当連結会計年度における日本の経済状況は、緩やかな回復基調のもと、企業業績には底堅さが見られました。設備投資は、製造業では緩慢なものの、インバウンド関連や都市部での大型再開発や宿泊施設など非製造業の建設投資がプラスに作用しましたが、個人消費は低迷が長期化しており、政府が目指す経済の好循環の実現には道半ばの状況が続いております。
当建設業界においては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた施設やインフラ整備、首都圏の再開発など拡大傾向が続いている中、一方では、資機材の高騰、技能労働者・技術者不足、そしてそれらに伴う工期遅延が顕在化している状況で推移しました。
このような環境下、当社グループは、2014年度からスタートした中期経営計画「究極真価プラン2016」の最終年度の事業運営を行ってまいりました。この中期経営計画は「顧客ニーズに的確に応えたSNK品質の深化と進化で真価を極める」をキーワードとし、①顧客信頼度の究極真価、②技術の継承と先進技術の訴求展開、③コーポレートガバナンスの強化と機動力のある組織体制、という三つの基本課題を掲げております。
その最終年度である当連結会計年度におきましては、大きく変化し始めた受注環境を注視しつつ、従来から取り組んでまいりました質と量、すなわち採算性とボリュームのバランスを見極めた活動を推進した結果、受注工事高は前期比5.0%増の1,114億3千5百万円、完成工事高は前期比4.0%増の1,012億2百万円となりました。また、手持工事量は大幅に増加し、グループ全体の次期繰越工事高は114億2千5百万円増の844億8千6百万円となりました。
利益面におきましては、受注環境が堅調に推移したことと、完成工事高の増加に加え、グループ全体での利益創出活動を行った結果、完成工事総利益は前期比10.5%増の108億9千9百万円、営業利益は前期比14.4%増の38億9千7百万円、経常利益は前期比13.9%増の42億1千7百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比24.6%増の29億3千4百万円となりました。
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受注工事高(百万円) |
完成工事高(百万円) |
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
前期比 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
前期比 |
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設備工事事業 |
106,139 |
111,435 |
5.0% |
97,329 |
101,202 |
4.0% |
「第2 事業の状況」に記載している金額には、消費税及び地方消費税は含まれておりません。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、74億4千9百万円となり、前連結会計年度の78億1千2百万円と比較すると3億6千3百万円の減少(前期比4.7%減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益42億7百万円、売上債権の減少額60億5千1百万円、仕入債務の減少額64億8千1百万円、未払消費税等の増加額10億8百万円、法人税等の支払額21億3千万円等により29億5千1百万円となり、前連結会計年度のマイナス58億6千2百万円と比較すると、88億1千4百万円の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出2億8千6百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入9億4百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2億3千9百万円等により7千5百万円となり、前連結会計年度の14億9千5百万円と比較すると、14億1千9百万円の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額23億9千5百万円、配当金の支払額6億1千2百万円等によりマイナス32億6百万円となり、前連結会計年度の48億1千8百万円と比較すると、80億2千5百万円の減少となりました。
当社グループが営んでいる設備工事事業では、生産実績を定義することが困難であり、請負形態をとっているため、セグメントごとの販売実績という定義は実態に即しておりません。
よって受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」において記載しております。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
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期別 |
前期繰越 工事高 (百万円) |
当期受注 工事高 (百万円) |
計 |
当期完成 工事高 (百万円) |
次期繰越 工事高 (百万円) |
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第47期 |
59,849 |
95,202 |
155,051 |
90,083 |
64,967 |
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第48期 |
64,967 |
99,386 |
164,354 |
87,358 |
76,995 |
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
工事の受注方法は特命と競争に大別されます。
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期別 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
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第47期 |
45.0 |
55.0 |
100.0 |
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第48期 |
37.7 |
62.3 |
100.0 |
(注) 百分比は請負金額比で示しております。
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期別 |
官公庁 (百万円) |
民間 (百万円) |
合計 (百万円) |
