当連結会計年度における国内経済は、政府の機動的な財政政策や日本銀行による大胆な金融政策、原油価格の低下等に伴う企業業績拡大等を背景として、緩やかな景気の回復基調が続いています。
住宅業界では、平成26年4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響からの持ち直しが見られ、住宅着工戸数は平成28年1月から前年同月比3ヶ月連続して増加し、平成27年度累計では前年比4.6%増加の92万戸となりました。
当社グループが主力とする賃貸住宅分野では、貸家着工戸数が平成27年11月から前年同月比5ヶ月連続して増加し、平成27年度累計で前年比7.1%増加の38万戸となりました。平成27年1月の相続税法改正に加えて、日本銀行の大胆な金融緩和政策によりアパートローンの低金利が継続しており、土地所有者の皆様の資産活用ニーズは活性化しています。賃貸住宅を提案する企業には、単なる節税対策にとどまらない“次世代への円満・円滑な資産承継”を実現するためのワンストップサービスの提供が求められています。
一方、少子・高齢化、晩婚化の進行とともに一人住まい世帯が増加することにより、日本の総世帯数は平成32年まで増加するものと予測され、景気の回復とともに賃貸住宅の入居需要は引き続き活発に推移するものと見込まれます。また、入居者の皆様のニーズも多様化しており、住まいを選ぶ目も厳しくなっています。建物や住宅設備等ハード面の充実のみならず、入居の際の連帯保証人不要制度や家賃のクレジットカード決済、24時間生活支援サポート等住まいや暮らし方にかかわるソフト面のサービスも同様に求められており、賃貸住宅を供給する企業には魅力ある建物・住まいの供給に取り組む必要があります。
また、東日本大震災の復興需要の本格化や東京オリンピックの施設建設をはじめ、交通インフラの整備や空港拡張等、国内の建設需要は益々高まっており、工事原価の上昇に伴うコスト抑制策、労働力の確保・施工体制の強化が継続して大きな課題となります。
このような環境下にあって、当社グループの連結業績は、売上高1兆4,116億43百万円(前連結会計年度比4.3%増)、営業利益1,010億1百万円(前連結会計年度比10.4%増)、経常利益1,055億58百万円(前連結会計年度比10.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益672億79百万円(前連結会計年度比19.9%増)を計上し、8期連続の増収・増益を達成するとともに、売上・各利益の段階で過去最高を更新することができました。
セグメント別の経過及びその成果は以下のとおりです。
建設事業につきましては、豊富な受注工事残高を背景に工事を順調に進捗したことに加え、施工体制の強化等を図ったことにより、完成工事高が、前連結会計年度比1.1%増の5,953億64百万円となりました。完成工事総利益率につきましては、労務費の上昇等が継続したものの、価格改定による工事の採算改善により、前連結会計年度比0.3ポイント上昇の29.6%となりました。営業利益は販管費の抑制等により、前連結会計年度比5.8%増の902億48百万円となりました。
② 不動産事業
不動産事業につきましては、「賃貸経営受託システム」による一括借上物件の増加に伴い、借上会社である大東建物管理株式会社の家賃収入が増加したこと等から、不動産事業売上高が前連結会計年度比7.0%増の7,748億7百万円、営業利益は前連結会計年度比44.9%増の225億27百万円となりました。
単体での入居者斡旋件数は、お部屋探しのお客様への話題性と認知度向上を目的として、賃貸仲介ブランド『いい部屋ネット』の新しいCM放映や年間プロモーションに注力した結果、前期比5.4%増の267,116件となりました。また、平成28年3月末の居住用入居率は前年同月比0.1ポイント上昇の96.8%、事業用入居率は前年同月比0.3ポイント上昇の98.2%となりました。
③ 金融事業
金融事業につきましては、土地オーナー様、入居者様へ家賃や家財を補償する少額短期保険ハウスガード株式会社の契約数の増加等により、売上高が前連結会計年度比17.3%増の55億79百万円、営業利益は前連結会計年度比9.7%増の21億48百万円となりました。
その他の事業につきましては、株式会社ガスパルのLPガス供給戸数の増加や、介護が必要な高齢者のためのデイサービスを提供するケアパートナー株式会社の施設利用者数の増加等により、売上高が前連結会計年度比1.4%増の358億91百万円、営業利益は前連結会計年度比6.9%増の68億32百万円となりました。
一方、受注工事高におきましては、前期比4.9%増の6,930億44百万円となり、平成28年3月末の受注工事残高は、前期比8.4%増の8,911億15百万円となりました。
