文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営基本方針
当社は、「限りある大地の最有効利用を広範囲に創造し、実践して社会に貢献する」を経営理念として掲げています。この経営理念を具現化していくため、賃貸住宅分野において土地所有者と入居者双方のニーズを最大限に活かし、良質な賃貸住宅の供給に努めるとともにその周辺分野へも事業拡大していきます。
また、事業活動における具体的な指針とするため、当社では以下の5項目を経営基本方針として定めています。
① 顧客第一主義に徹する(CS重視の経営)
② 重点主義に徹する(経営資源の重点的な投入)
③ 顧客の要望に合わせ、当社を創造(造り変え)する(市場環境への適応)
④ 現金取引主義を貫徹する(キャッシュ・フロー重視)
⑤ 高い生産性を背景とした高賃金主義に徹する(成果主義の人事処遇)
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、「売上高営業利益率7%以上」「ROE(自己資本当期純利益率)20%」を確保することを重要な経営指標目標として定めています。当期においては、売上高営業利益率6.3%、ROE20.1%となっています。
(3) 経営環境と対処すべき課題
当連結会計年度における国内経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の断続的な感染拡大に伴う、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用等により、先行き不透明な状況が続きました。住宅業界においては、引き続き感染拡大防止策を踏まえた営業活動など柔軟な対応が求められるとともに、新型コロナウイルス感染拡大や地政学リスク増大を背景とする原材料価格の高騰やサプライチェーンへの影響について注視していく必要があります。
今後も利便性の高い、安心・快適な賃貸建物の需要は引き続き底堅く推移するものと見込まれます。賃貸住宅分野は、入居需要に基づく健全な賃貸建物経営のノウハウに加え、入居者様の多様化するニーズに応え、災害に強い防災賃貸住宅、環境に配慮した賃貸住宅、ライフスタイルに合わせたスマート賃貸住宅など、サステナブルな付加価値を生み出していく必要があります。
このような状況の中、当社グループは中期経営計画「新5ヵ年計画」(2019年度~2023年度)の4年目として、基本方針「夢や将来を託され、継続した成長ができる企業へ」の下、建設事業においては、営業要員の確保や契約質の向上を図りつつ、新型コロナ禍で構築した税理士・金融機関とのネットワークおよびデジタルマーケティングなどの新規チャネルを活かし、契約拡大を目指していきます。また、不動産事業においては、緻密なマーケティングに基づく入居率の維持や家賃の維持・上昇を図り、さらに盤石な収益基盤を築くとともに、他社建物の管理受託獲得、不動産売買を取り扱う店舗の拡大など、新たな収益機会の創出にも注力してまいります。
今後も、120万戸超の管理戸数を活かしたストックビジネス等、賃貸住宅事業および周辺事業の更なる強化を図っていくとともに、賃貸住宅事業以外の新しい取り組みも着実に促進させ、賃貸住宅事業を基盤とした生活総合支援企業を目指し、収益の最大化を図ってまいります。
(4) 気候変動への取組みとTCFDへの対応
当社グループは、環境への取り組みを、企業価値を高めるための取り組みとして捉え、この考えを軸に、環境経営戦略「DAITO 環境ビジョン2050」を策定しました(2020年)。さらに、当社グループが特に重点的に取り組むべき課題として「7つのマテリアリティ(重要課題)」を設定し(2021年)、その一つとして「事業活動による気候危機への対応」を掲げています。今後、当社グループの持続的な成長のためには、環境経営と成長戦略の一体化は不可欠であると考えています。経営資源や蓄積したノウハウなど、グループ全体の強みを活かしながら、環境課題の解決と利益創出の両立を目指します。
また、当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、気候変動が事業に与える「リスク」と「機会」の把握に努めるとともに、環境報告書や統合報告書などにおいて透明性の高い情報開示を行っています。
<組織体制(ガバナンス)>
当社グループが特に重点的に取り組むべき課題「7つのマテリアリティ」の推進に向け、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ執行企画会議」を設置し、課題解決に向けた具体的な取り組みの協議、推進を行っています。ここで協議した内容は、定期的に取締役会へ報告を行い、進捗管理をしています。同時に、取締役(環境経営プロジェクト担当)を委員長とした環境経営プロジェクト委員会を設置し、グループ会社も含めた環境経営体制を構築しています。定期的な全体会議を通して、現状の把握と課題解決に向けた議論を行い、グループ全体の環境に関する取り組みを推進しています。
