文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、設立50周年を迎えた2019年を、来たる次世代の50年間に向けた「飛躍の年」と位置付け、未来における企業価値の永続的向上に向けて、新たな企業理念である「使命」と「価値観」を再定義しております。本理念は当社グループ社員全員の価値観の共有化を図ると共に、判断・行動の拠りどころとなるものです。本企業理念の下、未来に向けた「あるべき姿」を目指し、グループ一同で一体感を持って、企業価値の向上に努めてまいります。
「使命」
Fill your tomorrow
社会と自然の調和を育み、未来へ向けた思いを満たす。
人や社会、環境の調和を尊重し、また、つながりを大切にしながら、空調を核とする事業を通して、お客様や社会からの期待に応える企業として、これからも社会に貢献します。
「価値観」
調和
社会と自然に敬意を払い、つながりを大切にします。
「社会へ向けて」
全ての人・社会・自然とのつながりと多様性を尊重します。
探究
豊かな発想力と熱意を持って、新たな価値の創造に挑みます。
「仕事の姿勢」
未来に対して大胆に挑戦し、創造力を発揮する専門性と人間力を磨きます。
真摯
何事にも強くしなやかに向き合い、期待に応えます。
「個人の資質」
アクティブで且つスピーディーでありながらも誠実さを大切にし、良い品質をお客様に提供します。
絆
仲間と共に、わくわくしながら、成し遂げる喜びを分かち合います。
「仲間へ」
職場の仲間・協力会社の皆さんと、創造し提供する喜びを分かち合い、
また、家族との大切な時間を共有することを大切にします。
「会社の方針」
当社グループは、『会社の方針』として、次のように事業環境を整えることをお約束します。また、万一、本方針に反する事態が発生した場合、経営トップ自ら率先して問題解決にあたり、原因究明、再発防止に努めます。
1. コンプライアンス
役員・従業員は、法律・社会規範・社内ルールを守ります。違法や違反する行為の動機が、「会社のため」、「お客様のため」という職務上のことや、上司の指示であっても例外ではありません。違法行為、社内ルール違反には厳正な姿勢で臨みます。また、そのような行為を出来る限り未然に防ぐために、社内外通報制度を整備、公開し、その通報者を守ります。
2. 公正な事業慣行
役員・従業員は、関係法令および社内ルールを含む腐敗防止や公正な競争、利益相反行為の禁止、贈収賄防止、反社会的勢力との接触禁止、インサイダー取引の防止(以下、腐敗防止等という)に取り組み、公正さ、誠実さおよび透明性を以て事業活動を推進します。また、腐敗防止等に対する取組が不十分と認められる取引先等についても、当社との取引停止を含めた厳しい対応で臨みます。公正さ、誠実さおよび透明性のある事業活動の遂行により、社会、顧客、ビジネスパートナー等のステークホルダーから得られる信用・信頼こそが、かけがえのない財産であることを認識し、活動します。
3. リスクマネジメント
事業運営上のあらゆるリスクに的確に把握・対応し、経営の健全性を確保することがコーポレート・ガバナンスの重要な基盤であると認識し、連絡体制を強化し、訓練等を通して迅速な対応に努めます。
4. 情報セキュリティ管理
顧客情報や特許権、商標権、著作権等の知的財産の情報と情報システム等の資産を適切に保護・管理し、積極的に活用します。また、従業員に対しては、情報セキュリティに関する意識向上を図ると共に、知的財産や情報管理に関する教育・訓練を実施し、紛失、盗難、不正使用等を防ぎます。
4-1. 情報開示と社内外コミュニケーション活動
社会から信頼される企業集団であることを目指し、正確かつタイムリーな情報に基づき、積極的な広報活動を通じて、ステークホルダーとのオープンで公正なコミュニケーションに努め、経営の透明性の向上を図ります。また、ステークホルダーの要望を受け止めると共に、建設的な対話を行い、企業価値の向上に役立てます。
5. 環境
持続可能な地球環境の実現のために、気候変動の緩和と適応や環境への負の影響の最小化に向け、環境問題を経営の重要課題と位置づけ、事業活動のみならず、職場環境に至るまで、全ての業務プロセスにおいて、環境に配慮した活動を推進します。また、調達先や協力会社に対しても、環境に配慮した業務遂行を求め、地球環境の改善に努めます。
6. 労働安全衛生
働く人々の安全確保が企業にとって最重要基盤であると考え、事業活動において、派遣社員、協力会社を含めた働く人々の安全衛生を最優先し、安全で働きやすい環境を確保します。従業員の心身の健康維持・増進を積極的に支援して、健康経営に関する従業員と会社との円滑なコミュニケーションを図ります。また、従業員の声に耳を傾け、一人ひとりが積極的に仕事に取り組み、自由で闊達な発想力を活かす、平等で差別のない明るい職場環境を提供します。更に、ワークライフバランスの充実、労働時間以外の時間帯の適切な確保をサポートし、働きがいを持ち続けられる会社作りを目指します。
7. ダイバーシティ
