第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

当社グループは、「総合設備工事業者として常に新たな価値の創造に挑戦し、より良い地球環境の実現と社会の発展に貢献する」という経営理念の下、「①顧客第一の理念を通じて経営環境の変化に対応する、②コンプライアンスの精神に則った企業経営を行う、③安全・品質の確保と環境保全に貢献する企業活動を行う、④各戦略・各施策の相互連携により企業目標を達成する」という4つの経営方針を掲げ、顧客のニーズを先取りした技術とサービスを提供することにより、企業価値の向上に努めております。

また、産業構造の変化を的確にとらえ、スピードと実行力のある企業経営を行うことにより活力ある企業を目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、2018年度を初年度とする3カ年の中期経営計画において、最終年度の2020年度に、連結業績として受注工事高151,000百万円、完成工事高151,000百万円、営業利益8,000百万円を目指してまいりました。受注工事高、完成工事高については2ヶ年前倒し(2018年度)で達成しました。2019年度の営業利益は8,000百万円を目標とし、中期経営計画の1ヶ年前倒しでの達成を目指してまいります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題等

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、一部に企業収益に足踏み感がみられるものの高水準を維持しており、個人消費も雇用・所得環境の改善が続く等、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、米中貿易摩擦による海外経済の不確実性、今後予定されている消費税引上げ等により、依然として先行き不透明な状況が続いています。

現在の建設業界は、堅調な企業業績を背景に底堅く推移していますが、内外経済の不透明感を受け、設備投資に向けた企業スタンスは慎重化することが予想されます。

当社グループは、総合設備工事業の設計・施工会社であるという原点に立ち戻り、本業を確実に継続していくとともに、これまで培った知見を生かせる新規事業分野に活動の場を広げていくことで、事業規模と収益基盤の拡大を目指していくことが重要な課題と考えています。

2018年度に策定した中期経営計画は、2023年の創業120周年を見据えた3カ年ビジョンとして「『攻める力』と『支える力』で、希望と魅力あふれるダイダンを築く」をキャッチフレーズに定め、以下の戦略・施策を推進しています。

 

○『攻める力』=オールダイダンの総合力と未来を切り拓く技術力で、お客様とより良い環境を創造するパートナーとなる

 

〔競争力〕お客様から選ばれ続ける企業

戦略1:現場力の強化

①現場支援体制の確立

②技術力向上への取り組み強化

③i-Construction推進による生産性向上への取り組み

戦略2:先進技術の提案力強化

①次世代ZEBの発信

②顧客ニーズに応えるための技術基盤構築

③IoEとの融合に向けた自動制御技術力の強化

戦略3:営業力の強化

①顧客対応力の強化

②組織的な営業活動の推進

 

当社グループは、お客様のニーズに的確に応えていくために、現場力を強化するとともに、お客様への先進技術の提案力を強化してまいります。施工現場のIT化を推進し、Web会議システム等を活用した遠隔による現場支援体制の確立、技術者一人ひとりの技術力を向上させるための研修制度の充実、またICT活用による施工の効率化への取り組み等を進めています。

2016年にZEB化の実証施設として建設した九州支社は、国際的な環境配慮ビルの認証システムのLEEDプラチナ、建築環境・省エネルギー機構主催のサステナブル建築賞理事長賞の受賞など、その性能が社会から認められています。2019年5月に竣工した四国支店では、ZEB技術を深化させるなどZEB化技術の開発・検証を継続してまいります。

 

〔成長力〕新たな事業領域への挑戦

戦略1:新たな事業への取り組み

①戦略的な事業計画の推進

②次世代環境の創造と技術開発

戦略2:総合設備業の特徴を生かした事業領域の拡大

①再生医療分野における異業種連携の推進

②ストック&リノベーション型社会への対応

 

当社グループは、ZEB、再生医療、IoTを三本柱として従来の建築設備の枠にとらわれない新しい領域に挑戦しています。再生医療を身近な医療にするために、オープンイノベーションによる技術開発を推進し積極的に情報発信するとともに、これまで培った知見を生かした新規事業領域へ挑戦してまいります。

 

