文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、鉄道を中心とした地域の交通インフラなど公共性の高い建設事業を柱に社会資本の整備を担う企業として、「安全・安心」を常に最優先とする企業風土を構築し、地域社会の発展に貢献してまいります。また、環境変化に対応する技術革新や幅広い人材育成に努め、高品質で安全性に優れた成果物を提供することで、お客様からの高い満足と信頼を獲得し、社会とともに発展し続ける企業づくりに邁進してまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2021年度を初年度とする「中期経営計画 D-Vision2025(2021年度~2025年度)」を策定し、以下の中期経営目標を掲げております。
〔中期経営目標(2025年度の経営目標)〕
①売上高・利益目標 「売上高550億円 営業利益60億円」
②総還元性向目標 「30%以上」
③ROA目標 「5.0%」
④投資計画 「営業CF300億円」
内訳 維持更新投資120億円
戦略事業投資 90億円
事業環境投資 50億円
株主還元 40億円
(3) 経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき課題
建設業界は、構造物の老朽化、防災・減災の推進などによる公共工事を主体とした建設市場の構造変化に加え、慢性的な労働力不足、労務費や原材料費の高騰による採算性の低下など、依然として厳しい経営環境が続くものと予測されます。さらには、内部環境として、次世代を担う人材の育成が重要な課題となっております。
当社が目指す方向は、いかなる環境変化に対しても的確に対応できる強固な経営基盤を構築し、高い技術力、企画提案力、優れた品質などにより、お客様、株主・投資家様、地域の皆様、社員など全てのステークホルダーの皆様から、信頼と期待を受け発展し続ける企業となることであります。そのため、当社は、「安全を最優先する企業」、「顧客満足を大切にする企業」、「株主・投資家様からの期待に応えられる企業」、「地域社会の皆様から信頼される企業」、「社員を大切にする企業」を目指し、以下に掲げる個別課題の解決に取り組んでまいります。
① 鉄道の安全・安定輸送の一翼を担う責務として「安全を最優先する企業」及び「安全ルールの遵守」に徹底して取り組むことによって、地域社会やお客様から信頼される企業を目指してまいります。
② 建設事業を通じて地域社会やお客様から信頼されるパートナーとして、環境を大切にし自然との共生を図りながら、地域社会の発展に貢献してまいります。また、社会的信用や信頼の獲得を目標に、コンプライアンスを徹底し、CSR(企業の社会的責任)を自覚した行動に努めてまいります。
③ 経営環境が激変するなか、受注獲得に向け、新しい技術・工法の導入及び商品開発や企画提案技術の向上に積極的に取り組み、技術及び品質で高い評価をいただける技術集団を目指してまいります。
④ お客様のニーズを的確に把握した企画提案や優れた技術、品質、コストパフォーマンスの提供に努め、お客様が期待する水準以上の提案や最高の成果物を提供し、お客様満足度の向上に取り組んでまいります。
⑤ 線路メンテナンス工事に使用する大型保線機械は、定期的な設備更新が必要であります。そのため、単年度の経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼさないよう、計画的に更新を実施してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症により、企業収益の悪化による投資動向への影響は大きく、受注動向に重要な影響を及ぼすことから、引き続き受注動向を注視しながら適宜対策を講じてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、この有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 建設市場の動向
当社の受注・売上高は国内の建設投資動向による影響を受けるため、今後想定以上に官公庁及び民間建設投資が急激に減少した場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 工事事故の発生
当社は工事の施工に際しては、鉄道工事を始めとして公共性の高い事業が多いことから「安全の確保」を最優先した取り組みを実施しておりますが、万が一死亡に直結する等の重大事故が発生した場合、発注者からの信用・信頼の失墜につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料価格の高騰
主要建設資材等が急激に高騰し、請負金額に反映することが困難で価格へ転嫁できない場合や想定以上に材料費や労務費等の価格が急騰したときは業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 施工物の瑕疵等
当社は建設事業者として、品質管理等につきましては厳密な管理を期しておりますが、重大な瑕疵が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的規制等
当社の事業は、建設業法、建築基準法、労働安全衛生法、独占禁止法、宅地建物取引業法等の法的規制を受けております。これらの法律の改廃、法的規制の新設、運用基準の変更等により、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法令遵守違反等のリスク
当社は法令遵守の徹底を図るために「企業倫理規則」、「倫理・法令遵守委員会規則」の制定及び「倫理・法令遵守委員会」の活動や各種マニュアルの作成、教育を通じ、役員・社員に徹底した法令遵守への取り組みを行っております。しかし、何らかの理由で、法令遵守違反等が発生した場合に社会的信用及び信頼を損なう等、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 信用リスク
当社は取引先の与信管理を行いリスク回避に努めておりますが、予想されない取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、工事施工中に協力会社や共同施工会社が倒産等に陥った場合には、工期に影響を及ぼすとともに予定外の費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定の取引先への依存度について
