第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。

以下、「第2.事業の状況」における各事項の記載については、消費税抜きの金額で表示している。

 

(1)経営の基本方針

 当社グループは、「鉄道専門技術の特性を活かした総合電気工事会社として、安全を第一に、品質の向上と技術の研鑽に努め、変革に挑み続ける。そして、卓越した技術と誠実な施工により、お客様から信頼され、お客様とともに成長し、広く社会基盤の構築に貢献する。」という経営理念を掲げ、お客様の期待と信頼に応え、社会に貢献していく。また、以下の3つの基本方針を掲げ、時代の変遷に対応するため、「変革と挑戦」への意識改革の取組みをより一層強化するとともに、会社の変革を目指して社員一人ひとりが仕事の仕組みを変え、会社を変革し続けることにより企業価値の向上を図っていく。

 

(安全)

 安全は経営の根幹である。労働災害及び重大事故ゼロを目指して、役員、社員一人ひとりが自らの職責を全うして安全を築き上げる。

 

(意識改革で会社の発展)

 役員、社員一人ひとりが、常にチャレンジ精神で自ら考え行動することにより、競争力と収益力に優れた企業として、持続的に成長し企業価値の向上を目指す。

 

(社員の働きがい)

 役員、社員一人ひとりが、仕事に誇りを持って自らの成長に努め、社会への貢献を通じて、仕事と生活の調和のとれた働きがいのある職場を実現する。

 

(2)中長期的な経営環境と対処すべき課題

当社グループが受注している工事は、公共性が高い社会インフラ整備事業が主体であることから、設備の維持・メンテナンス、利便性の向上に資する設備投資等、中長期的に一定の需要は見込まれる。2021年3月期以降についても、鉄道・道路・屋内外・送電線各部門の主要顧客を中心として、当初は受注が堅調に推移するものと想定していた。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大が人・モノの動きを遮断したことにより、国内外のあらゆる経済活動を停滞させ、景気を大幅に下押しする状況に急変した。今後も感染症の第2波、第3波の発生が懸念され、経済全体が以前の水準に戻るには、インバウンド需要等も含め相応の期間が掛かるものと想定されている。

当社グループが受注する工事についても、お客様のご発注、材料をはじめとした工事資機材の調達、安全や施工体制の維持・確保等、あらゆる面で不確実性が増す状況に変化したため、現時点において定量的な見通しを算定することが困難な状況となった。従って、2021年3月期の業績予想については、算定が可能となった時点で速やかに公表する。新型コロナウイルス感染症については、今後もあらゆる動向を注視し、事業への影響を最小限に抑えるべく、必要な対応を講じていく。

また、建設業界においては、従来から慢性的な労働力不足と働き方改革による生産性向上といった課題を抱えており、施工力の確保と収益力強化への取組が急務となっている。

このような状況下であるが「工事を通じてインフラを支え、社会に貢献する」という当社グループの使命は不変である。中期経営計画“Challenging RIETEC 2021”に掲げる以下の戦略課題を力強く推進し、持続的な成長を目指していく。

 

① 組織を上げて安全を追求し続ける“NR安全の樹”

経営の根幹である「安全」は、安全品質No1企業を目指し、当社の安全ポリシー「NR安全の樹」を企業文化として、そのこころをグループ一人ひとりがアイデンティティとなるまでに高めること、そして、安全を支える活力ある職場作りを通じ、私たちの仕事が社会を支えているという高い志「NR品質・NRプライド」を持つ人材の育成に取り組み、お客様から更なる信頼をいただけるよう努める。

 

 

② 社会に必要とされ持続的成長企業を目指す“NRガバナンス”

企業の持続的成長と長期的な企業価値向上に資するためESG経営、特にガバナンスの強化「NRガバナンス」に取り組む。また、企業活動を通じCO2削減等環境問題への取り組みや地域社会への貢献に努める。更に、グループ会社・協力会社強化等施工体制の強化、ロボット及びAI技術活用による省力化、組織改革等社内の効率化に取り組み、収益力の向上を目指す。

 

③ 日本の社会インフラを支える人材育成“人間企業NR”

