文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、『「空気と水のテクノロジー」を通じて環境にやさしい生活空間の創造を目指す』、『環境エンジニアリングを中核事業とし、ひろくお客様から「信頼」される企業を目指す』、『人材の育成・教育を重視し働き甲斐のある企業を築き、社会に貢献する』という経営理念のもと、環境制御技術を駆使して社会に貢献するとともに、「環境のトータルエンジニアリング」企業として地球環境保全に貢献する活動を行い、CSRを重視した経営を実践してまいります。
当社グループは、『中期3か年事業計画』の初年度となる2024年度におきまして、当初は想定していなかった大型の案件の受注が相次いだ結果、最終年度の目標を上回る実績を計上することができました。また、手持ち工事の状況から勘案して、2025年度につきましても相応の業績予想を見込んでおります。トランプ関税をはじめとする一連の先行き不透明な動きが世界経済並びにわが国の製造業に及ぼす影響は全くの未知数であることから、最終年度となる2026年度の業績見通しについて決して楽観視することはできませんが、中長期経営ビジョン『TECHNO RYOWA 2032』において成長戦略を標榜する当社としては、さらなる成長を目指すべく、今般、最終年度の売上高と経常利益の目標数値を見直すことといたしました。
なお、中長期経営ビジョン『TECHNO RYOWA 2032』の数値目標については、次の『中期3か年事業計画(2027年度~2029年度)』の策定時に見直す予定としております。
中長期経営ビジョン及び中期3か年事業計画の概要は以下のとおりであります。
また、当社はCSR活動を推進するため、マテリアリティ(重要課題)を策定しており、新中長期経営ビジョンにあわせてマテリアリティを見直しております。CSR活動を通じて、ESG(環境、社会、ガバナンス)経営を推進し、サステナブルな社会の実現、長期的な企業価値の向上、そしてSDGsに貢献していきます。
当社グループは、「経営理念」及び「テクノ菱和のCSRの基本的な考え方」において、ESG経営の推進を掲げております。サステナビリティに関する考え方及び取組は、この「経営理念」及び「テクノ菱和のCSRの基本的な考え方」を軸としております。
経営理念
「空気と水のテクノロジー」を通じて環境にやさしい生活空間の創造を目指す。
環境エンジニアリングを中核事業とし、ひろくお客様から「信頼」される企業を目指す。
人材の育成・教育を重視し働きがいのある企業を築き、社会に貢献する。
テクノ菱和のCSRの基本的な考え方
社会の一員として空気調和衛生設備の設計、施工管理、保守メンテナンス、研究開発といった事業活動を通してサステナブルな社会の実現に向けて行動していきます。
その事業活動は、取引先(お客様・協力業者・納入業者等)、地域社会、株主、従業員等のステークホルダー(利害関係者)との関係から成り立っています。
当社が目指している「CSR」は、すべての事業活動を通じてステークホルダーの皆様に対して、価値を創出し信頼を獲得していくことで、社会全体と共に持続的に成長していくことにあります。
(1) 気候変動に関する取組
地球温暖化による気候変動に歯止めをかけることを目的として、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス(GHG)の排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」が世界的な取組となっており、日本政府も2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを表明しております。当社も政府の表明を受け、カーボンニュートラルの達成に向けた企業活動を行っております。
当社は、環境問題を技術力で解決し持続可能な社会の実現を目指す「GX(グリーントランスフォーメーション)」を推進することで、社会に貢献できる環境ビジネスモデルを構築しております。
気候変動への影響の低減を「テクノ菱和のマテリアリティ(重要課題)」特定の過程で重点項目として捉えております。マテリアリティについては経営会議及び取締役会で議論を行い、2024年度からの中長期経営ビジョン『TECHNO RYOWA 2032』や『中期3か年事業計画』との関連性を確認した上で、取締役会の承認を受け、持続的な成長に向けたKPIを策定しております。KPIは定期的に評価を行い、PDCAサイクルに基づいて取組を推進してまいります。
気候変動への影響の低減を目指すマテリアリティである「環境負荷低減と汚染防止」については、環境委員会において取組の進捗管理と実績のモニタリングを行っております。環境委員会での審議・決議事項は社長直轄のリスク管理委員会を通じて、取締役会に対して報告され、監視・監督が図られる体制としております。
2023年度に、当社の事業活動において、発生した場合に事業への大きな影響を与える気候関連のリスク及び機会の特定を行いました。特定されたリスク・機会については、事業の利益に与える影響度が2億円以上のものを影響度「大」とし、重要と考えられるリスクまたは機会として捉えております。今後、評価結果について財務的影響や経営戦略との関連性を併せて検討し、重要と考えられるリスクまたは機会についてより詳細なシナリオ分析を行い、経営戦略へ反映する予定であります。
気候関連リスク・機会(事業への財務影響度「大」のものを抜粋)
(注)「原因の発現期間短期」:2024年度~2026年度、中期:2027年度~2032年度、長期:2033年度以降