当社は、鉄道工事に特性を有する総合建設業であり、東日本旅客鉄道株式会社からの売上高の比率が高くなっております。このことは、当社が創業以来、培ってきた鉄道工事における専門技術力と永年にわたる同社との信頼関係によるものであります。
しかしながら、同社が何らかの理由により設備投資額又は当社との取引を削減しなければならなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 新型コロナウイルス感染症に伴うリスク
当社は、社長を本部長とする新型コロナウイルス対策本部を設置しており、お客様や取引先、社員等の安全を第一に考え、不要不急の外出や出張の自粛、在宅勤務(テレワーク)やWeb会議の更なる推進、出勤前の検温やオフピーク通勤等を実施しております。また、新しい生活様式に対応すべく、マスクの着用や手指の消毒、オフィスや会議室等へのパーティションの設置に加え、食事会や懇親会の制限等にも取り組み、リスクの低減を図っております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症により、企業収益の悪化による投資動向への影響は大きく、受注動向に重要な影響を及ぼすとともに、今後、感染者の発生や感染拡大防止対策等により、建設工事の中断や遅延、延期等が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の停滞から徐々に持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の変異株による再拡大に加え、緊迫する世界情勢に伴う原材料価格の高騰や金融資本市場の変動等もあり、先行き不透明な状況が続くものと思われます。
建設業界におきましては、公共建設投資は政府の経済政策等により底堅く推移した一方で、民間建設投資は企業収益の改善もあり持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の変異株による影響や原材料価格の高騰等もあり、依然として厳しい状況が続くものと思われます。
このような状況のなかで当社は、安全を最優先し、最良の総合品質の提供によりお客様満足の向上を目指すとともに、目標達成に向け、技術力の向上や厳密な原価管理等に取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度における財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末比31億1千万円(4.1%減)減少の730億9千7百万円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比43億3千7百万円(36.0%減)減少の76億9千4百万円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末比12億2千6百万円(1.9%増)増加の654億3百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度における売上高は、前事業年度比122億4百万円(22.2%減)減収の427億4千8百万円となりました。利益につきましては、営業利益が前事業年度比23億3千3百万円(45.5%減)減益の27億9千4百万円、経常利益が前事業年度比21億円(38.7%減)減益の33億2千8百万円、当期純利益が前事業年度比11億2千7百万円(30.3%減)減益の25億9千6百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 注記事項(セグメント情報等) 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」に記載のとおり、当事業年度の期首より報告セグメントの利益又は損失の測定方法を変更しております。
(建設事業)
建設事業受注高は、前事業年度比12億8千8百万円(2.7%減)減少の471億8千3百万円となりました。建設事業売上高は、前事業年度比122億2千8百万円(22.6%減)減収の419億5千4百万円となりました。また、セグメント利益は、前事業年度比21億6千4百万円(43.4%減)減益の28億2千4百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業売上高は、前事業年度比2千4百万円(3.1%増)増収の7億9千4百万円となりました。また、セグメント損失は、3千万円(前年同期はセグメント利益1億3千8百万円)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う影響につきましては、一部の工事案件の中止や延期等、受注状況に影響が出ております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の減少等の要因により、前事業年度末比71億9千2百万円(41.4%増)増加の245億4千9百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、104億6千4百万円となりました。これは、売上債権の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、23億1千7百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、9億5千4百万円となりました。これは、配当金の支払い等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
|
セグメントの名称 |
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (千円) |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (千円) |
|
建設事業 |
48,472,358 |
47,183,910(2.7%減) |
|
不動産事業 |
769,875 |
794,026(3.1%増) |
|
合計 |
49,242,234 |
47,977,936(2.6%減) |
b.売上実績
|
セグメントの名称 |
