文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、鉄道を中心とした地域の交通インフラなど公共性の高い建設事業を柱に社会資本の整備を担う企業として、「安全・安心」を常に最優先とする企業風土を構築し、地域社会の発展に貢献してまいります。また、環境変化に耐える技術革新や幅広い人材育成に努め、高品質で安全性に優れ、心から喜んでもらえる成果物を提供することで、お客様からの高い満足と信頼を獲得し、社会とともに発展し続ける企業づくりに邁進してまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2018年度を初年度とする「中期経営計画 D-VISION2020(2018年度~2020年度)」を策定し、以下の中期経営目標を掲げております。
〔中期経営目標(2020年度の経営目標)〕
①安全目標 「命に関わる事故の撲滅」
②ワークスタイル変革目標 「現場での4週8休の実現」
③売上高・利益目標 「売上高520億円 営業利益60億円」
④株主還元目標 「総還元性向25%以上」
(3) 経営環境、経営戦略及び対処すべき課題
建設業界は、構造物の老朽化、防災・減災の推進などによる公共工事を主体とした建設市場の構造変化に加え、慢性的な労働力不足、労務費や原材料費の高騰による採算性の低下など、依然として厳しい経営環境が続くものと予測されます。さらには、内部環境として、次世代を担う人材の育成が重要な課題となっております。
当社が目指す方向は、いかなる環境変化に対しても的確に対応できる強固な経営基盤を構築し、高い技術力、企画提案力、優れた品質などにより、お客様、株主・投資家様、地域の皆様、社員など全てのステークホルダーの皆様から、信頼と期待を受け発展し続ける企業となることであります。そのため、当社は、「安全を最優先する企業」、「顧客満足を大切にする企業」、「株主・投資家様からの期待に応えられる企業」、「地域社会の皆様から信頼される企業」、「社員を大切にする企業」を目指し、以下に掲げる個別課題の解決に取り組んでまいります。
① 鉄道の安全・安定輸送の一翼を担う責務として「安全を最優先する企業」及び「安全ルールの遵守」に徹底して取り組むことによって、地域社会やお客様から信頼される企業を目指してまいります。
② 建設事業をとおして地域社会やお客様から信頼されるパートナーとして、環境を大切にし自然との共生を図りながら、地域社会の発展に貢献してまいります。また、社会的信用や信頼の獲得を目標に、コンプライアンスを徹底し、CSR(企業の社会的責任)を自覚した行動に努めてまいります。
③ 経営環境が激変するなか、受注獲得に向け、新しい技術・工法の導入及び商品開発や企画提案技術の向上に積極的に取り組み、技術及び品質で高い評価をいただける技術集団を目指してまいります。
④ お客様のニーズを的確に把握した企画提案や優れた技術、品質、コストパフォーマンスの提供に努め、お客様が期待する水準以上の提案や最高の成果物を提供し、お客様満足度の向上に取り組んでまいります。
⑤ 線路メンテナンス工事に使用する大型保線機械は、定期的な設備更新が必要であります。そのため、単年度の経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼさないよう、計画的に更新を実施してまいります。
当社の経営成績及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、主として以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 建設市場の動向
当社の受注・売上高は国内の建設投資動向による影響を受けるため、今後想定以上に官公庁及び民間建設投資が急激に減少した場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 工事事故の発生
当社は工事の施工に際しては、鉄道工事を始めとして公共性の高い事業が多いことから「安全の確保」を最優先した取り組みを実施しておりますが、万が一死亡に直結する等の重大事故が発生した場合、発注者からの信用・信頼の失墜につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料価格の高騰
主要建設資材等が急激に高騰し、請負金額に反映することが困難で価格へ転嫁できない場合や想定以上に材料費や労務費等の価格が急騰したときは業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 施工物の瑕疵等
当社は建設事業者として、品質管理等につきましては厳密な管理を期しておりますが、重大な瑕疵が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的規制等
当社の事業は、建設業法、建築基準法、労働安全衛生法、独占禁止法、宅地建物取引業法等の法的規制を受けております。これらの法律の改廃、法的規制の新設、運用基準の変更等により、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法令遵守違反等のリスク
当社は法令遵守の徹底を図るために「企業倫理規則」、「倫理・法令遵守委員会規則」の制定及び「倫理・法令遵守委員会」の活動や各種マニュアルの作成、教育を通じ、役員・社員に徹底した法令遵守への取り組みを行っております。しかし、何らかの理由で、法令遵守違反等が発生した場合に社会的信用及び信頼を損なう等、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 信用リスク
当社は取引先の与信管理を行いリスク回避に努めておりますが、予想されない取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、工事施工中に協力会社や共同施工会社が倒産等に陥った場合には、工期に影響を及ぼすとともに予定外の費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定の取引先への依存度について
当社は、鉄道工事に特性を有する総合建設業であり、東日本旅客鉄道株式会社からの売上高の比率が高くなっております。このことは、当社が創業以来、培ってきた鉄道工事における専門技術力と永年にわたる同社との信頼関係によるものであります。
しかしながら、同社が何らかの理由により設備投資額又は当社との取引を削減しなければならなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善等を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
