第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「建設を通じ社会に貢献することを崇高な使命とする」を経営理念に掲げ、「自主先進の経営」、「戦略的経営」、「人を育てる経営」を経営の基本スタンスとし、「企業文化の創生と共に21世紀日本の新しい建設産業をリードする高資質企業」、「建設を通してより豊かな社会創りに貢献する生活総合サポート企業」を経営ビジョンとしております。

社会構造と顧客ニーズの変化に柔軟に対応できる、高度なデベロッパー機能を持つ高資質な総合建設業として、顧客をはじめ株主の皆様のご期待と信頼にお応えできる企業グループを目指しております。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、従来の建設受注産業から建設販売産業への転換を目指し、経営戦略の基本方針を「変化する時代のニーズを捉え、顧客志向に基づいた戦略を徹底」、「企業規模の拡大と組織強化による優れた収益力と強固な財務基盤を構築し、企業価値の向上を図る」としております。

また、当社グループ独自のビジネスモデルである建設事業と開発事業を併せ持つ一貫体制や時代のニーズに応える技術力、建設の需要を生み出す企画提案型営業、環境に配慮したZEH-Mや太陽光発電設備の導入や高齢者向け施設の開発等の「価値を創造する力」を最大限活かし、先見性を持って、環境の変化に柔軟に対応する経営により、着実に安定成長することを目標としております。

 

(3) 経営環境

今後のわが国経済は、賃金と物価の好循環が期待される一方、米国の関税政策が自動車産業を中心とした輸出企業に与える影響が見通せず、先行きは不透明な状況となっております。

当社グループをとりまく事業環境におきましては、建設事業では労務不足が続くなか、輸出企業を中心とした設備投資需要の減少が懸念されます。一方、開発事業等では首都圏のマンション市場における需給バランスはおおむね均衡しているものの、今後の販売価格の上昇や金利の動向が顧客の購入意欲に影響を与えるおそれがあります。

 

(4) 対処すべき課題

当社グループは、建設事業と開発事業によるシナジー効果の更なる拡充による一層の企業価値の向上を目指し、以下の事項に取り組んでまいります。

① 企画開発力、営業力の強化

・付加価値営業の徹底による特命受注の強化

・工場、倉庫、商業、教育施設、宿泊施設等、非住宅設備投資案件への取組強化

② 自社製販一貫体制の更なる改善による高品質な商品、サービスの提供

・駅近の好立地に絞った事業用地の仕入

・自社ブランドマンションにおけるZEH-M、太陽光発電設備の標準化促進

・高齢者向け住宅の開発によるシニア市場への参入

③ 労務不足、資材コスト上昇への対応

・新規協力業者の開拓による安定的な調達先の確保

・PC工法や新資材の採用による工期短縮及び原価低減

・物件規格化・大量調達による安定的な資材調達及び原価低減

④ 人材関連投資の拡充

・賃金の引き上げ及び働きやすい環境の整備による優秀な人材の確保

・研修制度の拡充等による人材育成の強化及びマネジメント力の向上

⑤ 働き方改革を踏まえた継続的な業務改善による生産性向上

・DX推進による業務効率化及び総労働時間削減

・施工管理手法の改善による時間短縮及びコスト削減

⑥ リスク管理、コンプライアンスの徹底

・工事受注、用地仕入時等における事業リスク管理の徹底

・法令、社会規範を遵守した業務遂行の徹底

・施工プロセスの確実な検証による重大な施工瑕疵の発生防止と現場事故0運動の徹底

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループは、気候変動をはじめとした地球規模の環境問題への配慮、人権の尊重、従業員を含む全てのステークホルダーへの公正・適正な事業活動など、社会や企業のサステナビリティを巡る課題解決を事業機会と捉え、これに向けた取り組みを推進するため常務会にて検討し、重要事項等を適宜、取締役会に報告しております。常務会は、社長執行役員髙見克司を議長とし、鈴木政幸、高橋苗樹及び金綱康人の4名で構成されております。

取締役会は、常務会から報告を受けた重要事項等を必要に応じて審議するとともに、指導、監督しております。

 

(2) 戦略

① 気候変動への対応

当社グループは、TCFD提言に基づき抽出したリスクと機会を常務会にて分析し、重要なリスクと機会及びその影響度を特定して対応策を検討いたしました。その概要は、以下のとおりであります。

