第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、円安による企業収益の増加、設備投資の持ち直しおよび雇用情勢の改善により緩やかな回復基調が続いており、また、海外経済も金融危機からの回復傾向にある。

 国内建設業界においては、民間設備投資は伸び悩みが見られるものの、公共投資に支えられ堅調に推移した。

 当社グループは、中期経営計画(2014年度~2016年度)に基づいて、具体的な施策①「選択と集中による安定した収益力の確保」、②「技術力の向上と技術の継承」、③「防災・減災工事、維持・修繕工事への取組強化」を全社を挙げて取り組み、業績の進展に努めてきた。その結果、最終年度の受注高、売上高は計画を達成することができたが、利益面において米国現地法人JAFEC USA,Inc.の工事採算が計画を大幅に下回ったことにより損失が発生し、安定した収益力が今後の課題となった。

 当連結会計年度の業績については、国内では首都圏を中心とした都市再開発整備事業、東北、九州地区における地盤改良等を中心に受注が堅調となった。一方、米国現地法人では予定していた大型地盤改良工事の受注が先送りとなり計画を下回った。その結果、受注高は、「重機工事」が71億67百万円(前期比52.6%増)、「その他土木工事」が45億96百万円(前期比133.6%増)、「法面保護工事」が41億96百万円(前期比22.2%減)、「注入工事」が33億6百万円(前期比29.3%減)で、受注は全体として前期比25億19百万円(11.3%)増の248億93百万円となった。

 売上高は、大型工事の着工遅れ等により、全体として前期比30億56百万円(12.7%)減の210億57百万円となった。その主な内容は、「重機工事」が62億74百万円(前期比18.3%減)、「注入工事」が38億19百万円(前期比17.4%減)、「法面保護工事」が33億57百万円(前期比19.4%減)、「その他土木工事」が21億81百万円(前期比7.3%増)となっている。

 利益面では、国内工事で年度後半に利益を積み増ししたものの、米国現地法人における工事において施工方法の変更や想定外の地質問題に起因する工事遅延、最終精算の遅延等の影響により、営業損益は3億5百万円の営業損失となった(前期は14億21百万円の営業利益)。経常損益については、営業外収支が改善したものの1億67百万円の経常損失となった(前期は13億33百万円の経常利益)。親会社株主に帰属する当期純損益については、米国現地法人の所有する固定資産の減損損失3億40百万円の計上等により、8億95百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となった(前期は9億51百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11億44百万円の減少となり、56億98百万円となった。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、7億24百万円の収入(前連結会計年度は11億20百万円の収入)となった。

 これは、減価償却費9億21百万円(前連結会計年度は8億6百万円)、売上債権の減少額7億1百万円(前連結会計年度は9億55百万円の支出)及び未成工事受入金の増加額5億90百万円(前連結会計年度は13百万円の収入)等により資金が増加した一方で、税金等調整前当期純損失5億66百万円(前連結会計年度は13億78百万円の収入)や未成工事支出金の増加額8億44百万円(前連結会計年度は13百万円の収入)等により資金が減少したことが主な要因である。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、14億55百万円の支出(前連結会計年度は15億19百万円の収入)となった。

 これは、有価証券及び投資有価証券の取得による支出と売却及び償還による収入の合計で5億3百万円の収入(前連結会計年度は6億17百万円の収入)を獲得したものの、有形固定資産の取得により21億9百万円を支出(前連結会計年度は26億3百万円の支出)したことが主な要因である。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3億84百万円の支出(前連結会計年度は4億74百万円の支出)となった。

 これは、配当金の支払額が2億25百万円(前連結会計年度は2億27百万円の支出)となった他、リース債務の返済による支出が1億19百万円となった(前連結会計年度は1億30百万円の支出)ことが主な要因である。

 (注) 上記金額には消費税等は含まれていない。以下、「2.生産・受注及び販売の状況、第3 設備の状況」の金額についても同様である。

2【生産・受注及び販売の状況】

(1)受注実績

区 分

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(百万円)

建設工事

21,477

23,486

( 9.4%増)

