第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)  業績

当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用・所得環境の改善や個人消費の増加などを背景に緩やかな拡大基調となり、欧州でも堅調な個人消費により緩やかな回復基調が続きました。アジアでは、総じて底堅く推移し、中国においても成長率の減速傾向からの持ち直しが見られました。日本経済は、輸出、鉱工業生産、個人消費が持ち直すなど、緩やかな回復基調が続きました。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、当連結会計年度の受注工事高は北米や国内において増加したものの、中国やインドネシアなどで減少したことにより、2,183億23百万円(前期比1.6%減少)となり、うち海外の受注工事高は、1,100億50百万円(前期比8.6%減少)となりました。

完成工事高は、北米や国内で増加しましたが、タイやブラジルなどで減少したことにより、2,006億4百万円(前期比5.6%減少)となり、うち海外の完成工事高は、988億20百万円(前期比16.2%減少)となりました。

利益面につきましては、完成工事高が前期比で118億20百万円減少したことや、米国での塗装システム事業のプロジェクトの採算悪化などにより、完成工事総利益は281億57百万円(前期比44億13百万円減少)、営業利益は84億73百万円(前期比42億61百万円減少)、経常利益は98億42百万円(前期比25億1百万円減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は63億5百万円(前期比7億79百万円減少)となりました。

 

セグメントごとの業績(セグメント間の内部取引高を含む)は次のとおりであります。

 

環境システム事業

受注工事高は、国内のビル空調分野で増加したものの、タイやインドネシアなどで減少したことにより、前期を下回りました。完成工事高は、国内の産業空調分野が増加しましたが、タイで工事量が減少し、前期を下回りました。

この結果、受注工事高は、1,304億30百万円(前期比1.7%減少)となりました。このうちビル空調分野は、487億39百万円(前期比11.5%増加)、産業空調分野は、816億90百万円(前期比8.2%減少)となりました。完成工事高は、1,245億65百万円(前期比7.6%減少)となりました。このうちビル空調分野は、438億57百万円(前期比0.6%増加)、産業空調分野は、807億8百万円(前期比11.5%減少)となりました。セグメント利益(経常利益)につきましては99億81百万円(前期比10億31百万円増加)となりました。

 

塗装システム事業

受注工事高は、北米やロシアなどで増加しましたが、中国では前期において大型プロジェクトの受注があったことの反動減により減少し、前期を下回りました。完成工事高は、北米や国内などにおいて増加したものの、ブラジルや中国などで減少し、前期を下回りました。

この結果、受注工事高は、878億93百万円(前期比1.3%減少)となり、完成工事高は、760億85百万円(前期比2.1%減少)となりました。セグメント損失(経常損失)につきましては1億15百万円(前期は35億24百万円のセグメント利益(経常利益))となりました。

 

セグメントごとの受注工事高・完成工事高(セグメント間の内部取引高を含む)

区分

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日
  至  平成28年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日
  至  平成29年3月31日)

(百万円)

前期比

(%)

受注工事高

 

 

 

 

環境システム事業

ビル空調

43,717

48,739

11.5

 

 

産業空調

88,988

81,690

△8.2

 

 

小計

132,706

130,430

△1.7

 

 

(うち海外)

(42,887)

(35,441)

(△17.4)

 

塗装システム事業

 

89,058

87,893

△1.3

 

(うち海外)

 

(77,541)

(74,608)

(△3.8)

 

合計

 

221,764

218,323

△1.6

 

(うち海外)

 

(120,428)

(110,050)

(△8.6)

完成工事高

 

 

 

 

環境システム事業

ビル空調

43,608

43,857

0.6

 

 

産業空調

91,216

80,708

△11.5

 

 

小計

134,824

124,565

△7.6

 

 

(うち海外)

(51,593)

(36,638)

(△29.0)

 

塗装システム事業

 

77,735

76,085

△2.1

 

(うち海外)

 

(66,394)

(62,210)

(△6.3)

 

合計

 

212,560

200,650

△5.6

 

(うち海外)

 

(117,988)

(98,849)

(△16.2)

 

(注)  「第2  事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

(2)  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ66億97百万円減少し、316億72百万円(前期末は383億69百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フローの状況)

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加などにより減少したものの、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加などにより、66億79百万円の資金増加(前期は73億1百万円の資金増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フローの状況)

投資活動によるキャッシュ・フローは、保険積立金の払戻による収入が保険積立金の積立による支出を上回ったことなどにより増加したものの、定期預金の預入による支出が定期預金の払戻による収入を上回ったことや有形及び無形固定資産の取得による支出が有形及び無形固定資産の売却による収入を上回ったことなどにより、65億5百万円の資金減少(前期は3億28百万円の資金減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フローの状況)

