(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、良好な雇用環境が継続したものの、個人消費は低調に推移しました。また、日銀の金融政策決定から生じた不安定な金融市場により、為替相場及び株式相場等は先行き不透明な状態が続きました。一方で、米国や中国をけん引役として、生産や輸出が持ち直し、企業業績が改善に向かうなど一部に明るい動きも見られました。
建設業界におきましては、公共投資が底堅く推移し、民間設備投資も企業収益の改善を受け、堅調に推移しました。
このような状況のもと、中期経営計画「お客様に必要な環境を創造し提供するダイダン ~Always With You.~」に基づき、受注と利益の確保に取り組んでまいりました結果、当連結会計年度における業績は次のとおりとなりました。
受注工事高は、前連結会計年度比503百万円増の144,007百万円となりました。
完成工事高は、前連結会計年度比13,092百万円減の125,253百万円となりました。
完成工事総利益は、完成工事高は減少したものの、完成工事総利益率の改善により、前連結会計年度比1,075百万円増の17,788百万円となりました。
営業利益は、完成工事総利益の増加を受け、前連結会計年度比213百万円増の6,750百万円となりました。
経常利益は、営業利益の増加を受け、前連結会計年度比168百万円増の6,939百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として固定資産売却益52百万円、特別損失として災害による損失76百万円(熊本地震関連損失)等を計上し、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純損失を控除した結果、前連結会計年度比390百万円増の4,638百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,012百万円増加し、26,549百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は5,395百万円(前連結会計年度は611百万円の資金の増加)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上及び売上債権の減少等の資金の増加要因が、仕入債務の減少等の資金の減少要因を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は1,442百万円(前連結会計年度は493百万円の資金の減少)となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は925百万円(前連結会計年度は894百万円の資金の減少)となりました。
主な要因は、短期、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払額が、短期、長期借入れによる収入を上回ったことによるものです。
当社グループが営んでいる事業である設備工事業では、生産実績を定義することが困難であります。
また、請負形態をとっているため、販売実績という定義は実態に即しておりません。
よって、受注及び完成工事の状況については「1 業績等の概要」において記載しております。
また、当社グループが営む事業の大半は提出会社によるものであるため、以下には提出会社の状況について記載しております。
受注工事高及び完成工事高の状況
① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
工事種別 |
前期繰越 工事高 (百万円) |
当期受注 工事高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期完成 工事高 (百万円) |
次期繰越 工事高 (百万円) |
|
第87期 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
電気工事 |
17,342 |
27,465 |
44,807 |
30,475 |
14,332 |
|
空調工事 |
52,596 |
83,335 |
135,931 |
76,682 |
59,248 |
|
|
水道衛生工事 |
22,148 |
31,572 |
53,720 |
29,914 |
23,806 |
|
|
計 |
92,086 |
142,372 |
234,459 |
137,072 |
97,386 |
|
|
第88期 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 |
電気工事 |
14,332 |
28,700 |
43,032 |
25,630 |
17,401 |
|
空調工事 |
59,248 |
83,486 |
142,734 |
71,860 |
70,874 |
|
|
水道衛生工事 |
23,806 |
30,614 |
54,420 |
26,387 |
28,033 |
|
|
計 |
97,386 |
142,801 |
