(1)業績
業績のご報告に先立ちまして、株主や投資家の皆様をはじめ、お客様や取引先などのステークホルダーの皆様におかれましては、当社グループの不適切な会計処理・取引並びにそれに伴う平成23年3月期(第64期)から平成27年3月期(第68期)までの金融商品取引法に基づく過年度決算訂正により、多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしておりますことを、心より深くお詫び申しあげます。
当社グループといたしましては、二度とこのような不祥事が起こらないよう、内部管理体制を強化し、社会的信用・信頼の回復のために、全社をあげて再発防止の徹底に取組んでまいります。
さて、当連結会計年度におけるわが国経済は、各種政策効果のもと、雇用・所得環境の改善が続く中、個人消費も底固く、緩やかな回復基調が続きましたが、アメリカの金融政策の正常化が進む中、中国をはじめとするアジア新興国等の景気の下振れなど、景気を下押しする要因もあり、先行きに不透明な状況のもと推移いたしました。
当社グループの関連するプラント業界におきましては、石油精製・石油化学などの素材産業を中心に、国内需要の縮小と安価な海外製品の流入により、生産設備の統廃合や海外移転の動向が進展している中、厳しい経営環境が継続いたしました。
このような状況下、当社グループといたしましては、平成27年度から平成29年度までを実施期間とする『中期経営計画』の初年度として、基本方針であります『「成長する産業分野での拡大」・「既存事業の維持・拡大」を軸に、付加価値・生産性の向上を図り、事業構造変革を強力に推進する』のもと、各事業(プラント事業・エンジニアリング事業・原子力事業・海外事業・装置事業)の重点施策等への取組みを推進してまいりました。
当連結会計年度における主要施策の進捗状況は、次のとおりであります。
○事業戦略
◇ プラント事業
プラント事業につきましては、国内外の事業環境の変化に対応するために、「施工体制の再構築」を推進してまいりました。少子高齢化の進展等に伴い、社員数を増大させることが困難な状況下、当社グループといたしましては、社員の生産性向上を推進するために、技能社員の工事責任者登用制度「工事マネジメントコース」の運用を実施することにより、安全・品質のレベル維持・向上に努めてまいりました。
また、近隣事業所間の連携をより強化しながら、協力会社を含めた戦力の最適配置を行うことを目的として、一部事業所の統合(水島事業所と坂出事業所の統合:統合後の名称は中四国支社)を行うなどの施策を実施してまいりました。
◇ エンジニアリング事業
エンジニアリング事業につきましては、当社グループがこれまで蓄積してきた技術を更に強化し、業務範囲を拡大していくことで、お客様への付加価値向上を図ってまいりました。具体的には、EPC案件(設計・調達・施工)を中心とした「プロジェクト事業」及びプラントの電気計装やビルの空調計装の案件を中心とした「電気計装事業」の拡大を推進してまいりました。
また、当社グループが保有するメンテナンス技術のひとつである「回転機械の設備診断技術」につきましては、「診断サービス事業」として、新規分野のお客様向けにも販売拡大を図り、積極的に展開してまいりました。
◇ 原子力事業
原子力事業につきましては、原子力発電所に対する新規制基準に基づく安全性向上対策工事及び各種保全工事の対応を実施しながら、受注体制、施工体制の拡充及び技術継承に努めてまいりました。
また、お客様である電力会社及びプラントメーカーとの良好なパートナー関係を構築し、様々なサービスを提供してまいりました。
当社グループは、設計・製作・施工まで一貫した対応が可能なプラントエンジニアリングメーカーとしての評価を受けており、この評価を活用していくことにより、事業展開を推進してまいりました。
◇ 海外事業
海外事業につきましては、お客様の海外事業をサポートするグローバルパートナーとしての地位確立を目指し、積極的な経営資源の投入により、強化を図ってまいりました。
平成27年11月30日には、東南アジア地区(タイ、シンガポール、マレーシア)における更なる販路拡大を図るために、㈱菊池工業所より、キクチ・インダストリー(タイランド)・カンパニー・リミテッドの株式を取得し、子会社といたしました。
なお、現地法人であるタイ・タカダ・カンパニー・リミテッドにつきましては、今後、東南アジア地区における地域統括会社として、域内子会社のマネジメント及び業務支援(事業運営支援・営業支援・技術支援)等を中心とした活動をしていくために、移行準備を推進してまいりました。
◇ 装置事業
装置事業につきましては、付加価値の高い装置の販売を推進し、海外販売を含めた事業拡大の基盤整備を図ってまいりました。
「超音波カッティング装置」につきましては、SiCパワーデバイス量産用装置において実績を伸ばしており、また、断面観察工程に寄与する装置においても販売実績を上げてまいりました。
また、「枚葉式ウェット処理装置」につきましては、従来からのMEMSやLED向けの実績に加え、IoT等の成長市場を狙い新規顧客の獲得を図ってまいりました。その中でスマートフォンで多数利用される「SAWフィルター」の製造工程で実績を上げ、ビジネストレンドと成長分野への販路を広げてまいりました。
○財務・経営資源戦略
◇ 投資・財務計画
