第2【事業の状況】

「事業の状況」に記載した金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

    文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営の基本方針

当社およびグループ各社は、「誠実」ならびに「和して同ぜず」を社訓とし、企業理念として「私たちは安全第一を旨とし、お客様の満足を得られるものを誠実の心と先端の技術力でつくりあげ、未来に夢と希望を託せる働きがいのある企業を目指すとともに、社業の発展を通じて広く社会に貢献します。」と定めております。建設業を営む企業として、安全第一に仕事を遂行し、持てる技術力を最大限に投入して品質を確保することでお客様の高い評価を得るとともに、時代の趨勢や経営環境の変化に柔軟に対応して経営基盤の強化を図り、安定収益の確保と財務基盤の健全性を維持していくことを基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは顧客の信頼をベースにして安定的に受注し、売上を伸ばす中で利益を確保することに努めており、売上高経常利益率を経営指標として重視しております。

 

(3)経営環境及び中期的な会社の経営戦略

建設業界の中長期的な受注環境としては、激甚化する自然災害への備えや社会資本の老朽化への対応など建設市場が変化する一方、コロナ禍の影響により民間投資が低迷しており、先行きの不透明感が増しております。

そうした中、令和3年度から新たに第18次経営計画をスタートさせ、あらためて「安全と技術の名工」「社員が誇れる企業」を目指すことにしております。

 

 第18次経営計画(令和3年度~令和5年度)について

 世界経済を揺るがすコロナ禍の影響により、必要受注量の確保に苦戦を強いられることが予測されますが、企業理念に基づき、経営基盤を強化し、安定的な受注と収益を確保して難局を乗り越えていかなければなりません。

 安全への取り組みについては、安全最優先の企業風土は定着しつつあるものの、重大な事故に繋がりかねない事象も発生しております。マニュアルにのみ頼る行動や個々の事故事象への対症療法的対応だけではない切り口が必要です。一人ひとりが安全を優先することに対する意識を更に高め、「全員参加による安全文化確立のための『環境(組織)・人・仕組み』づくり」に向けた安全施策の定着を経営計画の中心に据えて取り組むこととします。

 次に品質確保においては、不適切な施工管理により不良事象を発生させれば顧客の信頼を失墜させることとなります。「技術の名工」の名に相応しい施工管理を行うために更なる体制強化と仕組みの構築を図る必要があります。

 また、コンプライアンスに関しては、不正・不適切行為を発生させることは、今まで培ってきた顧客並びに社会からの信頼の喪失に繋がることを強く認識し、すべての役員・社員がコンプライアンスの重要性について更に理解を深め、全社一丸となってその防止に取り組まなければなりません。

 社会環境に目を向ければ、今後、厳しい経済情勢が続くとの見方が高まる中、企業として生き残りを図る上で、収益力を高めることが更に重要となり、様々な努力をしていく必要があります。その中で、効率化を図り、働き方改革への適応を進めるためにDXの検討と推進は避けて通れない課題であり、社会的・技術的動向を見極めつつ取り組みを強化していくこととします。

 

第18次経営計画の目標として「スローガン」とともに経営目標と数値目標を定めています。「目指す企業像」の実現に向け「将来に向けたキーワード」を常に心掛けて取り組んでいく考えです。

◎スローガン 「3Cイノベーション」

 

◎経営目標  「信  頼(Confidence)」 安全・品質の追求と社会的責務の遂行

       「競 争 力(Competitiveness)」 低コストで顧客の多様なニーズに対応

       「実 行 力(Capability)」 変化を乗り越える技術力と機動力の発揮

 

◎数値目標  ・重大な労働災害・運転事故     ゼロ

       ・受注高              800億円以上

       ・売上高              800億円以上

       ・経常利益率            4.0%

 

◎目指す企業像     「安全と技術の名工」「社員が誇れる企業」

 

◎将来に向けたキーワード

      ・JRをはじめとする当社顧客からの信頼の堅持(事故・事象等の未然防止の確立)

      ・東京・大阪地区での受注基盤の確立などによる収益構造の強化

      ・業務の改革に必要な社員の意識・能力の向上と必要な環境の整備

      ・DX推進や各種情報の一元化・共有化など筋肉質な体質への強化

 

 