240,188 |
123,878 |
116,309 |
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にも当該増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)に一致します。
3.上記金額に消費税等は含まれておりません。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
工事種別 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
第87期 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
電気工事 |
46.2 |
53.8 |
100.0 |
|
空調工事 |
33.8 |
66.2 |
100.0 |
|
|
水道衛生工事 |
36.5 |
63.5 |
100.0 |
|
|
第88期 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 |
電気工事 |
46.6 |
53.4 |
100.0 |
|
空調工事 |
32.1 |
67.9 |
100.0 |
|
|
水道衛生工事 |
39.8 |
60.2 |
100.0 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
|
期別 |
工事種別 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
第87期 自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日 |
電気工事 |
5,973 |
24,502 |
30,475 |
|
空調工事 |
15,384 |
61,298 |
76,682 |
|
|
水道衛生工事 |
4,665 |
25,248 |
29,914 |
|
|
計 |
26,023 |
111,049 |
137,072 |
|
|
第88期 自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日 |
電気工事 |
1,608 |
24,021 |
25,630 |
|
空調工事 |
9,965 |
61,895 |
71,860 |
|
|
水道衛生工事 |
3,146 |
23,240 |
26,387 |
|
|
計 |
14,720 |
109,158 |
123,878 |
(注)1.上記金額に消費税等は含まれておりません。
2.完成工事のうち主なものは次のとおりであります。
第87期の完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
|
㈱竹中工務店 |
日亜化学工業新K-1棟 空調・水道衛生工事 |
|
国立大学法人神戸大学 |
神戸大学医学部附属病院低浸襲総合診療棟 |
|
防衛省 |
市ヶ谷庁舎(25) 機械整備工事 |
|
東京地下鉄㈱ |
豊洲駅改良 機械工事 |
|
㈱大林組・㈱鴻池組・ ㈱淺沼組共同企業体 |
三井住友銀行大阪本店ビル改修 空調工事 |
第88期の完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
|
Davex Singapore Pte Ltd |
HDB LED交換2期 電気工事 |
|
Kajima Overseas Asia Pte Ltd |
6シェントンウェイビル改修 空調工事 |
|
防衛省 |
岩国飛行場(H25)高校新設 機械工事 |
|
Singapore District Cooling Pte Ltd |
マリーナベイ地冷配管接続3期 空調・水道衛生工事 |
|
㈱大林組 |
加古川中央市民病院 空調工事 |
3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりで
あります。
第87期
該当はありません。
第88期
㈱大林組 12,736百万円 10.3%
④ 次期繰越工事高(平成29年3月31日現在)
|
工事種別 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
計(百万円) |
|
電気工事 |
4,351 |
13,050 |
17,401 |
|
空調工事 |
24,912 |
45,961 |
70,874 |
|
水道衛生工事 |
8,019 |
20,013 |
28,033 |
|
計 |
37,283 |
79,025 |
116,309 |
(注)1.上記金額に消費税等は含まれておりません。
2.次期繰越工事のうち請負金額15億円以上の主なもの
|
大成建設㈱ |
TGMM芝浦プロジェクトA棟・ホテル棟 空調工事 |
平成30年5月完成予定 |
|
大成建設㈱ |
春日・後楽園駅前再開発南街区 空調・水道衛生工事 |
平成33年11月完成予定 |
|
大成建設㈱ |
四谷駅前再開発 空調工事 |
平成32年1月完成予定 |
|