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや自己株式の取得、長期借入金の返済による支出が長期借入れによる収入を上回ったことなどにより、52億86百万円の資金減少(前期は74億9百万円の資金減少)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事業では生産実績を定義することが困難であり、設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

よって、受注及び売上の状況については「1業績等の概要」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しております。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況

①  受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越
工事高
(百万円)

前事業年度

(自平成27年4月1日

 至平成28年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

49,152

41,611

90,763

41,420

49,343

産業空調

12,572

46,416

58,988

39,968

19,019

小計

61,724

88,027

149,752

81,389

68,363

塗装システム事業

13,253

23,765

37,019

25,880

11,138

合計

74,978

111,793

186,771

107,269

79,501

(うち海外)

(6,651)

(14,858)

(21,509)

(17,007)

(4,502)

当事業年度

(自平成28年4月1日

 至平成29年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

49,343

46,149

95,493

41,490

54,002

産業空調

19,019

46,676

65,696

44,447

21,248

小計

68,363

92,826

161,189

85,938

75,251

塗装システム事業

11,138

19,395

30,533

19,439

11,094

合計

79,501

112,222

191,723

105,378

86,345

(うち海外)

(4,502)

(8,163)

(12,665)

(7,909)

(4,755)

 

(注) 1  前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2  次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

3  当期受注工事高のうち海外工事の割合は、前事業年度は13.3%、当事業年度は7.3%であります。

4  前事業年度の海外受注工事高のうち、請負金額15億円以上の主なものは、次のとおりであります。

北京現代汽車有限公司

北京現代 第四新工場

(中国)

 

    当事業年度の海外受注工事高は当期受注工事高の10%を超えていないため、記載を省略しております。

 

②  受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自平成27年4月1日

 至平成28年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

14.7

22.5

37.2

産業空調

30.4

11.1

41.5

小計

45.1

33.6

78.7

塗装システム事業

5.3

16.0

21.3

合計

50.4

49.6

100.0

(うち海外)

(2.5)

(10.8)

(13.3)

当事業年度

(自平成28年4月1日

 至平成29年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

15.8

25.3

41.1

産業空調

28.8

12.8

41.6

小計

44.6

38.1

82.7

塗装システム事業

6.0

11.3

17.3

合計

50.6

49.4

100.0

(うち海外)

(3.4)

(3.9)

(7.3)

 

(注)  百分比は請負金額比であります。

 

③  完成工事高

期別

区分

国内

海外

合計
(B)
(百万円)

官公庁
(百万円)

民間
(百万円)

(A)
(百万円)

(A)/(B)
(%)

前事業年度

(自平成27年4月1日

 至平成28年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

3,669

37,751

41,420

産業空調

1,133

38,389

445

1.1

39,968

小計

4,803

76,140

445

0.5

81,389

塗装システム事業

9,318

16,562

64.0

25,880

合計

4,803

85,459

17,007

15.9

107,269

当事業年度

(自平成28年4月1日

 至平成29年3月31日)

環境システム
事業

ビル空調

4,897

36,593

41,490

産業空調

612

43,358

477

1.1

44,447

小計

5,509

79,951

477

0.6

85,938

塗装システム事業

12,007

7,432

38.2

19,439

合計

5,509

91,958

7,909

7.5

105,378

 

(注) 1  海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。

地域

前事業年度(%)

当事業年度(%)

東南アジア

9.1

20.8

東アジア

60.5

45.2

その他

30.4

34.0

100.0

100.0

 

2  完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

    前事業年度  請負金額25億円以上の主なもの

㈱大林組

(仮称)大久保三丁目 業務棟他関連工事

㈱福井村田製作所

新棟建設工事

ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング㈱

熊本TEC 空調設備工事

 

    当事業年度  請負金額30億円以上の主なもの

大成建設㈱

六本木三丁目東地区再開発

北京現代汽車有限公司

北京現代 第四新工場

㈱金沢村田製作所

金沢事業所 空調・衛生・ユーティリティー設備工事

 

3  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

    前事業年度

大成建設㈱

13,016百万円

12.1%

 

    当事業年度

該当する相手先はありません。

 

 

④  手持工事高  (平成29年3月31日現在)

区分

国内

海外

合計
(B)
(百万円)

官公庁
(百万円)

民間
(百万円)

(A)
(百万円)

(A)/(B)
(%)

環境システム事業

ビル空調

8,978

45,024

54,002

産業空調

254

20,952

41

0.2

21,248

小計

9,232

65,977

41

0.1

75,251

塗装システム事業

6,379

4,714

42.5

11,094

合計

9,232

72,357

4,755

5.5

86,345

 