人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略は、「(2) 人的資本に関する記載」に記載しております。
気候関連のリスクと機会は、環境委員会にて検討されます。リスクと機会の特定プロセスでは、気候関連課題に対する社会状況の分析や社内の各部署への聞き取り調査のほか、外部専門家からの意見などを参考とし、移行リスク・物理リスク・機会の観点で幅広い事象を洗い出しております。洗い出されたリスクと機会について、世紀末までの気温上昇が産業革命前と比べて2℃を下回るシナリオを含む複数のシナリオを用いて、事業への財務影響度や発現の可能性を定性的に評価しております。環境委員会で検討された気候関連リスクと機会はリスク管理委員会へ報告され、全体的なリスク管理プロセスとの統合を図ってまいります。
当社の気候変動への取組において、事業活動にかかるGHG排出量を重要な項目と認識しております。
2024年5月には、「テクノ菱和のマテリアリティ(重要課題)」における新たなKPIとして、2026年度までにGHG排出量(Scope1、Scope2)を11%削減(2022年度比)すること、また、Scope3排出量の算定を進め、サプライチェーン全体の排出量の把握を進めることを掲げました。
2024年度の当社及び連結子会社のGHG排出量(Scope1及びScope2(マーケットベース))は以下のとおりとなります。GHG排出量の低減活動として、各オフィスの照明のLED化や、電気自動車やハイブリッド車の導入などを進めてまいります。
(単位 t-CO2)
(2) 人的資本に関する記載
人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標について
少子高齢化が進み、建設業における人手不足が一層深刻化する中で、将来に向けての人材と早急な即戦力の確保は経営課題の一つとして認識しており、新卒採用における女性及び外国人の採用やスキルを持った経験者の中途採用を積極的に進め、多様な人材が活躍できる職場を目指しております。
また、当社グループは経営理念の一つに「人材の育成・教育を重視し働き甲斐のある企業を築き、社会に貢献する。」ことを掲げており、統合報告書において、次のように人材育成や社内環境整備の方針を開示しております。
① 人材の育成に関する方針
・人材マネジメント
企業の中長期的な成長のためには、技術力を支える「人材」の存在が欠かせません。当社グループは、中長期経営ビジョン『TECHNO RYOWA 2032』の基本方針の一つである投資戦略の中で「社員教育や採用活動に集中的に投資して人的資本の充実を図る」ことを掲げ、変化の激しい市場環境の中でも、社会のニーズ・多様化に対応できる人材を育成することにより、競争力の一層の強化を図っております。
・指標及び目標、実績
新卒採用者数、キャリア採用者数
管工事施工管理技士合格率
※電気通信施工管理技士を含む。
② 社内環境整備に関する方針
・社員のワーク・ライフ・バランスの実現
中長期的な会社の発展のためには一人ひとりの社員が輝き成長できる環境を整備する必要があります。当社では、業務効率化の推進や人員補強などにより長時間労働を是正し、会社全体の生産性を向上させることを目的とした働き方改革を進める一方で、全社員が職場で活躍し、プライベートの時間も充実させることができるようワーク・ライフ・バランスの取組を展開しております。
・指標及び目標、実績
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、売上高のほとんどを個別受注による完成工事高が占めております。完成工事高は官公庁の公共投資予算や民間企業の設備投資動向により増減する可能性があり、国や地方公共団体においてより一層の公共工事の削減が行われた場合や、国内外の景気動向の影響で民間企業の設備投資計画の縮小等が行われた場合には、完成工事高が減少し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、稼動中の工場等の保守・メンテナンスの需要を積極的に取り込むとともに、経営戦略として「バランスのとれた受注の推進」を基本方針に掲げ、景気動向に大きく影響を受けない態勢の構築に取り組んでおります。
建設業の特徴として、工事の着工から竣工までに期間を要するため、見込工事原価を作成してから実際に資材等を購入するまでの間に、原材料の急激な価格高騰により資材の価格が上昇し、当初予想した利益を確保できなくなるおそれがあります。
当社グループとしては、機器・資材関係の情報共有化を図るため、調達本部による全社集中購買でスケールメリットを生かすとともに、資材価格動向を注視し、長工期工事の管理を徹底することで、価格の上昇に対応しております。
当社グループは、金融機関及び重要な取引先の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、市場価格のない非上場会社の株式が含まれ、株式市場の価格変動リスク及び投資先の業績不振による評価損計上リスクを負っております。
当社グループとしては、毎年取締役会において政策保有株式の保有目的やねらい、保有に伴うメリットやリスクが資本コストに見合っているか等を検証し、適切でないと判断されるものについては売却処分しております。
