文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「建設を通じ社会に貢献することを崇高な使命とする」を経営理念に掲げ、「自主先進の経営」、「戦略的経営」、「人を育てる経営」を経営の基本スタンスとし、「企業文化の創生と共に21世紀日本の新しい建設産業をリードする高資質企業」、「建設を通してより豊かな社会創りに貢献する生活総合サポート企業」を経営ビジョンとしております。
社会構造と顧客ニーズの変化に柔軟に対応できる、高度なデベロッパー機能を持つ高資質な総合建設業として、顧客をはじめ株主の皆様のご期待と信頼にお応えできる企業グループづくりを目指しております。
当社グループは、従来の建設受注産業から建設販売産業への転換を目指し、経営戦略の基本方針を「変化する時代ニーズを捉え、顧客志向に基づいた戦略を徹底」、「企業規模の拡大と組織強化により優れた企業価値を構築し、収益力の向上を図る」としております。
また、当社グループ独自のビジネスモデルである建設事業と開発事業を併せ持つ一貫体制や時代のニーズに応える技術力(耐震工法や外断熱工法等)、建設の需要を生み出す企画提案型営業等の「価値を創造する力」を最大限活かし、先見性を持って、環境の変化に柔軟に対応する経営により、着実な安定成長を継続することを目標としております。
今後のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発令が継続されるなか、宿泊、飲食等のサービス産業をはじめ、製造業においてもサプライチェーンの寸断等により大きな影響が出ており、今後は、景気後退に伴う個人消費への影響が懸念されます。
当社グループをとりまく事業環境におきましては、建設事業では、インバウンド関連等の設備投資が一時的に減少し、競争環境が激しくなることが懸念されます。また、開発事業では、個人消費の低迷が顧客の購買意欲に与える影響が懸念されます。
当社グループは、新型コロナウイルス感染の防止策を徹底しつつ、建設事業と開発事業によるシナジー効果の更なる拡充による一層の企業価値の向上を目指し、以下の事項に取り組んでまいります。
① 非住宅・大型工事の技術力強化
・非住宅(物流施設・商業施設)、大規模案件の設計力強化
・大型・鉄骨工事の積算精度の向上及び新規優良協力業者の開拓
・大型・鉄骨工事の施工技術力(施工品質・工期短縮)向上
② 企画開発力、営業力の強化
・付加価値営業の徹底による特命受注の強化
・非住宅(鉄骨造)、大型工事受注の積極展開
・駅近の好立地に絞った事業用地の仕入
③ 継続的な業務改善による生産性向上、及び働きやすい環境の整備
・施工管理手法の改善による施工品質向上、及びコスト削減
・自社製販一貫体制の更なる改善による高品質な商品、サービスの提供
・業務効率化による総労働時間の削減
④ リスク管理、コンプライアンスの徹底
・工事受注、用地仕入時等における事業リスク管理の徹底
・法令、社会規範を遵守した業務遂行の徹底
・労働安全衛生マネジメントシステム導入による事故防止機能の強化
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループが属する建設業界では、建設市場の縮小による競争の激化や、建設労働者や資材等の価格の急激な上昇やその確保難、関係法令の改正等のリスクが存在しております。
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、受注高の減少、労務・資材単価の上昇や工期の遅れ等が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当該リスクを最小化するため、建物の付加価値を向上させる企画提案型の営業に注力して受注を確保するとともに、既存の協力業者だけでなく新規協力業者の開拓に常に取り組むことで、建設労働者及び資材を安定的に確保するための活動を行っております。
当社グループが属する不動産業界では、地価の動向や物件の需給環境等の影響を受けやすく、景気悪化、金利上昇等の経済情勢の変化や関係法令の改正等のリスクが存在しております。
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、顧客の購買意欲の減退や、たな卸資産等の価値が下落する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当該リスクを最小化するため、用地取得の際に、駅近で実需層向けの物件等、景気悪化の影響を受けにくい物件を選定し、販売戦略を慎重に検討する等、不動産市況の動向、顧客のニーズに応じた仕入活動を行っております。
当社グループの発注者や協力業者等の取引先が信用不安に陥るリスクが存在しております。
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、工事代金の回収不能や工事の遅延等が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当該リスクを最小化するため、取引先の信用調査を徹底するとともに、代金回収の早期化に努める等取引先の信用リスクを低減させる活動を行っております。
当社グループにおいて、法令違反や不適切な契約の締結、訴訟、紛争その他の法的手続き等の発生、事務処理ミス、不正の発生、社内情報の流出、システム障害等が発生するリスクが存在しております。
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、当社グループが保有する資産の毀損や社会的信用の低下等が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当該リスクを最小化するため、法務室による法務リスクの管理や、監査室による内部監査の実施、情報セキュリティーの強化等、内部統制の拡充に努め、オペレーショナルリスクを低減させる活動を行っております。
当社グループは現在、海外において事業を展開しておりませんが、今後、海外における投融資や現地法人の子会社化等の事業を展開する場合、現地の政治・経済情勢、法的規制等に著しい変化が発生するリスクが存在しております。
当該リスクが顕在化した場合、多額の貸倒れや評価損の発生、在外子会社の業績悪化等の可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
地震、風水害等の自然災害及び事故、火災、テロ等の人的災害、感染症の大流行やその他予想し得ない災害が発生するリスクが存在しております。
当該リスクが顕在化しております新型コロナウイルス感染症の感染拡大につきましては、マスクの配布・検温の徹底等による感染拡大の防止、テレワーク・時差出勤等の新しい生活様式を導入するための体制を整備しております。また、建設現場やモデルルームにおける徹底した3密の回避等の施策を実施し、当社グループの業績等に与える影響を最小化しております。