○『支える力』=経営資源を最大限に活用し、社会性と収益力を兼ね備えた企業として未来社会の発展に貢献する

 

〔経営基盤〕変化に対応できる経営基盤の確立

戦略1:変化に左右されない強固な体制の確立

①市場変化に対応できる組織の構築

②海外事業の再構築

③協力会社との共栄

戦略2:従業員満足度の向上

①実感ある働き方改革の推進

②人材確保に向けた取り組み強化

③情報発信による企業イメージの向上

戦略3:資本・財務基盤の活用

①資本施策によるステークホルダーとの関係構築

②成長分野への投資の検討

 

当社グループは、景気の変動に左右されにくい強固な経営基盤を構築するために、社会情勢や市場の変化に対応した組織運営を行っています。東日本、中日本、西日本の三事業部制の導入や、エンジニアリング本部、イノベーション本部の設置など継続的に安定した業績の確保にむけた機構改革に取り組んでいる他、働き方改革、従業員満足度向上にむけた制度改革を推進しています。また強固な財務基盤を活用した投資の検討も行ってまいります。

 

〔企業責任〕社会から信頼される企業

戦略1:コンプライアンス経営の継続的推進とガバナンス強化

①公正で適正な取引を徹底するためのガバナンス強化と教育の継続

②積極的な情報のディスクロージャー

戦略2:企業市民としての環境・社会貢献への取り組み

①環境・社会貢献活動の推進

②建築設備業の発展に寄与する社外活動の推進

戦略3:持続可能な社会の実現

①SDGsを意識した環境経営の推進

②ESG投資で評価されるための情報開示

 

企業が継続して発展していくためには、社会に認められ必要とされることが求められます。今後もコンプライアンスを徹底し、企業市民として社会的要求に応えられる企業として存続していくための取り組みを行ってまいります。

 

当社グループの電気・空調・水道衛生設備の技術、ZEBや再生医療等への取り組みが、持続可能な社会の実現に多大に貢献することを十分認識し経営を推進してまいります。

当社グループは、これからの厳しい環境を生き抜いていくため、今回の中期経営計画の戦略・施策を確実に実行してまいります。

2【事業等のリスク】

当社グループの事業に関し、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の未然の防止及び発生した場合の対応に努める所存であります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出時点において当社グループが判断したものです。

 

(1)売掛債権回収不能

当社グループは、与信管理を強化しておりますが、顧客の収益又は財政状態の急激な悪化によっては、当社グループが保有する売掛債権等の一部について回収不能となり、業績に影響を及ぼす可能性があります

(2)資材価格及び労務費の高騰

機器、材料の価格及び労務費が高騰した際に、請負金額に転嫁することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります

(3)不採算工事の発生

工事施工途中における想定外の工事原価の増加等により不採算工事が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります

(4)保有資産の時価下落による価値の減少

保有する不動産や有価証券について、時価の下落により減損処理が必要となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)災害及び事故

当社グループは安全を第一として施工するとともに、品質管理にも万全を期しておりますが、予期せぬ施工中の災害又は事故等により、損害賠償、瑕疵担保責任等が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)カントリーリスク及び為替の変動

当社グループの海外事業は、東南アジアを中心に展開しており、テロ、政情不安の発生、予期せぬ法規制の変更、市況の悪化及び為替の変動等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)退職給付制度に関するリスク

年金資産及び信託の下落や運用利回りの悪化、割引率等数理計算上で設定される前提に変更があった場合には、退職給付費用及び退職給付債務が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)法的規制等によるリスク

建設業法、独占禁止法、労働安全衛生法等による法的規制を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。また、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕の連結財務諸表の〔注記事項〕(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。

 

完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上

完成工事高及び完成工事原価の計上は、「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号 2007年12月27日)及び「工事契約に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第18号 2007年12月27日)を適用し、当該基準等の要件である工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を信頼性をもって見積ることのできる工事について工事進行基準を適用しております。また、工事原価総額の見積りが工事収益総額を上回る可能性が高く、かつ、その損失見込額を合理的に算定できる場合、当該損失見込額を損失が見込まれた期に工事損失引当金として計上しております。

