「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
当連結会計年度における日本の経済は、政府主導の各種景気政策効果により、企業収益及び雇用・所得環境の改善傾向や設備投資の増加が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移してまいりました。一方で、新興国を中心とする海外景気の下振れ、為替や原材料価格の変動等のリスクを抱え、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の下、当建設業界におきましては、建物や橋梁等の耐震化・老朽化対策工事や災害対策工事等に公共投資が集中し、道路舗装工事の発注件数が減少傾向となる等、工事動向に変化が見られました。また堅調な民間投資による工事量の増加を受け、建設各社では好採算工事を選別受注することで収益改善に奏功しました。しかしながら建設業界全体としては、資材の高騰、慢性的な人手不足による入札の不調等が懸念されました。
PCカーテンウォール業界においても今後は業界各社の工場稼働率がそれほど高まらない見通しで、受注量確保が至上命題となっています。そうした環境の中、当社企業グループは徹底したコスト管理と営業・技術・生産の総合力で受注拡大を図っています。
この結果、当連結会計年度における当社企業グループの業績は、売上高94億76百万円(前連結会計年度比20.5%増)、経常利益17億91百万円(前連結会計年度比57.9%増)、当期純利益17億36百万円(前連結会計年度比86.7%増)となりました。
なお、受注高は91億11百万円(前連結会計年度比2.9%増)であり、受注残高は106億70百万円(前連結会計年度比3.3%減)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①PCカーテンウォール事業
主力のPCカーテンウォール事業では、徐々に関東工場の稼働率が低下しているものの、オペレーションの効率化、生産人員数の見直しを適切に行った結果、良好な収益水準を保っています。
当セグメントの売上高は89億97百万円(前連結会計年度比22.2%増)、セグメント利益は18億29百万円(前連結会計年度比57.8%増)となりました。
②アクア事業
プールを手掛けるアクア事業では、引き続き主力である学校やスポーツクラブのプール以外のプラント工事事業の拡大を図っております。
当セグメントの売上高は4億17百万円(前連結会計年度比36.3%増)、セグメント損失は43百万円(前連結会計年度は13百万円のセグメント損失)となりました。
③その他
その他は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、システム収納家具事業及びその他の建設事業であります。
当セグメントの売上高は61百万円(前連結会計年度比68.2%減)、セグメント利益は0百万円(前連結会計年度は5百万円のセグメント損失)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動では主に税金等調整前当期純利益17億46百万円及び未成工事支出金の減少額5億33百万円、売上債権の増加額8億24百万円により17億14百万円の資金増加(前連結会計年度比362.6%増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出3億97百万円、有形固定資産の売却による収入57百万円により3億31百万円の資金減少(前連結会計年度は1億3百万円の資金増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に短期借入金の減少額11億50百万円、長期借入れによる収入9億円により5億5百万円の資金減少(前連結会計年度は3億21百万円の資金減少)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の期末残高は11億90百万円(前連結会計年度比279.3%増)となりました。
区分 | 前連結会計年度(千円) | 当連結会計年度(千円) |
PCカーテンウォール事業 | 8,338,638 | 8,649,013( 3.7%増) |
アクア事業 | 341,813 | 400,636(17.2%増) |
その他 | 172,545 | 61,662(64.3%減) |
合計 | 8,852,997 | 9,111,313( 2.9%増) |
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
区分 | 前連結会計年度(千円) | 当連結会計年度(千円) |
PCカーテンウォール事業 | 7,361,645 | 8,997,247(22.2%増) |
アクア事業 | 306,466 | 417,562(36.3%増) |
その他 | 193,745 | 61,662(68.2%減) |
合計 | 7,861,857 | 9,476,473(20.5%増) |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当社企業グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3 当連結会計年度における売上高総額に対する割合が、100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次
