第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、『「空気と水のテクノロジー」を通じて環境にやさしい生活空間の創造を目指す』、『環境エンジニアリングを中核事業とし、ひろくお客様から「信頼」される企業を目指す』、『人材の育成・教育を重視し働き甲斐のある企業を築き、社会に貢献する』という経営理念のもと、環境制御技術を駆使して社会に貢献するとともに、「環境のトータルエンジニアリング」企業として地球環境保全に貢献する活動を行い、CSRを重視した経営を実践してまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、従来からの3か年の事業計画に加えて、2023年度までを見据えた「中長期経営ビジョン2023」を策定しております。東京オリンピック・パラリンピック後の建設市場の縮小が懸念される中で、長期的な経営方針を確立し、市場のニーズを的確に汲み取って安定的な収益の確保を目指してまいります。

また、「中長期経営ビジョン2023」の方向性を継続しつつ、2018年度から2020年度をターゲットとする「中期3か年事業計画」2018年度(第70期)~2020年度(第72期)を策定いたしました。

「中期3か年事業計画」2018年度(第70期)~2020年度(第72期)の概要は以下のとおりであります。

 

1.最終年度2020年度(第72期) 数値目標

 

 

 

単体ベース

連結ベース

 

 

① 総売上高

  600億円

   660億円

 

 

② 経常利益

    30億円

   33億円

 

 

③ 1人当たり売上高

  77百万円

 

 

 

④ 1人当たり経常利益

  3百万円

 

 

 

⑤ 人員

     780人

 

 

 

2.「中期3か年事業計画」の基本方針

① バランスの取れた受注の推進

  医薬品関連・食品をはじめとする産業設備を中心にバランスの取れた受注を推進する

② 積極的な海外展開

  当面のターゲットをASEAN市場に絞り、海外売上高の目標を総売上高の5%とする

③ 働き方改革の推進

  全従業員の4週6休の完全実施を早期に果たし、4週8休の実現を目指す

④ 企業競争力の一層の強化

  IoT等の最先端の技術の活用、生産性の向上により企業競争力の一層の強化を図る

⑤ 新たなビジネスへの挑戦

  新たな収益源として、新規事業に挑戦する

 

(3) 対処すべき課題

今後のわが国経済は、米中通商摩擦等に起因する国内外の景気動向により、輸出産業を中心として企業収益の鈍化も見込まれ、雇用所得環境は緩やかな回復基調を維持するものの、本年10月に予定されている消費税率引き上げに伴い個人消費への影響も懸念されることから、景気は踊り場を迎えることが予想されます。

建設業界におきましては、技術者・技能者不足が深刻な懸念材料となっており、人材の確保が喫緊の課題となっております。加えて、足元では中国経済の減速などを背景に製造業において設備投資を抑制する動きも見られ、予断を許さない状況が続くことが予想されます。

このような状況のなか当社グループといたしましては、中期3か年事業計画に示した基本方針を軸として、規模の拡大に捉われず、産業設備工事を中心にバランスのとれた受注を推進することとし、景気動向に左右されない事業基盤の確保を目指してまいります。働き方改革への対応につきましては、従業員の就業環境の整備を積極的に推進し、生産性の向上に取り組んでまいります。

また、かねてより建設を進めておりました当社の新たな研究開発拠点である「テクノ菱和R&Dセンター」が昨年9月に竣工いたしました。当施設において、長年当社グループが培ってきた環境制御技術とIoT技術との融合を図り、更なる企業競争力の強化に努めてまいります。さらに、多様化する経営環境に対応するため、新たな組織としてCSR推進本部を設置いたしました。今後はCSR活動の充実を図るとともに、当社グループのブランド力を高めるIR・広報活動を実践してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 建設市場の動向

当社グループは、売上高のほとんどを個別受注による完成工事高が占めております。完成工事高は官公庁の公共投資予算や民間企業の設備投資動向により増減する可能性があり、国や地方公共団体においてより一層の公共工事の削減が行われた場合や、国内外の景気動向の影響で民間企業の設備投資計画の縮小等が行われた場合には、完成工事高が減少し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の価格高騰による資材の価格変動について

建設業の特徴として、工事の着工から竣工までに期間を要するため、見込工事原価を作成してから実際に資材等を購入するまでの間に、原材料の急激な価格高騰により資材の価格が上昇し、当初予想した利益を確保できなくなるおそれがあります。

 

(3) 保有有価証券について

当社グループは、金融機関及び重要な取引先の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、時価のない非上場会社の株式が含まれ、株式市場の価格変動リスク及び投資先の業績不振による評価損計上リスクを負っております。