 

②貸倒引当金の計上

完成工事未収入金、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

 

③有価証券の減損等

有価証券の減損にあたっては、時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合はすべて減損を行い、30%~50%程度下落した場合には、回復可能性を合理的に見積り、必要と認められた場合に減損を行っております。

 

④固定資産の減損

事業用資産は、継続的に収支把握を行っている管理会計上の地域別の事業所単位で、賃貸用資産及び遊休資産は個別物件単位にてグルーピングしており、各資産グループにおける減損の認識においては、将来キャッシュ・フローを合理的に見積っております。

また、減損の測定における割引後キャッシュ・フローの算定に用いる割引率についても合理的な見積りによっております。

 

⑤繰延税金資産の回収可能性

将来年度の課税所得の合理的な見積りによって回収可能性を判断し、繰延税金資産の計上を行っております。

 

(2)経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容

当連結会計年度の当社グループの経営成績及び影響を与えた要因につきましては、高水準な企業業績を背景に設備投資が底堅く推移していることを受け、工場・データセンター・研究施設などの産業施設工事の案件が増加したことの他、海外での大型案件の獲得により受注工事高が増加となりました。

また、前連結会計年度に比べ豊富であった期首の繰越工事高および当連結会計年度の受注工事高の増加による手持工事が順調に進捗したことにより、完成工事高も増加となりました。

一方、労働者不足による労務費の上昇や施工体制の確保への影響等、懸念材料も見られたものの、完成工事高の増加がこれを吸収し、利益面につきましても増益となりました。

これを受けまして、受注工事高は、前連結会計年度比11,198百万円増(7.6%)の158,533百万円となりました。

完成工事高は、前連結会計年度比12,116百万円増(8.4%)の155,565百万円となりました。

完成工事総利益は、完成工事高の増加により、前連結会計年度比325百万円増(1.7%)の19,111百万円となりました。

営業利益は、完成工事総利益の増加を受け、前連結会計年度比275百万円増(3.7%)の7,661百万円となりました。

経常利益は、営業利益の増加等を受け、前連結会計年度比383百万円増(5.0%)の8,057百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として投資有価証券評価損111百万円を計上し、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した結果、前連結会計年度比355百万円増(7.0%)の5,464百万円となりました。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載しておりますとおり、当社グループは、2018年度を初年度とする3カ年の中期経営計画「技術力で挑戦し、未来を創造するダイダン」において、最終年度の2020年度に、連結業績として受注工事高151,000百万円、完成工事高151,000百万円、営業利益8,000百万円を目指しております。また、目標とする経営指標は、営業利益率5.3%としております。

当社グループは、総合設備工事業者として、本業である設計・施工により生み出される営業利益の獲得を重要な経営目標とし、企業価値の向上を目指しております。営業利益を着実に獲得するためには、本業の収益性を示す営業利益率の向上が重要であると考えていることから、当社グループの目標とする経営指標として位置づけております。

当連結会計年度と、中期経営計画の最終年度目標との業績比較は下記の通りです。「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載しておりますとおり、受注・完成工事高は2ヶ年前倒しで達成し、今後も当該指標の達成に努めていきます。

 

指標等

2018年度

(実績)

2020年度

(計画)

計画-実績

達成率

受注工事高

(百万円)

158,533

151,000

△7,533

105.0%

完成工事高

(百万円)

155,565

151,000

△4,565

103.0%

営業利益

(百万円)

7,661

8,000

338

95.8%

営業利益率

(%)

4.9

5.3

0.4

 

(3)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末比6,845百万円減(△7.1%)の88,913百万円となりました。主な要因は、2018年12月の支払分より、支払手形及び電子記録債務の支払サイトを短縮したことに伴う現金及び預金の減少15,081百万円(△54.1%)等によるものです。固定資産は、前連結会計年度末比2,432百万円減(△7.1%)の31,815百万円となりました。主な要因は、投資有価証券の減少2,472百万円(△13.3%)等によるものです。

