当社グループは、創業理念(社是)「顧客第一」と社名「大気社」が示す「エネルギー・空気・水」の環境対応技術を核として、グローバルに事業領域を拡大し、安定的かつ持続的な成長を目指します。そして全てのステークホルダーにとって魅力ある会社づくりをすすめ、社会に貢献してまいります。
当社グループは、2019年5月15日に開示しました中期経営計画において、「特色あるエンジニアリングを通じ、最適な環境を創造するグローバルな企業グループを目指す」ことを長期ビジョンとして掲げ、次の3つを重点項目としております。
エネルギー・空気・水に関わる技術で、お客様の多様なニーズを満たすエンジニアリング集団を目指す。
先進的なソリューション技術でお客様の環境課題を解決し、豊かな地球環境を未来へ引き継ぐことに貢献する。
個人の創造性・多様性を尊重し、社員が自己の成長と働く喜びを感じることができる風土を大切にする。
2019年5月15日に開示しました2020年3月期から2022年3月期の中期経営計画(「中期経営計画について」)により開示を行った内容から重要な変更はございません。
当該開示資料の詳細につきましては、次のURLからご覧いただくことができます。
(当社ウェブサイト)
https://www.taikisha.co.jp/
(東京証券取引所ウェブサイト(東証上場会社情報サービス))
https://www2.tse.or.jp/tseHpFront/JJK010010Action.do?Show=Show
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「特色あるエンジニアリングを通じ、最適な環境を創造するグローバルな企業グループを目指す」という長期ビジョン達成のために、①グローバル市場における確固たる地位の確立、②将来への取り組みの強化、③魅力ある会社作りと強固な経営基盤の構築を経営課題と定めております。
当社グループは、今後さらに競争力・収益力を高め、国内外設備業界における確固たる地位の確立を目指してまいります。「グローバル市場における確固たる地位の確立」の実現に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。
(ア) 事業基盤の強化
環境変化、景気変動への対応力のあるバランスの取れた事業ポートフォリオの構築や、安定的な調達先、協力会社の確保、健全な財務基盤の維持により、事業基盤の強化を図ってまいります。
(イ) 競争力の向上
省エネ・省コスト・環境対応技術や自動化技術などにおける付加価値の向上を目指してまいります。また、研究所の拡充・活用による技術開発力の強化と、技術の見える化によりお客様への提案力を強化してまいります。さらに、IoT・AIなどを活用した新たなソリューションの開発推進、PR力強化による企業認知度の向上に取り組み、競争力の向上を図ってまいります。
(ウ) 収益性の向上
成長市場に経営資源を重点的に配分してまいります。また、現場作業の工法・業務プロセスの改善と水平展開、IT活用の推進などによる生産性の向上を図ってまいります。さらに、プロジェクト管理体制の強化により、収益性の向上を図ってまいります。
当社グループは、今後の市場環境の変化を見据え、ビジネス機会とする仕組み・体制づくりを推進してまいります。「将来への取り組みの強化」の実現に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。
(ア) 事業領域の拡大
既存主要事業領域の深化および、植物工場事業や自動車以外の大型自動塗装事業などの新規事業の拡大を図ってまいります。また、未進出国への事業拡大を目指してまいります。さらに、海外グループ企業とのアライアンス推進による海外顧客のニーズへの対応力強化により事業領域を拡大してまいります。
(イ) 環境対応
空調事業で培った技術力を活かし、温室効果ガスや環境負荷物質の削減など、お客様の環境課題への解決力の強化を図ってまいります。また、当社グループの事業を通じてSDGs、ESGなどの社会的ニーズへの対応を新たなビジネス機会として追求し、環境問題に対応してまいります。
当社グループは、会社の魅力を高める人材戦略と社会的信用を高めるコーポレート・ガバナンス体制の強化を進めてまいります。「魅力ある会社づくりと強固な経営基盤の構築」の実現に向けて、以下の施策に取り組んでまいります。
(ア) 人材戦略
柔軟な働き方を可能にする制度の拡充や処遇の向上、勤務時間の低減など、会社の魅力を高める施策による人材の確保を目指してまいります。また、キャリアプラン制度の浸透により、社員の能力伸長とやる気の向上を図ってまいります。さらに、多様な人材の活用による人的資源と組織力の増強や各海外子会社の状況に合わせた社員の確保を図ってまいります。
(イ) ガバナンスの強化
取締役会の監督機能の向上、資本コストを意識した経営の実践などによりコーポレート・ガバナンス体制を強化してまいります。また、国内外における内部統制を強化してまいります。さらに、法務リスク、情報セキュリティ、コンプライアンスなどに関し、グローバルなリスク管理体制を拡充してまいります。
コーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化のため、役員・社員に対するコンプライアンス研修の実施、内部通報制度の整備・周知、原則毎月開催のコンプライアンス委員会による順守状況の検証など、具体的施策を実行し、法令順守の徹底に努めております。
