドを持つ人々の雇用促進は、将来にわたり人材を確保し価値を創造していくためには欠かすことができない課題と捉え、女性、外国人、社会人経験者を積極的に採用するとともに、ジェンダーや年齢、国籍に関係なく、個人の違いをお互いに認め尊重し合う風土を醸成し、社員一人ひとりが、能力を最大限に発揮できる環境づくりに努めております。
また、管理職等の登用に関しても同様の考え方に立ち、従前よりジェンダーや国籍、新卒採用・中途採用の別に関係なく、公正な評価に基づき人物・能力本位で行っております。
ハ. 人材育成方針・社内環境整備方針(長期ビジョン等において明示する方針(主なもの))
長期ビジョン『2030年のあるべき姿』、中期経営計画(2021-2023年度)、世紀東急工業グループコンプライアンス行動規範および世紀東急工業コーポレートガバナンス・ガイドラインにおいて次のとおり、方針を明示しております。
■長期ビジョン『2030年のあるべき姿』
(長期ビジョン)
人の成長と企業の成長を両立し持続可能な社会の実現に貢献する真に強靭な企業グループ
◇当社にとって最も重要な経営資源は「人」である。従業員エンゲージメントの高い企業風土のもと、充実した教育体制により磨き上げられた従業員一人ひとりが実力を遺憾なく発揮することで、企業をさらに成長させていく。
(基本方針3.人を基軸とした経営の実践)
競争力の源泉である「人」の育成コストを経費ではなく「投資」と捉え、人材の成長に取り組むとともに、多様な人材を確保し、活躍の場を提供することにより、当社グループの組織力向上を図る。
(基本方針4.新しい働き方の確立)
長時間労働の是正はもとより、職場環境の再整備、デジタル化による業務プロセス改善等を図り、従業員のワークライフバランスと、組織の生産性向上を両立させる新しい働き方を確立、定着させる。
■中期経営計画(2021-2023年度)
(個別戦略3:人材の「採用・定着・育成」における好循環の創出)
1. ダイバーシティ採用の推進、教育機関との結びつき強化等により、目指す事業規模達成に必要な人材を確保する。
2. 従業員にとって働きやすく働き甲斐のある「魅力ある職場づくり」を推進し、エンゲージメントの向上を図る。
3. 多様化する人材に応じたキャリアパスの形成と教育体系の再構築により、従業員一人ひとりの能力を向上させる。
(個別戦略4:生産性向上に資する新しい働き方の確立)
1. ICTの積極活用および業務効率化等により、生産性の向上と長時間労働の是正、4週8休を実現する。
2. 業務プロセスのデジタル化等による効率向上を図るとともに、ワークライフバランスの実現できる環境整備を推進する。
■世紀東急工業グループコンプライアンス行動規範
(行動規範①)
業務の遂行にあたり、安全が全てに優先することを認識する。
(行動規範⑨)
健全かつ良好な職場環境を整備し、維持する。
■世紀東急工業コーポレートガバナンス・ガイドライン
(多様性の確保)
当社は、異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、会社の持続的な成長を確保するうえでの強みとなり得ると認識し、女性の活躍促進を含む人材の多様性の確保に向けた諸施策を推進するものとする。
イ. 機会・リスクの当社グループへの影響についての認識
気候変動に関連するリスクが顕在化した場合には、企業価値を著しく低下させる可能性があるものの、当社グループが今後も着実に気候変動対応を進めることにより、こうしたリスクは回避または十分に軽減できると考えております。
一方で、当社グループは「豊かな地域社会づくりに貢献する生活基盤創造企業」という企業理念のもと、社会に対する永続的な価値の提供と、中長期的な企業価値の向上を目指しています。深刻化する自然災害などが社会に大きな不安を与えるなかで、気候変動関連をはじめとするサステナビリティを巡る課題の解決に取り組み、当社グループのレジリエンス、さらには社会全体のレジリエンスを高めていくことは、企業理念の実現につながるとともに、持続可能な社会の実現にも貢献し得るものと考えております。
ロ. 当社グループの取り組み
環境配慮、自然災害への耐性などを考慮し、アスファルト合材工場・事務所等、施設・建物の更新やエネルギーの切り替えなどを計画的に進めるほか、環境負荷の低減に寄与する技術・商品の研究開発、ISO14001の継続的運用、事業継続力に関する認定の取得、再生可能エネルギー関連施設の整備に関する需要取り込み等を通じ、気候変動下における強靭性の強化を進めています。また、SBT認定を取得し、サプライチェーンを含めた、事業活動に関する温室効果ガス排出量全般の削減にも取り組んでいます。
イ. 多様性の確保等に関する自主的かつ測定可能な目標
■長期ビジョンおよび中期経営計画
(女性基幹職数の目標および現状)
2022年度:3名 2023年度(目標):3名 2030年度(目標):7名
なお、当社では現在、本格的にグローバルな事業展開を行っておらず、外国籍の職員数も極めて少数にとどまることから、外国人の管理職登用に関する目標は定めておりません。
