文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は創業以来、木造注文住宅にこだわり、お客様満足の追求を通じた社会貢献を経営理念としております。日本家屋の伝統的な技術である木造軸組工法に先進の「新木造システム」を組み合わせることにより、地域の気候風土・文化を踏まえつつ、高強度・高品質かつ高機能な新しい日本の住まいを提供し、日本の住文化に貢献することにより企業価値を高めてまいります。
また、当社グループは、お客様ニーズへのスピーディーな対応に併せ、商品力・提案力・サービス力を高め、お客様満足の向上に努めます。生産性を高め、収益性向上に取り組むとともに、経営の透明性を追求し、健全経営を行ってまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、効率・生産性向上の推進により、経営基盤を強化し、安定的な成長を示す経営指標として、売上高営業利益率を重視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループの中核事業である住宅事業におきましては、2019年10月に予定されている消費増税に伴う駆け込み需要、及び消費増税後の反動による新設住宅着工戸数の減少が見込まれております。また、国内人口の減少による住宅需要の減少や高齢化による職人不足等の懸念材料があります。
このような状況の中、当社グループはこの事業環境を踏まえ、2019年10月期を初年度とした「新未来3ヶ年計画」を策定いたしました。
この中期経営計画では、「経営力強化」・「営業力強化」・「社員力強化」を基本方針に掲げ、施工体制の強化を含めた組織の構築と人材育成による生産性向上、商品開発力の強化やブランド構築を成長戦略の柱としています。
また、ホテル事業においてはリニューアル投資及び首都圏における新規施設の開設を中心に、グループ全体として更なる収益力向上を目指し、株主価値の向上に努めてまいります。
当社グループの経営成績及び事業状況のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、個人向けの住宅請負建築を中心とした事業活動を行っております。当該事業は、景気動向、金利及び地価の変動、住宅関連政策及び税制の変更等による個人消費動向の変化に影響を受けやすく、景気見通しの悪化や金利の大幅な上昇、地価の高騰、消費マインドにマイナスとなる住宅関連政策及び税制変更等が生じた場合、顧客の購買意欲が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、以下の通り、住宅事業において、建設業法に基づき国土交通省から特定建設業許可を、宅地建物取引業法に基づき国土交通省から宅地建物取引業免許を受けております。また、建築士法に基づき各都道府県において一級建築士事務所として登録しております。当社グループの事業の継続には、これらの免許、許可及び登録が必要であり、将来において、これらの関連法令が改定された場合や新たな法規制が設けられた場合には、新たな義務や費用の発生等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループは、住宅事業においては、上記の他、建築基準法、都市計画法、国土利用計画法、住宅品質確保促進法等、ホテル事業においては、旅館業法、食品衛生法、温泉法、公衆浴場法等を受けております。当社グループでは、コンプライアンス規程を設け、これら諸法令の遵守に努めておりますが、今後これらの規制の改廃や新たな法的規制が設けられた場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
なお、本日現在において、当社グループの主要な事業活動に必須の免許または登録の取消事由・更新欠格事由に該当する事実は存在しておりません。しかしながら、今後、何らかの理由により免許及び登録の取消・更新欠格による失効等があった場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの住宅事業における資材等の調達にあたっては、安定的な調達価格を維持するために、原則として全支店及び営業所、子会社、協力工場の資材調達窓口を、当社の資材購買部で集約し管理しておりますが、主要材料である木材、その他原材料及び資材価格等が急激に上昇し、その状況を販売価格に転嫁することが難しい場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
住宅事業においては、当社独自の『60年保証制度』を提供するなど、品質管理には万全を期しておりますが、販売した物件に重大な瑕疵があるとされた場合には、直接的な原因が当社以外の責任によるものであったとしても、売主としての瑕疵担保責任を負う可能性があります。その結果、保証工事費の増加や、当社の信用の毀損等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
ホテル事業においては、ホテル内でレストランを運営しております。提供する食材並びに料理等の衛生管理については、十分注意するよう徹底しておりますが、万が一食中毒等が発生した場合は賠償費用の発生や信用の毀損等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、顧客に関する個人情報や各種の経営に係る重要情報を保有しております。そのため、それらの情報管理については、システム上のセキュリティ対策や個人情報保護規程等の整備及び運用を徹底し、社員教育等を積極的に行うなど万全を期しておりますが、万が一情報漏洩が発生した場合には、顧客からの信用失墜等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、様々な事業活動を行っており、それらが訴訟や紛争等の対象となる可能性があります。対象となった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