 

 

(4) 施工中に発生する人的災害及び工事災害について

当社グループは、産業設備工事に力を入れると同時にリニューアル工事の受注にも積極的に取り組んでおります。リニューアル工事は稼動中の工場等で行う場合もあり、施工中に人的災害や物損事故が発生すると工場の操業を止めてしまうおそれがあります。当社グループは、当然こうした不測の事態に備えて保険に加入しておりますが、工場の規模や使用されている機器によっては多額の損害賠償責任が発生します。この場合、保険金でカバーされたとしても、その結果保険会社に支払う保険料が大幅に上昇して、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 不採算工事の発生について

工事施工途中における設計変更や手直し工事等により想定外の追加原価が発生し、当初見込んでいた利益を確保できなくなるおそれがあります。このような不採算工事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 取引先の信用リスクについて

当社グループでは取引先の与信管理を徹底し、債権が回収不能とならないよう努力しておりますが、それにもかかわらず、取引先の信用不安等により売掛債権の回収が困難となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 建設業従事者の高年齢化について

今後、少子・高齢化が進むなかで、建設業においても高齢者の割合はますます高くなっていくものと予想されています。このような就業者の年齢構成のアンバランスは、長期的には熟練労働者の不足などの悪影響を及ぼすものと考えられます。当社グループにおきましても、今後高齢化した技術者が退職を迎えると人員が不足して技術力の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 退職給付制度について

当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されておりますが、国内外の株式市場が低迷した場合に、年金資産の価値が減少し、年金に関する費用が増加するあるいは追加的な年金資産の積み増しを要する等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(9) 海外事業について

当社グループは、東南アジア地域で事業活動を行うとともに、海外での事業規模の拡大を目論んでおります。今後海外売上高の比率が高まってくると、現地における予期し得ない法規制の改正や政情不安・テロ、為替の変動等の不測の事態により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、米国の保護主義政策や米中通商摩擦に起因する先行きの不透明感から、輸出の減速や株式市場の調整色が強まるなど懸念材料も見られますが、企業収益や雇用環境の改善を背景に設備投資の増加や個人消費の持ち直しの動きが見られ、内需主導による緩やかな景気回復が続きました。
 建設業界におきましては、慢性的な人手不足への対応や資機材価格の上昇基調により、引き続きコスト上昇圧力に晒されているものの、国内の景気動向が緩やかな回復基調にあることから、企業の設備投資は堅調に推移しており、良好な受注環境を維持いたしました。
 このような状況のなか、当社グループといたしましては、中期3か年事業計画の基本方針に基づき、医薬品関連・食品をはじめとする産業設備工事を中心にバランスのとれた受注を推進するとともに、働き方改革の推進やIoT技術の積極的な活用など企業競争力の強化を図ってまいりました。

その結果、部門別工事受注高は、産業設備工事においては、特にデバイス関連分野での受注が好調に推移いたしました。また、一般ビル設備工事においても、公共工事を中心に大型工事の受注を確保できたことから、産業設備工事39,540百万円(前連結会計年度37,787百万円)、一般ビル設備工事24,338百万円(前連結会計年度21,589百万円)、電気設備工事2,165百万円(前連結会計年度2,678百万円)となり、工事受注高合計は66,045百万円(前連結会計年度62,055百万円)となりました。これに兼業事業の受注高1,104百万円(前連結会計年度723百万円)を加えました受注総額は67,149百万円(前連結会計年度62,778百万円)となり、前連結会計年度と比べ7.0%増加いたしました。

次に完成工事高は、前連結会計年度から繰り越した工事が順調に進捗したことから、66,219百万円(前連結会計年度59,863百万円)となり、これに兼業事業の売上高1,171百万円を加えました売上高合計は67,391百万円(前連結会計年度60,654百万円)で、前連結会計年度と比べ11.1%増加いたしました。

利益につきましては、売上高の増加及び工事粗利益率の改善により、経常利益は4,857百万円(前連結会計年度3,425百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は3,041百万円(前連結会計年度2,306百万円)となりました。

 

