文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による景気対策や日銀の金融緩和を背景に企業収益や雇用情勢に改善の動きがみられ緩やかな回復基調が続きましたが、英国の欧州連合(EU)離脱決定、米国の新政権発足による保護貿易への警戒感など、不確実性、不透明性は払拭できない状況にありました。
当社グループの建設業界におきましては、慢性的な労働力不足や建設コストの高騰など懸念材料はあるものの、公共投資が減少傾向ながら高水準を維持し、また民間投資も企業業績の改善を受け緩やかな増加基調にあるなど、受注環境の好転が続くなかで、経営環境は堅調に推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、成長戦略“Decade Strategy 2020”の基本理念である、「人づくりの会社としての成長」を主眼におき、「受注・売上の一層の強化」、「生産性・利益率の向上」、「経営基盤の整備」といった施策を積極的に展開し、生産性と利益の重視を目指してまいりました。
この結果、当連結会計年度の受注高は前連結会計年度比6.2%減の535億57百万円となり、売上高は前連結会計年度比6.6%増の598億33百万円となりました。
次に利益面につきましては、営業利益は売上高増加に伴う利益の増加や原価低減が図られたこと等により前連結会計年度比34.4%増の23億4百万円、経常利益は前連結会計年度比29.9%増の24億18百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては特別利益に過年度の火災事故に係る受取保険金等3億42百万円を計上し、特別損失に減損損失等5百万円を計上し、また、法人税等7億88百万円を計上した結果、前連結会計年度比66.4%増の19億67百万円となりました。
当社グループは、主に設備工事事業を営んでおり、国内においては当社および温調エコシステムズ株式会社が、海外においては米国、中国、インドおよびフィリピン等の各地域をTAISEIONCHO HAWAII, INC.(米国)、大成温調機電工程(上海)有限公司(中国)、TAISEI ONCHO INDIA PRIVATE LIMITED(インド)、ONCHO PHILIPPINES, INC.(フィリピン)およびその他の現地法人が、それぞれ担当しております。現地法人はそれぞれ独立した経営単位であり、施工する工事について各地域の包括的な戦略を立案し、事業活動を行っております。
当社グル-プは主として設備工事事業を基礎とした地域別のセグメントから構成されておりますが、当連結会計年度より「その他」として表示されていた「オ-ストラリア」の不動産賃貸事業について量的な重要性が増したため報告セグメントとして記載する方法に変更しております。
従いまして、当社グループは「日本」、「米国」、「中国」、「インド」、「フィリピン」および「オーストラリア」の6つを報告セグメントとしております。
また、温調エコシステムズ株式会社においては設備工事事業のほか、冷暖房機器等の販売をしております。
報告セグメントの業績は次のとおりであります。
「日本」におきましては受注高は442億57百万円となり、売上高は473億80百万円、セグメント利益は19億38百万円となりました。
「米国」におきましては受注高は74億27百万円となり、売上高は103億22百万円、セグメント利益は5億84百万円となりました。
「中国」におきましては受注高は17億2百万円となり、売上高は19億27百万円、セグメント損失は55百万円となりました。
「インド」におきましては受注高は1億22百万円となり、売上高は1億42百万円、セグメント損失は77百万円となりました。
「フィリピン」におきましては受注高は47百万円となり、売上高は60百万円、セグメント損失は98百万円となりました。
「オーストラリア」におきましては受注高および売上高はありません。セグメント損失は14百万円となりました。
(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ46億49百万円増加し、当連結会計年度末には131億64百万円(前連結会計年度比54.6%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロ-の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は51億96百万円(前連結会計年度は4億98百万円の獲得)となりました。
これは主に資金の増加要因となる売上債権の減少、税金等調整前当期純利益および未成工事受入金の増加が、資金の減少要因となる仕入債務の減少を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1億35百万円(前連結会計年度は3億85百万円の獲得)となりました。
これは主に投資有価証券の取得による支出および定期預金の預入による支出が投資有価証券の売却による収入および定期預金の払戻による収入を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4億4百万円(前連結会計年度は4億66百万円の使用)となりました。