のとおりであります。
鹿島建設㈱ | 1,809,639千円 | 19.1% |
㈱大林組 | 1,601,574千円 | 16.9% |
大成建設㈱ | 1,574,962千円 | 16.6% |
㈱内外テクノス | 950,460千円 | 10.0% |
期別 | 工事別 | 前期繰越 | 当期受注 | 計 | 当期完成 | 次期繰越工事高 | 当期施工高 | ||
手持工事高 | うち施工高 | ||||||||
第50期 | PCカーテンウォール事業 | 9,750,707 | 8,338,638 | 18,089,345 | 7,361,645 | 10,727,700 | 47.8 | 5,125,223 | 9,112,457 |
アクア事業 | 272,726 | 341,813 | 614,539 | 306,466 | 308,073 | 44.4 | 136,870 | 409,533 | |
その他 | 21,200 | 77,455 | 98,655 | 98,655 | ― | ― | ― | 98,655 | |
合計 | 10,044,633 | 8,757,907 | 18,802,540 | 7,766,766 | 11,035,773 | 47.7 | 5,262,093 | 9,620,645 | |
第51期 | PCカーテンウォール事業 | 10,727,700 | 8,649,013 | 19,376,713 | 8,997,247 | 10,379,466 | 43.6 | 4,732,968 | 8,604,992 |
アクア事業 | 308,073 | 400,636 | 708,710 | 417,562 | 291,148 | 19.2 | 56,000 | 336,692 | |
合計 | 11,035,773 | 9,049,650 | 20,085,424 | 9,414,810 | 10,670,614 | 44.9 | 4,788,968 | 8,941,684 | |
(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の施工高は、未成工事支出金により手持工事高のなかの施工高を推定したものであります。
3 当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致します。
4 当社の受注は、100%建築工事で国内受注であります。
工事の受注方法は、100%指名競争入札によっております。
① 当社の受注は、100%民間企業からの受注であります。完成工事のうち主なものを示せば次のとおりであります。
第50期完成工事のうち金額1億円以上の主なもの
○ ㈱大林組 | (仮称)日本生命新東館新築工事 |
| ○ ㈱竹中工務店 | 新宿東宝ビル新築工事 |
○ 〃 | 日本橋二丁目 |
| ○ 大成建設㈱ | 北品川五丁目第一地区第一種市街地再開発(A1棟) |
第51期完成工事のうち金額1億円以上の主なもの
○ ㈱大林組 | 大久保三丁目西地区開発計画 |
| ○ 大成建設㈱ | 新鉄鋼ビル建替計画 |
○ 〃 | NEC神戸システム |
| ○ 鹿島建設㈱ | 神田錦町三丁目 |
② 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
第50期
㈱大林組 | 2,510,400千円 | 32.3% |
大成建設㈱ | 1,387,842千円 | 17.9% |
第51期
鹿島建設㈱ | 1,809,639千円 | 19.2% |
㈱大林組 | 1,601,574千円 | 17.0% |
大成建設㈱ | 1,574,937千円 | 16.7% |
㈱内外テクノス | 950,460千円 | 10.1% |
手持工事のうち金額1億円以上の主なもの
○ ㈱竹中工務店 | 大手町1-1計画B棟 | 平成28年1月 | 完成予定 |
○ 鹿島建設㈱ | 共立女子学園神田一ツ橋キャンパス | 平成28年2月 | 〃 |
○ 大成建設㈱ | 上智大学四谷キャンパス6号館 | 平成28年4月 | 〃 |
○ ㈱竹中工務店 | 国際法務総合センター | 平成28年5月 | 〃 |
○ ㈱大林組 | 新日生病院建設プロジェクト | 平成29年2月 | 〃 |
今後の日本の経済は、雇用・所得環境の改善傾向が続く中で、各種政策の効果や平成29年4月の消費税率の引き上げを控えた駆け込み需要が見込まれることから、緩やかな回復に向かうことが期待されますが、中国をはじめとする海外景気が下振れし、景気が下押しされるリスクから、依然として先行き不透明な状況が続くと予想されます。
こうした社会環境の中、PCカーテンウォール業界において、当社は業界最大手の強みを活かし、工場の安定稼働に必要な受注量を確保する所存です。また、工場の効率化推進、新商品の開発により、収益力の維持向上、マーケットの拡大を図って行きます。
アクア事業においては、オリンピック関連の施設などの受注をめざし、収益確保してゆきたいと考えています。
平成28年度は、更に経営を安定させ、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、コンクリート系外装の可能性を追求し、社会の進歩・発展に貢献する」という理念を追求する所存であります。
当社企業グル-プの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。本項に含まれている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①受注形態