また、中途採用者に関しては、従前より人物・能力本位で登用が行われ、採用時期によって特段の差が生じているとは認識していないため、あえて区分することにより生じうる懸念も考慮し、同様に、管理職登用に関する目標は定めておりません。
(女性技術員の採用目標)
2023年度 4名/2030年度 4名
(労働時間の短縮)
4週8休および時間外労働年720時間以下
■「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」(2021.4-2024.3)
(目標1)
新卒採用者に占める女性比率を15%以上とする。
(目標2)
従業員全体の有給休暇取得率を65%以上とする。
ロ. 人材育成・社内環境整備の実施状況
■中期経営計画(2021-2023年度)における主な取り組み項目
(女性活躍推進に対する戦略的な取り組み)
・リーダーシップ開発トレーニング
・経営者向けダイバーシティ推進研修
・女性社員懇談会実施(女性取締役との交流を含む)
・2022年度採用状況(女性/総数)
:技術系8名/81名(10%) 事務系13名/18名(72%) 合計 21名/99名(21%)
(外国人材の計画的育成(受入体制、日本語教育を中心とした教育体制の整備))
・語学習得支援 ・経営幹部との座談会実施 ・人材定着を目的とした一時帰国制度の創設
・2022年度採用状況(外国人/総数):21名/99名(21%)
(中途入社社員研修の実施)
・中途入社社員研修実施
・2022年度採用状況(中途採用者/総数):46名/99名(46%)
(継続雇用期間の延長等による高齢者の主戦力化)
・継続雇用制度:65歳まで ・継続雇用者の処遇見直し
■その他
本社ビル建替えをはじめとする職場環境の改善を順次進めるほか、エンゲージメントサーベイの実施、次世代・次々世代を担う人材を育成する研修、労働安全衛生マネジメントシステムに関する認証取得等の取り組みを実施しております。
当社は、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に向けて以下の目標を設定し、2022年8月にSBT認定を取得しました。なお、排出量削減の進捗状況につきましては、当社コーポレートレポートにおいて公表しております。
なお、削減目標の達成に向けた具体的な取り組みについては、現在、前出のサステナブル経営戦略プロジェクトを中心に検討を進めているところです。
また、現時点において、上記の温室効果ガス削減目標以外に、気候変動関連リスク・機会への対応に関して設定した指標・目標はありませんが、今後、シナリオ分析および財務的影響の定量的な試算とあわせて、追加的な指標と目標の設定についても検討を深めていく予定です。
上記のほか、サステナビリティに関する考え方および取り組みに関する事項につきましては、その概要を当社コーポレートレポート(https://www.seikitokyu.co.jp/sustainability/)において公表いたしております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済情勢について
当社グループの事業内容のうち、主要な部分を占める建設事業および舗装資材製造販売事業の業績は、公共工事の発注動向に大きく影響されます。したがいまして、公共事業費の過度の縮減傾向は、当社グループの収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、同様の理由から取引先の経営状態が悪化した場合、貸倒れの発生等により当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 資材価格の変動について
当社グループで製造する舗装資材の主要な原材料はストレートアスファルトであり、原材料の仕入値は原油市場の動向に大きく左右されます。仕入価格の上昇を製品価格に転嫁できない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、急激な需要動向の変化に伴う需給逼迫、あるいは為替の変動により資機材価格が上昇する可能性があるほか、建設事業につきましても同様に、資機材価格の高騰により利益率が低下する可能性があります。
(3) 法規制等について
当社グループは事業を遂行するうえで、建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制等を受けております。当社グループでは、各種マニュアルの策定、教育・研修および内部監査の実施等により、これらの法的規制等の順守に努めておりますが、コスト増加や事業上の新たな制約につながる法的規制の新設や改廃、適用基準の変更等があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 契約不適合責任について
品質管理につきましては、品質保証に関する国際規格の認証を取得するなど、重要課題として取り組んでおりますが、当社グループの施工物件に契約不適合責任が発生した場合には、経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) シンジケートローンならびに金利の変動について
