第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「豊かな環境の創造」・「人々との信頼関係の尊重」・「社会への貢献」を経営の基本として 掲げ、空気・水・熱に関する高度な技術を駆使し、地球環境に配慮した商業施設、産業施設、原子力施設等の室内 環境を創造するとともに、顧客・株主・職員をはじめ全ての人々との信頼関係を大切にし、豊かで潤いのある社会 資本の形成発展に貢献する会社であることに努めております。

 

(2) 経営環境

当連結会計年度における日本の経済状況は、海外経済が緩やかに回復する中で、日本の輸出や生産は持ち直しが 続き、雇用・所得環境も改善してきております。企業の設備投資は、製造業ではIoT、ビッグデータの活用や自動車の環境対応、運転支援システムの進化などを背景に電気機械、輸送機械で増加しています。他方、消費者物価の基調は横ばいとなっており、デフレからの脱却に向けて、まだ課題が残されている状況にあります。

当建設業界においては、2020年東京オリンピック・パラリンピックや都市再開発を背景に不動産関連の設備投資の伸びにより拡大傾向が続いておりますが、一方で、技能労働者・技術者の不足は業界の構造的課題であります。また、長時間労働等、働き方改革に伴う取り組みは、当業界の喫緊の課題であります。そして、昨今の革新的技術であるAIやIoTを活用した技術革新への対応や生産性向上への取り組みが不可欠な状況であります。

 

(3) 経営計画

当社グループは、平成29年4月より3ヵ年中期経営計画「SNK Value Innovation 2020」をスタートさせ、その基本方針を、『地球環境の保全と持続可能な地球社会の実現に貢献する環境ソリューションカンパニーとして、顧客や社会の要請に応え、2020年代への持続的成長と新たな企業価値の創造を目指す』と定め、空調エンジニアリング力を中核としたワンストップソリューションの推進と多面的展開、成長事業分野と海外等の事業領域拡大や、安全と品質を重視したモノ作りの原点に還った設計施工技術開発とその伝承に努めるとともに、AIやIoT等の情報技術革新をベースとした最新技術開発を行います。また、それを実現する経営基盤においては、人材の多様化、主体性・創造性・協調性にあふれた人材育成と社員総意のワーク・ライフ・バランスを実現し、コンプライアンスの徹底と透明性の高い経営基盤の維持向上を行い、激変する社会への対応と開かれた企業体質の更なる進化を図ります。

 

(4) 中期経営計画「SNK Value Innovation 2020」(2017~2019年度)の経営課題と対処すべき施策

1) 顧客ロイヤルティの向上に向けた成長戦略の展開と推進

・顧客への貢献力向上に向け、当社の強みとする垂直ワンストップソリューションの展開とグループ企業や電気分野、防災分野を含む環境ソリューション全般とのコラボレーションによる水平ワンストップソリューションの拡充

・エネルギープラント分野における事業拡大

・海外分野における現法ネットワーク機能の強化推進と国内外ワンストップソリューションのシームレスな展開

・成長分野での設備投資・事業展開に向けた積極投資と体制強化

2) 安全・品質確保と生産性向上に向けた設計施工技術と情報技術の融合

・安全・品質トラブル“ゼロ”を目指した管理の推進

・施工生産性向上を目指した省力化技術の開発

・当社保有技術(可視化、エナジー・クエスト等)の進化と更なる展開

・ZEB化等、省エネルギー対応や成長分野での事業深耕に資する技術開発の推進

 

 

3) 透明性の高い経営基盤の構築と社会ニーズに沿った経営資源活用の健全化

・コーポレート・ガバナンス体制の継続強化

・当社グループ全体での企業統治体制の確立とCSR活動の強化推進

・働き方改革に根差した労働生産性の向上

・多様化に向けた当社グループ全体での人材育成制度の構築

 

(5) 株式会社の支配に関する基本方針

上場会社である当社の株券等は、株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社株券等に対する大量買付行為またはこれに類似する行為があった場合においても、一概にこれを否定するものではなく、大量買付行為に関する提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。

しかしながら、わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量買付行為またはこれに類似する行為を強行する動きも見受けられないわけではなく、こうした大量買付行為の中には、対象会社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益に資さないものも想定されます。

当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。したがいまして、企業価値および会社の利益ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

そのため、当社は、当社株式に対してこのような大量買付行為が行われた際には、大量買付行為の是非を株主の皆様に適切に判断していただくために必要な情報収集と適時開示に努めるとともに、法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績・財政状態に影響を及ぼす可能性があるリスクに関しては、以下の項目が存在することを認識しております。