これは主に配当金の支払いやリース債務の返済による支出によるものであります。
(1)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(千円) |
44,257,670 |
101.6 |
|
米国(千円) |
7,427,751 |
63.9 |
|
中国(千円) |
1,702,110 |
105.7 |
|
インド(千円) |
122,926 |
107.9 |
|
フィリピン(千円) |
47,334 |
29.8 |
|
オーストラリア(千円) |
- |
- |
|
報告セグメント計(千円) |
53,557,794 |
93.8 |
|
その他(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
53,557,794 |
93.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)売上実績
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(千円) |
47,380,009 |
102.5 |
|
米国(千円) |
10,322,983 |
147.5 |
|
中国(千円) |
1,927,089 |
74.9 |
|
インド(千円) |
142,823 |
140.0 |
|
フィリピン(千円) |
60,259 |
25.1 |
|
オーストラリア(千円) |
- |
- |
|
報告セグメント計(千円) |
59,833,165 |
106.6 |
|
その他(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
59,833,165 |
106.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
4.前連結会計年度および当連結会計年度において売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高および施工高
第65期(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
|
工事別 |
前期繰越 工事高 (千円) |
当期受注 工事高 (千円) |
計 (千円) |
当期完成 工事高 (千円) |
次期繰越工事高 |
当期施工高 (千円) |
||
|
手持工事高 (千円) |
うち施工高 (千円) |
|||||||
|
|
|
|
|
|
|
% |
|
|
|
一般施設工事 |
31,296,532 |
24,425,293 |
55,721,825 |
26,269,747 |
29,452,077 |
0.4 |
106,070 |
26,239,873 |
|
産業施設工事 |
3,123,582 |
6,122,296 |
9,245,878 |
6,096,240 |
3,149,638 |
5.1 |
160,525 |
6,154,121 |
|
営繕・保守工事 |
3,534,589 |
12,182,976 |
15,717,565 |
13,012,158 |
2,705,406 |
8.6 |
233,576 |
13,081,900 |
|
計 |
37,954,704 |
42,730,565 |
80,685,269 |
45,378,146 |
35,307,122 |
1.4 |
500,172 |
45,475,895 |
第66期(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
|
工事別 |
前期繰越 工事高 (千円) |
当期受注 工事高 (千円) |
計 (千円) |
当期完成 工事高 (千円) |
次期繰越工事高 |
当期施工高 (千円) |
||
|
手持工事高 (千円) |
うち施工高 (千円) |
|||||||
|
|
|
|
|
|
|
% |
|
|
|
一般施設工事 |
29,452,077 |
20,964,744 |
50,416,822 |
25,748,210 |
24,668,611 |
0.7 |
179,162 |
25,821,303 |
|
産業施設工事 |
3,149,638 |
8,830,035 |
11,979,674 |
7,145,236 |
4,834,437 |
4.6 |
222,563 |
7,207,274 |
|
営繕・保守工事 |
2,705,406 |
12,990,448 |
15,695,855 |
13,029,471 |
2,666,383 |
3.1 |
83,385 |
12,879,280 |
|
計 |
35,307,122 |
42,785,228 |
78,092,351 |
45,922,919 |
32,169,432 |
1.5 |
485,111 |
45,907,858 |
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高の施工高は、手持工事高の工事進捗部分であります。
3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4.当期受注高および当期売上高としては、上記当期受注工事高および当期完成工事高のほかにその他の売上高に係るものがあり、その内訳は次のとおりであります。