建設コンサル・地質調査等

895

1,406

(57.1%増)

合 計

22,373

24,893

(11.3%増)

 

(2)売上実績

区 分

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(百万円)

建設工事

23,255

19,958

(14.2%減)

建設コンサル・地質調査等

857

1,099

(28.1%増)

合 計

24,113

21,057

(12.7%減)

(注)1.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。

2.受注実績、売上実績とも「建設コンサル・地質調査等」には、前連結会計年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として107百万円、当連結会計年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として118百万円がそれぞれ含まれている。

3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。

 

  なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

(1)受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

前事業年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)

工種別

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

法面保護工事

2,869

5,390

8,260

4,162

4,098

ダム基礎工事

480

1,158

1,638

844

794

アンカー工事

2,093

2,174

4,268

2,685

1,583

重機工事

1,691

3,327

5,019

3,964

1,054

注入工事

2,143

4,678

6,822

4,625

2,196

維持修繕工事

16

641

657

592

64

環境保全工事

557

770

1,327

637

690

その他土木工事

709

1,967

2,677

2,032

644

建設コンサル・地質調査

177

895

1,072

849

223

10,739

21,004

31,744

20,393

11,350

 

当事業年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)

工種別

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

(百万円)

法面保護工事

4,098

4,196

8,294

3,357

4,937

ダム基礎工事

794

800

1,594

1,188

405

アンカー工事

1,583

2,182

3,765

1,892

1,872

重機工事

1,054

5,099

6,154

3,254

2,899

注入工事

2,196

3,306

5,503

3,819

1,684

維持修繕工事

64

424

488

371

116

環境保全工事

690

812

1,502

872

629

その他土木工事

644

4,596

5,241

2,181

3,060

建設コンサル・地質調査

223

1,406

1,630

1,099

531

11,350

22,824

34,175

18,037

16,137

 (注)1.賃貸収入等工事以外の売上は、「建設コンサル・地質調査」に含めている。

2.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。

3.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)である。

4.「その他土木工事」は、一般土木工事、土留工事、推進工事、建築および造成地の基礎杭工事ならびに地すべりの防止および災害復旧工事等である。

5.「注入工事」は、地盤補強・止水のための都市部における薬液注入工事、老朽溜池、トンネル裏込、管路・水路の充填・閉塞のグラウト工事等である。

6.「建設コンサル・地質調査」の[当期受注工事高][計][当期完成工事高]のそれぞれの欄には前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として107百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として118百万円がそれぞれ含まれている。

 

(2)受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別される。

期別

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

92.8

7.2

100

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

89.0

11.0

100

 (注) 百分比は請負金額比である。

(3)完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

法面保護工事

2,848

1,313

4,162

ダム基礎工事

829

14

844

アンカー工事

2,469

215

2,685

重機工事

1,968

1,996

3,964

注入工事

2,315

2,309

4,625

維持修繕工事

546

46

592

環境保全工事

231

405

637

その他土木工事

1,342

690

2,032

建設コンサル・地質調査

636

212

849

13,188

7,204

20,393

当事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

法面保護工事

2,651

705

3,357

ダム基礎工事

1,157

30

1,188

アンカー工事

1,183

709

1,892

重機工事

1,661

1,592

3,254

注入工事

2,273

1,545

3,819

維持修繕工事

300

71

371

環境保全工事

727

144

872

その他土木工事

1,578

602

2,181

建設コンサル・地質調査

881

217

1,099

12,417

5,619

18,037

 (注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。

2.区分の建設コンサル・地質調査欄の民間には、前事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として107百万円、当事業年度に不動産の賃貸収入および植物工場売上として118百万円がそれぞれ含まれている。

3.完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

前事業年度の完成工事のうち請負金額4億円以上の主なもの

青山機工(株)

:浜岡防波壁設置工事(東工区)5号特殊部地盤改良

清水・奥村石巻市復興整備事業共同企業体

:石巻半島部造成 地盤改良・薬注 (河北)二子地盤改良工事CDM

(株)安藤・間

:第二東名高速道路岡崎サービスエリア工事

鉄建建設(株)

