第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループの事業目的は、土木・建築構造物の基礎工事を担当することにあり、上部構造物を利用されている全ての方々に「安全」「安心」をお届けすることにあります。基礎工事分野におけるリーディングカンパニーとして、常に新しい技術・工法の開発・普及に努めることで、企業価値の増大を図ることにより、株主・取引先・社会の期待に応える企業を目指します。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、収益性の向上と資本効率を高めることを目標として、自己資本当期純利益率(以下、「ROE」という。)を経営上重視すべき経営指標としており、8%以上を目標としております。

 

(3)経営環境

 わが国経済の先行きにつきましては、政府の経済対策の効果や緩和的な金融環境等を背景として、企業の設備投資や個人消費の増加が予想されるなど、緩やかな拡大が続くことが期待されます。

 建設業界におきましては、公共工事、民間工事ともに横ばいに推移すると見込まれるなかで、労務費を初めとした建設費用の上昇が利益を圧迫するなど先行きに不安が残る状況となっております。

 当社グループにおきましては、このような状況のもと「施工品質の向上」と「安全管理の強化」を引き続き最重要施策と掲げ、人材育成と適正な人員配置による施工体制の強化に取り組んでまいります。また、今後、国内建設需要の減少が見込まれるなかで、営業力の強化と海外事業の基盤構築は喫緊の課題と位置づけて注力してまいる所存であります。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題

 当社グループを取り巻く情勢は、災害対策としての防災・減災、インフラの老朽化などへの対策が急がれるなかで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けての官民による建設投資は高水準を維持するものと予想されます。一方で、東京オリンピック・パラリンピック後の受注環境の悪化や技能労働者の高齢化、若年層の入職者の減少などによる建設現場の担い手不足や生産性の低下が経営上の大きな課題となっております。

 このような状況のもと、当社グループが持続的に成長を続けていくためには、以下を経営の中心に据え事業を進めてまいります。

①時代のニーズを先取りした新技術や新サービスを提供

②品質と安全の可視化で信頼性を高め社会に安心を提供

無駄を省いた経営資源の活用で最大の付加価値を創出

④豊かさと働きがいを実感できる労働環境を構築

⑤成長に向けた強固な経営基盤を確立

 併せて、コンプライアンスを徹底し、リスク管理を強化することにより、当社グループの事業を通じて「安全」「安心」をお届けすることで社会に貢献できる企業体制を構築してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループが事業展開を図る上でリスク要因となる可能性のある事項や投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について下記に記載しております。当社グループといたしましては、このようなリスク要因の存在を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、万一発生した場合でも適切に対処するよう努める所存であります。

 なお、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1)価格競争

 当社グループのパイル工事では主として既製杭を、地盤改良工事ではセメント系固化材を使用しております。これらの主要材料が何らかの外的要因により高騰し、それを製品価格へ十分転嫁できないような価格競争に巻き込まれた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(2)技術開発力

 当社グループは、他社との差別化を図るため永年にわたり基礎工事に関する技術とノウハウを蓄積してまいりました。また技術志向を標榜する経営理念からも優秀な技術者の養成とともに多くの特許権を取得してまいりました。新工法の開発には多くの時間とコストが必要とされますが、これらの投資が常に回収される保証はありません。また他社の開発に係る新しい技術が当社の技術を陳腐化させるなど、技術開発に内在する様々なリスクが顕在化した場合は当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(3)施工物件の瑕疵

 当社グループは、建築基準法をはじめとする各種法令に準拠した品質管理基準に基づいて施工しております。当社グループが手がけるパイル工事と地盤改良工事では、施工する際に十分な事前調査を行っておりますが、地盤は様々な土質で構成されており、予見できない事象により施工の欠陥を生じる可能性を皆無とすることはできません。万一瑕疵に伴う損害賠償請求という事態が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(4)貸倒れリスク

 当社グループの取引先の予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる事態が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(5)労働事故災害