|
区分 |
第65期 |
第66期 |
|
不動産賃貸事業(千円) |
150,298 |
143,814 |
|
その他の事業(千円) |
93,357 |
90,633 |
|
計(千円) |
243,656 |
234,448 |
② 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は特命と競争に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
|
第65期 |
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
一般施設工事 |
12.5 |
87.5 |
100.0 |
|
産業施設工事 |
35.5 |
64.5 |
100.0 |
||
|
営繕・保守工事 |
42.6 |
57.4 |
100.0 |
||
|
第66期 |
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
一般施設工事 |
9.9 |
90.1 |
100.0 |
|
産業施設工事 |
17.8 |
82.2 |
100.0 |
||
|
営繕・保守工事 |
47.2 |
52.8 |
100.0 |
||
(注) 百分比は請負金額比であります。
③ 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
|
第65期 |
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
一般施設工事 |
10,055,954 |
16,213,793 |
26,269,747 |
|
産業施設工事 |
297,733 |
5,798,506 |
6,096,240 |
||
|
営繕・保守工事 |
2,273,981 |
10,738,177 |
13,012,158 |
||
|
計 |
12,627,669 |
32,750,477 |
45,378,146 |
||
|
第66期 |
(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
一般施設工事 |
9,878,304 |
15,869,906 |
25,748,210 |
|
産業施設工事 |
2,001,194 |
5,144,042 |
7,145,236 |
||
|
営繕・保守工事 |
2,515,773 |
10,513,698 |
13,029,471 |
||
|
計 |
14,395,272 |
31,527,646 |
45,922,919 |
||
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第65期の完成工事のうち請負金額が8億円以上の主なもの
|
・前田建設工業㈱ |
東葛病院機械設備工事 |
|
・西松建設㈱ |
上都賀厚生農業協同組合連合会上都賀総合病院空調・衛生設備工事 |
|
・㈱淺沼組 |
ザ・タワー横須賀中央給排水衛生空調設備工事 |
|
・㈱フジタ |
ザ・レジデンス津田沼奏の杜給排水衛生設備工事 |
|
・利根保健生活協同組合 |
利根保健生活協同組合利根中央病院機械設備工事 |
第66期の完成工事のうち請負金額が8億円以上の主なもの
|
・東京都 |
豊洲新市場管理施設棟整備空調設備工事 |
|
・清水建設㈱ |
国立研究開発法人国立がん研究センター研究棟給排水衛生設備工事 |
|
・㈱熊谷組 |
四ツ木斎場空調設備工事 |
|
・(独)都市再生機構 |
三鷹中央防災公園・元気創造プラザ機械設備工事 |
|
・㈱竹中工務店 |
関西医科大学総合医療センター空気調和設備工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。
前事業年度(自平成27年4月1日 至平成28年3月31日)および当事業年度(自平成28年4月1日 至平成29年3月31日)
該当する相手先はありません。
④ 手持工事高(平成29年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
一般施設工事 |
8,660,197 |
16,008,413 |
24,668,611 |
|
産業施設工事 |
1,351,562 |
3,482,875 |
4,834,437 |
|
営繕・保守工事 |
1,361,836 |
1,304,546 |
2,666,383 |
|
計 |
11,373,596 |
20,795,835 |
32,169,432 |
(注) 手持工事のうち請負金額が10億円以上の主なものは次のとおりであります。
|
・㈱三晃空調 |
西新宿5丁目中央北地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事(A1地区)給排水衛生設備工事 |
平成29年10月完成予定 |
|
・㈱大林組 |
(仮称)帝京大学八王子キャンパス新校舎棟新築工事給排水衛生設備工事 |
平成29年11月完成予定 |
|
・中国四国防衛局 |
岩国飛行場(H26)庁舎新設機械工事 |
