第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、『「空気と水のテクノロジー」を通じて環境にやさしい生活空間の創造を目指す』、『環境エンジニアリングを中核事業とし、ひろくお客様から「信頼」される企業を目指す』、『人材の育成・教育を重視し働き甲斐のある企業を築き、社会に貢献する』という経営理念のもと、環境制御技術を駆使して社会に貢献するとともに、「環境のトータルエンジニアリング」企業として地球環境保全に貢献する活動を行い、CSRを重視した経営を実践してまいります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題等

当社グループは、従来からの3か年の事業計画に加えて、2023年度までを見据えた「中長期経営ビジョン2023」(2015年4月)を策定しております。

このたび、「中長期経営ビジョン2023」の基本方針を踏まえ、第73期を初年度とする「中期3か年事業計画」(2021年4月~2024年3月)を策定いたしました。

「中期3か年事業計画」2021年度(第73期)~2023年度(第75期)の概要は以下のとおりであります。

 

1.最終年度2023年度(第75期) 数値目標

 

 

 

単体ベース

連結ベース

 

 

① 総 売 上 高

  580億円

   635億円

 

 

② 経 常 利 益

    23億円

   26億円

 

 

③ 1人当たり売上高

  67百万円

 

 

 

④ 1人当たり経常利益

2.65百万円

 

 

 

⑤ 人 員

     867人

 

 

 

2.「中期3か年事業計画」の基本方針

① 激化する競争環境への対応

・医薬品・食品・電子デバイス関連をはじめとする産業設備を中心に、

 バランスのとれた受注を推進する。

 ・技術の継承により設計・積算・施工技術の一層の向上を図る。

② 働き方改革の一層の推進

 ・DXを推進して業務の効率化を進め、生産性と競争力の向上を図る。

 ・誰もが生き生きと働ける職場をつくる。

③ ESGへの取り組みの深化

 ・低炭素社会の実現に向けた取り組み、脱フロンに向けた取り組み、

  グリーン調達の取り組みを実施する。

④ 環境ビジネスへの挑戦

 ・環境を基軸とした新たなビジネスへの取り組みを開始する。

⑤ 海外事業の足場固め

 ・コロナ禍の先を見通し、既存エリアでの収益性の向上を図るとともに、

  新規エリアの探索を行う。

 

また、当社はCSR活動を推進するため、マテリアリティ(重要課題)を策定しています。CSR活動を通じて、ESG(環境、社会、ガバナンス)経営を推進し、サステナブルな社会の実現、長期的な企業価値の向上、そしてSDGsに貢献していきます。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 建設市場の動向

当社グループは、売上高のほとんどを個別受注による完成工事高が占めております。完成工事高は官公庁の公共投資予算や民間企業の設備投資動向により増減する可能性があり、国や地方公共団体においてより一層の公共工事の削減が行われた場合や、国内外の景気動向の影響で民間企業の設備投資計画の縮小等が行われた場合には、完成工事高が減少し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、稼働中の工場等の保守・メンテナンスの需要を積極的に取り込むとともに、経営戦略として「バランスのとれた受注の推進」を基本方針に掲げ、景気動向に大きく影響を受けない態勢の構築に取り組んでおります。

 

(2) 原材料の価格高騰による資材の価格変動について

建設業の特徴として、工事の着工から竣工までに期間を要するため、見込工事原価を作成してから実際に資材等を購入するまでの間に、原材料の急激な価格高騰により資材の価格が上昇し、当初予想した利益を確保できなくなるおそれがあります。

当社グループとしては、機器・資材関係の情報の共有化を図るため調達本部を設置するとともに、全社集中購買に取り組むことでスケールメリットを生かし、価格の上昇に対応しております。

 

(3) 保有有価証券について

当社グループは、金融機関及び重要な取引先の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、時価のない非上場会社の株式が含まれ、株式市場の価格変動リスク及び投資先の業績不振による評価損計上リスクを負っております。

当社グループとしては、毎年取締役会において政策保有株式の保有目的やねらい、保有に伴うメリットやリスクが資本コストに見合っているか等を検証し、適切でないと判断されるものについては売却処分しております。

