(1)業績
当連結会計年度の世界経済は、米国では雇用情勢の改善を背景に個人消費を中心とした拡大基調が続くも、アジアでは中国経済の減速基調に加え、資源価格の下落等により新興国の景気低迷も長期化し、全体としては停滞状況が続く結果となりました。一方、我が国経済は、企業収益が高水準を維持するなか、良好な雇用環境の持続により力強さを発揮すると期待されましたが、昨年末以降の円高進行、株式相場の混乱が企業の景況感を下押しするなど、先行き不透明なものとなりました。
建設業界におきましては、堅調な企業収益を背景に民間設備投資の拡大に期待しましたが、底堅く推移したものの景気の先行き不透明感から、本格的な回復迄には至りませんでした。
このような状況のもと、中期経営計画「新たな時代にチャレンジするダイダン」に基づき、受注と利益の確保に取り組んでまいりました結果、当連結会計年度における業績は次の通りとなりました。
受注工事高は、前連結会計年度比11,870百万円増の143,503百万円となりました。
完成工事高は、前連結会計年度比16,566百万円増の138,346百万円となりました。
完成工事総利益は、完成工事高の増加及び、完成工事総利益率の改善により、前連結会計年度比2,150百万円
増の16,713百万円となりました。
営業利益は、完成工事総利益の増加を受け、前連結会計年度比1,989百万円増の6,537百万円となりました。
経常利益は、営業利益の増加を受け、前連結会計年度比1,895百万円増の6,770百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として、独占禁止法関連損失引当金戻入益47百万円等を計上
し、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純損失を控除した結果、前連
結会計年度比1,327百万円増の4,248百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末比822百万円減少し、23,536百万円(3.4%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は611百万円(前連結会計年度は2,427百万円の資金の増加)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上、仕入債務の増加、未成工事受入金の増加等の資金の増加要因が、売上債権の増加等の資金の減少要因を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は493百万円(前連結会計年度は401百万円の資金の減少)となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は894百万円(前連結会計年度は2,344百万円の資金の減少)となりました。
主な要因は、短期、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払額が、短期、長期借入れによる収入を上回ったことによるものです。
当社グループが営んでいる事業である設備工事業では、生産実績を定義することが困難であります。
また、請負形態をとっているため、販売実績という定義は実態に即しておりません。
よって、受注及び完成工事の状況については「1 業績等の概要」において記載しております。
また、当社グループが営む事業の大半は提出会社によるものであるため、以下には提出会社の状況について記載しております。
受注工事高及び完成工事高の状況
① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
工事種別 |
前期繰越 工事高 (百万円) |
当期受注 工事高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期完成 工事高 (百万円) |
次期繰越 工事高 (百万円) |
|
第86期 自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日 |
電気工事 |
13,235 |
29,809 |
43,044 |
25,702 |
17,342 |
|
空調工事 |
51,786 |
71,534 |
123,320 |
70,724 |
52,596 |
|
|
水道衛生工事 |
17,307 |
28,986 |
46,294 |
24,145 |
22,148 |
|
|
計 |
82,329 |
130,330 |
212,659 |
120,572 |
92,086 |
|
|
第87期 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
電気工事 |
17,342 |
27,465 |
44,807 |
30,475 |
14,332 |
|
空調工事 |
52,596 |
83,335 |
135,931 |
76,682 |
59,248 |
|
|
水道衛生工事 |
22,148 |
31,572 |
53,720 |
29,914 |
23,806 |
|
|
計 |
92,086 |
142,372 |
234,459 |
137,072 |
97,386 |