シナリオ

分類

項目

期間

影響度

対応策

1.5℃

機会

環境に配慮した建築物の需要が拡大する

中期

・ZEH-Mの取組拡大

・太陽光充電設備及びEV充電設備の導入推進

リスク

炭素税導入によりコストが上昇する

長期

・PC工法や新素材の採用による工期短縮及び原価低減

4℃

機会

異常気象により被災した建物の移転や再建築需要、防災減災関連工事が増加する

中期

・防災減災工事に関する施工能力の維持向上

リスク

平均気温の上昇により工事現場での熱中症発生数が上昇し工期が遅延する

長期

・通気性の良い作業着や対策商品の採用

・業務効率化による酷暑作業時間の削減

異常気象により資材調達先が被災する

長期

・資材調達先を含めた協力会社の拡大及び連携強化

 

※1  1.5℃シナリオ

気候変動の影響を抑制するためにカーボンニュートラル実現を目指した取り組みが活発化し、世界の平均気温を産業革命期以前と比較して1.5~2℃未満に抑えることを目指したシナリオ。 1.5℃目標達成に向けた気候変動対策の推進により、各種規制が強化、市場‧消費者の環境意識も高まり、移行リスクが顕在化する。

※2  4℃シナリオ

気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオ。物理リスクにおける異常気象の激甚化や海面上昇リスクによる影響が大きくなると想定されている。

 

② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

当社グループは、「人を育てる経営」を経営の基本目標の一つとして、人材育成及び社内環境整備を行っております。

人材育成の前提として、獲得した人材の定着率向上を目標として設定するとともに、必要なスキルを身につけさせるため、各年次、職位ごとに求められる能力・専門知識の習得を目的とした研修制度、OJTによる指導等を行っております。

また、スキルの維持、更なる向上のためのリスキル、学び直し等を行い、継続的な育成に取り組んでおります。

さらに、労働者不足への対応、生産性向上、女性活躍推進の観点から、新卒女性採用比率及び女性管理職数の目標を設定し、性別や年齢、国籍等に関係なく様々な人材が活躍できる環境の整備を推進するとともに、優秀な人材を確保するため、新卒を対象とした定期採用に加え、即戦力として期待できる中途採用を積極的に行っております。

 

(3) リスク管理

サステナビリティ全般に関する事項を含む全社的なリスクと機会は、常務会において検討しております。

常務会は、サステナビリティに係るリスクと機会について、経営・財務・事業等への影響を考慮し、現状の再評価と新規事象の抽出を行い、リスクと機会を特定しております。特定した事象について、リスク軽減及び機会獲得のための対応方針と具体策を検討して関係部署に展開するとともに、その対応状況をモニタリングしております。

また、重要事象については、対応方針や対応状況等を取締役会に適宜報告しております。

 

(4) 指標及び目標

① 気候変動への対応

当社は、脱炭素に向けた取り組みとしてCO2排出量を測定(スコープ1及びスコープ2)し、2030年までに2024年3月期比で20%の削減目標を設定いたしました。当社における直近の排出量は以下のとおりであります。なお、連結子会社の開示については、算出にかかるコスト等に鑑み、算出を見送っております。

                                          (単位:t-CO2)

 

2024年3月期

当事業年度

増減比率

スコープ1 (直接排出)

324.30

349.85

7.9%

スコープ2 (間接排出)

3,573.50

2,560.87

△28.3%

合計

3,897.81

2,910.73

△25.3%

 

 

② 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

新卒女性採用比率

2030年3月まで30

14.6

女性管理職数

2026年4月まで2

3

社員定着率(3年間)

2030年3月まで90

79.8

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 建設事業に係るリスク

当社グループが属する建設業界では、建設市場の縮小による競争の激化、建設労働者及び資材等の価格の急激な上昇とその確保難、関係法令の改正等のリスクが存在しております。

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、受注高の減少、労務・資材単価の上昇や工期の遅れ等が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

当該リスクを最小化するため、建物の付加価値を向上させる企画提案型の営業に注力して受注を確保するとともに、既存の協力業者だけでなく新規協力業者の開拓に常に取り組む等、建設労働者及び資材を安定的に確保するための活動を行っております。

 

