第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「企業は社会の公器、企業の社会的責任遂行」という言葉を明確に自覚し、株主を始め、顧客、当社社員、協力会社並びに地域社会からの信頼を得て、社会資本整備を通して「信頼と利益」の調和の取れた企業経営を目指しております。企業である限り競争は必然であり、そのためにより高度で特化した技術が必要であることを認識し、人材教育と技術開発を推進しております。

 

(経営理念)

・福祉国家建設の一翼を担って社会に奉仕する

・技術を究め創意をこらし自己の責任を完遂する

・和信協同し企業の繁栄と共に幸福を創り出す

 

(経営方針)

技術の研鑽と創意に努め、安全と安心の企業ブランドのもと、社会資本整備を通して国家建設に貢献するとともに、企業の繁栄と社会的責任の調和を追及する。

 

(2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

 建築分野では、新型コロナウイルス感染症の影響に起因する新規案件の着工遅れの影響が顕在化しつつあるものの、土木分野では特に高速道路の大規模更新が市場を牽引しており、全体的な建設市場は概ね堅調に推移していくものとみています。このようななか当社では、2015年度から継続してきた大型の多年度工事が2020年度でほぼ完工を迎えました。したがって、2021年度からは多くが新規の工事に入れ替わる端境期となります。一般的に工事の初期段階においては準備作業等に多くの時間と労力を要し、工事売上げのスピードが鈍ることから、2021年度は業績推移の谷間に位置するとの予想を立てております。今後、効率的な製造・施工体制を確保して早期の着工を図って円滑な工事進捗につなげ、これを少しでも回復傾向に転換していくことが重要な課題になります。

 一方で、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(令和2年12月)」に代表される年間3兆円規模の大規模で集中的な公共投資を背景に受注活動は順調であり、1件あたり100億円を超す大型工事の受注などを積み上げており、今後は潤沢な手持ち工事量を効率的に消化して収益性の向上に視点をおいた工事管理が重要になってきます。

 また、新たな事業分野の開拓・拡大も重要であり、橋梁の保全分野の拡大に加え、国土交通省公募の「令和3年度河川砂防技術研究開発」で採択された「越水浸食に対するPC矢板を用いた一部自立型による堤防補強の有効性評価技術の研究」の2年間の開発期間を経て既存堤防の強化事業に参入していくことが目標です。その他、風力発電関連の施設建設事業を中心とした環境分野への参入も目指しており、事業構造の裾野を広げていく取り組みを進めます。しかし、新規事業分野の開拓や、既存分野での効率的な生産活動にはそれを支える生産手段となる経営資源の充実が重要であり、工事現場の機械化、工場におけるIT化や自動化などは既存設備のリニューアルと合わせて重要な経営テーマと位置付けています。2021年度は、「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」をスタートします。5年間を期限として「稼ぐ力」を蓄積するためのハード・ソフト両面での環境整備を急速に技術革新の進むDX化を軸に推進します。加えて、技術開発力の拡充にも注力します。新設した「技術センターいわき研究所」を拠点に、近隣の教育機関と連携した「ふくしま広域連携ラボ構想」を早期に実現し、研究開発機能の充実を図ります。

 以上、これらの重要課題への対応を着実に進め、急速に変化する時代環境に俊敏に適応しながら引き続き持続的な成長を目指してまいります。

(3)中期経営計画「VISION2030」について

 当社は、長期的な市場環境の変化をとらえ、PC技術の特性を核とした技術開発と事業の多様化で持続的な成長を実現するため2025年に向けて「VISION2016」を作成し、その達成を目指してまいりましたが、策定から5年が経過し、この間計画を上回る好調な成績を積み重ねてまいりました。

 一方で、想定した市場環境が変化し計画と実際に乖離が生じてきたことや、前提とした設備の拡張などをはじめとする生産環境の整備が思うように進まないなど、今後の成長を考える上で早急な対応を講じる必要も生じてきました。

 そこで改めて向こう10年を見据え、テーマを「新たな成長戦略に向けた経営リソース(ヒト・モノ・カネ)の拡充」とした「VISION2030」を策定致しました。

 「VISION2030」では、通過点である2025年までの5年間で高収益体制の実現、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築を目指すべきゴールとして、「稼ぐ力」を蓄えるためのハード・ソフト両面での環境整備を集中的に行い、その後、2030年に向かってこれをテコに急成長を成し遂げることとしております。2030年にあるべき姿として「価値を創造するエンジニアリング企業」「顧客の要望にワンストップで応える企業」「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業」を目標としております。

 

