文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、設立50周年を迎えた2019年を、来たる次世代の50年間に向けた「飛躍の年」と位置付け、未来における企業価値の永続的向上に向けて、新たな企業理念である「使命」と「価値観」を再定義しております。本理念は当社グループ社員全員の価値観の共有化を図ると共に、判断・行動の拠りどころとなるものです。本企業理念の下、未来に向けた「あるべき姿」を目指し、グループ一同で一体感を持って、企業価値の向上に努めてまいります。
「使命」
Fill your tomorrow
社会と自然の調和を育み、未来へ向けた思いを満たす。
人や社会、環境の調和を尊重し、また、つながりを大切にしながら、空調を核とする事業を通して、お客様や社会からの期待に応える企業として、これからも社会に貢献します。
「価値観」
調和
社会と自然に敬意を払い、つながりを大切にします。
「社会へ向けて」
全ての人・社会・自然とのつながりと多様性を尊重します。
探究
豊かな発想力と熱意を持って、新たな価値の創造に挑みます。
「仕事の姿勢」
未来に対して大胆に挑戦し、創造力を発揮する専門性と人間力を磨きます。
真摯
何事にも強くしなやかに向き合い、期待に応えます。
「個人の資質」
アクティブで且つスピーディーでありながらも誠実さを大切にし、良い品質をお客様に提供します。
絆
仲間と共に、わくわくしながら、成し遂げる喜びを分かち合います。
「仲間へ」
職場の仲間・協力会社の皆さんと、創造し提供する喜びを分かち合い、
また、家族との大切な時間を共有することを大切にします。
当社が取り組むマテリアリティ(重要課題)
CSR活動に取り組むべき課題として、企業理念である「使命」と「価値観」に加え、15項目の「会社の方針」並びに「SNK Vision 2030」等に沿って整理された社会課題に鑑み、「マテリアリティ(重要課題)」を特定し、ステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションに努め、CSR活動の推進に繋げております。
2021年度に特に優先して取り組む「マテリアリティ(重要課題)」は、「環境」「労働安全衛生」「ダイバーシティ」の三つと定め、「脱炭素社会実現への取り組み」「健康経営の推進」「ダイバーシティへの取り組み」を推進する社内体制を構築し、CSR活動に取り組んでまいります。

(2) 経営環境
当連結会計年度における経済状況は、新型コロナウイルス感染症が全世界に蔓延し、人々の暮らしや企業活動に大きな影響を与え、世界経済は急減速しました。日本経済においても、前半は大きく下振れし、後半には回復傾向が見られましたが、企業の景況感は二極化が鮮明となり、電子デバイス、精密機器、食品関連などの製造業は堅調で、設備投資も回復しております。
建設業界におきましては、都心を中心とした再開発案件などの不動産投資も引き続き堅調でしたが、技術者・技能労働者不足や資機材・労務費の上昇傾向は継続しております。また、AIやIoTを活用した技術革新への対応や、デジタルトランスフォーメーション、働き方改革による生産性向上への取り組みについては、今後の事業の継続・成長には欠かすことのできない課題であります。
国内建設市場では、持続可能な社会の実現に必要な低炭素化社会への移行、技術革新などに対する投資は堅調に推移すると見込んでおり、社会からの課題に的確に応えられる技術開発、技能労働者減少を見据えた施工体制の構築および生産性の向上などが一層求められると考えています。
当社グループは、将来起こりうる変化やその先の見通しに対して、柔軟且つ機敏に対応できる組織であるために、2030年を節目とした10年ビジョン「SNK Vision 2030」を定めております。
[ SNK Vision 2030 ] の基本方針
新日本空調グループは、
持続可能な地球環境の実現と、お客様資産の価値向上に向け、
ナレッジとテクノロジーを活用するエンジニア集団を目指します。
当社グループが提供する建築設備システムは、お客様の重要な資産となり、事業活動の源泉となるものです。従い、当社グループは建築設備システムを構築、提供し、維持更新する活動を通じ、お客様のみならず、多くのエンドユーザーの生活や環境を当社のナレッジとテクノロジーで支え続けていきます。
そして、2030年における当社グループのあり姿を以下の通り想定し策定しております。
ビジネス環境の基盤は、情報通信技術の急速な進歩に伴い、「モノ(所有価値)」から「コト(利用価値)」といった価値定義の変化の中で、高効率・大量生産による消費社会から、変化対応型の発想重視の社会へ変化してきており、知的資本の創造やその活用が今後の企業競争力に影響を与えることが考えられることから、知的資本を構成する、人的資本、組織資本、関係資本にサスティナビリティ資本を加え、これらを価値創造の根幹として、その堅固な根幹に支えられたビジネスモデルが当社グループの将来価値を創造することになります。従い、自然資本の持続的成長を約束しつつ、知的資本の変革と研鑽による持続的成長が当社グループの企業価値を向上させると考えております。