流動資産は、前連結会計年度末に比べて4,796百万円増加し、45,291百万円となりました。これは主に電子記録債権が2,780百万円及び現金及び預金が2,414百万円増加したことによるものであります。
 固定資産は、前連結会計年度末に比べて666百万円減少し、17,586百万円となりました。これは主に建物・構築物が1,027百万円増加し、投資有価証券が966百万円及び建設仮勘定が361百万円減少したことによるものであります。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて3,892百万円増加し、23,902百万円となりました。これは主に支払手形・工事未払金等が1,143百万円及び電子記録債務が846百万円増加したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて315百万円減少し、2,064百万円となりました。これは主に繰延税金負債が484百万円減少したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べて553百万円増加し、36,910百万円となりました。これは主に利益剰余金が2,515百万円及び自己株式が649百万円増加し、その他有価証券評価差額金が864百万円及び退職給付に係る調整累計額が443百万円減少したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度に比べ2,397百万円増加し、13,393百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、4,501百万円の資金の増加(前連結会計年度は309百万円の資金の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益4,663百万円を計上したこと及び仕入債務の増加1,990百万円が資金の増加要因となり、売上債権の増加2,452百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,105百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,328百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出806百万円及び投資有価証券の取得による支出304百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、995百万円の資金の減少(前連結会計年度は600百万円の資金の減少)となりました。これは主に長期借入れによる収入300百万円が資金の増加要因となり、自己株式の取得による支出649百万円及び配当金の支払額526百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(ア) 商品仕入実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

(百万円)

前期比(%)

冷熱機器販売事業

1,373

122.5

合計

1,373

122.5

 

 

(イ) 受注実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

受注高
(百万円)

前期比
(%)

受注残高
(百万円)

前期比
(%)

設備工事業

空調衛生設備工事業

63,879

107.6

33,878

101.4

電気設備工事業

2,165

80.9

471

42.6

冷熱機器販売事業

1,104

152.7

合計

67,149

107.0

34,349

99.5

 

 

(ウ) 売上実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

(百万円)

前期比(%)

設備工事業

空調衛生設備工事業

63,416

110.4

電気設備工事業

2,802

115.5

冷熱機器販売事業

1,104

152.7

その他の事業

67

99.2

合計

67,391

111.1

 

(注) 1 当社グループでは設備工事業(空調衛生設備工事業及び電気設備工事業)以外は受注生産を行っておりません。

2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は、次のとおりであります。

受注工事高及び完成工事高の状況

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 

期別

セグメントの名称

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)

(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越
工事高
(百万円)

前事業年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

空調衛生
設備工事業

30,351

56,304

86,656

54,379

32,277

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

空調衛生
設備工事業

32,277

60,010

92,287

60,128

32,158

 

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合については、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

3 当期受注高としては、上記当期受注工事高のほかに、冷熱機器販売事業に係るものとして、前事業年度1,275百万円、当事業年度1,618百万円があります。

4 当期売上高としては、上記当期完成工事高のほかに、冷熱機器販売事業及び太陽光発電事業に係るものとして、前事業年度1,287百万円、当事業年度1,630百万円があります。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

 

期別

セグメントの名称

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

空調衛生
設備工事業

25.7

74.3

100.0

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

空調衛生
設備工事業

25.9

74.1

100.0

 

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

 

c.売上高

完成工事高

 

期別

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

5,847

48,531

54,379

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

9,111

51,017

60,128

 

(注) 1 前事業年度の完成工事のうち主なもの

大成建設㈱

(仮称)日本食研ホールディングス㈱千葉本社工場
第4期増築工事

大和ハウス工業㈱

天藤製薬㈱プロジェクト常若新築計画

近畿地方整備局

国営平城宮跡歴史公園平城宮跡展示館機械設備工事

独立行政法人国立病院機構岩手病院

同機構岩手病院病棟等建替整備工事(機械)

第一三共プロファーマ㈱

同社平塚工場高活性注射剤製造設備工事

 

 

当事業年度の完成工事のうち主なもの

港区

港区役所庁舎大規模改修工事

ユーシービージャパン㈱

同社埼玉工場4号館改修工事

日清エンジニアリング㈱

名糖産業㈱瀬戸工場建設建築設備工事

㈱竹中工務店

シスメックス㈱新診断薬拠点空気調和設備工事

鹿島建設㈱

仙台オープン病院救急センター棟等改築工事(空調設備工事)

 

 

2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

冷熱機器売上高

 

期別

冷熱機器売上高(百万円)

前事業年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

1,275

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

1,618

 

 

発電事業売上高

 

期別

発電事業売上高(百万円)

前事業年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

11

当事業年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

11

 

 

d.次期繰越工事高(2019年3月31日現在)

 

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

空調衛生設備工事業

10,811

21,347

32,158

 