<事業戦略>
(事業のリスクと機会)
当社グループが特に重要だと考えている環境課題は、「7つのマテリアリティ」にも設定している「気候危機(気候変動)」です。
気候危機は当社グループの事業活動に対して、さまざまな「リスク」と「機会」をもたらす可能性があり、企業としてそれらに対応していくことが重要であると考えています。
具体的には、風水害の増加による工事費用の増加や太陽光発電設備の損害増加、炭素税の導入による費用の増加等のリスクが考えられます。一方、消費者の環境意識の向上に対応した商品・サービスの提供やそれらへの投資は、当社グループの企業価値を高める機会であると捉えています。
今後、当社グループが長期的に存続・成長していくために、これらの「リスク」と「機会」を見極め、企業としての強み(経営資源・専門性など)を活かしながら環境課題の解決と利益創出を両立していきます。
(財務的影響の分析・算定)
事業への財務的影響については、気候変動シナリオ等(2℃未満シナリオ、4℃シナリオ)に基づき分析し、短期・中期・長期の事業への影響を評価の上、財務的影響について算定しています。
リスクについては、移行リスクとして、将来のエネルギー関連費用の増加を予測し、長期的に、炭素税導入による操業コスト増加(約12.7億円)および炭素税導入に伴う材料コスト増によるオーナー様需要減少(約64.2億円)、EV化による充電スタンド設置費用増加(約1.1億円)、再生可能エネルギーの購入費用(30.6億円)、ZEH市場の拡大によるZEH以外の住宅に対する需要低下(約8,800億円)等を算定しています。
物理的リスクとして、気温上昇が2℃未満に抑制されたとしても急性的に台風・豪雨等での水害が発生しうると予測しています。長期的に、工事中の風水害の増加(約1.2億円)およびオーナー様のコスト増による需要減少(約11.7億円)、労働時間の制限とそれに伴う完成遅延の増加(約4.2億円)、空調費用の増加(約10.1億円)、建設コストの増加(約2.2億円)等を算定しています。
機会については、再生可能エネルギー販売量増加による収益(約43億円)、ZEH市場拡大による収益(約8,800億円)等を算定しています。今後も様々な動向を踏まえ定期的に分析し、評価の見直しと情報開示の充実を進めていきます。
(前提要件)
対象期間:2020年~2040年代後半(短期:2023~2025年頃、中期:2030年代前半、長期:2040年代後半)
対象範囲:大東建託グループ
算定要件:気候変動シナリオ(SDS・NPS・STEPS・CPS・RTS等)に基づき分析
項目別に対象期間内に想定される利益影響額を算定
リスクは事象が発生した際の影響額で算定
公共事業等のインフラの強化やテクノロジーの進化等は考慮しない
(気候変動によるリスクおよび機会)
(単位:億円)

<リスク管理>
当社グループでは、重大な財務上または戦略的な影響を及ぼすリスクと機会の特定・評価は、取締役会の諮問機関である「リスクマネジメント委員会」にて実施しています。リスクマネジメント委員会では、当社グループ事業に影響を与える「①あらゆるリスク項目」を各事業部門にて洗い出し、リスクマネジメント委員会にて集約し、短・中・長期における発生可能性と当社事業への影響度等を踏まえスコアリングを行い、「②重要リスク項目」の評価・特定を行っています。その項目を踏まえ、取締役会にて、さらなる分析・評価を実施し、特に重大な財務上または戦略的な影響を及ぼす「③重点管理リスク項目」の特定を行っています。気候変動を起因とする異常気象・自然災害については、「③重点管理リスク項目」として特定しており、大規模な自然災害により、顧客・従業員・管理建物・建築建物・事業所が被災し、復旧に多大な時間とコストを要することで、個々の事業継続に支障をきたすと考え、具体的対策を協議・実施しています。
<指標と目標>
・温室効果ガスの削減については、グループ全体の温室効果ガス削減目標「2030年までに(2017年度比)Scope1+Scope2を55%削減」(SBT1.5℃水準)、「2030年までに(2017年度比)Scope3を16%削減」(SBT2℃水準)が、SBTの認定を受けています。
・2040年までに当社グループの事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目標に掲げ、「RE100」に加盟しています。
・2030年までに当社グループのエネルギー効率(売上高/エネルギー消費量)を2017年度比で2倍にすることを目標に掲げ、「EP100」に加盟しています。