 この「VISION2030」を達成するための方針として、次の4つを掲げております。

事業方針:

  (ⅰ)2030年度のゴールに向けて、2025年度までに高収益体質が実現し、経常的に経営資源を充実させていく体制・文化の構築している状態を目指す

  (ⅱ)2030年度のゴールを、売上高450億円超・営業利益率5%超とし、2025年度に売上高350億円超・営業利益率5%超を目指し、選別受注及び利益優先主義を継続する

  (ⅲ)人員増加施策だけでなく、生産性の向上を図るため、大規模な設備増強や現場負荷軽減のための仕組みづくりに注力する

投資方針:

  (ⅰ)工場を中心に5年間で集中的な投資を行い、生産性の向上、製品売上比率の向上を図る

  (ⅱ)将来の工場製品売上の増加見通しに伴い、必要な時期において工場の生産能力の増強を検討する

  (ⅲ)継続的な研究開発を行うために売上高の0.3%を開発費に充てる

財務方針:

  (ⅰ)財務の健全性を重視し、投資は利益の範囲内とする

  (ⅱ)将来、大規模な投資が必要となった場合は、保有資産の活用も視野に入れる

  (ⅲ)ROEは7%超の維持を目標とする

株主還元方針:配当性向20%超の維持

 

また、「VISION2030」においては、SDGs<持続可能な開発目標>の17の目標への取り組みについても掲げております。

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 当社は、2015年に国連サミットで採択されたSDGsに対し、当社事業の重要な様相としてSDGsを位置付け、「世界レベルのSDGs達成に貢献する企業グループ」を目標に掲げ、SDGsが描く未来の現実に取り組むことで、さらなる社会貢献を図ること、及び事業活動を通じて、課題抽出と技術革新に取り組み環境負荷軽減を達成することは重要な課題と捉えております。

(4)新型コロナウイルス感染症の影響に関する現状認識と今後の見通しについて

 当社において、現在まで現場施工・工場生産において工程等の進捗遅れもなく、新型コロナウイルス感染症による当事業年度の業績に対する著しい影響はありません。

 また、今後の業績への影響に関しましては、現時点では重要な影響はないものと判断しております。

 セグメントごとの具体的な影響についての見通しは、次のとおりであります。

 

①土木事業

 土木事業の主力分野である公共事業については、国土交通省を初め、NEXCO、JRTT及び自治体の各発注機関は、入札契約手続き全般の柔軟な対応等により景気の下支えに万全を期すという政府方針に則り、これまでの事業執行体制を維持し、新規事業の発注を従来通りに実施しており、当事業年度における当社の業績への著しい影響はありませんでした。

 今後についても、この方針が継続されるものと考えられることから、当社が対象としている市場が縮小される可能性は低く、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期しながら事業を進めることで、営業活動や現場施工及び工場生産への影響は今後も軽微であると見通しております。

 そのため、今後の土木事業の業績について著しい影響は生じないものと判断しております。

 

②建築事業

 当事業年度においては、新型コロナウイルス感染症の長期化の影響により、業績が悪化する産業も多く、設備投資を控える動きが出ている一方で、サプライチェーンの国内回帰が進み、建築市場においてはプラスの要因も発生しております。

 また、民間のデベロッパーの動向としては、個人消費能力の落ち込みから一般のマンションの売れ行きに懸念があり、民間投資が落ち込んでいる一方で、既存建物の有効活用の傾向が進み、中長期的には拡大も想定されます。

 このように建築事業においては、総合的な見極めが難しい一面もあり、当社においても、発注遅れの影響を受け受注高が減少いたしましたが、施工中の物件においては工事一時中止等の影響も解消され、順調に進捗していることから、当事業年度の業績への著しい影響はなく、今後の業績へ直ちに重要な影響を及ぼす事象はないと判断しております。

 ただし、今後も市場動向を注視していく必要はあり、建築市場への影響が明らかになり、定量的な影響が算定可能となった時点で、随時、当社の業績に与える影響を判断し、今後の業績見通しへの反映や、新規戦略の立案を行っていく必要があると考えております。

 

③当社の対応状況

 当社では、早い段階より新型コロナウイルス感染症に対する注意喚起を実施し、その後の感染拡大に対応するかたちで政府や国、自治体などの方針に従って様々な対応策を実施してまいりました。その結果、本支店が機能を維持し、また工事・工場ともに通常操業を継続しております。したがって、現時点まで当社の業績に重大な影響はありません。

 今後も必要な施策を継続していくことで、引き続き通常機能が維持され、通常操業が継続されることを前提として、翌事業年度以降においても業績への重要な影響はないものと考えております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