(注) 次期繰越工事のうち主なもの

東京都市サービス㈱

横浜市北仲通南地区熱供給センター建設工事

日本ガイシ㈱

同社小牧工場UTY整備工事

京都市

京都市中央卸売市場第一市場整備工事

水産棟ほか空調衛生設備改修工事

㈱大林組

双葉町減容化施設における廃棄物処理(建築機械設備)工事

ローム・アポロ㈱

同社筑後工場新棟機械設備工事

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(ア) 収益及び費用の計上基準

当社グループは、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事について、工事進行基準を適用しております。連結会計年度末の工事活動の進捗率に応じて収益及び費用を計上しておりますが、将来原材料の急激な価格高騰により資材の価格が上昇し、当初予想した利益を確保できない可能性があります。

 

(イ) 貸倒引当金の計上基準

当社グループは、債権の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

(ウ) 工事損失引当金の計上基準

当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、次期繰越工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。工事施工途中において当初予想しえなかった追加原価等により不採算工事が発生した場合、追加損失が発生する可能性があります。

 

(エ) 有価証券の減損処理

当社グループは、金融機関及び重要な取引先の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、時価のない非上場会社の株式が含まれます。これらの投資価値が下落した場合は、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っております。減損処理に係る合理的な基準は「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(有価証券関係)に記載しております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ア) 受注高の分析

当連結会計年度の受注高は、産業設備工事においては、特にデバイス関連分野での受注が好調に推移し、一般ビル設備工事においても、公共工事を中心に大型工事の受注を確保できたことから、前連結会計年度比7.0%増加67,149百万円となりました。

セグメント別受注高の内訳は、空調衛生設備工事業のうち産業設備工事は39,540百万円(前連結会計年度比4.6%増加)となり、一般ビル設備工事は24,338百万円(前連結会計年度比12.7%増加)となりました。官庁民間別内訳は、官公庁工事12,548百万円(前連結会計年度比165.4%増加)、民間工事51,331百万円(前連結会計年度比6.1%減少)となりました。

電気設備工事業については、2,165百万円(前連結会計年度比19.1%減少)となりました。

また、冷熱機器販売事業については、1,104百万円(前連結会計年度比52.7%増加)となりました。

 

 

前連結会計年度
(自 2017年4月1日
 至 2018年3月31日)

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
  至 2019年3月31日)

比 較 増 減

金   額

(百万円)

構成比

(%)

金   額

(百万円)

構成比

(%)

金   額

(百万円)

比 率

(%)

設備
工事業

空調衛生
設備工事業

 産業設備工事

37,787

60.2

39,540

58.9

1,752

4.6

 一般ビル設備工事

21,589

34.4

24,338

36.2

2,749

12.7

電 気 設 備 工 事 業

2,678

4.3

2,165

3.2

△512

△19.1

冷 熱 機 器 販 売 事 業

723

1.1

1,104

1.7

381

52.7

合     計

62,778

100.0

67,149

100.0

4,370

7.0

(うち海外)

(1,030)

(1.6)

(1,057)

(1.6)

(27)

(2.6)

空調衛生設備工事業の官庁民間別内訳

官 公 庁 工 事

4,727

8.0

12,548

19.6

7,821

165.4

民 間 工 事

54,649

92.0

51,331

80.4

△3,318

△6.1

59,377

100.0

63,879

100.0

4,502

7.6

 

 

 

(イ) 売上高の分析

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度から繰り越した手持ち工事が順調に推移したことにより、前連結会計年度比11.1%増加67,391百万円となりました。

セグメント別売上高の内訳は、空調衛生設備工事業のうち産業設備工事は39,351百万円(前連結会計年度比15.7%増加)となり、一般ビル設備工事は24,065百万円(前連結会計年度比2.7%増加)となりました。官庁民間別内訳は、官公庁工事9,608百万円(前連結会計年度比46.8%増加)、民間工事53,808百万円(前連結会計年度比5.7%増加)となりました。

電気設備工事業については、2,802百万円(前連結会計年度比15.5%増加)となりました。

また、冷熱機器販売事業については、1,104百万円(前連結会計年度比52.7%増加)となり、その他の事業については67百万円(前連結会計年度比0.8%減少)となりました。

 

 

前連結会計年度
(自 2017年4月1日
 至 2018年3月31日)

当連結会計年度
(自 2018年4月1日
  至 2019年3月31日)

比 較 増 減

金   額

(百万円)

構成比

(%)

金   額

(百万円)

構成比

(%)

金   額

(百万円)

比 率

(%)

設備
工事業

空調衛生
設備工事業

 産業設備工事

34,008

56.1

39,351

58.4

5,343

15.7

 一般ビル設備工事

23,428

38.6

24,065

35.7

636

2.7

電 気 設 備 工 事 業

2,426

4.0

2,802

4.2

375

15.5

冷 熱 機 器 販 売 事 業

723

1.2

1,104

1.6

381

52.7

そ の 他 の 事 業

67

0.1

67

0.1

△0

△0.8

合     計

60,654

100.0

67,391

100.0

6,736

11.1

(うち海外)

