文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営基本方針
当社は、「限りある大地の最有効利用を広範囲に創造し、実践して社会に貢献する」を経営理念として掲げています。この経営理念を具現化していくため、賃貸住宅分野において土地所有者と入居者双方のニーズを最大限に活かし、良質な賃貸住宅の供給に努めるとともにその周辺分野へも事業拡大していきます。
また、事業活動における具体的な指針とするため、当社では以下の5項目を経営基本方針として定めています。
① 顧客第一主義に徹する(CS重視の経営)
② 重点主義に徹する(経営資源の重点的な投入)
③ 顧客の要望に合わせ、当社を創造(造り変え)する(市場環境への適応)
④ 現金取引主義を貫徹する(キャッシュ・フロー重視)
⑤ 高い生産性を背景とした高賃金主義に徹する(成果主義の人事処遇)
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、「売上高営業利益率7%以上」「ROE(自己資本当期純利益率)20%」を確保することを重要な経営指標目標として定めています。当期においては、売上高営業利益率8.1%、ROE30.6%となっています。
(3) 経営環境と対処すべき課題
我が国の人口、世帯数全体は共に減少すると予測されていますが、賃貸市場の中心と考えられる「単独世帯+二人世帯」数は、今後2030年まで増加すると予測されています。加えて老朽化物件の建替需要増加により、賃貸住宅は年間約30万戸程度の供給が必要と判断しています。また、高齢化の進む土地所有者の皆様にとって資産承継や税務対策を背景とした土地活用ニーズは依然として底堅く、今後もそのニーズは堅調に推移するものと予測されます。当社グループとしては、土地所有者の皆様が、“次世代への円満・円滑な資産承継”を実現するため、資産承継に関するトータルサービスの提供を強化する必要があります。
一方、少子・高齢化、晩婚化等の進行による一人住まい世帯数の増加やライフスタイルの多様化により、住まいに対する価値観が変化しています。そのため、入居者の皆様のニーズは多様化し、住まいを選ぶ目は一層厳しくなっています。当社グループとしては、入居者の皆様にとって魅力ある建物・住まいの提供はもとより、入居者の皆様の暮らしをより安心で快適・豊かにするサービスの充実にも注力する必要があります。
このような状況の中、中期経営計画「新5ヵ年計画」(2019年度~2023年度)の初年度として、基本方針「夢や将来を託され、継続した成長ができる企業へ」の下、賃貸住宅事業以外の新しい取り組みをスタートすることができました。引き続き、賃貸住宅事業の強化を図りつつ、これまでの当社グループのリソースも活用して、賃貸住宅専業から総合賃貸事業を核とした生活総合支援企業を目指してまいります。
新型コロナウイルス感染拡大により、当社グループにおいても営業活動の自粛・縮小、工事現場の一時閉所・稼働制限などの対応が余儀なくされています。今後、新型コロナウイルス感染症がさらに拡大し、収束期間が長期化した場合には、建設事業においては受注高や完成工事高の減少、不動産事業においては景気の後退や雇用情勢悪化による退去者の増加・入居率の低下が想定されます。また、その他事業においては休業要請に伴う介護・保育サービス利用者の減少やマレーシアホテルの稼働率の低下など、既に目に見える影響が出てきています。当社グループでは、早期段階でのテレワークや時差出勤の導入など社員とその家族の安全を第一に据えた対策を取りつつ、健全な企業活動と社会貢献を果たすべく、今後の動向を注視してまいります。
一方で、当社グループが提供する商品・サービスは生活に根差した“衣食住”の“住”に携わるものであり、新型コロナウイルス感染症の収束後にはそのニーズは一定程度まで回復するものと考えられます。加えて、この苦境を通じて人々の価値観は少なからず変化し、お客様が商品・サービスを見る目はより一層厳しくなることも想定されます。当社グループとしましては、人々の価値観の変化を敏感に察知し、商品・サービス、営業手法に至るまで、従来の手法にとらわれることなく変化していくことが必要と考えています。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「夢や将来を託され、継続した成長ができる企業」に向けて、コア事業(賃貸住宅分野)である建設事業・不動産事業の強化に加え、商業施設・レンタルオフィス等の住宅以外の賃貸事業へ事業領域を広げ、さらにエネルギー等のサービス事業へ事業領域を拡大することで、総合賃貸業を核とした「生活総合支援企業」を目指します。
数値目標としては、2024年3月期に、売上高2兆2,000億円、営業利益1,800億円、連結営業利益率7%以上、ROE(自己資本当期純利益率)20%以上の実現を目指すとともに、貸家着工戸数においては、シェア20%以上(賃貸市場規模を390千戸と想定)を獲得することを設定しています。
セグメント別の中長期的な経営戦略は以下のとおりです。
① 建設事業
建設事業では、土地活用・資産承継をお考えの土地オーナー様へ、立地条件や周辺環境を詳細に調査・分析した賃貸事業の提案や高品質な建物の提供を継続するとともに、他社施工物件の建て替え需要の取り込みや首都圏の営業力強化、デジタルマーケティングを活用した反響の拡大等に取り組みます。また、今後の国内建設需要高まりや労働者需給の逼迫を踏まえ、工事原価の抑制、労働力の確保及び施工体制の強化のため、協力会社様との連携強化に引き続き取り組んでいきます。