社会に向けて新たな価値を創造し続けるためには、多様性がもたらすイノベーションが不可欠であると考えています。あらゆる属性の人が平等な雇用と活躍の機会を確保され、多様な個性や能力を十分に発揮できるよう、ダイバーシティ経営を推進します。また、多様性を持った人材の広がりを大切にし尊重すると共に、全ての従業員の公正な処遇を重視します。
8. 人権
あらゆる事業活動において、全てのステークホルダーの基本的人権および個人の尊厳を尊重し、人権侵害に加担しません。万一、事業活動や商品・サービスが、人権への悪影響を及ぼしていることが判明した場合は、適切かつ速やかに対処します。また、不適切な言動によるハラスメント行為を許しません。ハラスメントとなる行為には厳正な姿勢で臨みます。
9. 労使関係
「労使相互信頼と相互責任」を基本に、従業員がそれぞれの立場において、プロフェッショナルとして活き活きと活躍できるよう、均等な雇用機会と公正な労働条件を提供します。
10. 人材育成
従業員は企業にとって大切な経営資源であり、企業の持続的成長のために人材育成が最も重要であると認識しています。このため、人的資源の高度化を図ることや、従業員一人ひとりがプロフェッショナルとして高い専門性を持って仕事に取り組むことができるよう、それぞれの資質・能力を伸ばすプログラムを提供します。また、過去の経験や先輩から引き継いだ「ナレッジ」の有効活用を図るために、技術に関わる情報の開示に努め、エンジニアの一人ひとりが自信を持って、仕事に取り組むことが出来るように当社技術情報を整備更新します。
11. 地域コミュニティ
持続可能な地域づくりのためには、コミュニティの機能不全や活力低下、都市生活の基盤の脆弱化は、重要な社会問題であると認識しています。このような認識のもと、行政や地域コミュニティと協働し、コミュニティの育成と活性化を支援します。また、自然災害やパンデミック等、地域コミュニティが機能不全になるような事態には、関係者の安全確保をした上で、被災地域の復旧・復興支援およびお客様事業の早期再開の支援を行うことに努めます。
12. 公平、公正な調達
規模・実績の有無を問わず、開かれた公平でかつ公正な参入機会を提供し、品質、技術、数量、納期の確実性に加え、経営の安定性、技術開発力、環境や社会への取組等も総合的に勘案して、調達先を選定します。
13. 品質
顧客が期待する価値を的確に捉え、全ての業務プロセスにおいて、“品質へのこだわり”を持ってSNK品質の提供を行い、信頼され、満足していただける技術とサービスを提供します。そのために各部署、プロジェクトにおいて品質目標を設定し、品質マネジメントシステムを実施し維持すると共に、マネジメントレビュー等を通じて継続的改善を図ります。
13-1. 技術革新への取組
技術開発や異業種とのコラボレーションによるイノベーションにも積極的に取り組み、将来に向けて一歩先の先鋭的技術(テクノロジー)の取得と活用に努めます。
当連結会計年度における日本の経済状況は、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱など、世界経済の減速懸念が高まるものの、堅調な内需に支えられ、雇用・所得環境の改善が進み緩やかな景気回復が続きましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大および、政府による緊急事態宣言の発令などにより経済活動が抑制され、今後の先行きは予断を許さない状況であります。
建設業界におきましては、通商問題をめぐる緊張の影響が製造業の民間設備投資に影を落とし、都心を中心とした再開発案件などの不動産投資にも若干の停滞感が出てきている状況において、技術者・技能労働者不足や資機材・労務費の上昇傾向は継続しております。また、AIやIoTを活用した技術革新への対応や、長時間労働対策、働き方改革による生産性向上への取り組みについては、今後の事業の継続・成長には欠かすことのできない課題であります。
当社グループは、将来起こりうる変化やその先の見通しに対して、柔軟且つ機敏に対応できる組織であるために、2030年を節目とした10年ビジョン「SNK Vision 2030」を定めております。
[ SNK Vision 2030 ] の基本方針
新日本空調グループは、
持続可能な地球環境の実現と、お客様資産の価値向上に向け、
ナレッジとテクノロジーを活用するエンジニア集団を目指します。
当社グループが提供する建築設備システムは、お客様の重要な資産となり、事業活動の源泉となるものです。従い、当社グループは建築設備システムを構築、提供し、維持更新する活動を通じ、お客様のみならず、多くのエンドユーザーの生活や環境を当社のナレッジとテクノロジーで支え続けていきます。
そして、2030年における当社グループのあり姿を以下の通り想定し策定しております。