建設業界におきましては、公共建設投資は政府の経済政策等により比較的堅調に推移し、民間建設投資は企業収益の改善等を背景に堅調に推移しました。
このような状況のなかで当社は、最良の総合品質の提供によりお客様満足の向上を目指すとともに、目標達成に向け、技術力の向上や厳密な原価管理等に取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度における財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末比5億5千万円(0.8%増)増加の690億8千5百万円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比23億7千2百万円(20.3%減)減少の93億円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末比29億2千3百万円(5.1%増)増加の597億8千4百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度における売上高は、前事業年度比7億7千6百万円(1.5%減)減収の498億3千9百万円となりました。利益につきましては、営業利益が前事業年度比10億4千9百万円(17.2%減)減益の50億6千7百万円、経常利益が前事業年度比10億1千1百万円(15.9%減)減益の53億3千4百万円、当期純利益が前事業年度比8億3千2百万円(18.6%減)減益の36億3千万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(建設事業)
建設事業受注高は、前事業年度比3億2千5百万円(0.7%減)減少の488億1千9百万円となりました。建設事業売上高は、前事業年度比7億8千3百万円(1.6%減)減収の490億6千8百万円となりました。また、セグメント利益は、前事業年度比10億4千9百万円(18.0%減)減益の47億8千1百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業売上高は、前事業年度比6百万円(0.9%増)増収の7億7千1百万円となりました。また、セグメント利益は、前事業年度比0.2百万円(0.1%増)増益の2億8千6百万円となりました。
(注) 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における各項目の金額には、消費税等は含まれておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、仕入債務の減少や有形固定資産及び投資有価証券の取得による支出等の要因により一部相殺されたものの、売上債権が前事業年度比49億6千3百万円(291.9%減)減少の32億6千2百万円と大幅に減少したこと等により、前事業年度末比34億4千万円(16.5%増)増加の243億3千9百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前事業年度比14億1千2百万円(31.5%増)増加の58億9千5百万円となりました。これは、売上債権の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前事業年度比3億9百万円(15.2%減)減少の17億3千5百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出及び投資有価証券の取得による支出の減少等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前事業年度比1億7千6百万円(32.4%増)増加の7億1千9百万円となりました。これは、自己株式の取得等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
|
セグメントの名称 |
前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (千円) |
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (千円) |
|
建設事業 |
49,145,397 |
48,819,944( 0.7%減) |
|
不動産事業 |
764,442 |
771,384( 0.9%増) |
|
合計 |
49,909,840 |
49,591,329( 0.6%減) |
b.売上実績
|
セグメントの名称 |
前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (千円) |
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (千円) |
|
建設事業 |
49,851,696 |
49,068,331( 1.6%減) |
|
不動産事業 |
764,442 |
771,384( 0.9%増) |
|
合計 |
50,616,139 |
49,839,715( 1.5%減) |
(注)1.当社では生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
||
|
建設事業 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
38,151,058 |
75.4 |
36,953,957 |
74.1 |
なお、参考のため建設事業の実績は、次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
1) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
区分 |
前期繰越 工事高 (千円) |
当期受注 工事高 (千円) |
計
(千円) |
当期完成 工事高 (千円) |
次期繰越 工事高 (千円) |
|
前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
土木工事 |
8,245,613 |
35,293,857 |
43,539,471 |
35,391,148 |
8,148,322 |
|
建築工事 |
6,809,011 |
13,851,540 |
20,660,551 |
14,460,548 |
6,200,002 |
|
|
計 |
15,054,624 |
49,145,397 |
64,200,022 |
49,851,696 |
14,348,325 |
|
|
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