(注) 手持工事のうち請負金額35億円以上の主なものは、次のとおりであります。

㈱ホンダトレーディング

本田ブラジル ボディライン新工場

平成29年12月完成予定

東和薬品㈱

山形工場新棟 空調・衛生設備工事

平成29年12月完成予定

富士重工業㈱ ※

矢島5PRN 生産設備設置工事

平成30年3月完成予定

鹿島建設㈱

竹芝開発業務棟新築空調設備工事

平成32年5月完成予定

 

※ 富士重工業㈱は平成29年4月1日より㈱SUBARUに社名変更しております。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)  会社の経営の基本方針

当社並びにグループ各社は、社是「顧客第一」と社名「大気社」が示す「エネルギー・空気・水」の環境対応技術を核として、グローバルに事業領域を拡大し、安定的かつ持続的な成長を目指します。そして全てのステークホルダーにとって魅力ある会社づくりをすすめ、社会に貢献してまいります。

 

(2)  目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

平成28年5月16日に開示をしました平成29年3月期から平成31年3月期の中期経営計画(「中期経営計画について」)により開示を行った内容から重要な変更はございません。

当該開示資料の詳細につきましては、次のURLからご覧いただくことができます。

(当社ウェブサイト)

http://www.taikisha.co.jp/

(東京証券取引所ウェブサイト(上場会社情報検索ページ))

http://www.jpx.co.jp/listing/co-search/index.html

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(3)  対処すべき課題

①  経営基盤の強化

当社は、社会のニーズや市場環境の変化に柔軟・迅速に対応し、上記の経営の基本方針を実践するため、(ア)コーポレート・ガバナンス体制のさらなる充実、(イ)グローバルなコンプライアンス体制の強化、(ウ)人材力の向上、(エ)事業基盤強化のための戦略的な投資を積極的に行うことで、経営基盤を強化してまいります。

これらの項目を実現していくための具体的な実行計画を、各担当部門の年度方針に盛り込み、常に方針書に立ち戻りながら活動を継続しております。

 

②  成長が期待される市場や分野への注力による事業展開

当社は、一般ビルの空調設備の設計・施工から生産設備のエンジニアリングまでを行う環境システム事業部と、自動車を中心とした塗装プラントをエンジニアリングする塗装システム事業部の2事業部制で事業を展開しております。

環境システム事業部は、国内はもとより海外市場においても事業を引き続き拡大させてまいります。特にエネルギー負荷を減らし低炭素社会の要求にあった設備設計、既存設備のリニューアルや生産効率をあげるエンジニアリング、高効率の排気処理装置の販売、植物工場等の新規事業開拓など、環境ビジネスの充実を図ってまいります。また、原価管理を一層徹底し収益力を強化してまいります。

塗装システム事業部は、自動車の塗装・塗着効率の向上や塗装工場全体のエネルギー負荷を減らすといった総合エンジニアリング型ビジネスをさらに発展させ、インド、中国、米国及び欧州などで新設・改造される塗装プラントについて、日系自動車メーカーはもとより現地資本の自動車メーカーからの受注も増やして業績を伸ばしてまいります。また、航空機塗装等、自動車以外の塗装設備事業、新素材に対応する塗装技術、コンベヤシステム等の周辺領域へと事業を拡大してまいります。

 

③  法令順守の経営

当社は、上記の経営の基本方針に基づき、「法令とその精神を順守し、公正で自由な競争のもとに適正な取引を行い、透明性と高い倫理観で、顧客・取引先、株主、社員、地域・社会、地球環境に貢献する。」という経営ビジョンを策定しております。

この経営ビジョンは、当社が法令順守を経営の根幹におきながら、当社を取り巻くすべてのステークホルダーに対して価値を生み出し、社会的責任を果たしていく決意を示したもので、役員・社員に対するコンプライアンス研修の実施、内部通報制度の整備・周知、毎月開催の全社コンプライアンス委員会による順守状況の検証など、具体的施策を実行することにより法令順守の徹底に努めております。

今後も、法令順守を根幹とした、より一層高い透明性と倫理観のある経営を推進してまいります。

 

 

(4)  株式会社の支配に関する基本方針

①  当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、当社株式の売買は市場に委ねられるべきものと考えており、当社株券等の大量買付行為を行う大量買付者による当社株券等の買付けの要請に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する株主の皆様のご判断によるものと考えております。また、大量買付者による経営への関与は、必ずしも企業価値を毀損するものではなく、それが当社の企業価値の拡大につながるものであれば何ら否定するものではありません。