ビジネス環境の基盤は、情報通信技術の急速な進歩に伴い、「モノ(所有価値)」から「コト(利用価値)」といった価値定義の変化の中で、高効率・大量生産による消費社会から、変化対応型の発想重視の社会へ変化してきており、知的資本の創造やその活用が今後の企業競争力に影響を与えることが考えられることから、知的資本を構成する、人的資本、組織資本、関係資本にサスティナビリティ資本を加え、これらを価値創造の根幹として、その堅固な根幹に支えられたビジネスモデルが当社グループの将来価値を創造することになります。従い、自然資本の持続的成長を約束しつつ、知的資本の変革と研鑽による持続的成長が当社グループの企業価値を向上させると考えております。

4つの知的資本を活かし続ける変革、研鑽と将来への跳躍をスローガンとして、2030年における経営計画目標に対する5つの基本戦略を掲げ企業価値の向上に取り組みます。
(4) 新中期経営計画「SNK Vision 2030 PhaseI」(2020~2022年度)の経営課題と対処すべき施策
SNK Vision 2030の第1フェーズとなる2020年から2022年の3ヵ年は、人的資本、関係資本、組織資本にサスティナビリティ資本を加えた4つの知的資本を活かし続ける変革の期間ととらえ、SNK Vision 2030で掲げる5つの基本戦略に基づく対処すべき課題を以下の通り定めます。
事業基盤増強戦略
資本コストを意識した事業ポートフォリオの実現と新たな事業領域の展開による収益基盤の拡大を目指す。
①資本コストを意識した収益性評価による事業ポートフォリオの実現に向けた
当社グループの成長戦略の実行
②新たな関係価値創造による事業領域の拡大と新分野への事業展開
③社会や顧客の要請に応えるための積極投資によるSNKブランドの差別化
④海外事業領域の将来性を見据えた事業基盤拡大
収益力向上戦略
事業収益力の向上と施工遂行力の持続的成長を実現する現場機動力の増強に資する
安全品質管理体制の強化と生産性向上を目指す。
①事業収益力の源泉である現場収益性を見据えた原価構成の最適化追求
②新工事管理システムの運用による安全品質管理の徹底とIoT、AI技術を駆使した設備資産管理手法の確立
③現場機動力の増強に資する協力会社を含めたサプライチェーンの関係性強化と
施工遂行力の持続的成長を見据えた現場人材確保
人的資本戦略
多種多様、多才な人材を有し、様々な専門領域にて、自己のキャリアプランと会社のキャリアパスが有機的に結びつく人的資本の育成と、働き方改革を実現する現場や事業基盤増強戦略に基づく事業分野への人材を傾斜配分する。
①多種多様、多才な人材の発掘、育成、活用に資する人事制度改革の推進
②ゆとりのある労働環境の実現に向けたワークスタイルの変革と現場人材の増強
デジタル変革戦略
デジタル変革社会に則した高度情報活用の推進と業務機動性の更なる向上を目指すために、デジタルによる情報活用を推進し、情報通信技術の高度化による当社独自のICTプラットフォームを構築し、存在価値を高める。
①ナレッジを最大限に活用するマネジメントシステムの構築と運用
②デジタル変革の進化に追従するデジタル化戦略の実行と情報解析技術の研鑽
企業統治戦略
持続的地球環境の実現とステークホルダーの長期的価値向上を見据えたCSR・ESG経営の浸透展開と、それを支えるコーポレートガバナンス体制の強化を推進する。
①心豊かな社会そして地球環境の維持を組織の命題ととらえ、SDGsの目標達成に資するCSR活動の推進
②持続的成長を確実にするコーポレートガバナンス変革への挑戦
③エンゲージメント経営の実践によるインフラ型組織への変革
(5)目標とする経営指標
「SNK Vision 2030 PhaseI」における最終年度(2023年3月期)の連結経営数値目標を次の通り定めます。なお、当社グループはこの新3ヵ年中期経営計画の実施に対し、中長期的視野での経営体質強化および新事業展開等を図るための研究開発や設備投資等を勘案するとともに、今まで以上に収益性や効率性向上に努め、結果としてROEを高める中長期的な成長を重視し、2030年への持続的成長と新たな企業価値の創造を目指します。
(6)新型コロナウイルス感染症に伴う事業への影響
世界的な規模で拡大している新型コロナウイルス感染症については、社会経済や消費に様々な影響を及ぼすものと予測しております。しかしながら現時点では、当社グループの業績に及ぼす影響を見通す事は困難な状況にあります。今後の同感染症の動向を見極め、当社の事業活動や経営成績に影響を及ぼすおそれが生じた場合は、速やかに開示いたします。
また、当社グループでは、感染拡大防止の観点から、三密の回避、テレワークや時差出勤の推奨、施工現場における監督官庁の予防対策ガイドラインの遵守・実行を継続し、グループ職員並びに関係者の安全確保に取り組んでまいります。そして、これまで培った保有技術を通して社会的課題を解決し、社会に貢献する事でグループ全体の企業価値向上に努めてまいります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社が財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループはこのようなリスクの認識にもとづき、リスクの防止および会社損失の最小化を図ることを目的とし、グループ全体のリスク管理に関する必要な事項をリスク管理規程に定めております。また、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、リスクの回避、低減および管理の強化を図っております。