 

(4) 施工中に発生する人的災害及び工事災害について

当社グループは、産業設備工事に力を入れると同時にリニューアル工事の受注にも積極的に取り組んでおります。リニューアル工事は稼動中の工場等で行う場合もあり、施工中に人的災害や物損事故が発生すると工場の操業を止めてしまうおそれがあります。当社グループは、当然こうした不測の事態に備えて保険に加入しておりますが、工場の規模や使用されている機器によっては多額の損害賠償責任が発生します。この場合、保険金でカバーされたとしても、その結果保険会社に支払う保険料が大幅に上昇して、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、本社を含む全事業所に安全品質保証部門を設置し、担当者が定期的にパトロールや検査を行うなど積極的な活動を実施して、人的災害や工事災害の撲滅に取り組んでおります。

 

(5) 不採算工事の発生について

工事施工途中における設計変更や手直し工事等により想定外の追加原価が発生し、当初見込んでいた利益を確保できなくなるおそれがあります。このような不採算工事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、施工中の全工事の原価の発生状況や利益の見込みなどの進捗状況を毎月取りまとめ、本社及び各事業所において適切か否かを確認しております。

 

 

(6) 取引先の信用リスクについて

当社グループでは取引先の与信管理を徹底し、債権が回収不能とならないよう努力しておりますが、それにもかかわらず、取引先の信用不安等により売掛債権の回収が困難となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、取引開始の際や定期的に与信調査を行うとともに、取引先及び工事ごとの債権管理を行っております。

 

(7) 施工担当技術者の確保について

今後、少子・高齢化が進むなかで、建設業においても高齢者の割合はますます高くなっていくものと予想されています。このような就業者の年齢構成のアンバランスは、長期的には熟練労働者の不足などの悪影響を及ぼすものと考えられます。また、今後の継続的な採用が滞ると、施工人員の不足による受注機会の損失につながる可能性があります。当社グループにおきましても、今後高齢化した技術者が退職を迎えたり、長期にわたって予定した採用者数を確保できない事態が生じた場合には、人員が不足して技術力や施工能力の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、再雇用制度の充実や定年延長の検討を含む人事制度の見直しを適宜実施するとともに、人材確保のために新卒採用・中途採用活動や技術的な専門教育を積極的に行っております。

 

(8) 退職給付制度について

当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されておりますが、国内外の株式市場が低迷した場合に、年金資産の価値が減少し、年金に関する費用が増加するあるいは追加的な年金資産の積み増しを要する等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。 

当社グループとしては、「年金資産運用の基本方針」に基づいて高リスク商品に偏らない資産構成割合を策定して安定的な運用に努めるとともに、運用受託機関へのモニタリングを実施して、リスクの低減に努めております。

 

(9) 海外事業について

当社グループは、東南アジア地域で事業活動を行うとともに、海外での事業規模の拡大を目論んでおります。今後海外売上高の比率が高まってくると、現地における予期し得ない法規制の改正や政情不安・テロ、為替の変動等の不測の事態により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループとしては、ガバナンス強化のために社内規程やマニュアルを整備するとともに、現地と密に連絡を取ってタイムリーに情報収集しており、また専門のコンサルタントを活用することでリスク回避に努めております。

 

(10) 新型コロナウイルス感染症について

今後、新型コロナウイルスの感染拡大や事態収束後の再流行が起こることにより、当社が施工に参画する現場において集団感染が発生したり、資材の調達が滞る等の理由により工期に遅れが生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の影響で取引先の業績が低迷し、取引先の設備投資計画が縮小されることで、当初の計画より受注が減少した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルスへの感染対策として、BCP(事業継続計画)を策定し、手洗い・マスク着用の徹底の他、出張や社内会議の制限や時差出勤、テレワークの奨励を実施しております。また、受注への影響については、経営戦略として「バランスのとれた受注の推進」を基本方針に掲げており、様々な要因に大きく影響を受けない態勢の構築に取り組んでおります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、期初の新型コロナウイルス感染拡大による経済活動の停滞を受け、内需、外需ともに大幅な落ち込みを見せるなど、景気は一旦大きく後退し、一度は持ち直しの動きが見られましたが、年が明けてからの緊急事態宣言再発令を受けて、年度末にかけて再び弱い動きとなりました。