当連結会計年度において現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比729億20百万円減少し、当連結会計年度末の残高は1,826億31百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、788億22百万円の獲得(前連結会計年度は594億1百万円の獲得)となりました。主な獲得要因は、税金等調整前当期純利益の計上1,052億66百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益955億47百万円)及び一括借上修繕引当金の増加155億50百万円です。一方、主な使用要因は、法人税等の支払額415億54百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、935億55百万円の使用(前連結会計年度は9億30百万円の獲得)となりました。主な使用要因は、定期預金の預入による支出510億円、投資有価証券の取得による支出254億74百万円及び有形固定資産の取得による支出183億46百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、579億23百万円の使用(前連結会計年度は608億8百万円の使用)となりました。主な獲得要因は、長期借入れによる収入90億円及び自己株式の処分による収入70億26百万円です。一方、主な使用要因は、配当金の支払304億39百万円、自己株式の取得による支出257億58百万円及び長期借入金の返済による支出173億35百万円です。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等を除いた金額で表示しております。
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 (百万円) | 前年同期比 |
建設事業 |
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居住用 | 622,719 | 656,802 | 5.5 |
賃貸住宅 | 620,261 | 654,455 | 5.5 |
戸建住宅 | 2,458 | 2,346 | △4.5 |
事業用 | 3,078 | 4,261 | 38.4 |
その他 | 3,561 | 2,926 | △17.8 |
小計 | 629,359 | 663,990 | 5.5 |
不動産事業 |
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営繕工事 | 31,043 | 29,054 | △6.4 |
合計 | 660,403 | 693,044 | 4.9 |
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 (百万円) | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 (百万円) | 前年同期比 |
建設事業 | 589,170 | 595,364 | 1.1 |
不動産事業 | 723,817 | 774,807 | 7.0 |
金融事業 | 4,755 | 5,579 | 17.3 |
その他 | 35,412 | 35,891 | 1.4 |
計 | 1,353,155 | 1,411,643 | 4.3 |
(注)1.当社グループでは、建設事業及び不動産事業の一部以外は受注生産を行っておりません。
2.生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
3.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
なお、参考のため不動産事業の売上実績の内訳は、次のとおりです。
区分 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 | 前年同期比 | |||
金額(百万円) | 構成比 | 金額(百万円) | 構成比 | 金額(百万円) | 増減率 | |
一括借上 | 664,609 | 91.9 | 709,324 | 91.5 | 44,714 | 6.7 |
営繕工事 | 29,695 | 4.1 | 28,794 | 3.7 | △901 | △3.0 |
不動産仲介 | 14,622 | 2.0 | 16,213 | 2.1 | 1,591 | 10.9 |
家賃保証事業 | 3,688 | 0.5 | 6,431 | 0.8 | 2,742 | 74.3 |
賃貸事業 | 5,887 | 0.8 | 6,055 | 0.8 | 168 | 2.9 |
電力事業 | 2,301 | 0.3 | 4,288 | 0.6 | 1,986 | 86.3 |