当社グループの企業力の源泉は、社員一人ひとりの技術力の集積であり、継続的に成長していくためには、社員一人ひとりが成長し続けていかなければならない。人を育て、人を大切にする「人間企業NR」として、引き続き働き方改革を進めるとともに、新研修センターを中心とした教育・研修体制の充実を図り、規律ある優秀な技術者の育成に努める。優秀な人材を確保するため、採用の強化、ダイバーシティへの取り組み、社員の待遇改善等、新しいステージに立った当社グループの社員であることに誇りを持てる仕組みを構築して、将来を見据えた人材育成に取り組む。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがある。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 市場の動向及び競合

 当社グループの事業は、主として建設業に属しているため、公共投資及び民間の設備投資等の動向により市場が著しく縮小する可能性があり、この場合受注額が減少し業績等に影響を及ぼす可能性がある。特に、当連結会計年度に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的拡大が国内外のあらゆる経済活動を停滞させている。経済活動への影響が長期化及び深刻化した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 また、競合する他社との受注競争の激化等により、低採算化、収益力の低下等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(2) 法令違反

 当社グループは、法令遵守及び企業倫理を確立し、その意識を社内に徹底させるため、コンプライアンス担当役員及びコンプライアンス委員会を設置して企業倫理の強化を図っているが、法令・諸規則に違反する行為又は疑義を持たれる行為が万一発生した場合は、受注状況及び業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3) 工事における事故の発生

 当社グループは、工事の安全を全てに優先し各種工事の施工を行っているが、施工過程において事故や労働災害を発生させた場合、顧客からの信用を失墜させる恐れがあり、受注環境に多大な影響を与えることから、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(4) 工事における品質不良の発生

 当社グループは、品質管理には万全を期しているが、万一、重大な契約不適合が発生し、その修復に多大な費用負担が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(5) 東日本旅客鉄道株式会社との関係について

 当社と東日本旅客鉄道㈱との間の主な関係等については、下記「① 資本関係について」から「④ 東日本旅客鉄道グループとの取引関係について」に記載のとおりであるが、当社の重要事項決定等に際して東日本旅客鉄道㈱への報告や決裁を必要とするといった事業活動上の制約等は受けていない。また、鉄道電気設備工事の施工についても、特別な取引条件等はなく、一般的な取引内容の範囲を逸脱するものではないことから、当社の独立性は十分に確保されていると判断している。

 これらの東日本旅客鉄道㈱との関係について、何らかの理由により関係が現実に悪化した場合又は悪化したと受け取られた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

① 資本関係について

 東日本旅客鉄道㈱は、当連結会計年度末現在において当社発行済株式総数の持株比率16.9%を所有する「その他の関係会社」で筆頭株主である。また、当社は東日本旅客鉄道㈱の持分法適用会社となっている。なお、当社と同様に鉄道電気設備工事を施工する東日本旅客鉄道㈱の持分法適用会社が存在するが、当該持分法適用会社及び当社それぞれが独自で受注活動を行っている。

 

② 取引関係について

 当社は、東日本旅客鉄道㈱の鉄道事業分野において、列車の安全・安定輸送を支えるための電気設備を施工するパートナー会社として位置付けられており、事業上の協力関係にある。東日本旅客鉄道㈱との取引は関連当事者との取引に該当するが、当該取引の内容、合理性、取引条件の妥当性等について検証を行い、取引の健全性及び適正性を確保する体制としている。東日本旅客鉄道㈱に対する売上高は、当社グループの売上高構成で過半を占めていることから、同社の設備投資等の計画が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

 

③ 人的交流について

 当社グループの売上高構成で鉄道電気設備工事は大きな割合を占めていることから、鉄道に関する安全や技術をはじめとした幅広い知識や経験は、当社グループの事業戦略上、必須となるものである。従って、当社と東日本旅客鉄道㈱の間において、マネジメント強化、人材育成、業務習得等の観点から人事交流が行われており、出向社員の派遣及び受入れを行っている。また、専門的・客観的な視野による助言を得ることで、これら事業戦略をより一層強固なものとすべく、東日本旅客鉄道㈱より社外取締役1名を招聘している。

 

④ 東日本旅客鉄道グループとの取引関係について

 当社グループは、鉄道軌道上の工事用車両をリースするJR東日本レンタリース㈱等、東日本旅客鉄道グループ内の各社と取引を行っている。これら東日本旅客鉄道グループ内各社との取引は関連当事者との取引に該当するが、当該取引の内容、合理性、取引条件の妥当性等について検証を行い、取引の健全性及び適正性を確保する体制としている。

 

