第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営方針

1941年の創業以来、当社グループは、空調・給排水衛生設備工事を中心とした建築設備全般における、質の高い設計・施工管理・維持保全サービスを追求してまいりました。

企業活動が国際化すると共にアジア経済が発展する中で、当社グループは汎太平洋圏にわたる海外拠点・投資の積極的な展開を図るとともに、節電・省エネ対策や老朽不動産の価値向上へ向けた総合リニューアルに関する技術提案などを通じ、「世界に跳躍く総合設備のプロフェッショナルグループ」として、常に時代と共に進化を続けております。

建設業界の将来的な市場環境を見据え、「量から質への転換」をコンセプトに、「仕事の質を高め、生産性を向上させることで増益を達成すること」を基本方針として定めております。新型コロナウィルス感染症が、働き方やオフィスの在り方の大きな変革の契機となることも予想されておりますが、従来よりの設備工事業者としての貢献と共に、新しい時代の価値を「たてものを、いきものに」の当社精神に基づいて追求してまいります。

これからも、当社グループは、信頼と誠実の経営を通じ、人財と技術をもって社会に選ばれる会社としてあり続けます。

 

(2)経営戦略等

当社は、創業70周年を迎えた2011年を機に、10年間の成長戦略“Decade Strategy2020”を策定し、「世界に跳躍く総合設備のプロフェッショナルグループ」を実現させ、設備専門事業のみならず、高付加価値の事業基盤となるビジネスモデルを構築し、企業価値向上の達成を目指してまいりました。

当社の成長力の源泉は「人財」であり、当社の技術、サービスの質は、人財の質によって担保されるという考えから、10年間の成長理念を「人づくりのグループとしての成長」としてまいりました。

その基本戦略は下記の通りです。

① 既存設備工事事業の深耕

当社の本業である設備工事に関する営業競争力、価格競争力および技術競争力の強化を徹底し、得意分野での質的向上を追求することで、成長の礎を確立します。

② 人材確保・人材育成への投資

次世代人事制度の構築を軸として経営基盤の整備を行い、従業員満足度の高い会社、ひいては顧客満足度の高い会社を目指し、競争力の源泉を確保します。

③ 新規事業・新規市場への投資

「環境」、「生産性・付加価値向上」、「海外」分野を軸に、当社の次なる成長および戦略的優位性を担保するための投資を行い、将来的な収益力の確保を目指します。

創業80周年を迎えた2021年からは、新経営ビジョン「LIVZON DREAM 2030」を策定し、サービスポートフォリオを多角化し「総合たてものサービス企業」へと更なる進化を目指してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2018年度より2020年度の3ヶ年を対象とする中期経営計画「大成温調@Version UP計画」において、2020年度において連結売上高600億円、連結営業利益30億円、ROE8%以上の維持を目標に掲げてまいりました。

次期指標につきましては、新型コロナウィルス感染症の拡大により依然経済活動の先行きが不透明な状況において、中長期的な業績への影響を算定するのは困難とし、現段階においては非公表としております。

 

(4)経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、2021年に開催が延期された東京オリンピック・パラリンピック関連の建設需要が一服し、また首都圏を中心とした再開発需要が端境期を迎えておりました。

その中で、2020年初頭に発生した新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う、設備投資マインドの冷え込み、工事の中断や延期、さらに緊急事態宣言発令に伴う営業活動の制限等が重なり、国内海外問わず経営環境は非常に厳しいものでありました。

2021年度は引き続き、新型コロナウィルス感染症の影響は残るものの、前年度に計画延期とされていた案件が動き出し、建設需要は回復基調に転ずるものと予想されます。一方で、受注活動における競争激化は避けられず、また労務費や資機材費の高騰リスクもある中で徹底した原価管理等、リスクマネジメントがより一層重要となるものと予想されます。

中長期的には、新型コロナウィルス感染症の拡大の中で、テレワークの浸透をはじめとする労働環境の変化や、社会全体の衛生意識の高まりなど、建築物そのものに対する顧客のニーズが多様化することが予想されます。

