第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類へ引き下げられ、行動制限の解除や入国制限の緩和など経済活動の活発化に向けた動きがみられ、緩やかな回復基調となりました。しかしながら、緊張状態が続く国際情勢の動向に加え、原材料や燃料費価格の高騰を背景とした物価上昇や金利・為替の変動による景気への影響など先行きが不透明な状況があり、今後も引き続き注視していく必要があります。

 当建設業界におきましては、若干の発注遅れはあるものの土木分野は高速道路の老朽化に伴う維持更新事業や暫定2車線区間の4車線化事業など社会インフラ整備を中心に堅調に推移しました。土木分野の先行きにつきましては、従来の公共事業関係費に加え、2021年度からスタートした政府主導の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(令和2年12月)」や高速道路会社の「中期事業見通し」、国土交通省の令和6年度道路関係予算概算要求の内訳などから、引き続きインフラ老朽化対策など必要性の高い事業を中心に底堅く推移していくと見込まれます。

 一方で、建築分野につきましては、主に首都圏を中心とした再開発事業が順調に進んでおり、市場全体の縮小には至らないと予想しておりますが、資機材や製品輸送費の高騰など建設コストは総じて高い価格水準で推移しており、生産性の向上や収益の確保に向けた施策が必須となっております。

 このような経営環境のもと、当社グループは「新たな成長戦略に向けた経営リソース(人材、技術・生産設備、財務)の拡充」をメインテーマとした第5次中期経営計画「VISION2030」の3年目を迎え、これまでに整備した環境を体系的に結合し、新たな時代要求に対して「飛躍」するため、第Ⅱ期目となる九州小竹工場リニューアル工事を計画通りに進めるとともに、カーボンフリーに向けた生産現場の低炭素化を推進するための具体的なアクションのスタート、連結子会社である駿河技建㈱を核としたメンテナンス事業の拡大、ワークライフバランスの充実のための生産現場のリ・ブランディングの推進など経営リソースの充実に取り組みながら企業活動を行ってまいりました。

 さらに、健康に関する福利厚生制度の充実と取り組みの実施、専門部署によるスピード感のあるDXの推進、「SDGs」の全社的展開を通じた社会的な企業価値の向上のための取り組み等、生産性の向上とあわせて社員及び協力会社従業員の働き方改革の実現に向けて様々な施策を実施してまいりました。

 

a.財政状態

 当第2四半期連結会計期間末における資産合計は29,115百万円となり、前連結会計年度末に比べ324百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、現金預金が437百万円、未収消費税等が613百万円減少したものの、受取手形、完成工事未収入金等及び契約資産が922百万円、未成工事支出金が213百万円、有形固定資産が232百万円増加したことであります。

 負債合計は19,427百万円となり、前連結会計年度末に比べ564百万円の増加となりました。主な要因といたしましては、支払手形及び工事未払金が852百万円、電子記録債務が303百万円減少したものの、短期借入金が519百万円、長期借入金が1,046百万円増加したことであります。

 純資産合計は9,687百万円となり、前連結会計年度末に比べ240百万円の減少となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する四半期純損失90百万円の計上、剰余金の配当162百万円の支払いによるものであります。

 

b.経営成績

 当第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、受注高は、15,234百万円(前年同四半期比7.5%増)となりました。売上高につきましては、一部工事の着工遅延や一時中止などによる影響から11,877百万円(前年同四半期比9.5%減)となりました。損益につきましては、売上高の減少に加え工事採算性の悪化から営業損失176百万円(前年同四半期は営業利益214百万円)、経常損失178百万円(前年同四半期は経常利益228百万円)となりました。また、国道拡幅に伴う土地の収用に係る補償金の一部受領分を特別利益に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は90百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益101百万円)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①土木事業
 土木事業は、工事の大型化・長期化の傾向がより強まる中で、長期の大型手持ち工事の確保と中・短期的な工事確保による安定経営を目指し公入札、民間受注活動を進めました。当第2四半期連結累計期間においては、NEXCO各社が進めている橋梁修繕工事でNEXCO中日本発注の西湘バイパス滄浪橋他1橋塩害対策工事を共同企業体で受注し、また同じくNEXCO各社が進める4車線化工事ではNEXCO西日本発注の東九州道臼杵川橋他1橋上部工事を単独で受注しました。この他、本社所在地の九州地区において、国土交通省九州地方整備局、および福岡県発注のPC上部工工事において、当社所有のPC工場で製作する製品を使用する工事を受注するなど、鋭意公入札への参加を進めてまいりました。また名古屋地区では大手ゼネコンが受注したNEXCO発注の大型下部工拡幅工事においてPCケーブルを使用する補強工事を下請で受注し、一方で、工場製品のプレキャストPC床版も民間営業を推し進め、受注に至りました。しかしながら、当第2四半期連結会計期間に受注を予定していたNEXCO発注の大型ECI工事の契約が、詳細設計に時間を要しているため第4四半期連結会計期間以降の契約予定となったことや前第2四半期累計期間における大型工事受注による反動などもあり、受注高は10,812百万円(前年同四半期比3.4%減)となりました。

 売上高につきましては、現場施工、製品製作も概ね順調に進みましたが、一部の大型工事において工事着工までに時間を要したことによる進捗の遅れの影響が残り、当第2四半期連結累計期間においては8,945百万円(前年同四半期比11.1%減)となりました。

 セグメント利益につきましては、売上高の減少に加え、採算性の高い工事の進捗が想定以上に遅延したことや、民間工事における原材料・労務費などの建設コスト高騰の影響などにより965百万円(前年同四半期比31.0%減)となりました。

 

②建築事業

 建築事業は、遅れていた関東地区の大型再開発事業の受注に加えて、関西・中部地区におけるマンション事業の発注が順調に推移したことで受注高は4,156百万円(前年同四半期比53.2%増)となりました。

 売上高につきましては、関西・中部地区で耐震補強工事等の進捗好転がありましたが、関東地区の大型再開発現場において元請都合による工事中断の影響を受け、2,799百万円(前年同四半期比4.5%減)となりました。

 セグメント利益につきましては、採算性の高い工事の進捗が順調に推移したことで360百万円(前年同四半期比25.7%増)となりました。

 

③不動産賃貸事業

 不動産賃貸事業は、テナント獲得競争は依然として継続しているものの、安定した入居率の確保を目指して営業活動を展開した結果、受注高は264百万円(前年同四半期比3.8%増)、売上高は132百万円(前年同四半期比5.8%増)となりました。

 セグメント利益につきましては、79百万円(前年同四半期比13.2%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ437百万円減少し、1,883百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、使用した資金は1,265百万円(前年同四半期は919百万円の使用)となりました。資金増加の主な要因は、減価償却費の計上、未収消費税の減少によるものであります。資金減少の主な要因は、売上債権、未成工事支出金の増加、仕入債務の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は588百万円(前年同四半期は340百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、獲得した資金は1,416百万円(前年同四半期は95百万円の使用)となりました。収入の主な要因は、借入金の増加によるものであります。支出の主な要因は、長期借入金の返済、配当金の支払いであります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 なお、当第2四半期連結累計期間における土木事業及び建築事業の研究開発費総額は72百万円であり、不動産賃貸事業及びその他につきましては、研究開発活動は行っておりません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。