この結果、総資産は前連結会計年度末比9,278百万円減(△7.1%)の120,728百万円となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末比10,310百万円減(△17.2%)の49,578百万円となりました。主な要因は、流動資産の減少要因に記載のとおり、支払サイトの短縮に伴う電子記録債務の減少10,065百万円(△50.7%)等によるものです。固定負債は前連結会計年度末比940百万円減(△16.5%)の4,759百万円となりました。主な要因は、繰延税金負債の減少870百万円(△31.4%)等によるものです。

この結果、負債合計は前連結会計年度末比11,251百万円減(△17.2%)の54,338百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末比1,973百万円増(3.1%)の66,390百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加4,105百万円(8.7%)等によるものです。

この結果、自己資本比率は54.8%(前連結会計年度末は49.4%)となりました。

 

(4)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末比15,081百万円減の12,776百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、減少した資金は13,541百万円(前連結会計年度は3,320百万円の資金の増加)となりました。

主な要因は、「(3)財政状態」に記載のとおり、支払サイトの短縮に伴う仕入債務の減少等の資金の減少要因が、税金等調整前当期純利益の計上等の資金の増加要因を上回ったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、減少した資金は232百万円(前連結会計年度は315百万円の資金の減少)となりました。

主な要因は、有形固定資産の取得によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、減少した資金は1,317百万円(前連結会計年度は1,711百万円の資金の減少)となりました。

主な要因は、短期、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払額が、短期、長期借入れによる収入を上回ったことによるものです。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

運転資金及び通常の設備投資資金につきましては、営業循環取引から生じる受取手形及び電子記録債権の決済、並びに完成工事未収入金の回収による資金を運転資金の基礎とし、必要に応じ金融機関から資金の借入れにより調達することとしております。運転資金需要のうち主なものは、工事原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備工事業の特性上、入金よりも支出が先行する傾向があり、大型工事については立替額が多額となるケースもあることから、借入による一定の資金余剰が必要となっております。

大規模な設備投資の計画が生じた場合につきましては、計画時点の資金の流動性などを鑑み、都度、調達方法を検討いたします。

当連結会計年度末における借入金(短期及び長期)の残高は5,370百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12,776百万円となっております。

(3)財政状態及び(4)キャッシュ・フローに記載のとおり、当社は取引先に対する工事代金の支払サイトを短縮しました。労働者不足が顕著となっている建設市場において、協力会社との更なる関係の強化・構築を図ることを目的としたもので、従来の120日から60日へ変更しております。

期日短縮による財政状態への影響は、サイト変更前の120日期日の支払が2019年3月までにすべて決済されているため、当連結会計年度までとなっております。

 

(5)生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる事業である設備工事業では、生産実績を定義することが困難であります。

また、請負形態をとっているため、販売実績という定義は実態に即しておりません。

よって、受注及び完成工事の実績については「(2)経営成績等の状況及び経営者の視点による分析・検討内容」において記載しております。

また、当社グループが営む事業の大半は提出会社によるものであるため、以下には提出会社の実績について記載しております。

 

受注工事高及び完成工事高の実績

① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

工事種別

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

第89期

自 2017年4月1日

至 2018年3月31日

電気工事

17,401

22,505

39,907

25,801

14,106

空調工事

70,874

91,217

162,091

85,188

76,903

水道衛生工事

28,033

32,208

60,241

31,385

28,856

116,309

145,932

262,241

142,376

119,865

第90期

自 2018年4月1日

至 2019年3月31日

電気工事

14,106

25,116

39,223

23,917

15,306

空調工事

76,903

92,420

169,324

92,123

77,200

水道衛生工事

28,856

39,137

67,993

37,808

30,185

119,865

156,675

276,541

153,849

122,691

  (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にも当該増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高―当期完成工事高)に一致します。

3.上記金額に消費税等は含まれておりません。

② 受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

工事種別

特命(%)

競争(%)

計(%)

第89期

自 2017年4月1日

至 2018年3月31日

電気工事

51.5

48.5

100.0

空調工事

34.3

65.7

100.0

水道衛生工事

34.7

65.3

100.0

第90期

自 2018年4月1日

至 2019年3月31日

電気工事

47.9

52.1

100.0

空調工事

30.6

69.4

100.0

水道衛生工事

32.4

67.6

100.0

 (注)百分比は請負金額比であります。

 