平成29年8月完成予定 |
|
・㈱フジタ |
埼玉石心会病院移転新築事業給排水衛生設備工事 |
平成29年8月完成予定 |
|
・佐藤工業㈱ |
西新宿3丁目複合計画新築工事機械設備工事 |
平成30年1月完成予定 |
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
1941年の創業以来、当社グループは"人の呼吸にもっと優しく"をスローガンに、空調・給排水衛生設備工事を中心とした建築設備全般における、質の高い設計・施工管理・維持保全サービスを追求してまいりました。
近年において企業活動が国際化する中で、当社グループではアジアを中心に汎太平洋圏にわたる海外拠点の積極的な展開を図るとともに、電力不足問題などを背景とした節電・省エネ・発電対策や、老朽不動産の価値向上へ向けた総合リニューアルに関する技術提案などを通じ、「世界に跳躍く総合設備のプロフェッショナルグループ」として、常に時代と共に進化を続けております。
また、建設業界の将来的な市場環境を見据え、「量から質への転換」をコンセプトに、「仕事の質を高め、生産性を向上させることで増益を達成すること」を基本方針として定めております。
これからも、当社グループは、信頼と誠実の経営を通じ、人財と技術をもって社会に選ばれる会社としてあり続けます。
(2)経営を取り巻く環境
当社グループを取り巻く経営環境は、雇用環境の改善が続く中で、政府、日銀による景気対策、緩和規制を下支えとした輸出産業の伸長や設備投資の増加により、緩やかながらも景気は拡大基調が続くものと思われますが、欧米を中心とした反グローバリズムの拡大など、保護主義・ブロック経済化への懸念が広がり、今後の景気への影響は予断を許さない状況となっております。
当社グループの属する建設業界におきましては、東京五輪とそれに伴う再開発需要の拡大、円安、原油安等により建設投資は緩やかながらも拡大するものと思われます。一方、慢性的な労働力不足、一部資材の高騰などによるコストアップなどによる収益面における影響が懸念される状況は、引き続くものと思われます。
(3)対処すべき課題
上記のような環境にあって、当社グループは2020年を展望した10年間にわたる成長戦略として、“Decade Strategy 2020”を策定し、「人づくりの会社として成長する」を基本的な成長理念に、長期的な収益力の強化に取り組んでおります。
今年度は、“Decade Strategy 2020”を構成する現・中期経営計画の最終年度に当たります。
当社グループの更なる利益成長を図るべく、前期に引き続き、「質の重視」を経営の基本方針として、さらにその取り組みを前進・加速させてまいります。
具体的には、抜本的な人事制度改革への着手、戦略的アウトソーシングの推進や、ICT・IoTへの積極投資などによる「生産性の向上」、ファシリティ事業の拡大や選別受注などによる「利益の確保」、コーポレートガバナンスや内部統制の強化などによる「経営基盤の整備」を通じ、東京五輪および再開発需要が堅調な国内を中心に業績向上を図るとともに、海外事業の収益安定化を進めてまいります。
また“Decade Strategy 2020”の締めくくりとなる2020年を最終年度とした新・中期経営計画を策定するとともに、さらにその先の経営課題への対応として国内外における戦略的な提携企業の発掘や外国人技術者の育成にも着実に取り組んでまいります。
限りある経営資源の適正配分と効率化により収益性を高めると同時に、その取り組みが株式市場から適正にご評価いただけるよう、今年度もIR強化に注力し、投資家様への情報発信を質・量ともに強化してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の季節的変動
当社グループの売上高は、通常の営業形態として、連結会計年度末に完成する工事が大きくなる傾向があり、一方、販売費及び一般管理費等の固定費は各四半期にほぼ均等に発生するため、利益が連結会計年度末に偏るという季節的変動があります。
(2)民間設備投資の変動リスク
国内外の経済情勢の変化等の影響を受けて、顧客の投資計画の中止や延期、縮小の発生により、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)売掛債権の回収リスク
当社グループは、取引先の信用調査等を行い、取引から発生するリスクを軽減すべく与信管理を行っておりますが、顧客先の倒産、信用不安等により売掛債権が回収不能となる場合があり、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)不採算工事発生リスク
当社グループは、各個別工事において厳正な原価管理、採算割れ防止のための個別物件管理等を行っておりますが、工事途中での設計変更、建設資材および労務費の高騰等による想定外の原価発生により、不採算工事が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外活動におけるリスク
当社グループは、海外市場への積極的な展開を図っており、当社グループの連結売上高に占める海外売上高比率は20.8%(当期実績)を占めております。