4つの知的資本を活かし続ける変革、研鑽と将来への跳躍をスローガンとして、2030年における経営計画目標に対する5つの基本戦略を掲げ企業価値の向上に取り組みます。
(4) 中期経営計画「SNK Vision 2030 PhaseI」(2020~2022年度)の経営課題と対処すべき施策
SNK Vision 2030の第1フェーズとなる2020年から2022年の3ヵ年は、人的資本、関係資本、組織資本にサスティナビリティ資本を加えた4つの知的資本を活かし続ける変革の期間ととらえ、SNK Vision 2030で掲げる5つの基本戦略に基づく対処すべき課題を以下の通り定めます。
事業基盤増強戦略
資本コストを意識した事業ポートフォリオの実現と新たな事業領域の展開による収益基盤の拡大を目指す。
①資本コストを意識した収益性評価による事業ポートフォリオの実現に向けた
当社グループの成長戦略の実行
②新たな関係価値創造による事業領域の拡大と新分野への事業展開
③社会や顧客の要請に応えるための積極投資によるSNKブランドの差別化
④海外事業領域の将来性を見据えた事業基盤拡大
収益力向上戦略
事業収益力の向上と施工遂行力の持続的成長を実現する現場機動力の増強に資する
安全品質管理体制の強化と生産性向上を目指す。
①事業収益力の源泉である現場収益性を見据えた原価構成の最適化追求
②新工事管理システムの運用による安全品質管理の徹底とIoT、AI技術を駆使した設備資産管理手法の確立
③現場機動力の増強に資する協力会社を含めたサプライチェーンの関係性強化と
施工遂行力の持続的成長を見据えた現場人材確保
人的資本戦略
多種多様、多才な人材を有し、様々な専門領域にて、自己のキャリアプランと会社のキャリアパスが有機的に結びつく人的資本の育成と、働き方改革を実現する現場や事業基盤増強戦略に基づく事業分野への人材を傾斜配分する。
①多種多様、多才な人材の発掘、育成、活用に資する人事制度改革の推進
②ゆとりのある労働環境の実現に向けたワークスタイルの変革と現場人材の増強
デジタル変革戦略
デジタル変革社会に則した高度情報活用の推進と業務機動性の更なる向上を目指すために、デジタルによる情報活用を推進し、情報通信技術の高度化による当社独自のICTプラットフォームを構築し、存在価値を高める。
①ナレッジを最大限に活用するマネジメントシステムの構築と運用
②デジタル変革の進化に追従するデジタル化戦略の実行と情報解析技術の研鑽
企業統治戦略
持続的地球環境の実現とステークホルダーの長期的価値向上を見据えたCSR・ESG経営の浸透展開と、それを支えるコーポレートガバナンス体制の強化を推進する。
①心豊かな社会そして地球環境の維持を組織の命題ととらえ、SDGsの目標達成に資するCSR活動の推進
②持続的成長を確実にするコーポレートガバナンス変革への挑戦
③エンゲージメント経営の実践によるインフラ型組織への変革
(5)目標とする経営指標
「SNK Vision 2030 PhaseI」における最終年度(2023年3月期)の連結経営数値目標を次の通り定めます。なお、当社グループはこの新3ヵ年中期経営計画の実施に対し、中長期的視野での経営体質強化および新事業展開等を図るための研究開発や設備投資等を勘案するとともに、今まで以上に収益性や効率性向上に努め、結果としてROEを高める中長期的な成長を重視し、2030年への持続的成長と新たな企業価値の創造を目指します。
(6)新型コロナウイルス感染症に伴う事業への影響
世界的な規模で拡大している新型コロナウイルス感染症については、社会経済や消費に様々な影響を及ぼすものと予測しております。しかしながら現時点では、当社グループの業績に及ぼす影響を見通す事は困難な状況にあります。今後の同感染症の動向を見極め、当社の事業活動や経営成績に影響を及ぼすおそれが生じた場合は、速やかに開示いたします。
また、当社グループでは、感染拡大防止の観点から、三密の回避、テレワークや時差出勤の推奨、施工現場における監督官庁の予防対策ガイドラインの遵守・実行を継続し、グループ職員並びに関係者の安全確保に取り組んでまいります。そして、これまで培った保有技術を通して社会的課題を解決し、社会に貢献する事でグループ全体の企業価値向上に努めてまいります。
(7)気候変動への取り組みとTCFDへの賛同
当社グループは、気候変動対策など環境問題への取り組みを推進するため「CSR・ESG戦略委員会」を設けております。委員会では、「当社グループが取り組むべきマテリアリティ」の推進はもとより、気候変動対策を含む環境推進活動における理念整理および方針策定、並びに、各部門における活動の目的・目標・計画の調整および進捗状況の監督・評価を行っております。
気候変動リスクについては、国や地方公共団体をはじめとし、様々な業界団体から国内外の動向・要請等の情報収集を行い、影響を評価しております。また、重要なリスクについては、「リスク管理委員会」にて当社グループへの影響や、設備工事事業を通じての課題解決について対応・検討を行うこととしております。
このような気候関連をはじめとした環境問題については、定期的に経営会議において、目標および進捗状況の報告と評価が実施されるほか、必要に応じて、取締役会における検討を行っております。
当社グループは、気候変動への取り組みを加速させ、2021年度内での「TCFDへの賛同」を目指してまいります。