 建設現場作業は、大型重機に囲まれた屋外活動が中心となっており、他の産業に比べ重大な労働事故災害が発生する危険性が高いものと考えております。当社グループといたしましては、整理・整頓から始まる現場の安全・衛生教育を徹底し、事故の発生防止に全力を挙げております。

 また、万一の場合の金銭的な損失に備え各種保険に加入しておりますが、仮に死亡事故などの重大災害が発生したことによる人的損失もさることながら、それに伴って生じる社会的信用の失墜、補償などを含む災害対策費用の発生や工事の遅れによる収益の悪化などが生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(6)海外事業

 当社グループは、海外での事業展開を行っておりますが、当該地域における予期し得ない法制度の変更、政治状況や経済情勢に変化が生じた場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 また、為替相場の急激な変動により為替差損が発生した場合も、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(7)大規模災害

 当社グループは、事業展開を図る上での主要な拠点を都心近郊に有しており、これらの地域において、想定した水準をはるかに超えた大規模な地震等の自然災害や事故などが発生した場合は、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 また、大規模災害の発生による物流機能の停止等、副次的な影響により工事の遅れによる収益の悪化などが生じた場合、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、地政学リスク等の不安要素を抱えながらも着実に成長を続ける海外経済のもと、依然として高水準にある企業収益や改善する雇用・所得環境に支えられて個人消費が堅調に推移するなど、緩やかながら拡大を続けております。

 建設業界におきましては、住宅着工戸数が減少するものの、好調な企業収益を背景として底堅く推移する民間建設投資に加えて、公共投資も高い水準を維持してまいりました。一方で、建設資材価格の高騰や現場の人手不足等から建設費用の上昇が予想されるなど、経営環境の先行きに不安が残る状況下にありました。

 このような状況のもと、当社グループにおきましては、売上高は、文化施設や流通施設など複数の大型工事が完成したことで前連結会計年度を上回りました。また、利益につきましては、「施工品質の向上」と「安全管理の強化」を最重要施策に掲げ、施工効率の改善や施工コストの削減等を推し進めたことで採算の高い工事を手掛けることができました。しかしながら、大型の建築基礎工事において昨年後半に発生した施工不具合の復旧に係ると見込まれる費用のうち、合理的に見積もることができた工事費用を計上したことにより、前連結会計年度を下回ることとなりました。今後、同様の施工の不具合を発生させないために組織の改編や作業手順の整備に取り組むなど全ての工程において見直しを進めております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は204億41百万円(前連結会計年度比12.2%増)、営業利益は7億49百万円(前連結会計年度比29.5%減)、経常利益は7億85百万円(前連結会計年度比35.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億23百万円(前連結会計年度比40.9%減)となりました。

 

 資産は、前連結会計年度末に比べ12億16百万円増加し、179億96百万円となりました。

 負債は、前連結会計年度末に比べ8億44百万円増加し、66億3百万円となりました。また、純資産は、前連結会計年度末に比べ3億71百万円増加し、113億93百万円となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

建設事業

 当事業におきましては、売上高は、道路関連の工事が減少したものの、文化・流通施設のパイル工事や民間工場の地盤改良工事で複数の大型工事が完成したことなどにより前連結会計年度を上回りました。一方で、利益については、施工効率の改善や施工コストの削減等を推し進めたことで採算の高い工事を手掛けることができたものの、大型の建築基礎工事において昨年後半に発生した施工不具合の復旧工事費用を計上したことにより、前連結会計年度を下回りました。

 この結果、売上高は198億12百万円(前連結会計年度比11.6%増)、セグメント利益は7億15百万円(前連結会計年度比29.1%減)となりました。

土木建築コンサルティング全般等事業

 当事業におきましては、売上高については、主に設計業務に関する収入が増加したことにより、売上高は6億20百万円(前連結会計年度比33.5%増)、セグメント利益は31百万円(前連結会計年度比31.7%減)となりました。