・当社グループは、国際的な環境非営利団体であるCDPの質問書へ回答することを通して、質の高い情報開示を行っています。最新のスコアリングとしては、「CDP気候変動2021」では「A-リスト」に、「CDPフォレスト2021」では「Bリスト」に選定されました。
(5) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「夢や将来を託され、継続した成長ができる企業」に向けて、コア事業である建設事業・不動産事業の強化に加え、商業施設・サービスオフィス等の住宅以外の賃貸事業へ事業領域を広げ、さらにエネルギー事業やオンライン・プラットフォーム事業等、生活に密着したサービス事業へ領域を拡大することで、総合賃貸業を核とした「生活総合支援企業」を目指します。
数値目標としては、2024年3月期に、売上高1兆7,500億円以上、営業利益1,300億円以上、連結営業利益率7%以上、ROE(自己資本当期純利益率)20%以上の実現を目指すとともに、貸家着工戸数においては、シェア20%以上を獲得することを設定しています。
なお、売上高及び営業利益目標については、新型コロナウイルス感染症の拡大、輸入木材・エネルギー価格の高騰などの影響をふまえ、2022年4月に、当初計画からの修正を発表しています。(売上高:2兆2,000億円→1兆7,500億円以上 営業利益:1,800億円→1,300億円以上)
セグメント別の中長期的な経営戦略は以下のとおりです。
① 建設事業
建設事業では、コロナ禍を契機に、デジタルマーケティングや金融機関等からの紹介など、当社の強みであるダイレクトセールスの推進に加え新たな営業チャネルの強化を図るとともに、リフォームや民間入札案件への参加など、領域の拡大に取り組んでいきます。また、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)などの環境配慮型賃貸住宅への取り組みを積極的に行い、社会的課題の解決に寄与していきます。
② 不動産事業
不動産事業では、蓄積されたデータに基づくマーケティング力と高い入居斡旋力を背景に、高水準の入居率の維持に努め、入居者様のライフスタイルに合わせた良質な住空間と暮らしのサービスを引き続き提供していきます。また、オンライン・プラットフォームサービス「ruum」や、「いい部屋ネット」のフランチャイズ展開、不動産売買仲介事業への参入により、更なる収益の拡大を図っていきます。
③ その他の事業(金融事業及びその他事業)
その他の事業では、感染症の断続的な影響を受けているマレーシアのホテル事業の早期回復を図るとともに、インヴァランス社による投資マンション事業や、JustCo DK Japan社のサービスオフィス事業の拡大に取り組んでいきます。今後もグループシナジーを追求しつつ、社内ベンチャー制度による新規事業の育成・強化やM&Aに取り組み、事業領域を広げるとともに、収益の拡大を図っていきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 原材料費等の高騰による原価の上昇、利益率の低下
当社は、賃貸建物の建設において、当社が元請けとなり、当社の現場監督(施工技術者)が直接施工業者に分離分割発注を行い、完成工事原価の抑制を実施しています。しかしながら、各種建設資材の価格上昇や労務費の上昇などにより、売上総利益率が低下する可能性があります。
(2) 税制改正による業績への影響
当社は、土地所有者に土地有効活用として賃貸マンション・アパートの建設を提案するコンサルティング営業を行い、建設受注を獲得しています。現在において土地活用の有効な手段は、建物賃貸事業経営とされていますが、税制改正により建物賃貸事業に関連する税負担等に変更があった場合、受注高が変動し業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 金利の急上昇による受注キャンセル
土地所有者が建物賃貸事業を行う際、建物の建築代金は金融機関からの借入れにて調達することが一般的です。現在、長期金利は、依然、低金利状況が続いており、土地所有者が建物賃貸事業に踏み切る一つの要因となっています。金利が急激に上昇した場合、採算悪化を懸念した土地所有者が発注キャンセルを申し出るケースや建築プランの見直しが必要となるケースが発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法施行・法改正等に伴う経費増
当社グループは、建設業許可、建築士事務所登録及び宅地建物取引業免許等の許認可を受けて事業を展開し、またこれらの関連法令をはじめその他各種の法令等に基づいた企業活動を行っています。これらの法令等を遵守するためにコーポレートガバナンス及びコンプライアンス推進体制を強化していますが、新たな法令等が施行された場合、当該法令等に対応するための経費が追加的に発生し、業績に影響を与える可能性があります。
(5) 個人情報の漏洩等のリスク