当社は、2019年5月15日開催の取締役会において、2019年6月27日開催の第74回定時株主総会終結の時をもって有効期間満了となる「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」について、これを継続しないことを決議いたしました。なお、本買収防衛策の内容は以下の通りでありました。
当社は、当社株式の売買は市場に委ねられるべきものと考えており、当社株券等の大量買付行為を行う大量買付者による当社株券等の買付けの要請に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する株主の皆様のご判断によるものと考えております。また、大量買付者による経営への関与は、必ずしも企業価値を毀損するものではなく、それが当社の企業価値の拡大につながるものであれば何ら否定するものではありません。
しかしながら、大量買付行為を行う大量買付者の中には、その目的等に鑑みて、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を損なう恐れがある場合や株主の皆様に当社株式の売却を事実上強要する場合等、不適切な大量買付行為が実施される場合も存在すると考えております。
このような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に反する不適切な大量買付行為が実施される場合には、株主の皆様が大量買付者による買付け要請に応じるか否かについて判断を行うだけの必要十分な情報及び時間を確保することや当社が大量買付者との交渉の機会を確保することが必要であると考えております。
さらに、継続性を維持した企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させるという目的を達成するためには、当社グループ内の各事業会社の位置付けや役割を十分に理解しつつ、より中長期的な観点から将来の展望を見据えて安定的な経営を目指していくことが必要であります。
このように、当社といたしましては、大量買付者による当社株券等の大量買付行為が行われた場合に、株主の皆様が、当社及び当社グループの特性を踏まえた上で、当該大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要十分な情報及び時間を確保すること、また、当社が、大量買付者との交渉の機会を確保することが、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることにとって不可欠であると考えております。
当社は、企業理念を「永続的に成長し、社会に貢献する会社づくり」、「魅力ある会社づくり」の二点に定めております。この企業理念を実現するために、当社は、付加価値増大を通じたステークホルダーの繁栄、技術を通じた豊かな環境の創造と産業社会の発展、仕事を通じた社員の自己実現、相互信頼・協調・合理性のある組織風土の醸成等を目指しております。このような当社が目指すところを経営ビジョンとして換言したものが「法令とその精神を順守し、公正で自由な競争のもとに適正な取引を行い、透明性と高い倫理観で、顧客・取引先、株主、社員、地域・社会、地球環境に貢献する。」であります。
以上の企業理念・経営ビジョンに基づき、2017年3月期から2019年3月期までの3ヶ年を計画期間とした中期経営計画の下、環境システム事業及び塗装システム事業を中心とした当社事業の持続的な発展を目指すとともに、企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることに努めております。なお、最新の中期経営計画については、当社ウェブサイト(https://www.taikisha.co.jp/)に掲載されている、2019年5月15日付「中期経営計画について」をご参照ください。
また、当社は、企業価値を毀損する最大の経営リスクは法令違反であることを強く認識し、法令順守の実行を通じ、企業価値を高め、広く社会から評価されるべくコーポレート・ガバナンスを一層充実させることを、経営の最重要課題としております。取締役会、監査役会、経営会議、コンプライアンス委員会、内部監査室等の活動を通じて、また、内部統制システムの整備を通じて、建設業法や金融商品取引法をはじめとした関連諸法令の順守に努めております。
当社は、2008年1月31日開催の取締役会において、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させることを目的として、議決権割合を20%以上とする当社株券等の買付行為、又は結果として議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為(以下、かかる買付行為を「大量買付行為」といい、大量買付行為を行う者を「大量買付者」といいます。)に対する対応策(買収防衛策)の導入を決議し、2008年6月27日開催の当社第63回定時株主総会、2010年6月29日開催の当社第65回定時株主総会、2013年6月27日開催の当社第68回定時株主総会及び2016年6月29日開催の当社第71回定時株主総会において、その内容の一部変更及び継続について株主の皆様にご承認をいただいております(以下、現在の買収防衛策を「本プラン」といいます。)。
本プランは、大量買付行為が行われる場合に、株主の皆様に当該大量買付行為に応じるか否かを適切にご判断いただくための必要十分な情報及び時間を確保するために、取締役会が、大量買付者に対して、事前に大量買付情報の提供を求め、当該大量買付行為についての評価、検討、大量買付者との買付条件等に関する交渉又は株主の皆様への代替案の提示等を行うとともに、原則として、取締役会からの独立性が高い社外取締役、社外監査役及び社外有識者の中から選任される委員で構成される独立委員会の勧告に従って、大量買付行為に対する対抗措置を発動するための手続(以下、「大量買付ルール」といいます。)を定めております。