)公共事業の市場環境の影響について

 当社の事業は公共土木事業への依存度が概ね6割程度であります。国土強靭化策などにより公共事業は増加基調にありますが、我が国の財政事情などから、この増加基調が中長期的に亘るか否かは不透明であります。当社は公共事業に偏らない土木・建築を両輪とした安定的な事業構造への転換を進めておりますが、建築事業の拡大が進展しない場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、公共事業以外の受注活動も強化することで、リスクの軽減を図っております。

 

)現場での労災事故について

 建設業界は高所作業など危険作業が多く、産業界でも重大事故発生率が最も高い産業であります。当社は「安全なくして生産なし」をスローガンとして掲げ、全社を挙げてゼロ災害に取り組んでおります。しかしながら、万一、労災事故が発生した場合は、工事成績評点へのマイナス影響や、関係発注機関から指名停止を受けるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、各支店に安全衛生委員会を設置し、安全パトロールや作業員に対する安全衛生教育を定期的に実施するとともに、日常の安全衛生活動では、安全朝礼、ツールボックス・ミーティング、危険予知活動(KY活動)を行い労災事故の防止に努めております。

 

)瑕疵担保責任及び製造物責任について

 「安全と安心」を企業ブランドとして掲げ、品質管理には全社を挙げて万全を期しておりますが、万一、瑕疵担保責任及び製造物責任による損害賠償や補修工事などが発生した場合は、多額の補修費用の発生や関係発注機関から指名停止を受けるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、工事受注後から設計照査を行い、品質パトロールを定期的に実施するなど、プロセスチェックを実施する品質管理体制により、厳密な品質管理を徹底することで、リスクの軽減を図っております。

 

)PC建築製品製作のための工場設備について

 当社の事業安定化のためには建築事業の拡大が不可欠であり、その主力製品は工場部材であることから、各地域市場に供給する工場設備の保有が必要であります。民間建築投資は景気、物価、賃金、雇用動向等に大きく影響を受けることから、景気の低迷等による需要低下で工場の稼働率が落ちるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、公共事業を中心とする土木事業のプレキャスト化を推進することで、民間建築投資に過度に依存しない体制を構築し、リスクの軽減を図っております。

 

)官公需法の影響について

 官公需法とは、地元企業育成のために地元中小業者に優先的に公共事業を発注する制度を定めた法律であります。特に地方自治体は地域振興策を強化しており、官公需法の運用が堅持・強化された場合は、当社はこれら地元中小業者の下請けになるケースや地元企業との共同企業体となるケースが増加することなどが考えられます。

 元請けや共同企業体構成員となった地元業者が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、契約前に取引先の信用調査を適切に実施することで、リスクの軽減を図っております。

)資材価格や外注労務単価変動の影響について

 様々な要因で資材の購入単価や外注労務単価が高騰し、契約条件にある請負金額のスライド条項などが適用されない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、発注者との交渉を密にし、スライド条項が適用されるように諮ることで、リスクの軽減を図っております。

(7)建設技術者や技能労働者の不足について

 少子高齢化の進展や建設産業の構造的な問題により、建設技術者や技能労働者の不足が顕著な問題となっております。労働者不足に関しては国をあげた課題として取り組まれており、この変革に適切に対応できない場合は施工能力が落ちるなど業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、建設技術者や技能労働者不足に対応するために、現場工事のプレキャスト化の推進や、女性技術者及び外国人技術者の採用を積極的に行うことで、リスクの軽減を図っております。

 

(8)大規模自然災害等

 地震や台風等大規模な自然災害の発生や新型コロナウイルス等の感染症の流行により、当社の事業遂行に直接的または間接的な影響を受ける可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、事業継続に重大な影響を及ぼす大規模自然災害等不測の事態に備え、事業継続計画を策定し、大規模災害を想定した避難訓練、安否確認訓練を実施し、リスクの軽減を図っております。

 

(9)法的規制等について

 当社の事業は、建設業法、建築士法、建築基準法等の法的規制を受けております。主要な事業であります土木・建築事業は、建設業法に基づき、特定建設業許可を受けておりますが、不正な手段による許可の取得や経営管理者・専任技術者等の欠格条項違反に該当した場合は、建設業法第29条により許可の取り消しとなります。  当社では、当該許可の諸条件や法令等の遵守に努めており、現時点において、これらの免許の取消事由に該当する事実はないと認識しております。しかしながら、万一、法令違反等によって許可が取り消された場合、当社の業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社では、法務部門が当該許可の諸条件や法令等を遵守していることを定期的に確認することでリスクの軽減を図っております。