当社グループは、土地所有者や入居者等、様々なお客様の個人情報をお預りしています。個人情報保護には特に配慮し対策を進め事業活動を行っていますが、万一、個人情報の漏洩等があれば、信用を大きく毀損することとなり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 自然災害によるリスク
大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、被災した当社グループの建築現場・事業所・情報設備等の修復やお客様の建物の点検、被災したお客様への支援活動等により、多額の費用が発生する可能性があります。また、被災地域において、社会インフラが大規模に損壊し、相当期間に亘り生産・流通活動が停止することで建築資材・部材の供給が一時的に途絶えたり、多数の社員が被災し勤務できなくなることにより、契約締結・工事着工・工事進捗や入居者斡旋活動が滞り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(7) 品質管理等に関するリスク
当社グループでは、施工基準書に定めた品質の確保に対して、施工業者、工事監督、設計者(工事監理者)による確認を行い品質確保に努めています。検査時には特に各工程の隠蔽部の確認を行い、完成時には施工状況を施工品質記録にまとめ「自主検査報告書」を施主に提出しています。しかしながら、予期せぬ事情により重大な品質問題が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
(8) 建設技能労働者減少に関するリスク
建設技能労働者数は年々減少しており、2025年には286万人まで減少(2015年対比16%減)すると予測されています。建設技能労働者数減少を見据えた対策として、現場作業の省力化、建設用ロボットを活用した現場作業の自動化、および外国人技能実習制度を通した協力業者に対して技能実習生の受入れの支援などを行っています。しかしながら、想定を超える建設技能労働者の減少によって業務の生産性低下や工期の長期化等が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。
(9) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するリスク
① 現在の状況について
当社グループでは、独自の事業継続計画書(パンデミック編)を軸に、新型コロナウイルス対策本部を設置し、感染予防、および感染拡大防止に努めています。現在は、テレワークや時差出勤など感染リスクの軽減策を講じたうえで、事業活動を実施しています。今後、新型コロナウイルス感染症の収束期間が更に長期化した場合、事業活動の制約が続き、業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 財務への影響について
当社において現状、現預金等運転資金は十分にあり、当面は事業活動に大きな影響はないと考えていますが、新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響が長期に及ぶ場合に備え、シンジケート方式によるコミットメントライン契約を締結しています。
(10) 気候変動に関するリスク
当社グループは、気候変動が事業活動に与える「リスク」へ適切に対応し、気候変動による「機会」を成長の機会として捉え、事業活動に取り組んでいくことが重要課題の一つと認識しています。詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)気候変動への取組みとTCFDへの対応」に記載しています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の断続的な感染拡大に伴う、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用等により、先行き不透明な状況が続きました。住宅業界においては、引き続き感染拡大防止策を踏まえた営業活動など柔軟な対応が求められるとともに、新型コロナウイルス感染拡大や地政学リスク増大を背景とする原材料価格の高騰やサプライチェーンへの影響について注視していく必要があります。
また、新設住宅着工戸数は2021年4月~2022年3月累計で前期比6.6%の増加となりました。当社グループが主力とする賃貸住宅分野においても、貸家着工戸数が2021年4月~2022年3月累計で前期比9.2%の増加となりました。
今後も利便性の高い、安心・快適な賃貸建物の需要は引き続き底堅く推移するものと見込まれます。賃貸住宅分野は、入居需要に基づく健全な賃貸建物経営のノウハウに加え、入居者様の多様化するニーズに応え、災害に強い防災賃貸住宅、環境に配慮した賃貸住宅、ライフスタイルに合わせたスマート賃貸住宅など、サステナブルな付加価値を生み出していく必要があります。