しかしながら、大量買付行為を行う大量買付者の中には、その目的等に鑑みて、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を損なう恐れがある場合や株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要する場合等、不適切な大量買付行為が実施される場合も存在すると考えております。

このような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に反する不適切な大量買付行為が実施される場合には、株主の皆様が大量買付者による買付け要請に応じるか否かについて判断を行うだけの必要十分な情報及び時間を確保することや当社が大量買付者との交渉の機会を確保することが必要であると考えております。

さらに、継続性を維持した企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させるという目的を達成するためには、当社グループ内の各事業会社の位置付けや役割を十分に理解しつつ、より中長期的な観点から将来の展望を見据えて安定的な経営を目指していくことが必要であります。

このように、当社といたしましては、大量買付者による当社株券等の大量買付行為が行われた場合に、株主の皆様が、当社及び当社グループの特性を踏まえた上で、当該大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要十分な情報及び時間を確保すること、また、当社が、大量買付者との交渉の機会を確保することが、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることにとって不可欠であると考えております。

 

②  基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、企業理念を「永続的に成長し、社会に貢献する会社づくり」、「魅力ある会社づくり」の二点に定めております。この企業理念を実現するために、当社は、付加価値増大を通じたステークホルダーの繁栄、技術を通じた豊かな環境の創造と産業社会の発展、仕事を通じた社員の自己実現、相互信頼・協調・合理性のある組織風土の醸成等を目指しております。このような当社が目指すところを経営ビジョンとして換言したものが「法令とその精神を順守し、公正で自由な競争のもとに適正な取引を行い、透明性と高い倫理観で、顧客・取引先、株主、社員、地域・社会、地球環境に貢献する。」であります。

以上の企業理念・経営ビジョンに基づき、平成29年3月期から平成31年3月期までの3ヶ年を計画期間とした中期経営計画の下、環境システム事業及び塗装システム事業を中心とした当社事業の持続的な発展を目指すとともに、企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることに努めてまいります。

また、当社は、企業価値を毀損する最大の経営リスクは法令違反であることを強く認識し、法令順守の実行を通じ、企業価値を高め、広く社会から評価されるべくコーポレート・ガバナンスを一層充実させることを、経営の最重要課題としております。取締役会、監査役会、経営会議、全社コンプライアンス委員会、内部監査室等の活動を通じて、また、内部統制システムの整備を通じて、建設業法や金融商品取引法をはじめとした関連諸法令の順守に努めております。

 

 

③  基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成20年1月31日開催の取締役会において、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的として、議決権割合を20%以上とする当社株券等の買付行為、又は結果として議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(以下、かかる買付行為を「大量買付行為」といい、大量買付行為を行う者を「大量買付者」といいます。)に対する対応策(買収防衛策)の導入を決議し、平成20年6月27日開催の当社第63回定時株主総会、平成22年6月29日開催の当社第65回定時株主総会、平成25年6月27日開催の当社第68回定時株主総会及び平成28年6月29日開催の当社第71回定時株主総会において、その内容の一部変更及び継続について株主の皆様にご承認をいただいております(以下、現在の買収防衛策を「本プラン」といいます。)。

本プランは、大量買付行為が行われる場合に、株主の皆様に当該大量買付行為に応じるか否かを適切にご判断いただくための必要十分な情報及び時間を確保するために、取締役会が、大量買付者に対して、事前に大量買付情報の提供を求め、当該大量買付行為についての評価、検討、大量買付者との買付条件等に関する交渉又は株主の皆様への代替案の提示等を行うとともに、原則として、取締役会からの独立性が高い社外取締役、社外監査役及び社外有識者の中から選任される委員で構成される独立委員会の勧告に従って、大量買付行為に対する対抗措置を発動するための手続(以下「大量買付ルール」といいます。)を定めております。

大量買付者が、大量買付ルールを順守しなかった場合、又は大量買付ルールを順守している場合であっても、当該大量買付行為が、合理的かつ詳細に定められた客観的要件に該当するような、当社に回復し難い損害をもたらすことが明らかであると認められる行為である場合には、原則として、独立委員会の勧告に従って、対抗措置の発動を決定し、これを行うものとします。

具体的な対抗措置としては、新株予約権の無償割当てその他法令及び当社定款において取締役会の権限として認められているものの中から、その時々の状況に応じて、適切なものを選択するものとします。

 

④  前記取組みが、基本方針に沿い、株主の共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
ア  ②の取組みについて

上記②「基本方針の実現に資する特別な取組み」に記載した取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上させるための取組みとして策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。

したがいまして、かかる取組みは、基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

イ  ③の取組みについて

当社は、上記③「基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み」に記載した取組みは、以下の各理由により、基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