これらの海外市場における景気、為替変動、政治情勢等の変動および法規制の改正等が、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、海外売上高等に関する詳細は、「第5 経理の状況 (セグメント情報等)」として開示しております。
(6)建設業従事者の高齢化のリスク
当社グループは、若年者の継続的な求人および教育、グループ会社であるぺんぎんアソシエイツ株式会社によるグローバル的な人材活用の推進、協力会社の新規開拓等により技術力のある人材の確保に努めておりますが、工事従事者の高齢化、熟練技術者および熟練技能工の不足等により各個別現場において重大な支障が発生した場合は、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)災害・事故等におけるリスク
当社グループは、災害・事故発生に伴う業務の中断等による損害を最小化するため、定期的な災害・事故防止教育および検査・巡回を行い十分配慮しておりますが、災害・事故発生に伴う業務の中断等が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)重要な訴訟等におけるリスク
当社グループは当連結会計年度において、事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来において、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)法的規制におけるリスク
当社グループは、会社法、金融商品取引法、法人税法、独占禁止法、建設業法等の法規制を始め、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準等、国内外のさまざまな法規制の適用を受けており、将来において、改正や新たな法的規制等が実施された場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(10)資産保有によるリスク
当社グループは、事業用および賃貸用不動産としての不動産ならびに有価証券等を所有しておりますが、時価の変動等により減損処理の必要性が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社技術本部、環境・省エネ統括部、環境技術開発センターを核とした研究開発部門は、環境負荷の少ない快適な環境づくりを追求し、設備工事事業を通じて、省エネルギーシステム開発を中心に取り組んでまいりました。また、空調設備システムの性能評価法・改善方法ならびにエネルギー消費量の計測技術についての研究を行っております。これらの成果は設備の省エネルギー診断、節電・省エネルギー改修提案またはリニューアル設計技術に応用することに寄与しております。
当連結会計年度における研究開発費は58百万円であります。また、当連結会計年度の主な研究開発活動は以下のとおりです。
(1)気流シミュレーションの活用による最適設計手法
大空間または特殊空調などの設備設計において温度、気流などをシミュレートすることにより、その設備性能を予測、評価するエンジニアリング支援ツールとして活用しております。工事竣工後の計測による実測値とシミュレーション予測とを比較評価して、さらにシミュレーションの精度を向上し、品質の高い設計・施工を目指しております。
(2)設備の省エネルギー診断技術およびその評価法
空調システムの運転状態におけるエネルギー消費量や空気温度などの状態量を計量計測し、そのデータを解析して設備システム性能を診断し検証して、リニューアル提案に地球温暖化対策、CO2削減、省エネルギー対策に活用しております。
(3)再生可能エネルギー熱利用の地中熱利用システムの開発
地中土壌の保有熱容量と地下水を熱源とするシステムは再生可能エネルギーのひとつとして徐々に普及している技術です。従来は、ボアホール方式(深部熱交換方式)で熱交換しておりましたが、カーペット方式(浅部熱交換方式)を、メーカー、コンサルタントと共同で研究開発してコスト低減と、省エネの研究開発を行っております。
(4)次世代農業の研究
農業施設全般の、総合的環境制御と効率化をめざして、スマートアグリ研究会の会員になり複数の企業と共同開発研究を行っております。当社の分野は熱源システムで再生可能エネルギーの利用等で実証検証および研究開発を担当しております。
(5)イノベーション・コースト構想実用化開発補助事業プロジェクト
(株)イノベーション農業福祉研究所企画のプロジェクトに熱源システムの開発に参加。再生可能エネルギーの燃料にトマトの茎の残滓をペレット化した木質バイオマスボイラーと、地中熱利用のヒートポンプ熱源の併用のハイブリットシステムの開発。二次側放熱システムとして、栽培棚のフレームに直接温湯管を設置して高効率の暖房システムの開発、又栽培アシスト台車用のレールと兼用のハイブリット暖房システムの開発による省エネルギーとコストダウンの植物工場の開発に参加しております。
なお、不動産賃貸事業およびその他の事業において研究開発活動は行っておりません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債および収益・費用の計上に関しましては見積りによる判断を行っております。貸倒引当金、工事損失引当金等の各種引当金、退職給付に係る負債および工事進行基準適用工事の予定利益率等に関する見積りおよび判断については、過去の実績や状況に基づき合理的に継続して評価・検討を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なることがあります。