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって当期完成工事高にも当該増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)に一致します。
3.上記金額に消費税等は含まれておりません。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
工事種別 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
第86期 自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日 |
電気工事 |
35.9 |
64.1 |
100.0 |
|
空調工事 |
35.0 |
65.0 |
100.0 |
|
|
水道衛生工事 |
26.4 |
73.6 |
100.0 |
|
|
第87期 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
電気工事 |
46.2 |
53.8 |
100.0 |
|
空調工事 |
33.8 |
66.2 |
100.0 |
|
|
水道衛生工事 |
36.5 |
63.5 |
100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
|
期別 |
工事種別 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
第86期 自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日 |
電気工事 |
6,471 |
19,231 |
25,702 |
|
空調工事 |
11,043 |
59,681 |
70,724 |
|
|
水道衛生工事 |
6,012 |
18,133 |
24,145 |
|
|
計 |
23,527 |
97,045 |
120,572 |
|
|
第87期 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
電気工事 |
5,973 |
24,502 |
30,475 |
|
空調工事 |
15,384 |
61,298 |
76,682 |
|
|
水道衛生工事 |
4,665 |
25,248 |
29,914 |
|
|
計 |
26,023 |
111,049 |
137,072 |
(注)1.上記金額に消費税等は含まれておりません。
2.完成工事のうち主なものは次のとおりであります。
第86期の完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
|
大成建設㈱ |
品川シーズンテラス空調設備工事 |
|
法務省 |
大阪拘置所新営(機械設備)第1期工事 |
|
大成建設㈱ |
羽田国際線ターミナルビル増築F工区空調設備工事 |
|
Kajima Overseas Asia Pte Ltd |
シンガポール国立大学薬学棟MD1電気設備工事 |
|
国立大学法人秋田大学 |
秋田大学(医病)病棟改修空調設備工事 |
第87期の完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
|
㈱竹中工務店 |
日亜化学工業新K-1棟新築に伴う空調・衛生設備工事 |
|
国立大学法人神戸大学 |
神戸大学(楠)医学部附属病院低浸襲総合診療棟・その他 |
|
防衛省 |
市ヶ谷庁舎(25)機械設備整備工事 |
|
東京地下鉄㈱ |
豊洲駅改良機械設備工事 |
|
㈱大林組・㈱鴻池組・ ㈱淺沼組共同企業体 |
三井住友銀行大阪本店ビル 空調設備 改修工事 |
3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりで
あります。
第86期及び第87期
該当はありません。
④ 手持工事高(平成28年3月31日現在)
|
工事種別 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
電気工事 |
1,456 |
12,875 |
14,332 |
|
空調工事 |
11,812 |
47,435 |
59,248 |
|
水道衛生工事 |
4,722 |
19,083 |
23,806 |
|
計 |
17,992 |
79,394 |
97,386 |
(注)1.上記金額に消費税等は含まれておりません。
2.手持工事のうち請負金額15億円以上の主なもの
|
大成建設㈱ |
TGMM芝浦プロジェクト A棟・ホテル棟空調設備工事 |
平成30年5月完成予定 |
|
Davex Singapore Pte Ltd |
HDB LED交換2期工事 |
平成28年5月完成予定 |
|
㈱大林組 |
新南海会館ビル(仮称) 電気・衛生設備工事 |
平成30年9月完成予定 |
|
香川県高松市 |
高松市新病院(仮称)新築に伴う機械設備工事 |
平成30年5月完成予定 |
|
Kajima Overseas Asia Pte Ltd |
6シェントンウェイビル改修空調設備工事 |
平成28年9月完成予定 |
今後の見通しにつきましては、政府の景気対策等の効果が引き続き見込まれ、日本経済は緩やかに持ち直すとみられるものの、海外経済の減速などから不透明感の強い状況が続くことが予想されます。