大量買付者が、大量買付ルールを順守しなかった場合、又は大量買付ルールを順守している場合であっても、当該大量買付行為が、合理的かつ詳細に定められた客観的要件に該当するような、当社に回復し難い損害をもたらすことが明らかであると認められる行為である場合には、原則として、独立委員会の勧告に従って、対抗措置の発動を決定し、これを行うものとします。
具体的な対抗措置としては、新株予約権の無償割当てその他法令及び当社定款において取締役会の権限として認められているものの中から、その時々の状況に応じて、適切なものを選択するものとします。
上記②「基本方針の実現に資する特別な取組み」に記載した取組みは、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上させるための取組みとして策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。
したがいまして、かかる取組みは、基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
当社は、上記③「基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み」に記載した取組みは、以下の各理由により、基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益を害するものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(ア) 買収防衛策に関する指針において定める三原則を完全に充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日付で公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」において定められた(ⅰ)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、(ⅱ)事前開示・株主意思の原則、(ⅲ)必要性・相当性確保の原則の三原則を完全に充足しております。
(イ) 企業価値研究会が公表した買収防衛策の在り方の趣旨を踏まえていること
本プランは、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日付で公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の趣旨も踏まえた内容となっております。
(ウ) 株主の皆様の意思の重視と情報開示
本プランの有効期間は、第71回定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会(2019年6月開催予定の第74回定時株主総会)の終結の時までとなっております。
ただし、本プランの有効期間満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議がなされた場合には、本プランはその時点で廃止されることになっており、この点においても、本プランの継続及び廃止は、株主の皆様の意思を尊重した形になっております。
さらに、対抗措置の発動の是非について、株主の皆様のご意思を確認する機会を設けるために、株主総会(以下、「株主意思確認株主総会」といいます。)を開催することができるものとし、対抗措置の発動について、株主の皆様の意思を尊重して行うことを明らかにしております。
そして、株主の皆様に、本プランの廃止等の判断、大量買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かについての判断等の意思形成を適切に行っていただくために、取締役会は、大量買付情報その他大量買付者から提供を受けた情報を株主の皆様へ取締役会が適当と認める時期及び方法により開示することとしております。
(エ) 取締役会の恣意的判断を排除するための仕組み
当社は、本プランの導入及び継続にあたり、取締役会の恣意的判断を排除するために、独立委員会を設置しております。
当社に対して大量買付行為がなされた場合には、独立委員会が、大量買付行為に対する対抗措置の発動の是非等について審議・検討した上で取締役会に対して勧告し、取締役会は、原則として、独立委員会の勧告に従って決議を行うこととされており、取締役会の恣意的判断に基づく対抗措置の発動を可及的に排除することができる仕組みが確保されております。
さらに、本プランは、大量買付者が、本プランにおいて定められた形式的な大量買付ルールを順守しない場合又は大量買付者が、当社の企業価値を著しく損なう場合として合理的かつ詳細に定められた客観的要件を充足した場合にのみ発動することとされており、また、一定の場合には、株主意思確認株主総会を開催することができ、株主の皆様の過半数の賛成を得られた場合にのみ、対抗措置が発動されることとされており、この点においても、取締役会による恣意的な対抗措置の発動を可及的に排除する仕組みが確保されているものといえます。
(オ) デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、取締役会により廃止することができるものとされていることから、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は取締役の任期について期差任期制を採用していないため、本プランは、スローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
