文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、鉄道を中心とした地域の交通インフラなど公共性の高い建設事業を柱に社会資本の整備を担う企業として、「安全・安心」を常に最優先とする企業風土を構築し、地域社会の発展に貢献してまいります。また、環境変化に対応する技術革新や幅広い人材育成に努め、高品質で安全性に優れた成果物を提供することで、お客様からの高い満足と信頼を獲得し、社会とともに発展し続ける企業づくりに邁進してまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2024年度を初年度とする「中期経営計画 変革2028(2024年度~2028年度)」を策定し、以下の中期経営目標を掲げております。なお、設備投資・人的資本投資の強化を図るため、中期経営計画の目標値等の見直しを検討してまいります。
〔中期経営目標(2028年度の経営目標)〕
①売上高・利益目標 「売上高560億円 営業利益50億円」
②配当性向 「50.0%以上」
③総還元性向目標 「100%以上(各年)」
④ROE目標 「5.0%」
⑤投資計画 「営業CF260億円」
内訳 戦略事業投資110億円
維持更新投資 70億円
株主還元 80億円以上
(3) 経営環境、経営戦略及び優先的に対処すべき課題
建設業界におきましては、公共建設投資及び民間建設投資は底堅く推移することが見込まれるものの、慢性的な労働者不足や原材料価格の高止まり等のリスクもあることから、依然として厳しい状況が続くものと見込まれます。また、2024年4月から建設業における時間外労働の上限規制、地球環境問題、健康増進を基盤とした働き方改革への対応、急成長するIT化への対応、少子高齢化等は、喫緊の課題となっております。
このような経営環境の中、当社は2024年を初年度とする「中期経営計画 変革2028(2024~2028年度)」を策定しました。
当社は、経営スローガンとして「変革と現状打破~ルールの目的・本質を理解し、コミュニケーションとチームワークで目指す、究極の安全と品質~」を掲げ、「4つの経営方針」を基盤としたダイナミックケイパビリティの向上を通じて「4つの変革」と「成長戦略」の推進に取り組んでおります。
また、ESG経営を通じたSDGsへの貢献や、株主資本コストや株価を意識した経営による持続的成長と企業価値向上の実現に向け、全社一丸となって取り組んでまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)基本方針等
当社は、「ESG経営を通じてSDGsに貢献するとともに持続的成長と企業価値向上を実現」させることを基本方針としております。
この基本方針に基づき、以下の取り組みを推進しております。
①環境経営
地球温暖化による気候変動などの環境課題を重要な経営課題と認識し、事業活動を通じて環境負荷の低減と環境保全活動に取り組むため2022年11月に「環境経営宣言」を制定し、「第一建設工業 環境計画 ~カーボンニュートラル・チャレンジ2050~ 」を策定いたしました。環境計画では「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現に向けて、環境経営を推進しております。
②健康経営
社員が心身ともに健康で、働きがいに満ち、一人ひとりの能力が十分に発揮されている職場環境を目指すため2021年4月に「健康経営宣言」を制定いたしました。社員とそのご家族の健康管理を経営課題と捉えて、健康経営を推進しております。
③人的資本経営
多様な人材の働き方に配慮し、各人がその能力を最大限に発揮できるような職場環境の整備と、知識、スキル、役割認識等の向上に向けた人材育成を行うことで、従業員のスキルと能力を最大限に引き出す支援を続けております。これにより、個々の成長と組織の成功を同時に達成できる環境づくりを目指しております。
④ガバナンスの強化
企業の透明性と信頼性を確保するために、経営戦略と連動したサステナビリティに関するリスク管理体制の整備、内部統制の強化、情報開示の充実を図っております。また、倫理的な行動の推進を通じて、ガバナンスの更なる強化に努めております。
(2)マテリアリティ(重要課題)
当社は、鉄道工事を基盤とした事業活動を通じて、重要と考えられる社会・環境課題を認識し、優先的に取り組むべきマテリアリティを特定しました。このマテリアリティに基づいて社会課題の解決に向けた事業活動を展開し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでおります。
(3)環境経営
①環境経営宣言・環境計画の策定
当社は、2022年11月に事業活動を通じて環境負荷の低減と環境保全活動に取り組むことを目的として「環境経営宣言」を制定し、「第一建設工業 環境計画 ~カーボンニュートラル・チャレンジ2050~ 」を策定しました。この環境計画では、「脱炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然共生社会の実現」からなる3つの戦略を策定し、それぞれにマテリアリティの特定、事業戦略、活動計画を作成し、環境経営を推進しております。
②組織体制の整備
当社は、環境経営を積極的に推進するため、2022年7月に「環境経営推進室」を設置しました。さらに、同日に「環境経営推進委員会」を設置し、組織全体で環境経営を推進する体制を整備しました。
2023年4月には、環境経営の取り組みを一層強化するために、環境経営推進室と品質・環境部を統合した「環境経営推進部(現:環境経営部)」を新たに設置しました。