投資・財務方針につきましては、フリーキャッシュフローを安定的に確保し、事業継続のための維持・更新投資とのバランスを考慮しながら、投資の実行及び財務体質の強化を図ってまいりました。
優先株式の処理につきましては、優先株主である㈱福岡銀行が、平成27年7月17日付で、当社定款規定に基づき、当社に対し、B種株式の一部(425千株)の取得請求権を行使されましたため、当社は本B種株式の一部を取得するのと引換えに、D種株式(340千株)・E種株式(85千株)を交付いたしました。その後、当社は、平成27年7月30日付で、優先株主に交付した本D種株式・E種株式を取得するとともに、平成27年8月28日付で、本B種株式・D種株式・E種株式を消却いたしました。
◇ 人材育成
人材育成につきましては、熟練技能社員が減少していく中で、次世代のリーダーとなる中堅層社員の職務レベルの向上が喫緊の課題であります。そのため、経営資源である人材の最適配置を実施していくとともに、「技能社員の工事マネジメント教育」、「管理・監督能力向上のための教育」を推進するとともに、「女性社員の活躍のための教育」に関する企画・検討を実施してまいりました。
また、海外事業において、東南アジア地区の地域統括会社の設置準備を進めている中、若年層社員の海外研修派遣、中堅層社員の海外育成派遣等による人材育成面の再検討を進めてまいりました。
このような諸施策を推進することにより、売上面につきましては、エレクトロニクス関連設備や社会インフラ設備の建設工事は増加したものの、化学プラントの定修工事、製鉄プラントの建設工事が減少いたしました結果、連結売上高は、49億6千5百万円減の426億7千2百万円(前期比10.4%減)となりました。
また、損益面につきましては、コストダウンの推進による原価率の低減に努めてまいりましたが、連結営業利益は5億7千1百万円減の13億3千万円(前期比30.0%減)、連結経常利益は5億8千2百万円減の12億5千9百万円(前期比31.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6千9百万円減の8億4千4百万円(前期比7.7%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ3億8千1百万円増加し、23億5千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金収支は32億6千1百万円の収入(前連結会計年度比208.3%増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益13億3百万円、減価償却費3億7千4百万円、売上債権の減少額34億1千万円、未成工事受入金の増加額4億3千5百万円の収入と、仕入債務の減少額11億1千2百万円、法人税等の支払額8億2百万円の支出によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は6億4千8百万円の支出(前連結会計年度比293.8%増加)となりました。
これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出5億1千1百万円と、投資有価証券の取得による支出2億7百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は21億4千3百万円の支出(前連結会計年度比137.2%増加)となりました。
これは主に、短期借入金の純減少額11億8千万円の支出と長期借入金の返済による支出3億4千万円、自己株式の取得による支出4億1千5百万円、配当金の支払額1億7千万円の支出によるものです。
(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等を含んでいません。
(1)受注実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
プラント事業(千円) |
47,327,223 |
46,309,352( 2.2%減) |
(2)売上実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
プラント事業 (千円) |
47,637,824 |
42,672,053(10.4%減) |
(注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産状況」は記載していません。
2 売上高に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。
|
前連結会計年度 |
新日鐵住金㈱ |
9,286,845千円 |
19.5% |
|
当連結会計年度 |
新日鐵住金㈱ |
8,287,365千円 |
19.4% |
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりです。
プラント事業における受注工事高及び完成工事高の状況
① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
区分 |
前期繰越 工事高 (千円) |
当期受注 工事高 (千円) |
計
(千円) |
当期完成 工事高 (千円) |