当社は安定的な金融取引体制の構築を目的として、金融機関数社との間にシンジケートローン契約を締結いたしておりますが、本契約には一定の財務制限条項が付されており、これらの条件に抵触した場合には期限の利益を喪失し、一括返済を求められる可能性があります。
また、本契約による借入金残高は全て変動金利によるものであり、将来の金利情勢の動向により当社グループの経営成績が変動する可能性があります。
(6) 関係会社等に関する重要事項について
当社は、その他の関係会社である東急株式会社および東急建設株式会社をはじめとする東急グループ各社との間で、工事受注等の取引を継続的に行っております。
(7) 国際事業の展開に伴うリスクについて
国際事業を展開するうえで、海外諸国の政治・経済情勢、為替や法的規制等、事業環境に著しい変化が生じた場合、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8) 感染症等の拡大に係るリスクについて
感染症等の感染拡大により、建設事業における工事の中止や、舗装資材製造販売事業における工場の操業停止を余儀なくされる事態に至った場合、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、工事の発注状況に大きな変動が生じた場合にも、(1)と同様の理由により悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、持ち直しの動きがみられました。その一方で、国際的なエネルギー・食料価格の上昇や欧米中央銀行の金融引き締め等により、世界的な景気後退懸念が高まるなど、経済を取り巻く環境は先行き不透明な状況が続きました。
道路建設業界におきましては、高速道路のリニューアルプロジェクトや政府による「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の推進等により、工事の発注動向は底堅さを維持したものの、ロシアによるウクライナ侵攻や円安等の複合的な要因により原油価格が高騰し、主要資材であるアスファルトをはじめ、原材料価格が年度を通じて高値圏で推移するなど厳しい事業環境となりました。
このような情勢のもと、当社グループでは、2021年5月に策定した『2030年のあるべき姿』を示す長期ビジョンおよびその第1フェーズとなる「中期経営計画(2021-2023年度)」に基づき、本業のさらなる競争力強化による安定収益の拡大に努めるとともに、サステナビリティ課題への取り組みも加速させるなど、将来の環境変化に対応する「真に強靭な企業グループへ」と進化を遂げるべく、各種施策を推進してまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、受注高(製品売上高およびその他の事業売上高を含む)は92,260百万円(前連結会計年度比11.4%増)、売上高は92,414百万円(同8.6%増)となりました。一方、損益面につきましては、経常利益は2,647百万円(同39.3%減)となり、また、減損損失826百万円を特別損失に計上したことなどにより親会社株主に帰属する当期純利益は1,127百万円(同65.9%減)となりました。
セグメントの概況を示すと、次の通りであります。
なお、完成工事高、売上高および営業利益(セグメント利益)については、セグメント間の内部取引高等を含めた調整前の金額をそれぞれ記載しております。
当連結会計年度の業績につきましては、受注高は74,546百万円(前連結会計年度比10.6%増)、完成工事高は74,700百万円(同7.2%増)、営業利益は5,540百万円(同8.2%減)となりました。
当連結会計年度の業績につきましては、製品売上高は31,947百万円(前連結会計年度比13.5%増)、営業利益は596百万円(同63.3%減)となりました。
当社グループでは、建設事業および舗装資材製造販売事業のほか、売電事業等を営んでおり、その他の事業における売上高は896百万円(前連結会計年度比9.8%増)、営業利益は168百万円(同8.0%増)となりました。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較し466百万円増加の78,762百万円となりました。売上債権が増加する一方、現金預金が減少したことなどにより流動資産は1,496百万円の減少となりましたが、本社ビルの建替えやアスファルト合材工場の設備更新等による有形固定資産の増加などにより固定資産は1,963百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較し1,304百万円増加の39,101百万円となりました。仕入債務が増加したことなどにより流動負債は1,857百万円の増加となり、一方、退職給付に係る負債の減少などにより固定負債は553百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益1,127百万円を計上しましたが、期末配当金の支払や自己株式の取得などにより、前連結会計年度末と比較し837百万円減少の39,660百万円となりました。