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社が財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループはこのようなリスクの認識にもとづき、リスクの防止および会社損失の最小化を図ることを目的とし、グループ全体のリスク管理に関する必要な事項をリスク管理規程に定めております。また、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置し、リスクの回避、低減および管理の強化を図っております。
なお、文中における、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況・建設市場状況の変動リスク
当社グループがサービスを提供している市場は、その大部分を日本国内が占めており、日本国内における景気の後退、およびそれに伴う建設投資状況に影響を及ぼすような不測の事態の発生は、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(2) 保有資産の変動リスク
当社グループが保有している有価証券等の価値が大幅に下落した場合は、評価損の発生により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(3) 取引先の信用不安リスク
当社グループの主要な事業である建設業における請負契約は、一つの取引における契約金額が大きく、工事完了時に多額の工事代金が支払われる傾向にあります。そのため、工事代金の受領前に取引先が信用不安に陥った場合には、工事代金の回収が困難になり、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(4) 法的規制リスク
当社グループの事業活動は、建設業法、労働安全衛生法、独占禁止法等、各種法規類による規制を受けており、これら法規類の改廃や新たな規制が制定された場合には、新たな義務の発生や費用負担の増加、権利の制約等が発生する可能性があります。また、当社グループは、各種法令等が順守されるよう役職員に対しコンプライアンスの徹底を図っておりますが、これらに違反する事象が発生した場合は、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、事業の停止等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(5) 工事採算の悪化リスク
経済環境による資機材の価格および労務費の急激な高騰や工事の施工における想定外の原価追加により不採算工事が発生した場合は、工事損失引当金の計上等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(6) 工事遅延リスク
工事の施工において、重大な品質事故や労働災害が発生した場合、また、工期変更、当社グループの技術者不足等により大幅な工期遅延が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(7) 安全管理リスク
当社グループは、工事の施工における労働災害撲滅のため、安全教育や作業現場への安全点検パトロール等を実施しております。事故原因の解明や周知、類似事故防止策の策定等、安全管理を徹底し、安全な作業環境を整え施工を行っておりますが、重大な労働災害が発生した場合は、工事の進捗に多大な影響を与えると共に、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(8) 品質管理リスク
当社グループは、工事の施工における品質の維持・向上のため、入念な施工計画の立案や確かな技術力のある専門業者の選定、安全な作業環境の整備等により、施工管理を行っておりますが、重大な品質事故や苦情事故が発生した場合は、工事の進捗に多大な影響を与えると共に、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(9) 環境リスク
当社グループは、取引先に対し温暖化ガス排出量削減提案を実施する等、環境負荷低減に向けた事業活動を行っております。また、フロン等の取扱いにおいて、法令を順守し適正な処置を実施しておりますが、万一、環境破壊の原因となる廃棄物を排出した場合は、企業価値の毀損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(10) 情報管理リスク
当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や、取引先およびその他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報の外部への流出を防止するため、社内規程の整備や役職員への周知徹底、セキュリティシステムの強化等対策を講じておりますが、社外からの不正侵入、社内における不正使用等、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合は、企業価値の敷損、社会的信用の失墜、関係者への補償等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(11) 海外事業リスク