③主な取り組み
(脱炭素社会の実現)
事業活動を通して排出するCO2排出量について、2020年度の実績を指標とし、2030年度には30%削減、2050年度にはCO2排出量“実質ゼロ„を目指し、取り組んでおります。
主な取り組みとしては、購入電力の再生エネルギー化、事業所照明や工事用仮設照明のLED化、現場の仮設事務所での太陽光発電利用、作業機材のバッテリー化等に取り組んでおります。また、2022年7月にZEBプランナー制度、2023年7月にはZEHデベロッパー制度に登録し、ZEB及びZEH-Mの普及に取り組んでおります。
温室効果ガス(CO2)排出量の目標と実績
(単位:t-CO2)
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区分 |
排出量実績(注)1 |
排出量目標 |
||||
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2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2030年度 |
2050年度 |
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|
Scope1 (注)2 |
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- |
- |
|
Scope2 (注)3 |
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|
- |
- |
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合計 (Scope1+2) |
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|
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4,030 |
0 |
(注)1.2024年度の排出量実績は、算出中であります。
2.上記の排出量実績の数値は、第三者保証を受けております。
3.Scope1は、事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
4.Scope2は、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
(循環型社会の実現)
建設副産物の総排出量抑制及び再資源化の推進、電子マニフェストの普及推進等に取り組んでおります。
産業廃棄物の再資源化率の目標は、2030年度で96%以上と定めており、再資源化率向上に取り組んでおります。また、従来は紙で管理していた産業廃棄物管理票を電子マニフェストに変更することで、事務の効率化、廃棄物処理の透明化、コンプライアンスの強化等に寄与しております。
電子マニフェスト交付率の目標は、2030年度で90%以上と定めております。その目標はすでに達成しておりますが、継続して交付率の維持・向上に取り組んでおります。
産業廃棄物の再資源化率
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2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2030年度目標 |
|
再資源化率 (注) |
80.3% |
86.4% |
88.2% |
91.3% |
96%以上 |
(注)2024年度の実績は、算出中であります。
マニフェスト電子化率
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2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2030年度目標 |
|
電子化率 (注) |
81.7% |
91.6% |
93.9% |
95.7% |
90%以上 |
(注)2024年度の実績は、算出中であります。
(自然共生社会の実現)
当社が管理する大型保線機械に生分解性作動油を導入しております。また、その他の建設機械でも生分解性作動油の使用を拡大する等、自然共生社会の構築を進め、生物多様性の保全と持続可能な社会の実現に向けて取り組んでおります。
(環境リテラシー向上)
当社の環境経営推進の趣旨・目的や、環境知識に関するオリジナル動画を作成し、社員向け特設サイトに公開し、環境リテラシーの向上に取り組んでおります。
(4)健康経営
①健康経営宣言
2021年4月に「健康経営宣言」を制定しました。その中で、当社は鉄道工事を基盤とした「総合建設業」として、安全・安心を最優先に考え、社会資本の整備と創造、そして地域社会の発展に貢献していくことを宣言しております。また、技術革新と幅広い人材育成に努め、社会とともに発展し続ける会社づくりを目指しております。
そのために、社員の心身の健康を重視し、働き方改革やワークライフバランスの推進とともに健康経営を推進し、明るく活力ある職場づくりに取り組んでおります。
②組織体制の整備
健康経営を戦略的かつ積極的に推進するため、2021年12月に「健康経営推進委員会」を設置しました。その後、2024年4月には社員の健康づくりに対する意識を高め、更なる健康経営の推進を図るために「健康経営推進部(現:健康経営部)」を新設し、組織体制の整備を進めてまいりました。
③主な取り組み