(ア)  買収防衛策に関する指針において定める三原則を完全に充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日付で公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」において定められた(ⅰ)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、(ⅱ)事前開示・株主意思の原則、(ⅲ)必要性・相当性確保の原則の三原則を完全に充足しております。

(イ)  企業価値研究会が公表した買収防衛策の在り方の趣旨を踏まえていること

本プランは、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日付で公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の趣旨も踏まえた内容となっております。

(ウ)  株主の皆様の意思の重視と情報開示

本プランの有効期間は、第71回定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会(平成31年6月開催予定の第74回定時株主総会)の終結の時までとなっております。

ただし、本プランの有効期間満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されることになっており、この点においても、本プランの継続及び廃止は、株主の皆様の意思を尊重した形になっております。

さらに、対抗措置の発動の是非について、株主の皆様のご意思を確認する機会を設けるために、株主総会(以下「株主意思確認株主総会」といいます。)を開催することができるものとし、対抗措置の発動について、株主の皆様の意思を尊重して行うことを明らかにしております。

そして、株主の皆様に、本プランの廃止等の判断、大量買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かについての判断等の意思形成を適切に行っていただくために、取締役会は、大量買付情報その他大量買付者から提供を受けた情報を株主の皆様へ取締役会が適当と認める時期及び方法により開示することとしております。

(エ)  取締役会の恣意的判断を排除するための仕組み

当社は、本プランの導入及び継続にあたり、取締役会の恣意的判断を排除するために、独立委員会を設置しております。

当社に対して大量買付行為がなされた場合には、独立委員会が、大量買付行為に対する対抗措置の発動の是非等について審議・検討した上で取締役会に対して勧告し、取締役会は、原則として、独立委員会の勧告に従って決議を行うこととされており、取締役会の恣意的判断に基づく対抗措置の発動を可及的に排除することができる仕組みが確保されております。

さらに、本プランは、大量買付者が、本プランにおいて定められた形式的な大量買付ルールを順守しない場合又は大量買付者が、当社の企業価値を著しく損なう場合として合理的かつ詳細に定められた客観的要件を充足した場合にのみ発動することとされており、また、一定の場合には、株主意思確認株主総会を開催することができ、株主の皆様の過半数の賛成を得られた場合にのみ、対抗措置が発動されることとされており、この点においても、取締役会による恣意的な対抗措置の発動を可及的に排除する仕組みが確保されているものといえます。

(オ)  デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、取締役会により廃止することができるものとされていることから、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は取締役の任期について期差任期制を採用していないため、本プランは、スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループとして、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、以下の事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)  民間設備投資の変動

世界的な経済情勢の変化等の影響を受けて、顧客の投資計画に中止・延期や内容の見直しなどが発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。

 

(2)  海外事業展開に伴うリスク

海外各地において展開している事業については、予期しない法規制の改正、政情不安等が、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、外貨建工事契約に係る請負代金の入金及び発注代金の支払いについては、先物為替予約等のヘッジを実施するなど可能な限り為替リスクを回避しておりますが、なお為替変動による損失発生の可能性があります。さらに、連結財務諸表作成にあたっては在外連結子会社の財務諸表を換算するため、為替相場により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)  請負工事における瑕疵担保責任

請負工事については、顧客との間の工事請負契約に基づき、竣工後一定期間、瑕疵担保責任を負っております。この瑕疵担保責任に伴って発生する費用について、過去の実績に基づき完成工事補償引当金を計上しておりますが、当該費用が引当金残高を上回って発生する可能性があります。

 

(4)  売上債権回収リスク

受注先に関する与信管理に努めておりますが、受注先の倒産等のため工事代金の回収が不能になることにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)  価格競争激化に伴うリスク

工事請負事業は受注競争が厳しい環境下にあります。工事損失引当金の計上等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)  資材価格の変動

建設資材等の調達価格が高騰し、これを受注金額に反映させることが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)  資産保有に伴うリスク

保有する不動産、有価証券等の時価の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)  退職給付制度に関するリスク

年金資産の時価の下落や運用利回りの悪化、割引率等数理計算上で設定される前提に変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)  自然災害・事故

予期しない自然災害、あるいは事故等により損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループにおいては、危機管理体制の整備に努めておりますが、大規模・広域な自然災害の発生にあっては、当社グループの直接的な物的・人的被害のみならず、顧客の事業活動、ひいては経済情勢にまで影響が及び、その影響が長期化することによって、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 法令違反リスク

当社グループにおきましては、全社一丸となって法令を順守する経営の徹底に努めております。それにもかかわらず、なお当社グループの役員又は従業員が法令に違反する行為を行った場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費は9億46百万円であります。