以上の結果、当社グループの連結業績は、売上高1兆5,830億3百万円(前期比6.3%増)、利益面では、営業利益995億94百万円(前期比14.8%増)、経常利益1,036億71百万円(前期比14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益695億80百万円(前期比11.7%増)となりました。
なお、会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度から適用しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。
売上高は、前連結会計年度に比べ940億88百万円(6.3%)増加し、1兆5,830億3百万円となりました。これは主に、工事が順調に進捗したこと等により完成工事高が311億21百万円(7.7%)増加し、一括借上物件の増加等に伴い不動産事業売上高が499億68百万円(4.9%)増加したことによるものです。
売上総利益は、前連結会計年度に比べ212億77百万円(8.9%)増加し、2,601億42百万円となりました。これは主に、完成工事高の増加により、完成工事総利益が25億11百万円(2.4%)増加し、一括借上物件の増加及び入居者斡旋件数の増加等により不動産事業総利益が150億5百万円(13.8%)増加したことによるものです。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ84億21百万円(5.5%)増加し、1,605億48百万円となりました。これは主に、人件費が90億10百万円増加したことによるものです。
この結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ128億55百万円(14.8%)増加し、995億94百万円、経常利益は、前連結会計年度に比べ130億64百万円(14.4%)増加し、1,036億71百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
建設事業は、工事が順調に進捗したこと等により、完成工事高が4,328億31百万円(前期比7.7%増)となりました。完成工事総利益率は、輸入木材価格の高騰等の影響により、24.7%(前期比1.3ポイント低下)となりました。完成工事高の増加により、完成工事売上総利益は1,069億82百万円(前期比2.4%増)、営業利益は353億12百万円(前期比8.2%増)となりました。
建物種別の完成工事高及び次期繰越工事高は、次のとおりです。
(注)前事業年度及び当事業年度において完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
受注工事高は、4,207億54百万円(前期比17.3%増)となり、2022年3月末の受注工事残高は、7,109億47百万円(前期比6.1%減)となりました。
受注実績は、次のとおりです。
(注)当社グループでは、建設事業及び不動産事業の一部以外は受注生産を行っていません。
生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載していません。
②不動産事業
不動産事業の売上実績の内訳は、次のとおりです。
管理戸数は、前期比2.3%増の1,231,879戸となりました。
入居者斡旋件数(注1)は、342,365件(前期比1.5%増)となりました。また、2022年3月の家賃ベース入居率(注2)は、居住用で98.1%(前年同月比0.3ポイント上昇)、事業用で99.3%(前年同月比0.5ポイント上昇)となりました。
(注) 1.大東建託リーシング㈱、大東建託パートナーズ㈱の合計件数(他社管理物件含む)
2.家賃ベース入居率=1-(空室物件の借上家賃支払額/家賃総額)
③金融事業
金融事業は、土地オーナー様、入居者様へ家賃や家財を補償する少額短期保険ハウスガード株式会社の契約数の増加、大東ファイナンス株式会社の利息収入の減少等により、売上高が前連結会計年度比0.2%増の100億40百万円、営業利益は前連結会計年度比17.8%減の45億76百万円となりました。
④その他
その他事業は、2020年11月に連結子会社化した株式会社インヴァランスの売上・利益が年間を通じて計上されたことや米国賃貸住宅の投資ファンドからの分配金が増加したこと、およびガス供給事業における延べ稼働メーター数が増加したこと等により、売上高が前連結会計年度比20.6%増の759億1百万円、営業利益は前連結会計年度比26.7%増の98億73百万円となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前期末比864億24百万円増加の1兆58億79百万円となりました。これは主に、現金預金601億40百万円、収益認識に関する会計基準等の適用により棚卸不動産が153億58百万円及び有形固定資産54億82百万円が増加した一方、営業貸付金76億50百万円が減少したことによるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりです。