(2) 開発事業に係るリスク

当社グループが属する不動産業界では、地価の動向や物件の需給環境等の影響を受けやすく、景気悪化、金利上昇等の経済情勢の変化や関係法令の改正等のリスクが存在しております。

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、顧客の購買意欲の減退や棚卸資産等の価値が下落する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

当該リスクを最小化するため、用地取得の際に、駅近や実需層向け等、景気悪化の影響を受けにくい物件を選定するとともに、環境の変化を踏まえ、慎重に販売戦略を検討する等、不動産市況の動向、顧客のニーズに応じた仕入活動及び販売活動を行っております。

 

(3) 取引先の信用リスク

当社グループの発注者や協力業者等の取引先が信用不安に陥るリスクが存在しております。

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、工事代金の回収不能や工事の遅延等が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

当該リスクを最小化するため、取引先の信用調査を徹底するとともに、代金回収の早期化に努める等、取引先の信用リスクを低減させる活動を行っております。

 

(4) オペレーショナルリスク

当社グループにおいて、法令違反や不適切な契約の締結、訴訟、紛争その他の法的手続等の発生、事務処理ミス、不正の発生、社内情報の流出、システム障害等が発生するリスクが存在しております。

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、当社グループが保有する資産の毀損や社会的信用の低下等が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

当該リスクを最小化するため、法務室による法務リスクの管理や、監査室による内部監査の実施、情報セキュリティーの強化等、内部統制の拡充に努め、オペレーショナルリスクを低減させる活動を行っております。

 

(5) 災害等に係るリスク

地震、風水害等の自然災害及び事故、火災、テロ等の人的災害、感染症の大流行やその他予想し得ない災害が発生するリスクが存在しております。

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期を合理的に判断することは困難でありますが、当該リスクが顕在化した場合、当社グループが保有する資産の毀損、従業員や取引先等への影響が発生する可能性があり、これらは当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の関税政策による影響が懸念されるなか、国内では好調な企業業績を背景に雇用・所得環境が改善するなど、緩やかな回復基調で推移しました。

当社グループをとりまく事業環境におきましては、建設事業では、設備投資需要は好調だったものの、労務不足や資材価格の高止まりにより収益環境は厳しい状況が続きました。一方、開発事業等では、マンションの平均販売価格が最高値を更新するなか、首都圏マンション市場は都心部の富裕層向けを中心におおむね堅調に推移しました。

このような環境のなか、当社グループの連結業績は、次のとおりとなりました。売上高につきましては前期比1.4%減の1,316億62百万円となり、その内訳は完成工事高732億66百万円、開発事業等売上高583億95百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前期比4.2%増の183億10百万円、経常利益は前期比4.0%増の183億69百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比4.3%増の128億16百万円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメント間の内部取引が発生する場合は、その消去前の金額を使用しております。

(建設事業)

当セグメントの売上高は前期比2.6%増の733億71百万円となり、セグメント利益(営業利益)は前期比19.3%増の51億5百万円となりました。

(開発事業等)

当セグメントの売上高は前期比6.0%減の583億95百万円となったものの、利益率が改善したことから、セグメント利益(営業利益)は前期比0.8%増の142億37百万円となりました。

 

また、当連結会計年度末において、総資産は前連結会計年度末と比べて48億円増加し、1,729億54百万円(うち流動資産1,586億93百万円、固定資産142億61百万円)、負債合計は前連結会計年度末と比べて44億16百万円減少し、506億41百万円(うち流動負債485億6百万円、固定負債21億35百万円)、純資産合計は前連結会計年度末と比べて92億17百万円増加し、1,223億13百万円となりました。

  

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて355億20百万円減少し、486億53百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

前連結会計年度末と比べて90億45百万円減少し、26億54百万円となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益および仕入債務の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

前連結会計年度末と比べて341億87百万円減少し、マイナス344億34百万円となりました。この主な要因は、定期預金の預入れによる支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

前連結会計年度末と比べて18億59百万円減少し、マイナス37億40百万円となりました。この主な要因は、配当金の支払額によるものであります。

 

  

 

③ 受注及び販売の実績

a.受注実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前年同期比
(%)

建設事業

(百万円)

87,649

89,920

2.6

開発事業等

(百万円)

54,532

64,293

17.9

合計

(百万円)