次期繰越 工事高 (千円) |
|
前事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
製鉄プラント |
1,169,624 |
11,505,395 |
12,675,019 |
11,138,034 |
1,536,985 |
|
化学プラント |
3,896,533 |
14,736,964 |
18,633,497 |
16,664,643 |
1,968,854 |
|
|
石油・天然ガスプラント |
990,311 |
2,838,973 |
3,829,284 |
3,186,019 |
643,265 |
|
|
電力設備 |
2,635,941 |
6,206,517 |
8,842,458 |
5,175,610 |
3,666,848 |
|
|
エレクトロニクス関連設備 |
571,586 |
2,498,486 |
3,070,072 |
2,412,957 |
657,115 |
|
|
社会インフラ設備 |
289,378 |
914,840 |
1,204,218 |
733,054 |
471,164 |
|
|
その他 |
431,749 |
2,017,760 |
2,449,509 |
1,675,564 |
773,945 |
|
|
計 |
9,985,122 |
40,718,935 |
50,704,057 |
40,985,881 |
9,718,176 |
|
|
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
製鉄プラント |
1,536,985 |
9,716,230 |
11,253,215 |
9,977,169 |
1,276,046 |
|
化学プラント |
1,968,854 |
17,842,945 |
19,811,799 |
13,167,719 |
6,644,080 |
|
|
石油・天然ガスプラント |
643,265 |
2,818,177 |
3,461,442 |
2,560,582 |
900,860 |
|
|
電力設備 |
3,666,848 |
3,875,019 |
7,541,867 |
4,340,422 |
3,201,445 |
|
|
エレクトロニクス関連設備 |
657,115 |
3,171,796 |
3,828,911 |
3,190,515 |
638,396 |
|
|
社会インフラ設備 |
471,164 |
1,194,485 |
1,665,649 |
1,346,175 |
319,474 |
|
|
その他 |
773,945 |
1,702,840 |
2,476,785 |
2,072,582 |
404,203 |
|
|
計 |
9,718,176 |
40,321,492 |
50,039,668 |
36,655,164 |
13,384,504 |
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれています。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
前事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
建設工事 |
49.2 |
50.8 |
100.0 |
|
保全工事 |
70.6 |
29.4 |
100.0 |
|
|
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
建設工事 |
43.4 |
56.6 |
100.0 |
|
保全工事 |
82.3 |
17.7 |
100.0 |
(注) 百分比は請負金額比です。
③ 完成工事高
|
期別 |
区分 |
国内 |
海外 |
計 (B) (千円) |
||
|
官公庁 (千円) |
民間 (千円) |
(A) (千円) |
(A)/(B) (%) |
|||
|
前事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
製鉄プラント |
- |
11,138,034 |
- |
- |
11,138,034 |
|
化学プラント |
- |
16,629,182 |
35,461 |
0.2 |
16,664,643 |
|
|
石油・天然ガスプラント |
- |
3,186,019 |
- |
- |
3,186,019 |
|
|
電力設備 |
- |
5,175,610 |
- |
- |
5,175,610 |
|
|
エレクトロニクス関連設備 |
- |
2,412,957 |
- |
- |
2,412,957 |
|
|
社会インフラ設備 |
- |
733,054 |
- |
- |
733,054 |
|
|
その他 |
- |
1,675,564 |
- |
- |
1,675,564 |
|
|
計 |
- |
40,950,420 |
35,461 |
0.1 |
40,985,881 |
|
|
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
製鉄プラント |
- |
9,977,169 |
- |
- |
9,977,169 |
|