当社は、社員の心身の健康を確保し、能力を最大限に発揮するための職場環境整備に取り組んでおります。具体的には、従業員の健康知識と健康意識の向上をテーマに、社員の健康経営推進への理解を深め、自身の健康管理への能動的な取り組みを促すための施策を実施しております。
その一環として、当社の健康経営推進の趣旨・目的に関するオリジナル動画を作成し、社員向け特設サイトに公開し、周知徹底を図っております。
また、「社員の健康リテラシー向上」を目指し、2022年5月より日本医師会監修の「日本健康マスター検定」資格合格者に対する受験費用等支援制度を新設し、社員の資格取得への挑戦意欲を高めております。
さらに、2022年4月からは、健康障害リスクが高まる社員へのアプローチとして、生活習慣病予防を目的に、「特定健康診査受診率」「特定保健指導実施率」「喫煙者率」「1日8,000歩以上の歩行者率」に着目し、目標を定め、取り組んでおります。
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指標 |
目標( |
実績(当事業年度) |
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(5)人的資本経営
当社は、企業価値を持続的に向上させるためには、人材の価値を高めることが必要であると認識しております。そのため、経営戦略と連動した人材戦略の構築が不可欠です。これは、多様な属性、視点、経験を持つ社員の力を結集することが新たな価値を生む原動力となるとの考えに基づいております。
また、多様な人材の働き方に配慮し、各人がその能力を最大限に発揮できるような職場環境の整備と、知識、スキル、役割認識等の向上に向けた人材育成を、重要な経営課題として位置付けております。
これらの課題解決に向けて、2022年3月に「働き方改革推進会議」を設置しました。
①働き方改革の推進
当社は、ワークライフバランスの実現と働きがいを実感できる企業を創るため、全社員が働き方改革の目的と本質を理解し、行動する「真の働き方改革」を推進しております。柔軟な思考・発想による体制構築や人材投資計画等の策定、そして各ワーキンググループと連携した施策策定等に取り組み、「働き方改革推進会議」を定期的に開催し、取り組み状況の報告・分析・評価等を行っております。
②多様化する働き方への対応
当社は、女性の活躍推進等に向けて、2022年4月から「女性社員の採用比率を10%」「男性の育児休業取得率30%以上・育児休業の平均取得期間10%アップ」「女性の育児休業取得率100%、平均取得期間100%」を目標として定め、その達成に向けて取り組んでおります。
また、多様な働き方を推進するために、研修や相談窓口の設置、社内報への特設ページの開設など、職場環境の整備を行っております。
さらに、2022年10月からは、育児による短時間勤務を希望する社員が1時間単位で就業時間を短縮できるように、社内規則を改正し、仕事と育児の両立を支援するための整備を進めております。また、2024年4月からは、時間単位の年次有給休暇制度、育児に関する短時間勤務、所定外労働制限の対象者を3歳の子を養育する社員から小学校就学前の子を養育する社員へ拡大、並びに中抜けが可能な時間単位の欠勤制度を新設しました。更に、2025年4月からは、ウェルビーイング休暇制度の新設、子のための看護休暇及び家族のための介護休暇の有給化など、働きやすい環境の整備等を進めております。
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指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
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(注)1 |
|
|
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育休取得率 (注)2 |
男性 |
女性 |
男性 |
女性 |
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30.0%以上 |
100.0% |
81.0% |
100.0% |
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育休平均取得期間 (注)2 |
男性 |
女性 |
男性 |
女性 |
|
10.0%アップ |
100.0% |
73日 |
244日 |
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(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第1号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
③人材マネジメントの強化
当社を取り巻く経営環境は、激しくかつ常に変化しております。このような不確定で変動的、かつ複雑な状況下においては、経営戦略と連動した人材戦略の構築が不可欠であると認識しております。この事から、当社は永続的な存続と発展のため、社員満足・顧客満足の実現に向けた「ひとづくり」をコンセプトに、2021年度より「新しい研修プラン」を開始し、人材育成に取り組んでおります。
研修は、技術・スキル研修と階層別研修の2つから構成しています。技術・スキル研修は、各役職、役割に応じた行動の実現を目標としており、階層別研修については、当社の「社員の行動指針」の実現を目標としております。