その他の事業

 当事業は、主に賃貸マンション収入であり、売上高は9百万円(前連結会計年度比23.8%減)、セグメント利益は2百万円(前連結会計年度比65.4%減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて14億46百万円増加し、当連結会計年度末には85億99百万円(前連結会計年度比20.2%増)となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得た資金は、20億59百万円(前連結会計年度は9億83百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益7億48百万円、減価償却費4億52百万円及び売上債権の減少6億89百万円により資金が増加したためであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、4億7百万円(前連結会計年度は1億33百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入1億85百万円により資金が増加したものの、有形固定資産の取得による支出5億41百万円により資金が減少したためであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は、2億5百万円(前連結会計年度は2億57百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額2億4百万円により資金が減少したためであります。

 

③受注及び販売の実績

a.受注実績

 受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

受注残高(千円)

当連結会計年度

(自 平成29年

4月1日

至 平成30年

3月31日)

前年同期比

(%)

当連結会計年度

(自 平成29年

4月1日

至 平成30年

3月31日)

前年同期比

(%)

建設事業

20,194,776

10.4

6,735,127

6.0

土木建築コンサルティング全般等事業

その他の事業

合計

20,194,776

10.4

6,735,127

6.0

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.当社グループでは土木建築コンサルティング全般等事業及びその他の事業は受注生産を行っておりません。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.売上実績

 売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

金額(千円)

建設事業

19,812,396

11.6

土木建築コンサルティング全般等事業

620,142

33.5

その他の事業

9,456

△23.8

合計

20,441,995

12.2

 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.売上実績総額に対する割合が100分の10以上の相手先の売上実績及びその割合は、次のとおりであります。

前連結会計年度

該当する相手先はありません。

当連結会計年度

該当する相手先はありません。

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 なお、当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

 

 なお、参考のため提出会社単独の事業の状況を示せば、次のとおりであります。

建設事業における受注工事高及び施工高

① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

前事業年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)

工事別

前期繰越工事高

(千円)

当期受注工事高

(千円)

計(千円)

当期完成工事高

(千円)

次期繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高(千円)

パイル工事

4,542,040

11,361,886

15,903,927

10,140,542

5,763,385

6.2%

355,007

10,188,574

地盤改良工事

1,205,303

5,708,519

6,913,823

6,341,739

572,084

40.5%

231,415

6,329,255

合計

5,747,344

17,070,406

22,817,750

16,482,281

6,335,469

9.3%

586,423

16,517,830

 

当事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)

工事別

前期繰越工事高

(千円)

当期受注工事高

(千円)

計(千円)

当期完成工事高

(千円)

次期繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高(千円)

パイル工事

5,763,385

9,862,208

15,625,593

10,272,159

5,353,433

2.8%

149,083

10,066,236

地盤改良工事

572,084

6,833,649

7,405,733

6,404,165

1,001,568

29.1%

291,154

6,463,903

合計

6,335,469

16,695,857

23,031,326

16,676,325

6,355,001

6.9%

440,237

16,530,139

 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。したがって、当期完成工事高にもこの増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高の施工高は、未成工事支出金により手持工事高の工事進捗部分を推定したものであります。

3.当期施工高は、(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。

4.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 完成工事高

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

前事業年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

パイル工事

7,521,933

2,618,608

10,140,542

地盤改良工事

1,338,295

5,003,443

6,341,739

8,860,228

7,622,052

16,482,281

当事業年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

パイル工事

6,587,546

3,684,613

10,272,159

地盤改良工事

1,641,109

4,763,055

6,404,165

8,228,656

8,447,668

16,676,325

 (注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。

2.前事業年度完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。

(発注者)

(工事名)