先行きが不透明な今だからこそ変革の好機であり、顧客のニーズを的確かつ素早く捉え、新たな価値を提供していくことがビジネスチャンスに繋がるものと考えられます。

建設業界では、引き続き慢性的な人手不足・高齢化が進んでおり、人材の確保・育成および生産性の向上が喫緊の共通課題となっております。

デジタルトランスフォーメーション(DX)による、人手不足への対応・生産性の向上といった課題解決が必要となっております。加えて、業界全体に目を向ければ、同業・隣接業界内での業務・資本提携、M&Aといった業界再編に向けた動きが顕在化することも想定されます。

 

 

(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

新型コロナウィルスの世界的な蔓延のみならず、今後中長期的な建設投資の減少や市場構造の変化、また少子高齢化社会の進行等社会的な課題が増大する一方、デジタル化社会や脱炭素社会へ向けた取り組み等、事業を取り巻く環境が大きく変化する中で、当社グループとしては、従来のビジネスモデルを構造的に変革しなければ、将来における飛躍的な成長は難しいと考えております。

これらの課題解決に向けて、当社グループは、当連結会計年度から掲げる「LIVZON」ブランドの下、サービスポートフォリオを多角化し「総合たてものサービス企業」へと進化すべく、新経営ビジョン『LIVZON DREAM 2030』を策定いたしました。具体的には、①機能戦略、②地域戦略、③デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略の3つの戦略を融合することで、当社グループとしての総合力拡充を図ってまいります。これらの実現のために、以下を重点課題として取り組んでまいります。

①機能戦略

・サービスポートフォリオ再構築のため、既存設備工事機能は堅持しつつ、経営資源の再配分やその他の機能を担う企業との資本・業務提携の強化

・当社グループ総合力を高めるため、相乗補完効果を発揮させ、グループ内で顧客・案件・技術・人材などを情報共有

②地域戦略

(国内拠点)

・営業と生産体制の地域格差を是正するため、人材と資金等の経営資源の配分を最適化

・収益機会の供給とサービス機能拡充のため、基盤確立地域での体制維持

・コア事業基盤体制を確保するため、地域企業との提携強化

(海外拠点)

・市場性、経営体制、リスク等を含めた経営資源の配分

・BIM等オフショアエンジニアリング体制や現地での事業機会を追求し、M&Aを推進

・東南アジアにおける新規検討地域の地域企業と提携

③デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略

・全社的なDX戦略の構築を進めるため、経営直下のDX推進チームを設置

・業務リエンジニアリングによる生産性向上

 

さらに、昨今大きな関心が寄せられている社会的課題の解決に貢献すべく、下記のSDGs目標を制定してまいります。

・気候変動適応型事業の拡大

・新型ウィルス対応型事業の拡大

・ステークホルダー満足の追求

 

大成温調グループは、2030年までにありたい姿を実現するために、これら事業基盤を構築して課題解決に挑んでまいります。

 

 

(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の適時適切な対応に努める所存であります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社グループの事業に関連するリスクを全て網羅するものではありません。

 

(1)建設市場の変動リスク

当社グループが属する建設業界においては景気変動による業績への影響を強く受ける傾向があります。市場の景気変動による業績への影響を軽減すべく、建築系サービスの機能の増設等、多角的な営業活動に努めております。また今期策定しました長期経営ビジョン「LIVZON DREAM 2030」のもとに機能戦略、地域戦略、デジタルトランスフォーメーション(DX)戦略を統合的に推進しておりますが、国内外の経済情勢の変化等の影響を受けて公共投資や民間企業の設備投資動向により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)売掛債権の回収リスク

当社グループは、取引先の信用調査や債権管理表の運用等、取引から発生するリスクを軽減すべく多面的な与信管理を行っておりますが、顧客先の倒産、信用不安等により売掛債権が回収不能となる場合があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)不採算工事発生リスク