なお、文中における、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 保有資産の変動リスク
当社グループが保有している有価証券等の価値が大幅に下落した場合は、評価損の発生により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(2) 取引先の信用不安リスク
当社グループの主要な事業である建設業における請負契約は、一つの取引における契約金額が大きく、工事完了時に多額の工事代金が支払われる傾向にあります。そのため、工事代金の受領前に取引先が信用不安に陥った場合には、工事代金の回収が困難になり、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(3) 法的規制リスク
当社グループの事業活動は、建設業法、労働安全衛生法、独占禁止法等、各種法規類による規制を受けており、これら法規類の改廃や新たな規制が制定された場合には、新たな義務の発生や費用負担の増加、権利の制約等が発生する可能性があります。また、当社グループは、各種法令等が順守されるよう役職員に対しコンプライアンスの徹底を図っておりますが、これらに違反する事象が発生した場合は、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、事業の停止等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(4) 賠償責任リスク
当社グループは、工事の施工において、安全・品質管理の徹底に努めておりますが、引渡し後の補修等、契約不適合責任等の発生や、保険等で補えることのできない損害賠償が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 訴訟リスク
当社グループは、工事の施工において、施工品質の維持・向上に万全を期しておりますが、工事完成の引渡し後の補修、契約不適合責任、製造物責任等に関連する訴訟や、その他事業活動を行う過程における取引先からの訴訟等が提起された場合、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(6) 工事採算の悪化リスク
経済環境による資機材の価格および労務費の急激な高騰や工事の施工における想定外の原価追加により不採算工事が発生した場合は、工事損失引当金の計上等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(7) 工事遅延リスク
工事の施工において、重大な品質事故や労働災害が発生した場合、また、工期変更、当社グループの技術者不足等により大幅な工期遅延が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(8) 安全管理リスク
当社グループは、工事の施工における労働災害撲滅のため、安全教育や作業現場への安全点検パトロール等を実施しております。事故原因の解明や周知、類似事故防止策の策定等、安全管理を徹底し、安全な作業環境を整え施工を行っておりますが、重大な労働災害が発生した場合は、工事の進捗に多大な影響を与えると共に、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(9) 品質管理リスク
当社グループは、工事の施工における品質の維持・向上のため、入念な施工計画の立案や確かな技術力のある専門業者の選定、安全な作業環境の整備等により、施工管理を行っておりますが、重大な品質事故や苦情事故が発生した場合は、工事の進捗に多大な影響を与えると共に、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(10) 環境リスク
当社グループは、取引先に対し温暖化ガス排出量削減提案を実施する等、環境負荷低減に向けた事業活動を行っております。また、フロン等の取扱いにおいて、法令を順守し適正な処置を実施しておりますが、万一、環境破壊の原因となる廃棄物を排出した場合は、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(11) 情報管理リスク