当連結会計年度におきましては、税金等調整前当期純利益1,798百万円の計上に減価償却費等の非資金項目や営業活動に係る債権・債務を加減算した結果、営業活動によるキャッシュ・フローは、2,380百万円の資金増加(前年同期は4,646百万円の資金増加)となりました。
当連結会計年度におきましては、アスファルト合材工場の設備更新や本社ビル・事業所の建替えに伴う支出などにより、投資活動によるキャッシュ・フローは5,028百万円の資金減少(前年同期は3,668百万円の資金減少)となりました。
当連結会計年度におきましては、期末配当金の支払や自己株式取得による支出などにより、財務活動によるキャッシュ・フローは2,022百万円の資金減少(前年同期は2,232百万円の資金減少)となりました。
以上に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度の期末残高と比べ4,641百万円減少し、8,173百万円となりました。
(注) セグメント間の内部取引については相殺消去しております。
(注) 1 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 主要相手先別売上状況
総売上高に対する割合が100分の10以上に該当する相手先は次のとおりであります。
前連結会計年度
該当する相手先はありません。
当連結会計年度
該当する相手先はありません。
3 セグメント間の内部取引については相殺消去しております。
ハ. 建設事業における受注工事高、完成工事高及び繰越工事高
(注) 1 前期以前に受注した工事で契約の更改等により請負金額や工種に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。
2 次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致します。
3 前連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、前連結会計年度の「前期繰越工事高」については、当該基準等の適用による影響額を調整した後の数値となっております。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況を次に示しております。
(建設事業)
a. 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は特命と競争入札に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
b. 完成工事高
前事業年度の完成工事のうち主なものは次のとおりであります。
当事業年度の完成工事のうち主なものは次のとおりであります。
c. 手持工事高(2023年3月31日現在)
手持工事のうち主なものは次のとおりであります。
(舗装資材製造販売事業)
製造及び販売状況
(注) 1 アスファルト合材の生産実績と売上数量との差異は、当社の請負工事に使用した数量であります。
2 その他製品売上金額は、アスファルト乳剤、砕石等の販売による売上高であります。
(その他)
売上状況
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容
① 経営成績について
セグメントの経営成績につきましては、次の通りであります。
建設事業におきましては、堅調な官公庁発注工事の受注取り込みや地域における営業基盤の強化に継続して取り組むとともに、収益力強化と喫緊の課題である働き方改革実現の両立に向け、現場における省力化や生産性向上を推し進めてまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、工事の受注が堅調に推移したことや期首における手持ち工事が高水準であったことなどにより、受注高は74,546百万円(前連結会計年度比10.6%増)、完成工事高は74,700百万円(同7.2%増)となりましたが、資材価格や人件費上昇の影響等により利益率が低下し、営業利益は5,540百万円(同8.2%減)となりました。
舗装資材製造販売事業におきましては、製品需要が伸び悩む一方、製造コストは上昇する環境下において、販売数量の確保や適正価格による販売に努めてまいりました。また、製造効率の向上や製品製造過程における環境負荷の低減にも継続して取り組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、生産・売上数量について、対前年比で増加を確保したことや変動費が高止まりするなか、損益への影響を吸収するには至らないまでも販売価格が一定程度上昇したことなどにより、製品売上高は31,947百万円(前連結会計年度比13.5%増)となりました。一方で損益面については、原材料価格高騰の影響を大きく受け、営業利益は596百万円(同63.3%減)となりました。