(920)

(1.5)

(1,177)

(1.7)

(256)

(27.9)

空調衛生設備工事業の官庁民間別内訳

官 公 庁 工 事

6,546

11.4

9,608

15.2

3,062

46.8

民 間 工 事

50,890

88.6

53,808

84.8

2,917

5.7

57,436

100.0

63,416

100.0

5,980

10.4

 

 

(ウ) 販売費及び一般管理費の分析

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比5.5%増加6,194百万円となりました。

これは主に、人件費が164百万円増加したことによるものであります。

 

(エ) 経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の分析

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比41.8%増加4,857百万円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比31.9%増加3,041百万円となりました。

これは主に、売上高の増加に加え、工事粗利益率の改善によるものであります。

 

(オ) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 〔事業の概況〕 2 〔事業等のリスク〕」に記載しております。

 

 

(カ) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主要な資金需要は、工事施工のための材料費、労務費、経費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、利益の計上により生み出された営業キャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応しております。

また、手元の運転資金につきましては、地域別に設置された当社の事業所及び一部の子会社の余剰資金を当社の本社機構へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。

なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については「第2 [事業の状況] 3 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(キ) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等について

当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等については、2018年5月11日に「中期3か年事業計画 2018年度(第70期)~2020年度(第72期)」を公表しております。

なお、最終年度である2020年度(第72期)の連結業績として売上高660億円、経常利益33億円を数値目標として掲げております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社では空調衛生設備工事に関して、「空気と水のテクノロジー」を基本理念として、お客様のニーズに応える最適な環境システムの提供を目指しております。従来からの主力開発分野であるクリーンルーム関連技術及び静電気障害対策に関して、個別のニーズに適応した開発活動を継続しつつ、産業用空調分野全般における省エネルギー空調システム、エネルギーの遠隔監視や分析・設備診断技術の研究開発に注力しております。

この結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は283百万円でした。

なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

また、冷熱機器販売事業及びその他の事業に関する研究開発活動は行っておりません。

 

主な研究開発成果

○ 多目的クリーンルーム(医薬・化学合成施設向け実験室)

横浜市都筑区に竣工したテクノ菱和R&Dセンター内に多目的クリーンルームを設置いたしました。施設は3室から構成され、うち2室を同容積とすることで温湿度条件など各種環境条件の異なる比較実験ができる施設となります。また、当社開発製品のデモンストレーションを行えるほか、多室間の差圧制御実験や無菌対応の実験を行うことができます。主な仕様は以下の通りです。

 

(1)Room AおよびRoom B

    ・清浄度 クラス7相当
・床面積 24m2 (天井高3.5m)
・デモ用システム REAFS(高速VAVシステム)、TecBEAMS(高機能設備管理システム)
 

(2)Room C
・清浄度 クラス7相当
・床面積 12m2 (天井高2.5m)
・デモ用システム HALiSCANNER(HEPA管理システム)、FOTRAM(ホルムアルデヒド常温分解装置)、

      過酸化水素殺菌対応空調システム、残留ホルムアルデヒド対策システム
 

今後は技術開発の実験施設として利用するとともに、お客様への技術アピールや共同実験にも活用していく予定です。

 

○ メンテナンス・バリデーションサポートシステム「VM-Scope」

2018年からメンテナンス・バリデーション対象設備を一元管理し、メンテナンスの見える化・共有化をはかるための業務支援ツールとして開発・導入してまいりました。当システムはクラウドサーバーを利用して、当社担当者間だけでなく、お客様も含めた双方間でメンテナンス・バリデーション情報を共有することができます。

当期はさらに機能を強化するため、製薬会社向けHEPAフィルターのリーク測定を自動的に行う「HALiSCANNER」との連携機能を開発しました。メンテナンス結果をインターネット経由で自動的にVM-Scopeの台帳に保存することにより、HEPAフィルターのバリデーション計画から実施結果を見える化し、HEPAフィルターごとの履歴管理を容易にすることで、メンテナンス作業の効率化を図るものです。

また、iPadを利用したメンテナンス部門向けの業務支援ツール「R-Reporter」との連携機能も開発し、VM-Scopeのメンテナンス計画に基づき、R-Reporterから点検データを入力するだけで、点検表を自動的にVM-Scopeの台帳に作成、保存できます。これらの開発によって当社の強みであるメンテナンス部門の業務効率化、品質向上により、お客様に質の高いメンテナンスサービスを提供します。