当社グループは、アジアを中心とした海外においても事業を手掛けており、諸外国において、テロ、暴動等が発生した場合に、現地情報の把握に努め、適切に対応しておりますが、予期し得ない法的規制・租税制度の変更、政情不安および経済状況や為替レートの急激な変動等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(12) 新型コロナウイルス等の感染症感染拡大リスク
当社グループは、感染症感染拡大に対する対策を取っておりますが、新型コロナウイルス等の感染症感染拡大により、受注活動の停滞、手持工事の延期や中止、工事現場の閉所による工期の延長等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(13) 気候変動リスク
当社グループは、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しておりますが、脱炭素社会への「移行」に向けたリスクとして、カーボンプライス(炭素税やキャップ&トレード)の導入によるコストの増大等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、気候変動による「物理的」変化のリスクとして、台風や洪水による機器や資材の入荷遅延、原価高騰、高温による熱中症や昼間工事の中断、交通インフラの不測的な影響による労働力不足等により、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(14) 建設業の担い手不足に関するリスク
当社グループは、協力会社の技能労働者の確保に努めておりますが、建設業における技能労働者の高齢化が進む一方で、若年層の技能労働者の入職が低迷しつある中、世代交代が進まず、施工生産体制の確保が困難になることにより、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(15) イノベーションに関するリスク
当社グループは、脱炭素社会の実現や様々な社会課題の解決に向けた新たな技術開発や、長期経営方針である10年ビジョン「SNK Vision 2030」の達成に不可欠なデジタルトランスフォーメーションをはじめとするイノベーションを進めておりますが、先行的な投資が必要不可欠となっており、目標とする成果に到達しない場合は、当社グループの財政状態および経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。
(16) 人材確保・流出に関するリスク
当社グループは、新たな人事制度の導入等により、定年年齢の引き上げや人材の育成・確保に努めておりますが、若年層・専門性を有する人材の継続的な確保および流出により事業活動に重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度末の財政状態は、総資産は、前連結会計年度末に比べ2億9千万円減少し、986億3千4百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ65億9千2百万円減少し、479億3千万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ63億1百万円増加し、507億4百万円となりました。
当連結会計年度の経営成績は、受注工事高は、前連結会計年度に比べ40億4千9百万円減少し、1,032億5千4百万円となりました。完成工事高は、前連結会計年度に比べ128億5千2百万円減少し、1,072億5千3百万円となりました。営業利益は、63億8千6百万円(前連結会計年度 64億9百万円)、経常利益は、66億7千6百万円(前連結会計年度 68億1千万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は、46億3千7百万円(前連結会計年度 46億3百万円)となりました。
なお、「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、120億9千5百万円となり、前連結会計年度末の124億1千万円と比較すると3億1千4百万円の減少(前期比2.5%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益64億7千3百万円、売上債権の回収による収入31億7千9百万円、仕入債務の支払による支出59億8千2百万円等により19億1千7百万円となり、前連結会計年度の111億7千2百万円と比較すると、92億5千4百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券の償還による収入5億円、保険積立金の払戻による収入1億7千万円、無形固定資産の取得による支出1億4千5百万円等により3億9百万円となり、前連結会計年度の1億7千9百万円と比較すると、1億2千9百万円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払額16億2千5百万円、長期借入金の返済による支出5億2千8百万円、短期借入金の純減少額3億1千6百万円等によりマイナス25億4百万円となり、前連結会計年度のマイナス69億9千3百万円と比較すると、44億8千8百万円の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループが営んでいる設備工事事業では、生産実績を定義することが困難であり、請負形態をとっているため、販売実績という定義は実態に即しておりません。
