第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 社是、経営方針

<社  是> すべてのことに誠実に よりよい仕事をしよう

<経営方針> 常に組織をリノベート(刷新)して継続的成長を目指す

1.基本方針 (1)人材の充実

(2)総合技術力・社内教育の充実・向上

(3)営業戦略・営業力の強化

(4)工事原価の更なる圧縮

(5)働き方改革への積極的な取り組み

2.注力施策 (1)戦略的な人事、有能な人材の確保を目指す

(2)マルチで有能な人材育成と新たな人材の掘り起こしにより技術力の継承、向上を目指す

(3)営業スキルの向上とブランド力の強化を目指す

(4)購買力の強化を図り更なる利益拡大を目指す

(5)建設業に求められる国土基盤整備の社会的要請に応える企業力の強化を目指す

 

(2) 当社グループの経営環境について

 当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済が英国のEU離脱交渉の混迷、米中間の通商貿易摩擦の激化、中国経済の成長鈍化などから先行きに懸念感が強まりつつあるなかで、アベノミクス政策による景気拡大が奏功し、国内景気は企業業績の向上による設備投資の増加、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直し等に牽引され、引き続き緩やかな拡大基調を維持しました。

 当社グループが中核事業としている建設業界におきましては、政府建設投資は前年度より増加し、民間設備投資は貿易の拡大、事業収益の改善等を受けて大きな落ち込みは見られず、低金利を反映した旺盛な住宅需要や大都市圏の大型再開発投資なども加わり、受注・収益環境は概ね堅調に推移しました。

 今後の建設投資動向の見通しにつきましては、訪日客の増加や人手不足の改善対策に伴う設備投資の増加、東京オリンピック・パラリンピックに続く大阪万博・総合型リゾート(IR)事業等の関連投資などが期待できるものの、米中貿易摩擦などを始めとする世界経済の下押しリスクが既に国内景気の悪化要因になりつつあるうえ、消費税増税による消費の落ち込みや財政収支の悪化による政府投資の大幅な抑制、金融政策の転換等の景気下押しリスクが加われば、これまで通りの拡大基調が続くか否かは予断を許しません。

 更に建設技能労働者の高齢化と人手不足による生産性の低下が今後ますます深刻化することが想定され、労務費・建設資材価格の上昇、働き方改革に伴う人件費コストの増大等も見込まれるため、建設業界を取り巻く経営環境は楽観できない状況になりつつあります。

 地方圏を事業基盤としている当社グループは、少子高齢化による新規建設投資の落ち込みや景気後退の影響をいち早く受けることから、大都市圏における事業基盤の構築・強化に一段と注力しつつ、与信等を含めた事業リスクの管理を徹底することがこれまで以上に求められています。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは「営業利益率」を重要な経営指標と位置づけ、経営計画の基本方針となる「強靭な経営体質の確立」を目指して、「生き残る為の収益至上主義への変革」を実現するために、工事粗利益率の向上と固定費の削減に注力し、安定した利益を確保する体制を構築するとともに、資産及び資本効率を高め、企業価値の向上に注力してまいります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 建設業界におきましては、今後もリニア新幹線の開通や大都市圏への人口集中に伴う再開発が加速し、公共インフラの長寿命化工事等も増加基調にあることなどから、市場規模は当面底堅く推移することが期待できるものの、
人手不足に因る建設資材・労務費・人件費等の上昇も避けがたく、内外経済の加速に翳りが見える現状では、金融情勢や為替相場の動向如何で国内景気が急変することも充分想定されるとともに、殊に地方におきましては、建設
業界を取り巻く事業環境の先行きは予断を許しません。

 このような環境下、当社グループは、コンプライアンス遵守体制の一層の強化を図ると共に、「市況に影響されない事業収益力の確立・強化」を目標として引き続き以下の施策を実行し、高収益体質への転換を一層推進しつつ、安定した事業収益を確保できる体制を構築する所存です

① 与信時・契約時・施工時リスクの徹底した管理

② 受注時目標粗利益の確保と厳格な工事収支管理の実行

③ 首都圏・中京圏における受注・施工体制の強化

④ 不動産開発事業への積極的な取り組み

⑤ 働き方改革の推進と将来の担い手確保のための採用強化

⑥ 職員教育の充実による職務執行能力・企業力の強化

⑦ キャリアアップシステムの本格的運用の開始

こうした施策の実行により、確実に利益を確保する体制の整備を進めてまいります。

 