㈱フジタ |
(仮称)広島二葉の里プロジェクト 電気・空調・水道衛生工事 |
平成31年3月完成予定 |
|
清水建設㈱ |
道玄坂一丁目駅前地区第一種再開発事業 空調・水道衛生工事 |
平成31年10月完成予定 |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、「総合設備工事業者として常に新たな価値の創造に挑戦し、より良い地球環境の実現と社会の発展に貢献する」という経営理念の下、「①顧客第一の理念を通じて経営環境の変化に対応する、②コンプライアンスの精神に則った企業経営を行う、③安全・品質の確保と環境保全に貢献する企業活動を行う、④各戦略・各施策の相互連携により企業目標を達成する」という4つの経営方針を掲げ、顧客のニーズを先取りした技術とサービスを提供することにより、企業価値の向上に努めております。
また、産業構造の変化を的確にとらえ、スピードと実行力のある企業経営を行うことにより活力ある企業を目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、平成28年度を初年度とする3カ年の中期経営計画において、最終年度の平成30年度に、連結業績として受注工事高151,000百万円、完成工事高151,000百万円、営業利益7,500百万円を目指しております。また、目標とする経営指標は、営業利益率5%としております。
(3)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、アメリカの政策の動向や英国のEU離脱、中国その他新興国の経済の先行き等、不安定な世界情勢による下振れリスクがあるものの、企業業績や設備投資には底堅さがみられることから、景気は緩やかに持ち直すものと思われます。
現在の建設業界は、堅調な企業業績を背景に底堅く推移していますが、不安定な世界の政治経済情勢に対する懸念もあり、特に東京オリンピック以降の日本の経済情勢は不透明となっています。そのような中で、持続的に成長するためには、経営基盤の強化と事業領域の拡大が重要な課題となっています。
当社は、平成35年に創業120周年を迎えます。中期経営計画「お客様に必要な環境を創造し提供するダイダン~Always With You.~」は、6年後の創業120周年を見据えた長期ビジョンを実現するための基盤強化、変革に向けた第1ステップとして位置付けています。その上で、ダイダンのあるべき姿を以下の4つにまとめ、それぞれにキーワードを設定して、戦略・施策を作成しています。
Ⅰ.【基盤技術】お客様の環境構築パートナー
お客様の事業活動に必要な環境を提供するために、基盤技術の拡大を目指しています。このため、全国どこの事業所でも最先端の高度設備技術を提供できるように、一人ひとりの技術者のエンジニアリング力の強化を行っています。
平成28年に開発技術関連の本部を束ねた開発技術グループを設置し、これまで培ったバイオ、デバイス関連の高度設備技術の基盤技術化を図るため、実際の施工事例等に基づいた研修会をTV会議で定期的に開催し、設計と施工の技術対応力強化に努めています。また、所属事業所で経験できない難度の高い現場や、規模の大きい現場等を経験させる「技術者ローテーション制度」を導入しました。
経済産業省が作成したエネルギー基本計画において、「建築物については、2020年(平成32年)までに新築公共建築物等で、2030年(平成42年)までに新築建築物の平均でZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)を実現することを目指す」とする政策目標が設定されています。建築物におけるエネルギー消費量は、照明や空調等の建築設備によるものが大きなウェイトを占めています。当社は、総合設備工事業者として、建築設備からのZEBの発信を推進するため、技術研究所のスマートエネルギー化改修等を通じてさまざまな省エネ技術の開発を行ってきました。平成28年にZEB化の実証施設として九州支社の建替えを行い、最先端技術を投入し、実際に事務所として使用しながら検証を行っています。また、ショールームとしてお客様に見学、体感していただくとともに、技術者の教育の場としても活用しています。
Ⅱ.【事業創出】光と空気と水の技術を生かした事業領域の創出
再生医療の研究は世界的に早いスピードで進んでおり、周辺産業の市場も拡大しています。当社は、厳密な管理が必要とされる病院や製薬工場で培った気流制御技術による次世代のCPF(細胞加工施設)向けの「エアバリアブース」を開発しました。さらに、神奈川県が川崎市に建設した「ライフイノベーションセンター」内にCPFオープンラボ「セラボ殿町」を開設した他、神戸市ポートアイランドの神戸医療産業都市に神戸オフィスを開設し、再生医療に関する情報収集や、大学、研究機関、企業との関係構築、異業種とのイノベーションを推進しています。
また、平成27年から、産・学・官のキープレーヤーを講師に迎えた再生医療セミナーを主催し、再生医療を取り巻く環境や当社の技術について情報発信を行うとともに、関連業界との関係強化に努めています。