当社グループでは、建設事業および舗装資材製造販売事業のほか、売電事業等を営んでおり、その他の事業における売上高は896百万円(前連結会計年度比9.8%増)、営業利益は168百万円(同8.0%増)となりました。
② 財政状態について
財政状態の概要につきましては、「(1)経営成績等の概要」に記載のとおりでございます。
当社グループでは、ここ数年、将来の健全な存続と持続的成長に向け、機械装置の更新や施工用機械の取得など事業の根幹を支える投資に注力しておりますが、かかる投資については、主に自己資金により行われており、当連結会計年度末における固定比率につきましては72.5%となっております。
また、当連結会計年度末における純資産合計につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益1,127百万円を計上しましたが、期末配当金1,122百万円の支払や取締役会決議に基づく自己株式799百万円の取得などにより、前連結会計年度末と比較し837百万円減少の39,660百万円となり、自己資本比率は50.4%となっております。
なお、財政状態については事業全体で管理を行っており、セグメントごとでの記載が困難なため記載しておりません。
③ キャッシュ・フローについて
当社グループの資金状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて2,380百万円の資金増加 (前年同期は4,646百万円の資金増加)となり、前連結会計年度と比較し増加額は2,265百万円減少いたしました。
一方、投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、アスファルト合材工場の設備更新や本社ビル・事業所の建替えに伴う支出などにより、5,028百万円の資金減少(前年同期は3,668百万円の資金減少)となりました。
なお、現行の中期経営計画における投資計画では、工場・事務所・施工機械の更新に年平均50億円程度、3年累計で150億円程度の設備投資を計画しておりますが、コロナ禍での物品の品薄や設計の見直し等による次期以降へのずれ込みなどもあり、有形固定資産の取得による支出の実績は2年累計で8,564百万円となっております。
また、期末配当金の支払や自己株式取得による支出などにより財務活動によるキャッシュ・フローは2,022百万円の資金減少(前年同期は2,232百万円の資金減少)となっております。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社における資金の使途は、大別すると、運転資金、事業投資(設備投資、戦略投資、研究開発、人材投資等)、株主還元となります。運転資金を含む手元資金については、支出先行のビジネスモデル、請負工事の大型化、社会資本整備を担う企業としてあるべき財務健全性等に鑑み、月商の2倍程度の手元流動性は確保すべきであると考えております。
事業投資につきましては、将来の持続的成長を実現するためには、継続的・戦略的な設備投資、技術開発が不可欠であり、当面は、環境負荷低減や生産性向上に向けた事業資産の質的な転換期にあることから、「中期経営計画(2021-2023年度)」期間においては3年累計で、総額150億円程度の設備投資を計画し、さらにM&A等により15億円程度の戦略投資を見込んでおります。
株主還元につきましては、「配当性向30%程度、総還元性向50%以上を目標とした、安定的・継続的な株主還元」と定め、その充実に取り組んでまいりましたが、実際には2期連続でこれを大きく上回る還元を実施するなど、積極的な利益還元と自己資本のコントロールを推し進めてまいりました。
なお、財源については、営業活動によるキャッシュ・フローを基本としておりますが、必要に応じ、長期借入、当座借越契約、コミットメントラインなどにより、資金調達あるいは手元流動性を確保することも想定しており、その意味でも、信用格付「A」相当を目安として、財務健全性の維持・向上を図っていく方針です。
また、当社グループでは、グループ内の資金の効率化を図るため、当社と各子会社間における資金融通制度を構築・運用いたしております。
2023年3月末現在における現金及び現金同等物の期末残高は8,173百万円(前連結会計年度末は12,814百万円)、有利子負債残高は6,906百万円(前連結会計年度末は7,007百万円)となっております。
⑤ 株主還元方針の変更について
当社は、長期ビジョン『2030年のあるべき姿』において、2030年度の目標として「自己資本500億円」「自己資本比率50%」「ROE10%」等を重要業績評価指標(KPI)に掲げ、その第1フェーズとなる「中期経営計画(2021-2023年度)」を推進してまいりました。しかしながら、当社の課題の一つである当社株式への評価に関しては厳しい状況が続いており、これまでの株主・機関投資家の皆様との対話においては、足元の事業環境、業績動向、資本構成等に鑑み、中長期的なROE目標の達成に懸念を示す旨のご意見も複数いただいておりました。こうした状況を踏まえ、あらためて今後の財務・資本戦略について、業績動向、資金需要、資本効率、株式市場における期待収益率などを総合的に勘案し、検討した結果、2024年3月期より、当面の間における株主還元策の考え方を「配当性向100%・DOE8%を目標とした株主還元」に変更することといたしました。