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (千円) |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) (千円) |
|
建設事業 |
54,182,541 |
41,954,348(22.6%減) |
|
不動産事業 |
769,875 |
794,026( 3.1%増) |
|
合計 |
54,952,417 |
42,748,375(22.2%減) |
(注)1.当社では生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
||
|
建設事業 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
40,917,589 |
74.5 |
32,823,971 |
76.8 |
なお、参考のため建設事業の実績は、次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
1) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
区分 |
前期繰越 工事高 (千円) |
当期受注 工事高 (千円) |
計
(千円) |
当期完成 工事高 (千円) |
次期繰越 工事高 (千円) |
|
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
土木工事 |
8,565,383 |
39,760,818 |
48,326,201 |
36,248,555 |
12,077,645 |
|
建築工事 |
12,951,415 |
8,711,540 |
21,662,955 |
17,933,985 |
3,728,970 |
|
|
計 |
21,516,798 |
48,472,358 |
69,989,157 |
54,182,541 |
15,806,616 |
|
|
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
土木工事 |
12,077,645 |
33,956,725 |
46,034,371 |
33,020,014 |
13,014,356 |
|
建築工事 |
3,728,970 |
13,227,184 |
16,956,155 |
8,934,333 |
8,021,821 |
|
|
計 |
15,806,616 |
47,183,910 |
62,990,526 |
41,954,348 |
21,036,177 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがいまして、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致いたします。
2) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
土木工事 |
80.7 |
19.3 |
100 |
|
建築工事 |
70.4 |
29.6 |
100 |
|
|
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
土木工事 |
84.6 |
15.4 |
100 |
|
建築工事 |
50.7 |
49.3 |
100 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
3) 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
土木工事 |
1,855,230 |
34,393,325 |
36,248,555 |
|
建築工事 |
3,581 |
17,930,404 |
17,933,985 |
|
|
計 |
1,858,811 |
52,323,729 |
54,182,541 |
|
|
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
土木工事 |
2,586,765 |
30,433,249 |
33,020,014 |
|
建築工事 |
603,916 |
8,330,417 |
8,934,333 |
|
|
計 |
3,190,681 |
38,763,667 |
41,954,348 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
|
発注者 |
工事件名 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
(仮称)新潟支社ビル新築 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
新仙台寮新築その他工事 |
|
小田急不動産株式会社・大和ハウス工業株式会社・三菱地所レジデンス株式会社 |
(仮称)渋谷区上原三丁目マンション計画新築工事 |
|
東急不動産株式会社・三菱地所レジデンス株式会社・株式会社サンウッド・三信住建株式会社 |
(仮称)渋谷区代々木三丁目計画新築工事 |
|
東急不動産株式会社 |
(仮称)西荻南三丁目計画新築工事 |
当事業年度
|
発注者 |
工事件名 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
上越新幹線燕三条新潟間堤高架橋耐震補強 |
|
三菱地所レジデンス株式会社・丸紅株式会社 |
文京区本郷4丁目計画新築工事 |
|
伊藤忠都市開発株式会社 |
(仮称)台東3丁目 プロジェクト 新築工事 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
東能代寮新築他工事 |
|
株式会社ジェイアール東日本都市開発 |
武蔵中原SCリニューアル撤去・改修工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
|
前事業年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||||
|
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
40,917,589 |
75.5 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
32,823,971 |
78.2 |