当社は、技術開発センター(神奈川県)、座間技術センター(神奈川県)、塗装システム事業部開発部門(大阪府)の3研究開発組織において、空調設備及び塗装設備の各分野における技術開発を前期に引き続き活発に実施し、多くの成果を得ました。また、Geico S.p.A.(イタリア・ミラノ市)は、パルディスイノベーションセンターにおいて、塗装設備の分野における技術開発と改良を精力的に実施し、多くの成果を得ました。

 

セグメントごとの研究開発は以下のとおりであります。

 

(1)  環境システム事業

 

当連結会計年度における研究開発費の金額は4億73百万円であります。

 

①  ベジファクトリーのLED照明化

当社では、蛍光灯を用いた完全人工光型・水耕栽培植物工場における結球レタスの安定量産化に成功し、「ベジファクトリー」として販売しております。

当連結会計年度は、近年のLEDの発光効率向上や価格の低下、製品の長寿命化などによりLED照明導入の条件が整ったことから、LED照明による栽培実験を行い、LED照明による最適な栽培技術を確立しました。このLED照明の導入は、約40%の消費電力低減の効果があり、平成29年竣工予定の植物工場にも採用されました。

今後は,空調設備や栽培装置の開発などを進め,更なる栽培コスト低減を進めてまいります。

 

②  直膨空調システムの拡充

当社では、冷凍機の冷媒で空気を直接冷却する直膨空調システムの開発を進め、主に環境試験室に導入してまいりました。

当連結会計年度は、これまでの冷房専用のシステムからヒートポンプ運転による暖房も可能にするため、冷房運転と暖房運転の切り替え時の温度変動が小さい高精度な直膨空調システムの開発を行いました。この直膨空調システムの拡充により、1年を通し24時間連続運転が要求される施設への直膨空調システムの展開が期待できることから、今後はさらなる販売拡大を図ってまいります。

 

③  RTO(蓄熱型直接燃焼装置)の省エネルギー性の向上

当社では、VOC(揮発性有機化合物)の排気処理装置の主力商品としてRTOを販売しております。RTOは燃焼排熱を蓄熱材に蓄熱し、これを処理ガスの予熱に再利用し、燃料消費量の低減を図る省エネルギー性の高い装置です。

当連結会計年度は、燃焼室の構造の最適化による温度分布の均一化を進めることにより、省エネルギー性の向上を進めてまいりました。燃焼室の温度分布を改善することにより処理ガスの燃焼効率が上昇し、燃料消費量の低減を図ることができます。小型検証装置による実験では,従来の装置と比較して燃料消費量が20%減少いたしました。

今後は実大装置による実証実験を行い、早期の市場投入を目指してまいります。

 

④  空調室外機用の消音装置

近年、普及が著しいビル用マルチエアコンは大規模建物に適用されることが多く、多数の室外機による近隣騒音が問題になることがあります。そのため、近隣への騒音対策として室外機に消音装置を設置する場合がありますが、費用に見合った効果が明確でないという課題があります。

当社では、ビル用マルチエアコンの室外機の消音装置に遮音壁に関する新たな技術を適用するための研究を進めてまいりました。当連結会計年度は、屋外での実大実験、無響室での模型実験、数値解析などを行い、従来の装置と比較して5dB程度の消音量向上に成功いたしました。

今後は、国内連結子会社である日本ノイズコントロール㈱とともに実用化を図ってまいります。

 

 

(2)  塗装システム事業

 

当連結会計年度における研究開発費の金額は4億73百万円であります。

 

①  新型湿式スクラバー式塗装ブース「S-1型湿式サーキュラー」の開発

当社は、自動車メーカー等に主力設備の一つである湿式スクラバー方式の塗装ブースを多数納入しております。当社では、1980年代初期から数々の改良を重ね、低騒音を特長とした湿式スクラバー(W型サーキュラー)を主力商品として販売拡大を進めてまいりました。

当連結会計年度は、W型サーキュラーの後継機となる更に高性能な湿式スクラバー「S-1型湿式サーキュラー」の開発に成功いたしました。このS-1型サーキュラーは、洗浄部形状の刷新による大幅な省エネルギー化と、構造の簡素化による優れたメンテナンス性を備えている点が大きな特長です。

今後も、更なる改良・改善を継続し、より高性能な商品開発を進めてまいります。

 

②  シリンジポンプユニットを搭載した「2液混合塗装システム」の開発

当社の主要顧客である自動車メーカーはエネルギー効率の高い生産工場の建設や、低燃費自動車の開発による環境対応を最優先課題に挙げております。

自動車業界では、低燃費実現のために外装パーツの複合材化による車体軽量化が進められています。複合材パーツの塗装工程では焼付温度の低下が必要となるため、2種類の材料を混ぜ、化学反応で塗膜を硬化させる2液混合塗装システムの採用が不可欠となります。