中日本高速道路㈱

新東名高速道路厚木第四高架橋(下部工)工事に伴う基礎工事

中日本高速道路㈱

名古屋第二環状自動車道名古屋西ジャンクションCランプ橋他7橋(下部工)工事に伴う基礎工事

東京都財務局

東京国際展示場(28)増築工事に伴う基礎工事

中日本高速道路㈱

新東名高速道路伊勢原高架橋他2橋(下部工)工事に伴う基礎工事

住友不動産㈱

花小金井南町計画新築工事に伴う地盤改良工事

 

 

当事業年度完成工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。

(発注者)

(工事名)

東京都財務局

東京国際展示場(28)増築工事に伴う基礎工事

アイリスオーヤマ㈱

アイリスオーヤマ株式会社つくば工場新築工事に伴う地盤改良工事

グローバル・ロジスティック・プロパティーズ㈱

GLP枚方Ⅲプロジェクトに伴う基礎工事

日本自動車ターミナル㈱

京浜トラックターミナルA棟(仮称)新築工事に伴う基礎工事

東日本高速道路㈱

東京外環自動車道国分工事区横断歩道橋(下部工)工事に伴う基礎工事

グローバル・ロジスティック・プロパティーズ㈱は平成30年1月に日本GLP㈱に社名を変更しております。

3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

該当する相手先はありません。

当事業年度

該当する相手先はありません。

4.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 手持工事高(平成30年3月31日現在)

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

パイル工事

4,903,160

450,273

5,353,433

地盤改良工事

289,000

712,568

1,001,568

5,192,160

1,162,841

6,355,001

 (注)1.官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。

2.手持工事高のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。

(発注者)

(工事名)

(完成予定年月)

独立行政法人鉄道建設・

運輸施設整備支援機構

北陸新幹線福井橋りょう他工事に伴う鋼管ソイルセメント杭工事

平成30年9月

岩手県

二級河川鵜住居川筋鵜住居地区河川災害復旧(23災647号)水門土木工事に伴う基礎工事

平成30年7月

独立行政法人鉄道建設・

運輸施設整備支援機構

北陸新幹線福井下莇生田高架橋に伴う基礎工事

平成30年7月

岩手県

二級河川甲子川筋甲子川水門土木工事に伴う基礎工事

平成30年9月

中日本高速道路㈱

名古屋第二環状自動車道名古屋西ジャンクションCランプ橋他7橋(下部工)工事に伴う基礎工事

平成30年12月

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針及び見積り方法につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

 売上高は、主に建設事業において、パイル工事では道路関連工事が鈍化するものの一定程度の売上規模を維持しつつ、民間の倉庫流通施設や文化施設等の工事が増加しました。また、地盤改良工事では大型の工場物件が完工したこと、空港施設や道路関連工事のパイル材料売上高も増加したことなどにより204億41百万円(前連結会計年度比12.2%増)となりました。

(営業利益)

 売上原価は、主に建設事業において施工効率の改善や施工コストの削減等を推し進めたことで、官公庁のパイル工事や民間の地盤改良工事を中心に工事原価が抑制できました。しかしながら、大型の建築工事において発生した施工の不具合に係る工事費用を計上したことなどにより工事原価の抑制効果が減殺され売上原価率は87.5%(前連結会計年度比2.8ポイント増)、売上原価は178億77百万円(前連結会計年度比15.8%増)となりました。

 また、販売費及び一般管理費は、給料及び賞与や支払手数料などが前連結会計年度に比べ若干増加したものの当社が想定した範囲内の18億15百万円(前連結会計年度比4.8%増)となりました。

 以上の結果、営業利益率は3.7%(前連結会計年度比2.1ポイント減)、営業利益は7億49百万円(前連結会計年度比29.5%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 営業外損益において、主に仕入割引(営業外収益)を22百万円計上しましたが、営業減益に伴い経常利益は7億85百万円(前連結会計年度比35.8%減)となりました。また、特別損益においては、主に施工機等の更新に伴う売却による固定資産売却益(特別利益)53百万円や賃貸マンション等の売却に伴う固定資産処分損(特別損失)70百万円を計上いたしました。