その他 | 3,010 | 0.4 | 3,700 | 0.5 | 689 | 22.9 |
計 | 723,817 | 100.0 | 774,807 | 100.0 | 50,990 | 7.0 |
また、参考のため提出会社の事業の状況は次のとおりです。
(1)建設事業における受注工事高及び完成工事高の状況
① 受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高
項目 | 工事別 | 前期繰越工事高 | 当期受注工事高 | 計 | 当期完成工事高 | 次期繰越工事高 |
前事業年度 | 建築 | 775,388 | 629,731 | 1,405,119 | 589,473 | 815,646 |
当事業年度 | 建築 | 815,646 | 664,346 | 1,479,992 | 595,772 | 884,220 |
(注) 1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。従って、当期完成工事高にも係る増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
② 完成工事高及び次期繰越工事高
建物種別の完成工事高及び次期繰越工事高は次のとおりです。
建物種別 | 完成工事高 | 次期繰越工事高 | ||||
前事業年度 (自 平成26年4月1日 | 当事業年度 (自 平成27年4月1日 | 当事業年度末 (平成28年3月31日) | ||||
金額(百万円) | 構成比 | 金額(百万円) | 構成比 | 金額(百万円) | 構成比 | |
居住用 | 584,541 | 99.1 | 589,275 | 98.9 | 877,535 | 99.2 |
賃貸住宅 | 582,505 | 98.8 | 586,579 | 98.5 | 873,727 | 98.8 |
戸建住宅 | 2,036 | 0.3 | 2,696 | 0.4 | 3,808 | 0.4 |
事業用 | 918 | 0.2 | 2,990 | 0.5 | 4,898 | 0.6 |
その他 | 4,013 | 0.7 | 3,506 | 0.6 | 1,786 | 0.2 |
計 | 589,473 | 100.0 | 595,772 | 100.0 | 884,220 | 100.0 |
(注) 前事業年度及び当事業年度において完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(2)不動産事業等の状況
不動産事業等の区分別の売上高は次のとおりです。
区分 | 前事業年度 (自 平成26年4月1日 | 当事業年度 (自 平成27年4月1日 | 前年同期比 | |||
金額(百万円) | 構成比 | 金額(百万円) | 構成比 | 金額(百万円) | 増減率 | |
不動産仲介 | 5,875 | 30.2 | 7,169 | 33.2 | 1,293 | 22.0 |
賃貸事業 | 6,049 | 31.0 | 6,295 | 29.1 | 246 | 4.1 |
その他 | 7,574 | 38.8 | 8,139 | 37.7 | 565 | 7.5 |
計 | 19,499 | 100.0 | 21,604 | 100.0 | 2,105 | 10.8 |
(1)当社グループが行っている「賃貸経営受託システム」による一括借上事業において、入居率の低下、空室の増加は、事業収支の悪化を招き、さらには土地所有者への建物賃貸事業に対する意欲の低下により受注実績に影響します。
そのため、当社では入居率の動向を注意深くチェックしており、低下傾向が続いた場合は、入居率の回復を図るため社内の入居者斡旋営業部門の増強策を実施いたします。また、高い入居率を維持するため、入居者の快適性・利便性を追求し、長くお住まいいただける管理サービスを提供してまいります。
(2)土地所有者が建物賃貸事業を行う際、建物の建築代金は金融機関から借入れにて調達することが一般的であります。金融情勢の変化により、金融機関による事業融資の貸し渋りなど、融資スタンスの変更がなされた場合、施工準備中の物件では、着工の遅れや受注キャンセルとなるケースが発生する恐れがあります。その結果、受注高や完成工事高の計画が未達となる場合があります。当社は、金融市場の動向を注視し、「賃貸経営受託システム」による賃貸事業の安全性・優位性を金融機関にご理解いただくため、金融機関との友好関係構築に注力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)原材料費等の高騰による原価の上昇、利益率の低下
