(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、過去最高水準にある企業収益や雇用・所得環境の改善から個人消費が底堅く推移するなど緩やかな回復を続けてまいりました。一方で、新興国経済の減速や地政学リスクの高まりを受けて先行きに不透明感が残る状況で推移してまいりました。
建設業界におきましては、住宅着工件数の増加や好調な企業収益を背景に民間設備投資は堅調に推移し、政府の経済対策の効果から公共投資も底堅く推移してまいりました。しかしながら、技能労働者不足や処遇改善等からくる労務費の増加や建設資材の価格上昇等から施工原価の上昇が予想されるなど、先行きに不安が残る状況下にありました。
このような状況のもと、当社グループにおきましては、「施工品質の向上」と「安全管理の強化」を掲げ、施工管理体制を整えるとともに施工品質教育を徹底し「収益力」の強化に努めてまいりました。売上高につきましては、民間住宅や商業施設などの工事が増加したものの、東北地区の震災復興関連工事が落ち着きを見せたことなどにより前連結会計年度を下回りました。また、利益につきましては、施工管理及び原価管理の徹底を進めたものの、売上高が減収となったことに加え、施工効率の高かった大型工事が減少したことなどにより、前連結会計年度を下回りました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は182億26百万円(前連結会計年度比8.1%減)、営業利益は10億62百万円(前連結会計年度比45.9%減)、経常利益は12億24百万円(前連結会計年度比35.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億86百万円(前連結会計年度比29.5%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(建設事業)
当事業におきましては、売上高については、主に民間住宅や商業施設などの地盤改良工事が増加したものの、東北地区の震災復興関連の杭工事が復興から創生に向かうなかで落ち着きを見せたことにより、前連結会計年度を下回りました。また、利益につきましては、売上高が減収となったことに加え、施工効率の高かった大型工事が減少したことなどにより、前連結会計年度を下回りました。
この結果、売上高は177億49百万円(前連結会計年度比7.6%減)、セグメント利益は10億10百万円(前連結会計年度比46.4%減)となりました。
(土木建築コンサルティング全般等事業)
当事業におきましては、売上高については、主に実験・試験業務に関する収入が減少したことにより、売上高は4億64百万円(前連結会計年度比23.7%減)、セグメント利益は45百万円(前連結会計年度比36.2%減)となりました。
(その他の事業)
当事業は、主に賃貸マンション収入であり、売上高は12百万円(前連結会計年度比3.0%減)、セグメント利益は6百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費により前連結会計年度末に比べて5億92百万円増加し、当連結会計年度末には71億53百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得た資金は、9億83百万円(前連結会計年度は17億38百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額8億16百万円により資金が減少したものの、税金等調整前当期純利益12億14百万円、減価償却費4億48百万円により資金が増加したためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、1億33百万円(前連結会計年度は3億54百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入3億70百万円により資金が増加したものの、有形固定資産の取得による支出5億52百万円により資金が減少したためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2億57百万円(前連結会計年度は1億87百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額2億3百万円により資金が減少したためであります。
(1)受注状況
受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
受注残高(千円) |
||
|
当連結会計年度 (自 平成28年 4月1日 至 平成29年 3月31日) |
前年同期比 (%) |
当連結会計年度 (自 平成28年 4月1日 至 平成29年 3月31日) |
前年同期比 (%) |
|
|
建設事業 |
18,300,062 |
13.0 |
6,352,747 |
9.5 |
|
土木建築コンサルティング全般等事業 |
- |
- |
- |
- |
|
その他の事業 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
18,300,062 |
13.0 |
6,352,747 |
9.5 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.当社グループでは土木建築コンサルティング全般等事業及びその他の事業は受注生産を行っておりません。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)売上実績
売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
金額(千円) |
||
|
建設事業 |
17,749,670 |
△7.6 |
|
土木建築コンサルティング全般等事業 |
464,636 |
△23.7 |
|
その他の事業 |
12,413 |
△3.0 |
|
合計 |
18,226,719 |
△8.1 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.売上実績総額に対する割合が100分の10以上の相手先の売上実績及びその割合は、次のとおりであります。
前連結会計年度
|
該当する相手先はありません。 |
|
|
当連結会計年度
|
該当する相手先はありません。 |
|
|
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況を示せば、次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び施工高