(5) コンプライアンスの徹底及び体制の整備

① 部署長間の情報共有、協議の活性化とコンプライアンスを踏まえた業務遂行の徹底

② 損失リスクの未然防止対策の強化と規程の整備

③ 組織の整備及び監理室の充実による業務処理の強化

④ 弁護士等の専門家との一層の連携強化

⑤ 営業段階から工事(現業)部門が参加する協議体制の整備

⑥ 取締役を含めた役職員に対する部署別(業務別)研修会の実施

⑦ 内部通報制度の利用の活性化

こうした施策及び体制の整備により、コンプライアンスの強化・徹底を図ってまいります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループ経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めていますが、建設市場は受注価格競争の熾烈化や労務費、建設資材の急激な上昇及び建設技術者・技能者の人員不足がますます深刻化するなど、取り巻く経営環境は引続き厳しい状況が続くものと予想されます。
 このような環境下、当社グループでは継続的な発展を遂げていくため、「受注戦略の見直し」と収益構造・人員構造・組織構造の再構築を図り、「経営資源の選択と集中による恒常的収益構造の確立」を目指し、企業力の強化に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月24日)現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経済の状況及び公共投資の状況について

 当社グループの中核事業である建設事業は、営業活動を行っている地域の経済状況が悪化したり公共投資が減少した場合は受注面において影響を受けるため、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)工事受注方法について

 民間工事における発注方法の多くは、工事業者に見積を依頼して、その中から発注先を決定する方法が採られています。また、公共工事においては、入札により工事業者を決定する方法が採られています。官・民いずれにおいても、受注するための主な決定要素は見積価格です。したがって、当社グループが他の参加者に比して価格優位性がない場合は受注できないことになります。競争激化により受注価格が著しく低下したりすると、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)資材及び労務の調達について

 当社グループの中核事業である建設事業においては、多くの資材調達と外注労務費が必要となります。鋼材、セメント等の建設資材の価格高騰や建設作業員の労務費単価が上昇した場合は、見積価格が上昇し受注競争時の価格優位性を弱めるほか、工事中に発生した場合は、工期や原価に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)工事代金回収について

 工事代金の回収リスクを回避するため、受注審査規程等を整備し、受注活動のなかで発注者の経営内容等の与信情報を収集して与信管理を行い、法務コンプライアンス室を中心として回収不能事故の未然防止対策を講じていますが、請負事業に特有な事情として、工事の受注から完成までに相当期間を要することから、引渡しまでの間に発注者側の経営状態が変化したり、金融環境や経済情勢等の急変から資金調達、事業遂行等に支障が生じたり、また発注者と個別要因によりトラブルが発生した場合に工事代金の回収に遅延や貸倒れが発生するリスクを常に有しています。このためリスクの顕在化により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)瑕疵責任について

 当社グループが行う施工工事・サービス等には、瑕疵が生じるリスクがあります。

 当社グループの中核事業である建設事業は、社会生活の基盤を造る事業であり、公共性・安全性が求められており、責任期間も長期にわたります。そのため、様々な規制・法令の適用があり、また、高い技術力の伴った施工能力を求められているので、瑕疵が生じた場合は直接的損害のみならず間接的損害の責任も問われる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財務状況にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制について

 当社グループの建設事業における取引については、「建設業法」「建築基準法」「宅地建物取引業法」「会社法」「金融商品取引法」等の法的規制があります。現時点の規制に従って業務を遂行していますが、将来において規制等の変更がなされた場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人材の確保について

 当社グループの中核事業である建設事業は、優秀な資格者と高度な技術による施工実績の良好な評価が、事業を継続拡大するためのベースとなっており、それゆえに優秀な人材を獲得し維持する必要があります。

 当社グループの人事部門は、優秀な人材を確保するため注力していますが、当社グループが必要とする人材が計画どおり確保できなかった場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)安全管理について

 工事は、市街地、地中、山間地等の多様な周辺環境の中で行われ、現場内では多数の作業員が多種の作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しています。このため大規模な事故や災害が発生した場合は、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)保有資産について