研修方法は、研修スタイルを能動型・実践型とするアクティブラーニングを導入し、集合研修及びe-ラーニングを組み合わせたブレンディングによる研修プランの策定を行い、研修テーマ毎に①習得したい「知識」、②醸成したい「意識」、③期待したい「行動」の3つを受講者へ明示し、研修目標の達成の推進に取り組んでおります。
2024年度において技術・スキル研修で延べ81回・592人が受講し、階層別研修では延べ10回・327人が受講しております。

(6)ガバナンス体制の強化
当社は、ESG経営を通じてサステナビリティに関わる課題への適切な対応が、持続的成長に向けた重要な課題であると認識しております。
この課題に積極的に取り組むため、社長を委員長とした「環境経営推進委員会」、「働き方改革推進会議」を設置しております。これらの委員会と会議では、それぞれが戦略的な視点から課題を議論し、具体的な行動計画を策定しております。
サステナビリティに関する体制の概要は以下のとおりであります。
(7)リスク管理
当社は、会社に損害を及ぼす可能性のあるリスクを発見・評価し、対応すべき重大なリスクを特定して、リスクの発生を予防するとともに、リスクが発生した場合は適切に対応し、その損害を最小限に留めることを目的に「リスク管理規則」を定めております。
サステナビリティに関連する事業リスクや機会についても、この「リスク管理規則」等の諸規則に基づき、リスク管理委員会で審議し、経営会議・取締役会へ報告しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、この有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 建設市場の動向
当社の受注・売上高は国内の建設投資動向による影響を受けるため、今後想定以上に官公庁及び民間建設投資が急激に減少した場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 工事事故の発生
当社は、工事の施工に際しては、鉄道工事を始めとして公共性の高い事業が多いことから「安全の確保」を最優先した取り組みを実施しておりますが、万が一死亡に直結する等の重大事故が発生した場合、発注者からの信用・信頼の失墜につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料価格の高騰
主要建設資材等が急激に高騰し、請負金額に反映することが困難で価格へ転嫁できない場合や想定以上に材料費や労務費等の価格が急騰したときは業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 施工物の瑕疵等
当社は、建設事業者として、品質管理等につきましては厳密な管理を期しておりますが、重大な瑕疵が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的規制等
当社の事業は、建設業法、建築基準法、労働安全衛生法、独占禁止法、宅地建物取引業法等の法的規制を受けております。これらの法律の改廃、法的規制の新設、運用基準の変更等により、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 法令遵守違反等のリスク
当社は法令遵守の徹底を図るために「企業倫理規則」、「倫理・法令遵守委員会規則」の制定及び「倫理・法令遵守委員会」の活動や各種マニュアルの作成、教育を通じ、役員・社員に徹底した法令遵守への取り組みを行っております。しかし、何らかの理由で、法令遵守違反等が発生した場合に社会的信用及び信頼を損なう等、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 信用リスク
当社は、取引先の与信管理を行いリスク回避に努めておりますが、予想されない取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、工事施工中に協力会社や共同施工会社が倒産等に陥った場合には、工期に影響を及ぼすとともに予定外の費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定の取引先への依存度について
当社は、鉄道工事に特性を有する総合建設業であり、東日本旅客鉄道株式会社からの売上高の比率が高くなっております。このことは、当社が創業以来、培ってきた鉄道工事における専門技術力と永年にわたる同社との信頼関係によるものであります。
しかしながら、同社が何らかの理由により設備投資額又は当社との取引を削減しなければならなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 感染症に伴うリスク
当社は、感染症の流行にあたり従業員等の安全を第一に考え、衛生管理の徹底やテレワーク勤務規則を定め、可能な限り感染予防や感染拡大防止に努めております。
しかしながら、感染症の流行に伴う経済活動の制限等により、当社の安全及び施工体制の維持・確保が困難な状況に陥った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、個人消費に一部足踏みが残るものの、企業収益の改善による設備投資の持ち直しや雇用・所得環境の改善等により、緩やかな回復基調で推移しました。
建設業界におきましては、公共建設投資は政府の経済政策等により底堅く推移し、民間建設投資も企業収益の改善を背景に底堅く推移しました。
このような状況の中で当社は、安全を最優先し、最良の総合品質の提供によりお客様満足の向上を目指すとともに、目標達成に向け、技術力の向上や厳密な原価管理等に取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度における財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末比29億9千8百万円(3.7%増)増加の839億4千1百万円となりました。