建設業界におきましては、公共投資は、政府の経済対策により前連結会計年度と比べ増加いたしましたが、設備投資は、企業収益の悪化や景気の先行き不透明感の高まりにより、年度前半の減少幅が大きかったことから、受注環境は厳しい状況となりました。

このような状況のなか、当社グループといたしましては、品質へのこだわりをスローガンに掲げ、厳しい状況下においてもお客様からの信頼獲得を目指すことを基本方針としながら、中期3か年事業計画最終年度の目標達成に向けて、産業設備工事を中心にバランスの取れた受注活動を目指してまいりました。

その結果、部門別工事受注高は、企業の設備投資需要が低調に推移したことから、産業設備工事32,049百万円(前連結会計年度32,833百万円)、一般ビル設備工事20,789百万円(前連結会計年度21,903百万円)、電気設備工事2,540百万円(前連結会計年度2,099百万円)となり、工事受注高合計は55,379百万円(前連結会計年度56,837百万円)となりました。これに兼業事業の受注高808百万円(前連結会計年度1,096百万円)を加えました受注総額は56,187百万円(前連結会計年度57,933百万円)となり、前連結会計年度と比べ3.0%減少いたしました。

次に完成工事高は、受注高の減少や完成が翌連結会計年度に繰り越された工事が多かったことから、53,996百万円(前連結会計年度59,764百万円)となり、これに兼業事業の売上高875百万円を加えました売上高合計は54,871百万円(前連結会計年度60,926百万円)で、前連結会計年度と比べ9.9%減少いたしました。

利益につきましては、売上高の減少や工事粗利益率の低下により、経常利益は2,128百万円(前連結会計年度4,505百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,234百万円(前連結会計年度2,927百万円)となりました。

 

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,303百万円減少し、40,959百万円となりました。これは主に電子記録債権が990百万円増加し、受取手形・完成工事未収入金等が2,427百万円減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて4,437百万円増加し、21,483百万円となりました。これは主に投資有価証券が2,321百万円及び退職給付に係る資産が1,774百万円増加したことによるものであります。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて760百万円減少し、18,245百万円となりました。これは主に工事損失引当金が487百万円増加し、未成工事受入金が891百万円及び未払法人税等が359百万円減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,089百万円増加し、2,915百万円となりました。これは主に繰延税金負債が1,079百万円増加したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末に比べて2,804百万円増加し、41,282百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が1,692百万円及び退職給付に係る調整累計額が971百万円増加し、自己株式の取得により341百万円減少したことによるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度に比べ1,212百万円減少し、13,686百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,136百万円の資金の増加(前連結会計年度は2,502百万円の資金の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,038百万円を計上したことが資金の増加要因となり、未成工事受入金の減少891百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,295百万円の資金の減少(前連結会計年度は313百万円の資金の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出424百万円及び定期預金の預入による支出360百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,113百万円の資金の減少(前連結会計年度は629百万円の資金の減少)となりました。これは主に配当金の支払額752百万円及び自己株式の取得による支出341百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

(ア) 商品仕入実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

(百万円)

前期比(%)

冷熱機器販売事業

1,185

77.6

合計

1,185

77.6

 

 

(イ) 受注実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

受注高
(百万円)

前期比
(%)

受注残高
(百万円)

前期比
(%)

設備工事業

空調衛生設備工事業

52,838

96.5

31,984

102.6

電気設備工事業

2,540

121.0

821

321.5

冷熱機器販売事業

808

73.7

合計

56,187

97.0

32,805

104.4

 

 

(ウ) 売上実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

(百万円)

前期比(%)

設備工事業

空調衛生設備工事業

52,021

90.6

電気設備工事業

1,974

85.3

冷熱機器販売事業

808

73.7

その他の事業

67

101.3

合計

54,871

90.1

 