当社グループは、産業設備工事に力を入れると同時にリニューアル工事の受注にも積極的に取り組んでおります。リニューアル工事は稼動中の工場等で行う場合もあり、施工中に人的災害や物損事故が発生すると工場の操業を止めてしまうおそれがあります。当社グループは、当然こうした不測の事態に備えて保険に加入しておりますが、工場の規模や使用されている機器によっては多額の損害賠償責任が発生します。この場合、保険金でカバーされたとしても、その結果保険会社に支払う保険料が大幅に上昇して、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、本社を含む全事業所に安全品質保証部門を設置し、担当者が定期的にパトロールや検査を行うなど積極的な活動を実施して、人的災害や工事災害の撲滅に取り組んでおります。
工事施工途中における設計変更や手直し工事等により想定外の追加原価が発生し、当初見込んでいた利益を確保できなくなるおそれがあります。このような不採算工事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、施工中の全工事の原価の発生状況や利益の見込みなどの進捗状況を毎月取りまとめ、本社及び各事業所において適切か否かを確認しております。
当社グループでは取引先の与信管理を徹底し、債権が回収不能とならないよう努力しておりますが、それにもかかわらず、取引先の信用不安等により売掛債権の回収が困難となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、取引開始の際や定期的に与信調査を行うとともに、取引先及び工事ごとの債権管理を行っております。
今後、少子・高齢化が進むなかで、建設業においても高齢者の割合はますます高くなっていくものと予想されています。このような就業者の年齢構成のアンバランスは、長期的には熟練労働者の不足などの悪影響を及ぼすものと考えられます。また、今後の継続的な採用が滞ると、施工人員の不足による受注機会の損失につながる可能性があります。当社グループにおきましても、今後高齢化した技術者が退職を迎えたり、長期にわたって予定した採用者数を確保できない事態が生じた場合には、人員が不足して技術力や施工能力の低下を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、こうした状況に対応するため、定年延長や定年後再雇用者の処遇改善を行い、高齢者を有効に活用するための施策を実施するとともに、人事制度や給与体系の見直しによる現役世代の処遇改善にも努めております。また、新たな人材を確保するために、新卒採用・中途採用活動や技術的な専門教育を積極的に行っております。
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されておりますが、国内外の株式市場が低迷した場合に、年金資産の価値が減少し、年金に関する費用が増加するあるいは追加的な年金資産の積み増しを要する等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、「年金資産運用の基本方針」に基づいて高リスク商品に偏らない資産構成割合を策定して安定的な運用に努めるとともに、運用受託機関へのモニタリングを実施して、リスクの低減に努めております。
当社グループは、東南アジア地域で事業活動を行うとともに、海外での事業規模の拡大を目論んでおります。今後海外売上高の比率が高まってくると、現地における予期し得ない法規制の改正や政情不安・テロ、為替の変動等の不測の事態により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、ガバナンス強化のために社内規程やマニュアルを整備するとともに、現地と密に連絡を取ってタイムリーに情報収集しており、また専門のコンサルタントを活用することでリスク回避に努めております。
近年、温室効果ガスの排出量増加に伴う地球温暖化の進行が国際的な問題となっており、気候変動リスクへの関心が高まっています。当社グループにおきましても、脱炭素社会へ移行するなかで、CO2排出量削減といった低炭素社会への移行に対応できないことによる社会的評価の低下、温暖化の進行による気温上昇や気候災害発生等の影響による生産性の低下や工期の遅れといったリスクが顕在化することで、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、こうした状況に備え、気候変動リスクに対応するための全社的な組織を立ち上げて、リスクの分析や情報開示の充実を図ってまいります。
(11) 情報漏洩リスクについて
当社グループは、事業運営上、取引先の重要な機密情報や個人情報に接する機会があります。特に施工現場では、一般のオフィスとは異なるセキュリティ対策が必要になりますが、外部からの不正アクセスや従業員等によるデータ持ち出し等により重要な情報の漏洩が発生した場合、社会的信用の失墜、損害賠償の発生等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループとしては、こうした事態に備え、現場セキュリティ対策の強化を進めるとともに、ITセキュリティに関するeラーニングや現場を訪問してのセキュリティ教育等を実施することで、情報漏洩の防止に努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、物価高の影響で消費者の節約志向が高まったこともあり、個人消費に弱い動きが見られ、一部で景気回復の足踏み状態が続いておりましたが、インバウンド需要の回復や省力化需要の高まりを受けて設備投資が堅調に推移するなど、全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。