(2)財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産残高は355億19百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億73百万円増加しております。その主な要因は、現金及び預金が45億95百万円、電子記録債権が7億32百万円それぞれ増加し、受取手形・完成工事未収入金等が46億59百万円減少したこと等によるものです。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産残高は86億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億33百万円増加しております。その主な要因は、投資その他の資産の投資有価証券が5億94百万円増加し、投資その他の資産の長期貸付金が3億8百万円減少したこと等によるものです。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債残高は215億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億35百万円減少しております。その主な要因は、支払手形・工事未払金等が27億25百万円減少し、未成工事受入金が12億81百万円増加したこと等によるものであります。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債残高は13億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億73百万円増加しております。その主な要因は、繰延税金負債が3億26百万円増加し、退職給付に係る負債が1億10百万円減少したこと等によるものであります。
⑤ 純資産
当連結会計年度末における純資産残高は213億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億67百万円増加しております。その主な要因は、利益剰余金が15億71百万円、その他有価証券評価差額金が3億94百万円それぞれ増加し、為替換算調整勘定が1億51百万円減少したこと等によるものです。
(3)経営成績の分析
① 概要
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注環境の好転が続くなか、売上高は前連結会計年度に比べ6.6%増収の598億33百万円となりました。利益面につきましては、営業利益は売上高増加に伴う利益の増加や原価低減が図られたこと等により前連結会計年度比34.4%増の23億4百万円となり、経常利益は前連結会計年度比29.9%増の24億18百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別利益に過年度の火災事故に係る受取保険金等3億42百万円を計上し、特別損失に減損損失等5百万円を計上し、また、法人税等7億88百万円を計上した結果、前連結会計年度比66.4%増の19億67百万円となりました。
② 売上高
売上高は前連結会計年度に比べ6.6%増収の598億33百万円となりました。
当社グループは、主に設備工事事業を営んでおり、国内においては当社および温調エコシステムズ株式会社が、海外においては米国、中国、インドおよびフィリピン等の各地域をTAISEIONCHO HAWAII, INC.(米国)、大成温調機電工程(上海)有限公司(中国)、TAISEI ONCHO INDIA PRIVATE LIMITED(インド)、ONCHO PHILIPPINES, INC.(フィリピン)およびその他の現地法人が、それぞれ担当しております。現地法人はそれぞれ独立した経営単位であり、施工する工事について各地域の包括的な戦略を立案し、事業活動を行っております。
当社グル-プは主として設備工事事業を基礎とした地域別のセグメントから構成されておりますが、当連結会計年度より「その他」として表示されていた「オ-ストラリア」の不動産賃貸事業について量的な重要性が増したため報告セグメントとして記載する方法に変更しております。
従いまして、当社グループは「日本」、「米国」、「中国」、「インド」、「フィリピン」および「オーストラリア」の6つを報告セグメントとしております。
また、温調エコシステムズ株式会社においては設備工事事業のほか、冷暖房機器等の販売を主たる事業として行っております。
報告セグメントの売上高は次のとおりであります。
「日 本」…………473億80百万円
「米 国」…………103億22百万円
「中 国」………… 19億27百万円
「イ ン ド」………… 1億42百万円
「フィリピン」……………… 60百万円
「オーストラリア」………… -百万円
③ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上高に対する売上原価の比率は前連結会計年度に比べ0.5ポイント減少し、88.3%となりました。