その他、これまで廃棄されていた工場や研究所等のエアフィルタを当社独自技術である超臨界CO2を用いて洗浄し再生することにより、廃棄物を削減し、環境負荷を低減する事業を行っています。
多様化するお客様の環境へのニーズに対応するため、当社の要素技術を活用した新たな事業領域の創出に取り組んでいます。
Ⅲ.【経営基盤】市場変化に対応できる経営基盤の確立
当社グループは、景気の変動に左右されにくい強固な経営基盤を構築するために、社会情勢や市場の変化に対応した組織運営を行っています。また、戦略的な新規案件の受注や地域の特性を踏まえた受注施策により、継続的に安定した業績の確保に取り組んでいる他、強固な財務基盤を活用した投資の検討も行っています。
今後ピークを迎えるオリンピック関連施設や首都圏の大型物件の進捗に伴う、技術者・技能者不足と、労務費・資機材価格の上昇による建築コストの上昇が懸念されます。技術者・技能者不足による受注機会の逸失を防ぐとともに施工品質と安全を確保するため、平成29年4月に施工技術グループを設置しました。全社的見地で技術者の調整を行っている他、労務費・資機材価格の動向について情報を集約し、適宜実行予算に反映させることで、予想外の原価増の発生を防止しています。
当社グループは、設計施工会社であり、現場を施工する優秀な技術者を育てて技術の伝承を行う必要があります。平成26年には、現場専門の技術者を適正に評価し、モチベーションを上げる新人事制度を導入しました。また、働き方の多様化への対応を促進するため、女性活躍推進検討チームを設け、女性の活躍の場を広げる施策や離職率の低減、優秀な人材の確保のための施策の検討を進めている他、労働時間の適正な把握や残業時間の削減、有給休暇の取得促進等、労働環境の改善に向けた取組みを推進しています。
Ⅳ.【企業責任】社外的要求に応える企業
企業が継続して発展していくためには、社会に認められ必要とされることが必要です。独占禁止法その他関係法令等を遵守した事業活動を行うことを目的とした社内のセミナーを定期的に開催するとともに活動状況のモニタリングを行い、継続的な啓発活動を行っています。また、地域に密着した清掃活動や森林整備・植樹活動等を中心とした社会貢献活動を、全国の事業所や現場において、継続して実施しています。
今後も、コンプライアンスを徹底し、企業市民として社会的要求に応える企業として存続していくための取組みを行ってまいります。
当社グループの事業に関し、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の未然の防止及び発生した場合の対応に努める所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出時点において当社グループが判断したものです。
(1)売掛債権回収不能
当社グループは、与信管理を強化しておりますが、顧客の収益又は財政状態の急激な悪化によっては、当社グループが保有する売掛債権等の一部について回収不能となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)資材価格及び労務費の高騰
機器、材料の価格及び労務費が高騰した際に、請負金額に転嫁することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)不採算工事の発生
工事施工途中における想定外の工事原価の増加等により不採算工事が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)保有資産の時価下落による価値の減少
保有する不動産や有価証券について、時価の下落により減損処理が必要となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)災害及び事故
当社グループは安全を第一として施工するとともに、品質管理にも万全を期しておりますが、予期せぬ施工中の災害又は事故等により、損害賠償、瑕疵担保責任等が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)カントリーリスク及び為替の変動
当社グループの海外事業は、東南アジアを中心に展開しており、テロ、政情不安の発生、予期せぬ法規制の変更、市況の悪化及び為替の変動等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)退職給付制度に関するリスク
年金資産及び信託の下落や運用利回りの悪化、割引率等数理計算上で設定される前提に変更があった場合には、退職給付費用及び退職給付債務が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)法的規制等によるリスク
建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
特記事項はありません。
当連結会計年度における研究開発は、従来からの基本理念である「地球とひとに優しい環境の創造」を目指し、ビルや工場の空調をはじめとする省エネルギー関連技術、半導体・医薬品対応のクリーン関連技術、廃棄物削減などの資源の有効利用技術を中心に取り組んでまいりました。具体的な研究成果としては、以下のものがあります。