 

  (許認可等の状況)

法令等

許認可等

有効期限

取消事由

建設業法

特定建設業の許可

国土交通大臣許可

(特—29)第2301号

2017年11月26日から

2022年11月25日まで

(5年ごとの更新)

建設業法29条

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における日本経済は、全世界で急速に拡大した新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う経済活動の停滞や個人消費の悪化などにより極めて厳しい状況で推移しており、景気の先行きは新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が開始されたことや、政府による経済対策などの推進による持ち直しの動きはあるものの、予断を許さない状況が続いております。

当建設業界におきましては、震災復興関連事業や首都圏を中心とした東京オリンピック・パラリンピック関連事業が一段落したことや、新型コロナウイルス感染症の影響による計画先送りなどが懸念されたものの、その影響は限定的で、高速道路などの社会インフラの老朽化に伴う維持更新事業を中心に建設投資は堅調に推移しました。建設投資の先行きについて、公共建設投資は昨年末に新たな施策として総額15兆円規模の5か年国土強靭化加速化対策が閣議決定されるなど、引き続きインフラ老朽化対策など必要性の高い事業を中心に底堅く推移していくと見込まれます。一方で、民間建設投資は景気の不透明感の高まりにより消費者の購買意欲が低迷し、マンションなど住宅分野への投資は低水準で推移することが懸念されますが、集合住宅の老朽化に伴う維持更新需要は中長期的に継続するものと期待されます。

このような経営環境のもと、当社は2025年度を最終年度とする第4次中期経営計画「VISION2016」の中間点である5年目を迎え、本計画に掲げた成長目標の早期達成と次なるステージへのステップアップに向け、新たな市場開拓のための経営リソース(ヒト・モノ・カネ=量と質の人材、技術・生産設備、財務)の充実に取り組みながら企業活動を行ってまいりました。また、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、現場や工場及びその他の各事業所において感染症対策を最大限に講じたうえで、社員の安全確保、現場施工及び工場生産の継続を最重要課題として取り組んでまいりました

新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

a.財政状態

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ1,546百万円増加し、25,046百万円となりました。

当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ369百万円増加し、15,732百万円となりました

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ1,176百万円増加し、9,314百万円となりました。

 

b.経営成績

当事業年度の受注高は28,456百万円(前期比3.1%増)、売上高は27,693百万円(前期比2.4%増)となりました。損益につきましては、営業利益は1,767百万円(前期比94.4%増)、経常利益は1,730百万円(前期比91.1%増)、当期純利益は1,327百万円(前期比107.2%増)となりました。

 

セグメントの経営成績につきましては、次のとおりであります。

土木事業は、公共事業の発注がやや後ろ倒しの状況となったことに加え、技術提案交渉方式で契約に向けて手続き中であったNEXCO中日本発注の大型補修補強工事案件の契約が来期へ繰り越しとなりましたが、同じNEXCO中日本発注の大型床版打替大規模更新工事案件が受注できたことなどで、受注高は23,264百万円(前期比18.3%増)となりました。売上高につきましては、民間鉄道会社発注の連続立体交差事業、JRTT発注の九州、北陸新幹線工事、NEXCO発注の床版取替工事など大型の繰越工事が順調に進捗したことにより、20,797百万円(前期比1.9%増)となりました。セグメント利益につきましては、複数の大型工事の追加設計変更協議が順調に推移したことに加え、原価低減が図られたことで採算性が大幅に改善したことにより、3,715百万円(前期比39.2%増)となりました

建築事業は、新型コロナウイルス感染症の長期化による民間投資の落ち込みによる発注遅れの影響を受け、受注高は4,946百万円(前期比35.5%減)となりました。また、売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による現場着工遅れや現場一時休止時の製造調整があったものの、当事業年度末までに概ね回復したことにより、6,645百万円(前期比5.3%増)となりました。セグメント利益につきましては、売上高が増加したことと原価低減により採算性が改善されたことで、905百万円(前期比10.5%増)となりました。

不動産賃貸事業は、テナント獲得の競争激化は依然として継続しているものの、安定した入居率の確保を目指して営業活動を展開した結果、受注高及び売上高は245百万円(前期比1.6%増)となりました。セグメント利益は、設備更新による減価償却費の増加のため、128百万円(前期比11.1%減)となりました