当社グループとして、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、以下の事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
世界的な経済情勢の変化等の影響を受けて、顧客の投資計画に中止・延期や内容の見直しなどが発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。
海外各地において展開している事業については、予期しない法規制の改正、政情不安等が、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、外貨建工事契約に係る請負代金の入金及び発注代金の支払いについては、先物為替予約等のヘッジを実施するなど可能な限り為替リスクを回避しておりますが、なお為替変動による損失発生の可能性があります。さらに、連結財務諸表作成にあたっては在外連結子会社の財務諸表を換算するため、為替相場により業績に影響を及ぼす可能性があります。
請負工事については、顧客との間の工事請負契約に基づき、竣工後一定期間、瑕疵担保責任を負っております。この瑕疵担保責任に伴って発生する費用について、過去の実績に基づき完成工事補償引当金を計上しておりますが、当該費用が引当金残高を上回って発生する可能性があります。
新規受注先に対しては信用調査により受注可否の判断を行い、既存受注先に対しては与信状況の定期的な見直しを行っておりますが、受注先の倒産等のため工事代金の回収が不能になることにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。
工事請負事業は受注競争が厳しい環境下にあり、同業他社との価格競争に陥る可能性があります。その結果、採算性が悪化し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
建設資材等の調達価格が高騰し、これを受注金額に反映させることが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
保有する不動産、有価証券等の時価の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
年金資産の時価の下落や運用利回りの悪化、割引率等数理計算上で設定される前提に変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
予期しない自然災害、あるいは事故等により損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、危機管理体制の整備に努めておりますが、大規模・広域な自然災害の発生にあっては、当社グループの直接的な物的・人的被害のみならず、顧客の事業活動、ひいては経済情勢にまで影響が及び、その影響が長期化することによって、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおきましては、全社一丸となって法令を順守する経営の徹底に努めております。それにもかかわらず、なお当社グループの役員又は従業員が法令に違反する行為を行った場合には、当社グループの事業活動が制限され、業績に影響を与える可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、これらの会計基準に基づき、決算日における資産・負債及び収益・費用の数値に影響を与える見積りが行なわれているものがあります。
貸倒引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金等の引当金や繰延税金資産・負債、及び工事進行基準による完成工事高等に関わる見積りは、過去の実績や個々の状況等に基づき継続的に評価、判断しております。
なお、これらの見積りにつきましては、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費や設備投資の底堅さなどを背景に緩やかな拡大基調が続きました。一方、欧州では個人消費は底堅く推移しましたが、輸出の伸び悩みなどにより減速傾向となりました。また、アジアにおいて中国では米中貿易摩擦の影響による輸出や個人消費の減少により減速傾向となるなど、全体として景気の回復が弱まってきております。日本では、輸出において国外の経済減速による影響が見られるものの、雇用や所得環境の改善を背景に個人消費は緩やかに増加するとともに、底堅い設備投資などにより、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループにおける市場環境につきましては、国内市場は電子部品メーカーなどによる投資が好調に推移し、首都圏におけるオフィスビルの建設需要も高い状況が続きました。一方、海外市場は米中貿易摩擦などの影響による不透明感が続いております。
このような状況のもと、当社グループは中長期的な成長を目指し、以下の取り組みを推進してまいりました。
まず、国内事業におきましては、電子部品業界や首都圏のオフィスビルへの投資拡大を受け、生産性の向上、事業部間の柔軟な人員配置、中途採用の拡大などにより施工対応力を確保することで、豊富な需要を取り込みました。さらに、生産性の向上を目指し、IT化の推進による現場業務の効率化・簡素化や、現場支援室の設立により、熟練技術者のノウハウ共有と現場の業務負荷低減を進めました。