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
前事業年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
|
工事別 |
前期繰越工事高 (千円) |
当期受注工事高 (千円) |
計(千円) |
当期完成工事高 (千円) |
次期繰越工事高 |
当期施工高 (千円) |
||
|
手持工事高 (千円) |
うち施工高(千円) |
|||||||
|
パイル工事 |
7,315,800 |
9,279,048 |
16,594,848 |
12,052,807 |
4,542,040 |
6.8% |
306,974 |
12,264,017 |
|
地盤改良工事 |
1,078,420 |
5,715,449 |
6,793,869 |
5,588,566 |
1,205,303 |
20.2% |
243,899 |
5,700,174 |
|
合計 |
8,394,220 |
14,994,497 |
23,388,718 |
17,641,373 |
5,747,344 |
9.6% |
550,874 |
17,964,192 |
当事業年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
|
工事別 |
前期繰越工事高 (千円) |
当期受注工事高 (千円) |
計(千円) |
当期完成工事高 (千円) |
次期繰越工事高 |
当期施工高 (千円) |
||
|
手持工事高 (千円) |
うち施工高(千円) |
|||||||
|
パイル工事 |
4,542,040 |
11,361,886 |
15,903,927 |
10,140,542 |
5,763,385 |
6.2% |
355,007 |
10,188,574 |
|
地盤改良工事 |
1,205,303 |
5,708,519 |
6,913,823 |
6,341,739 |
572,084 |
40.5% |
231,415 |
6,329,255 |
|
合計 |
5,747,344 |
17,070,406 |
22,817,750 |
16,482,281 |
6,335,469 |
9.3% |
586,423 |
16,517,830 |
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。したがって、当期完成工事高にもこの増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高の施工高は、未成工事支出金により手持工事高の工事進捗部分を推定したものであります。
3.当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
|
前事業年度 |
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
パイル工事 |
8,788,301 |
3,264,506 |
12,052,807 |
|
地盤改良工事 |
1,884,442 |
3,704,123 |
5,588,566 |
||
|
計 |
10,672,744 |
6,968,629 |
17,641,373 |
||
|
当事業年度 |
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
パイル工事 |
7,521,933 |
2,618,608 |
10,140,542 |
|
地盤改良工事 |
1,338,295 |
5,003,443 |
6,341,739 |
||
|
計 |
8,860,228 |
7,622,052 |
16,482,281 |
||
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。
2.前事業年度完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。
|
(発注者) |
(工事名) |
|
岩手県 |
二級河川鵜住居川筋鵜住居地区河川災害復旧(23災647号)水門土木工事に伴う基礎工事 |
|
釜石市 |
魚河岸地区荷捌き施設整備(建築主体)工事に伴う基礎工事 |
|
グローバル・ロジスティック・プロパティーズ㈱ |
GLP厚木Ⅱ新築工事に伴う基礎工事 |
|
スターツホテル開発㈱ |
(仮称)ホテルエミオン東京ベイ・新館新築工事に伴う基礎工事 |
|
中日本高速道路㈱ |
新東名高速道路下糟屋第一高架橋他2橋(下部工)工事に伴う基礎工事 |
当事業年度完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。
|
(発注者) |
(工事名) |
|
中日本高速道路㈱ |
新東名高速道路厚木第四高架橋(下部工)工事に伴う基礎工事 |
|
中日本高速道路㈱ |
名古屋第二環状自動車道名古屋西ジャンクションCランプ橋他7橋(下部工)工事に伴う基礎工事 |
|
東京都財務局 |
東京国際展示場(28)増築工事に伴う基礎工事 |
|
中日本高速道路㈱ |
新東名高速道路伊勢原高架橋他2橋(下部工)工事に伴う基礎工事 |
|
住友不動産㈱ |
花小金井南町計画新築工事に伴う地盤改良工事 |
3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
該当する相手先はありません。
当事業年度
該当する相手先はありません。
4.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 手持工事高(平成29年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
パイル工事 |
4,082,100 |
1,681,284 |
5,763,385 |
|
地盤改良工事 |
164,970 |
407,114 |
572,084 |
|
計 |
4,247,070 |
2,088,398 |
6,335,469 |
(注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。
2.手持工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。
|
(発注者) |
(工事名) |
(完成予定年月) |
|
東京都財務局 |
東京国際展示場(28)増築工事に伴う基礎工事 |
平成29年7月 |
|
中日本高速道路㈱ |
名古屋第二環状自動車道名古屋西ジャンクションCランプ橋他7橋(下部工)工事に伴う基礎工事 |
平成30年6月 |
|
グローバル・ロジスティック・プロパティーズ㈱ |