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比6億8千万円(5.9%増)増加の122億8千4百万円となりました。
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末比23億1千7百万円(3.3%増)増加の716億5千7百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度における売上高は、前事業年度比40億1千2百万円(7.4%増)増収の580億5百万円となりました。利益につきましては、営業利益が前事業年度比34億2千1百万円(90.7%増)増益の71億9千3百万円、経常利益が前事業年度比35億8百万円(85.7%増)増益の76億4百万円、当期純利益が前事業年度比24億5千万円(87.8%増)増益の52億4千2百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(建設事業)
建設事業受注高は、前事業年度比126億2千5百万円(25.7%増)増加の617億7千1百万円となりました。建設事業売上高は、前事業年度比39億5千3百万円(7.5%増)増収の569億2千8百万円となりました。また、セグメント利益は、前事業年度比34億7千7百万円(99.9%増)増益の69億5千7百万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業売上高は、前事業年度比5千8百万円(5.8%増)増収の10億7千6百万円となりました。また、セグメント利益は、5千6百万円(19.1%減)減益の2億3千6百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末比6億5千9百万円(3.7%減)減少の173億6千1百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、59億8千1百万円となりました。これは、税引前当期純利益の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、37億9千7百万円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、28億4千3百万円となりました。これは、配当金の支払いや自己株式の取得による支出等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
|
セグメントの名称 |
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (千円) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (千円) |
|
建設事業 |
49,145,943 |
61,771,281(25.7%増) |
|
不動産事業 |
1,017,970 |
1,076,787(5.8%増) |
|
合計 |
50,163,913 |
62,848,069(25.3%増) |
b.売上実績
|
セグメントの名称 |
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) (千円) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) (千円) |
|
建設事業 |
52,975,440 |
56,928,828(7.5%増) |
|
不動産事業 |
1,017,970 |
1,076,787(5.8%増) |
|
合計 |
53,993,410 |
58,005,615(7.4%増) |
(注)1.当社では生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載しておりません。
2.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
||
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建設事業 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
37,013,900 |
68.6 |
43,767,719 |
75.5 |
なお、参考のため建設事業の実績は、次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
1) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
|
期別 |
区分 |
前期繰越 工事高 (千円) |
当期受注 工事高 (千円) |
計
(千円) |
当期完成 工事高 (千円) |
次期繰越 工事高 (千円) |
|
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
土木工事 |
11,728,974 |
33,918,956 |
45,647,931 |
34,087,942 |
11,559,988 |
|
建築工事 |
16,620,420 |
15,226,986 |
31,847,407 |
18,887,497 |
12,959,910 |