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第47期 |
9,993 |
80,090 |
90,083 |
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第48期 |
11,837 |
75,521 |
87,358 |
(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第47期請負金額10億円以上の主なもの
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防衛省 |
岩国飛行場(H23)防錆格納庫(A)新設機械工事 |
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㈱東芝 |
東芝本社ビル空調改修工事 |
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㈱竹中工務店 |
JPタワー名古屋新築工事 |
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清水建設㈱ |
東急プラザ銀座 |
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㈱竹中工務店 |
ららぽーとエキスポシティ |
第48期請負金額10億円以上の主なもの
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㈱東芝 |
東芝四日市工場N220棟第3期機械設備工事 |
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㈱竹中工務店 |
目黒駅前地区市街地再開発事業オフィス棟 |
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みずほ信託銀行㈱ |
川崎東芝ビル空調設備改修工事 |
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防衛省 |
岩国飛行場(H25)中学校新設機械工事 |
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鹿島建設㈱ |
日比谷ダイビル リニューアル工事 |
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先およびその割合は次のとおりであります。
なお、第48期は100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
第47期
㈱東芝 12,939百万円 14.4%
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官公庁 (百万円) |
民間 (百万円) |
合計 (百万円) |
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11,867 |
65,127 |
76,995 |
(注) 手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
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鹿島建設㈱ |
日本橋二丁目地区第一種市街地再開発事業 |
平成30年6月完成予定 |
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㈱東芝 |
東芝四日市工場260棟第1期機械設備工事 |
平成30年2月完成予定 |
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大成建設㈱ |
(仮称)豊洲二丁目駅前地区市街地 |
平成32年3月完成予定 |
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東京ガスエンジニアリング |
田町第二スマートエネルギーセンター |
平成31年8月完成予定 |
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東京空港冷暖房㈱ |
東京空港冷暖房㈱ボイラー更新等工事 |
平成33年7月完成予定 |
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「豊かな環境の創造」・「人々との信頼関係の尊重」・「社会への貢献」を経営の基本理念として掲げ、空気・水・熱に関する高度な技術を駆使し、地球環境に配慮した商業施設、産業施設、原子力施設等の室内環境を創造するとともに、顧客・株主・職員をはじめ全ての人々との信頼関係を大切にし、豊かで潤いのある社会資本の形成発展に貢献する会社であることに努めております。
当社グループは、平成29年4月より3ヵ年中期経営計画「SNK Value Innovation 2020」をスタートさせました。この3ヵ年中期経営計画の基本方針を、『地球環境の保全と持続可能な地球社会の実現に貢献する環境ソリューションカンパニーとして、顧客や社会の要請に応え、2020年代への持続的成長と新たな企業価値の創造を目指す』と定め、その実施に対し、中長期的視野での経営体質強化および新事業展開等を図るための研究開発や設備投資等を勘案するとともに、今まで以上に収益性や効率性向上に努め、定量面では、最終年度となる平成32年3月期の連結経営目標として「完成工事高1,200億円、営業利益46億円、当期純利益34億円、ROE8.0%」を目指すこととします。
新日本空調 中期経営計画「SNK Value Innovation 2020」(2017~2019年度)の基本課題
1) 顧客ロイヤルティの向上に向けた成長戦略の展開と推進
・顧客への貢献力向上に向け、当社の強みとする垂直ワンストップソリューションの展開とグループ企業や電気分野、防災分野を含む環境ソリューション全般とのコラボレーションによる水平ワンストップソリューションの拡充
・エネルギープラント分野における事業拡大
・海外分野における現法ネットワーク機能の強化推進と国内外ワンストップソリューションのシームレスな展開
・成長分野での設備投資・事業展開に向けた積極投資と体制強化
2) 安全・品質の確保と生産性向上に向けた設計施工技術と情報技術の融合
・安全・品質トラブル“ゼロ”を目指した管理の推進
・施工生産性向上を目指した省力化技術の開発
・当社保有技術(可視化、エナジークエスト等)の進化と更なる展開
・ZEB化等、省エネルギー対応や成長分野での事業深耕に資する技術開発の推進
3) 透明性の高い経営基盤の構築と社会ニーズに沿った経営資源活用の健全化