当連結会計年度を終えての第17次経営計画の実績

・経営目標1 「安全最優先の企業風土の定着」について

 当連結会計年度は、新たに「考え・気づく力を高める取り組みの推進」を活動方針に据え、企業憲章「安全第一の理念教育」をはじめとする3つの柱を軸に、安全意識や実行力の向上を図りました。また、過去の事象の教訓を踏まえ、「鉄道工事における安全対策の徹底」に取り組みました。

・経営目標2 「長期にわたるプロジェクトの確実な施工」について

 新幹線大規模改修工事および新幹線脱線・逸脱防止対策工事については、計画どおり確実に施工しました。

・経営目標3 「バランスのとれたゼネコンとしての総合力の強化」について

 企業評価点向上策をはじめとする既受注工事における総合評価方式への取り組みを継続し、当連結会計年度も高い工事評定点や工事表彰の獲得につなげることができました。土木部門においては橋梁下部工事、河川改修工事、高速道路耐震補強工事など技術力向上や安定的かつ持続的な事業量の確保につながるような工事実績を蓄積し、競争力向上に努めました。しかしながら建築部門においては、コロナ禍の影響もあり、建設計画の先送りや中止が相次ぎ、民間工事の受注が大幅に減少することとなりました。

・経営目標4 「持続的成長を目指す経営基盤の強化」について

 鉄道関連工事・官公庁工事・民間工事の中長期的な完成工事高を念頭に置いて、企業活動の持続的成長のため、要員の確保と定着、人材の育成に取り組みました。当連結会計年度には当社において54名の新入社員が入社しました。また、女性活躍の推進、多様な人材(高齢者、障がい者)の活用を全社で支援しました。

 また全社を挙げてワーク・ライフ・バランスの推進(年10日間以上の有給休暇取得・週1回の定時帰宅・現場での月2回の土曜休日の取得・適切な勤務時間管理の徹底)に取り組みました。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

前項で述べたとおり、引き続き新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞で不況の深刻化が懸念されておりますが、予定されている大型案件の受注なども考慮し、当社グループは令和4年3月期の受注高を前期比3,050百万円増の83,500百万円、売上高は前期比7,678百万円減少の81,000百万円と計画しております。また、上記の第18次経営計画を踏まえ、令和3年度経営重点事項を下記の通り定めております。

 

①「信 頼」 安全・品質の追求と社会的責務の遂行

〇全員参加による安全文化確立のための「環境(組織)・人・仕組み」をつくる。

〇品質管理能力の向上を図るとともに、非現業による現場支援など管理体制の強化を行う。

 〇自律的なコンプライアンス風土を確立するとともに、リスクへ迅速かつ組織的に対処する。

〇CSR・ESG・SDGsの推進、BCP・働き方改革の取り組みにより社会的信頼を高める。

②「競争力」 低コストで顧客の多様なニーズに対応

 〇安全・品質確保を前提とした工事原価圧縮や業務全般におけるコスト縮減を図る。

〇JR工事は、確実な工事遂行と課題解決提案などの能動的な営業戦略により、信頼を堅持する。

〇官公庁工事は、官積算精度・技術提案力・企業評価点の向上により、受注拡大を図る。

〇民間建築は、低価格の徹底的な追求と戦略的な既存顧客との関係強化、新規顧客の開拓を行う。

〇大型工事への参画の検討や当社ノウハウを活用した取り組みなど、成長戦略を進める。

③「実行力」 変化を乗り越える技術力と機動力の発揮

〇情報セキュリティを強化するとともに、DX推進による業務執行方法の変革を図る。

〇個々人の能力と工事実績を踏まえた技術力向上とターゲットを明確にした技術開発を推進する。

〇中長期的な視野に立って、女性社員、シニア層などの活躍を推進し、効果的な人材育成を図る。

〇長期的な視点で要員を確保しつつ、確実な施工のための機動的な要員配置を進める。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、これらのリスクや不確定要因に対して、「危機管理規定」に基づきリスクの分類や管理方法を定め、危機管理委員会を適時開催し、方針、体制、具体策等を審議決定し、予防や分散・リスクヘッジなどに努め、企業活動への影響を最小限に軽減できるよう対応してまいります。

 