4) 次期繰越工事高(2022年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
土木工事 |
1,324,264 |
11,690,091 |
13,014,356 |
|
建築工事 |
659,396 |
7,362,424 |
8,021,821 |
|
計 |
1,983,660 |
19,052,516 |
21,036,177 |
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
|
発注者 |
工事件名 |
完成予定 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
秋田貨物駅構内こ道橋新設工事 |
2025年8月 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
幹:燕三条旅客上家1号屋根改良 |
2023年3月 |
|
東北農政局 |
岩手山麓農業水利事業導水路建設工事 |
2023年2月 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
村井橋上駅本屋新築その他工事 |
2024年2月 |
|
伊藤忠都市開発株式会社 |
(仮称)新御徒町計画 新築工事 |
2024年1月 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末比31億1千万円(4.1%減)減少の730億9千7百万円となりました。この主な要因は、以下のとおりであります。
流動資産合計は、短期の資金繰り運用である有価証券の増加等があったものの、期末施工高の減少による完成工事未収入金等の減少により、前事業年度末比20億2千3百万円(4.2%減)減少の461億6千万円となりました。
また、固定資産合計は、有形固定資産の減少や投資有価証券の減少等により、前事業年度末比10億8千7百万円(3.9%減)減少の269億3千7百万円となりました。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比43億3千7百万円(36.0%減)減少の76億9千4百万円となりました。この主な要因は、以下のとおりであります。
流動負債合計は、有形固定資産の購入に伴う未払金の減少等により、前事業年度末比27億3千9百万円(29.1%減)減少の66億6千7百万円となりました。
また、固定負債合計は、退職給付信託の設定による退職給付引当金の減少等により、前事業年度末比15億9千7百万円(60.9%減)減少の10億2千6百万円となりました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は、当期純利益を主な要因として、前事業年度末比12億2千6百万円(1.9%増)増加の654億3百万円となりました。
2) 経営成績
(売上高)
当事業年度の売上高は、大型建築物件の減少等により、前事業年度比122億4百万円(22.2%減)減収の427億4千8百万円となりました。
(売上総利益・営業利益)
売上総利益は、売上高の減少や完成工事総利益率の低下等により、前事業年度比26億1千5百万円(31.0%減)減益の58億3千1百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、広告宣伝費や人件費の減少等により、前事業年度比2億8千2百万円(8.5%減)減少の30億3千6百万円となりました。
この結果、営業利益は、前事業年度比23億3千3百万円(45.5%減)減益の27億9千4百万円となりました。
(経常利益・当期純利益)
経常利益は、営業利益の減益を主な要因として、前事業年度比21億円(38.7%減)減益の33億2千8百万円となりました。
また、当期純利益は、前事業年度比11億2千7百万円(30.3%減)減益の25億9千6百万円となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う影響につきましては、一部の工事案件の中止や延期等、受注状況に
影響が出ております。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営に影響を与える大きな要因としては、建設市場の動向、工事事故の発生、原材料価格の高騰、施工物の瑕疵等があります。
建設市場の動向については、慢性的な労働力不足や原材料費の高騰等による採算性の低下など、依然として厳しい経営環境が続くものと認識しております。このような状況のなかで当社は、受注獲得に向けた新技術・工法の導入及び商品開発や企画提案技術の向上に積極的に取り組み、技術及び品質で高い評価をいただける技術集団を目指してまいります。
工事事故の発生については、当社は、鉄道工事を基盤とする総合建設業を営む者として、「安全・安心」を常に最優先に考え行動する企業風土を構築し、経営に重大な影響を与えるような事故の発生防止に努めてまいります。
原材料価格の高騰については、協力会社等への直近の発注状況や原材料価格動向を注視することなどにより、請負金額への反映に努めるとともに、協力会社等との関係を強化し、情報交換を密にすることなどにより、更なるコスト削減に努めてまいります。
施工物の瑕疵等については、これまでの厳密な品質管理を継続し、経営に重大な影響を与えるような瑕疵等の発生防止に努めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症により、企業収益の悪化による投資動向への影響は大きく、受注動向に重要な影響を及ぼすことから、引き続き受注動向を注視しながら適宜対策を講じてまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載したとおり、2021年度を初年度とする「中期経営計画 D-Vision2025(2021年度~2025年度)」を策定し、2025年度までの売上利益目標として売上高550億円、営業利益60億円、総還元性向30%以上、ROA5.0%、投資計画(5年間)として300億円という数値目標を掲げております。
この経営目標を達成すべく、安全性の向上、品質の向上、技術力の向上、株主還元といった重点課題に積極的に取り組んでまいります。
〔中期経営計画の進捗状況〕
売上高・利益・総還元性向・ROA目標 (単位:億円)
|
指標 |
2021年度(実績) |
2022年度(予想) |
中期経営目標 |
|
売上高 |