子会社においては、研究開発活動は行われておりません。なお、研究開発費は663百万円でありました。
(研究開発の内容)
(1)ZEB化技術に関する研究
オフィスのZEB化に向け、平成28年5月に福岡市にあります九州支社を建て替えました。本オフィスには、総合設備業という当社の独自性を活かした技術や開発品が多数導入されており、単なる省エネルギー性だけでなく、快適性にも着目して評価を行ってきました。
季節ごとに設備の運用状態の整理やアンケート調査を実施し、快適性を悪化させないような究極の省エネ運用の検討や、開発品の課題の抽出を行ってきました。特に、空調設備では放射空調や当社開発品『シーリングフリー』の省エネ運用に関するノウハウを蓄積してきました。また、照明設備では、明るさ感を考慮したアンビエント照明と自席のタスク照明における、視認性や照射範囲等の課題を整理し、お客様への実導入へのステップへと移っています。
(2)IoT技術の建築設備への適用に関する研究
ICT技術の発展により、ありとあらゆるモノをインターネットにつなげ、あらたなビジネスを生み出すIoT(Internet of Things)が様々な分野に適用されようとしています。当社グループは、このIoTをオフィスの空調設備に導入するための技術開発を行っています。
建築設備における空調の自動制御は、時々刻々と変化する環境の変化を捉え、空調機器の動作量を演算し、所定の環境が維持されるように空調機器を制御しています。これをIoTに置き換えるための研究開発を推進しています。
(3)データセンターの省エネルギー化に寄与する研究開発
クラウド社会の到来により、大量のデータ通信が行われるようになり、近年、そのデータを管理するデータセンター(以下、DCと略す)の需要がますます高まっています。DCでは、サーバーラック等のIT機器の冷却のために膨大な空調エネルギーを消費しており、その削減は喫緊の課題となっています。現在、DCの省エネルギー技術として注目を浴びているのが外気冷房システムであり、その採用数は増加しています。外気冷房とは、中間期・冬期などの冷涼な外気の熱を空調に利用することで、IT機器の冷却に必要な空調エネルギーを削減するシステムです。しかし、不安定な外気を利用するため、サーバー室の温度管理を困難にする原因となり、外気を当初の計画通り利用できていないという問題がありました。
当社グループは、外気冷房に関して、その安定利用を実現する3つの要素技術の開発に取り組んでおり、平成30年度にはそれらを統合したDC最適運用システムの完成を目指しています。この技術は、PUE※1.2以下を目指すことを目的としており、外気冷房を最大限に活用した省エネルギーを図りながら、安定したサーバー室内環境の実現に貢献いたします。
※PUE…DCの電力使用効率を表す。DC(総施設)の全消費エネルギーをIT機器の消費エネルギー(電力量)で割った値であり、
PUEが1に近いほど、空調などのIT機器以外の消費エネルギーが低いことを表す。
(4)再生医療向け自動培養システム スマートCPユニット
昨年当社グループでは細胞培養加工施設向けに細胞の感染リスクを低減するシステムとしてエアバリアブースを開発しました。エアバリアブースは半開放型のクリーンブースであり、ブース内を微陽圧に維持することによりクリーン化することが可能です。
このエアバリアブースと細胞の自動培養装置(株式会社カネカ製)を組み合わせ、大がかりな設備改修を必要としない設置型の細胞培養ブース「スマートCPユニット」を開発しました。一般的な細胞培養加工施設は比較的広いスペースが必要で、クリーン環境構築のためのコストと工期がかかりますが、スマートCPユニットは設置するだけで省スペースのクリーン環境を構築でき、容器密閉型の自動培養装置によって手軽に細胞培養が行えます。今後は、株式会社カネカと販売に関して連携し、歯科や美容外科の病院、クリニックをターゲットとして拡販していきます。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、連結財務諸表に基づいて分
析した内容であります。
また、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものでありま
す。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕の連結財務諸表の〔注記事項〕(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
①完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上
完成工事高及び完成工事原価の計上は、「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号 平成19年12月27日)及び「工事契約に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第18号 平成19年12月27日)を適用し、当該基準等の要件である工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積ることのできる工事について工事進行基準を適用しております。また、工事原価総額の見積りが工事収益総額を上回る可能性が高く、かつ、その損失見込額を合理的に算定できる場合、当該損失見込額を損失が見込まれた期に工事損失引当金として計上しております。