当連結会計年度は、「2液混合塗装システム」の開発に注力いたしました。本システムは、シリンジポンプの駆動にサーボモーターを採用しているため、高精度の混合比率と塗料廃棄損失の減少を実現しております。当社が新規参入を進めております航空機及び鉄道車両の塗装市場における塗料も2液塗料であり、塗装作業の自動化と連動して本システムの採用が見込まれます。

今後も、顧客のニーズに対応した製品の開発を進め、受注拡大を推進してまいります。

 

③  塗装ブース用「ドライスピン」の改良

Geico S.p.Aは、自動車メーカー等に大幅な省エネルギー化を可能とする「ドライスピン」の販売拡大を進めております。

当連結会計年度は、その心臓部である装置構造の変更を行うなどの細部にわたった改良を行う事で、システム全体の信頼性を高めました。改良版「ドライスピン」は、大手自動車メーカーからの受注を獲得し、平成30年初旬の生産開始に向けた計画を進めております。

 

④  IoTをベースにした「Smart Paint Shop」の構築

Geico S.p.Aは、「Industry4.0」を視野に入れた「Smart Paint Shop」プロジェクトを社内で立ち上げました。本プロジェクトにおいては「生産品の品質向上」、「設備の故障予知」、「作業者に対する安全性の向上」を実現できるシステム開発を進めてまいります。

特に近年では、IoT技術の導入による製造工場のスマート化が進んでおり、世界的な潮流に対応するべく新システムの開発を現在積極的に進めております。

今後は自動車生産工場を想定し、ビッグデータを用いたディープラーニング、AIツールの導入を含めた具現化を進めてまいります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)  重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、これらの会計基準に基づき、決算日における資産・負債及び収益・費用の数値に影響を与える見積りが行なわれているものがあります。

貸倒引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金等の引当金や繰延税金資産・負債、及び工事進行基準による完成工事高等に係わる見積りは、過去の実績や個々の状況等に基づき継続的に評価、判断しております。

なお、これらの見積りにつきましては、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

(2)  経営成績の分析

当連結会計年度における世界経済は、米国では雇用・所得環境の改善や個人消費の増加などを背景に緩やかな拡大基調となり、欧州でも堅調な個人消費により緩やかな回復基調が続きました。アジアでは、総じて底堅く推移し、中国においても成長率の減速傾向からの持ち直しが見られました。日本経済は、輸出、鉱工業生産、個人消費が持ち直すなど、緩やかな回復基調が続きました。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、当連結会計年度の受注工事高は、北米や国内において増加したものの、中国やインドネシアなどで減少したことにより、2,183億23百万円(前期比1.6%減少)となり、うち海外の受注工事高は、1,100億50百万円(前期比8.6%減少)となりました。

完成工事高は、北米や国内で増加しましたが、タイやブラジルなどで減少したことにより、2,006億4百万円(前期比5.6%減少)となり、うち海外の完成工事高は、988億20百万円(前期比16.2%減少)となりました。

利益面につきましては、完成工事高が前期比で118億20百万円減少したことや、米国での塗装システム事業のプロジェクトの採算悪化などにより、完成工事総利益は281億57百万円(前期比44億13百万円減少)、営業利益は84億73百万円(前期比42億61百万円減少)、経常利益は98億42百万円(前期比25億1百万円減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は63億5百万円(前期比7億79百万円減少)となりました。

 

(3)  財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の流動資産は前期末に比べ2.8%増加し、1,529億7百万円となりました。これは受取手形・完成工事未収入金等が82億65百万円増加し、現金預金が17億38百万円減少したことなどによります。

当連結会計年度末の固定資産は前期末に比べ12.8%増加し、461億16百万円となりました。これは投資有価証券が31億60百万円、退職給付に係る資産が17億81百万円それぞれ増加し、のれんが3億56百万円減少したことなどによります。

この結果、当連結会計年度末の資産合計は前期末に比べ5.0%増加し、1,990億24百万円となりました。

(負債)

当連結会計年度末の流動負債は前期末に比べ6.1%増加し、886億8百万円となりました。これは支払手形・工事未払金等が60億73百万円増加し、短期借入金が12億46百万円減少したことなどによります。

当連結会計年度末の固定負債は前期末に比べ0.8%増加し、102億31百万円となりました。これは繰延税金負債が14億14百万円増加し、長期借入金が3億97百万円減少したことなどによります。