大規模な自然災害が発生した場合、施設等の回復費用や事業活動の中断による損失、顧客住宅の点検費用、当社の主要構造部材である木材、燃料等の供給不足、その他社会的な支援活動による費用の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
株式及び債券市場等の変動による年金資産の運用環境の悪化及び金利水準の大幅な変動による年金債務の割引率の見直し等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループが保有している事業用固定資産について減損処理が必要とされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社及び当社グループにおける当期末の有利子負債残高及びその総資産に占める割合は、それぞれ75億92百万円(18.6%)、80億63百万円(18.7%)と依存度が高いため、金利の上昇等は当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの主力事業である住宅事業においては、工事進行基準が適用される物件を除き、顧客への物件引渡し時に売上が計上されます。一方、当社グループの住宅事業における売上高は、北海道、東北地方、北陸地方といった多雪地域の占める割合が半数を超えております。これらの地域では、春先に着工し第4四半期に引き渡す物件の割合が高いため、売上高が第4四半期に集中する傾向があります。
連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善による消費の持ち直し、企業収益の改善による底堅い設備投資など、緩やかな回復基調が続きました。
住宅業界につきましては、低水準の住宅ローン金利や政府による住宅取得支援策が継続しているものの、国土交通省発表による新設住宅着工戸数(持家)は、前年同期比で減少傾向で推移しております。
このような事業環境の中、当社グループの中核事業である住宅事業では、檜の柱を使用し耐震・制震性に優れた住宅構造へのこだわり、高断熱・高気密の住宅基本性能と太陽光発電標準装備によるエネルギー自給自足へのこだわり、感謝訪問及び24時間対応コールセンターの自社運営による安全と安心へのこだわりの「3つのこだわり」を基本方針とし、「やまとシリーズ」・「J・シリーズ」などの主力商品、並びに「創業50周年特別記念商品」を中心とした販売推進に努めました。
以上の結果、売上高は458億25百万円(前年同期比1.1%減)、営業利益は21億21百万円(前年同期比49.8%減)、経常利益は17億62百万円(前年同期比54.9%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益はホテル森の風鴬宿及び一部の支店等に関して計上された減損損失により、58百万円(前年同期比97.9%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
住宅事業につきましては、販売用不動産売上高の増加等により、売上高は404億61百万円(前年同期比3.5%増)となりましたが、人件費増加による販売費及び一般管理費の増加等により、営業利益は30億13百万円(前年同期比30.9%減)となりました。なお、業績の先行指標である受注残高につきましては、前年同期末比36億34百万円増となりました。
ホテル事業につきましては、婚礼売上の減少等により、売上高は52億46百万円(前年同期比15.4%減)となり、営業利益は46百万円(前年同期比91.3%減)となりました。
その他事業につきましては、太陽光発電事業であり、売上高は1億17百万円(前年同期比20.6%増)、営業利益は69百万円(前年同期比24.7%増)となりました。
前連結会計年度末において、㈱銀河高原ビールの全株式等をグループ外部へ譲渡し「ビール事業」から撤退したことに伴い、当連結会計年度よりセグメントは、「住宅事業」、「ホテル事業」、及び「その他事業」となっております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループが営んでいる事業の大部分を占める住宅事業及びホテル事業は、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績を記載しておりません。
当社グループでは、当社の受注が大部分を占めているため、当社の受注状況を記載しております。
(注) 1 上記金額は全て販売価額により表示しております。
2 前期以前に受注した工事で契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。従って当期完成工事高にも、かかる増減額が含まれております。
3 次期繰越工事高の施工高は、未成工事支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
4 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期末繰越施工高)に一致いたします。
5 建築部門の完成工事高は、冬季の積雪等の影響により下半期に集中する傾向にあります。
6 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
7 当期完成工事高は、工事完成基準に拠っております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 前年同期比は、前連結会計年度末に撤退したビール事業の販売実績を含んだ数値で計算しております。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して、49億54百万円減少し、431億98百万円となりました。
流動資産は53億10百万円減少し、132億69百万円となりました。主な要因は、現金預金の減少66億76百万円、流動資産のその他の増加5億90百万円、販売用不動産の増加6億76百万円によるものであります。また、固定資産は3億55百万円増加し、299億29百万円となりました。主な要因は、無形固定資産の増加29百万円、及び投資その他の資産の増加8億55百万円、有形固定資産の減少5億29百万円によるものであります。