(6) 人材の確保と育成

 当社グループの事業拡大にあたっては、電気工事施工管理技士や土木施工管理技士等の公的資格及び顧客固有の資格を有することが不可欠である。当社グループは社内外の研修の充実を図り人材育成に努めているが、工事施工を賄える人材確保、育成ができない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(7) 自然災害

 当社グループは、今後想定される震災等の大規模災害への備えとして、地震等災害対策要領並びに防災マニュアルを整備しているが、地震・洪水・台風等の自然災害により事業活動の一時的な停止や施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要する等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(8) 感染症の流行

 当社グループは、感染症の流行にあたり、従業員や協力会社の安全を第一に考え、衛生管理の徹底や時差通勤・在宅勤務等を推奨し、可能な限りの感染予防や拡大防止に努めているが、安全や施工体制の維持・確保ができない状況となった場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(9) 資材価格及び労務費の高騰

 当社グループは、建設業を主としているため、資材の高騰や技能労働者の不足による労務費の高騰によりコストが増加し、その増加分を請負代金に反映できない場合は、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(10) コンピュータシステム

 当社グループは、総務・人事・会計・工事管理等の基幹業務を社内システムにより処理しており、セキュリティ対策は万全を期しているが、万一、そのシステムに人的ミス・自然災害・コンピュータウイルス等により障害が発生した場合は、事業運営に支障をきたす可能性がある。また、情報の流出等が発生した場合は、当社グループのイメージの低下や損害賠償の発生等により、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

(11) 特有の法的規制等

 当社グループの売上高構成で約9割を占める電気設備工事業は、建設業法に基づく特定建設業許可を受けているが、不正な手段による許可の取得や経営業務管理責任者・専任技術者等の欠格条項違反に該当した場合は、建設業法第29条により許可の取り消しとなる。当社グループでは、当該許可の諸条件や法令等の遵守に努めており、当連結会計年度末現在において、これらの許可の取消事由に該当する事実はないと認識しているが、万一、法令違反等によって許可が取り消された場合、当社グループの業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性がある。

 

法令等

許認可等

有効期限

取消事由

建設業法

特定建設業の許可

国土交通大臣許可

(般・特-29)第997号

平成29年5月1日から

平成34年5月20日まで

(5年ごとの更新)

建設業法第29条

 

 

(12) 業績の季節的変動

 当社グループの主たる事業である電気設備工事業の売上高は、契約により工事の完成引渡しが第4四半期に集中するため、第4四半期の売上高が事業年度の売上高の4割程度となる傾向がある。また、販売費及び一般管理費等の固定費は各四半期に概ね均等に発生するため、利益についても第4四半期に偏重する傾向がある。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦をはじめとした外需低迷の影響により、輸出や生産面で弱含みがあったものの、昨年度に引き続き景気は緩やかな回復基調を維持していた。しかしながら、相次いだ自然災害の影響や消費税率の引き上げによる消費者マインドの落ち込みを回復しえない中、新型コロナウイルス感染症が世界各国に拡大し、国内経済はもとより世界経済の先行きは予断を許さない状況に急変した。

 このような状況の中、当社グループは合併から10年の節目が経過した今年度、「安全」「ガバナンス」「人材育成」を重要な戦略課題とする新たな中期経営計画「Challenging RIETEC 2021」をスタートさせ、更なるグループの成長に努めた。また、2020年3月5日には、東京証券取引所の市場第一部銘柄に指定され、社業発展に向けた大きな推進力を得ることもできた。

 当連結会計年度は過去最高水準の繰越工事高を抱えてスタートし、堅調な受注状況のもと、工事の順調な進捗、大型工事の竣工等により、業績については、受注高が581億2千8百万円(前連結会計年度は523億4千9百万円)、売上高が615億8千8百万円(前連結会計年度は575億2千4百万円)となった。

 利益については、営業利益が45億2千9百万円(前連結会計年度は41億7千1百万円)、経常利益が51億5千万円(前連結会計年度は48億3千5百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が36億3千4百万円(前連結会計年度は33億4千9百万円)となった。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりである。

 

( 電気設備工事業 )

電気設備工事業については、受注工事高は581億2千8百万円(前連結会計年度は523億4千9百万円)、完成工事高は577億6千7百万円(前連結会計年度は539億3千3百万円)、営業利益は70億1千4百万円(前連結会計年度は63億9千6百万円)となった。