当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や、取引先およびその他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報の外部への流出を防止するため、社内規程の整備や役職員への周知徹底、セキュリティシステムの強化等対策を講じておりますが、社外からの不正侵入、社内における不正使用等、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合は、企業価値の敷損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(12) 海外事業リスク
当社グループは、アジアを中心とした海外において事業を手掛けておりますが、これら各国での事業活動に際しては、予期し得ない法的規制・租税制度の変更、政情不安および経済状況や為替レートの急激な変動等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(13) その他事業リスク
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大により、受注活動への支障、受注済み工事の延期や中止、工事現場の閉所による工期の延長等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は、前連結会計年度末に比べ31億円減少し、989億2千5百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ44億3千8百万円減少し、545億2千3百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ13億3千8百万円増加し、444億2百万円となりました。
当連結会計年度の経営成績は、受注工事高は、前連結会計年度に比べ132億2千5百万円減少し、1,073億4百万円となりました。完成工事高は、前連結会計年度に比べ22億8千3百万円減少し、1,201億6百万円となりました。営業利益は、64億9百万円(前連結会計年度 38億8千5百万円)、経常利益は、68億1千万円(前連結会計年度 42億3千5百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は、46億3百万円(前連結会計年度 30億9千5百万円)となりました。
なお、「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、124億1千万円となり、前連結会計年度末の81億2百万円と比較すると43億7百万円の増加(前期比53.2%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益68億7千1百万円、売上債権の減少額39億4千1百万円等により111億7千2百万円となり、前連結会計年度のマイナス12億8千2百万円と比較すると、124億5千4百万円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券の売却による収入4億4千7百万円、無形固定資産の取得による支出2億2千8百万円等により1億7千9百万円となり、前連結会計年度の3億3千4百万円と比較すると、1億5千4百万円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純減少額55億8千7百万円、配当金の支払額12億8千5百万円等によりマイナス69億9千3百万円となり、前連結会計年度のマイナス3億5千万円と比較すると、66億4千2百万円の減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる設備工事事業では、生産実績を定義することが困難であり、請負形態をとっているため、販売実績という定義は実態に即しておりません。
よって受注及び販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」において記載しております。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
(a) 受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
工事の受注方法は特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比で示しております。
(c) 完成工事高
(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第50期
第51期
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先及びその割合は次のとおりであります。
第50期
東芝メモリ㈱ 13,899百万円 13.1%
鹿島建設㈱ 11,512百万円 10.9%
第51期
鹿島建設㈱ 9,965百万円 10.0%
3 東芝メモリ㈱は、2019年10月1日付でキオクシア㈱に社名変更しております。