さらに、新規分野への参入として、リフォーム事業や事業提携等の取り組みも積極的に検討し、事業の拡大に努めていきます。
これらの施策により、2024年3月期には、建設事業売上高8,800億円、営業利益1,100億円を目指します。
② 不動産事業
不動産事業では、多様なメディア・チャネルを活用した入居者募集や独自の入居者サービスの提供による高い入居率を背景に、安定した建物賃貸事業の提供を継続するとともに、入居者のライフスタイルに合わせた良質な住空間と暮らしのサービスを引き続き提供します。また、IT技術の活用やターゲットを絞った施策による広告費の抑制等により、コストの削減と利益率の向上を図ります。
さらに、新規分野への参入として、海外現地法人の設立や不動産売買の仲介等の取り組みも積極的に検討し、事業の拡大に努めていきます。
これらの施策により、2024年3月期には、不動産事業売上高1兆1,600億円、営業利益480億円を目指します。
③ その他の事業(金融事業及びその他事業)
その他の事業では、保険・金融事業や海外事業を推進するとともに、レンタルオフィス事業、商業施設や物流施設、ホテル、寮等の建設・管理へ進出することで、「総合賃貸業」として事業領域の拡大を図ります。
さらに、LPガス、太陽光発電等のエネルギー事業や介護・保育事業、サブスクリプション(手数料)事業等、生活に関連する様々なサービスを提供することで、「生活総合支援企業」への成長を目指します。
これらにより、2024年3月期には、その他の事業売上高1,600億円、営業利益220億円を目指します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 原材料費等の高騰による原価の上昇、利益率の低下
当社は、賃貸建物の建設において、当社が元請けとなり、当社の現場監督(施工技術者)が直接施工業者に分離分割発注を行い、完成工事原価の抑制を実施しています。しかしながら、各種建設資材の価格上昇や労務費の上昇などにより、売上総利益率が低下する可能性があります。
(2) 税制改正による業績への影響
当社は、土地所有者に土地有効活用として賃貸マンション・アパートの建設を提案するコンサルティング営業を行い、建設受注を獲得しています。現在において土地活用の有効な手段は、建物賃貸事業経営とされていますが、税制改正により建物賃貸事業に関連する税負担等に変更があった場合、受注高が変動し業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金利の急上昇による受注キャンセル
土地所有者が建物賃貸事業を行う際、建物の建築代金は金融機関からの借入れにて調達することが一般的です。現在、長期金利は、依然、低金利状況が続いており、土地所有者が建物賃貸事業に踏み切る一つの要因となっています。金利が急激に上昇した場合、採算悪化を懸念した土地所有者が発注キャンセルを申し出るケースや建築プランの見直しが必要となるケースが発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法施行・法改正等に伴う経費増
当社グループは、建設業許可、建築士事務所登録及び宅地建物取引業免許等の許認可を受けて事業を展開し、またこれらの関連法令をはじめその他各種の法令等に基づいた企業活動を行っています。これらの法令等を遵守するためにコーポレートガバナンス及びコンプライアンス推進体制を強化していますが、新たな法令等が施行された場合、当該法令等に対応するための経費が追加的に発生し、業績に影響を与える可能性があります。
(5) 個人情報の漏洩等のリスク
当社グループは、土地所有者や入居者等、様々なお客様の個人情報をお預りしています。個人情報保護には特に配慮し対策を進め事業活動を行っていますが、万一、個人情報の漏洩等があれば、信用を大きく毀損することとなり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 自然災害によるリスク
大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、被災した当社グループの建築現場・事業所・情報設備等の修復やお客様の建物の点検、被災したお客様への支援活動等により、多額の費用が発生する可能性があります。また、被災地域において、社会インフラが大規模に損壊し、相当期間に亘り生産・流通活動が停止することで建築資材・部材の供給が一時的に途絶えたり、多数の社員が被災し勤務できなくなることにより、契約締結・工事着工・工事進捗や入居者斡旋活動が滞り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) 品質管理等に関するリスク
当社グループでは、施工基準書に定めた品質の確保に対して、施工業者、工事監督、設計者(工事監理者)による確認を行い品質確保に努めています。検査時には特に各工程の隠蔽部の確認を行い、完成時には施工状況を施工品質記録にまとめ「自主検査報告書」を施主に提出しています。しかしながら、予期せぬ事情により重大な品質問題が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
(8) 建設技能労働者減少に関するリスク
建設技能労働者数は年々減少しており、2025年には286万人まで減少(2015年対比16%減)すると予測されています。建設技能労働者数減少を見据えた対策として、現場作業の省力化、建設用ロボットを活用した現場作業の自動化、および外国人技能実習制度を通した協力業者に対して技能実習生の受入れの支援などを行っています。しかしながら、想定を超える建設技能労働者の減少によって業務の生産性低下や工期の長期化等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