(1)建設投資の動向

 当社グループの受注・売上高は、公共投資や民間企業の設備投資に負うところが大きく、国内景気に影響されやすいものとなっております。公共投資の縮小、民間設備投資の減少、特に東海旅客鉄道株式会社の設備投資額の変動は業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは東海旅客鉄道株式会社と安全施工を通して信頼関係の強化に努め、設備投資の動向を注視しております。

 

(2)事故防止と安全確保

 日頃より事故防止と安全確保は最重要な経営課題のひとつとして全社を挙げて取り組んでおりますが、万一、重大な業務事故などが発生しますと、社会的信用と主要なお客様の信頼を損なうリスクがあります。当社グループは社長を委員長とした安全推進委員会(経営会議メンバー・各支店長)を毎月開催し、安全規範である「安全への取り組み」に基づき、現場の管理状況を確認し、毎月の重点目標を全職員に周知徹底しております。さらに社長以下経営幹部、各事業本部、支店部門ごとに安全パトロールを実施し、安全施工の徹底を図っております。

 

(3)原材料・技能労働者の確保並びに価格の高騰

当社グループは工事施工にあたり原材料・技能労働者の確保が困難となり、これらの価格が高騰し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおきましては、引き続き選別受注を強化し、協力業者等との情報交換を密に原材料及び技能労働者の確保を計画的に行います

 

(4)信用リスク

 当社グループは建設業が主体であるため、1件当たりの取引は多額であります。したがって発注者からの資金の回収の遅滞または不能となった場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。信用リスクの管理については民間工事等の受注に際し、与信管理要領に基づき与信・特異事項検討委員会において入札参加の可否について慎重に決定しております。

 

(5)完成工事に対する契約不適合責任

 工期遅延や完成工事に対する契約不適合責任が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは建設事業者として、工期や品質などについては品質・環境マネジメントシステムの運用等を通して、常に細心の注意を払っております。

 

(6)保有資産の下落リスク

 当社グループは有価証券、土地等を相当額保有しています。将来、株式や土地の時価が大きく下落した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。有価証券の保有については当社の企業価値向上に資するか様々な検討を経営会議で行い、取締役会で審議・決議しております。また、土地等についても稼働状況を審議し、低稼働・遊休化した不動産については販売用不動産に所有目的を変更し、随時処分しております。

なお、有価証券、販売用不動産については時価が3割以上下落した場合は評価損を計上し、固定資産の不動産については減損会計を適用し、遊休化した時点で時価を厳しく見積もり、資産評価を行っております。

 

(7)大規模災害等および未知の感染症の蔓延

 予期せぬ災害が発生した場合には従業員や保有資産に対する損害のほか、事業環境の悪化ないしはその懸念から業績に影響を与える可能性があります。当社グループは大規模災害等の備えとして、BCPマニュアルを整備しており、具体的には地震等の災害発生時においては安否確認システムにより従業員の安否及び被災状況の確認や、震度5以上の地震発生時には本支店に災害対策本部を設置し対応しております。また毎年災害の発生を想定し、防災訓練、消防訓練を行っております。

 新型コロナウイルス感染症への対応としましては、経営会議において基本的な行動方針を定め、特別措置法の成立を受け「新型コロナウイルス対策本部」を設置し、①感染防止を優先しつつ業務を継続する、②発注者からの緊急要請時に即応できる体制を維持する、の2点を基本方針として感染防止策を策定し実施しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による不況の深刻化の懸念から、当社グループの事業において発注者の経営状態の悪化に伴う貸倒れの発生や、工事の一時中止、建築資材の調達不足による工事遅延、また株価下落による保有株式の含み益の減少や、減損処理に伴う自己資本の減少、年金資産の運用利回り低下による退職給付債務の拡大等業績に悪影響を及ぼす可能性があります

 

(8)訴訟リスク

 当社グループは法令及び契約等を遵守し、安全施工に努めていますが、広範な業務の中で損害賠償請求などの訴訟を提起された場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社はリスクを、災害・事故関連、社会・経済関連、経営全般と分類し、コンプライアンス部を中心に対応しております。また社長を委員長とする危機管理委員会を年4~5回開催し各種リスクについて情報収集、分析及び評価を行い、必要に応じ取締役会に結果を提言しております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、企業行動や消費行動が抑制され、厳しい状況下におかれました。年度後半にかけ一部で企業収益改善の動きがみられましたが、景気は総じて先行き不透明な状況が続いております。