GLP枚方Ⅲプロジェクトに伴う基礎工事 |
平成29年8月 |
|
日本自動車ターミナル㈱ |
京浜トラックターミナルA棟(仮称)新築工事に伴う基礎工事 |
平成29年6月 |
|
岩手県 |
二級河川甲子川筋甲子川水門土木工事に伴う基礎工事 |
平成31年3月 |
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループの事業目的は、土木・建築構造物の基礎工事を担当することにあり、上部構造物を利用されている全ての方々に「安全」「安心」をお届けすることにあります。基礎工事分野においてのリーディングカンパニーとして、常に新しい技術・工法の開発・普及に努めることで、企業価値の増大を図ることにより、株主・取引先・社会の期待に応える企業を目指します。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、収益性の向上と資本効率を高めることを目標として、自己資本当期純利益率(ROE)を経営上重視すべき経営指標としております。
(3)経営環境
今後のわが国経済は、政府の経済対策の効果や緩和的な金融環境を背景に緩やかに拡大すると予測されるものの、米国の金融政策や新興国・資源国経済の減速など予断を許さない状況にあります。
建設業界におきましては、公共工事、民間工事ともに概ね横ばいに推移するものと予想される中で、労務費や建設資材価格の上昇が懸念されるなど先行きに不安が残ることが予想されます。
当社グループにおきましては、このような状況のもと「施工品質の向上」と「安全管理の強化」を引き続き最重要施策と掲げ、技術や知識の体系的な伝承を組織的に取り組むなかで、施工効率の改善・施工コストの削減等を推し進め、より一層採算性を高めてまいる所存であります。
(4)中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く情勢は、災害対策としての防災・減災、インフラの老朽化などへの対策が急がれるなかで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて官民による建設投資は高水準を維持するものと予想されます。一方で、特に現場での技能労働者の高齢化からくる担い手不足と生産性の低下が経営上大きな課題になっております。このような状況のもと、当社グループが存続し発展するために、次のような戦略で経営基盤の強化に努めてまいります。
①技能労働者の確保及び施工技術や知識の伝承 ②高付加価値の実現とコスト競争力の強化 ③差別化できる工法の開発・普及 ④新たな市場への参入
あわせて、コンプライアンスを徹底し、リスク管理を強化することにより、当社グループの事業を通じて「安全」「安心」をお届けすることで社会に貢献できる企業体制を構築してまいります。
当社グループが事業展開を図る上でリスク要因となる可能性のある事項や投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について下記に記載しております。当社グループといたしましては、このようなリスク要因の存在を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、万一発生した場合でも適切に対処するよう努める所存であります。
なお、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
(1)価格競争
当社グループのパイル工事では主として既製杭を、地盤改良工事ではセメント系固化材を使用しております。これらの主要材料が何らかの外的要因により高騰し、それを製品価格へ十分転嫁できないような価格競争に巻き込まれた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(2)技術開発力
当社グループは、他社との差別化を図るため永年にわたり基礎工事に関する技術とノウハウを蓄積してまいりました。また技術志向を標榜する経営理念からも優秀な技術者の養成とともに多くの特許権を取得してまいりました。新工法の開発には多くの時間とコストが必要とされますが、これらの投資が常に回収される保証はありません。また他社の開発に係る新しい技術が当社の技術を陳腐化させるなど、技術開発に内在する様々なリスクが顕在化した場合は当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(3)施工物件の瑕疵
当社グループは、建築基準法をはじめとする各種法令に準拠した品質管理基準に基づいて施工しております。当社グループが手がけるパイル工事と地盤改良工事では、施工する際に十分な事前調査を行っておりますが、地盤は様々な土質で構成されており、予見できない事象により施工の欠陥を生じる可能性を皆無とすることはできません。万一瑕疵に伴う損害賠償請求という事態が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(4)貸倒れリスク
当社グループの取引先の予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる事態が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(5)労働事故災害
建設現場作業は、大型重機に囲まれた屋外活動が中心となっており、他の産業に比べ重大な労働事故災害が発生する危険性が高いものと考えております。当社グループといたしましては、整理・整頓から始まる現場の安全・衛生教育を徹底し、事故の発生防止に全力を挙げております。
また、万一の場合の金銭的な損失に備え各種保険に加入しておりますが、仮に死亡事故などの重大災害が発生したことによる人的損失もさることながら、それに伴って生じる社会的信用の失墜、補償などを含む災害対策費用の発生や工事の遅れによる収益の悪化などが生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(6)海外事業
当社グループは、海外での事業展開を行っておりますが、当該地域における予期し得ない法制度の変更、政治状況や経済情勢に変化が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、為替相場の急激な変動により為替差損が発生した場合も、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
(7)大規模災害