(注) 1 当社グループでは設備工事業(空調衛生設備工事業及び電気設備工事業)以外は受注生産を行っておりません。

2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は、次のとおりであります。

受注工事高及び完成工事高の状況

a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

 

期別

セグメントの名称

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)

(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越
工事高
(百万円)

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

空調衛生
設備工事業

32,158

51,721

83,880

53,938

29,942

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

空調衛生
設備工事業

29,942

50,039

79,981

49,233

30,748

 

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合については、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

3 当期受注高としては、上記当期受注工事高のほかに、冷熱機器販売事業に係るものとして、前事業年度1,735百万円、当事業年度1,340百万円があります。

4 当期売上高としては、上記当期完成工事高のほかに、冷熱機器販売事業及び太陽光発電事業に係るものとして、前事業年度1,747百万円、当事業年度1,351百万円があります。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

 

期別

セグメントの名称

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

空調衛生
設備工事業

21.6

78.4

100.0

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

空調衛生
設備工事業

23.5

76.5

100.0

 

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

c.売上高

完成工事高

 

期別

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

9,719

44,218

53,938

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

6,979

42,253

49,233

 

(注) 1 前事業年度の完成工事のうち主なもの

㈱フジタ

駒澤大学開校130周年記念棟建設工事

清水建設㈱

㈱潤工社YOC第3期工事

㈱鴻池組

鈴鹿中央総合病院増改築工事

㈱三栄建設

㈱ジェイテクト国分工場南4工区空調設備工事

㈱大林組

双葉町減容化施設における廃棄物処理(建築機械設備)工事

 

 

当事業年度の完成工事のうち主なもの

関東地方整備局

水戸法務総合庁舎機械設備工事

日本ガイシ㈱

同社小牧工場UTY整備工事

㈱大林組

(仮称)JAグループ京都新ビル建設工事

㈱竹中工務店

㈱ヤヨイサンフーズ気仙沼工場給排水衛生設備工事

ローム・アポロ㈱

同社筑後工場新棟機械設備工事

 

 

2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

冷熱機器売上高

 

期別

冷熱機器売上高(百万円)

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

1,735

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

1,340

 

 

発電事業売上高

 

期別

発電事業売上高(百万円)

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

11

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

11

 

 

d.次期繰越工事高(2021年3月31日現在)

 

セグメントの名称

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

空調衛生設備工事業

11,531

19,216

30,748

 

(注) 次期繰越工事のうち主なもの

鹿島建設㈱

中外製薬㈱中外ライフサイエンスパーク横浜建設工事

㈱フジタ

日本医科大学武蔵小杉病院新築工事

京都市

同市中央卸売市場第一市場整備工事

水産棟ほか空調衛生設備改修工事

大阪市

同市(仮称)大阪新美術館建設機械設備工事

㈱鍜治田工務店

佐藤薬品工業㈱製剤A棟新築工事

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

(ア) 収益及び費用の計上基準

当社グループは、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事について、工事進行基準を適用しております。連結会計年度末の工事活動の進捗率に応じて収益及び費用を計上しておりますが、将来原材料の急激な価格高騰により資材の価格が上昇し、当初予想した利益を確保できない可能性があります。

 

(イ) 貸倒引当金の計上基準

当社グループは、債権の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

(ウ) 工事損失引当金の計上基準

当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、次期繰越工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。工事施工途中において当初予想しえなかった追加原価等により不採算工事が発生した場合、追加損失が発生する可能性があります。

 

(エ) 有価証券の減損処理

当社グループは、金融機関及び重要な取引先の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、時価のない非上場会社の株式が含まれます。これらの投資価値が下落した場合は、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っております。減損処理に係る合理的な基準は「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(有価証券関係)に記載しております。

 