:千葉駅改良・駅ビル建替工事他

戸田建設(株)

:(仮称)大手町一丁目第3地区第一種市街地再開発事業新築工事に伴う除去式アンカー工事

 

当事業年度の完成工事のうち請負金額5億円以上の主なもの

清水・京成・東急建設共同企業体

:東京外かく環状道路(千葉県区間)建設に伴う京成電鉄本線(18K156m付近)との交差部に伴うDCI多点注入

(株)奥村組

:東北中央自動車道上山インターチェンジ工事法面工

佐藤工業(株)土木事業本部土木事業企画部

:西名古屋火力発電所7号系列 冷却水取水設備他工事

東鉄・鉄建共同企業体

:上中里・王子間盛土耐震補強その他工事

(株)ミヤマ工業

:平成27年度伊江農業水利事業 伊江地下ダム東工区(その2)整備工事 地盤改良工

 

4.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。

 

(4)次期繰越工事高(平成29年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

法面保護工事

3,097

1,839

4,937

ダム基礎工事

405

-

405

アンカー工事

1,156

715

1,872

重機工事

894

2,005

2,899

注入工事

1,143

540

1,684

維持修繕工事

115

1

116

環境保全工事

627

2

629

その他土木工事

995

2,064

3,060

建設コンサル・地質調査

506

24

531

8,942

7,195

16,137

 (注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものが含まれている。

2.次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりである。

(株)ウィズウェイストジャパン

:三戸ウェイストパーク産業廃棄物管理型最終処分場拡張事業

平成30年7月完成予定

清水・熊谷組特定建設工事共同企業体

:東京外かく環状道路 大泉ジャンクション立坑工事

平成29年8月完成予定

ジェイアール東海建設・前田建設・シーエヌ建設JV

:中央新幹線名古屋駅中央東工区工事

平成30年9月完成予定

清水・鉄建・IHI異工種建設工事共同企業体

:群馬八ッ場ダム 法面吹付・防護

平成30年10月完成予定

清水建設・前田建設工業・東洋建設JV

:東京外環自動車道大和田工事に伴う軟弱地盤処理工

平成29年8月完成予定

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、人と環境の共生を目指し、建設基礎技術で豊かな社会創りに貢献するため、社員一人ひとりの可能性を引き出し、顧客そして社会から信頼される技術者集団を目指すこととしている。

 

(2)目標とする経営指標および中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、今後持続的に成長できる会社グループとして生き残っていくために、中長期的には、収益力の確保、技術力の向上と技術の伝承を図り、数値目標達成のため、全社を挙げて最大限の業績の進展に努めていく。

 

 ①目標と重点施策

  (a)生産性の向上による安定した収益力の確保

   ・業務効率向上を図り、技術と施工に集中できる環境づくりに取り組み収益性を高める。

   ・設計・提案力を強化する。

   ・機械開発および機械施工にシフトする事業展開を行う。

  (b)技術力の向上と技術の伝承

   ・専門部会単位の積極的活動を推進する。

   ・専門業者として顧客に高い技術を提供できる技術者を育成する。

 ②数値目標(平成30年3月期)

  受注高       23,500百万円

  売上高       21,000百万円

  売上総利益      2,260百万円

  営業利益        60百万円

  経常利益        160百万円

 

(3)対処すべき課題

 今後の見通しについては、リニア中央新幹線などの関連工事の本格化に加え、熊本地震の復興事業により受注環境は明るさが見込まれる。しかし、第64期において米国現地法人で大きな損失を計上しており、この収益力の回復が今後の課題となっている。

このような状況下、新たに作成した中期経営計画(2017年度~2019年度)に従い、米国現地法人JAFEC USA,Inc.を含めたグループ全体としての数値目標の達成に向け、重点施策に従って、全社を挙げて取り組んでいく所存である。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)法的規制に関するリスク