当社グループは、各個別工事において厳正な原価管理、採算割れ防止のための重要工事物件管理表等を用い、原価発生のモニタリングや、実行予算の見直し等による適時適切な個別物件管理を全社的に行っておりますが、工事途中での設計変更、予定工期のずれ、資機材費および繁忙期の重複による労務費の高騰等による想定外の原価発生により、不採算工事が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)海外活動におけるリスク

当社グループは、海外市場への積極的な展開を図っており、当社グループの連結売上高に占める海外売上高比率は21.0%(当期実績)を占めております。また、海外への資源配分の最適化を図る上で、将来性・多様性・バランス重視の事業投資を行います。

当社では海外事業本部による海外子会社の経営管理体制・リスク管理体制を整備し、海外活動におけるリスクの低減に努めておりますが、海外市場における景気、為替変動、政治情勢等の変動および法規制の改正等が、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、海外売上高等に関する詳細は、「第5 経理の状況 (セグメント情報等)」として開示しております。

 

(5)建設業従事者の高齢化のリスク

当社グループは、競争力の源泉となる技術力の維持のため、若年者の継続的な求人および教育、グローバルな人材活用の推進、協力会社へも含む教育機会の提供や新規開拓等により技術力のある人材の確保に努めておりますが、工事従事者の減少および高齢化、熟練技術者および熟練技能工の不足等により各個別現場において重大な支障が発生した場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)資産保有によるリスク

当社グループは、事業用および賃貸用不動産としての不動産ならびに有価証券等を所有しております。各資産については保有意義や資産の健全化等を考慮しながら随時見直しを行っており、資産保有によるリスクの低減に努めておりますが、時価の変動等により減損処理の必要性が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)災害事故・品質事故等におけるリスク

当社グループは、災害・品質事故発生に伴う業務の中断および是正工事等による損害を最小化するため、当社が中心となり、協力会社の会と共に、定期的な災害・品質事故防止教育および検査・巡回を行っておりますが、災害・品質事故発生に伴う業務の中断および是正工事等が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)重要な訴訟等におけるリスク

当社グループは当連結会計年度において、事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来において、重要な訴訟等が提起された場合、当社顧問弁護士等と協議・相談もして対応いたします。結果によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9)法的規制におけるリスク

当社グループは、建設業法、会社法、金融商品取引法、法人税法、独占禁止法、労働安全衛生法等の法令、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準等、国内外のさまざまな法規制の適用を受けております。法令遵守、許可要件の維持に努めており、重大な法令違反、免許の取消事由に該当する事実等はありませんが、将来において、改正や新たな法的規制等が実施された場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報管理および情報システムのリスク

当社グループは、顧客の機密情報については情報管理規程等に基づき細心の注意を払って管理していますが、万が一保護すべき情報が漏洩した場合には、顧客や社会からの信頼が失墜し、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、業務の効率性および正確性を確保するために情報システムの充実を図り、社内各種デジタルテクノロジー情報も含め秘密情報を保持し、事業を継続するためにサイバー攻撃の対応をはじめとした社員教育等を実施しておりますが、予期しない不正な情報システム技術に十分対応できない場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)業績の季節的変動

当社グループの売上高は、通常の業務形態として、連結会計年度末に完成する工事について多額になる傾向があり、一方、販売費及び一般管理費等の固定費は各四半期にほぼ均等に発生します。時期に偏りのない安定した売上と利益の確保に努めておりますが、利益が連結会計年度末に偏る季節的変動があります。

 

(12)新型コロナウィルス感染症に関するリスク

当社グループは、2020年1月30日に対策本部を設置し、マスク着用等の日常予防の徹底、不要不急の会議・飲食の制限ないしWEB化、テレワークや時差出勤といった勤務形態の工夫、社員の体調報告の励行等の新型コロナウィルス感染拡大防止策を講じました。新型コロナウィルス感染症による経済活動への影響は予測できない状況でありますが、感染拡大、長期化により取引先の発注調整、工事の中断等が発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウィルスの感染拡大により緊急事態宣言も発出されるなど経済活動全般にわたり大きな制約を受け、大幅なマイナス成長となりました。感染収束の兆しが見えない中、国内経済は出口の見えない状況で推移いたしました。