なお、下記項目の中には、将来の予想に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 業績の季節的変動

当社グループの完成工事高は、工事の完成時期が下半期に集中することにより、上半期と下半期との完成工事高に著しい相違があり、上半期と下半期の業績に季節的変動があります。

 

(2) 不採算工事の発生によるリスク

工事の施工段階で想定外の追加原価等により不採算工事が発生した場合、工事損失引当金の計上等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 資機材価格および労務費の変動

資機材価格および労務費が急激に高騰した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 為替相場の変動

為替相場の大幅な変動等が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 海外事業リスク

当社グループは、アジアを中心とした海外での設備工事を手掛けておりますが、海外の予期し得ない法律・規制・租税制度の変更、テロ・戦争等の勃発、不利な政治的要因の発生等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 工事施工に係るリスク

設備工事において、人的・物的事故や災害が発生した場合、また、技術者不足等に伴う大幅な工期遅延が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 株式相場の下落

当社グループが保有している有価証券について、株式相場の下落により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 賠償責任リスク

引渡し後の補修等、瑕疵担保責任等に関連して訴訟等が提起された場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 取引先の信用リスク

建設業における請負契約は、一つの取引における金額が大きく、工事完了時に代金を受領することが多くあります。そのため、工事代金受領以前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 法令等に係るリスク

当社グループの事業遂行は、建設業法、労働安全衛生法、独占禁止法等、各種法規類による規制を受けております。そのため、これらの法規類の改廃や新たな規制が行われた場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度末の財政状態は、総資産は、前連結会計年度末に比べ116億4千5百万円増加し、995億6千6百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ83億9千6百万円増加し、565億4千7百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ32億4千8百万円増加し、430億1千9百万円となりました。

当連結会計年度の経営成績は、受注工事高は、前連結会計年度に比べ28億8千4百万円増加し、1,143億2千万円となりました。完成工事高は、前連結会計年度に比べ105億4千万円増加し、1,117億4千2百万円となりました。営業利益は、42億7千4百万円(前連結会計年度 38億9千7百万円)、経常利益は、46億4千4百万円(前連結会計年度 42億1千7百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は、34億4千9百万円(前連結会計年度 29億3千4百万円)となり、3ヵ年中期経営計画最終年度の目標である34億円を2年前倒しで達成することができました。

なお、「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

 

受注工事高(百万円)

完成工事高(百万円)

平成29年3月期

平成30年3月期

前期比

平成29年3月期

平成30年3月期

前期比

設備工事事業

111,435

114,320

2.6%

101,202

111,742

10.4%

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、95億4千3百万円となり、前連結会計年度の74億4千9百万円と比較すると20億9千3百万円の増加(前期比28.1%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益50億5千5百万円、売上債権の増加額86億5千9百万円、仕入債務の増加額62億4千3百万円、未成工事受入金の増加額12億1千4百万円、消費税等の支払額20億2千7百万円、法人税等の支払額11億4千9百万円等により1億6千6百万円となり、前連結会計年度の29億5千1百万円と比較すると、27億8千4百万円の減少となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

保険積立金の払戻による収入17億3千4百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入9億5千6百万円、有形固定資産の取得による支出6億6百万円等により14億8千9百万円となり、前連結会計年度の7千5百万円と比較すると、14億1千3百万円の増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

短期借入金の純増加額14億7千7百万円、配当金の支払額9億8千万円等により3億9千3百万円となり、前連結会計年度のマイナス32億6百万円と比較すると、36億円の増加となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループが営んでいる設備工事事業では、生産実績を定義することが困難であり、請負形態をとっているため、セグメントごとの販売実績という定義は実態に即しておりません。

よって受注及び販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」において記載しております。

なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。

 

a.受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高

 

期別

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)


(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

第48期
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

64,967

99,386

164,354

87,358

76,995

第49期
自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日

76,995

97,790

174,785

96,099

78,686

 

(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は特命と競争に大別されます。

 

期別

特命(%)

競争(%)

計(%)

第48期
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

37.7

62.3

100.0

第49期
自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日

45.4

54.6

100.0

 

(注) 百分比は請負金額比で示しております。

 

 

c.完成工事高

期別

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

合計

(百万円)

第48期
自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

11,837

75,521

87,358

第49期
自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日

10,490

85,609

96,099

 

(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

第48期請負金額10億円以上の主なもの

㈱東芝

東芝四日市工場N220棟第3期機械設備工事

㈱竹中工務店

目黒駅前地区市街地再開発事業オフィス棟

みずほ信託銀行㈱

川崎東芝ビル空調設備改修工事

防衛省

岩国飛行場(H25)中学校新設機械工事

鹿島建設㈱

日比谷ダイビルリニューアル工事

 