|
|
計 |
28,349,395 |
49,145,943 |
77,495,339 |
52,975,440 |
24,519,899 |
|
|
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
土木工事 |
11,559,988 |
40,025,900 |
51,585,889 |
39,721,771 |
11,864,118 |
|
建築工事 |
12,959,910 |
21,745,380 |
34,705,291 |
17,207,057 |
17,498,234 |
|
|
計 |
24,519,899 |
61,771,281 |
86,291,180 |
56,928,828 |
29,362,352 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがいまして、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致いたします。
2) 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
|
期別 |
区分 |
特命(%) |
競争(%) |
計(%) |
|
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
土木工事 |
84.3 |
15.7 |
100 |
|
建築工事 |
50.7 |
49.3 |
100 |
|
|
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
土木工事 |
91.2 |
8.8 |
100 |
|
建築工事 |
50.9 |
49.1 |
100 |
(注) 百分比は請負金額比であります。
3) 完成工事高
|
期別 |
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
土木工事 |
1,248,121 |
32,839,821 |
34,087,942 |
|
建築工事 |
2,068,983 |
16,818,513 |
18,887,497 |
|
|
計 |
3,317,104 |
49,658,335 |
52,975,440 |
|
|
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
土木工事 |
1,164,345 |
38,557,425 |
39,721,771 |
|
建築工事 |
1,356,216 |
15,850,840 |
17,207,057 |
|
|
計 |
2,520,562 |
54,408,265 |
56,928,828 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
|
発注者 |
工事件名 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
陸羽西線 第二高屋トンネル補強工事 |
|
伊藤忠都市開発株式会社 |
(仮称)新御徒町計画 新築工事 |
|
オリックス不動産株式会社 |
(仮称)神田神保町1丁目新築工事 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
大館合築駅舎新築他その2工事 |
|
株式会社エス・ティ・フーズ |
エス・ティ・フーズ生産工場増築計画 |
当事業年度
|
発注者 |
工事件名 |
|
株式会社相鉄アーバンクリエイツ |
(仮称)ゆめが丘大規模集客施設新築工事 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
村井橋上駅本屋新築その他工事 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
信越線新潟駅付近高架化東工区軌道2 |
|
相模鉄道株式会社 |
ゆめが丘駅改良工事(建築関係) |
|
伊藤忠都市開発株式会社・日鉄興和不動産株式会社 |
(仮称)玉川台二丁目計画新築工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
|
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||||
|
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
相手先 |
金額(千円) |
割合(%) |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
37,013,900 |
69.9 |
東日本旅客鉄道株式会社 |
43,767,719 |
76.9 |
4) 次期繰越工事高(2025年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(千円) |
民間(千円) |
計(千円) |
|
土木工事 |
383,446 |
11,480,672 |
11,864,118 |
|
建築工事 |
2,524,288 |
14,973,945 |
17,498,234 |
|
計 |
2,907,734 |
26,454,618 |
29,362,352 |
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
|
発注者 |
工事件名 |
完成予定 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