〔鉄道電気設備部門〕

鉄道電気設備工事については、東日本旅客鉄道株式会社の安全・安定輸送に伴う設備更新工事、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の新幹線建設工事等により、受注工事高は392億6千5百万円(前連結会計年度は345億2千2百万円)、完成工事高は343億1千7百万円(前連結会計年度は324億6千6百万円)となった。

〔道路設備部門〕

道路設備工事については、高速道路会社各社の標識工事、電気通信工事、警視庁及び各警察本部の交通信号機工事等により、受注工事高は100億8千5百万円(前連結会計年度は89億2千9百万円)、完成工事高は101億9千万円(前連結会計年度は96億3千9百万円)となった。

〔屋内外電気設備部門〕

屋内外電気設備工事については、官公庁・民間事業者の電気設備工事、太陽光発電設備工事等により、受注工事高は31億9千4百万円(前連結会計年度は47億2千2百万円)、完成工事高は80億3百万円(前連結会計年度は56億8百万円)となった。

〔送電線部門〕

送電線工事については、電力会社各社の架空送電線路工事、通信事業会社各社の情報通信工事等により、受注工事高は55億8千2百万円(前連結会計年度は41億7千5百万円)、完成工事高は52億5千6百万円(前連結会計年度は62億1千9百万円)となった。

 

 

( 兼 業 事 業 )

兼業事業については、主に鉄道及び道路標識、電設資材、交通安全用品の販売等により、売上高は34億3百万円(前連結会計年度は31億5千8百万円)、営業利益は3億円(前連結会計年度は3億1千万円)となった。

 

( 不動産賃貸事業 )

不動産賃貸事業については、主にオフィスビルの賃貸等により、売上高は4億1千7百万円(前連結会計年度は4億3千2百万円)、営業利益は2億8百万円(前連結会計年度は2億1千万円)となった。

 

② 財政状態の状況

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、450億3千7百万円(前連結会計年度末は430億8百万円)となり、20億2千9百万円増加した。主な要因は、現金預金の減少(82億7千4百万円から72億2千9百万円へ10億4千5百万円の減)、受取手形・完成工事未収入金等の増加(325億8千9百万円から362億7千1百万円へ36億8千2百万円の増)、その他(前渡金等)の減少(9億8千6百万円から3億3千5百万円へ6億5千1百万円の減)である。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、346億7千4百万円(前連結会計年度末は338億7千2百万円)となり、8億2百万円増加した。主な要因は、建物・構築物の増加(139億8千7百万円から145億6千万円へ5億7千2百万円の増)、土地の増加(75億9千2百万円から79億8千9百万円へ3億9千6百万円の増)、建設仮勘定の増加(1億6千1百万円から2億6千7百万円へ1億5百万円の増)、投資有価証券の減少(149億2千6百万円から147億1千4百万円へ2億1千2百万円の減)である。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、211億5千2百万円(前連結会計年度末は208億7千万円)となり、2億8千1百万円増加した。主な要因は、支払手形・工事未払金等の増加(102億8千7百万円から113億2千9百万円へ10億4千2百万円の増)、短期借入金の増加(0円から10億5千万円へ10億5千万円の増)、未成工事受入金の減少(20億1千万円から3億1千万円へ16億9千9百万円の減)、工事損失引当金の減少(1億1千3百万円から0円へ1億1千3百万円の減) である。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、66億7千3百万円(前連結会計年度末は67億4千4百万円)となり、7千万円減少した。主な要因は、退職給付に係る負債の減少(54億1百万円から53億4百万円へ9千6百万円の減)である。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、518億8千6百万円(前連結会計年度末は492億6千6百万円)となり、26億2千万円増加した。主な要因は、利益剰余金の増加(424億1千1百万円から454億9千3百万円へ30億8千1百万円の増)、その他有価証券評価差額金の減少(26億3千9百万円から20億6千9百万円 へ5億7千万円の減)である。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、営業活動及び財務活動による資金の流入、投資活動による資金の流出により前連結会計年度末より10億4千5百万円減少し、72 億1千6百万円となった。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローの流入額は、4億6千9百万円(前連結会計年度は46億3千8百万円の流入)となった。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上による資金の流入、売上債権の増加、未成工事受入金の減少及び法人税等の支払による資金の流出によるものである。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローの流出額は、17億2千1百万円(前連結会計年度は23億8千5百万円の流出)となった。これは主に、有形固定資産の売却による資金の流入、有形固定資産及び無形固定資産の取得による資金の流出によるものである。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローの流入額は、2億5百万円(前連結会計年度は7億1千3百万円の流出)となった。これは主に、短期借入金の増加による資金の流入、ファイナンス・リース債務の返済及び配当金の支払による資金の流出によるものである。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

 a.受注実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度(千円)