当社は、賃貸建物の建設において、当社が元請けとなり、当社の現場監督(施工技術者)が直接施工業者に分離分割発注を行い、完成工事原価の抑制を実施しております。しかしながら、各種建設資材の価格上昇や労務費の上昇が施工業者への発注単価の上昇となることがあります。それらの結果、原価が上昇し、売上総利益率が低下する可能性があります。
(2)税制改正による業績への影響
当社は、土地所有者に土地有効活用として賃貸マンション・アパートの建設を提案するコンサルティング営業を行い、建設受注を獲得しております。現在において土地活用の有効な手段は、建物賃貸事業経営とされておりますが、税制改正により建物賃貸事業に関連する税負担等に変動があった場合、建設受注獲得に影響があり業績が変動する可能性があります。
(3)金利の急上昇による受注キャンセル
土地所有者が建物賃貸事業を行う際、建物の建築代金は金融機関から借入れにて調達することが一般的です。現在、長期金利は、依然、低金利状況が続いており、家賃相場が弱含みの中でも一定の事業利回りが確保されるため、土地所有者が建物賃貸事業に踏み切る一つの要因となっております。金利が急激に上昇した場合、施工準備中の物件では、採算悪化を懸念した土地所有者が発注キャンセルを申し出るケースや建築プランの見直しが必要となるケースが発生する懸念があります。その際、受注高や完成工事高の計画が未達となる場合があります。
(4)法施行・法改正等に伴う経費増
当社グループは、建設業許可、建築士事務所登録及び宅地建物取引業免許などの許認可を受けて事業を展開し、またこれらの関連法令をはじめその他各種の法令等に基づいた企業活動を行っております。これらの法令等を遵守するためにコーポレートガバナンス及びコンプライアンス推進体制を強化しておりますが、新たな法令等が施行された場合、当該法令等に対応するための経費が追加的に発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報の漏洩等のリスク
当社グループは、土地所有者や入居者など様々なお客様の個人情報をお預りしております。個人情報保護には特に配慮し対策を進め事業活動を行っておりますが、万一個人情報の漏洩等があれば、信用を大きく毀損することとなり、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(6)自然災害によるリスク
大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、被災した当社グループの建築現場・事業所・情報設備等の修復やお客様の建物の点検、被災したお客様への支援活動などにより、多額の費用が発生する可能性があります。また、被災地域において、社会インフラが大規模に損壊し、相当期間に亘り生産・流通活動が停止することで建築資材・部材の供給が一時的に途絶えたり、多数の社員が被災し勤務できなくなることにより、契約締結・工事着工・工事進捗やテナント斡旋活動が滞り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しております。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品企画部・設計部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発活動に係わる投資総額は、1,387百万円であり、その主なものは以下のとおりです。
(1) 建設事業
商品開発グループにおいては、5商品を新たに開発いたしました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっております。
中層商品では、RC造マンション「ライル」の新シリーズとして、『オーナーズワン・ライル ディオ』を開発いたしました。入居者様が自由に装飾しオリジナルの空間を演出して楽しめる多彩な演出用アイテムや、働く女性の暮らしを応援する「女子ゴコロ100%プロジェクト」による女性目線から生まれたアイテムを選べる、画期的なシングル向け賃貸住宅です。また、S造の『モデストS』を開発いたしました。
低層商品では、平成26年に設立した「賃貸住宅未来研究所」の活動から開発したシングル向け可変型商品「トイロシリーズ」のエリア展開として2×4造の『トイロ(多雪)』、『トイロ(北海道)』、また、オリジナル木造在来工法「エコプレカットネオ工法」の『コッティ・キュートEPneo』を開発いたしました。
既存6商品については、新たに9プランを開発いたしました。
また、共働き世帯の増加などの社会問題の解決に向けた賃貸住宅の企画開発を外部建築家とのコラボレーションにより実施、建築家の設計による「プロトタイプ版」、及び要素を取り入れ商品化した「普及版」の2商品を開発いたしました。
さらに、少子高齢化社会による将来の需要構造変化を見据え、多世代コミュニティ賃貸住宅『エンテラス』を企画開発し、試行運用を開始いたしました。