当社グループの建設業界におきましては、公共投資の継続やコロナ禍を受けた防疫対策・医療体制の推進・再整備、テレワークの拡大に伴うオフィス環境見直しによるリノベーション需要などの市場機会が見込まれる一方、人材不足による労務費の高騰や建設資材の高騰、全般的に弱含む企業収益動向を背景にした民間設備投資の抑制傾向などの懸念材料も顕在化しつつあり、先行き不透明な状況となっております。

当社グループにおきましても、コロナ禍による世界的な経済活動の停滞を受け、顧客企業における設備投資の抑制、案件の延期や工期の遅延等が発生しました。

こうした状況の中、当社グループは2020年4月に新ブランド「LIVZON」を立ち上げ、「たてものを、いきものに」を基本コンセプトとする「総合たてものサービス企業」へ飛躍の一歩を踏み出しました。「LIVZON」の旗印のもと、「中期経営計画“大成温調@Version UP計画(2018~20)”」における重点課題である競争力と生産性と企業価値の向上を図り、機能戦略と地域戦略とデジタルトランスフォーメーション(DX)戦略に進化・展開して行くことへの端緒を開いております。

この結果、当連結会計年度の受注高は前連結会計年度比19.4%減の437億54百万円となり、売上高は前連結会計年度比16.3%減の486億33百万円となりました。

次に利益面につきましては、営業利益は前連結会計年度比30.7%減の13億2百万円、経常利益は前連結会計年度比32.1%減の14億47百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては特別利益に完成工事補償引当金戻入額2億68百万円、固定資産売却益57百万円、特別損失に投資有価証券評価損96百万円、関係会社株式評価損59百万円など合計1億89百万円を計上し、また、法人税等4億45百万円を計上した結果、前連結会計年度比22.9%減の11億39百万円となりました。

当社グループは、主に設備工事事業を営んでおり、国内においては当社および温調エコシステムズ株式会社等が、海外においては米国、中国、インドおよびフィリピン等の各地域をALAKA'I MECHANICAL CORPORATION(米国)、大成温調機電工程(上海)有限公司(中国)、TAISEI ONCHO INDIA PRIVATE LIMITED(インド)、ONCHO PHILIPPINES, INC.(フィリピン)およびその他の現地法人が、それぞれ担当しております。

現地法人はそれぞれ独立した経営単位であり、各地域において包括的な戦略を立案し、事業活動を行っております。

なお、TAISEI ONCHO INDIA PRIVATE LIMITED(インド)、およびONCHO PHILIPPINES,INC.(フィリピン)につきましては、すでに事業の休止を決定しており、閉鎖に向けた手続きを進めております。

当社グループは主として設備工事事業を基礎とした地域別のセグメントから構成されており、「日本」、「米国」、「中国」、「インド」、「フィリピン」および「オーストラリア」の6つを報告セグメントとしております。

また、温調エコシステムズ株式会社においては設備工事事業のほか、冷暖房機器等の販売をしております。

報告セグメントの業績は次のとおりであります。

「日本」におきましては受注高は354億72百万円となり、売上高は384億0百万円、セグメント利益は9億41百万円となりました。

「米国」におきましては受注高は62億56百万円となり、売上高は62億24百万円、セグメント利益は1億57百万円となりました。

「中国」におきましては受注高は20億25百万円となり、売上高は39億76百万円、セグメント利益は2億16百万円となりました。

「インド」におきましては受注高および売上高はありません。セグメント損失は24百万円となりました。

「フィリピン」におきましては受注高および売上高はありません。セグメント損失は0百万円となりました。

「オーストラリア」におきましては受注高はありません。売上高は32百万円、セグメント利益は10百万円となりました。

 

 