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度(千円)

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

電気設備工事業

52,349,527

58,128,104(11.0%)

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

b. 売上実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度(千円)

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度(千円)

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

電気設備工事業

53,933,695

57,767,655(7.1%)

兼業事業

3,158,183

3,403,233(7.8%)

不動産賃貸事業

432,719

417,617(△3.5%)

合計

57,524,598

61,588,507(7.1%)

 

(注) 1 上記の金額に消費税等は含まれていない。

2 当連結グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。

3 セグメント間取引については、相殺消去している。

4 売上実績に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりである。

第10期

東日本旅客鉄道㈱

30,727,322千円

53.4%

第11期

東日本旅客鉄道㈱

31,493,470千円

51.1%

 

 

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

電気設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況

 

① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 

期別

区分

前期繰越
工事高
(千円)

当期受注
工事高
(千円)


(千円)

当期完成
工事高
(千円)

次期繰越
工事高
(千円)

第10期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

鉄道電気設備

26,134,088

34,252,282

60,386,370

32,197,720

28,188,650

道路設備

2,622,282

4,935,407

7,557,690

5,986,986

1,570,704

屋内外電気設備

7,886,563

4,718,799

12,605,363

5,598,599

7,006,763

送電線

5,481,372

4,140,937

9,622,309

6,189,360

3,432,949

合計

42,124,306

48,047,427

90,171,733

49,972,666

40,199,067

第11期

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

鉄道電気設備

28,188,650

38,951,195

67,139,846

33,997,021

33,142,824

道路設備

1,570,704

6,637,300

8,208,005

6,838,765

1,369,239

屋内外電気設備

7,006,763

3,173,913

10,180,676

7,974,553

2,206,122

送電線

3,432,949

5,543,242

8,976,192

5,216,961

3,759,230

合計

40,199,067

54,305,652

94,504,719

54,027,303

40,477,416

 

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別される。

 

区分

第10期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

第11期

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

特命(%)

競争(%)

計(%)

特命(%)

競争(%)

計(%)

鉄道電気設備

89.7

10.3

100

87.1

12.9

100

道路設備

36.0

64.0

100

22.5

77.5

100

屋内外電気設備

12.7

87.3

100

12.4

87.6

100

送電線

45.0

55.0

100

22.4

77.6

100

 

(注) 百分比は請負金額比である。

 

 

③ 完成工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第10期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

鉄道電気設備

88,974

32,108,746

32,197,720

道路設備

2,115,815

3,871,171

5,986,986

屋内外電気設備

649,881

4,948,718

5,598,599

送電線

6,189,360

6,189,360

2,854,670

47,117,995

49,972,666

第11期

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

鉄道電気設備

639,069

33,357,952

33,997,021

道路設備

2,488,415

4,350,350

6,838,765

屋内外電気設備

859,880

7,114,673

7,974,553

送電線

5,216,961

5,216,961

3,987,365

50,039,938

54,027,303

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 2 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

第10期の完成工事のうち主なもの

 

 

注文者

工事件名

東日本旅客鉄道㈱

東海道線戸塚・大船構内間電車線路修繕

東京地下鉄㈱

西早稲田駅ほか2駅駅補助電源装置設置工事

首都高速道路㈱

標識補修30-1(単契1-1)

日本銀行

日本銀行高松支店営業所空調設備等改修電気設備工事

東京電力パワーグリッド㈱

香取線№26~№35鉄塔建替工事他1件ならびに関連除却工事

 

 

第11期の完成工事のうち主なもの

 

 

注文者

工事件名

東日本旅客鉄道㈱

渋谷駅改良第1回切換通信設備改良他

東日本旅客鉄道㈱

千葉駅改良通信設備新設他

合同会社SS紋別1

紋別市弘道太陽光発電所建設工事

首都高速道路㈱

(高負)高速横浜環状北線他標識柱設置工事

東京電力パワーグリッド㈱

新京葉線№55他建替工事ならびに関連除却工事他1件

 

(注) 3 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

第10期

東日本旅客鉄道㈱

30,651,852千円

61.3%

第11期

東日本旅客鉄道㈱

31,399,190千円

58.1%

 