技術開発グループにおいては、軟弱地盤エリアの高額な基礎コストへの対応として、安全で価格競争力のある当社オリジナル新基礎工法『フローティング基礎工法』の開発を行い、性能確認試験を実施いたしました。
現場職人不足や現場労務費高騰への対策として、2×4・2×6のスタッド材を用いた、工場生産壁パネル(特許出願済)を採用した当社オリジナル木造在来工法『エコプレカットネオ工法』の試行運用を開始いたしました。
新規仕様・資材では、隣戸間の生活音(音、声)を低減させる「高遮音界壁」の開発を行い、公的機関にて音響透過損失『TLD-50』の性能値を確認し、2×4工法の一部商品にて運用開始いたしました。
また、建物としての遮音性能を更に改善していくために、実験棟を建設いたしました。
設備資材では、地球と住環境に優しい自然の力を利用した“パッシブデザイン”を導入した前期販売商品「ソヨカ」において、換気・通風により夏季の快適性が向上するという二次効果について、実際の物件を用いて測定し、効果があることを確認いたしました。また、防犯配慮型賃貸住宅の取り組みについては、入居者様には更なる「安心」とオーナー様には「建物価値」をお届けできる防犯カメラを開発し、新築にはオプション導入をし、既存物件にも設置可能といたしました。なお、当資材について『e-カメラ』の商標登録を行いました。
以上により、建設事業の研究開発費は1,077百万円となりました。
なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。
(2) 不動産事業、金融事業及びその他
研究開発活動は特段行われておりません。
(3) 全社共通
当社グループは、堅調な国内賃貸住宅市場に注力しつつ、蓄積したノウハウの展開を海外も含め検討しております。当連結会計年度では、米国において、不動産ファンドへの出資を通したバリューアッド型の既存賃貸集合住宅に関する情報収集を継続して行いつつ、地域を熟知したパートナーとJVを組成して新規賃貸集合住宅開発に参画し、新規不動産開発に関する情報収集も開始いたしました。
以上により、全社共通の研究開発費は309百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりです。
なお、本項に記載した見通し、予想、方針等の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しており、実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。
(1)財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末比274億28百万円増加して、7,285億48百万円となりました。これは主に、投資有価証券181億98百万円、機械及び装置118億71百万円、繰延税金資産64億5百万円、営業貸付金58億18百万円、無形固定資産54億7百万円及び前払費用24億90百万円が増加した一方、現金預金219億20百万円が減少したことによるものです。
② 負債
負債につきましては、前連結会計年度末比157億1百万円増加して、4,800億26百万円となりました。これは主に、一括借上修繕引当金155億50百万円、前受金44億40百万円及び未払法人税等24億54百万円が増加した一方、長期借入金83億35百万円が減少したことによるものです。
③ 純資産
純資産につきましては、前連結会計年度末比117億27百万円増加し、2,485億22百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により672億79百万円が増加した一方、配当金の支払いにより304億39百万円及び自己株式の取得・処分により183億61百万円が減少したことによるものです。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度末比0.03ポイント上昇して34.34%となりました。
<従業員持株ESOP信託及び株式給付信託について>
当社は、従業員の福利厚生制度の拡充を図るとともに当社の業績や株価への意識を高め企業価値向上を図ること並びに株価及び業績向上への従業員の意欲や士気を高めることを目的として、「従業員持株ESOP信託」及び「株式給付信託」を設定しております。
これらの信託に関する会計処理については、経済的実態を重視し、当社とこれらの信託は一体であるとする会計処理を行っております。このため、これらの信託が所有する当社株式は、連結貸借対照表及び連結株主資本等変動計算書上において株主資本の控除科目の「自己株式」として表示しております。ただし、平成26年3月31日以前に契約を締結した信託が所有する当社株式については、1株当たり当期純利益、潜在株式調整後1株当たり当期純利益、自己資本当期純利益率、自己資本比率、1株当たり純資産、自己資本、配当性向、期末自己株式数及び期中平均株式数の算出に当たり自己株式とみなしておりません。