② 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産残高は272億80百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億55百万円減少しております。その主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が86億11百万円、電子記録債権が33億61百万円それぞれ減少し、現金及び預金が48億76百万円増加したこと等によるものです。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産残高は127億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億4百万円増加しております。その主な要因は、土地が18億9百万円増加したことによるものです。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債残高は157億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億23百万円減少しております。その主な要因は、支払手形・工事未払金等が49億41百万円、電子記録債務が13億6百万円それぞれ減少し、未成工事受入金が7億58百万円増加したこと等によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債残高は2億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ57百万円増加しております。その主な要因は、繰延税金負債が81百万円増加したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産残高は239億82百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億14百万円増加しております。その主な要因は、利益剰余金が6億82百万円増加し、為替換算調整勘定が1億51百万円減少したこと等によるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ47億65百万円増加し、当連結会計年度末には129億83百万円(前連結会計年度比58.0%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は75億1百万円(前連結会計年度は5億63百万円の使用)となりました。

これは主に資金の増加要因となる売上債権の減少が、資金の減少要因となる仕入債務の減少を上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は22億11百万円(前連結会計年度は1億23百万円の獲得)となりました。

これは主に資金の減少要因となる有形固定資産の取得による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は4億95百万円(前連結会計年度は7億73百万円の使用)となりました。

これは主に資金の減少要因となる配当金の支払いによるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

ア.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

35,472,135

83.2

米国(千円)

6,256,523

79.7

中国(千円)

2,025,668

53.3

インド(千円)

フィリピン(千円)

オーストラリア(千円)

報告セグメント計(千円)

43,754,327

80.6

その他(千円)

合計(千円)

43,754,327

80.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

イ.売上実績

当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

38,400,793

79.8

米国(千円)

6,224,025

96.1

中国(千円)

3,976,488

116.0

インド(千円)

フィリピン(千円)

オーストラリア(千円)

32,605

100.3

報告セグメント計(千円)

48,633,913

83.7

その他(千円)

合計(千円)

48,633,913

83.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

4.前連結会計年度および当連結会計年度において売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

a.受注工事高、完成工事高、繰越工事高および施工高

第69期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

工事別

前期繰越

工事高

(千円)

当期受注

工事高

(千円)

(千円)

当期完成

工事高

(千円)

次期繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高

(千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

新築工事

30,238,304

22,650,628

52,888,932

28,117,099

24,771,833

1.2

297,776

28,292,229

改修・保守修理等

7,294,363

18,861,567

26,155,930

18,892,819

7,263,111

5.6

405,543

18,922,795

37,532,667

41,512,195

79,044,863

47,009,918

32,034,944

2.2

703,319

47,215,024

 

 

第70期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

工事別

前期繰越

工事高

(千円)

当期受注

工事高

(千円)

(千円)

当期完成

工事高

(千円)

次期繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高

(千円)

 

 

 

 

 

 

 

 

新築工事

24,771,833

20,392,994

45,164,827

21,067,874

24,096,952

1.7

415,656

21,185,755

改修・保守修理等

7,263,111

13,890,134

21,153,245

16,181,837

4,971,408

4.8

240,348

16,016,642

32,034,944

34,283,128

66,318,073

37,249,712

29,068,360

2.3

656,004

37,202,398

 

 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高の施工高は、手持工事高の工事進捗部分であります。

3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。

4.当期受注高および当期売上高としては、上記当期受注工事高および当期完成工事高のほかにその他の売上高に係るものがあり、その内訳は次のとおりであります。

 

区分

第69期

第70期

不動産賃貸事業(千円)

143,154

119,246

その他の事業(千円)

86,419

84,229

計(千円)

229,573

203,476

 

b.受注工事高の受注方法別比率

 工事受注方法は特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第69期

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

新築工事

18.8

81.2

100.0

改修・保守修理等

39.6

60.4

100.0

第70期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

新築工事

25.0

75.0

100.0

改修・保守修理等

42.4

57.6

100.0

 (注)百分比は請負金額比であります。

 