 以上の結果、当期純利益率は2.6%(前連結会計年度比2.3ポイント減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億23百万円(前連結会計年度比40.9%減)となり前連結会計年度を下回りました。

 

(財政状態)

 当連結会計年度末における総資産額は、179億96百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。流動資産につきましては、主に現金預金が増加したことから、前連結会計年度末に比べて11億65百万円増加し、154億56百万円(前連結会計年度比8.2%増)となりました。また、固定資産につきましては、主に機械装置が増加したことから、前連結会計年度末に比べて51百万円増加し、25億40百万円(前連結会計年度比2.1%増)となりました。

 当連結会計年度末における負債合計は、66億3百万円(前連結会計年度比14.7%増)となりました。流動負債につきましては、主に工事損失引当金が増加したことから、前連結会計年度末に比べて8億58百万円増加し、60億84百万円(前連結会計年度比16.4%増)となりました。また、固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べて13百万円減少し、5億18百万円(前連結会計年度比2.5%減)となりました。

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べて3億71百万円増加し、113億93百万円(前連結会計年度比3.4%増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は61.6%(前連結会計年度比2.4ポイント減)、ROEは4.8%(前連結会計年度比3.7ポイント減)となりました。当連結会計年度のROEにつきましては、経営目標とする8%以上を達成することができませんでしたが、引き続き企業価値を高めるべくROEの向上に努めます。

 

 なお、今後の見通しにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、「2  事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、当社グループといたしましては、このようなリスク要因の存在を認識した上で、その発生を未然に防ぎ、万一発生した場合でも適切に対処するよう努める所存であります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

 資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など最適な資本構成を追及しながら、将来のために内部留保の充実と株主への利益還元の最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。

 当社が中長期的に安定した成長を遂げるためには、利益の源泉となる建設事業への投資資金を確保することが必要であると認識しております。具体的には、施工機などの新規取得や更新、各工法において施工管理を高めるための管理装置の精度向上や新しい技術開発への研究開発投資であります。しかしながら、今後の建設市場の動向は必ずしも楽観視できる状況にあるとは言えず、会社が持続的に成長を続けるためには建設事業においてシェア拡大を目的とした合併や買収、国内未開拓市場へ参入、海外建設市場へ進出など内部留保を積極的に活用することが必要であると考えております。

 当連結会計年度においては、施工機などの有形固定資産への投資額6億77百万円、研究開発費を39百万円計上しております。なお、これらの投資のための財源は、自己資金で賄っており当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は85億99百万円となっております。また、借入金及びリース債務を含む有利子負債はありませんが、今後、大型の投資案件が発生した場合には、金融機関等からの資金調達を検討してまいります。

 

(セグメント別の状況)

 当社グループでは、報告セグメントを「建設事業」、「土木建築コンサルティング全般等事業」、「その他の事業」に区分しております。セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

(建設事業)

 道路関連のパイル工事が鈍化したものの、文化・流通施設のパイル工事や民間工場の地盤改良工事で複数の大型工事が完成するなど堅調に推移しました。また、空港施設や道路関連工事に使用されるパイル材料販売の増加が売上高の増加に寄与しました。一方で、利益については、施工効率の改善や施工コストの削減等を推し進めたことで採算の高い工事を手掛けることができたものの、大型の建築基礎工事において発生した施工不具合の復旧工事費用を計上したことにより、前連結会計年度を下回りました。

 この結果、売上高は198億12百万円(前連結会計年度比11.6%増)、セグメント利益は7億15百万円(前連結会計年度比29.1%減)となりました。

 当事業のセグメント資産については、主に工事施工機械関連の設備投資により有形固定資産が増加したものの、受取手形・完成工事未収入金等の回収が進み減少したことにより86億34百万円(前連結会計年度比2.2%減)となりました。

(土木建築コンサルティング全般等事業)