建設業界におきましては、堅調な企業業績を背景に建設需要が底堅く推移するものと思われますが、不安定な世界情勢に対する懸念もあり、特に東京オリンピック以降の日本経済は不透明となっています。
このような状況を踏まえ、当社は平成28年度から平成30年度までの3カ年を対象とする中期経営計画「お客様に必要な環境を創造し提供するダイダン~Always With You.~」を策定しました。
本計画を7年後の創業120周年を見据えた長期ビジョンを実現するための基盤強化、変革に向けた第1ステップと位置付け、計画の達成に向けて総力を挙げて取り組んでまいります。
創業120周年を見据えた3カ年計画のビジョン
Ⅰ.[基盤技術] お客様の環境構築パートナー
Ⅱ.[事業創出] 光と空気と水の技術を生かした事業領域の創出
Ⅲ.[経営基盤] 市場変化に対応できる経営基盤の確立
Ⅳ.[企業責任] 社会的要求に応える企業
なお、当社は、北陸新幹線の設備工事の入札に関し、独占禁止法に違反する行為があったとして、平成27年10月9日付で公正取引委員会より排除措置命令及び課徴金納付命令を受け、課徴金を納付いたしました。
当社グループといたしましては、本件を厳粛に受け止め、二度とこのような事態を招かぬよう、更なるコンプライアンス体制の強化と再発防止策の徹底を図り、信頼の回復に努めてまいります。
当社グループの事業に関し、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の未然の防止及び発生した場合の対応に努める所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出時点において当社グループが判断したものです。
(1)売掛債権回収不能
当社グループは、与信管理を強化しておりますが、顧客の収益又は財政状態の急激な悪化によっては、当社グループが保有する売掛債権等の一部について回収不能となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)資材価格及び労務費の高騰
機器、材料の価格及び労務費が高騰した際に、請負金額に転嫁することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)不採算工事の発生
工事施工途中における想定外の工事原価の増加等により不採算工事が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)保有資産の時価下落による価値の減少
保有する不動産や有価証券について、時価の下落により減損処理が必要となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害及び事故
当社グループは安全を第一として施工するとともに、品質管理にも万全を期しておりますが、予期せぬ施工中の災害又は事故等により、損害賠償、瑕疵担保責任等が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)カントリーリスク及び為替の変動
当社グループの海外事業は、東南アジアを中心に展開しており、テロ、政情不安の発生、予期せぬ法規制の変更、市況の悪化及び為替の変動等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)退職給付制度に関するリスク
年金資産及び信託の下落や運用利回りの悪化、割引率等数理計算上で設定される前提に変更があった場合には、退職給付費用及び退職給付債務が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)法的規制等によるリスク
建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
特記事項はありません。
当連結会計年度における研究開発は、従来からの基本理念である「地球とひとに優しい環境の創造」をめざし、ビルや工場の空調をはじめとする省エネルギー関連技術、半導体・医薬品対応のクリーン関連技術、廃棄物削減などの資源の有効利用技術を中心に取り組んでまいりました。具体的な研究成果としては。以下のものがあります。
子会社においては、研究開発活動は行われておりません。なお、研究開発費は524百万円でありました。
(研究開発の内容)
(1)再生医療分野向け エアバリアブース
再生医療では、患者本人あるいは提供者由来の細胞を体外で調製・培養・加工した後、患者に移植します。再生医療に必要な細胞を作製するために、病院の内外に設けられたCPF(Cell Processing Facility:細胞加工施設)と呼ばれるクリーンルームで細胞の培養加工を行います。
当社は、CPF建設・運用費用のコストダウン、作業性向上・開放感、さらに細胞調製機器のフレキシブルな設置などのメリットがあり、かつ,細胞の感染リスクを低減できる「エアバリアブース」を開発しました。エアバリアブースは半開放型の局所クリーンブースで、ブース内を微陽圧に維持することで細胞調製機器周りの清浄度を向上させ、細胞の感染リスクを低減します。当社は、使用する細胞や細胞加工プロセスに応じてユーザーに最適なシステムを提案します。
(2)再生可能エネルギー利用技術
建物の省エネルギー性能を高め、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を目指すことが現在求められています。これまでは使うエネルギーを少なくする「省エネルギー」のための技術開発が中心でした。今後は、建物として化石燃料の消費を抑えるために、再生可能エネルギーの有効利用技術を開発し普及する必要があります。