 建設業界においては、国土強靭化計画等を背景とする関連予算の執行により公共投資は堅調に推移する一方、民間の設備投資は、企業が慎重な姿勢を崩さず、依然として厳しい状況が続いております。

 

 当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前期比15.0%減少の80,449百万円となりました。売上高は前期比4.6%減少の88,678百万円となりました。利益面では、経常利益は前期比9.9%減少の6,610百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比9.7%減少の4,536百万円となりました。

 

 

セグメントの経営成績は、次の通りであります。

(建設事業)

 当連結会計年度については、完成工事高は前年同期比4,082百万円(4.4%)減少の89,282百万円となり、セグメント利益は前年同期比986百万円(8.4%)減少の10,788百万円となりました。

 

(不動産事業等)

 当連結会計年度については、兼業事業売上高は前年同期比92百万円(7.7%)減少の1,104百万円となり、セグメント利益は前年同期比30百万円(6.8%)減少の420百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は22,420百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,467百万円増加しました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が2,336百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益で6,568百万円、売上債権の減少で937百万円、減価償却費で1,085百万円、仕入債務の増加で725百万円などにより7,214百万円の収入超過となりました。(前期は8,506百万円の収入超過)

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入が15百万円ありましたが、有形固定資産の取得による支出で878百万円、投資有価証券の取得による支出で200百万円などにより、1,086百万円の支出超過となりました。(前期は256百万円の支出超過)

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入が1,000百万円ありましたが、配当金の支払額で795百万円、短期借入金が純額で1,000百万円減少したことなどにより、660百万円の支出超過となりました。(前期は438百万円の収入超過)

 

・資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの資金需要の主なものは、建設事業の工事費、販売費及び一般管理費等の営業費用、建設事業に係る拠点の整備や工事機械の取得費用等の設備投資及び株主還元としての配当等であります。これらの資金は安定収益確保のもと、内部留保による手元資金の積上げ、金融機関からの借入により資金調達を行っております。なお、金融機関からの期末の借入比率10%以内、当社グループの運営に必要な手元水準を年間売上の概ね2.5ヶ月程度と目標を定め資金調達を行っております。また新型コロナウイルス感染症が経営成績に与える影響額は合理的に見積もることができませんが、工事の一時中止等急な環境変化にも対応できるよう金融機関に未使用の借入枠を有しており、手元資金と併せて運転資金は余裕をもって確保しております。

 なお、当社グループの配当政策は、第4「提出会社の状況」3「配当政策」に記載のとおりであります。

 

 

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、当連結会計年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。経営者はこれらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。

 当社グループでは、特に以下の重要な会計方針の適用が、その作成において使用される見積り及び予測により、当社グループの連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

①完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上

 完成工事高の計上は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準を適用するにあたり工事原価総額を、工事契約の変更や悪天候による施工の遅延や建設資材単価や労務単価等の変動について仮定を設定し、作業効率等を勘案して、工事の各段階における工事原価の詳細な見積りを内容とする実施予算として適切に作成しております。そのうえで工事原価の発生額と対比して適切な見積りの見直しを行っておりますが、施工中の事故や天災、経済情勢の悪化や新型コロナウイルス感染症による工事の一時中止等不測の事態の発生により、主要建設資材の高騰や、想定外の追加原価の発生、工事遅延による損害賠償等により工事原価総額の見積りが大きく変動し、工事収益が変動する可能性があります。

 また手持工事のうち損失の発生が見込まれるものについて、その損失見込額を計上しております。損失見込み額の算定に際しては入手可能な情報から過去の経験を基礎とした工事原価総額が請負金額を超えた金額を引当てております。また発注者との変更契約の変更や工事内容の変更により工事原価が増減する場合があります。このような仮定要素があるため将来の損益は見積り金額と異なる場合があります。

 

 

②繰延税金資産の回収可能性の評価

繰延税金資産の回収可能性の判断に際しては、税金費用の軽減効果について、当社グループの事業から将来の課税所得が十分に見込めるかを合理的に見積もっております。これらの見積もりは、中期経営計画および毎期の事業計画に基づき算定しておりますが、将来において当社グループをとりまく環境に大きな変化があった場合など、その見積額が変動した場合は、繰延税金資産が変動する可能性があります。