幹:燕三条旅客上家1号屋根改良 |
2025年12月 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
秋田貨物駅構内こ道橋新設工事 |
2025年8月 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
幹:浦佐旅客上家1号屋根改良 |
2027年3月 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
幹:越後湯沢旅客上家1号屋根改良 |
2027年3月 |
|
東日本旅客鉄道株式会社 |
幹:長岡旅客上家1号屋根改良 |
2026年3月 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1) 財政状態
(資産合計)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末比29億9千8百万円(3.7%増)増加の839億4千1百万円となりました。この主な要因は、以下のとおりであります。
流動資産合計は、期末施工高の増加による完成工事未収入金の増加や現金預金の増加等により、前事業年度末比20億8千万円(4.4%増)増加の488億9千7百万円となりました。
また、固定資産合計は、賃貸用不動産の取得や線路メンテナンス工事用大型保線機械の取得等による有形固定資産の増加等により、前事業年度末比9億1千7百万円(2.7%増)増加の350億4千4百万円となりました。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末比6億8千万円(5.9%増)増加の122億8千4百万円となりました。この主な要因は、以下のとおりであります。
流動負債合計は、繰越工事の増加による未成工事受入金の増加等により、前事業年度末比5億1千3百万円(5.1%増)増加の105億7千3百万円となりました。
また、固定負債合計は、退職給付引当金や長期繰延税金負債の増加等により、前事業年度末比1億6千6百万円(10.8%増)増加の17億1千万円となりました。
(純資産合計)
当事業年度末における純資産合計は、当期純利益を主な要因として、前事業年度末比23億1千7百万円(3.3%増)増加の716億5千7百万円となりました。
2) 経営成績
(売上高)
当事業年度の売上高は、当事業年度の受注工事の増加を主因として、前事業年度比40億1千2百万円(7.4%増)増収の580億5百万円となりました。
(売上総利益・営業利益)
売上総利益は、売上高の増加等により、前事業年度比39億8千1百万円(56.5%増)増益の110億3千2百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、広告宣伝費の増加等により、前事業年度比5億5千9百万円(17.1%増)増加の38億3千8百万円となりました。
この結果、営業利益は、前事業年度比34億2千1百万円(90.7%増)増益の71億9千3百万円となりました。
(経常利益・当期純利益)
経常利益は、営業利益の増益を主な要因として、前事業年度比35億8百万円(85.7%増)増益の76億4百万円となりました。
また、当期純利益は、前事業年度比24億5千万円(87.8%増)増益の52億4千2百万円となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営に影響を与える大きな要因としては、建設市場の動向、工事事故の発生、原材料価格の高騰、施工物の瑕疵等があります。
建設市場の動向については、慢性的な労働力不足や原材料費の高騰等による採算性の低下など、依然として厳しい経営環境が続くものと認識しております。このような状況の中で当社は、受注獲得に向けた新技術・工法の導入及び商品開発や企画提案技術の向上に積極的に取り組み、技術及び品質で高い評価をいただける技術集団を目指してまいります。
工事事故の発生については、当社は、鉄道工事を基盤とする総合建設業を営む者として、「安全・安心」を常に最優先に考え行動する企業風土を構築し、経営に重大な影響を与えるような事故の発生防止に努めてまいります。
原材料価格の高騰については、協力会社等への直近の発注状況や原材料価格動向を注視することなどにより、請負金額への反映に努めるとともに、協力会社等との関係を強化し、情報交換を密にすることなどにより、更なるコスト削減に努めてまいります。
施工物の瑕疵等については、これまでの厳密な品質管理を継続し、経営に重大な影響を与えるような瑕疵等の発生防止に努めてまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載したとおり、2024年度を初年度とする「中期経営計画 変革2028(2024年度~2028年度)」を策定し、売上利益目標として売上高560億円、営業利益50億円、配当性向50.0%以上、総還元性向100%以上(各年)、ROE5.0%、投資計画(5年間)として260億円という数値目標を掲げております。
この経営目標を達成すべく、安全性の向上、品質の向上、技術力の向上、株主還元といった重点課題に積極的に取り組んでまいります。
なお、設備投資・人的資本投資の強化を図るため、中期経営計画の目標値等の見直しを検討してまいります。
〔中期経営計画の進捗状況〕
売上高・営業利益・総還元性向・ROE目標 (単位:億円)
|
指標 |
中期経営目標 |
2025年度(予想) |
2024年度(実績) |
|
売上高 |
560 |
570 |