142,182

154,214

8.5

 

 

b.売上実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前年同期比
(%)

建設事業

(百万円)

71,375

73,266

2.7

開発事業等

(百万円)

62,142

58,395

△6.0

合計

(百万円)

133,517

131,662

△1.4

 

 

c.繰越実績

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

当連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

前年同期比
(%)

建設事業

(百万円)

88,326

104,980

18.9

開発事業等

(百万円)

22,747

28,645

25.9

合計

(百万円)

111,073

133,625

20.3

 

(注) 1  当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

2  セグメント間取引は相殺消去しております。

 

 

なお、参考のため当社単独の事業の状況は次のとおりであります。

受注高及び売上高の状況

イ.受注高、売上高及び次期繰越高

(単位:百万円)

期別

区分

前期繰越高

当期受注高

当期売上高

次期繰越高

前事業年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

建設事業

建築工事

64,543

72,945

137,488

62,361

75,126

土木工事

64,543

72,945

137,488

62,361

75,126

開発事業等

30,356

52,747

83,103

60,356

22,747

合計

94,899

125,692

220,592

122,718

97,873

当事業年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

建設事業

建築工事

75,126

81,558

156,684

60,967

95,717

土木工事

75,126

81,558

156,684

60,967

95,717

開発事業等

22,747

58,940

81,687

56,352

25,335

合計

97,873

140,498

238,372

117,319

121,052

 

(注)  前期以前に受注した工事で契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注高に増減額を含めております。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。

 

ロ. 受注高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

建築工事

58.2

41.8

100.0

土木工事

当事業年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

建築工事

54.6

45.4

100.0

土木工事

 

(注)  百分比は請負金額比であります。

 

 

ハ.売上高

 

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度

(自  2023年4月1日

至  2024年3月31日)

建設事業

建築工事

5,383

56,978

62,361

土木工事

5,383

56,978

62,361

開発事業等

60,356

60,356

合計

5,383

117,335

122,718

当事業年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

建設事業

建築工事

3,472

57,495

60,967

土木工事

3,472

57,495

60,967

開発事業等

56,352

56,352

合計

3,472

113,847

117,319

 

(注)  前期完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

(発注者)

(工事名称)

流山市

(仮称)流山市立市野谷小学校新築工事

学校法人ケイ・インター

ナショナルスクール

ケイ・インターナショナル東京校舎体育館棟建設工事

関電不動産開発㈱

(仮称)千葉市花見川区幕張町6丁目マンションプロジェクト新築工事

大成有楽不動産㈱他

(仮称)オーベル新松戸Ⅳ計画新築工事

中央日本土地建物㈱

(仮称)北区豊島6丁目計画新築工事

 

当期完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

(発注者)

(工事名称)

日鉄興和不動産㈱他

(仮称)千葉市稲毛区小仲台5丁目計画新築工事

KIC春日部2特定目的会社

KIC春日部ディストリビューションセンター2新築工事

㈱モリモト

(仮称)杉並区堀之内2丁目計画新築

㈱テラモト

(仮称)テラモト成田工場新施設新築工事

㈱モリモト

(仮称)練馬区豊玉北6丁目計画新築工事

 

 

ニ.次期繰越高(当事業年度)

 

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

建設事業

建築工事

10,120

85,596

95,717

土木工事

10,120

85,596

95,717

開発事業等

25,335

25,335

合計

10,120

110,931

121,052

 

(注)  繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。

(発注者)

(工事名称)

(完成予定)

東京ガス不動産㈱

台東賃貸住宅新築工事・台東ビル解体工事

2026年10月

アパホーム㈱、アパマンション㈱

(仮称)アパホテル〈日本橋小伝馬町駅前南〉新築工事

2028年4月

大和地所レジデンス㈱

(仮称)木更津市富士見三丁目計画新築工事

2026年9月

第一交通産業㈱

(仮称)相模原駅前計画新築工事

2027年11月

㈱長谷工コーポレーション

墨田区緑1丁目計画

2028年5月

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の状況

(売上高、売上総利益)

売上高は、前連結会計年度と比べて18億54百万円減少(1.4%減)し、1,316億62百万円となりました。この主な要因は、開発事業等売上高が減少したことによるものであります。