 当社グループは、営業活動を行うにあたって、不動産等の資産を保有していますが、市場価格の変動等により時価が著しく下落した場合に減損損失が生じ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と いう。)の状況の概要は次のとおりです。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは、コンプライアンス遵守体制の強化を図ると共に、「市況に左右されない事業収益力の確保」を目標に「与信時・契約時・施工時リスクの徹底した管理」、「厳格な工事収支管理の実行」、「首都圏・中京圏における受注・施工体制の強化」、「不動産開発事業等の拡充」などの諸施策を実行し収益力の強化を図ってまいりました

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ512百万円増加し、26,999百万円となりました。当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ160百万円減少し、17,628百万円となりました。当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ673百万円増加し、9,371百万円となりました。

b.経営成績

 当連結会計年度の経営業績は、売上高は38,379百万円(前連結会計年度比5.3%減)となりました。損益面につきましては、営業利益1,354百万円(前連結会計年度比6.9%減)、経常利益は1,419百万円(前連結会計年度比5.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、956百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりです。

(建築事業)

 完成工事高は30,790百万円(前連結会計年度比1.4%増)となり、営業利益は2,369百万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました

(土木事業)

 完成工事高は7,039百万円(前連結会計年度比0.5%増)となり、営業利益は437百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。

(不動産事業)

 不動産事業の売上高は400百万円(前連結会計年度比86.5%減)となり、営業利益は36百万円(前連結会計年度比87.6%減)となりました。

(その他の事業)

 その他の事業(ゴルフ事業)は売上高が149百万円(前連結会計年度比26.2%減)、営業損失は23百万円(前連結会計年度は44百万円の営業損失)となりました

(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額を表示しています。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ503百万円減少し、当連結会計年度末は6,986百万円となりました

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、使用した資金は227百万円(前連結会計年度は5,619百万円の獲得)となりました。これは主に売上債権は減少しましたが、不動産事業支出金が増加したことによるものです

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は85百万円(前連結会計年度は10百万円の獲得)となりました。これは主に投資不動産の取得によるものです

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は189百万円(前連結会計年度は934百万円の使用)となりました。これは主に自己株式の取得と配当金の支払いによるものです

 

 ③受注及び売上の実績

a.受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

建築事業(千円)

43,223,482

41.9

土木事業(千円)

8,216,891

△5.0

不動産事業(千円)

897,772

△69.6

その他の事業(千円)

149,012

△26.2

合計(千円)

52,487,159

24.2

 

b.売上実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

建築事業(千円)

30,790,413

1.4

土木事業(千円)

7,039,812

0.5

不動産事業(千円)

400,272

△86.5

その他の事業(千円)

149,012

△26.2

合計(千円)

38,379,511

△5.3

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。

2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

 ①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する以下の分析が行われています。この連結財務諸表作成に当たる重要な会計方針につきましては、第5「経理の状況」に記載しています。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

a.経営成績等

 1)財政状態

 当連結会計年度末の資産につきましては、受取手形・完成工事未収入金等が減少しましたが、不動産事業支出金が増加したことなどを主因に、前連結会計年度末に比べ512百万円増加し、26,999百万円となりました。当連結会計年度末の負債につきましては、未成工事受入金が増加しましたが、支払手形・工事未払金が減少したことなどを主因に、前連結会計年度末に比べ160百万円減少し、17,628百万円となりました。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ673百万円増加し、9,371百万円となりました。

 2)経営成績

 当社グループの当連結会計年度おいては、売上高は、建築事業、土木事業は前期からの繰越工事が豊富であり、工事の進捗度が堅調に推移しましたが、兼業事業が予想を下回りました結果、前連結会計年度比5.3%減の38,379百万円となりました。
 利益面では、引き続き建設技術者・技能者の逼迫に加え、再び採算を無視した価格競争へ転じる兆しが見え始めているなか、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めた結果、営業利益1,354百万円(前連結会計年度比6.9%減)の計上となりました。
 営業外収益(費用)の差引純額は64百万円の利益となり、経常利益は1,419百万円(前連結会計年度比5.2%減)となりました。
 特別利益(損失)の差引純額は36百万円の損失となり、親会社株主に帰属する当期純利益は956百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。