また、コア事業を基軸とした事業領域の拡大に向けた取り組みとして、航空機や鉄道車両等、自動車以外の塗装設備事業における研究開発を加速させるべく、神奈川県座間市にテクニカルセンターを設立しました。
海外事業におきましては、グループ会社との連携により、欧州系自動車メーカーからの受注が拡大しました。
これらの結果、当連結会計年度の受注工事高は、国内、海外ともに増加し、2,418億89百万円(前期比10.0%増加)となり、うち海外の受注工事高は、1,120億13百万円(前期比10.3%増加)となりました。
完成工事高は、国内は増加したものの海外で減少し、2,254億2百万円(前期比2.8%減少)となり、うち海外の完成工事高は、1,061億36百万円(前期比8.6%減少)となりました。
利益面につきましては、環境システム事業が好調に推移し、完成工事総利益は362億54百万円(前期比34億75百万円増加)、営業利益は140億35百万円(前期比18億55百万円増加)、経常利益は150億85百万円(前期比20億3百万円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は88億41百万円(前期比15億87百万円増加)となり、すべて前期を上回りました。
セグメントごとの業績(セグメント間の内部取引高を含む)は次のとおりであります。
環境システム事業
受注工事高は、国内においてビル空調分野での首都圏の旺盛な建設需要や産業空調分野での電子部品メーカーによる積極的な設備投資を取り込んだことにより増加し、前期を上回りました。完成工事高は、国内の産業空調分野およびタイなどで増加し、前期を上回りました。
この結果、受注工事高は、1,585億88百万円(前期比7.5%増加)となりました。このうちビル空調分野は、467億31百万円(前期比7.2%増加)、産業空調分野は、1,118億56百万円(前期比7.7%増加)となりました。完成工事高は、1,491億64百万円(前期比6.6%増加)となりました。このうちビル空調分野は、461億58百万円(前期比0.7%増加)、産業空調分野は、1,030億5百万円(前期比9.5%増加)となりました。セグメント利益(経常利益)につきましては135億67百万円(前期比16億82百万円増加)となりました。
塗装システム事業
受注工事高は、北米などで減少したものの、欧州において大型案件の受注があったことにより、前期を上回りました。完成工事高は、欧州、中国などで増加したものの、北米では前期に大型案件2件が大きく寄与したことの反動減となり、前期を下回りました。
この結果、受注工事高は、833億円(前期比15.2%増加)となり、完成工事高は、762億45百万円(前期比17.2%減少)となりました。セグメント利益(経常利益)につきましては16億76百万円(前期比5億16百万円増加)となりました。
セグメントごとの受注工事高・完成工事高(セグメント間の内部取引高を含む)
(注) 各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事業では生産実績を定義することが困難であり、設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。
よって、受注及び売上の状況については「セグメントごとの業績」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しております。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況
① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
3 当期受注工事高のうち海外工事の割合は、前事業年度は9.8%、当事業年度は8.1%であります。
4 前事業年度及び当事業年度における海外受注工事高はそれぞれ当期受注工事高の10%を超えていないため、主要な海外受注工事についての記載を省略しております。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
(注) 1 海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額25億円以上の主なもの
当事業年度 請負金額25億円以上の主なもの
3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
該当する相手先はありません。
④ 手持工事高 (2019年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち請負金額40億円以上の主なものは、次のとおりであります。
当連結会計年度末の流動資産は前期末に比べ6.3%増加し、1,689億68百万円となりました。これは現金預金が49億60百万円、受取手形・完成工事未収入金等が27億58百万円、有価証券が10億円それぞれ増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定資産は前期末に比べ4.0%減少し、541億11百万円となりました。これは機械、運搬具及び工具器具備品が19億16百万円増加し、のれんが14億30百万円、有形固定資産のその他のうち建設仮勘定が13億77百万円、投資有価証券が13億46百万円それぞれ減少したことなどによります。
この結果、当連結会計年度末の資産合計は前期末に比べ3.6%増加し、2,230億80百万円となりました。
セグメントごとの資産は次のとおりであります。
(環境システム事業)
当連結会計年度末の流動資産は前期末に比べ4.6%減少し、760億74百万円となりました。これは受取手形・完成工事未収入金等が19億29百万円、現金預金が17億42百万円それぞれ減少したことなどによります。