580 |
|
営業利益 |
50 |
62 |
71 |
|
配当性向(%) |
50.0%以上 |
54.2% |
46.8% |
|
総還元性向(%) |
100%以上 |
100%以上 |
100.9% |
|
ROE(%) |
5.0% |
― |
7.4% |
(注)1.2024年度(実績)の総還元性向につきましては、2025年5月13日に公表いたしました「自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせ」に記載されております株式の総数または取得価額の総額の上限まで取得したと仮定した数値で記載しております。
2.2025年度(予想)のROEにつきましては、中期経営計画の経過年であるため公表しておりません。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(建設事業)
建設事業受注高は、前事業年度比126億2千5百万円(25.7%増)増加の617億7千1百万円となりました。建設事業売上高は、当事業年度の受注工事の増加を主因として、前事業年度比39億5千3百万円(7.5%増)増収の569億2千8百万円となりました。
セグメント利益は、売上高の増加等により、前事業年度比34億7千7百万円(99.9%増)増益の69億5千7百万円となりました。
セグメント資産は、期末施工高の増加による完成工事未収入金の増加等により、前事業年度末比30億1千1百万円(7.7%増)増加の423億2千万円となりました。
(不動産事業)
不動産事業売上高は、賃貸用不動産の売上高が増加したことにより、前事業年度比5千8百万円(5.8%増)増収の10億7千6百万円となりました。
セグメント利益は、前事業年度比5千6百万円(19.1%減)減益の2億3千6百万円となりました。
セグメント資産は、建物取得による有形固定資産の増加等により、前事業年度末比7億3千6百万円(7.3%増)増加の108億3千6百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
1) 資金需要の動向
当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、建設事業に関わる資機材・外注等の原価費用、不動産事業に関わる管理費・営繕費等の不動産事業費用、各事業についての一般管理費等があります。
また、設備資金需要としては、事業用建物や線路メンテナンス工事用大型保線機械等の固定資産投資と、賃貸物件等の不動産事業投資に加え、情報処理のための無形固定資産投資等があります。
2) 財政政策
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するために、手許流動性資金を相当程度保有し、運転資金及び投資資金につきましては、本社(財務部)において一元管理しております。
現時点においては、金融機関等からの借入はなく、手許流動性資金も相当程度保有できているため、不測の事態が生じた場合であっても、当面の資金繰りには支障は無いものと考えております。よって、当社事業の維持拡大に必要な運転・設備資金の確保は今後も可能であると考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の金額に反映されております。
これらの見積りにつきましては、過去の実績等を踏まえながら継続して評価し、必要に応じ見直しを行っておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社が財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に記載のとおりでありますが、特に、「5.収益及び費用の計上基準」にある一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による収益認識については、財務諸表の作成における見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法による収益認識)
当事業年度末までの工事進捗部分について履行義務の充足が認められる工事については、主として一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法により収益を認識しております。適用にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び当事業年度末における履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積る必要があります。一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する方法により認識される収益の計上の基礎となる工事原価総額の見積りには、作業内容や工数等の不確実性を伴うものが含まれているため、当社の業績を変動させる可能性があります。
特記事項はありません。
当事業年度における研究開発費の総額は
(建設事業)
土木部門において、将来計画されている新幹線大規模改修における、高架橋接合部構造目地の工法開発に向けた実験に取り組みました。また、当社が開発した仮締切工法であるD-flip工法において、更なるコストダウンを目指した実験に取り組みました。
線路部門において、少子高齢化に伴う従事者不足が加速するなか、鉄道の安全・安定輸送を確保するため、更なる機械化による保線作業の省力化及び効率化を目指した開発に取り組みました。
(不動産事業)
研究開発活動は、特段行われておりません。