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ア) 受注高の分析

当連結会計年度の受注高は、企業の設備投資需要が低調に推移したことから、前連結会計年度比3.0%減少56,187百万円となりました。

セグメント別受注高の内訳は、空調衛生設備工事業のうち産業設備工事は32,049百万円(前連結会計年度比2.4%減少)、一般ビル設備工事は20,789百万円(前連結会計年度比5.1%減少)となりました。官庁民間別内訳は、官公庁工事11,620百万円(前連結会計年度比69.0%増加)、民間工事41,218百万円(前連結会計年度比13.9%減少)となりました。

電気設備工事業については2,540百万円(前連結会計年度比21.0%増加)となりました。

また、冷熱機器販売事業については808百万円(前連結会計年度比26.3%減少)となりました。

 

 

前連結会計年度
(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

当連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

比 較 増 減

金   額

(百万円)

構成比

(%)

金   額

(百万円)

構成比

(%)

金   額

(百万円)

比 率

(%)

設備
工事業

空調衛生
設備工事業

 産業設備工事

32,833

56.7

32,049

57.0

△784

△2.4

 一般ビル設備工事

21,903

37.8

20,789

37.0

△1,114

△5.1

電 気 設 備 工 事 業

2,099

3.6

2,540

4.5

440

21.0

冷 熱 機 器 販 売 事 業

1,096

1.9

808

1.5

△287

△26.3

合     計

57,933

100.0

56,187

100.0

△1,745

△3.0

(うち海外)

(1,150)

(2.0)

(761)

(1.4)

(△388)

(△33.8)

空調衛生設備工事業の官庁民間別内訳

官 公 庁 工 事

6,876

12.6

11,620

22.0

4,743

69.0

民 間 工 事

47,860

87.4

41,218

78.0

△6,642

△13.9

54,737

100.0

52,838

100.0

△1,898

△3.5

 

 

 

(イ) 売上高の分析

当連結会計年度の売上高は、受注高の減少や完成が翌連結会計年度に繰り越された工事が多かったことから、前連結会計年度比9.9%減少54,871百万円となりました。

セグメント別売上高の内訳は、空調衛生設備工事業のうち産業設備工事は32,826百万円(前連結会計年度比8.5%増加)、一般ビル設備工事は19,194百万円(前連結会計年度比29.4%減少)となりました。官庁民間別内訳は、官公庁工事7,374百万円(前連結会計年度比29.2%減少)、民間工事44,646百万円(前連結会計年度比5.1%減少)となりました。

電気設備工事業については1,974百万円(前連結会計年度比14.7%減少)となりました。

また、冷熱機器販売事業については808百万円(前連結会計年度比26.3%減少)、その他の事業については67百万円(前連結会計年度比1.3%増加)となりました。

 

 

前連結会計年度
(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

当連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

比 較 増 減

金   額

(百万円)

構成比

(%)

金   額

(百万円)

構成比

(%)

金   額

(百万円)

比 率

(%)

設備
工事業

空調衛生
設備工事業

 産業設備工事

30,250

49.7

32,826

59.8

2,576

8.5

 一般ビル設備工事

27,197

44.6

19,194

35.0

△8,003

△29.4

電 気 設 備 工 事 業

2,316

3.8

1,974

3.6

△341

△14.7

冷 熱 機 器 販 売 事 業

1,096

1.8

808

1.5

△287

△26.3

そ の 他 の 事 業

66

0.1

67

0.1

0

1.3

合     計

60,926

100.0

54,871

100.0

△6,055

△9.9

(うち海外)

(1,143)

(1.9)

(853)

(1.6)

(△289)

(△25.4)

空調衛生設備工事業の官庁民間別内訳

官 公 庁 工 事

10,422

18.1

7,374

14.2

△3,048

△29.2

民 間 工 事

47,025

81.9

44,646

85.8

△2,378

△5.1

57,448

100.0

52,021

100.0

△5,426

△9.4

 

 

(ウ) 販売費及び一般管理費の分析

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比0.6%減少6,197百万円となりました。

これは主に、通信交通費が70百万円及び賞与引当金繰入額が64百万円減少したことによるものであります。

 

(エ) 経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の分析

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比52.7%減少2,128百万円、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度比57.8%減少1,234百万円となりました。