第49期請負金額10億円以上の主なもの

東芝メモリ㈱

東芝メモリ四日市工場260棟2期機械設備工事

㈱大林組

日本ジェネリックつくば第二工場建設計画

三井住友信託銀行㈱

つくば三井ビルディング空調設備改修工事

鹿島建設㈱

ミッドタウン日比谷三井タワー

清水建設㈱

花王株式会社豊橋工場PN棟、防災エンジニアリングセンター新築工事

 

 

2 第48期および第49期ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

d.次期繰越工事高(平成30年3月31日現在)

 

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

合計

(百万円)

9,574

69,112

78,686

 

(注) 手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。

鹿島建設㈱

(仮称)OH-1計画新築工事 A工区

平成32年7月完成予定

東芝メモリ㈱

東芝メモリ四日市工場260棟第3期機械設備工事

平成31年1月完成予定

大成建設㈱

(仮称)豊洲二丁目駅前地区市街地再開発事業2-1街区AC棟新築工事

平成32年3月完成予定

東京空港冷暖房㈱

東京空港冷暖房㈱ボイラー更新等工事

平成33年7月完成予定

㈱大林組

大阪空港再編計画

平成32年8月完成予定

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、一定の会計基準の範囲内で、見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。貸倒引当金、工事進行基準適用工事の予定利益率等に関する見積りおよび判断について、継続して評価し、過去の実績や状況に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、異なる場合があります。

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(当社グループの当連結会計年度の経営成績等)

a.財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は724億2千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ118億6千6百万
円増加しております。主な要因は、受取手形・完成工事未収入金の増加74億5千6百万円、現金預金の増加19億1百
万円であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は271億4千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億2千万円減少
しております。主な要因は、保有株式の含み益増加等による投資有価証券の増加12億3千7百万円、その他に含ま
れる長期保険料の減少16億2千9百万円であります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は523億2千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ87億1千4百万円
増加しております。主な要因は、支払手形・工事未払金の増加62億7千7百万円、短期借入金の増加14億5千9百万
円であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は42億1千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億1千7百万円減
少しております。主な要因は、退職給付に係る負債の減少6億5千万円であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は430億1千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億4千8百万円増加して
おります。主な要因は、利益剰余金の増加24億6千8百万円、その他有価証券評価差額金の増加8億2千7百万円であ
ります。

 

b.経営成績の分析

(受注工事高及び完成工事高)

当連結会計年度は、受注工事高は、リニューアル分野が好調であったことと、原子力分野と海外関係会社が大きく寄与し、1,143億2千万円(前期比2.6%増)となりました。完成工事高は大型産業案件の完成や首都圏再開発案件の進捗が順調に進んだこと等により1,117億4千2百万円(前期比10.4%増)となりました。

(完成工事総利益)

当連結会計年度における完成工事総利益は、受注環境が堅調に推移したことと、完成工事高の増加に加え、当社グループ全体での利益創出活動を行った結果、119億5千6百万円(前期比9.7%増)となりました。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、42億7千4百万円(前期比9.7%増)となりました。

(経常利益)

当連結会計年度における経常利益は、46億4千4百万円(前期比10.1%増)となりました。営業外損益の主な内容は、受取利息5千5百万円、受取配当金2億9千7百万円、支払利息3千9百万円であります。

(特別損益)

当連結会計年度の特別損益の主な内容は、投資有価証券売却益2億8千9百万円、訴訟損失引当金戻入額6千3百万円、退職給付制度終了益5千9百万円であります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は50億5千5百万円(前期比20.1%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は16億6百万円となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は34億4千9百万円(前期比17.5%増)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)

「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの資金の源泉は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「金融機関からの借入」であります。
一方、当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、借入金の返済、法人税等の支払、配当金の支払等であります。

それらの資金需要に対しては、内部資金、営業キャッシュ・フローで充当することを基本とし、必要に応じて資金調達を実施しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社は、企業行動憲章のひとつに「空気を中核とする熱・水技術の研究と開発に努め、環境創造分野に新たな価値を創り出し、社会的に信頼される技術とサービスの提供」を掲げています。

そして、これらの研究開発を具現化するにあたっては、技術開発研究所をはじめとする各事業部門などの全社組織に加え、有力な技術を持つ企業や大学等の社外パートナーと連携を図り、技術融合させながら展開しています。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、374百万円であります。

 

なお、これらの研究開発成果や当社の保有技術を「見える化」させるショールーム『SNK e-Labo』を、当社本
社、工学センター、技術開発研究所の3施設に開設し、営業展開中です。

 

(主な研究開発活動)