① 平成26年3月31日以前に契約を締結した従業員持株ESOP信託及び株式給付信託
a.取引の概要
(従業員持株ESOP信託)
平成23年6月17日開催の取締役会において、当社の中長期的な企業価値を高めることを目的として、従業員インセンティブ・プラン「従業員持株ESOP信託」の導入を決議いたしました。
当社が「大東建託従業員持株会」(以下「当社持株会」といいます。)に加入する従業員(以下「従業員」といいます。)のうち一定の要件を充足する者を受益者とする信託を設定し、当該信託は信託設定後5年間に亘り当社持株会が取得すると見込んだ数の当社株式を、予め定めた取得期間中(平成23年7月1日~平成23年9月22日)に取得しました。その後、当該信託は当社株式を毎月一定日に当社持株会に売却しております。信託終了時に、株価の上昇により信託収益がある場合には、受益者たる従業員の拠出割合に応じて金銭が分配されます。株価の下落により譲渡損失が生じ信託財産に係る債務が残る場合には、金銭消費貸借契約の保証条項に基づき、当社が銀行に対して一括して弁済するため、従業員への追加負担はありません。なお、平成27年11月をもって信託は終了しております。
(株式給付信託)
平成23年7月4日開催の取締役会において、従業員の新しいインセンティブ・プランとして「株式給付信託(J-ESOP)」(以下、「本制度」といいます。)の導入を決議いたしました。
本制度は予め当社が定めた株式給付規程に基づき、当社の従業員が株式の受給権を取得した場合に、当該従業員に当社株式を給付する仕組みです。
当社は、当社の従業員の中から業績や成果に応じて「ポイント」(1ポイントを1株とします。)を付与する者を選定し、ポイント付与を行います。一定の要件を満たした従業員に対して獲得したポイントに相当する当社株式を給付します。従業員に対し給付する株式については、予め信託設定した金銭により将来分も含め取得し、信託財産として分別管理するものとします。
本制度により、従業員の勤労意欲の向上や中期的な業績向上と企業価値向上への貢献意欲が高まることが期待されます。
b.「従業員等に信託を通じて自社の株式を交付する取引に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第30号 平成27年3月26日)を適用しておりますが、従来採用していた方法により会計処理を行っております。
c.信託が保有する自社の株式に関する事項
(従業員持株ESOP信託)
イ.信託における帳簿価額は前連結会計年度839百万円であり、当連結会計年度においては該当事項はありません。信託が保有する自社の株式は株主資本において自己株式として計上しております。
ロ.期末株式数は前連結会計年度117,300株であり、当連結会計年度においては該当事項はありません。期中平均株式数は、前連結会計年度188,791株、当連結会計年度48,081株であります。期末株式数及び期中平均株式数は、1株当たり情報の算出上、控除する自己株式に含めておりません。
(株式給付信託)
イ.信託における帳簿価額は前連結会計年度5,063百万円、当連結会計年度4,058百万円であります。信託が保有する自社の株式は株主資本において自己株式として計上しております。
ロ.期末株式数は前連結会計年度569,359株、当連結会計年度429,309株であり、期中平均株式数は、前連結会計年度521,460株、当連結会計年度457,738株であります。期末株式数及び期中平均株式数は、1株当たり情報の算出上、控除する自己株式に含めておりません。
② 平成26年4月1日以降に契約を締結した従業員持株ESOP信託
a.取引の概要
平成27年11月24日開催の取締役会において、当社の中長期的な企業価値を高めることを目的として、従業員インセンティブ・プラン「従業員持株ESOP信託」の再導入を決議いたしました。
当社が「大東建託従業員持株会」(以下「当社持株会」といいます。)に加入する従業員(以下「従業員」といいます。)のうち一定の要件を充足する者を受益者とする信託を設定し、当該信託は信託設定後5年間に亘り当社持株会が取得すると見込んだ数の当社株式を、予め定めた取得期間中(平成27年12月16日~平成28年1月29日)に取得しました。その後、当該信託は当社株式を毎月一定日に当社持株会に売却しております。信託終了時に、株価の上昇により信託収益がある場合には、受益者たる従業員の拠出割合に応じて金銭が分配されます。株価の下落により譲渡損失が生じ信託財産に係る債務が残る場合には、金銭消費貸借契約の保証条項に基づき、当社が銀行に対して一括して弁済するため、従業員への追加負担はありません。
b.信託に残存する自社の株式