その他セグメントにつきましては、重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物は73百万円減少し、期末残高は1,477百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は137百万円となりました。収入の主な要因は、税引前当期純利益及び減価償却費の計上、預り金の増加等によるものであります。支出の主な要因は、仕入債務の減少等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は878百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出が主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は912百万円となりました。これは、長期借入金の返済及び配当金の支払いがあったものの、長期借入金の増加によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.受注実績

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

土木事業

23,264

18.3

建築事業

4,946

△35.5

不動産賃貸事業

245

1.6

その他

0

△96.6

合計

28,456

3.1

 

b.売上実績

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

土木事業

20,797

1.9

建築事業

6,645

5.3

不動産賃貸事業

245

1.6

その他

4

△93.7

合計

27,693

2.4

(注)1.当社では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

 

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 

 

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

 

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

独立行政法人鉄道建設・

運輸施設整備支援機構

2,929

10.8

4,429

16.0

西日本高速道路㈱

3,815

14.1

3,035

11.0

 

 なお、参考のため、建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績は次のとおりであります。

 

(1)受注工事高、完成工事高及び繰越工事高

期別

区分

前期繰越
工事高

(百万円)

当期受注
工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成
工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

土木工事

19,686

17,504

37,190

17,133

20,057

建築工事

1,217

1,784

3,002

1,999

1,002

20,903

19,289

40,193

19,132

21,060

その他

9,484

8,306

17,790

7,916

9,874

合計

30,388

27,595

57,984

27,049

30,934

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

土木工事

20,057

19,608

39,666

17,464

22,201

建築工事

1,002

483

1,486

1,330

155

21,060

20,092

41,152

18,795

22,357

その他

9,874

8,364

18,239

8,898

9,340

合計

30,934

28,456

59,391

27,693

31,697

(注) 前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

 

(2)受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

土木工事

24.8

75.2

100

建築工事

100

100

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

土木工事

18.2

81.8

100

建築工事

100

100

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

(3)完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

土木工事

16,164

968

17,133

建築工事

1,456

542

1,999

17,621

1,511

19,132

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

土木工事

15,800

1,664

17,464

建築工事

1,156

174

1,330

16,956

1,838

18,795

(注)1.前事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。

西日本高速道路㈱

新名神高速道路 楊梅山高架橋(PC上部工)工事

中日本高速道路㈱

新名神高速道路 鈴鹿高架橋他1橋(PC上部工)工事

東日本高速道路㈱

小名浜道路 5号橋(PC上部工)工事

西日本高速道路㈱

高松自動車道 林高架橋他4橋橋梁剥落対策工事

国土交通省

平成30年度 138号BPぐみ沢高架橋OFFランプPC上部工事

 

 2.当事業年度の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

九州新幹線(西九州)、東大川橋りょう

大阪府

安威川ダム 左岸道路橋梁上部工事(7号橋)

福岡県

県道筑紫野古賀線大隈高架橋(仮称)橋梁上部工(P16~P21)工事

福岡北九州高速道路公社

第601工区(香椎浜)高架橋上部工(床版)既設橋梁補強工事(その1)

国土交通省

令和元-2年度 外環空港線余戸南第3高架橋下り上部工事

 

3.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

西日本高速道路㈱

3,815百万円

19.9%

 

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

2,929百万円

15.3%

当事業年度

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

4,429百万円

23.6%

 

西日本高速道路㈱

3,035百万円

16.1%

 

(4)次期繰越工事高(2021年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

土木工事

21,418

783

22,201

建築工事

97

58

155

21,516

841

22,357

(注) 次期繰越工事のうち請負金額2億円以上の主なものは次のとおりであります。

中日本高速道路㈱

名神高速道路(特定更新等)木曽川橋床版取替工事

西日本高速道路㈱

新名神高速道路 城陽第二高架橋東(PC上部工)工事

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北陸新幹線 動橋川橋りょう他

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構

北陸新幹線 第2三ツ屋橋りょう(PCけた)

中日本高速道路㈱

北陸自動車道(特定更新等)九頭竜川橋他2橋床版取替工事(その2)

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。この財務諸表の作成に当たっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、完成工事補償引当金、工事損失引当金、株式給付引当金、退職給付引当金、工事進行基準による収益認識などの判断につきましては、過去の実績や合理的な方法により見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関して、現時点で影響は軽微であり、翌事業年度以降においても通常の事業活動が行えていることを前提として、当事業年度において会計上の見積りを行った結果、当事業年度における財務諸表に及ぼす影響、及び翌事業年度における財務諸表に及ぼす影響は軽微なものと判断しております。

 上記のうち、見積り及び仮定の重要度が高いものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の通りであります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