(1) 微粒子可視化技術を核とした「ビジュアルソリューション事業」の深耕

浜松ホトニクス㈱との協業体制のもと、微粒子可視化技術の適用範囲の拡大と技術の深耕に向けた活動を行っており、以下に示す4つの新しいラインナップを開発し市場投入しました。

①微粒子可視化技術の適用範囲を更に拡げ、1台で複数の機能を発揮する、LEDを使用した可視化用光源「パラレルアイ Type-D」

②表面に付着する粒子や汚れを高解像度・高感度カメラで撮影し、微小な粒子や汚れの蛍光も鮮明な画像として残し、粒子や汚れに関する形状や蛍光色に関する情報をデータ化する「Dスコープ」

③清浄環境で使用する消耗品や生産設備の機械要素から発生する微粒子の総数を、気流計画により設計された風洞と独自の光膜式の粒子濃度計数技術を組み合わせ、定量評価することができる微粒子発生量評価装置「L-Wind」

④医療現場や製薬工場などの清浄環境における広範囲にわたる気流を“見える化”するツールとして、多量噴霧型 気流可視化用純水ミスト発生器「plus FOG」

 

(2) 熱源最適化システムの開発

省エネ、省電力およびCO2排出削減に対応する「熱源最適制御システムEnergy Quest®(エナジー・クエスト)」を日本橋室町東地区開発地区の室町東三井ビルディング(商業施設名:COREDO 室町)と田町駅東口北地区第一スマートエネルギーセンターで運用中です。また、複数の施設間の熱融通に向けた制御システムを開発中です。

 

(3) 既製杭を用いた採熱管の省力化設置工法の開発

地中熱利用に向け、二重らせん状の採熱管を予め既製コンクリート杭内部に設置し、杭挿入時に採熱管を伸長させながら杭施工と同時に採熱管を設置する省力化工法を、ジャパンパイル㈱と共同開発しました。従来方法に比べて採熱特性の向上も見込まれ、平成26年9月から採熱特性の詳細なデータ計測を実施中です。

 

 

(4) 地中熱・太陽熱・大気熱のハイブリッドシステムの開発

冷涼な気候の積極活用と寒冷地向け暖房システムの構築に向け、地中熱・太陽熱・大気熱の再生可能エネルギーを組み合わせた、ハイブリッドシステムの開発を進めており、現在実証中です。

 

(5) 脱臭とノロウイルスの不活化機能を併せ持つマスク洗浄システムの開発

福島第一原子力発電所の作業に従事する方の労働環境改善に向け、電解水を用いた脱臭とノロウイルスの不活化機能を併せ持つマスク洗浄システムを開発し、平成28年1月下旬より運用に供しています。また、ノロウイルスの除染と評価技術の開発を継続中です。

 

(6) 当社技術の実証結果に基づくZEB化要素技術の開発

当社技術の性能を検証する実証拠点「実証Labo」(工学センター)で、当社の独自技術である『アクティブスウィング®制御(室温変動制御)』、『CPCS(天井多孔板吹出)』、『P-Q master®』に加え、「再生可能エネルギー」、「熱負荷低減策」、「高効率設備」の導入により、年間52.5%の省エネルギーを達成し,空気調和・衛生工学会が定義する『ZEB Ready』を実現しました。今後も改善を重ね、さらなる「省エネ・創エネ」と「快適な室内環境」を目指すと共に、実証結果を踏まえたZEB化要素技術の開発に取り組んでいます。

 

(7) ワイヤを用いた制震・制振補強「柔ワイヤ工法®」(特許出願中)の開発

地震時における吊り機器支持材の補強方法として、吊りボルトの共振による破断を抑制する、ワイヤを用いた制震・制振補強「柔ワイヤ工法®」(特許出願中)を開発し営業展開中です。また、更なる適用範囲の拡大に向けた開発に取り組んでいます。

 

(8) 厨房換気最適制御システムの開発

厨房換気設備における換気風量を最適に制御し、空調・換気エネルギーを大幅に削減できる省エネ制御システムを開発し、現在実証中です。

 

(9) クリーンルーム向け横吹出し温度成層型空調システムの開発

クリーンルームなどの大空間室内向けに、混合空調システムと比較し空調風量を削減しても生産空間の温度や清浄度などの空気質を維持しつつ、省エネルギー化を実現する、横吹出し温度成層型空調システムを開発しました。

 

(10) 二酸化炭素(CO2)施肥制御技術の開発

近畿大学と共同で、光環境、温度、湿度、風速、飽差、光、空気中の二酸化炭素濃度をコントロールし植物の生長を促進させる「二酸化炭素(CO2)施肥制御技術」を開発中です。