化学プラント |
- |
13,141,978 |
25,741 |
0.2 |
13,167,719 |
|
|
石油・天然ガスプラント |
- |
2,560,582 |
- |
- |
2,560,582 |
|
|
電力設備 |
- |
4,340,422 |
- |
- |
4,340,422 |
|
|
エレクトロニクス関連設備 |
- |
3,190,515 |
- |
- |
3,190,515 |
|
|
社会インフラ設備 |
- |
1,346,175 |
- |
- |
1,346,175 |
|
|
その他 |
- |
2,072,582 |
- |
- |
2,072,582 |
|
|
計 |
- |
36,629,423 |
25,741 |
0.1 |
36,655,164 |
|
(注)1 完成工事高のうち主なものは、次のとおりです。
前事業年度 請負金額5億円以上の主なもの
|
〇旭化成㈱ |
旭化成ケミカルズ㈱水島製造所定修工事 |
|
〇旭化成㈱ |
旭化成ケミカルズ㈱水島製造所BZ撤去工事 |
|
〇千代田工商㈱ |
ひびきエル・エヌ・ジー㈱ひびきLNG基地B/C地区配管工事 |
|
〇宇部興産㈱ |
宇部藤曲工場2014年度機械定検工事 |
|
〇旭化成㈱ |
旭化成ケミカルズ㈱川崎製造所定修工事 |
当事業年度 請負金額5億円以上の主なもの
|
〇九州電力㈱ |
玄海原子力発電所廃棄物処理建屋消火設備配管製作 |
|
〇旭化成㈱ |
旭化成ケミカルズ㈱川崎製造所AN設備停止に伴う配管縁切・ 洗浄工事 |
|
〇住友化学㈱ |
千葉工場2015年度定修工事 |
|
〇日立GEニュークリ ア・エナジー㈱ |
東京電力㈱福島第一原子力発電所汚染水タンク製作 |
|
〇昭和電工㈱ |
川崎KPR課KPRガス化製プラント増強工事 |
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりです。
前事業年度
|
新日鐵住金㈱ |
9,278,683千円 |
22.7% |
当事業年度
|
新日鐵住金㈱ |
8,274,208千円 |
22.6% |
④ 次期繰越工事高(平成28年3月31日現在)
|
区分 |
国内 |
海外 (千円) |
計 (千円) |
|
|
官公庁 (千円) |
民間 (千円) |
|||
|
製鉄プラント |
- |
1,276,046 |
- |
1,276,046 |
|
化学プラント |
- |
6,643,697 |
383 |
6,644,080 |
|
石油・天然ガスプラント |
- |
900,860 |
- |
900,860 |
|
電力設備 |
- |
3,201,445 |
- |
3,201,445 |
|
エレクトロニクス関連設備 |
- |
638,396 |
- |
638,396 |
|
社会インフラ設備 |
- |
319,474 |
- |
319,474 |
|
その他 |
- |
404,203 |
- |
404,203 |
|
計 |
- |
13,384,121 |
383 |
13,384,504 |
(注) 手持工事のうち請負金額5億円以上の主なものは、次のとおりです。
|
〇花王㈱ |
鹿島工場K-GA24生産対応配管工事 |
(平成28年12月完成予定) |
|
〇新日鐵住金㈱ |
八幡製鐵所HPL改造工事 |
(平成29年1月完成予定) |
|
〇旭化成㈱ |
旭化成ケミカルズ㈱水島製造所AMP-PJ安全対策工事 |
(平成28年9月完成予定) |
|
〇㈱IHIプラントエンジニアリング |
セントラル硝子㈱宇部工場UF-1プラント建設工事 |
(平成28年10月完成予定) |
|
〇三菱重工業㈱ |
電源開発㈱大間原子力発電所1号機RW設備ライニング工事 |
(平成28年6月完成予定) |
(1)企業価値の再生について
当社グループの不適切な会計処理・取引の問題により、株主や投資家の皆様をはじめ、お客様や取引先などのステークホルダーの皆様からの信頼を大きく毀損いたしましたことを心より深くお詫び申しあげます。
第三者委員会による調査報告書において、当社グループの不適切な会計処理・取引の根本的かつ主要な原因は、「適正な財務報告に関する意識の鈍麻・欠如」であるとともに、「受発注業務プロセスの不備」、「本社による管理・統制機能の脆弱性」、「コンプライアンス意識の欠如」であると指摘されました。
これを受け、当社グループは、実効性の高い再発防止策を策定し、かつ、実行していくための組織として、平成28年7月9日付で「業務改革部」を新設いたしました。第三者委員会が、認定した事実と原因分析に基づいた再発防止策の提言内容を真摯に受け止め、「業務改革部」を中心として、具体的な再発防止策を策定のうえ、実行してまいります。
なお、具体的な再発防止策は、策定次第、速やかに公表予定でありますが、第三者委員会からの提言内容(「当社の役職員の意識改革」、「場所の実情に見合った合理的な管理体制の構築」、「本社による管理・統制機能の改善・強化」、「不適切な会計処理・取引を防止する受発注業務プロセスの確立」)を踏まえ、株主や投資家の皆様をはじめ、お客様や取引先などのステークホルダーの皆様への信頼回復を目指していくとともに、当社グループの企業価値の再生を図っていくために、迅速かつ的確な対応を行ってまいります。