③ 完成工事高

期別

工事種別

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

第89期

自 2017年4月1日

至 2018年3月31日

電気工事

3,748

22,052

25,801

空調工事

15,752

69,436

85,188

水道衛生工事

5,561

25,824

31,385

25,062

117,313

142,376

第90期

自 2018年4月1日

至 2019年3月31日

電気工事

2,770

21,146

23,917

空調工事

13,836

78,286

92,123

水道衛生工事

5,116

32,691

37,808

21,724

132,125

153,849

(注)1.上記金額に消費税等は含まれておりません。

2.完成工事のうち主なものは次のとおりであります。

第89期の完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの

㈱富山村田製作所

富山村田製作所D棟 空調・水道衛生工事

㈱竹中工務店

松坂屋上野店南館建替 電気・空調工事

㈱竹中工務店

化血研合志工場新築 空調工事

㈱ホテルアンド

リゾート上越妙高

ロッテアライリゾート改修 電気・空調・水道衛生工事

清水建設㈱

獨協医科大学越谷病院新棟 空調・水道衛生工事

第90期の完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの

大成建設㈱

msb Tamachi田町ステーションタワーS棟・プルマン東京田町 空調工事

錢高組㈱

netXDC三田第2センター 空調・水道衛生工事

㈱大林組他JV

なんばスカイオ 電気・空調・水道衛生工事

清水建設㈱

南平台プロジェクト 空調・水道衛生工事

香川県高松市

高松市立みんなの病院 空調・水道衛生工事

3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりで

  あります。

第89期

 ㈱大林組  14,783百万円 10.4%

第90期

 該当はありません。

 

④ 次期繰越工事高(2019年3月31日現在)

工事種別

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

電気工事

5,011

10,294

15,306

空調工事

16,125

61,075

77,200

水道衛生工事

2,654

27,530

30,185

23,791

98,900

122,691

 (注)1.上記金額に消費税等は含まれておりません。

2.次期繰越工事のうち請負金額15億円以上の主なもの

大成建設㈱

羽田空港第2旅客ターミナル国際線施設 空調工事

2020年2月完成予定

大成建設㈱

春日・後楽園駅前再開発南街区 空調・水道衛生工事

2022年12月完成予定

大成建設㈱

四谷駅前再開発 空調工事

2020年1月完成予定

清水建設㈱

道玄坂一丁目駅前地区第一種再開発事業

空調・水道衛生工事

2019年10月完成予定

戸田建設㈱

聖マリアンナ医科大学新病院他 空調工事

2022年12月完成予定

 

4【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社は、高度化・多様化するお客さまのニーズに応え、持続可能な社会の発展に貢献するための研究開発を推進しています。また、継続的な成長を目指し、総合設備工事業の枠にとらわれない事業創出に向けた研究開発にも取り組んでいます。

当連結会計年度における研究開発の主な成果は以下のとおりです。子会社においては、研究開発活動は行われておりません。なお、研究開発費は647百万円でした。

 

(研究開発の内容)

(1)ZEB化技術に関する研究

自社オフィス「エネフィス九州」において、快適性、環境性能(エネルギー消費量や環境への負荷)などを運用上で監視・改善することで、世界的な建築物の環境性能認証システムである「LEED」の最高ランク「Platinum」を取得しました。また、ZEBリーディングオーナーとしての更なる取り組みとして『ZEB』(完全ZEB)を実現した「エネフィス四国」を2019年5月に建設いたしました。低炭素社会の実現に欠かせないZEBを普及させることは設備エンジニアリング会社の責務ととらえ、ZEBガイドラインよりも低コストで建設しています。

また、エネルギー消費量の削減技術と同時に、快適性・健康性を向上するための技術開発を進めており、国の進める働き方改革やWELL認証への対応にいち早く取り組んでいます。個人の熱的嗜好性の違いを補完するための送風・加熱機能付きオフィスチェア「クリマチェア」の開発や、室内全体の明るさ感を向上するための照明システムの開発を進めています。