当社グループは、事業展開を図る上での主要な拠点を都心近郊に有しており、これらの地域において、想定した水準をはるかに超えた大規模な地震等の自然災害や事故などが発生した場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、大規模災害の発生による物流機能の停止等、副次的な影響により工事の遅れによる収益の悪化などが生じた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
特記すべき事項はありません。
当社グループは、社会的要請や顧客のニーズに対応すべく、これまでに地盤改良工法であるテノコラム工法や、杭工法であるATTコラム工法、TN-X工法、ガンテツパイル工法等の基礎工法を開発してまいりました。近年では、戸建て住宅向けの地盤補強工法であるピュアパイル工法を開発し、商品化いたしました。当連結会計年度は、当社保有工法の差別化を図るため、「信頼性向上」と「環境にやさしい」をキーワードとし、施工管理の高度化、価格競争力、施工能力の向上と適用範囲の拡大に関する研究を重点的に実施してまいりました。
現在の研究開発体制は、当社の技術部門を中心に推進しており、グループ全体でのスタッフは15名で構成しております。これは総従業員数の約5.8%に当たります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究開発は次のとおりであります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は49,409千円であります。
(建設事業)
(1)テノコラム工法
建築基礎分野における地盤改良工法のブランド工法として地位を確立しておりますが、近年は他工法との価格競争が激化しております。
当連結会計年度は、「コラムの高強度化」と「発生残土の大幅低減」を特徴とするテノコラムECO工法に用いる特殊混和剤の性能向上のための研究を継続して行い、施工性を向上した新たな混和剤を開発しました。また、信頼施工向上のため、施工管理システムの高度化の研究に着手しました。
(2)ピュアパイル工法
戸建て住宅や小規模建築物の地盤補強を目的として㈱日本住宅保証検査機構と共同開発したセメントミルク置換柱体による杭状地盤補強工法です。
当連結会計年度は、施工性向上を目的とした施工装置の改良の研究を行い、新たな公的認証を取得しました。また、さらなる商品力の向上を目指して次世代ピュアパイル工法の開発のための基礎実験を継続して行いました。
(3)ATTコラム工法
旭化成建材㈱と共同開発したATTコラム工法は、テノコラム工法と羽根付き鋼管杭を合成した建築物向けの基礎杭です。
当連結会計年度は、新仕様のATTコラムを考案し性能確認試験を行い、新たな大臣認定を取得しました。
(4)TN-X工法(高支持力杭工法)
新日鐵住金㈱と共同開発したTN-X工法は、軟弱地盤が厚く堆積した地域に建設される大規模物流倉庫等に適した高支持力杭工法です。
当連結会計年度は信頼性向上のための研究として、根固め部の施工品質に関する調査及びデータの蓄積を継続して行いました。また、水平耐力向上のための施工技術の研究を行いました。
(5)ガンテツパイル工法
道路橋の基礎杭として豊富な施工実績を有する本工法は、環境負荷低減の観点から建設残土や汚泥問題を解決した信頼性の高い鋼管ソイルセメント杭工法です。
当連結会計年度は、硬質地盤での施工性および支持力を確認するため、施工試験や載荷試験などの実証試験を行い、適用性を確認しました。
当事業に係る研究開発費は、46,027千円であります。
(土木建築コンサルティング全般等事業)
(1)地盤材料試験の試験装置および試験法の高度化
「地盤材料試験の試験装置および試験法の高度化」に関する共同研究を引き続き実施しました。
(2)ニューマーク法による地震時斜面変位予測手法の開発
「ニューマーク法による地震時斜面変位予測手法の開発」に関する共同研究を実施しました。
(3)プレキャスト格子枠の開発
「プレキャスト格子枠の開発」に関する共同研究を実施しました。
当事業に係る研究開発費は、3,382千円であります。
(その他の事業)
研究開発は特段行われていません。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産額は、167億80百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。流動資産につきましては、主に現金預金が増加したことから、前連結会計年度末に比べて4億82百万円増加し、142億90百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。また、固定資産につきましては、主に投資有価証券が減少したことから、前連結会計年度末に比べて1億84百万円減少し、24億89百万円(前連結会計年度比6.9%減)となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、57億58百万円(前連結会計年度比6.3%減)となりました。流動負債につきましては、主にその他の流動負債が増加したものの、未払法人税等が減少したことから、前連結会計年度末に比べて3億26百万円減少し、52億25百万円(前連結会計年度比5.9%減)となりました。また、固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べて58百万円減少し、5億32百万円(前連結会計年度比9.9%減)となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べて6億83百万円増加し、110億21百万円(前連結会計年度比6.6%増)となりました。この結果、自己資本比率は64.0%となりました。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、主に民間住宅や商業施設などの工事が増加したものの、東北地区の震災復興関連工事が落ち着きを見せたことなどにより、前連結会計年度に比べて16億3百万円減少し、182億26百万円(前連結会計年度比8.1%減)となりました。
当連結会計年度における経常利益は、施工管理及び原価管理の徹底を進めたものの、売上高が減収となったことに加え、施工効率の高かった大型工事が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べて6億80百万円減少し、12億24百万円(前連結会計年度比35.7%減)となりました。
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益や投資有価証券売却益を計上したものの、投資有価証券売却損により、前連結会計年度に比べて3億70百万円減少し、8億86百万円(前連結会計年度比29.5%減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。