 設計業務に関する収入の増加が売上高に寄与したものの、外注費等の売上原価の増加により、売上高は6億20百万円(前連結会計年度比33.5%増)、セグメント利益は31百万円(前連結会計年度比31.7%減)となりました。

 当事業のセグメント資産については、主に設計業務に関する収入の増加により受取手形・完成工事未収入金等が増加したことにより6億93百万円(前連結会計年度比15.5%増)となりました。

(その他の事業)

 賃貸マンション収入が主な収益であり、売上高は9百万円(前連結会計年度比23.8%減)、セグメント利益は2百万円(前連結会計年度比65.4%減)となりました。

 当事業のセグメント資産については、不動産市況等を総合的に判断した結果、賃貸マンション設備を売却したことにより1億95百万円(前連結会計年度比35.9%減)となりました。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、社会的要請や顧客のニーズに対応すべく、これまでに地盤改良工法であるテノコラム工法や、杭工法であるATTコラム工法、TN-X工法、ガンテツパイル工法等の基礎工法を開発してまいりました。近年では、戸建て住宅向けの地盤補強工法であるピュアパイル工法を開発し、商品化いたしました。当連結会計年度は、当社保有工法の差別化を図るため、「信頼性向上」と「環境にやさしい」をキーワードとし、施工管理の高度化、価格競争力、施工能力の向上と適用範囲の拡大に関する研究を重点的に実施してまいりました

現在の研究開発体制は、当社の技術部門を中心に推進しており、グループ全体でのスタッフは14名で構成しております。これは総従業員数の約5.3%に当たります。

当連結会計年度における各セグメント別の主な研究開発は次のとおりであります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は39,338千円であります。

 

(1)建設事業

①テノコラム工法

建築基礎分野における地盤改良工法のブランド工法として地位を確立しておりますが、近年は他工法との価格競争が激化しております

当連結会計年度は、信頼施工向上のため、施工管理システムの高度化を行いました。また、さらなる品質向上のための施工法の改善・改良に関する基礎研究に着手しました

②ピュアパイル工法

戸建て住宅や小規模建築物の地盤補強を目的として㈱日本住宅保証検査機構と共同開発したセメントミルク置換柱体による杭状地盤補強工法です

当連結会計年度は、商品力を向上した次世代ピュアパイル工法の開発のため、施工試験や載荷試験などの実証試験を行い、公的認証取得に向けたデータを蓄積しました

③ATTコラム工法

旭化成建材㈱と共同開発したATTコラム工法は、テノコラム工法と羽根付き鋼管杭を合成した建築物向けの基礎杭です

当連結会計年度は、さらなる品質および施工性の向上のための基礎研究に着手しました

④TN-X工法(高支持力杭工法)

新日鐵住金㈱と共同開発したTN-X工法は、軟弱地盤が厚く堆積した地域に建設される大規模物流倉庫等に適した高支持力杭工法です

当連結会計年度は信頼性向上のための研究として、根固め部の施工品質に関する調査及びデータの蓄積、および水平耐力向上のための施工技術の研究を継続して行いました。また、信頼性向上のための施工管理システムの開発に着手しました

⑤ガンテツパイル工法

道路橋の基礎杭として豊富な施工実績を有する本工法は、環境負荷低減の観点から建設残土や汚泥問題を解決した信頼性の高い鋼管ソイルセメント杭工法です

当連結会計年度は、岩盤などの硬質地盤を支持層とする場合の適用性を確認し、実用化に向けた研究を行いました

当事業に係る研究開発費は、37,580千円であります。

 

(2)土木建築コンサルティング全般等事業

①地盤材料試験の試験装置および試験法の高度化

「地盤材料試験の試験装置および試験法の高度化」に関する共同研究を引き続き実施しました。

②プレキャスト格子枠の開発

「プレキャスト格子枠の開発」に関する共同研究を引き続き実施しました

当事業に係る研究開発費は、1,758千円であります。

 

(3)その他の事業

研究開発は特段行われていません。