土木工事 |
8,148,322 |
33,965,850 |
42,114,173 |
35,204,693 |
6,909,479 |
|
建築工事 |
6,200,002 |
14,854,094 |
21,054,097 |
13,863,637 |
7,190,459 |
|
|
計 |
14,348,325 |
48,819,944 |
63,168,270 |
49,068,331 |
14,099,939 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがいまして、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致いたします。
2) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
土木工事 |
85.5 |
14.5 |
100 |
|
建築工事 |
50.5 |
49.5 |
100 |
|
|
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
土木工事 |
90.8 |
9.2 |
100 |
|
建築工事 |
74.1 |
25.9 |
100 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
3) 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
土木工事 |
873,990 |
34,517,158 |
35,391,148 |
|
建築工事 |
629,267 |
13,831,280 |
14,460,548 |
|
|
計 |
1,503,257 |
48,348,439 |
49,851,696 |
|
|
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
土木工事 |
1,227,259 |
33,977,434 |
35,204,693 |
|
建築工事 |
617,161 |
13,246,476 |
13,863,637 |
|
|
計 |
1,844,421 |
47,223,910 |
49,068,331 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額6億円以上の主なもの
|
発注者 |
工事件名 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
秋田支社ビル新築他 |
|
東急不動産株式会社 |
(仮称)豊島区長崎三丁目計画新築工事(全体工事) |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
新酒田寮新築 |
|
近鉄不動産株式会社 |
(仮称)杉並区松庵二丁目PJ建設工事 |
|
伊藤忠商事株式会社・伊藤忠都市開発株式会社 |
(仮称)文京区本郷7丁目計画新築工事 |
当事業年度 請負金額11億円以上の主なもの
|
発注者 |
工事件名 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
長野・上越妙高間防音壁吸音板設置その他工事 |
|
双日新都市開発株式会社・三信住建株 式会社 |
(仮称)青葉区荏田町マンション新築工事 |
|
株式会社相鉄アーバンクリエイツ |
相鉄三ツ境ビルA棟全館活性化工事 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
奥羽本線茂吉記念館前・蔵王間黒沢高架橋4車線化工事 |
|
東日本旅客鉄道株式会社・公益財団法 人東日本鉄道文化財団 |
鉄道博物館新館新築・本館改修他工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
|
前事業年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||||
|
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
38,151,058 |
76.5 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
36,953,957 |
75.3 |
4) 次期繰越工事高(2019年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
土木工事 |
955,390 |
5,954,089 |
6,909,479 |
|
建築工事 |
- |
7,190,459 |
7,190,459 |
|
計 |
955,390 |
13,144,548 |
14,099,939 |
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
|
発注者 |
工事件名 |
完成予定 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
(仮称)新潟支社ビル新築 |
2020年10月 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
秋田体育館新築工事 |
2020年1月 |
|
伊藤忠都市開発株式会社 |
(仮称)湯島三丁目新築工事 |
2019年11月 |
|
東急不動産株式会社 |
(仮称)西荻南三丁目計画新築工事 |
2021年1月 |
|
東北農政局 |
岩手山麓農業水利事業導水路建設工事 |
2021年3月 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の金額に反映されております。
これらの見積りにつきましては、過去の実績等を踏まえながら継続して評価し、必要に応じ見直しを行っておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末比5億5千万円(0.8%増)増加の690億8千5百万円となりました。この主な要因は、以下のとおりであります。
流動資産合計は、期末完成引渡し工事の減少等による完成工事未収入金の減少があったものの、現金預金の増加等により、前事業年度末比4億9百万円(0.9%増)増加の456億3千2百万円となりました。
また、固定資産合計は、投資有価証券の購入等による投資その他の資産の増加等により、前事業年度末比1億4千1百万円(0.6%増)増加の234億5千3百万円となりました。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比23億7千2百万円(20.3%減)減少の93億円となりました。この主な要因は、以下のとおりであります。