この結果、当連結会計年度末の負債合計は前期末に比べ5.5%増加し、988億39百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は前期末に比べ4.4%増加し、1,001億84百万円となりました。これは利益剰余金が40億2百万円、その他有価証券評価差額金が20億60百万円、自己株式が10億円それぞれ増加し、為替換算調整勘定が11億79百万円減少したことなどによります。

 

 

(4)  キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ66億97百万円減少し、316億72百万円(前期末は383億69百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フローの状況)

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加などにより減少したものの、税金等調整前当期純利益の計上や仕入債務の増加などにより、66億79百万円の資金増加(前期は73億1百万円の資金増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フローの状況)

投資活動によるキャッシュ・フローは、保険積立金の払戻による収入が保険積立金の積立による支出を上回ったことなどにより増加したものの、定期預金の預入による支出が定期預金の払戻による収入を上回ったことや有形及び無形固定資産の取得による支出が有形及び無形固定資産の売却による収入を上回ったことなどにより、65億5百万円の資金減少(前期は3億28百万円の資金減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フローの状況)

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや自己株式の取得、長期借入金の返済による支出が長期借入れによる収入を上回ったことなどにより、52億86百万円の資金減少(前期は74億9百万円の資金減少)となりました。

 

(5)  為替相場の変動による財政状態及び経営成績の変動状況

連結財務諸表を作成するにあたり、在外連結子会社の財務諸表を換算しているため、為替相場の変動により、総資産、キャッシュ・フロー、完成工事高及び経常利益に影響を受けております。主に米ドル、タイバーツ、中国元、ユーロ及びインドルピーの為替変動による影響が大きくあります。

 

第68期

第69期

第70期

第71期

第72期

平成25年3月

平成26年3月

平成27年3月

平成28年3月

平成29年3月

総資産のうち「為替換算調整勘定」

(百万円)

△2,358

1,158

3,742

1,528

349

キャッシュ・フローにおける「現金
及び現金同等物に係る換算差額」
(百万円)

2,105

3,185

1,878

△1,700

△1,584

 

 

主な在外連結子会社における完成工事高及び経常利益に与える為替変動による影響

 

第71期

第72期

増減

為替変動による影響
A×B
(百万円)

平成28年3月

平成29年3月

TKS
Industrial
Company 
*1

完成
工事高

外貨ベース(米ドル  千)

84,552

168,477

△10.7

△1,802

換算レート(円)*5

121.00

 

110.30

円貨ベース(百万円)

10,230

 

18,583

経常利益

外貨ベース(米ドル  千)

△818

△15,025

△10.7

160

換算レート(円)*5

121.00

 

110.30

円貨ベース(百万円)

△99

 

△1,657

Taikisha
(Thailand)
Co., Ltd.
*2

完成
工事高

外貨ベース(タイバーツ  百万)

9,718

6,616

△0.42

△2,779

換算レート(円)*5

3.54

 

3.12

円貨ベース(百万円)

34,403

 

20,644

経常利益

外貨ベース(タイバーツ  百万)

535

139

△0.42

△58

換算レート(円)*5

3.54

 

3.12

円貨ベース(百万円)

1,895

 

436

五洲大気社工程有限公司
*3

完成
工事高

外貨ベース(中国元  百万)

681

677

△2.65

△1,795

換算レート(円)*5

19.21

 

16.56

円貨ベース(百万円)

13,100

 

11,223

経常利益

外貨ベース(中国元  百万)

58

21

△2.65

△57

換算レート(円)*5

19.21

 

16.56

円貨ベース(百万円)

1,119

 

358

Geico S.p.A.
*4

完成
工事高

外貨ベース(ユーロ  千)

122,223

160,358

△13.24

△2,123

換算レート(円)*5

134.65

 

121.41

円貨ベース(百万円)

16,457

 

19,469

経常利益

外貨ベース(ユーロ  千)

5,052

6,347

△13.24

△84

換算レート(円)*5

134.65

 

121.41

円貨ベース(百万円)

680

 

770

Taikisha
Engineering
India Private
Ltd.

完成
工事高

外貨ベース(インドルピー  百万)

2,957

3,128

△0.21

△657

換算レート(円)*5

1.84

 

1.63

円貨ベース(百万円)

5,441

 

5,100

経常利益

外貨ベース(インドルピー  百万)

343

389

△0.21

△81

換算レート(円)*5

1.84

 

1.63

円貨ベース(百万円)

631

 

634

 

(注) *1  子会社4社を含んだ連結数値

*2  子会社5社を含んだ連結数値

*3  子会社1社を含んだ連結数値

*4  第71期は子会社6社、第72期は子会社7社を含んだ連結数値

*5  換算レートは当該連結会計年度における期中平均レート