 当社グループの事業は、売上高の約7割(平成29年3月期72.0%)が公共工事である。公共工事への参加を希望する場合は、一般競争(指名競争)参加資格審査申請書の提出と厳格な入札執行が要求されており、これらの手続きにおいて虚偽の申請や不正な入札行為を行った場合は、建設業許可の取消し、営業の停止や指名停止の処分が科せられ、当社グループの経営計画に多大な影響を及ぼすことになる。

①一般競争(指名競争)参加資格審査申請

 公共工事の入札参加を希望する場合は、経営事項審査の総合評定値通知書を添付のうえ、一般競争(指名競争)参加資格審査申請書を関係省庁に提出し、認定を得なければならない。

 この際、経営事項審査申請内容に虚偽の記載があった場合は、行政処分(建設業許可の取消し、営業の停止)や指名停止処分が科せられる。また、一般競争(指名競争)参加資格審査申請においても、虚偽の記載等があった場合は、競争参加資格の認定は受けられず、認定後に発覚した場合には取消されることがある。

②入札行為

 独占禁止法違反や官製談合等の不正な入札行為を行った場合は、公正取引委員会から排除勧告が行われる。排除勧告を受けた場合は、営業禁止や営業停止の行政処分の他、国および地方自治体から指名停止の処分が科せられる。

(2)公共工事依存に関するリスク

 当社グループは、売上高に占める公共工事の割合が非常に高いため、当社グループの業績は、国および地方自治体の財政事情に左右される公共投資の規模に大きな影響を受ける。公共投資が削減された場合、さらに同業他社との過当な価格競争が余儀なくされ、その結果、当社グループの受注高、売上高、利益が減少するリスクがある。

(3)技術水準維持に関するリスク

 当社グループは、常に仕事の量と質に見合った組織と人員体制を指向していく必要がある。このような中で、技術水準を維持するためには、職員一人一人に高い技能、技術力および管理能力が求められる。特に工事品質の保持とオリジナル工法の技術力の向上と維持は、当社グループにとって重要な課題であり、業績に大きな影響を及ぼすので、技術者の育成が重要であると考えている。

 

(4)貸倒リスク

 当社グループは、売上高の約9割(平成29年3月期95.1%)が下請工事であるため、公共工事が縮小された場合にともなう競争激化や、金融機関の不良債権処理圧力等の影響を受けた発注ゼネコン(地場ゼネコン含む)の倒産による貸倒リスクがある。

(5)海外事業リスク

 当社グループは今後の海外工事への参入を図るため、その拠点として米国に子会社を設立している。今後、海外市場において予想を超えた為替相場の変動や海外工事を行う国の政治、経済、法制度等に著しい変化が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。

5【経営上の重要な契約等】

 特記事項なし。

 

6【研究開発活動】

(建設工事)

 当社グループは、ものづくりの施工技術を提供する専門業者として、建設基礎技術・独自施工技術の生産性向上や品質確保に重点を置き、研究開発を実施している。

 また、「削孔」と「注入」という当社グループの基本技術を磨くとともに、「環境」「防災」「補修・保全」を軸とした応用とアライアンスを含めた新技術の構築を念頭に、大学・公的機関、民間企業、あるいは海外企業等との技術交流、共同開発を積極的に推進している。

 当連結会計年度における研究開発費は62百万円であり、これらの研究開発の概要は以下のとおりである。

(1)電動式機械攪拌技術の高度化に関する研究

 BG機をベースマシンとした深層混合処理工法を現場に投入し、実用性を確認した。BG機をベースマシンとすることで、フロントツールスの交換のみで先行削孔と地盤改良が可能となり、機械の機動力も向上した。今後は、BG機の特徴を活かした硬質な地質への対応や、施工管理システムの簡素化による省力化施工に向けて改良を行っている。

 

(2)小口径鋼管杭工法における削孔技術の高度化に関する研究

 小口径鋼管杭の施工中に、支持層を判定できるシステムの開発を行っている。模擬地盤での試験施工の結果、「回転エネルギー」により、支持層を判定できる可能性があることが確認できた。今後も施工データの収集を継続し、小口径鋼管杭工法における支持層判定システムを確立する。