流動負債合計は、支払手形の減少や、施工高の減少による工事未払金の減少等により、前事業年度末比24億7千8百万円(25.7%減)減少の71億8千万円となりました。
また、固定負債合計は、退職給付引当金の増加等により、前事業年度末比1億5百万円(5.3%増)増加の21億2千万円となりました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は、当期純利益を主な要因として、前事業年度末比29億2千3百万円(5.1%増)増加の597億8千4百万円となりました。
2) 経営成績
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度からの繰越工事の施工高が減少したこと等により、前事業年度比7億7千6百万円(1.5%減)減収の498億3千9百万円となりました。
(売上総利益・営業利益)
売上総利益は、売上高の減少や完成工事総利益率の低下等により、前事業年度比8億4千1百万円(9.5%減)減益の80億3千7百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費や調査研究費の増加等により、前事業年度比2億7百万円(7.5%増)増加の29億6千9百万円となりました。
この結果、営業利益は、前事業年度比10億4千9百万円(17.2%減)減益の50億6千7百万円となりました。
(経常利益・当期純利益)
経常利益は、営業利益の減益を主な要因として、前事業年度比10億1千1百万円(15.9%減)減益の53億3千4百万円となりました。
また、当期純利益は、前事業年度比8億3千2百万円(18.6%減)減益の36億3千万円となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営に影響を与える大きな要因としては、建設市場の動向、工事事故の発生、原材料価格の高騰、施工物の瑕疵等があります。
建設市場の動向については、慢性的な労働力不足や原材料費の高騰等による採算性の低下など、依然として厳しい経営環境が続くものと認識しております。このような状況のなかで当社は、受注獲得に向けた新技術・工法の導入及び商品開発や企画提案技術の向上に積極的に取り組み、技術及び品質で高い評価をいただける技術集団を目指してまいります。
工事事故の発生については、当社は、鉄道工事を基盤とする総合建設業を営む者として、「安全・安心」を常に最優先に考え行動する企業風土を構築し、経営に重大な影響を与えるような事故の発生防止に努めてまいります。
原材料価格の高騰については、協力会社等への直近の発注状況や原材料価格動向を注視することなどにより、請負金額への反映に努めるとともに、協力会社等との関係を強化し、情報交換を密にすることなどにより、更なるコスト削減に努めてまいります。
施工物の瑕疵等については、これまでの厳密な品質管理を継続し、経営に重大な影響を与えるような瑕疵等の発生防止に努めてまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
1) 資金需要
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、建設事業に関わる資機材・外注等の原価費用、不動産事業に関わる管理費・営繕費等の不動産事業費用、各事業についての一般管理費等があります。
また、設備資金需要としては、事業用建物や線路メンテナンス工事用大型保線機械等の固定資産投資と、賃貸物件等の不動産事業投資に加え、情報処理のための無形固定資産投資等があります。
2) 財政政策
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、手許流動性資金を相当程度保有し、運転資金及び投資資金につきましては、本社(経理財務部)において一元管理しております。
現時点においては、金融機関等からの借入はなく、手元流動性資金も相当程度保有できているため、当社事業の維持拡大に必要な運転・設備資金の確保は今後も可能であると考えております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載したとおり、2018年度を初年度とする「中期経営計画 D-VISION2020(2018年度~2020年度)」を策定し、2020年度の売上利益目標として売上高520億円、営業利益60億円、株主還元目標として総還元性向25%以上という数値目標を掲げております。
この経営目標を達成すべく、安全性の向上、品質の向上、技術力の向上、コストダウンといった重点課題に積極的に取り組んでまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(建設事業)
建設事業受注高は、前事業年度比3億2千5百万円(0.7%減)減少の488億1千9百万円となりました。建設事業売上高は、前事業年度からの繰越工事の施工高が減少したこと等により、前事業年度比7億8千3百万円(1.6%減)減収の490億6千8百万円となりました。
セグメント利益は、売上高の減少や完成工事総利益率の低下等により、前事業年度比10億4千9百万円(18.0%減)減益の47億8千1百万円となりました。
セグメント資産は、期末完成引渡し工事の減少等による完成工事未収入金の減少等により、前事業年度末比32億1千万円(10.5%減)減少の274億1千万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業売上高は、販売用不動産の売却等により、前事業年度比6百万円(0.9%増)増収の7億7千1百万円となりました。
セグメント利益は、前事業年度比0.2百万円(0.1%増)増益の2億8千6百万円となりました。
セグメント資産は、減価償却による有形固定資産の減少等により、前事業年度末比1億7千4百万円(2.8%減)減少の60億5千6百万円となりました。
特記事項はありません。
当事業年度における研究開発費の総額は
(建設事業)
土木部門において、コンクリート補修補強技術である「Sto乾式吹付け工法」の品質向上に向けた調査研究を岩手大学と共同で実施しました。また、当社が開発した仮締切り工法であるD-flip工法において、更なる作業効率の向上とコストダウンに取り組みました。
線路部門において、線路メンテナンス工事の効率化及び省力化を図るとともに鉄道の安全・安定輸送を守るため、保線作業における機械化施工及び技術水準の向上を目指した開発に取り組みました。
当事業年度における研究開発費は
(不動産事業)
研究開発活動は、特段行われておりません。