⑥ 中期経営計画における主要な計画数値について
「中期経営計画(2021-2023年度)」における主要な経営指標の計画値、実績および計画最終年度の予想値については以下のとおりです。
主要経営指標(連結)
⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く環境は、ここ数年で目まぐるしく変化しており、こうした状況において、あらためて、当社グループはもとより社会全体の持続可能性を意識しながら、中長期的な視点・思考をもって経営に取り組むことの重要性を強く認識するところとなっております。
当社グループといたしましては、対処すべき課題(第一部 第2「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」)に記載のとおり、長期ビジョンおよび中期経営計画に掲げる各種施策に真摯に取り組み、将来のどのような環境変化にも対応できる「真に強靭な企業グループへ」と進化を遂げ、「豊かな地域社会づくりに貢献する生活基盤創造企業」として、社会に対する永続的な価値の提供と、中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。
なお、当社の業績に影響を与える可能性のある事項につきましては第一部 第2「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑧ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
文中における見通し、予想等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであり、様々な不確定要素が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
特記事項はありません。
近年、社会インフラの重要性が再認識されるなか、道路建設業を取り巻く環境も大きく変化しており、舗装に求められる社会からのニーズもより多様化、高度化しております。
このような状況のもと、当社では、カーボンニュートラル、道路インフラ整備の効率化、長寿命化、生産性向上に重点を置いた開発テーマを選定し、研究開発活動を行っております。
当社の研究開発活動は、技術研究所を中心に行われており、当連結会計年度における建設事業および舗装資材製造販売事業の研究開発費は、
主な研究開発
(1) カーボンニュートラルに資する技術開発
アスファルト混合物およびアスファルトプラントにおけるアスファルト混合物の製造工程に着目し、カーボンニュートラルに取り組んでおります。
アスファルト混合物については、混合物を構成するアスファルト、骨材、フィラーといった既存の素材を天然由来もしくはCO2固着・吸着材料に置き換えることでCO2排出量低減を図るもので、素材を置き換えた混合物の性状確認、効果の検証を進めております。
また、加熱することなく大規模な施工に対応できるアスファルト混合物の開発にも取り組んでおり、現在は配合を選定し室内性状の確認を行なっております。今後は試験施工を実施し、施工性および品質、効果の検証を行ってまいります。
アスファルトプラントについては、使用燃料の削減、排出ガス(CO2)の回収・再利用等について検討を進めております。
(2) 代替アスファルトの開発
アスファルトについては、カーボンニュートラルや原油の減産、価格高騰の面から石油アスファルトに替わる新材料が今後必要となることが予想されます。このことから、石油アスファルトを使用しない新規バインダーを研究しております。
現在は、天然アスファルトおよび植物性原料を使用したバインダーによる混合物性状の確認を行っており、今後は同混合物の施工性、長期耐久性、再生利用について検証を行ってまいります。
(3) DX技術の開発
舗設技術の向上を目的に、舗装用ローラの走行折り返し時の制動による荷重を軽減させて平坦性を向上させるガイダンスシステムを開発しました。当システムについては、更にガイダンス機能に加え平坦性の測定機能、舗装表面の温度測定機能も付加し、更なる舗装の品質向上と省人力化が期待できます。今後はローラに装着し、オペレーターヘの適用性と効果の検証を現場で行ってまいります。
また、建設業界では生産性向上や慢性的な人手不足、働き方改革への対応として、建設機械の遠隔操作、無人化の取組みが進められています。これらを鑑み、当社では舗装工事における中心的な施工機械であるアスファルトフィニッシャの遠隔操作システムを開発しております。現在は、敷均し作業の一部を遠隔操作することが可能となり、今後現場での検証を進めてまいります。そして最終的には舗設作業の無人化施工を視野に開発を進めてまいります。