(9) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するリスク
① 現在の状況について
当社グループでは、独自の事業継続計画書(パンデミック編)を軸に、新型コロナウイルス対策本部を設置し、感染予防、および感染拡大防止に努めています。現在は、テレワークや時差出勤など感染リスクの軽減策を講じたうえで、事業活動を実施しています。今後、新型コロナウイルス感染症が拡大し収束期間が長期化した場合、事業活動の制約が大きくなることが想定され、業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 財務への影響について
当社において現状、現預金等運転資金は十分にあり、当面は事業活動に大きな影響はないと考えていますが、新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響が長期に及ぶ場合に備え、シンジケート方式によるコミットメントライン契約を締結しています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績
当連結会計年度における国内経済は、企業業績や雇用情勢の改善など、緩やかな回復基調で推移していましたが、通商問題の動向が世界経済に与える影響の不確実性の高まりや消費増税に伴う消費減退への懸念等に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の実体経済への影響は計り知れず、先行きの不透明さが増す状況となりました。
住宅業界においては、新設住宅着工戸数は2019年7月から前年同月比9ヶ月連続して減少し、2019年度累計では前年比7.3%減少となりました。当社グループが主力とする賃貸住宅分野においては、貸家着工戸数が19ヶ月連続して減少し、2019年度累計で前年同期比14.2%の減少となりました。賃貸住宅市場は一時的な好況から、適正化に向けた安定成長に移行すると考えられます。
一方で、利便性の高い、安心・快適な賃貸建物の需要は引き続き底堅く推移するものと見込まれます。賃貸住宅分野は、入居需要に基づく健全な賃貸建物経営のノウハウに加え、入居者様の多様化するニーズに応え、災害に強い防災賃貸住宅、環境に配慮した賃貸住宅、ライフスタイルに合わせたスマート賃貸住宅などの提供に取り組む必要があります。
以上の結果、当社グループの連結業績は、売上高1兆5,862億93百万円(前期比0.3%減)、利益面では、営業利益1,279億56百万円(前期比0.7%増)、経常利益1,330億28百万円(前期比0.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益903億80百万円(前期比0.5%増)となりました。
売上高は、前連結会計年度に比べ48億85百万円(0.3%)減少し、1兆5,862億93百万円となりました。これは主に、アパートローン融資の厳格化の影響等により完成工事高が586億75百万円(9.6%)減少した一方、一括借上物件の増加等に伴い不動産事業売上高が495億81百万円(5.4%)増加したことによるものです。
売上総利益は、前連結会計年度に比べ135億80百万円(4.6%)減少し、2,824億63百万円となりました。これは主に、完成工事高の減少により、完成工事総利益が246億53百万円(13.4%)減少した一方、一括借上物件の増加及び入居者斡旋件数の増加等により不動産事業総利益が98億13百万円(11.0%)増加したことによるものです。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ144億90百万円(8.6%)減少し、1,545億6百万円となりました。これは主に、人件費が145億26百万円減少したことによるものです。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ9億9百万円(0.7%)増加し、1,279億56百万円、経常利益は、前連結会計年度に比べ7億88百万円(0.6%)増加し、1,330億28百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
建設事業は、完成工事高が5,511億3百万円(前期比9.6%減)となりました。完成工事総利益率は、完成工事高減少による固定費率の相対的な上昇等により、28.9%(前期比1.2ポイント低下)となりました。完成工事高の減少及び完成工事利益率の低下により、完成工事売上総利益は1,591億11百万円(前期比13.4%減)、営業利益は773億91百万円(前期比19.2%減)となりました。
建物種別の完成工事高及び次期繰越工事高は、次のとおりです。
(注)前事業年度及び当事業年度において完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
受注工事高は、5,192億71百万円(前期比18.3%減)となり、2020年3月末の受注工事残高は、8,299億49百万円(前期比7.2%減)となりました。
受注実績は、次のとおりです。
(注)当社グループでは、建設事業及び不動産事業の一部以外は受注生産を行っていません。