当社企業グループの事業は一般的に請負形態をとっているため、顧客から受注して初めて生産活動を開始し売上が計上されます。このため経済情勢の悪化等により受注高が減少した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
②取引先の信用リスク
当社企業グループの事業はその工期が長く、工事代金受領も長期間となるため、代金受領前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③資材価格の変動及び為替リスク
原材料の価格の高騰及び円安による材料輸入コスト増加により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④製品の欠陥
製品の品質管理には万全の体制をもって臨んでいますが、瑕疵担保責任や製造物責任による損害が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤重大事故の発生
安全管理には万全の体制をもって臨んでいますが、施工中に予期せぬ重大事故が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥受注単価のリスク
建設業界におきましては、ゼネコン及び各専門業者がそれぞれのマーケットで建設需要を同業他社と価格競争を繰り広げる環境になっており、当社企業グループにおいては、全てのセグメントが建設に関連する事業のため、需給バランスにより受注単価が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。
当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算期末日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響する見積りは主に貸倒引当金、賞与引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金及び法人税等であり、継続した方法で評価を行っております。
なお、評価につきましては、過去の実績や一般的に合理的と考えられる方法により行っておりますが、今後の状況等の変化により実際の結果は異なる場合があります。
①資産の状況
当連結会計年度末における資産合計は119億7百万円と前連結会計年度末と比較して12.9%、13億58百万円の増加となりました。これは主に現金預金が8億76百万円及び電子記録債権が8億25百万円増加し、未成工事支出金が5億33百万円減少したことによるものであります。
②負債の状況
当連結会計年度末における負債合計は62億16百万円と前連結会計年度末と比較して1.9%、1億20百万円の減少となりました。これは主に長期借入金が4億54百万円増加し、短期借入金が9億30百万円減少したことによるものであります。
③純資産の状況
当連結会計年度末における純資産合計は56億90百万円と前連結会計年度末と比較して35.1%、14億79百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金が、当期純利益の計上により17億36百万円増加したことと、配当金の支払いにより2億66百万円減少したことによるものです。
①完成工事高
PCカーテンウォール事業においては、大型物件の売上計上に伴い売上は大きく伸びました。また、アクア事業におきましては、引き続き主力である学校やスポーツクラブのプール以外のプラント工事事業の拡大を図っております。
この結果、売上高が94億76百万円(前連結会計年度比20.5%増)となりました。
②営業利益、経常利益、当期純利益
営業利益は、主にPCカーテンウォール事業においてオペ-レションの効率化、生産人員数の見直しを適切に行った結果17億87百万円(前連結会計年度比56.6%増)となりました。
経常利益、当期純利益は営業利益を受けて17億91百万円(前連結会計年度比57.9%増)及び17億36百万円(前連結会計年度比86.7%増)となりました。
キャッシュ・フロ-の状況の分析につきましては、「第2 事業の状況」「1 業績等の概要」「(2)キャッシュ・フロ-の状況」 に記載しております。
当社企業グループはオーダメードのコンクリート外壁メーカー業界のトップメーカーとして長年顧客との信頼関係を維持発展させてきました。今後も顧客の期待に応えることで、関係を太くし、更に新しい仕上げや新製品を紹介して、収益を上げると同時に都市の彩りに貢献してゆきたいと考えています。
平成28年度は市況が低迷しますが、平成29年度以降は旺盛なPCカーテンウォールの需要があると予測されています。したがって、関東・関西の4工場を維持し、来るべき需要にこたえたいと考えています。
PCカーテンウォール事業とアクア事業で上げた収益は、当社を支えてくれる社員、関係者に適切に還元した後、株主の皆様に対して配当を継続したいと考えています。
ただし、いつまでもこの好景気が続くとは考えられないため、利益は適切に内部に留保して財務体質を改善すると同時に差別化商品の開発、ローコストオペレーションの追求を進め、需要が減退する局面でもしっかりと収益を確保できる体制を構築したいと考えています。
また、仕事量の増大に伴い、事故発生の可能性も高まっていると考えています。常に安全に対する意識を高く保つよう機会を捉えて社内にメッセージを伝えています。