建設業界におきましては、建設コストの上昇を懸念して、一部で設備投資計画を見送る動きが見られたものの、政府建設投資、民間建設投資ともに底堅く推移し、建設投資全体としては前連結会計年度と同水準での推移となりました。
このような状況のなか、当社グループといたしましては、激化する競争環境に対応するため、医薬品・食品・電子デバイス関連をはじめとする産業設備を中心に引き続きバランスの取れた受注活動を推進するとともに、ベースアップ等による処遇改善や新卒採用・中途採用の強化を推進することで、担い手となる人材の確保に取り組んでまいりました。
その結果、部門別工事受注高は、企業の設備投資意欲が追い風となり、複数の大型物件を受注できたことなどから、産業設備工事66,166百万円(前連結会計年度51,843百万円)、一般ビル設備工事32,295百万円(前連結会計年度27,548百万円)、電気設備工事3,322百万円(前連結会計年度2,339百万円)となり、工事受注高合計は101,784百万円(前連結会計年度81,731百万円)となりました。これに兼業事業の受注高1,259百万円(前連結会計年度1,065百万円)を加えました受注高合計は103,043百万円(前連結会計年度82,797百万円)となり、前連結会計年度と比べ24.5%増加いたしました。
次に完成工事高は、受注の増加に加え、手持ち工事の進捗が順調に推移したことから、82,829百万円(前連結会計年度72,521百万円)となりました。これに兼業事業の売上高1,361百万円(前連結会計年度1,166百万円)を加えました売上高合計は84,190百万円(前連結会計年度73,688百万円)で、前連結会計年度と比べ14.3%増加いたしました。
利益につきましては、売上高の増加に加え、生産性の向上により、営業利益は9,629百万円(前連結会計年度5,792百万円)となり、経常利益は9,935百万円(前連結会計年度6,374百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は7,256百万円(前連結会計年度4,506百万円)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて5,868百万円増加し、56,216百万円となりました。これは主に受取手形・完成工事未収入金等が4,941百万円及び現金及び預金が2,649百万円増加し、電子記録債権が2,125百万円減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,933百万円減少し、23,947百万円となりました。これは主に投資有価証券が1,123百万円及び退職給付に係る資産が952百万円減少したことによるものであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて768百万円増加し、23,863百万円となりました。これは主に支払手形・工事未払金等が1,162百万円及び未成工事受入金が457百万円増加し、未払消費税等が2,168百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて595百万円減少し、3,351百万円となりました。これは主に繰延税金負債が780百万円減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べて3,762百万円増加し、52,948百万円となりました。これは主に利益剰余金が3,792百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度に比べ2,685百万円増加し、11,533百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,651百万円の資金の増加(前連結会計年度は1,453百万円の資金の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益10,119百万円の計上、仕入債務の増加1,402百万円及び未成工事受入金の増加457百万円が資金の増加要因となり、売上債権の増加2,816百万円及び未払消費税等の減少2,168百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、159百万円の資金の減少(前連結会計年度は340百万円の資金の減少)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還による収入248百万円が資金の増加要因となり、有形固定資産の取得による支出199百万円及び無形固定資産の取得による支出75百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,790百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,723百万円の資金の減少)となりました。これは主に配当金の支払額1,731百万円が資金の減少要因となったことによるものであります。
(注) 1 当社グループでは設備工事業(空調衛生設備工事業及び電気設備工事業)以外は受注生産を行っておりません。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は、次のとおりであります。
受注工事高及び完成工事高の状況