 

(3)インチング注入工法の開発

 注入と停止を繰り返しながら継続的に注入する「インチング注入工法」の改良・改善を行った。軌道直下などの注入工事において変位を抑制しながら改良することができ、さらに均質な改良体の形成および確実な止水に効果が期待できる。

 

(4)トンネル覆工背面等の充填に適用できる独自グラウトの開発

  トンネルの覆工背面や護岸背面および基礎捨石部などの空洞の充填に適用可能な可塑性と水中不分離性を備えたグラウト材「J Pack Grout」について、長距離圧送性能の向上を図り、4.4kmの長距離圧送が可能であることを確認した。

 

(5)資源循環型法面保護工法の開発

 簡易軽量な法枠材「ヤマノフレーム」とプラスチック受圧版「クロノパネル」の組み合わせにより、抑止力導入可能な緑化基礎工を開発した。耐久性の更なる向上に取り組んでいる。

 

(6)既設アンカー緊張力推定方法の開発

 既設あるいは新設斜面の変状を、早期にかつ低コストで発見できる小型計測機器を用いた計測手法の開発を行っている。

 

(7)工業所有権関係

 当連結会計年度末における保有特許件数は52件、出願中の件数20件、保有実用新案件数は0件であった。また、現業に係わる施工実施権は73件を保有している。

 

 なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。

 

(建設コンサル・地質調査等)

 研究開発活動は特段行われていない。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。

 なお、当社グループの財政状態や経営成績にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積を必要とする重要な会計方針は以下のとおりである。

完成工事高の計上基準

 完成工事高の計上は、当連結会計年度末までの進捗部分の成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用している。工事進行基準においては、決算期末に工事進行程度及び工事損益を見積って工事収益を計上するため、法令の制定・改廃、経済事情の激変、物価・賃金の変動などの要因により、見積りを変更する必要が生じた場合には、工事損益に影響を与える可能性がある。

貸倒引当金

 当社グループは、貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別的な回収可能性を検討の上、一定の基準に基づき貸倒懸念先または要注意先に区分し、それぞれの区分に応じた必要額を計上している。なお、貸倒懸念債権等特定の債権については財政状態等支払能力について一定の基準により引当区分について毎期見直しを行っている。

繰延税金資産

 会計上と税務上の資産負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上している。

 将来の税金の回収予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込み額に基づき算出され、十分な回収可能性があると考えているが、将来の課税見込み額の変化により繰延税金資産を取崩さなければならない可能性がある。

工事損失引当金

 工事損失引当金は、受注工事に係る将来の損失に備えるため、期末手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、損失見込額を計上している。

 なお、当該引当金額は、当連結会計年度末直近の実行予算により見積って計上していることから、外部環境など工事収支に影響を及ぼす事柄の変化により、見積り時より異なってくる場合がある。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、国内では首都圏を中心とした都市再開発整備事業、東北、九州地区における地盤改良等を中心に受注が堅調となった。一方、米国現地法人では予定していた大型地盤改良工事の受注が先送りとなった。その結果、当期受注高は248億93百万円(前期比11.3%増)となった。

 売上高については、大型工事等の着工遅れ等により210億57百万円(前期比12.7%減)となった。

  また、収益面では、国内工事で年度後半に利益を積み増ししたものの、米国現地法人における工事において施工方法の変更や想定外の地質問題に起因する工事遅延、最終精算の遅延等の影響により、営業損失は3億5百万円(前期は14億21百万円の営業利益)となった。経常損益については、営業外収支が改善したものの、1億67百万円の経常損失(前期は13億33百万円の経常利益)となった。親会社株主に帰属する当期純損失については、米国現地法人の所有する固定資産の減損損失3億40百万円の計上等により、8億95百万円(前期は9億51百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となった。

 なお、受注高、売上高の内訳は、第2(事業の状況)「2.生産・受注及び販売の状況」に記載のとおりである。

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

  「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載のとおりである。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 「第2 事業の状況  1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。

 

[(注)「事業の状況」に記載した金額には消費税等は含まれていない。]