当連結会計年度末の固定資産は前期末に比べ3.0%増加し、249億62百万円となりました。これは投資有価証券が6億31百万円増加したことなどによります。
その結果、当連結会計年度末の資産合計は前期末に比べ2.8%減少し、1,010億36百万円となりました。
(塗装システム事業)
当連結会計年度末の流動資産は前期末に比べ13.7%増加し、581億79百万円となりました。これは受取手形・完成工事未収入金等が55億68百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定資産は前期末に比べ9.3%減少し、178億30百万円となりました。これは投資有価証券が19億21百万円減少したことなどによります。
その結果、当連結会計年度末の資産合計は前期末に比べ7.3%増加し、760億9百万円となりました。
当連結会計年度末の流動負債は前期末に比べ5.4%増加し、987億91百万円となりました。これは短期借入金が41億62百万円、未成工事受入金が29億8百万円それぞれ増加し、支払手形・工事未払金等が47億55百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末の固定負債は前期末に比べ3.3%減少し、106億38百万円となりました。これは長期借入金が14億70百万円増加し、繰延税金負債が15億66百万円減少したことなどによります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は前期末に比べ4.5%増加し、1,094億30百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は前期末に比べ2.7%増加し、1,136億49百万円となりました。これは利益剰余金が62億86百万円増加し、その他有価証券評価差額金が14億円、為替換算調整勘定が9億77百万円それぞれ減少したことなどによります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ75億68百万円増加し、498億61百万円(前期末は422億92百万円)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払や売上債権の増加などにより減少したものの、税金等調整前当期純利益の計上や未成工事受入金の増加などにより、91億59百万円の資金増加(前期は93億37百万円の資金増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入が定期預金の預入による支出を上回ったことなどにより増加したものの、有形及び無形固定資産の取得による支出が有形及び無形固定資産の売却による収入を上回ったことなどにより、28億30百万円の資金減少(前期は13億90百万円の資金増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いなどにより減少したものの、短期借入金の純増や長期借入れによる収入が長期借入金の返済による支出を上回ったことなどにより、23億96百万円の資金増加(前期は8億85百万円の資金減少)となりました。
設備工事等のための材料費、労務費、外注費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに業務改革、技術開発、情報化投資、海外拠点の拡充など当社グループの市場競争力強化のための投資等に資金を充当しております。
主として営業活動により稼得した資金のほか、金融機関からの借入により、必要資金を調達しております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、主要取引銀行と貸出コミットメント契約を締結しております。
連結財務諸表を作成するにあたり、在外連結子会社の財務諸表を換算しているため、為替相場の変動により、総資産、キャッシュ・フロー、完成工事高及び経常利益に影響を受けております。主に米ドル、タイバーツ、ユーロ及びインドルピーの為替の変動が大きく影響しております。
主な在外連結子会社における完成工事高及び経常利益に与える為替変動による影響
(注) *1 子会社4社を含んだ連結数値
*2 子会社6社を含んだ連結数値
*3 子会社1社を含んだ連結数値
*4 第73期は子会社7社及び持分法適用会社1社、第74期は子会社6社及び持分法適用会社1社を含んだ連結数値
*5 換算レートは当該連結会計年度における期中平均レート
特記事項はありません。
当連結会計年度における研究開発費は
当社は、技術開発センター(神奈川県)、テクニカルセンター(神奈川県)、植物工場実証開発センター(東京都)の3研究開発組織において、空調設備及び塗装設備の各分野における技術開発を前期に引き続き精力的に実施し、多くの成果を得ました。また、Geico S.p.A.(イタリア・ミラノ県・チニゼッロ・バルサモ)は、パルディスイノベーションセンターにおいて、塗装設備の分野における技術開発と改良を精力的に実施し、多くの成果を得ました。
セグメントごとの研究開発は以下のとおりであります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
当社では、LED照明を用いた完全人工光型・水耕栽培植物工場における結球レタスの安定量産化や、空調技術の最適化などによる栽培コストの低減に成功し、「ベジファクトリー」として国内外において販売しております。