427 |
450 |
550 |
|
営業利益 |
27 |
31 |
60 |
|
総還元性向(%) |
42.9% |
37.8% |
30%以上 |
|
ROA(%) |
3.5% |
3.3% |
5.0% |
なお、2021年度(実績)及び2022年度(予想)の総還元性向につきましては、2022年5月11日に公表いたしました「自己株式の取得に関するお知らせ」に記載されております株式の総数または取得価額の総額の上限まで取得したと仮定した数値で記載しております。
また、中期経営計画につきましては、今後の業績等も踏まえアップデートする可能性があります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(建設事業)
建設事業受注高は、前事業年度比12億8千8百万円(2.7%減)減少の471億8千3百万円となりました。建設事業売上高は、大型建築物件の減少等により、前事業年度比122億2千8百万円(22.6%減)減収の419億5千4百万円となりました。
セグメント利益は、売上高の減少や完成工事総利益率の低下等により、前事業年度比21億6千4百万円(43.4%減)減益の28億2千4百万円となりました。
セグメント資産は、期末施工高の減少による完成工事未収入金の減少等により、前事業年度末比99億2千6百万円(23.8%減)減少の317億9千8百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業売上高は、賃貸用不動産の売上高が増加したことにより、前事業年度比2千4百万円(3.1%増)増収の7億9千4百万円となりました。
セグメント損失は、3千万円(前年同期はセグメント利益1億3千8百万円)となりました。これは、賃貸用不動産の解体費用の発生を主な要因としたものであります。
セグメント資産は、建物取得による有形固定資産の増加等により、前事業年度末比2億4百万円(2.8%増)増加の74億4千8百万円となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う影響につきましては、一部の工事案件の中止や延期等、受注状況に影
響が出ております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
1) 資金需要の動向
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、建設事業に関わる資機材・外注等の原価費用、不動産事業に関わる管理費・営繕費等の不動産事業費用、各事業についての一般管理費等があります。
また、設備資金需要としては、事業用建物や線路メンテナンス工事用大型保線機械等の固定資産投資と、賃貸物件等の不動産事業投資に加え、情報処理のための無形固定資産投資等があります。
2) 財政政策
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、手許流動性資金を相当程度保有し、運転資金及び投資資金につきましては、本社(経理財務部)において一元管理しております。
現時点においては、金融機関等からの借入はなく、手許流動性資金も相当程度保有できているため、今般の新型コロナウイルス感染症の影響による不測の事態が生じた場合であっても、当面の資金繰りには支障は無いものと考えております。よって、当社事業の維持拡大に必要な運転・設備資金の確保は今後も可能であると考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の金額に反映されております。
これらの見積りにつきましては、過去の実績等を踏まえながら継続して評価し、必要に応じ見直しを行っておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社が財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に記載のとおりでありますが、特に、「5.収益及び費用の計上基準」にある一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による収益認識については、財務諸表の作成における見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による収益認識)
当事業年度末までの工事進捗部分について履行義務の充足が認められる工事については、主として一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法により収益を認識しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び当事業年度末における履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積る必要があります。一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法により認識される収益の計上の基礎となる工事原価総額の見積りには、作業内容や工数等の不確実性を伴うものが含まれているため、当社の業績を変動させる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、重要な工事現場の閉所・工期の延期等は生じていないことから当事業年度の財務諸表には重要な影響を及ぼすものではないと判断し、一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法の見積りや、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損等の会計上の見積りを行っております。
特記事項はありません。
当事業年度における研究開発費の総額は1億4千1百万円であります。セグメントごとの研究開発費は、次のとおりであります。
(建設事業)
土木部門において、将来的な新幹線大規模改修に向け開発した、高架橋移動式外足場の実証実験に取り組みました。また、当社が開発した仮締切り工法であるD-flip工法において、更なるコストダウンを目指した実験に取り組みました。
線路部門において、少子高齢化に伴う従事者不足が加速するなか、鉄道の安全・安定輸送を確保するため、更なる機械化による保線作業の省力化及び効率化を目指した開発に取り組みました。
(不動産事業)
研究開発活動は、特段行われておりません。