・コーポレート・ガバナンス体制の継続強化
・当社グループ全体での企業統治体制の確立とCSR活動の強化推進
・働き方改革に根差した労働生産性の向上
・多様化に向けた当社グループ全体での人材育成制度の構築
上場会社である当社の株券等は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社株券等に対する大量買付行為またはこれに類似する行為があった場合においても、一概にこれを否定するものではなく、大量買付行為に関する提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。
しかしながら、わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付行為またはこれに類似する行為を強行する動きも見受けられないわけではなく、こうした大量買付行為の中には、対象会社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益に資さないものも想定されます。
当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。したがいまして、企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
そのため、当社は、当社株式に対してこのような大量買付行為が行われた際には、大量買付行為の是非を株主の皆様に適切に判断していただくために必要な情報収集と適時開示に努めるとともに、法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
当社グループの経営成績・財政状態に影響を及ぼす可能性があるリスクに関しては、以下の項目が存在することを認識しております。
なお、下記項目の中には、将来の予想に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 業績の季節的変動
当社グループの完成工事高は、工事の完成時期が下半期に集中することにより、上半期と下半期との完成工事高に著しい相違があり、上半期と下半期の業績に季節的変動があります。
(2) 不採算工事の発生によるリスク
工事の施工段階で想定外の追加原価等により不採算工事が発生した場合、工事損失引当金の計上等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 資機材価格および労務費の変動
資機材価格および労務費が急激に高騰した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替相場の変動
為替相場の大幅な変動等が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 海外事業リスク
当社グループは、アジアを中心とした海外での設備工事を手掛けておりますが、海外の予期し得ない法律・規制・租税制度の変更、テロ・戦争等の勃発、不利な政治的要因の発生等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 工事施工に係るリスク
設備工事において、人的・物的事故や災害が発生した場合、また、技術者不足等に伴う大幅な工期遅延が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 株式相場の下落
当社グループが保有している有価証券について、株式相場の下落により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 賠償責任リスク
引渡し後の補修等、瑕疵担保責任等に関連して訴訟等が提起された場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 取引先の信用リスク
建設業における請負契約は、一つの取引における金額が大きく、工事完了時に代金を受領することが多くあります。そのため、工事代金受領以前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 退職給付債務について
当社グループの退職給付費用および退職給付債務は、割引率等の数理計算上の前提条件や年金資産の期待運用収益率に則って算出されております。そのため、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 法令等に係るリスク
当社グループの事業遂行は、建設業法、労働安全衛生法、独占禁止法等、各種法規類による規制を受けております。そのため、これらの法規類の改廃や新たな規制が行われた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
特記事項はありません。
当社は、企業行動憲章のひとつに「空気を中核とする熱・水技術の研究と開発に努め、環境創造分野に新たな価値を創り出し、社会的に信頼される技術とサービスの提供」を掲げています。
そして、これらの研究開発を具現化するにあたっては、技術開発研究所をはじめとする各事業部門などの全社組織に加え、有力な技術を持つ企業や大学等の社外パートナーと連携を図り、技術融合させながら展開しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、396百万円であります。
なお、これらの研究開発成果や当社の保有技術を「見える化」させるショールーム『SNK e-Labo』を、当社本社、工学センター、技術開発研究所の3施設に開設し、営業展開中です。
(主な研究開発活動)
(1) 微粒子可視化技術を核とした「ビジュアルソリューション事業」の深耕
浜松ホトニクス㈱との協業体制のもと、微粒子可視化技術の適用範囲の拡大と技術の深耕に向けた活動を行っています。「微粒子可視化システム」の基本構成ラインナップの他、光源とカメラを一体とし、小型・軽量化を図った光膜式モニタリング方式、超小型出射ヘッドから300度までレーザーシートを広げることができる機能を持つ可視化用の新型光源「パラレルアイF」、紫外線LEDを光源とし、落下塵や付着粒子を検出するとともに、粒子から発生する蛍光色の違いを観察することで、粒子の種類を判別することが可能な「D ライト」を開発し、営業展開中です。
(2) 熱源最適化システムの開発
省エネ、省電力およびCO2排出削減に対応する「熱源最適制御システム Energy Quest®(エナジー・クエスト)」を日本橋室町東地区開発地区の室町東三井ビルディング(商業施設名:COREDO 室町)と田町駅東口北地区第一スマートエネルギーセンターで運用中です。また、複数の施設間の熱融通に向けた制御システムを開発中です。
(3) 既成杭を用いた採熱管の省力化設置工法の開発