当社は、太陽熱・地中熱・プラント排熱を無駄なく使うための技術「再生可能エネルギーループ」の検証を実際の建物を用いて行っています。敷地内にある複数の建物(プラント含む)を1本のループ状の配管でつなぎ、各所に分散する再生可能エネルギーや排熱を集約し、水熱源パッケージで建物内の空調を行う技術です。検証の結果、当社は年間のエネルギー消費量を1,000 MJ/m2未満に抑えることができました。
(3)設備機器(照明・空調・防災)一体型ユニット シーリングフリー
オフィスにおける照明・空調のエネルギー消費量はオフィス全体の約70%を占めます。このため、照明のLED化をはじめとした様々な省エネルギー化が進められていますが、当社は単に省エネルギーを進めるだけでなく、オフィスで働く人々の快適性にも着目した技術開発に取り組んでいます。
その一つとして、総合設備業としての強みを活かし、従来個別に設置されていた照明・空調・防災設備を集約・ユニット化した「シーリングフリー」を開発しました。主な特徴は次の通りです。
・照明形状を工夫し,明るさ感が向上します。
・気流が直接執務者に当たることを抑制し、快適なオフィス環境を実現します。
・空調は自然エネルギーを活用しやすい方式,照明はLED型のタスク&アンビエント照明に対応させること
で省エネルギー化を図ります。
・ユニットを建物躯体から吊り下げるだけで設置が完了し、また、設備を配置する上で必要だった天井ボ
ードの施工が不要になるなど、工期の短縮と作業効率の向上も実現します。
(4)イオンの力で花粉・PM2.5の持込みを抑制する イオン・ドロップ
建築設備の分野では、政府の推進する省エネルギー施策に対応するため、空調エネルギーの徹底的な削減に挑戦しています。空調には、室内温熱環境を維持することと併せて良好な空気質の維持も求められます。空気質は、一般的に外気導入による換気で維持されますが、大量の外気導入は空調負荷の増大につながります。必要最低限の外気導入により空気質を維持しながら、必要最低限の空調で温熱環境を維持する技術が求められています。
当社では、より少ない外気導入量で空気質を維持する試みとして、室内に持込まれる汚染源に着目し、イオンの力でPM2.5や花粉などの建物内持込みを抑制する除塵システム「ion-DROP(イオン・ドロップ)」を開発しました。PM2.5や花粉などの粉じんは、健康障害やアレルギーの原因物質となっていますが、衣服に付着したものは静電気を帯びているため簡単には払い落とすことができません。「ion-DROP」は、イオンの力によって静電気を中和して衣服に付着した粉じんの払い落しを容易にし、建物内への粉じん持込み量を大幅に減少させることで、室内環境の向上と省エネルギーの両立を実現します。
(5)水中残留塩素濃度とステンレス管の腐食に関する研究
塩素は、殺菌剤として水道水に浄水場で注入されており、配水される水の塩素濃度を残留塩素濃度と呼びます。一方ステンレス配管は、その優れた耐食性を理由に、建物設備の配管材料として広く使用されています。
しかし近年、建物の給水および給湯用設備として使用されているステンレス配管の腐食事例が報告されるようになっています。その事例の多くで、使用水中の残留塩素濃度が高い傾向にあるという特徴がみられます。
当社では、ステンレス配管の長寿命化を目的とし、残留塩素濃度とステンレス配管の腐食との関係について研究を行っております。この成果により、ステンレス配管の残留塩素による腐食トラブルの抑制を図り、安全な設備を提供します。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、連結財務諸表に基づいて分
析した内容であります。
また、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものでありま
す。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕の連結財務諸表の〔注記事項〕(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
①完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上
完成工事高及び完成工事原価の計上は、「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号 平成19年12月27日)及び「工事契約に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第18号 平成19年12月27日)を適用し、当該基準等の要件である工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積ることのできる工事について工事進行基準を適用しております。また、工事原価総額の見積りが工事収益総額を上回る可能性が高く、かつ、その損失見込額を合理的に算定できる場合、当該損失見込額を損失が見込まれた期に工事損失引当金として計上しております。
②貸倒引当金の計上
完成工事未収入金、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
③有価証券の減損等