 

※ZEB:net Zero Energy Buildingの略。建物で消費するエネルギーを再生可能エネルギーでまかなう建物を指す。このうち、消費エネルギーを標準的な建物の半分以下に削減した建物をZEB Ready、正味の消費エネルギーがゼロとなる建物を『ZEB』という。

※WELL認証:人間の健康・快適性を重点に考慮した認証制度。日本ではCASBEE-ウェルネスオフィスが開発されている。

 

(2)IoT(Internet of Things)技術を活用したスマートビル制御システムの開発

建築設備の通信を無線化し、自動制御装置をソフトウェア化してクラウドに実装するIoTスマートビル制御システム「リモビス」の開発が完了し、新たな形のビル運用サービスとして展開する準備を進めています。

エネフィス四国では、第一号のリモビス導入物件として『ZEB』(完全ZEB)の運用状況を遠隔で監視し、クラウドに蓄積したデータ解析結果に基づく運用ルールの改善も遠隔で実施します。この取り組みにより、サービスマンが現地に行くコストの削減や、改善ルールが適用されるまでの時間の短縮化が図られ、本サービスが建物のライフサイクルコストの削減に寄与することを検証します。また、オフィス空間の快適性向上に関して、リモビスが当社開発品のクリマチェアとビル空調の連携を担うことができるため、コスト削減と快適性向上を両立するスマートビル運用の実現につながります。

 

(3)ICTを活用した施工効率化に関する研究

労働人口減少のなか、品質を確保しつつ生産性を向上させるために、ICT(情報通信技術)を活用した施工効率化の研究開発を推進しています。

現場の状況を撮影したカメラ画像を3D化し、工事の進捗や品質管理をより詳細に、かつ、現地で目視するのと同等のレベルで把握できる技術を開発しています。今期は実証段階に入り当社の建設中の現場で有効性の確認を行っています。

これにより遠方の熟練者による支援の円滑化を図り、経験の浅い職員にも十分なサポートができる体制が構築できます。また、BIMやVR(バーチャルリアリティ)を活用することで、現場関係者の迅速な合意形成ができ、生産性向上および品質管理の精度向上につながります。

※BIM:Building Information Modelingの略。建物の設計や構造計算だけでなく、部材の選定、施工計画、コストなどを含めて総合的に管理するコンピューターシステム。建物に関する様々な情報をすべて一元的に管理することで、建設業務全体の効率化や、建築家・施工業者・施主の意思疎通を図ることができる。

 

(4)再生医療分野向け技術開発

将来を期待されている再生医療をより身近なものとするため、当社は細胞の培養や加工をする施設(CPF:Cell Processing Facility)の建設コストや運用コストを大きく低減させる提案や技術開発に積極的に取り組んでいます。

これまでに、細胞調製に必要な清浄環境を安価で構築することができる「エアバリアブース」を開発し、多くの企業・研究機関に採用されてきました。当期は、細胞の受入れから加工、出荷までを行うことができる「オールインワンCPユニット」を開発し、展開を始めています。毎年、大阪で開催される再生医療産業化展でも大変ご好評をいただきました。

展示会に来場されるお客様からの声や、セラボ殿町で推進しているオープンイノベーションを活用し、今後も再生医療分野の新たなニーズに応える開発に取り組み、それらをスピーディに市場展開していきます。

 

(5)照明設備に関する研究

快適かつ省エネな空間の創造には、照明設備の適切な設計が必要です。ZEBが普及するにつれ、省エネルギーを目的としたタスク&アンビエント照明システムが一般的になりつつありますが、机上が明るくても部屋全体が暗くなりすぎて陰鬱な環境になるという問題があります。

当社では、省エネを確保しつつも部屋全体が暗くなりすぎないように、室内の明るさ感を維持・向上させるためのシステムの開発に取り組んでいます。実用的なシステムを構築するために、実環境下(エネフィス九州や技術研究所オフィス)で評価しながら開発を進めています。

※タスク&アンビエント照明システム:周囲(アンビエント)を最低限の明るさとし、作業面(タスク)の明るさを確保する照明設計方法。