(d) 次期繰越工事高(2020年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、一定の会計基準の範囲内で、見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。貸倒引当金、工事進行基準適用工事の予定利益率等に関する見積りおよび判断について、継続して評価し、過去の実績や状況に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績等)
(a) 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は744億8千万円となり、前連結会計年度末に比べ1億8千4百万円減少しております。主な要因は、現金預金の増加43億7百万円、電子記録債権の減少25億3千2百万円、受取手形・完成工事未収入金の減少16億3千9百万円、その他に含まれる未収消費税等の減少4億5千5百万円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は244億4千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億1千5百万円減少しております。主な要因は、投資有価証券の減少28億1千9百万円であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は526億5千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ35億3千1百万円減少しております。主な要因は、短期借入金の減少55億9千1百万円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は18億6千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億6百万円減少しております。主な要因は、繰延税金負債の減少8億7千2百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は444億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億3千8百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金の増加18億5千4百万円、その他有価証券評価差額金の減少16億1千万円であります。
(b) 経営成績の分析
(受注工事高及び完成工事高)
当連結会計年度は、受注工事高は前期比11.0%減の1,073億4百万円、完成工事高は前期比1.9%減の1,201億6百万円となりました。
(完成工事総利益)
当連結会計年度における完成工事総利益は、グループ全体での利益創出への取り組みが成果をあげ、完成工事総利益は前期比26.1%増の141億8千6百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前期比65.0%増の64億9百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前期比60.8%増の68億1千万円となりました。営業外損益の主な内容は、受取利息8千2百万円、受取配当金3億2千9百万円であります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益の主な内容は、投資有価証券売却益2億4千万円、投資有価証券評価損3億5千3百万円であります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は前期比47.1%増の68億7千1百万円となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は22億6千8百万円となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は前期比48.7%増の46億3百万円となりました。
(c) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金の源泉は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「金融機関からの借入」であります。
一方、当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、借入金の返済、法人税等の支払、配当金の支払等であります。
それらの資金需要に対しては、内部資金、営業キャッシュ・フローで充当することを基本とし、必要に応じて資金調達を実施しております。
特記事項はありません。
当社の方針のひとつに「技術開発や異業種とのコラボレーションによるイノベーションにも積極的に取り組み、将来に向けて一歩先の先鋭的技術(テクノロジー)の取得と活用に努めます。」と掲げています。