 

 

④ 次期繰越工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第11期

(2020年3月31日

鉄道電気設備

5,328,224

27,814,600

33,142,824

道路設備

204,078

1,165,160

1,369,239

屋内外電気設備

712,834

1,493,288

2,206,122

送電線

3,759,230

3,759,230

6,245,136

34,232,279

40,477,416

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 2 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりである。

 

 

注文者

工事件名

完成予定

東日本旅客鉄道㈱

尾久駅(構内)連動取替信号設備改良他

2022年4月

(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北陸新幹線、420k7・438k3間電車線路設備

2023年1月

首都高速道路㈱

(修)上部工補強工事3-212

2022年2月

東京都

都庁第二本庁舎(25)電気設備改修工事

2020年9月

東京電力パワーグリッド㈱

飛騨信濃直流幹線新設工事(6工区)

2021年6月

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる見積りの部分があり、見積り特有の不確実性により、実際の結果が異なる場合があるため、連結財務諸表に影響を及ぼすものと考えられる。

特に以下の項目については、重要な会計上の見積りと判断している。

 

 工事進行基準の適用における工事原価総額の見積り

工事進行基準は、進捗部分について成果の確実性が認められる工事契約について適用されるが、適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び連結会計年度末における工事進捗度を合理的に見積る必要がある。

なお、工事原価総額の見積りの基礎となる実行予算の作成にあたって、工事の完工に必要となるすべての作業内容が特定され、その見積原価が実行予算に含まれていることや工事着手後の状況の変化による作業内容の変更が、適時・適切に実行予算に反映されていることを主要な仮定として織り込んでいる。こうした見積りには高い不確実性を伴い、これらの経営者の判断が工事進行基準の適用における工事原価総額の見積りに重要な影響を及ぼすと予想される。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

当連結会計年度は新たな中期経営計画「Challenging RIETEC 2021」をスタートさせ、引き続き経営の合理化・効率化を推進し、経営資源を最大限に生かして、より一層の収益力向上を推し進めてきた。また、当社グループにおいて最も繁忙となる当第4四半期連結会計期間(2020年1月から3月)には、新型コロナウイルスの感染拡大時期と重なったものの、当社グループは公共性の高い社会インフラ整備事業が主体であるため、工事の進捗・完成に特段の影響はなかった。

その結果、売上高については前連結会計年度からの繰越工事が順調に進捗・完成するとともに、各部門とも主要顧客を中心に受注が堅調に推移したことから、過去最高の売上高となった。営業利益については人件費や減価償却費の増加があったものの、売上高の伸長に加え、工事原価の低減による採算性向上等の収益向上に努めた結果、対前年比3億5千7百万円の増加となった。

なお、部門別の経営成績に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりである。

 

(鉄道電気設備部門)

受注工事高は、北陸新幹線の敦賀延伸工事をはじめ、主な顧客である東日本旅客鉄道㈱の信号設備改良工事(首都圏地区)や中央線グリーン車導入に伴う関連工事等の大型工事を受注した結果、392億6千5百万円(前連結会計年度は345億2千2百万円)となった。

完成工事高は、前連結会計年度からの九州新幹線の長崎延伸工事の他、首都圏及び東北地区の各大型工事が順調に進捗・竣工した結果、343億1千7百万円(前連結会計年度は324億6千6百万円)となった。

 

(道路設備部門)

受注工事高は、高速道路会社の標識補修や補強工事の他、警視庁及び各警察本部の交通信号機工事等受注が堅調に推移した結果、100億8千5百万円(前連結会計年度は89億2千9百万円)となった。

完成工事高は、前連結会計年度からの首都高速横浜環状北西線標識新設工事の他、全国の交通信号機工事が順調に進捗・竣工した結果、101億9千万円(前連結会計年度は96億3千9百万円)となった。

(屋内外電気設備部門)

受注工事高は、官公庁や商業施設等からの受注獲得に尽力し、概ね堅調に推移したものの、当連結会計年度に受注予定であった大型工事の発注遅れ等があった結果、31億9千4百万円(前連結会計年度は47億2千2百万円)となった。

完成工事高は、前連結会計年度からの大規模太陽光発電設備工事の他、駅ビルや商業施設の大型工事が順調に進捗・竣工したことにより、80億3百万円(前連結会計年度は56億8百万円)となった。

(送電線部門)