 

 

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

①受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成31年4月1日

至 令和2年3月31日)

当連結会計年度

(自 令和2年4月1日

至 令和3年3月31日)

建設事業(百万円)

94,660(  2.3%増)

80,449( 15.0%減)

 

②売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成31年4月1日

至 令和2年3月31日)

当連結会計年度

(自 令和2年4月1日

至 令和3年3月31日)

建設事業(百万円)

91,855( 3.9%減)

87,638( 4.6%減)

不動産事業等(百万円)

1,136( 15.5%増)

1,039(  8.5%減)

合計(百万円)

92,992(  3.7%減)

88,678(  4.6%減)

 

(5)建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績

当連結企業集団では、生産実績を定義する事が困難であるため、「生産の実績」は記載しておりません。

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次の通りであります。

① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期

繰越工事高

(百万円)

当期

受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期

完成工事高

(百万円)

次期

繰越工事高

(百万円)

 

前事業年度

(自 平成31年4月1日

至 令和2年3月31日)

 

土木工事

52,994

69,774

122,768

67,315

55,452

建築工事

19,882

23,025

42,908

23,245

19,663

72,876

92,799

165,676

90,561

75,115

 

当事業年度

(自 令和2年4月1日

至 令和3年3月31日)

 

土木工事

55,452

63,700

119,153

63,811

55,342

建築工事

19,663

15,335

34,998

22,003

12,995

75,115

79,036

154,151

85,814

68,337

(注).前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがいまして当期完成工事高にもその増減額が含まれます。

.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致します。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

合計(%)

前事業年度

(自 平成31年4月1日

至 令和2年3月31日)

土木工事

75.9

24.1

100

建築工事

59.5

40.5

100

当事業年度

(自 令和2年4月1日

至 令和3年3月31日)

土木工事

78.1

21.9

100

建築工事

42.3

57.7

100

(注) 百分比は請負金額比であります。

③ 売上高

(イ)建設事業(完成工事高)

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度

(自 平成31年4月1日

至 令和2年3月31日)

土木工事

14,226

53,089

67,315

建築工事

6,553

16,691

23,245

20,780

69,780

90,561

当事業年度

(自 令和2年4月1日

至 令和3年3月31日)

土木工事

13,313

50,497

63,811

建築工事

8,923

13,080

22,003

22,236

63,578

85,814

(注)1.前事業年度の完成工事のうち請負金額5億円以上の主なもの

中日本高速道路(株)

新東名高速道路 伊勢原JCT~伊勢原北IC間管理施設新築工事

愛知県

橋りょう整備事業 県道羽島稲沢線 新濃尾大橋 下部工事(H28)

東海旅客鉄道(株)

米原保線所管内土木構造物大規模改修その他工事(RC橋H31)

アルフレッサ(株)

アルフレッサ(株)京都研修所改修工事

東洋紡エンジニアリング(株)

東洋紡(株)敦賀事業所 TFC棟建設工事

 

当事業年度の完成工事のうち請負金額5億円以上の主なもの

中日本高速道路(株)

新東名高速道路 御殿場インターチェンジ管理施設新築工事

愛知県

橋りょう整備事業県道羽島稲沢線新濃尾大橋下部工事(誰もが働きやすい現場環境整備工事)

東海旅客鉄道(株)

大井保線所管内大井中央陸橋P7・P8橋脚(上部工)耐震補強その他工事

(株)フジトランスコーポレーション

フジトランスコーポレーション豊田物流センター2号倉庫 新築工事

三菱地所レジデンス(株)

台東区小島2丁目計画新築工事

 

.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次の通りであります。

 

前事業年度

 

 

東海旅客鉄道株式会社

56,737百万円

     62.7%

 

当事業年度

 

 

東海旅客鉄道株式会社

52,364百万円

     61.0%

(ロ)兼業事業(兼業事業売上高)

期別

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度

(自 平成31年4月1日

至 令和2年3月31日)

1,066

1,066

当事業年度

(自 令和2年4月1日

至 令和3年3月31日)

996

996

 

④ 次期繰越工事高(令和3年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

土木工事

14,164

41,177

55,342

建築工事

7,101

5,893

12,995

21,266

47,071

68,337

(注)次期繰越工事のうち請負金額5億円以上の主なもの

鉄道建設運輸施設整備支援機構

北陸新幹線、福井軌道敷設他

令和4年12月竣工予定

中日本高速道路(株)