地中熱利用に向け、二重らせん状の採熱管を予め既製コンクリート杭内部に設置し、杭挿入時に採熱管を伸長させながら杭施工と同時に採熱管を設置する省力化工法を、ジャパンパイル㈱と共同開発しました。従来方法に比べて採熱特性の向上も見込まれ、平成26年9月から採熱特性の詳細なデータ計測を実施中です。
(4) 地中熱・太陽熱・大気熱のハイブリッドシステムの開発
冷涼な気候の積極活用と寒冷地向け暖房システムの構築に向け、地中熱・太陽熱・大気熱の再生可能エネルギーを組み合わせた、ハイブリッドシステムの開発を進めており、現在実証中です。
(5) 脱臭とノロウイルスの不活化機能を併せ持つマスク洗浄システムを開発
福島第一原子力発電所の作業に従事する方の労働環境改善に向け、電解水を用いた脱臭とノロウイルスの不活化機能を併せ持つマスク洗浄システムを開発し、平成28年1月下旬より運用に供しています。また、ノロウイルスの除染と評価技術の開発を継続中です。
(6) 当社技術の実証結果に基づくZEB化要素技術の開発
当社技術の性能を検証する実証拠点「実証Labo」(工学センター)で、当社の独自技術である『アクティブスウィング®制御(室温変動制御)』、『CPCS(天井多孔板吹出)』、『P-Q master®』に加え、「再生可能エネルギー」、「熱負荷低減策」、「高効率設備」の導入により、年間46%の省エネルギーを達成しました。今後も改善を重ね、さらなる「省エネ・創エネ」を達成し、「快適な室内環境」を兼ね備えた「ZEB Readyビル」(*)を目指すと共に、実証結果を踏まえたZEB化要素技術の開発に取り組んでいます。
(*)「ZEB Readyビル」:ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物
(7) ワイヤを用いた制震・制振補強「柔ワイヤ工法®」(特許出願中)を開発
地震時における吊り機器支持材の補強方法として、吊りボルトの共振による破断を抑制する、ワイヤを用いた制震・制振補強「柔ワイヤ工法®」(特許出願中)を開発し営業展開中です。また、更なる適用範囲の拡大に向けた開発に取り組んでいます。
(8) 一般建物用止水ダンパ 「水断羽(ミズダンパ)」を開発
ゲリラ豪雨や洪水等の災害発生時に、一般建築物や地下施設等において、電気や空気等の動力源を一切必要とせず、ダクト内への水の浸入を検知し、自動的にダンパを閉止してダクトからの浸水被害を防止する止水ダンパ「水断羽(ミズダンパ)」を開発し営業展開中です。
(9) 厨房換気最適制御システムを開発
厨房換気設備における換気風量を最適に制御し、空調・換気エネルギーを大幅に削減できる省エネ制御システムを開発し、現在実証中です。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、一定の会計基準の範囲内で、見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。貸倒引当金、工事進行基準適用工事の予定利益率等に関する見積りおよび判断について、継続して評価し、過去の実績や状況に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、異なる場合があります。
(受注工事高及び完成工事高)
当連結会計年度は、大きく変化し始めた受注環境を注視しつつ、従来から取り組んでまいりました質と量、すなわち採算性とボリュームのバランスを見極めた活動を推進した結果、受注工事高は1,114億3千5百万円(前期比5.0%増)、完成工事高は1,012億2百万円(前期比4.0%増)となりました。
(完成工事総利益)
当連結会計年度における完成工事総利益は、受注環境が堅調に推移したことと、完成工事高の増加に加え、グループ全体での利益創出活動を行った結果、108億9千9百万円(前期比10.5%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、38億9千7百万円(前期比14.4%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、42億1千7百万円(前期比13.9%増)となりました。営業外損益の主な内容は、受取利息6千9百万円、受取配当金2億6千1百万円、支払利息3千4百万円、為替差損3千1百万円であります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益の主な内容は、投資有価証券売却益1百万円、固定資産売却損8百万円であります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は42億7百万円(前期比11.6%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は12億7千3百万円となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は29億3千4百万円(前期比24.6%増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は605億5千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億5千4百万円減少しております。これは主に受取手形・完成工事未収入金が36億1千7百万円、電子記録債権が12億9千5百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は273億6千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億5千3百万円増加しております。これは主に日宝工業株式会社を連結子会社化したこと等により、有形固定資産及び無形固定資産が6億6百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は436億1千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億1千4百万円減少しております。これは主に支払手形・工事未払金が55億1千万円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は45億3千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億3千8百万円増加しております。これは主に長期借入金が3億7千7百万円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は397億7千万円となり、前連結会計年度末に比べ23億7千4百万円増加しております。これは主に利益剰余金が23億2千1百万円増加したことによるものであります。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。