 当事業年度末の総資産は、25,046百万円となり、前事業年度末に比べ1,546百万円の増加となりました。

 流動資産は、17,352百万円となり、前事業年度末に比べ618百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、受取手形が420百万円、売掛金が371百万円及びその他流動資産が576百万円減少したものの、完成工事未収入金が1,311百万円、未収消費税等が444百万円増加したことによるものであります。

 固定資産は、7,693百万円となり、前事業年度末に比べ928百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、2021年1月1日に完全子会社である株式会社シーピーケイを吸収合併したことなどにより、有形固定資産が855百万円、無形固定資産が78百万円増加したことによるものであります。

 負債合計は15,732百万円となり、前事業年度末に比べ369百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、流動負債については、預り金が617百万円増加いたしましたが、電子記録債務が899百万円、工事未払金が472百万円減少したこと等により759百万円の減少となりました。一方で、長期借入金が1,135百万円増加したこと等により固定負債は1,129百万円の増加となりました。

 純資産は9,314百万円となり、前事業年度末に比べ1,176百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、配当金の支払い160百万円、及び当期純利益1,327百万円の計上によるものであります。

 以上の結果、自己資本比率は37.2%となり前事業年度末に比べ2.6ポイント増加いたしました。

 

2)経営成績

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度と比較して644百万円増加し、27,693百万円となりました。

なお、セグメント別の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」の項目をご参照ください。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当事業年度における売上原価は、前事業年度と比べ454百万円減少し、22,942百万円となりました。売上原価の減少は、工事採算性の改善によるものであります。

売上総利益は、前事業年度に比べ売上総利益率が3.7%改善したことにより、前事業年度と比べ1,098百万円増加し、4,751百万円となりました。これは、土木事業、建築事業ともに原価低減が図られたことで採算性が改善したことが主な要因であります。

販売費及び一般管理費は、子会社でありました株式会社シーピーケイを吸収合併したこと等もあり、前事業年度に比べ240百万円増加し、2,984百万円となりました。

(営業利益)

営業利益は、販売費および一般管理費が増加したものの、売上総利益が増加したことにより、前事業年度と比べ857百万円増加し、1,767百万円となりました。営業利益率は6.4%であり前事業年度と比べ3.0ポイントの増加となりました。

 

(営業外損益)

営業外収益は、省エネルギー投資促進に向けた支援補助金による収入などにより、前事業年度と比べ22百万円増加し、55百万円となりました。

営業外費用は、借入金の増加により支払利息が増加したことなどにより、前事業年度と比べ55百万円増加し、92百万円となりました。

 

(特別損益)

特別利益は、子会社でありました株式会社シーピーケイを吸収合併したことに伴い抱合せ株式消滅差益を計上した結果、137百万円となりました。

特別損失は、非連結子会社に関する関係会社株式評価損及び、賃貸不動産の設備更新等に伴う固定資産除却損を計上した結果、63百万円となりました。

 

(当期純利益)

当期純利益は、営業利益及び経常利益の増加により686百万円増加し、1,327百万円となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況につきましては、本報告書「第2 事業の状況 3 経営成績者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の経営に影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題」、及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

c資本の財源及び資金の流動性

1)キャッシュ・フロー

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

2)資金需要

当社の資金需要は、運転資金、投資資金及び株主還元に分けられます。

運転資金需要の主なものは、工事の施工及び工場の製品製造のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用や管理費用であります。

投資資金需要の主なものは、設備資金であり、工場における製造設備、工事現場における建設機材等固定資産の購入によるものであります。

また、株主還元については、財務健全性等に留意しつつ、配当政策に基づき実施しております

3)資金調達

当社は、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、子会社(非連結・持分法非適用)を含めた資金調達は、当社が一元管理しており、必要に応じて当社より子会社へ貸付けを行っております。

運転資金及び株主還元につきましては、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金により充当しておりますが、運転資金において不足が生じた場合には金融機関からの借入金を利用しております。

設備資金につきましては、設備投資計画に基づき資金計画を作成し、内部資金で不足する場合には金融機関からの借入金を利用しております。なお、工場建設等の大規模な設備投資の場合には、長期借入金により調達しております。

当社は、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出を維持するとともに、長期・短期の借入金のバランスを考慮した安定的な資金調達を行いながら、今後の事業成長に資するため事業運営上必要な手元流動性を高めることに努めております。

 

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は長期的な市場環境の変化をとらえ、PC技術の特性を核とした技術開発と事業の多様化で持続的な成長を実現するため2025年に向けて「VISION2016」を作成し、その達成を目指しております。