①建設事業
建設事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ184億11百万円増加し、1,189億19百万円となりました。これは主に、収益認識に関する会計基準等の適用による棚卸不動産の増加によるものです。
②不動産事業
不動産事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ152億49百万円増加し、3,548億37百万円となりました。これは主に、一括借上修繕引当金の増加に伴う繰延税金資産の増加、太陽光発電設備の新規設置による増加及び一括借上物件の増加に伴う前払家賃の増加によるものです。
③金融事業
金融事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ14億44百万円減少し、1,353億75百万円となりました。これは主に、大東ファイナンス株式会社による営業貸付金の減少によるものです。
④その他
その他事業の総資産は、前連結会計年度末に比べ207億72百万円増加し、1,620億62百万円となりました。これは主に、JustCo DK Japan株式会社のフレキシブル・ワークスペース事業の本格稼働開始に伴う資産の増加、ガス供給事業におけるLPガス設備の増加及び株式会社インヴァランスの販売用不動産の増加によるものです。
当連結会計年度末の負債は、前期末比288億43百万円増加の6,400億91百万円となりました。これは主に、前受金248億94百万円、一括借上修繕引当金176億90百万円及び社債109億20百万円が増加した一方、収益認識に関する会計基準等の適用によりその他流動負債が240億64百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、前期末比575億80百万円増加の3,657億87百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により695億80百万円及び収益認識に関する会計基準等の適用により期首利益剰余金が162億24百万円増加した一方、配当金の支払いにより335億37百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末比2.8ポイント増加して36.5%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度において現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比600億64百万円増加し、当連結会計年度末の残高は2,588億25百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,124億83百万円の獲得(前連結会計年度は984億61百万円の獲得)となりました。主な獲得要因は、税金等調整前当期純利益の計上1,032億17百万円、一括借上修繕引当金の増加額176億90百万円、減価償却費161億82百万円及び仕入債務の増加額88億94百万円です。一方、主な使用要因は、法人税等の支払額429億25百万円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、195億11百万円の使用(前連結会計年度は247億40百万円の使用)となりました。主な獲得要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入32億91百万円及び有価証券の売却及び償還による収入15億円です。一方、主な使用要因は、有形固定資産の取得による支出113億92百万円、無形固定資産の取得による支出59億62百万円及び投資有価証券の取得による支出41億68百万円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、340億89百万円の使用(前連結会計年度は343億15百万円の使用)となりました。主な獲得要因は、社債の発行による収入110億円です。一方、主な使用要因は、配当金の支払額335億37百万円及び長期借入金の返済による支出135億26百万円です。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローにより獲得した資金及び金融機関からの借入れ及び社債発行により調達した資金を運転資金、投資資金並びに配当金の支払等に投入しています。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2.いずれも連結ベースの財務数値により算出しています。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