売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は前連結会計年度に比べ0.3ポイント減少し、7.8%となりました。
④ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度の17億14百万円から5億90百万円増加して23億4百万円となっております。
売上高に対する営業利益の比率は前連結会計年度に比べ0.8ポイント増加し、3.9%となりました。
⑤ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度の1億47百万円の収益(純額)から1億13百万円の収益(純額)となりました。
⑥ 経常利益
経常利益は、前連結会計年度の18億61百万円から5億56百万円増加して24億18百万円となり、売上高に対する経常利益の比率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント増加し、4.0%となりました。
⑦ 特別損益
当連結会計年度において特別利益に過年度の火災事故に係る受取保険金等3億42百万円、特別損失に減損損失等5百万円を計上した結果、3億37百万円の利益(純額)となりました。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の11億81百万円から7億85百万円増加して19億67百万円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による景気対策や日銀の金融緩和を背景に企業収益や雇用情勢に改善の動きがみられ緩やかな回復基調が続きましたが、英国の欧州連合(EU)離脱決定、米国の新政権発足による保護貿易への警戒感など、不確実性、不透明性は払拭できない状況にありました。
当社グループの建設業界におきましては、慢性的な労働力不足や建設コストの高騰など懸念材料はあるものの、公共投資が減少傾向ながら高水準を維持し、また民間投資も企業業績の改善を受け緩やかな増加基調にあるなど、受注環境の好転が続くなかで、経営環境は堅調に推移いたしました。
従いまして、当社グループの受注予算、売上予算および利益予算は、現状において合理的に見積られる要因は可能な限り反映させておりますが、今後の事業環境如何では予算達成が困難になる可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは2020年を展望した10年間にわたる成長戦略として、“Decade Strategy 2020”を策定し、「人づくりの会社として成長する」を基本的な成長理念に、長期的な収益力の強化に取り組んでおります。
次年度は、“Decade Strategy 2020”を構成する現・中期経営計画の最終年度に当たります。
当社グループの更なる利益成長を図るべく、当期に引き続き、「質の重視」を経営の基本方針として、さらにその取り組みを前進・加速させてまいります。
具体的には、抜本的な人事制度改革への着手、戦略的アウトソーシングの推進やICT・IoTへの積極投資などによる「生産性の向上」、ファシリティ事業の拡大や選別受注などによる「利益の確保」、コーポレートガバナンスや内部統制の強化などによる「経営基盤の整備」を通じ、東京五輪および再開発需要が堅調な国内を中心に業績向上を図るとともに、海外事業の収益安定化を進めてまいります。
また“Decade Strategy 2020”の締めくくりとなる2020年を最終年度とした新・中期経営計画を策定するとともに、さらにその先の経営課題への対応として国内外における戦略的な提携企業の発掘や外国人技術者の育成にも着実に取り組んでまいります。
限りある経営資源の適正配分と効率化により収益性を高めると同時に、その取り組みが株式市場から適正にご評価いただけるよう、次年度もIR強化に注力し、投資家様への情報発信を質・量ともに強化してまいります。
(6)資本の財源および資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ46億49百万円増加し、当連結会計年度末には131億64百万円(前連結会計年度比54.6%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロ-の状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は51億96百万円(前連結会計年度は4億98百万円の獲得)となりました。
これは主に資金の増加要因となる売上債権の減少、税金等調整前当期純利益および未成工事受入金の増加が、資金の減少要因となる仕入債務の減少を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1億35百万円(前連結会計年度は3億85百万円の獲得)となりました。
これは主に投資有価証券の取得による支出および定期預金の預入による支出が投資有価証券の売却による収入および定期預金の払戻による収入を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4億4百万円(前連結会計年度は4億66百万円の使用)となりました。
これは主に配当金の支払いやリース債務の返済による支出によるものであります。