売上総利益は、前連結会計年度と比べて6億67百万円増加(2.9%増)し、235億50百万円となりました。この主な要因は、利益率が改善したことによるものであります。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べて65百万円減少(1.2%減)し、52億39百万円となりました。この主な要因は、広告宣伝費が減少したことによるものであります。

この結果、営業利益は、前連結会計年度と比べて7億33百万円増加(4.2%増)し、183億10百万円となりました。

(営業外損益、経常利益)

営業外収益は、前連結会計年度と比べて34百万円減少(33.5%減)し、68百万円となりました。

営業外費用は、前連結会計年度と比べて0百万円増加(9.0%増)し、9百万円となりました。

この結果、営業外損益は59百万円の利益(前連結会計年度は94百万円の利益)となり、経常利益は、前連結会計年度と比べて6億98百万円増加(4.0%増)し、183億69百万円となりました。

(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)

特別利益は発生しませんでした(前連結会計年度も発生なし)。

特別損失は発生しませんでした(前連結会計年度も発生なし)。

この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比べて6億98百万円増加(4.0%増)し、183億69百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べて5億30百万円増加(4.3%増)し、128億16百万円となりました。

 

b.財政状態の状況

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末と比べて63億24百万円増加し、1,586億93百万円となりました。この主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が58億44百万円増加したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べて15億24百万円減少し、142億61百万円となりました。この主な要因は、建物・構築物8億50百万円、土地9億54百万円を販売用不動産に振替えたことによるものであります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べて48億円増加し、1,729億54百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末と比べて44億23百万円減少し、485億6百万円となりました。この主な要因は、支払手形・工事未払金等が64億89百万円減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて6百万円増加し、21億35百万円となりました。この主な要因は、役員退職慰労引当金が17百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べて44億16百万円減少し、506億41百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末と比べて92億17百万円増加し、1,223億13百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が90億73百万円増加したことによるものであります。

 

c.キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の現状に対する認識及び分析・検討内容

セグメント間の内部取引が発生する場合は、その消去前の金額を使用しております。

 

(建設事業)

建設事業セグメントでは、建物の付加価値向上をベースにした企画提案型営業を推進することにより、引き続き特命受注を強化するとともに、非住宅案件の受注強化に取り組んでまいりました。その結果、当セグメントの売上高は前期比2.6%増の733億71百万円となり、セグメント利益(営業利益)は前期比19.3%増の51億5百万円となりました。

また、セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて92億17百万円増加し、327億27百万円となりました。この主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が増加したことによるものであります。

(開発事業等)

開発事業等セグメントでは、用地取得から企画・設計・施工・分譲・管理・アフターサービスまで全て当社グループで行う「自社製販一貫体制」による安心・安全の自社マンションブランド「EXCELLENT CITY」シリーズにおいて、環境に配慮したZEH-Mへの取り組み等によりブランド力を強化するとともに、大型の再開発プロジェクトへの参画や高齢者向け施設の開発等、収益構造の多角化を図ってまいりました。その結果、当セグメントの売上高は前期比6.0%減の583億95百万円となったものの、利益率が改善したことから、セグメント利益(営業利益)は前期比0.8%増の142億37百万円となりました。

また、セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて10億92百万円減少し、919億19百万円となりました。この主な要因は、販売用不動産が減少したことによるものであります。

 

② 資本の財源及び資金の流動性に関する分析

当社グループは、今後の事業展開に備えるための資金の流動性の確保と内部留保の充実及び株主への利益還元等を総合的に勘案しながら、健全なバランスシート及び最適な資本構成を維持し、財務体質のより一層の強化を図ってまいります。

そのため、資金運用を短期的な預金等に限定するとともに、事業用地の取得や開発物件の建築資金等の短期的な運転資金は、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び借入枠の実行による金融機関からの短期借入れ、再開発事業等の大型プロジェクトや設備投資等の長期的な資金は、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入れによる方針であります。

グループ各社の資金は、当社において一元管理しており、必要に応じて各社の資金を融通しております。

なお、有利子負債(リース債務)の期末残高は僅少であり、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比べて355億20百万円減少(42.2%減)し、486億53百万円となりました。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5 【重要な契約等】

特記事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、建設事業セグメントにおけるPC工法等の研究開発であります。当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は6百万円であります。