当連結会計年度は、緑化工程から育苗工程への移行に自動移植機を導入しました。また、収穫工程の搬送を機械化するなど植物工場の自動化に取り組んでまいりました。その結果、効率的な栽培システムの設計が可能となり、栽培コストの低減に成功しました。
今後は、空調設備の最適化やさらなる栽培装置の自動化に関する開発を進め、より一層の栽培コスト低減を進めてまいります。
当社では、冷凍機の冷媒で空気を直接に冷却する直膨空調システムの開発を進め、主に環境試験室用途に導入してまいりました。
当連結会計年度は、環境試験室向けに低温度かつ高湿度の条件を連続的に維持する直膨システムである低温加湿条件制御システムを開発しました。従来の方式では、低温を維持する際に冷却コイルに霜が付き、連続運転を阻害する要因となります。そのため、湿度と温度の条件が異なる空気の混合方式を採用し、低温度かつ高湿度の条件下での連続運転を可能にしました。
直膨空調システムは、自動車、建材、設備機器など多種多様な環境試験室への展開が期待できることから、今後はさらなる販売拡大を図ってまいります。
当社では、VOC(揮発性有機化合物)の廃棄処理装置の主力商品としてRTOを販売しております。RTOは燃焼排熱を蓄熱材に蓄熱し、これを処理ガスの予熱に再利用し、燃料消費量の低減を図る省エネルギー性の高い装置です。
当連結会計年度は燃焼室内における温度ムラの低減策に加え、バーナーによる昇温制御の精度向上などを図り、高い処理効率を維持したまま、燃焼室の制御温度を下げる改良開発を行いました。制御温度を下げることで、表面放熱やバーナー用燃焼空気加熱による熱ロスが減り、省エネルギー性の向上に成功いたしました。
今後は、これまで以上に制御温度を下げられる新たな開発を進め、RTOの受注拡大を図ってまいります。
空調騒音の発生源には送風機、ダンパ、吹出口などがあり、伝搬経路には主要なダクト流路のほか、ダクト壁から天井裏を介して天井板を透過し部屋に至る経路などがあります。このように空調騒音の発生源と伝搬経路は多様かつ複雑であり、騒音対策の検討には専門的な知識と多くの労力が必要となります。
当社では、このような課題の解決のため、新たに独自の消音計算ソフトを開発しました。このソフトは全ての騒音源に対し全ての伝搬経路を自動探索し、音源から部屋に至る伝搬経路を騒音予測値とともにグラフィカルに表示するものであります。このソフトにより、騒音対策の検討の合理化、騒音対策の最適化などの効果が期待されます。
今後は、国内連結子会社である日本ノイズコントロール㈱への導入を進めてまいります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
当社の主力設備の一つである塗装ブースには、現在、湿式スクラバー方式とプレコート材を使用したドライ方式があります。近年は、大幅な省エネルギー効果が得られるプレコート式ドライ塗装ブースのニーズが益々高まってきております。当社ではこのニーズに応えるため、以前よりドライサーキュラーの開発・商品化を行っております。
当連結会計年度において、更なる商品の品質向上のため各種改良を重ねてきた結果、大幅な改良を加えたドライサーキュラーMarkⅢを開発することに成功しました。このMarkⅢでは、システム構成の基本要素となる設備モジュール自体の構造を大幅に変更する事により機器点数の削減も含めたシステムのシンプル化と、更なるメンテナンス性の向上を実現しています。
現在、お客様からの複数の受注が決定しており、システムの導入に向けた対応を進めているところです。今後、さらにお客様に満足して頂ける商品開発、改良を継続し、より一層の受注拡大を図ってまいります。
近年、IoT・AIの著しい発展を背景に、自動車塗装ラインにおいては従来の工場全体の稼働状況の監視に加え、生産ラインの停止を未然に防ぐための設備故障予測システムと品質不良を検知し、不具合原因の特定とフィードバック情報を発信する事ができる自動解析システムに対するニーズが急速に高まってきております。当社ではこれらのニーズに応えるため、以前よりシステムの開発を進めており、改良と改善を重ねております。
当連結会計年度は、各種センシングデータをもとにIoT・AIを活用して稼働停止や品質不良発生時の要因解析を行うシステム「i-Navistar」の開発に成功しました。本システムの導入により、生産ライン全体を俯瞰した各種生産条件の最適化、品質の安定化を実現し、大幅な生産性向上と品質向上が可能となります。また同時に近年生産現場が抱えている熟練技術者不足に対する課題の解決にも大きく寄与することが可能となります。
今後、自動車塗装ラインに加え、航空機や鉄道車両の塗装分野への展開も視野にいれたPR活動を積極的に進め、受注拡大を図ってまいります。
Geico S.p.A.は、当連結会計年度において「J-Detectシステム」の開発に注力いたしました。「J-Detectシステム」は、ロボット制御技術と自社開発のゴミブツ検出デバイスを用いたシステムであり、自動で塗膜品質検査を行い、その結果をデータベース化し、検出した不良部位を精密に分析することを可能にします。
従来の自動車塗装ラインの検査工程では、複数の熟練技術者による目視検査と不良部位へのマーキング作業を
行っておりますが、「J-Detectシステム」を導入することにより、人の感覚に頼ることなく品質不良の検出と精
密分析を行う事が可能となり、検査結果の信頼性も大幅に向上します。特に強みを有するポイントは、独自の検
出デバイスと検出用光源を使用することにより、外部の光の影響を受けにくい特殊な環境を必要とせず、一般的
な環境の下で検査できることにあります。
「J-Detectシステム」は、来期中に1号機を実ラインへ導入する予定です。今後もさらにお客様のさまざまなニーズに応えられる新商品の開発に注力し受注拡大を図ってまいります。