その他のリスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、当社グループが保有する資産の毀損、従業員や取引先等への影響が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善を背景として低成長ながらも堅調に推移しておりましたが、消費税の増税や年明け以降の世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、景気は減速局面に転換しました。
当社グループをとりまく事業環境におきましては、建設事業では、公共投資や民間設備投資は底堅く推移いたしましたが、経済情勢の変化により先行きの不透明感が高まる状況となりました。一方、開発事業等では、マンション販売価格が高止まりしており、首都圏マンション市場での初月契約率が好不調の目安となる70%を割り込む厳しい状況が続きました。
このような環境のなか、当社グループの連結業績は、次のとおりとなりました。売上高につきましては前期比9.0%増の1,125億42百万円となり、その内訳は完成工事高673億円、開発事業等売上高452億42百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前期比1.1%減の145億1百万円、経常利益は前期比0.4%増の146億1百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比4.7%増の105億39百万円となりました。
セグメント毎の経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメント間の内部取引が発生する場合は、その消去前の金額を使用しております。
(建設事業)
当セグメントの売上高は前期比12.2%増の676億77百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比4.9%増の69億96百万円となりました。
(開発事業等)
当セグメントの売上高は前期比5.2%増の452億42百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比6.6%減の83億22百万円となりました。
また、当連結会計年度末において、総資産は前期末と比べて113億66百万円増加し、1,170億31百万円(うち流動資産1,042億30百万円、固定資産128億1百万円)、負債合計は前期末と比べて19億71百万円増加し、437億57百万円(うち流動負債418億96百万円、固定負債18億61百万円)、純資産合計は前期末と比べて93億95百万円増加し、732億74百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末と比べて63億48百万円増加し、571億96百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期末と比べて64億67百万円減少し、72億円となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期末と比べて15百万円減少し、2億82百万円となりました。この主な要因は、貸付金の回収による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期末と比べて37億91百万円増加し、マイナス11億35百万円となりました。この主な要因は、配当金の支払額によるものであります。
a.受注実績
b.売上実績
c.繰越実績
(注) 1 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、参考のため当社単独の事業の状況は次のとおりであります。
受注高及び売上高の状況
(単位:百万円)
(注) 1 前期以前に受注した工事で契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注高に増減額を含めております。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注)1 第55期完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第56期完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
2 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別売上高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
該当事項はありません。
当事業年度
該当事項はありません。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
ニ.次期繰越高(2020年3月31日現在)
(注) 1 繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(売上高、売上総利益)
売上高は前期と比べて92億92百万円増加(9.0%増)し、1,125億42百万円となりました。この主な要因は、非住宅分野を強化し、生産性の高い工事が増加したこと等により、完成工事高が増加したことによるものであります。また、売上総利益は前期と比べて8億28百万円減少(4.1%減)し、192億37百万円となりました。この主な要因は、開発事業等において、前期に高収益の案件が多かったことの反動によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は前期と比べて6億63百万円減少(12.3%減)し、47億35百万円となりました。この主な要因は、役員退職慰労引当金繰入額が減少したことによるものであります。
この結果、営業利益は前期と比べて1億64百万円減少(1.1%減)し、145億1百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は前期と比べて48百万円増加(69.4%増)し、1億18百万円となりました。この主な要因は、前期は発生しなかった受取和解金によるものであります。
営業外費用は前期と比べて175百万円減少(90.5%減)し、18百万円となりました。この主な要因は、前期の期中に精算した中国子会社の支払利息が、当期は発生しなかったことによるものであります。
この結果、営業外損益は1億円の利益(前期は1億23百万円の損失)となり、経常利益は前期と比べて58百万円増加(0.4%増)し、146億1百万円となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、中国事業を精算したことに伴う貸倒引当金戻入額が発生したことから、4億21百万円(前期は12億89百万円)となりました。