また、参考のため提出会社の受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高は、次のとおりです。
(注) 1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでいます。従って、当期完成工事高にも係る増減額が含まれています。
2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)です。
本項目における各事項の記載については、消費税等を除いた金額で表示しています。なお、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していません。
②不動産事業
不動産事業の売上実績の内訳は、次のとおりです。
管理戸数は、前期比3.8%増の1,165,772戸となりました。
入居者斡旋件数(注1)は、お部屋探しのお客様への話題性と認知度向上を目的として、賃貸仲介ブランド『いい部屋ネット』の新しいCM放映や年間プロモーションを実施した結果、334,854件(前期比3.6%増)となりました。また、2020年3月末の家賃ベース入居率(注2)は、居住用で97.2%(前年同月比0.2ポイント低下)、事業用で98.7%(前年同月比0.1ポイント低下)となりました。
(注) 1.大東建託リーシング㈱、大東建託パートナーズ㈱の合計件数(他社管理物件含む)
2.家賃ベース入居率=1-(空室物件の借上家賃支払額/家賃総額)
③金融事業
金融事業は、土地オーナー様、入居者様へ家賃や家財を補償する少額短期保険ハウスガード株式会社の契約数の増加等により、売上高が前連結会計年度比15.9%増の92億40百万円、営業利益は前連結会計年度比7.7%増の36億58百万円となりました。
④その他
その他事業は、ガスパルグループのLPガス供給戸数の増加や、介護・保育施設を運営するケアパートナー株式会社の施設利用者数の増加等により、売上高が前連結会計年度比6.0%増の522億54百万円、営業利益は前連結会計年度比3.0%増の90億63百万円となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前期末比205億16百万円増加の8,802億89百万円となりました。これは主に、営業貸付金343億32百万円、繰延税金資産118億27百万円及び完成工事未収入金等91億31百万円が増加した一方、現金預金286億83百万円が減少したことによるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりです。
①建設事業
建設事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ31億65百万円減少し、1,314億87百万円となりました。これは主に、賃貸住宅未来展示場に係る固定資産を全社資産に区分変更したことによるものです。
②不動産事業
不動産事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ105億82百万円増加し、3,279億79百万円となりました。これは主に、一括借上修繕引当金の増加に伴う繰延税金資産の増加及び一括借上物件の増加に伴う前払家賃の増加によるものです。
③金融事業
金融事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ368億48百万円増加し、1,398億54百万円となりました。これは主に、大東ファイナンス株式会社による営業貸付金の増加によるものです。
④その他
その他事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ98億48百万円増加し、1,166億95百万円となりました。これは主に、賃貸不動産の取得による固定資産の増加によるものです。
当連結会計年度末の負債は、前期末比366億54百万円増加の5,941億28百万円となりました。これは主に、前受金237億4百万円、一括借上修繕引当金171億30百万円及び工事未払金90億73百万円が増加した一方、長期借入金111億90百万円が減少したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、前期末比161億37百万円減少の2,861億61百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により903億80百万円増加した一方、自己株式の取得(役員報酬BIP信託による取得を含む)により599億41百万円及び配当金の支払いにより436億20百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比2.8ポイント低下して32.5%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度において現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比277億11百万円減少し、当連結会計年度末の残高は1,599億2百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,021億29百万円の獲得(前連結会計年度は719億82百万円の獲得)となりました。主な獲得要因は、税金等調整前当期純利益の計上1,330億14百万円、前受金の増加237億4百万円、一括借上修繕引当金の増加171億30百万円及び減価償却費150億2百万円です。