これは主に、売上高の減少によるものであります。

 

(オ) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 〔事業の状況〕 2 〔事業等のリスク〕」に記載しております。

 

 

(カ) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主要な資金需要は、工事施工のための材料費、労務費、経費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、利益の計上により生み出された営業キャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入れによる資金調達にて対応しております。

また、手元の運転資金につきましては、地域別に設置された当社の事業所及び一部の子会社の余剰資金を当社の本社機構へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。

なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については「第2 [事業の状況] 3 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(キ) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等について

当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等については、2021年5月12日に「中期3か年事業計画 2021年度(第73期)~2023年度(第75期)」を公表しております。なお、最終年度である2023年度(第75期)の連結業績として売上高635億円、経常利益26億円を数値目標として掲げております。

また、2018年5月に公表された「中期3か年事業計画」(2018年4月から2020年3月まで)の最終年度2020年度(第72期)の数値目標を「総売上高660億円、経常利益33億円」としておりました。結果として、「総売上高548億円、経常利益21億円」となりました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社では空調衛生設備工事に関して、「空気と水のテクノロジー」を基本理念として、お客様のニーズに応える最適な環境システムの提供を目指しております。従来からの主力開発分野であるクリーンルーム関連技術及び静電気障害対策に関して、個別のニーズに適応した開発活動を継続しつつ、産業用空調分野全般における省エネルギー空調システム、エネルギーの遠隔監視や分析・設備診断技術の研究開発に注力しております。

この結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は281百万円でした。

なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

また、冷熱機器販売事業及びその他の事業に関する研究開発活動は行っておりません。

 

主な研究開発成果

○ プラズマ除菌水の応用技術

純水にプラズマ照射を施すことで除菌能力を有する水を生成できます。この研究では、空調機内に設置された気化式加湿器の除菌に適した生成装置を試作し、評価を行っています。また、生成した除菌水は弱酸性で、肌を刺激するような添加剤などが含まれていないので、手荒れすることはありません。アルコール除菌の代替として手指の洗浄や物の表面の殺菌ができる小型のプラズマ殺菌水生成装置の開発も行っています。

 

○ 室内清浄度の自動測定システム

クリーンルームの維持管理をする上で室内の清浄度を記録することは重要です。測定方法は、ISOやJISで規定されており、測定した値を集計し、対象室に適した清浄度であるかの合否判定を行います。しかし、その作業は煩雑で間違いなどの手戻りも少なくありません。このシステムでは、自動で測定と合否判定、その記録書作成ができるシステムで、省力化に寄与します。

 

○ 技術支援ソリューションの実施

各事業所を通じて、施工現場やお客様のご要望へ対応するため、技術支援を行っています。具体的には、気流可視化、異物や空気室の分析、CFDシミュレーション、静電気対策やそれらに関するセミナーなどです。

 

○ AIを用いた熱源最適制御コントローラ「OptiBrain HS」の開発

空調設備のなかで最もエネルギー消費量の大きい熱源システムを、ニューラルネットワークなどのAI技術により最適運用、省エネ運転を実現する熱源コントローラ「OptiBrain HS」を開発しました。

従来から中央監視システム「TECBEAMS」やクラウド型エネルギー管理システム「smartSOLAVICE」の熱源制御システムを100件ほど納入してきましたが、近年急激にシェアを伸ばすモジュールチラーなど、多様化する熱源システムの冷凍機台数制御機能や、二次ポンプ制御機能及び各種省エネ制御機能を標準化してパッケージングブロック化することで、幅広いシステムに設定だけで利用できるようにしました。オプションの「運転台数最適化制御」、「一次流量最適化制御」は熱源の消費エネルギーが最小となるように、AIが熱源制御コントローラのパラメータを自動的に変更します。

高価な診断用システムやサーバーはクラウドサーバーで実行させる事で、制御システムのコストは従来の熱源コントローラと変わりません。さらに、「smartSOLAVICE」との連携により熱源の状況をタブレットPCなどからいつでもどこでもモニタリングできます。