信託に残存する当社株式を、信託における帳簿価額(付随費用の金額を除く。)により、純資産の部に自己株式として計上しております。当該自己株式の帳簿価額及び株式数は、当連結会計年度8,325百万円、622,800株であります。
c.総額法の適用により計上された借入金の帳簿価額
当連結会計年度 9,000百万円
なお、これらの信託が所有する当社株式は、会社法上の自己株式に該当せず、議決権や配当請求権など通常の株式と同様の権利を有しております。また、会社法第461条第2項の分配可能額の計算に際して、会社法上の自己株式は控除されますが、これらの信託が所有する当社株式は控除されません。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① セグメント別業績
セグメント別業績については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ6.5%増加し、2,544億27百万円となりました(前連結会計年度は2,389億46百万円)。これは主に、価格改定による工事の採算改善の影響で完成工事総利益率が上昇したこと、着工促進等により完成工事高が増加したこと及び一括借上物件の増加に伴い家賃収入が増加したことによるものです。
③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ4.1%増加し、1,534億26百万円となりました(前連結会計年度は1,474億25百万円)。これは主に、人件費が26億23百万円増加したこと、広告宣伝費が15億62百万円増加したこと及び租税公課が10億54百万円増加したことによるものです。
④ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ10.4%増加し、1,010億1百万円となりました(前連結会計年度は915億20百万円)。増加要因は、売上総利益の増加154億81百万円によるものです。一方、減少要因は、販売費及び一般管理費の増加60億円によるものです。
⑤ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ10.1%増加し、1,055億58百万円となりました(前連結会計年度は958億87百万円)。これは主に、営業利益が94億80百万円増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。
(5)経営者の問題意識と今後の方針
平成27年1月の相続税法改正を踏まえ、土地所有者の皆様にとって資産承継や税務対策を背景とした土地活用ニーズは一層高まっており、今後もそのニーズは底堅く推移するものと予測されます。当社グループとしては、土地所有者の皆様が、“次世代へ円満・円滑な資産承継” を実現するため、資産承継に関するトータルサービスの提供を強化する必要があります。
一方、少子・高齢化、晩婚化の進行による一人住まい世帯数の増加や景気回復により入居需要は引き続き活発に推移するものと見込まれます。そのような中、入居者の皆様のニーズは多様化し、住まいを選ぶ目も厳しくなっており、当社グループとしても、入居者の皆様にとって魅力ある建物、住まい、サービスを提供する必要があります。
また、今後の震災復興の本格化や東京オリンピック関連の国内建設需要の高まりを踏まえた工事原価の抑制や施工体制の強化等も継続して注力する必要があります。
このような市場環境の中、当社グループは、「賃貸住宅にできることを、もっと。」を中期経営スローガンに、平成29年3月期を初年度をする新たな5ヵ年の中期経営計画を策定しております。
中期経営計画の概要は次のとおりです。
①受注進展 お客様(土地所有者の皆様)の資産活用から資産承継を実現するトータルサービスの提供
②完成工事 8,000億円の施工体制構築と適正利益の確保
③健全入居率維持 入居者斡旋力の強化と商品価値の向上
中期経営目標といたしましては、平成33年3月期に、売上高1兆8,478億円、営業利益1,280億円、親会社株主に帰属する当期純利益888億円、自己資本利益率(ROE)26.2%の実現を目指すとともに、貸家住宅着工戸数においては、シェア20%以上(賃貸市場規模を385千戸と想定)獲得することを設定しております。
中期経営計画(平成33年3月期(第47期)計画)は次のとおりです。
売上高 | 1兆8,478億円(年平均成長率 +5.5%) |
営業利益 | 1,280億円(年平均成長率 +4.8%) |
経常利益 | 1,320億円(年平均成長率 +4.5%) |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 888億円(年平均成長率 +5.7%) |
自己資本比率 | 40.8% |
自己資本利益率 | 26.2% |
1株当たり配当金 | 604円 |
配当性向 | 50.0% |
総還元性向 | 80.0% |