よって受注及び販売の実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」において記載しております。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
(a) 受注工事高、完成工事高、次期繰越工事高
(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
工事の受注方法は特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比で示しております。
(c) 完成工事高
(注)1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第51期
第52期
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先及びその割合は次のとおりであります。
第51期
鹿島建設㈱ 9,965百万円 10.0%
第52期
該当する相手先はございません。
(d) 次期繰越工事高(2021年3月31日現在)
(注) 手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、一定の会計基準の範囲内で、見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。貸倒引当金、工事進行基準適用工事の予定利益率等に関する見積りおよび判断について、継続して評価し、過去の実績や状況に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績等)
(a) 財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は701億2千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ43億5千2百万円減少しております。主な要因は、受取手形・完成工事未収入金の減少51億7千9百万円であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は285億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ40億6千1百万円増加しております。主な要因は、投資有価証券の増加43億7百万円であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は451億7千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ74億8千1百万円減少しております。主な要因は、支払手形・工事未払金の減少66億5百万円であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は27億5千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億8千8百万円増加しております。主な要因は、繰延税金負債の増加11億5千2百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は507億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ63億1百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金の増加30億1千2百万円、その他有価証券評価差額金の増加33億1千2百万円であります。
(b) 経営成績の分析
(受注工事高及び完成工事高)
当連結会計年度は、受注工事高は前期比3.8%減の1,032億5千4百万円、完成工事高は前期比10.7%減の1,072億5千3百万円となりました。
(完成工事総利益)
当連結会計年度における完成工事総利益は前期比1.9%減の139億1千7百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前期比0.4%減の63億8千6百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前期比2.0%減の66億7千6百万円となりました。営業外損益の主な内容は、受取配当金3億2千万円、保険解約損8千5百万円であります。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益の主な内容は、減損損失2億8百万円であります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は前期比5.8%減の64億7千3百万円となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は18億3千5百万円となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は前期比0.7%増の46億3千7百万円となりました。