東名高速道路 牧之原サービスエリア(下り線)他休憩施設改修他工事

令和4年4月竣工予定

東海旅客鉄道(株)

京都保線所管内土木構造物大規模改修その他工事(RC橋R3その2)

 

令和4年6月竣工予定

東山フイルム(株)

東山フイルム瑞浪工場 研究開発棟新築工事

令和3年6月竣工予定

樽見鉄道(株)

樽見鉄道樽見線 美江寺駅~北方真桑駅(9km600m付近)単独立体交差工事

令和4年3月竣工予定

 

 

 

(6)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 

① 財政状態の分析

・資産

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度に比べ電子記録債権が減少しましたが、現金預金、投資有価証券の増加などがあり、総額では前期比6,113百万円増加して95,120百万円となりました。

 流動資産は前期比5,268百万円(8.8%)増加の65,275百万円、固定資産は前期比844百万円(2.9%)増加の29,845百万円となりました。

 流動資産の増加の主な要因は、電子記録債権が前期比614百万円減少しましたが、現金預金が前期比5,467百万円、流動資産のその他が前期比800百万円増加したことなどによるものです。

 固定資産の増加の主な要因は、無形固定資産がソフトウエアの減価償却費を中心に前期比149百万円減少しましたが、有形固定資産が前期比22百万円増加し、加えて投資その他の資産で投資有価証券が前期比990百万円増加したことなどによるものです。

 

・負債

 当連結会計年度末の負債は、仕入債務の増加等があり前期比1,032百万円(2.7%)増加し39,285百万円となりました。

 流動負債は前期比746百万円(2.6%)増加の29,909百万円、固定負債は前期比285百万円(3.1%)増加の9,376百万円となりました。

 流動負債の増加の要因は、短期借入金が前期比596百万円、未払法人税等が前期比274百万円減少しましたが、支払手形・工事未払金等が前期比910百万円、流動負債のその他が前期比763百万円増加したことなどによるものです。

 固定負債の増加の要因は、長期借入金が前期比268百万円、退職給付に係る負債が前期比795百万円減少しましたが、社債が前期比800百万円、繰延税金負債が前期比538百万円増加したことなどによるものです。なお、借入金比率は前期比0.2ポイント減少の5.7%となっております。

 

・純資産

 当連結会計年度末の純資産は、その他有価証券評価差額金が前期比563百万円、退職給付に係る調整額が前期比765百万円、利益剰余金が前期比3,741百万円増加したことなどにより、前期比5,081百万円(10.0%)増加の55,834百万円となりました。

 

② 経営成績の分析

・受注高

 当連結会計年度の受注高は前期比14,211百万円(15.0%)減少の80,449百万円となりました。

 内訳は、土木部門につきましては、官公庁、民間ともに減少しました。特に民間部門で新幹線大規模改修工事の受注減が大きく、前期比6,064百万円(8.7%)減少の63,724百万円となりました。

 建築部門につきましても、官公庁、民間ともに減少しました。特に新型コロナウイルス感染症の影響にともない、民間の設備投資姿勢が慎重になり、工事計画の延期や見直しなどが相次いだことなどで大幅な受注減となり、前期比8,147百万円(32.8%)減少の16,724百万円となりました。

 

・売上高

 当連結会計年度の完成工事高は、土木部門は受注が減少したことにより前期比3,495百万円(5.2%)の減少となり、建築部門は官公庁工事では期初の繰越工事が多かったこともあり前期比で増加しましたが、民間工事の大幅な受注減少の影響により前期比720百万円(2.9%)減少したことにより、全体では前期比4,216百万円(4.6%)減少の87,638百万円となりました。

 兼業事業の売上につきましては、JPタワー名古屋の賃貸収入はほぼ前期並みでありましたが、販売用不動産売却が減少したことなどにより前期比96百万円(8.5%)減少し1,039百万円となりました。以上の結果、売上高全体では、前期比4,313百万円(4.6%)減少の88,678百万円となりました。

 