特別損失は、廃止を決定した福利厚生施設について減損損失が発生したこと等から、90百万円(前期は15億24百万円)となりました。
この結果、特別損益は3億30百万円の利益(前期は2億35百万円の損失)となり、税金等調整前当期純利益は前期と比べて6億25百万円増加(4.4%増)し、149億32百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と比べて4億72百万円増加(4.7%増)し、105億39百万円となりました。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前期末と比べて118億75百万円増加し、1,042億30百万円となりました。この主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が70億66百万円増加したことによるものであります
固定資産は、前期末と比べて5億8百万円減少し、128億1百万円となりました。この主な要因は、固定資産の減価償却によるものであります。
この結果、総資産は、前期末と比べて113億66百万円増加し、1,170億31百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前期末と比べて43億17百万円増加し、418億96百万円となりました。この主な要因は、支払手形・工事未払金等が23億84百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前期末と比べて23億46百万円減少し、18億61百万円となりました。この主な要因は、役員退職慰労引当金が24億76百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前期末と比べて19億71百万円増加し、437億57百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前期末と比べて93億95百万円増加し、732億74百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が94億28百万円増加したことによるものであります。
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
セグメント間の内部取引が発生する場合は、その消去前の金額を使用しております。
(建設事業)
建設事業セグメントでは、建物の付加価値向上をベースにした企画提案型営業を推進するとともに、物流施設や宿泊施設、工場等の非住宅案件の受注強化等に取り組んでまいりました。その結果、当セグメントの売上高は前期比12.2%増の676億77百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比4.9%増の69億96百万円となりました。
また、セグメント資産は前期末と比べて106億69百万円増加し、351億48百万円となりました。この主な要因は、売上高の増加等に伴い、売上債権が増加したことによるものであります。
(開発事業等)
開発事業等セグメントでは、用地取得から企画・設計・施工・分譲・管理・アフターサービスまで全て当社グループで行う「自社製販一貫責任体制」による安心・安全の自社マンションブランド「EXCELLENT CITY」シリーズを更に強化するとともに、大型の再開発プロジェクトに参入し、収益構造の多角化を図ってまいりした。その結果、当セグメントの売上高は前期比5.2%増の452億42百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比6.6%減の83億22百万円となりました。
また、セグメント資産は前期末と比べて19億62百万円減少し、474億43百万円となりました。この主な要因は、自社分譲マンションに係る開発事業等支出金が減少したことによるものであります。
当社グループは、今後の事業展開に備えるための資金の流動性の確保と内部留保の充実、及び株主への利益還元等を総合的に勘案しながら、健全なバランスシート及び最適な資本構成を維持し、財務体質のより一層の強化を図ってまいります。
そのため、資金運用については、短期的な預金等に限定するとともに、事業用地の取得や開発物件の建築資金等の短期的な運転資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び借入枠の実行による金融機関からの短期借入れ、再開発事業等の大型プロジェクトや設備投資等の長期的な資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入れによる方針であります。
グループ各社の資金については、当社において一元管理しており、必要に応じて各社の資金を融通しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、前期末と比べて2百万円減少(3.7%減)し、69百万円となり、現金及び現金同等物の残高は、前期末と比べて63億48百万円増加(12.5%増)し、571億96百万円となりました。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症について、その収束時期等は不透明であり、今後の経済活動への影響を予測できない状況となっております。このため、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性がありますが、現時点において影響額を合理的に算定することは困難であります。
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積額に基づいて、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかを判断しております。課税所得の見積額が変動した場合、法人税等調整額に影響を与える可能性があります。
退職給付債務は、割引率等の計算基礎を用いた数理計算に基づいて計算しております。割引率等が変動した場合、退職給付費用に影響を与える可能性があります。
c.工事進行基準の適用
当連結会計年度末の進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を適用しております。想定していなかった工事の遅延等により工事進捗度等が変動した場合、完成工事高及び完成工事原価に影響を与える可能性があります。
特記事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、建設事業セグメントにおいて、PC工法の研究開発等を行っております。当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は