(c) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金の源泉は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」と「金融機関からの借入」であります。
一方、当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、借入金の返済、法人税等の支払、配当金の支払等であります。
それらの資金需要に対しては、内部資金、営業キャッシュ・フローで充当することを基本とし、必要に応じて資金調達を実施しております。
特記事項はありません。
当社の方針のひとつに「技術開発や異業種とのコラボレーションによるイノベーションにも積極的に取り組み、将来に向けて一歩先の先鋭的技術(テクノロジー)の取得と活用に努めます。」と掲げています。
これらの研究開発を具現化するにあたっては、技術開発研究所をはじめとする各事業部門などの全社組織に加え、有力な技術を持つ企業や大学等の社外パートナーと連携を図り、技術融合させながら展開しています。また、気候変動により想定される環境変化に対応する技術開発にも取り組んでいます。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、
なお、これらの研究開発成果や当社の保有技術を「見える化」させるショールーム『e-Labo®』(当社本社、工学センター、技術開発研究所の3施設に開設)にて展示しています。
(主な研究開発活動)
1) 微粒子可視化技術を核とした「ソリューション事業」の深耕
浜松ホトニクス㈱との協業体制のもと、微粒子可視化技術の適用範囲の拡大と技術の深耕に向けた活動を継続して行っており、表面異物可視化ツールの新たなラインナップとして表面の異物や傷などの微小な凹凸による反射光の微妙な変化を観察するツール「Dライト Type-P」を開発し市場投入しました。
また、この可視化技術と飛沫計測を組み合わせ、オーケストラなどの演奏環境における感染リスクの低減効果の検証など、様々な感染対策の検証などに貢献しています。
2) 可搬式抗菌フィルターユニットと自立型感染防止フードを開発
新型コロナウイルス飛沫感染防止対策を目的に、ダクト接続型「可搬式抗菌フィルターユニット」と「自立型感染防止フード」を開発しました。可搬式で小型の「フィルターユニット」と、患者との飛沫感染を低減する「感染防止フード」とで構成され、空気中の飛沫感染防止に寄与します。更に、フィルター交換時の感染防止のため、原子力施設の作業で最重要視される「被ばく低減」技術を応用して、非接触でフィルター交換を行う技術を搭載し、医療施設などへ展開中です。
3) 室圧の変更が可能な多用途型簡易クリーンブース『DiverCellⓇ』(ダイバーセル)を開発
感染隔離室や再生医療用クリーンブースなど、医療・医薬・バイオをはじめ各種産業に幅広く適用可能な空気質を提供し、2~3日で組み立てが可能な多用途型簡易クリーンブース「DiverCell」を開発しました。用途に応じて清浄な空気質を保持しながら室圧制御が可能で、陽圧運転時には医療現場等における待機室や感染抑制室として在室者の感染リスクを低減させることができ、陰圧運転時では感染症発生時の仮設病室や臨時の感染隔離室として感染症の原因ウイルス等を封じ込めることができます。再生医療・細胞培養用クリーンブースや薬品調整室など様々な用途にも適用可能で、導入に向けて展開中です。
4) ダクト選定アプリ「DUCTable(ダクタブル)」を開発
設計・施工時のダクトサイズ選定用として当社が標準的に活用しているダクト計算尺を、スマートフォン上で操作できるダクト選定アプリ「DUCTable」を開発しました。本アプリは、Apple社が運営するApp Storeより無料でダウンロードでき、iPhone上で使用することができます。当社は社会や顧客の要請に応えるため、本選定アプリを一般公開し、建築設備技術者および建築設備に係る方々に幅広く活用していただくこととしました。
5) 二酸化炭素の局所施肥制御技術『C-BRESⓇ』(シーブレス)を開発
二酸化炭素の局所施肥制御技術(特許取得済:特許第6602825号、第6533262号)を活用した装置「CO₂施肥制御装置:C-BRES」を開発しました。この装置は、植物が生長するために必要な二酸化炭素(CO₂)濃度をコントロールすることにより、少ないCO₂で植物を生産でき、栽培ハウス内作業者の空気質環境を改善することができます。また、各種センサ(温度・湿度・CO₂濃度・照度)と制御を連携させ、データを収集しながら、クラウドシステムにより遠隔地からハウス内の環境を確認し制御内容を変更できます。本装置は2021年3月に、福島県立相馬農業高等学校へ導入しました。