(2)各事業の重点施策の着実な実行について
今後のわが国経済の見通しにつきましては、引続き、緩やかな回復基調が継続することが期待されますが、海外景気の下振れに加え、原油の価格動向、金融資本市場の変動などの不安材料もあり、予断を許さない状況で推移するものと思われます。
当社グループの関連するプラント業界におきましては、今後も、お客様の生産設備の統廃合や海外移転の動向が懸念されるとともに、材料費や人件費等の上昇による企業収益の圧迫等の可能性も考えられ、厳しい経営環境が続くことが予想されます。
このような状況下、当社グループといたしましては、上記(1)の企業価値の再生を図っていくための具体的な再発防止策を推進することを最優先課題として対応していくとともに、平成27年度から平成29年度までを実施期間とする『中期経営計画』の2年目として、基本方針・事業の方向性を維持しながら各事業の重点施策の着実な実行を進めてまいります。
主要施策の内容
○事業の重点施策
◇プラント事業
プラント事業につきましては、今後も社員数の減少が見込まれる中、1人当たりの生産性向上を図るために、「施工体制の再構築」を推進してまいります。
また、近隣事業所間の連携強化の観点から、一部事業所・工場の統合(黒崎事業所・本社工場の統合:統合後の名称は本社工場)を実施するなど、戦略的かつ機動的な運営向上を推進するとともに、協力会社の育成・開拓にも努めてまいります。
◇エンジニアリング事業
エンジニアリング事業につきましては、より付加価値の高い工事案件への対応を実施してまいります。「プロジェクト事業」では、環境エネルギー分野及び医薬・ファイン分野などの新規分野におけるEPC案件にも取組んでまいります。
また、「電気計装事業」では、電気・計装工事情報の収集体制を強化していくことにより、対応可能な裾野拡大を図るとともに、診断サービス事業では、新たに電流情報量診断システムの機器販売を展開してまいります。
◇原子力事業
原子力事業につきましては、今後も原子力規制委員会の「新規制基準」の動向を注視するとともに、電力会社各社のニーズに沿った対応を実施してまいります。
また、多様なプラント案件等の設計・製作・施工に取組んでいくとともに、工期の延長がなされている特定重大事故等対処施設の案件にも適切に対応していくために、社内体制を強化し、技術・技能を担保してまいります。
◇海外事業
海外事業につきましては、タイ・タカダ・カンパニー・リミテッドを、東南アジア地区における地域統括会社として、今後運営開始することにより、同地区における海外子会社間の連携を促進してまいります。
なお、新たに子会社となりました、キクチ・インダストリー(タイランド)・カンパニー・リミテッドは、タイ石油公社と直接取引を行っている日系配管工事会社であり、日系企業のタイ進出時の工場建設等に対応するなど、タイでの事業基盤を確立してまいります。当社グループとしては、同社の施工技術・施工能力を、更に発展・拡大していくことにより、タイにおける事業展開を加速してまいります。
◇装置事業
装置事業につきましては、断面観察用超音波カッティング装置の販売台数が年々増加しておりますので、営業強化により更なる市場浸透を推進してまいります。
切断精度・品質向上のためのスケルトンカットなどのオプション機能、付帯サービス(カスタマーサポート体制、定期点検ビジネス)の充実、製造プロセスの効率化によるコストダウンの取組みなどを推進してまいります。
また、海外販売についても、効果的な展示会出展等により拡販を進めてまいります。
○投資・財務方針
投資・財務方針につきましては、キャッシュフローの管理を徹底していく中で、引続き、維持・更新投資と成長戦略投資とのバランスを考慮しながら、投資の実行及び財務体質の強化を図ってまいります。
優先株式の処理につきましては、優先株主のご意向を確認するとともに、当社グループといたしましては、早期に処理できるよう計画利益を確保し、着実に処理を進めてまいります。
○人材育成
人材育成につきましては、社員の高齢化が進む中で、ベテラン社員(特に高度熟練技能者)が減少傾向にあることから、経営資源である人材の最適配置を継続して推進していくとともに、各拠点別の特性に応じたOJTを含む育成計画の充実に努めてまいります。
また、採用活動につきましては、外国人留学生及び女性を視野にいれた、多様な人材の確保(特に技能社員)を検討してまいります。
以上の施策を着実に実行することで、「新たな事業分野の拡大」、「付加価値の向上」、「利益体質の定着」を図るとともに、当社グループの企業価値の再生を図っていくための具体的な再発防止策を推進してまいります。
株主や投資家の皆様をはじめ、お客様や取引先などのステークホルダーの皆様におかれましては、多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしておりますことを、深くお詫び申しあげますとともに、二度とこのような不祥事が起きないよう、全社一丸となって構造的変革・法令遵守に努め、社業に邁進してまいる所存でございます。今後とも引続き一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)受注価格下落のリスク
当社グループの関連するプラント業界におきましては、国内の経済変動や国際情勢に大きく影響を受けやす