一方、主な使用要因は、法人税等の支払額497億88百万円及び営業貸付金の増加額343億32百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、183億1百万円の使用(前連結会計年度は82百万円の獲得)となりました。主な獲得要因は、有価証券の売却及び償還による収入125億10百万円です。一方、主な使用要因は、有形固定資産の取得による支出191億30百万円、無形固定資産の取得による支出82億30百万円及び投資有価証券の取得による支出59億69百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,114億10百万円の使用(前連結会計年度は976億70百万円の使用)となりました。主な獲得要因は、長期借入れによる収入107億円です。一方、主な使用要因は、自己株式の取得による支出599億41百万円、配当金の支払436億20百万円及び長期借入金の返済による支出200億66百万円です。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した資金及び金融機関からの借入れにより調達した資金を運転資金、投資資金並びに配当金の支払等に投入しています。また、新型コロナウイルスの感染拡大と長期化に備え、安定的かつ機動的な資金調達手段を確保するとともに、財務基盤のより一層の安定を図ることを目的として、2020年5月に総額700億円のコミットメントライン契約を締結しました。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
4.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としています。また利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。
詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。見積りについては、過去の実績や適切な仮定に基づいて合理的な判断を行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大に関する重要な会計上の見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 追加情報」に記載しています。
該当事項はありません。
当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は
商品開発部においては、上半期4商品、下半期11商品の計15商品を新たに開発しました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっています。
DK SELECTの新たなラインナップとして、DINKs(ディンクス)や父子・母子世帯など近年多様化し増加する「2人世帯」をターゲットに、“ふたりらしさ”でアレンジを楽しめる「ふたりのカタチアイテム」を標準装備した一般地域向け商品『ルタンパルトスリー』を開発しました。
小さなお子様がいる世帯でも使いやすい広めの主寝室など、子育て世代にもやさしい戸建賃貸住宅商品『リベルテデュプレ』を開発しました。また、研究開発を進めていたオリジナルCLT工法による木造4階建て賃貸住宅「フォルターブ」を開発しました。既存2商品について、新たに3プランを開発しました。
高断熱化及び高効率設備と太陽光発電設備を設置することで、一次消費エネルギー量の収支をゼロにしたZEH-M賃貸住宅『ソレイユ』を開発し、販売開始しました。また、本商品の太陽光パネルの電源を災害時に地域の方も使えるなど、賃貸住宅における防災意識向上を目指す取り組み『ぼ・く・ラボ』が2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。
更なる居住性・快適性向上のために、内部建具やフローリングなどの内装仕様、及び住宅設備仕様を刷新し、新商品より導入を開始しました。
技術開発部においては、木造4階建て賃貸住宅「フォルターブ」にも採用した『オリジナルCLT工法』を開発しました。日本初のCLT集合住宅の商品化によりCLTの普及を促進する取り組みに対し、「地球環境温暖化防止活動環境大臣表彰(技術開発・製品化部門)」を受賞しました。また、同取り組みが「脱炭素チャレンジカップ2020」の企業・自治体部門で「環境大臣 金賞」を受賞しました。当社は今後も環境・社会課題の解決と利益創出を両立し、脱炭素社会の実現へ貢献していきます。
資材開発としては、施工現場における簡易施工が可能となる透明シーリング材の開発を行いました。透明シーリング材は、従来外壁部分に設置される換気フードや電気盤の周りに止水材として使用される色付きシーリングの仕上げ工程で発生する養生テープ処理やへら押え等の工程を省略することができる仕様となっています。また省力化仕様の開発として木製階段の新仕様の開発を行いました。従来仕様では階段の『側板』・『踏板』・『蹴込板』を接合させる際に階段の表・裏からビス止め等の接合処理を行っていましたが、新仕様では階段の表面のみで接合処理が可能となり、木製階段の施工時間の短縮化が図れるようになっています。
環境配慮への取り組みとしては従来現場加工で発生していた断熱材のサイズを2×4工法に最適なサイズにプレカットされた仕様の開発を行うことで、産業廃棄物の削減に寄与しました。また、昨年度から運用を開始した屋外宅配ボックスによる入居者様サービス向上として雨天時にも荷物の受け渡しができるよう専用屋根材の開発を行い、運用を開始しました。