②貸倒引当金の計上
完成工事未収入金、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。
③有価証券の減損等
有価証券の減損にあたっては、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合はすべて減損を行い、30%~50%程度下落した場合には、回復可能性を合理的に見積り、必要と認められた場合に減損を行っております。
④固定資産の減損
事業用資産は、継続的に収支把握を行っている管理会計上の地域別の事業所単位で、賃貸用資産及び遊休資産は個別物件単位にてグルーピングしており、各資産グループにおける減損の認識においては、将来キャッシュ・フローを合理的に見積っております。
また、減損の測定における割引後キャッシュ・フローの算定に用いる割引率についても合理的な見積りによっております。
⑤繰延税金資産の回収可能性
将来年度の課税所得の合理的な見積りによって回収可能性を判断し、繰延税金資産の計上を行っております。
(2)財政状態
流動資産の主な増減は、受取手形・完成工事未収入金が前連結会計年度末に比べ6,958百万円減少し、49,198百万円(12.4%減)となりました。主な要因は大型工事の完成工事未収入金の回収によるものです。
このような結果、流動資産は前連結会計年度末に比べ4,187百万円減少し、87,516百万円(4.6%減)となりました。
固定資産の主な増減は、建物及び構築物が前連結会計年度末に比べ688百万円増加し、3,172百万円(27.7%増)となりました。主な要因は九州支社の建替えによるものです。
このような結果、固定資産は前連結会計年度末に比べ329百万円増加し、30,938百万円(1.1%増)となりました。
流動負債の主な増減は、支払手形・工事未払金が22,016百万円減少し、当連結会計年度より導入した電子記録債務の計上額16,384百万円を上回りました。主な要因は完成工事原価の減少によるものです。
このような結果、流動負債は前連結会計年度末に比べ7,728百万円減少し、53,705百万円(12.6%減)となりました。
固定負債の主な増減は、長期借入金が前連結会計年度末に比べ653百万円増加し、2,054百万円(46.7%増)となりました。主な要因は、一部の借入金を短期借入金から長期借入金に切り替えたことによるものです。
このような結果、固定負債は前連結会計年度末に比べ449百万円増加し、6,744百万円(7.1%増)となり、流動負債とあわせた負債合計は、前連結会計年度末に比べて7,279百万円減少し、60,450百万円(10.7%減)となりました。
株主資本の主な増減は、利益剰余金が前連結会計年度末に比べ3,702百万円増加し、43,290百万円(9.4%増)となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による4,638百万円の増加、剰余金の配当による936百万円の減少等によるものです。
その他の包括利益累計額の主な増減は、退職給付に係る調整累計額が前連結会計年度末に比べ271百万円減少し、△441百万円となりました。主な要因は数理計算上の差異の償却及び期末の年金資産の評価によるものです。
このような結果、当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ3,421百万円増加し、58,004百万円(6.3%増)となり、負債純資産合計は前連結会計年度末に比べ3,857百万円減少し、118,454百万円(3.2%減)となりました。
(3)経営成績
期中受注工事高は、前連結会計年度に比べ503百万円増加し、144,007百万円(0.4%増)となりました。
完成工事高は、前連結会計年度に比べ13,092百万円減少し、125,253百万円(9.5%減)となりました。
完成工事総利益は、前連結会計年度に比べ1,075百万円増加し、17,788百万円(6.4%増)となりました。
営業利益は、前連結会計年度に比べ213百万円増加し、6,750百万円(3.3%増)となりました。
経常利益は、営業利益の増加を受け、前連結会計年度に比べ168百万円増加し、6,939百万円(2.5%増)となりました。
特別利益は、固定資産売却益52百万円、特別損失は、災害による損失76百万円等を計上いたしました。
法人税、住民税及び事業税2,134百万円、法人税等調整額147百万円、及び非支配株主に帰属する当期純損失10百万円を控除した結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ390百万円増加し、4,638百万円(9.2%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。