・営業利益

 完成工事高の減少と、工事利益率が低下したことにより完成工事総利益が前期比993百万円(8.4%)減少しました。加えて販売用不動産売却が減少したことなどにより兼業事業総利益も30百万円(6.8%)減少しましたので売上総利益は前期比1,023百万円(8.4%)減少し11,211百万円となりました。販売費及び一般管理費が新型コロナウイルス感染防止の為の自粛により前期比244百万円(4.7%)減少しましたが、営業利益は前期比779百万円(11.0%)減少して6,297百万円となりました。

 なお、新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響としましては、建築部門における一部資材の納入の遅延や、兼業事業におけるJPタワー名古屋においては、政府の外出自粛要請から来館者数が減少し、その影響により商業施設の売上及び駐車場利用台数に減少が見られましたが、いずれも当連結会計年度の営業利益に及ぼす影響は軽微であります。

 

・経常利益

 受取配当金の計上などにより営業外収益が401百万円、営業外費用が88百万円となりましたが、営業利益が前期比779百万円減少したことにより、経常利益は前期比723百万円(9.9%)減少して6,610百万円となりました。

 

・税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益

 経常利益の減少に加え、特別損失で金山駐在事務所(下呂)他3事務所解体等による固定資産除却損34百万円と富士宮事務所の土地・建物の減損損失11百万円が発生したことなどにより、税金等調整前当期純利益は前期比804百万円(10.9%)減少の6,568百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比487百万円(9.7%)減少の4,536百万円となりました。

 

(7)目標とする主な経営指標の達成状況

当社グループは平成30年度を初年度として「第17次経営計画」をスタートさせておりますが、最終年度となる当連結会計年度における主要な数値目標との比較は下記のとおりであります。

 

項  目

数値目標

前連結会計年度

当連結会計年度

受 注 高

850億円以上

946億円

804億円

売 上 高

850億円以上

929億円

886億円

経常利益率

4.5%

7.9%

7.5%

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 高度かつ多様化する社会ニーズに対応し、生産性の向上及び環境保全を図るため、土木・建築・軌道の分野で施工技術の改良、新しい技術の開発に取り組んでおります。なお、当連結会計年度における研究開発費は、26百万円であります。主な研究開発への取り組みは以下の通りであります。

 

(建設事業)

 これまで、「超長距離圧送ネオグラウト工法」や「SMIC(スミック)工法」などの技術を独自に開発して実用化しております。このような技術に続く、受注拡大に寄与する当社独自技術の開発と、新しい技術に対応するべく、ニーズを捉え、効果を見据えながら、研究開発に取り組んでおります。

 

①ポータブル基礎杭打ち機の施工範囲拡大

 狭隘で重機が入れない場所でも施工可能なポータブルな基礎杭打ち機(鋼管回転圧入機、鋼管径200mm用)を独自に開発して実用化し、新幹線の防音壁や線路防護柵等の基礎杭の施工に採用されて工事実績を伸ばしております。鉄道線路の盛土部等だけでなく、ホーム上で安全・効率的に杭打ちが施工できるよう、杭打ち機のストロークや回転速度を向上させ、自走運搬機械(クローラキャリア)に搭載した2号機の製作により性能を確認し、より安全・効率的となるようにさらなる改良を行いました。前期から当期にかけて、名古屋地区での駅ホーム可動柵基礎新設の杭打ち工事を実施し、計画数量を打設することができたため、開発を終了しました。

 

②杭と柱を一体化させる構工法の技術構築

 建築工事において、杭と柱を一体化させる構工法を開発しております。工場や業務用施設、ホーム上の上家などにおいて工期短縮や工事エリア縮小等の効果が見込め、過去にも比較的規模の小さい建物向けの技術を確立しており、弊社業務施設に実際に適用して建物を建設して使用しております。第78期には、本構工法を規模の大きい建物に適用するべく適用範囲拡大のための技術構築を行い、前期に技術評価を取得するべく設計施工マニュアルの作成を行いました。当期は、技術評価を取得するための諸手続きを実施しました。

 

③多目的トロ用両側レール積卸機の開発

 線路の保守作業に使用する多目的運搬車両に取り付け可能で、車両のどちらの側からもレールを積込み・取卸しすることのできるレール積卸機の開発を行っています。製作はほぼ終了し、現地(保守基地)での性能確認作業を行っており、次期に現場へ導入する予定です。

 

 

(不動産事業等)

    研究開発活動は、特段行っておりません。