有価証券の減損にあたっては、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合はすべて減損を行い、30%~50%程度下落した場合には、回復可能性を合理的に見積り、必要と認められた場合に減損を行っております。
④固定資産の減損
事業用資産は、継続的に収支把握を行っている管理会計上の地域別の事業所単位で、賃貸資産及び遊休資産は個別物件単位にてグルーピングしており、各資産グループにおける減損の認識においては、将来キャッシュ・フローを合理的に見積っております。
また、減損の測定における割引後キャッシュ・フローの算定に用いる割引率についても合理的な見積りによっております。
⑤繰延税金資産の回収可能性
将来年度の課税所得の合理的な見積りによって回収可能性を判断し、繰延税金資産の計上を行っております。
(2)財政状態
流動資産の主な増減は、受取手形・完成工事未収入金が前連結会計年度末に比べて6,645百万円増加し、56,157百万円(13.4%増)、電子記録債権が4,804百万円増加し、8,095百万円(146.0%増)となりました。双方、完成工事高の増加によるものです。
このような結果、流動資産は前連結会計年度末に比べて10,872百万円増加し、91,704百万円(13.5%増)となりました。
固定資産の主な増減は、投資有価証券が、前連結会計年度末に比べて950百万円減少し、16,543百万円(5.4%減)となりました。主な要因は株式相場低迷に伴う時価評価による減少です。
また退職給付に係る資産が前連結会計年度末に比べて1,766百万円減少し、7,866百万円(18.3%減)となりました。主な要因は株式相場の低迷に伴う年金資産の減少、及び割引率見直しに伴う退職給付債務の増加によるものです。
このような結果、固定資産は前連結会計年度末に比べて2,000百万円減少し、30,608百万円(6.1%減)となりました。
流動負債の主な増減は、支払手形及び工事未払金等が前連結会計年度末に比べて4,130百万円増加し、42,067百万円(10.9%増)となりました。主な要因は完成工事原価の増加によるものです。
未成工事受入金が前連結会計年度末に比べて1,294百万円増加し、2,794百万円(86.3%増)となりました。主な要因は前受金の増加によるものです。
このような結果、流動負債は前連結会計年度末に比べて9,121百万円増加し、61,434百万円(17.4%増)となりました。
固定負債の主な増減は、繰延税金負債が前連結会計年度末に比べて1,028百万円減少し、3,208百万円(24.3%減)となりました。主な要因は、投資有価証券の時価評価の減少に連動したことによるものです。
このような結果、固定負債は前連結会計年度末に比べて1,369百万円減少し、6,295百万円(17.9%減)となり、負債合計は、前連結会計年度末に比べて7,751百万円増加し、67,729百万円(12.9%増)となりました。
株主資本の主な増減は、利益剰余金が前連結会計年度末に比べて3,401百万円増加し、39,588百万円(9.4%増)となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による4,248百万円の増加、剰余金の配当による847百万円の減少等によるものです。
その他の包括利益累計額の主な増減は、その他有価証券評価差額金が前連結会計年度末に比べて470百万円減少し、6,326百万円(6.9%減)となりました。主な要因は株式相場低迷に伴う投資有価証券の時価評価による減少です。
また退職給付に係る調整累計額が前連結会計年度末に比べて1,762百万円減少し、△169百万円(110.7%減)となりました。主な要因は株式相場の低迷に伴う年金資産の減少、及び割引率見直しに伴う退職給付債務の増加によるものです。
このような結果、当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,120百万円増加し、54,583百万円(2.1%増)となり、負債純資産合計は前連結会計年度末に比べて8,871百万円増加し、122,312百万円(7.8%増)となりました。
(3)経営成績
期中受注工事高は、前連結会計年度に比べて11,870百万円増加し、143,503百万円(9.0%増)となりました。
完成工事高は、前連結会計年度に比べて16,566百万円増加し、138,346百万円(13.6%増)となりました。
完成工事総利益は、前連結会計年度に比べて2,150百万円増加し、16,713百万円(14.8%増)となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べて1,989百万円増加し、6,537百万円(43.8%増)となりました。
経常利益は、営業利益の増加を受けて、前連結会計年度に比べて1,895百万円増加し、6,770百万円(38.9%増)となりました。
特別利益は、独占禁止法関連損失引当金戻入益47百万円等、特別損失は投資有価証券評価損18百万円等を計上いたしました。
法人税、住民税及び事業税2,405百万円、法人税等調整額150百万円、及び非支配株主に帰属する当期純損失2百万円を控除した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて1,327百万円増加し、4,248百万円(45.4%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。