これらの研究開発を具現化するにあたっては、技術開発研究所をはじめとする各事業部門などの全社組織に加え、有力な技術を持つ企業や大学等の社外パートナーと連携を図り、技術融合させながら展開しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、
なお、これらの研究開発成果や当社の保有技術を「見える化」させるショールーム『SNK e-Labo®』を、当社本社、工学センター、技術開発研究所の3施設に開設し営業展開中です。
(主な研究開発活動)
(1) 微粒子可視化技術を核とした「ビジュアルソリューション事業」の深耕
浜松ホトニクス㈱との協業体制のもと、微粒子可視化技術の適用範囲の拡大と技術の深耕に向けた活動を継続して行っており、LEDを使用した可視化用光源「パラレルアイ Type-D」、粒子や汚れに関する形状や蛍光色に関する情報をデータ化する「Dスコープ」、微粒子発生量評価装置「L-Wind」、多量噴霧型気流可視化用純水ミスト発生器「plus FOG」に加え、浮遊微粒子の可視化と計数を同時に行うことができるモバイル可視化装置「Type-S」を開発し、市場導入しました。
(2) 既製杭を用いた採熱管の省力化設置工法の開発
地中熱利用に向け、二重らせん状の採熱管を予め既製コンクリート杭内部に設置し、杭挿入時に採熱管を伸長させながら杭施工と同時に採熱管を設置する省力化工法である『地熱トルネード工法®』を、ジャパンパイル㈱と共同開発しました。従来工法に比べて採熱特性の向上も見込まれ、再生可能エネルギーの地中熱利用技術の導入に向けて展開中です。
(3) 地中熱・太陽熱・大気熱のハイブリッドシステムの開発
冷涼な気候の積極活用と寒冷地向け暖房システムの構築に向け、地中熱・太陽熱・大気熱の再生可能エネルギーを組み合わせた、ハイブリッドシステムの開発を進めており、現在実証中です。
(4) 脱臭とノロウイルスの不活化機能を併せ持つマスク洗浄システムの開発
福島第一原子力発電所の作業に従事する方の労働環境改善に向け、電解水を用いた脱臭とノロウイルスの不活化機能を併せ持つマスク洗浄システムを開発し、現場での運用に供しています。また、ノロウイルスの除染と評価技術の開発を継続中です。
(5) ワイヤを用いた制振補強「柔(にゅー)ワイヤ工法®」の開発
地震時における吊り機器支持材の補強方法として、吊りボルトの共振による破断を抑制する、ワイヤを用いた制振補強「柔(にゅー)ワイヤ工法®」を開発し営業展開中です。また、更なる適用範囲の拡大に向けた開発に取り組んでいます。
(6) 厨房換気最適制御システムの開発
厨房換気設備における換気風量を最適に制御し、空調・換気エネルギーを大幅に削減できる省エネ制御システムを開発し、一次エネルギーとランニングコストを30%以上削減できることを確認しました。
(7) 二酸化炭素(CO2)施肥制御技術の開発
近畿大学と共同で、光環境、温度、湿度、風速、飽差、光、空気中の二酸化炭素濃度をコントロールし、植物の生長を促進させる「二酸化炭素(CO2)施肥制御技術」を開発中です。
(8) ICT/IoT技術を利用した環境測定用無線センシングユニット
無線通信により最大50台同時計測可能な、モバイル端末利用環境測定システム「Wi-Musu(ワイムス)®」を開発しました。空調空間の高精度かつ迅速な性能検証と施工省力化を実現させます。
(9) 抗菌化水性塗料「Ag-coat Master®」の開発
細菌類が繁殖しやすい空調機内部やドレンパン等に、抗菌性のある水性塗料を塗布することで、その抗菌作用によって細菌類の繁殖を抑制する塗料を開発し市場投入しました。
(10) 大空間向けタスクゾーン省エネ空調システム「AiR-Lo3(エアロスリー)®」の開発
工場など、天井が高く広い空間の空調エネルギーの無駄を「部分混合」により省き、作業空間の快適さと省エネルギーを両立します。完全混合に比べ40%以上の風量を削減することが可能です。
(11) AIを活用した「BEMSデータ解析ソフト」の開発
建物のBEMS(Building Energy Management System)から提供される設備機器の運転実績データの一元管理と共有化をはかり、かつ、社内に豊富に蓄積されている他の建物のBEMSデータとの比較評価や監視ポイントのマッチングをAIで実現する、新たなBEMSデータ解析ソフトを開発しました。
このソフトを活用することにより、BEMSデータ分析業務の50%効率化が図れることができ、省エネや予防保全、トラブル対応等の提案がスピーディにできるようになりました。
(12) 天吊り設備機器の落下防止工法を実用化
建築設備の耐震対策工法として、地震時に天吊り設備機器の吊りボルトが破断した際に落下防止が確実に行える新工法「O-T-9/(オーティーナイン)®」(特許出願中)を実用化しました。既存設備・新築設備のいずれにも適用可能であり、施工時にあらたな吊り元を必要とせず、均一な施工品質が確保でき、従来工法と比較して約1/3の作業時間で施工が行える、という多くの特徴を有しています。