a.受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約変更により請負金額の増減がある場合については、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
3 当期受注高としては、上記当期受注工事高のほかに、冷熱機器販売事業に係るものとして、前事業年度1,188百万円、当事業年度1,416百万円があります。
4 当期売上高としては、上記当期完成工事高のほかに、冷熱機器販売事業及びその他の事業に係るものとして、前事業年度1,237百万円、当事業年度1,464百万円があります。
b.受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
c.売上高
完成工事高
(注) 1 前事業年度の完成工事のうち主なもの
当事業年度の完成工事のうち主なもの
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
大成建設㈱ 6,997百万円 10.4%
当事業年度
該当はありません。
冷熱機器販売事業及びその他の事業の売上高
d.次期繰越工事高(2025年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なもの
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(ア) 収益及び費用の計上基準
当社グループは、設備工事の設計・施工を行っております。設備工事業の工事契約については、約束した財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転するため、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度の測定は、期末日までに発生した工事原価が、工事の完成に要する総支出額である工事契約ごとの工事原価総額の見積りに占める割合に基づいて行っております。連結会計年度末の工事活動の進捗度に応じて収益及び費用を計上しておりますが、将来原材料の急激な価格高騰による資材価格の上昇や仕様変更による増減等により、当初予想した利益を確保できない可能性があります。
(イ) 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
(ウ) 工事損失引当金の計上基準
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、次期繰越工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。工事施工途中において当初予想しえなかった追加原価等により不採算工事が発生した場合、追加損失が発生する可能性があります。
(エ) 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関及び重要な取引先の株式を保有しております。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、市場価格のない非上場会社の株式が含まれます。これらの投資価値が下落した場合は、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っております。減損処理に係る合理的な基準は「第5 経理の状況」の連結財務諸表の注記事項(有価証券関係)に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア) 受注高の分析
当連結会計年度の受注高は、複数の大型物件を受注できたことなどから、前連結会計年度比24.5%増加の103,043百万円となりました。
セグメント別受注高の内訳は、空調衛生設備工事業のうち産業設備工事は66,166百万円(前連結会計年度比27.6%増加)、一般ビル設備工事は32,295百万円(前連結会計年度比17.2%増加)となりました。官庁民間別内訳は、官公庁工事19,165百万円(前連結会計年度比26.4%増加)、民間工事79,295百万円(前連結会計年度比23.5%増加)となりました。
電気設備工事業については3,322百万円(前連結会計年度比42.0%増加)となりました。
また、冷熱機器販売事業については1,259百万円(前連結会計年度比18.3%増加)となりました。
(イ) 売上高の分析
当連結会計年度の売上高は、工事の進捗が順調に推移したことから、前連結会計年度比14.3%増加の84,190百万円となりました。
セグメント別売上高の内訳は、空調衛生設備工事業のうち産業設備工事は56,099百万円(前連結会計年度比20.5%増加)、一般ビル設備工事は24,261百万円(前連結会計年度比3.5%増加)となりました。官庁民間別内訳は、官公庁工事11,553百万円(前連結会計年度比12.8%増加)、民間工事68,806百万円(前連結会計年度比15.1%増加)となりました。
電気設備工事業については2,468百万円(前連結会計年度比2.0%減少)となりました。
また、冷熱機器販売事業については1,259百万円(前連結会計年度比18.3%増加)、その他の事業については101百万円(前連結会計年度比0.4%増加)となりました。
(ウ) 販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は7,795百万円(前連結会計年度比13.1%増加)となりました。
これは主に、従業員給料手当が469百万円及び賞与引当金繰入額が199百万円増加したことによるものであります。