4.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。
5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としています。また利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
該当事項はありません。
当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は
商品開発部においては、自分らしい自由な暮らしを実現する賃貸住宅『DK SELECT商品』のラインナップを充実させるため、上半期11商品、下半期8商品の計19商品を新たに開発しており、一部をご紹介します。
「防災目線」で開発した商品『ぼ・く・ラボ賃貸 ニーモ』は、水害にフォーカスし、1階をRC造のピロティにするなど、日々の暮らしの中で災害への対策を無理なく取り入れた「フェーズフリー」な賃貸住宅をコンセプトに、地域防災の拠点としても近隣地域に貢献できる活動を視野に入れた商品として開発しました。
3階建て重量鉄骨造商品『アルバス』は、建物コーナーの開口部やオーバーハングの外壁が表情豊かな陰影を演出する新たなデザインで、間取りはカップルをターゲットにいつまでも快適に暮らせる1LDK中心の商品です。
高付加価値賃貸『シエルシリーズ』として2商品を開発しました。『シエルコート』は、コート(中庭)を、『シエルガレージ』は1階部分にガレージを採用した、高付加価値を付けたこれまでにない賃貸住宅商品です。
『コンテチェストⅢ』は、一人暮らし向け商品として、ゆとりのある洗面化粧台・ユニットバス等を備えた住宅設備を用意しました。構造は、高倍率耐力壁を使用しシンプルにして、1階の間取り変更を計画しやすくした商品です。
その他にも、落ち着いた外観と、室内物干しなどの機能的な住宅設備を兼ね備えた『リヴァーサK』や、建物構造や階数、間取りを幅広くラインナップしたRC造商品『リヴァーサ RC ロコモK』『リヴァーサ RC ロコモKW』、カップル向け商品『クルール』などを全国向けに発売、戸建て商品『ココダテウィズ』の開発など、多くのラインナップを取りそろえることで、多様な市場ニーズや入居者ニーズに対応できるように取り組みました。
技術開発部においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による“新しい生活様式”に対応するために当社が建築する賃貸物件にSIAA(抗菌製品技術協議会)により抗菌加工の認証を受けた、壁・天井クロスとフローリングに加え『キッチンパネル』『メラミンカウンター』でのSIAA認証を追加取得し、運用を開始しました。
また、更なる入居者様のサービス向上として『当社オリジナル屋根付き宅配ボックス』、キーレスで荷物が受け取れる『電子式宅配ボックス』を開発し運用を開始しました。
建物性能向上への取り組みとして住宅性能等級で最高等級4となる『界壁遮音性能Rr55』を開発・公的試験場での性能確認を実施し、2×4工法のペット仕様物件に対して標準導入を開始しました。また、界床遮音仕様の開発としてRC造・2×4造に対して業界最高性能となる『重量衝撃音LH50、軽量衝撃音LL35』の仕様を開発・公的試験場での性能確認を実施し、オーナー様のご要望に応じた提案を開始しました。
現場職人不足への対策として、現場施工に時間が掛かる『木製内部階段のプレカット仕様』を開発し、低層木造物件での運用を開始しました。また、従前のFRP防水や板金防水工法に加え、新素材となる『吹き付け防水』工法の採用を開始しました。
環境配慮への取り組みとしては、脱炭素社会に向けた取り組みとして、ZEH仕様の賃貸住宅の拡大を図るために2×4造で『ZEH-Oriented性能』となる仕様の開発を行い、北海道及び断熱地域区分1~3を除くエリアでの提案を開始しました。
また、木材利用促進に向けた国内初の木造耐火建築物である大東建託のCLT商品『フォルターブ』1号棟が、林野庁から「先駆性が高い建築物」として実証されました。
埋もれていた環境価値を顕在化させる技術として当社初の取り組み、「省エネルギー住宅のCO2排出量削減量」をクレジット化する方法論が、J-クレジット制度認証委員会から承認・登録されました。本プロジェクトは、方法論「省エネルギー住宅の新築又は省エネルギー住宅への改修」を活用した、国内初のプロジェクトとなり、住宅業界でのカーボンオフセットの活性化に寄与します。