い傾向にあるため、景気が低迷した場合には、国や企業の設備投資の抑制や受注競争激化に伴う、受注価格の
下落などにつながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)資材価格変動のリスク
資材価格等が著しく上昇し、それを工事金に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)製品欠陥のリスク
品質管理には万全を期しておりますが、瑕疵担保責任及び製造物責任による損害賠償が発生した場合には、
業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)労働災害のリスク
安全対策には万全を期しておりますが、労働災害が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がありま
す。
(5)取引先の信用リスク
工事金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)災害のリスク
地震、台風等の自然災害によって、正常な事業活動ができなかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)過年度の不適切な会計処理・取引
当社は、福岡国税局による平成24年3月期から平成27年3月期までの課税年度についての税務調査を受け、会計処理の一部において、不適切な会計処理・取引が行われていたことが判明し、内部調査委員会を設置いたしました。その後、調査の客観性・中立性・専門性を高めるために第三者委員会を設置し調査を行った結果、不適切な会計処理・取引を継続的に実行してきたことが判明し、過年度の有価証券報告書等の訂正を行いました。
今後、当社の不適切な財務報告について、株主等から当社に対して訴訟が提起される可能性があり、それらの経過によっては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、金融庁から課徴金が課される可能性、当社が上場している証券取引所から処分を受ける可能性、官公庁等から指名停止又は建設業に係る営業停止等をはじめとする行政処分や調査等を受ける可能性があります。これらの処分等を受けた場合、当社グループが機会逸失を被る、あるいはそれに伴う社会的評価の低下によって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入契約において、不適切な会計処理・取引により、表明及び保証条項と確約条項に抵触しており、継続企業の前提に重要な疑義が生じております。しかしながら、今後も融資継続について引続き支援をしていただける旨の回答を頂いており、継続企業の前提に関する不確実性は解消されております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当社グループは、装置事業において、半導体基板や電子部品を精密切断する超音波カッティング装置の研究開
発に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費は1億9千万円となっております。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、274億4千9百万円で前連結会計年度末より25億9千1百万円減少となりました。減少の主な要因は、建物及び構築物が3億2千9百万円、繰延税金資産が2億1千1百万円増加したものの、完成工事未収入金が34億1千2百万円減少したこと等によるものです。
負債合計は、180億5千万円で、前連結会計年度末より19億5千9百万円減少となりました。減少の主な要因は、退職給付に係る負債が11億8千3百万円増加したものの、支払手形・工事未払金等が11億9千1百万円、短期借入金が13億5千万円、未払法人税等が5億4千5百万円減少したこと等によるものです。
純資産は、93億9千8百万円で、前連結会計年度末より6億3千1百万円減少となりました。減少の主な要因は、利益剰余金が3億2千2百万円増加したものの、為替換算調整勘定が1億4千2百万円、退職給付に係る調整累計額が7億4百万円減少したこと等によるものです。
(2)経営成績の分析
連結完成工事高については、49億6千5百万円減少し、426億7千2百万円(前連結会計年度比10.4%減)となりました。
完成工事総利益は41億4千4百万円となり、販売費及び一般管理費を控除した営業利益は13億3千万円となりました。
受取利息、受取配当金等の営業外収益から支払利息等の営業外費用を差し引いた純額は7千万円の費用計上となりました。
以上の結果、経常利益は12億5千9百万円となりました。
経常利益から特別利益、特別損失を差し引いた税金等調整前当期純利益は13億3百万円、法人税、住民税及び事業税や法人税等調整額、非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は8億4千4百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況については、「第2.事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。