(エ) 営業利益及び経常利益並びに親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の営業利益は9,629百万円(前連結会計年度比66.2%増加)、経常利益は9,935百万円(前連結会計年度比55.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては7,256百万円(前連結会計年度比61.0%増加)となりました。
これは主に、売上高の増加及び生産性の向上によるものであります。
(オ) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 〔事業の状況〕 3 〔事業等のリスク〕」に記載しております。
(カ) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主要な資金需要は、工事施工のための材料費、労務費、経費や販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金需要につきましては、利益の計上により生み出された営業キャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入れによる資金調達にて対応しております。
また、手元の運転資金につきましては、地域別に設置された当社の事業所及び一部の子会社の余剰資金を当社の本社機構へ集中し、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については「第2 〔事業の状況〕 4 〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(キ) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等について
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等については、2024年5月14日に公表した『中期3か年事業計画 2024年度(第76期)~2026年度(第78期)』を2025年5月13日に一部見直しを行い、公表しております。なお、見直した結果、最終年度である2026年度(第78期)の連結業績として売上高910億円、経常利益105億円を数値目標として掲げております。
該当事項はありません。
当社では空調衛生設備工事に関して、「空気と水のテクノロジー」を基本理念として、お客様のニーズに応える最適な環境システムの提供を目指しております。クリーン分野における差別化技術、環境対策技術及び静電気の応用技術に関して、個別のニーズに適応した開発活動を継続しつつ、産業用空調分野全般における省エネルギー空調システム、エネルギーの遠隔監視や分析・設備診断技術の研究開発に注力しております。
この結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は
なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。
また、冷熱機器販売事業及びその他の事業に関する研究開発活動は行っておりません。
主な研究開発成果
○ 可視化技術の開発
コンピューターの解析能力が向上したため、シュリーレン法による気流の可視化がリアルタイムで可能となりました。この可視化方法はトレーサー粒子を使用しないため、室内を汚染する可能性が低いことから、クリーンルーム内などの高清浄度空間への実用化に向け、研究しております。
○ クリーン分野における差別化技術の開発
お客様のクリーンルームにおいて、清浄度測定ロボットシステムを使用し、実用化を目指した清浄度測定試験のフィールドテストを行っております。フィールドテストで得た結果をもとに、改良を重ね、より使いやすくなっております。また、学会において本システムを新しいHEPAフィルターリーク試験方法として提案しております。
〇 環境対策分野の開発
プラズマ除菌水での手洗いを日常的なものにするため、手洗い器を洗面台に置くことができる程度に小型化いたしました。現在、当社R&Dセンター内に設置し、耐久性などの試験を行っております。
○ 技術支援ソリューションの実施
各事業所を通じて、施工現場やお客様のご要望へ対応するため、技術支援を行っております。具体的には、気流可視化、異物や空気室の分析、CFDシミュレーション、静電気対策やそれらに関するセミナーなどであります。
○ IoT関連技術
電力見える化システム「R-Second Sight」、設備運用支援サービス「smart SOLAVICE」等のクラウド型システムで培ったノウハウをもとに、サーバーレス環境で運用する情報管理システムを開発いたしました。冷凍機の更新計画や省エネ対策、設備不具合の原因調査など、建物の維持管理に必要なデータ収集ができるシステムです。建築設備への設置そして蓄積データに対するAI機能の実装を目指し開発を行っております。
○ BIM関連技術
建物竣工時のBIMデータを設備メンテナンスに活用するシステムの開発を行っております。建物BIMデータから生成したバーチャル空間内でアバターをコントローラで操作し、建物内部を巡回することができ、部屋と設備の位置関係が直感的に把握できるシステムであります。中央監視システムと連携することで設備の運転状況のリアルタイム表示を可能とし、さらにメンテナンス台帳システムと連携することで点検履歴を表示するなど、VR空間に情報を集約し設備管理を効率的に行うシステム開発を目指しております。