 

c.完成工事高

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第69期

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

新築工事

4,015,236

24,101,862

28,117,099

改修・保守修理等

4,743,953

14,148,865

18,892,819

8,759,189

38,250,728

47,009,918

第70期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

新築工事

2,911,425

18,156,449

21,067,874

改修・保守修理等

4,913,943

11,267,894

16,181,837

7,825,369

29,424,343

37,249,712

 (注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

第69期の完成工事のうち請負金額が10億円以上の主なもの

・㈱大林組

(仮称)シマノR&Dセンター新築工事空調衛生設備工事

・八戸市

長根屋内スケート場(YSアリーナ八戸)給排水製氷設備工事

・佐藤工業㈱

ぴあアリーナMM機械設備工事

・㈱熊谷組

医療法人社団千葉光徳会千葉しすい病院給排水衛生設備工事

・東京都

東京アクアティクスセンター新築工事(空調)

第70期の完成工事のうち請負金額が10億円以上の主なもの

・㈱熊谷組

森永製菓高崎第3工場建設計画空調設備工事

・㈱フジタ

(仮称)仲よし幼稚園跡地活用計画新築工事給排水衛生設備工事

・㈱フジタ

(仮称)新砂2・3丁目計画新築工事設備工事

・㈱ルミネ

ニュウマン横浜店新規開発設備工事

・国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター配管等改修工事

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。

前事業年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)

 該当する相手先はありません。

当事業年度(自2020年4月1日 至2021年3月31日)

 ㈱熊谷組  4,120,504千円  11.1%

 

d.手持工事高(2021年3月31日現在)

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

新築工事

5,084,518

19,012,434

24,096,952

改修・保守修理等

1,801,208

3,170,199

4,971,408

6,885,727

22,182,633

29,068,360

 (注)手持工事のうち請負金額が15億円以上の主なものは次のとおりであります。

・㈱熊谷組

(仮称)湘南鎌倉総合病院救命外傷センター他増築工事(給排水衛生)

2022年7月完成予定

・兵庫県病院事業管理者

県立はりま姫路総合医療センター(仮称)病院棟外空気調和設備工事

2021年11月完成予定

・三井住友建設㈱

(仮称)千葉県鴨川市浜荻計画空調衛生設備工事

2021年7月完成予定

・品川区

戸越台複合施設大規模改修機械設備工事

2022年3月完成予定

・㈱フジタ

(仮称)館山病院移転新築計画空調衛生設備工事

2022年4月完成予定

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債および収益・費用の計上に関しましては見積りによる判断を行っております。見積りおよび判断については、過去の実績や状況に基づき合理的に継続して評価・検討を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なることがあります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

なお、新型コロナウィルス感染症の収束時期は未だ不透明であり、2022年3月期以降の業績に及ぼす影響を予測することが困難なため、現時点において入手可能な情報を基に検証を行っております。

 

② 財政状態の分析

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要② 財政状態の分析」に記載のとおりであります。

 

③ 経営成績の分析

「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要① 経営成績」に記載のとおりであります。

 

④ 資本の財源および資金の流動性についての分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、工事原価、販売費及び一般管理費などの営業費用によるものです。投資資金需要の主なものは、設備投資、システム投資などによるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性を安定的に確保する財務体制を維持することを基本としており、運転資金、設備投資資金、投融資資金については、自己資金、借入金により調達しております。また、金融機関とコミットメントライン契約により、手元流動性の充実を図っております。なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は95百万円、現金及び現金同等物の残高は12,983百万円となっております。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

2018年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「大成温調@Version UP計画」において本中期経営計画最終年度(2021年3月期)の目標値として連結売上高600億円、連結営業利益30億円、また、ROEは8%以上を維持することを掲げてまいりました。