受注工事高は、各電力会社からの送電線鉄塔建替工事や電線張替工事の他、地域間での電力融通を強化する連系線工事等を受注した結果、55億8千2百万円(前連結会計年度は41億7千5百万円)となった。

完成工事高は、前連結会計年度からの飛騨信濃直流幹線新設工事の他、各地区における大型送電線建設・改修工事が順調に進捗・竣工したことにより、52億5千6百万円(前連結会計年度は62億1千9百万円)となった。

 

b.財政状態

当連結会計年度末における資産合計の残高については、797億1千2百万円(前連結会計年度末は768億8千万円)となり28億3千1百万円増加した。主な要因は受取手形・完成工事未収入金等の増加、現金預金の減少、流動資産その他の減少である。

負債合計の残高については、278億2千6百万円(前連結会計年度末は276億1千4百万円)となり2億1千1百万円増加した。主な要因は短期借入金の増加、支払手形・工事未払金等の増加、未成工事受入金の減少である。

純資産合計の残高については、518億8千6百万円(前連結会計年度末は492億6千6百万円)となり26億2千万円増加した。主な要因は利益剰余金の増加、その他有価証券評価差額金の減少である。

以上の結果、自己資本比率は65.1%(前連結会計年度末は64.1%)となり前連結会計年度末より1.0%増加し、安定的な財政状態を維持している。

 

c.キャッシュ・フロー並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度末におけるフリーキャッシュ・フローについては、売上高の増加に伴う売上債権の増加や新たな独身寮の土地・建物、秋田支社の土地等の取得によりマイナスとなったが、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は72億1千6百万円(前連結会計年度末は82億6千1百万円)となり当社グループの連結売上高を勘案すると、適正な水準を維持している。

また、当社グループの資金需要は、事業を行う上で必要となる運転資金、中期経営計画「Challenging RIETEC 2021」に掲げている成長を実現するための設備投資資金(作業用車両の更新・増備、基幹システムの更新や人材確保)及び配当政策(将来的な個別配当性向の目標は30%)による配当金がある。

これらの資金は営業キャッシュ・フローを主とした内部資金を基本としているが、当社が営業活動から得られるキャッシュ・フローは季節的変動があり短期的に資金が不足した場合には金融機関からの借入にて資金調達を行っている。

借入金は安定的なキャッシュポジションを見極めながら営業活動から得られるキャッシュ・フローで返済しており、今後においても適切に調達することが可能である。

なお、当連結会計年度末においては短期借入金で10億5千万円となっており、現時点においては長期借入金の調達は想定していない。

 

 

当社キャッシュ・フロー指標のトレンドについては下記のとおりである。

 

 

2017年
3月期

2018年
3月期

2019年
3月期

2020年
3月期

自己資本比率(%)

63.0

64.6

64.1

65.1

時価ベースの自己資本比率(%)

44.3

50.5

46.1

49.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.0

0.0

2.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

87.0

99.3

10.5

 

(注) 1 各指標の算出方法は以下のとおりである。

自己資本比率

:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率

:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ

:営業キャッシュ・フロー/利払い

 

2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出している。

3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出している。

4 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用している。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としている。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用している。

5 2018年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては営業キャッシュ・フローがマイナスのため表示していない。

6 「「税効果会計に係る会計基準」の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を2019年3月期の期首から適用しており、2018年3月期に係るキャッシュ・フロー指標については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっている。

 

d.経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営に影響を与える大きな要因は、2「事業等のリスク」に記載している。特に、足許の状況では、新型コロナウイルス感染症の影響により、お客様のご発注動向、工事資機材の調達、安全や施工体制の維持・確保等に多大な変化が生じた場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があるものと認識している。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項なし。

 

5 【研究開発活動】

(1)電気設備工事業 

当社グループにおいて、新技術の開発・改善、作業環境・施工の安全性向上に関する業務改善及び社員の技術力向上等を目的として、研究開発活動を行っている。また、技術開発及び業務改善に取り組んだ達成結果について関連子会社を含めた発表会「NRフォーラム」を開催し、問題解決に向けた創意工夫と技術開発及び業務改善活動を通じた人材育成に取り組んでいる。
 当連結会計年度における研究開発活動費は14百万円であり、その内訳は、研究開発費2百万円、固定資産計上額12百万円である。

 

(2)兼業事業

該当事項なし。

 

(3)不動産賃貸事業

該当事項なし。