「VISION2016」においては、当社の目指すところとして大きく次の5点を挙げております。

1.維持更新市場においてシェアを拡大

2.土木・建築の双方でプレキャスト化を推進

3.将来の担い手不足に備え、機械化・情報化による生産性の向上

4.多様な人材の獲得と育成を強化

5.上記を実現させるための技術開発を強化

 

具体的な指標として当社が重視する指標は、以下のとおりです。

①基本方針:売上高300億円超、営業利益率3%超を目指す

売上高及び営業利益(率)は、企業経営の基本的な指標であり、会社の本来の業務における収益性の判断材料として、重要な指標としております。

当事業年度においては、前事業年度に比べ売上高の増加に加え原価低減による採算性の改善の結果、営業利益は前事業年度に比べ大幅に増加し、営業利益率は6.4%と3.0%を大きく上回る結果となりました。

 

②投資方針:年間3億円の継続的な設備投資及び売上高の0.3%の開発費

当社は建設業界に属していることから工事用機材の適切な維持更新は安全な施工を行うために不可欠であり、また、工場においても生産性の向上、省人・省力化等のために継続的な設備投資は不可欠と考えております。したがって、設備投資額を重要な指標としております。

当事業年度における当社の設備投資は、株式会社シーピーケイを吸収合併したことにより受け入れた資産535百万円(受け入れ時帳簿価額)を含めて、総額で1,325百万円となりました。吸収合併に伴い株式会社シーピーケイより工場機械装置や土地を受け入れたほか、各工場においても生産性向上のための新規製造設備の取得や更新、現場工事では効率的な施工のための新規架設機材の取得など積極的に実施いたしました。

また、当社は、設立以来、新製品の開発、製造技術の合理化、現場工事における施工方法の開発、施工上の問題解決等の課題に挑戦しながら、社会のニーズに対応できるよう研究開発活動を実施していることから研究開発投資も重要な指標としております。

このような方針のもと、当事業年度における研究開発費の総額は79百万円となり、売上高に対する比率は0.3%となりました。

 

③財務方針:ROE7%以上を目指す

ROE(自己資本利益率)は投下した資本に対しどれだけの利益を獲得できたかを示す指標であり、重要な指標としております。

当事業年度におけるROEは15.2%であり、7.0%を大きく超える水準となりました。これは、営業利益の増加に加え、株式会社シーピーケイを吸収合併したことに伴い特別利益に抱合せ株式消滅差益を計上したこともあり当期純利益が前事業年度に比べ686百万円増加(前期比107.2%増)の1,327百万円となったことが要因であります。

④投資還元方針:配当性向20%超の継続

当社は株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つと位置付け、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、安定配当を実施することを基本方針としており、配当性向を重要な指標としております。

当事業年度においては、前事業年度に比べ大幅な増益となった事から3円増配し1株当たり12円の普通配当としました。配当性向は、増配を行いましたが、16.0%にとどまりました。投資還元方針である配当性向20%を達成できない結果となりましたが、今後の新型コロナウィルス感染症の影響が不透明であること、及びVISION2030にも記載のように今後5年間で生産性向上のため工場への集中投資を行う計画であることなどにより内部留保を充実させております。

 

また、翌事業年度以降においては、「VISION2030」の策定に伴い次のような指標により当社の経営戦略、経営上の達成度を判断いたします。

①売上高及び営業利益(率)は、企業の基本的な指標であり、会社の本来の業務における収益性の判断材料として、重要な指標となるため、2025年度に売上高350億円、営業利益率5%超を重要な指標としております。

 

②「VISION2030」においては、工場の生産性の向上、省人・省力化等のための継続的な設備投資は「VISION2016」から継承しつつ、加えて工場設備の増強や製品売上比率の向上のために集中的な設備投資を実施する方針であります。また、当社は建設業界に属していることから工事用機材の適切な維持更新は安全な施工を行うために不可欠であり、今後も継続して設備投資を行っていく方針であります。このような方針を達成するため、「VISION2030」においては、敢えて金額的な指標を設定せず、目的に応じ、臨機応変な設備投資を重視してまいります。

 また、当社は設立以来、新製品の開発、製造技術の合理化、現場工事における施工方法の開発、施工上の問題解決等の課題に挑戦しながら、社会のニーズに対応できるよう研究開発活動を積極的に実施しております。従いまして、研究開発投資も重要な指標であり、最低限の投資目標値として売上高の0.3%を指標としております。

 