流動負債は9億99百万円減少し、144億29百万円となりました。主な要因は、短期借入金の減少6億85百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少8億20百万円、及び未払法人税等の減少3億61百万円、工事未払金の増加3億77百万円、及び未成工事受入金の増加3億91百万円によるものであります。また、固定負債は30億40百万円減少し、72億6百万円となりました。主な要因は、長期借入金の減少34億24百万円、リース債務の増加1億9百万円、及び固定負債のその他の増加1億23百万円によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して、9億13百万円減少し、215億62百万円となりました。これは、利益剰余金の減少8億58百万円等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末と比較して3.1ポイント上昇し49.4%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して66億76百万円減少し、29億73百万円となりました。営業活動により22億89百万円の資金を獲得し、投資活動により38億65百万円、財務活動により51億円の資金をそれぞれ使用しております。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動により獲得した資金は22億89百万円(前連結会計年度比55.5%増)となりました。その主たる要因は、減損損失30億25百万円の計上であります。
投資活動に使用した資金は、38億65百万円(前年同期の投資活動により獲得した資金は3億72百万円)となりました。その主たる要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出49億42百万円であります。
財務活動に使用した資金は、51億円(前年同期の財務活動に使用した資金は1億28百万円)となりました。その主たる要因は、長期借入金の返済による支出83億5百万円、配当金の支払額9億13百万円、長期借入れによる収入40億60百万円によるものであります。
分析については、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
なお、当企業集団のキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
(注) 1 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
2 債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
3 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払
(1) 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(2) 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。
(3) 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを
使用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象
としております。また、利払については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用してお
ります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。また、設備投資等の長期資金需要につきましては、自己資金はもとより、金融機関からの借入等、金利コストの最小化を図れるように資金調達を行っております。
特記事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、住宅事業において、住宅の基本性能である耐震性・耐久性の向上を中心に、省エネルギー、デザイン力の強化、施工合理化等に努め、お客様満足度の向上を目指しております。具体的な活動内容は、次の通りであります。
当連結会計年度においては、「創業50周年特別記念商品」として、「檜(ひのき)の家仕様」を全商品に標準仕様とし、さらに主力商品である、やまと「館」、やまと「華」、やまと「彩」には、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の家仕様」を標準仕様としております。
「檜(ひのき)の家仕様」は従来の構造材としての柱・土台に檜材を使用することに加え、檜のオリジナルデザイン内装材を多用し、健康をテーマに新たに開発した商品仕様であります。
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の家仕様」は、ZEHビルダー登録メーカーとして、2020年度までに、新築受注の50%以上をZEH仕様とする事業目標を加速させるべく、建物躯体の断熱性能UP、トリプルガラス樹脂窓の採用等により標準仕様でZEH(Nerly ZEHを含む)基準をクリアする商品仕様であります。
また、50周年記念展示場として、隈研吾建築都市設計事務所とデザイン監修契約を結び、東京都世田谷区の瀬田住宅展示場に、「近未来の木造住宅」をテーマにした展示場を平成30年3月にオープンしました。
前連結会計年度に引き続き、各住宅関連の賞を取得すべく開発を進め、「瀬田展示場」にてグッドデザイン賞(9度目)を受賞しました。「きぐみのいえ」、「めおと柱の家」の2提案で第12回キッズデザイン賞(9年連続)を受賞となりました。
本年度の研究開発活動と致しまして、大型パネルによる施工合理化に向けて社内プロジェクトを発足させ実用化に向けて動いてまいります。又、都市部に於ける木造建築受注増の為、木造2時間耐火の認定取得に向け各専門機関、メーカーと共同で研究を進めております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は4百万円であります。