次期指標につきましては、新型コロナウィルス感染症の拡大により依然経済活動の先行きが不透明な状況において、中長期的な業績への影響を算定するのは困難とし、現段階においては非公表としております。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、2021年3月26日開催の取締役会において、第三者割当による第1回新株予約権(以下「本新株予約権」という。)の発行を決議し、アドバンテッジアドバイザーズ株式会社との間で、当社グループの業績向上実現のための事業提携契約を締結しております。事業提携契約の要旨は下記のとおりです。

相手先

契約締結日

期間

内容

アドバンテッジアドバイザーズ株式会社

2021年

3月26日

2021年4月19日から下記のいずれか早く到来する日まで
①2026年4月19日
②アドバンテッジアドバイザーズ株式会社がサービスを提供するファンドが本新株予約権またはこれを行使して取得する当社株式のいずれも保有しないこととなる日

M&A支援、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援、人材採用支援、経営の合理化に関する施策に向けた支援など

 

5【研究開発活動】

当社業務統括本部、技術開発統括部、技術開発部を核とした研究開発部門は、環境負荷の少ない快適な環境づくりを追求し、設備工事事業を通じて、省エネルギーシステム開発を中心に取り組んでまいりました。また、空調設備システムの性能評価法・改善方法ならびにエネルギー消費量の計測技術についての研究を行っております。さらに当連結会計年度は、新型コロナウィルス対策用シミュレーションによる性能評価法の開発を行いました。これらの成果は設備の省エネルギー診断、節電・省エネルギー改修提案またはリニューアル設計技術に応用することに寄与しております。

当連結会計年度における研究開発費は29百万円であります。また、当連結会計年度の主な研究開発活動は以下のとおりです。

 

(1)熱流体シミュレーションの活用による最適設計手法

大空間または特殊空調などの設計施工時において、室内の温度や気流などをシミュレートすることにより、その設備性能や室内温熱環境を予測・評価するエンジニアリング支援ツールとして活用しております。事前に様々な設計案に対するシミュレーション結果を比較検討して最適なシステムを選択するとともに、工事竣工後の現地計測値とシミュレーション予測を比較評価して、さらに解析精度を向上し、品質の高い設計・施工を目指しております。

 

(2)新型コロナウィルス対策用シミュレーションによる性能評価法の開発

現在世界中で流行している新型コロナウィルスの感染防止対策の一つとして換気が広く推奨されています。室内の換気状況や空気質をシミュレーションで見える化することによって、換気設備の効率・性能やウィルスの拡散状況を適切に判断する評価手法の開発に取り組んでおります。

 

(3)再生可能エネルギーである地中熱利用システムの追求

年間を通じて温度が安定している地中の熱を利用する「地中熱利用システム」は再生可能エネルギーの一つとして広く普及している技術です。二酸化炭素排出量の削減やヒートアイランド現象の抑制など環境負荷の低減に寄与するだけでなく、ヒートポンプ機器を併用することによりエネルギー効率の向上が期待でき、環境に優しくさらに省エネルギー性の高いシステムを追求しております。

 

(4)設備の省エネルギー診断技術、およびCO削減ポテンシャル診断の評価法

空調システムの運転状態におけるエネルギー消費量や空気温度などの状態量を計量計測し、そのデータを解析することによって設備システム性能を診断・検証して、リニューアル提案・地球温暖化対策・CO削減・省エネルギー対策に活用しております。

 

(5)省エネルギー性が高い融雪装置の追求

降雪量が多い地域における冬場の積雪・凍結対策として、融雪装置は必要不可欠な設備です。汲み上げた地下水を屋根などに敷設した配管から直接流す「散水式」のほか、電熱線や温水循環水を利用した「無散水式」など環境に合わせた様々なシステムを追求しております。

 

(6)可搬型局所換気装置による介護空間の空気環境改善に関する研究

特別養護老人ホームを中心とする介護施設での、排泄介助時に発生する局所的な臭気対策として、高効率補修型の局所換気装置による空気環境改善に関する研究を進めております。

本研究では、試作型局所換気装置の作成と補修効率などの実験室実験および装置改善点を検討しております。

 

なお、不動産賃貸事業およびその他の事業において研究開発活動は行っておりません。