③ROE(自己資本利益率)は投下した資本に対しどれだけの利益を獲得できたかを示す指標であり、「VISION2030」においても7%超の維持を重要な指標としております。

 

④当社は株主に対する利益還元を経営の最重要課題の一つと位置付け、財務体質の強化と積極的な事業展開に必要な内部留保の充実を図りながら、安定配当を実施することを基本方針としており、配当性向20%超の維持を重要な指標としております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(株式会社シーピーケイとの合併)

 当社は、2020年11月10日締結の合併契約書により、2021年1月1日付で当社の子会社である株式会社シーピーケイを吸収合併いたしました。

 

(1)合併の目的

 株式会社シーピーケイは、プレストレスト・コンクリートマクラギ製品の製造及び販売事業を行ってまいりましたが、この度、当社は経営資源の集中と組織運営の強化及び効率化を図るため、同社を吸収合併することといたしました。

 

(2)合併の方式

 当社を存続会社とし、株式会社シーピーケイを消滅会社とする吸収合併方式です。

 

(3)合併に際して発行する株式及び割当

 当社の完全子会社との合併であるため、本合併による株式の割当てその他一切の対価の交付はありません。

 

(4)合併比率の算定

 当社の100%子会社との合併であるため、合併比率の取り決めはありません。

 

(5)合併の日程

 取締役会決議日      2020年11月10日

 合併契約の締結日     2020年11月10日

 合併期日(効力発生日)  2021年1月1日

 

(6)引継資産・負債の状況

 

 

 

(百万円)

資産

金額

負債

金額

流動資産

490

流動負債

838

固定資産

589

固定負債

53

 

(7)吸収合併存続会社となる会社の概要

商号    株式会社富士ピー・エス(当社)

資本金   2,379百万円

事業内容  プレストレスト・コンクリート技術を用いた土木・建築事業の請負、企画、設計、施工管理並びにPC製品の設計、製造、販売

 

5【研究開発活動】

 当社は、設立以来より新製品の開発、製造技術の合理化、現場工事における施工方法の開発、施工上の問題解決等の課題を解決するため、社会のニーズに対応できるよう研究開発活動を行ってまいりました。

 当社では、技術研究センターを中心とした研究開発活動を行っており、当事業年度においては研究所の施設整備として材料試験設備を有する研究棟の建設を開始いたしました。今後も研究開発体制のさらなる整備を行う計画です。
 当事業年度における土木事業・建築事業の研究開発総額は79百万円であり、主な内容は次のとおりであります。

 なお、研究開発費はセグメント別に管理しておりませんので、セグメント別の研究開発費の金額の記載は省略しております。

(1)土木事業、建築事業共通

① 省力化製造方法の開発

 近年、我が国では少子高齢化の影響により建設作業員の不足が顕在化し、今後もその傾向は強まるものと予想されています。当社では、かねてより工場における製造方法の自動化・省人化に取り組み、製造効率の向上に努めてまいりました。さらに現場施工における品質の向上と作業環境の改善を目指し、ICTを活用した施工方法の開発を進めております。

 

(2)土木事業

① 環境保全・防災に対応した製品・工法の開発

 政府は2050年を目標としたカーボンニュートラル達成にむけて、再生可能エネルギーの導入加速を求めています。当社では、国・地方自治体・学協会と連携して風力発電の導入拡大の一端を担うべく、陸上ならびに洋上風力発電施設の発電コスト低減に寄与するプレストレトコンクリート構造物(ハイブリッドタワー・コンクリート製浮体)の研究開発を進めております。

 近年頻発し激甚化している風水害に対応する防災インフラの製品・工法の開発を進めております。

 

② 各種メンテナンス工法の開発

 我が国では、構造物の老朽化が進む中、その長寿命化のためのメンテナンス工法の開発が求められています。当社では新しい床版補修工法等にかかる高速道路各社等との共同開発など、高速道路リニューアルプロジェクトに対応した工法の開発を進めております。今後増加が見込まれる維持更新市場の中で、社会に求められる技術開発を進めております。

 

(3)建築事業

① 既設建築物の耐震補強工法の開発

 スマイルパラレル工法の中層~高層住宅市場への適用拡大を図るため、制振補強用ダンパーの開発を行い、性能評価を取得するとともに、施工性の改善にも取り組んでおります。

 

② DM板の開発

 現場作業の省力化および将来の労務不足を見据え、1階床のプレキャスト化を目的としたDM板を開発し、現在、事務所ビルなど鉄骨造への適用拡大に向けた技術開発を進めております。

 

(4)不動産賃貸事業、その他の事業

研究開発活動は行っておりません。