 3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営に影響を与える大きな要因には、市場動向、資材及び労務の動向、工事に起因する事故・災害等があります。

 市場動向については、国内景気の変動による影響を大きく受けるほか、当社グループが事業基盤としている地方圏においては、公共投資・民間建設投資は共に総じて踊り場感が強く、これが下振れに転じれば再び激しい価格競争に転じる要因になると認識しています。こうした中、当社グループは、与信時・契約時・施工時リスクの徹底した管理及び厳格な工事収支管理を行うことにより、リスク回避を図りつつ市場競争力を高め、確実に利益を確保できるよう経営基盤の強化を図ってまいります。

 資材及び労務の動向については、鋼材、セメント等の建設資材の価格高騰や建設作業員の労務費単価が上昇した場合、見積価格が上昇し受注競争時の価格優位性を弱めるほか、工事中に発生した場合は、工期や原価に影響し、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼすと認識しています。このため、工事受注後に資材、労務の早期発注を行うと共に、発注先との関係をより強化し情報を共有することによるリスクヘッジに取り組んでまいります。

 工事に起因する事故・災害等については、工事現場内では多数の作業員が多種の作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しており、事故や災害が発生した場合は業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす原因になると認識しています。安全対策を確実に講じ、安全教育・危険予知活動等を通じて現場作業に携わる現場管理者、作業員の継続的な意識改革を図ることにより、経営に影響する事故・災害の事前抑制に努めてまいります。

c.資本の財源及び資金の流動性

 1)資金需要

 当社グループにおける資金需要は主に運転資金需要があります。運転資金需要のうち主なものは、当社グループの建設業に関わる材料費、労務費、外注費及び現場経費等の工事費用並びに不動産事業に関わる土地、建物等の取得費用があります。また、各事業に共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用があります。その他に社員寮、社宅等の整備の設備投資需要としまして、固定資産購入費用があります。

 2)財務政策

 当社グループは現在、運転資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金を充当し、不足が生じた場合は金融機関からの短期借入金で調達を行っています。金融機関には十分な借入枠を有しており、短期的に必要な運営資金の調達は可能な状況です。また長期借入金については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を勘案し、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しています。一方、資金調達コストの低減のため、売上債権の圧縮等にも取り組んでいます。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

(経営上の目標達成状況について)

 当社グループは、企業価値の向上及び全てのステークホルダーの利益と合致するものとして「営業利益率」を重要な指標として位置づけています。当連結会計年度における「営業利益率」は3.5%でした。引続き「営業利益率」を高める事ができるよう、リスク管理の徹底と受注時目標粗利益率の確保及び厳格な工事収支管理等に取り組んでまいります。

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(建築事業)

 前期からの繰越工事が豊富であったこと、当期の受注及び工事の進捗度が堅調に推移したこと等により、完成工事高は30,790百万円(前連結会計年度比1.4%増)となりました。

 損益面につきましては、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めました結果、営業利益は2,369百万円(前連結会計年度比9.8%増)となりました

 セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,096百万円減少し、7,039百万円となりました。

(土木事業)

 前期からの繰越工事が豊富であったこと、当期の受注及び工事の進捗度が堅調に推移したこと等により、完成工事高は7,039百万円(前連結会計年度比0.5%増)となりました。

 損益面につきましては、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めました結果、営業利益は437百万円(前連結会計年度比1.7%増)となりました。

 セグメント資産は、受取手形・完成工事未収入金等が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ539百万円減少し、3,098百万円となりました。

(不動産事業)

 首都圏、中京圏での大型開発案件の完成引渡しが次年度以降に繰り越されること等により、不動産事業の売上高は400百万円(前連結会計年度比86.5%減)となりました。

 損益面につきましては、売上高が減少したことにより、営業利益は36百万円(前連結会計年度比87.6%減)となりました。

 セグメント資産は、不動産事業支出金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,325百万円増加し、3,952百万円となりました。

(その他の事業)

 その他の事業(ゴルフ事業)につきましては、土日祝祭日の天候不良による入場者数の減少等により、売上高は149百万円(前連結会計年度比26.2%減)となりました。

 損益面につきましては、売上高が減少したこと等により、営業損失は23百万円(前連結会計年度は44百万円の営業損失)となりました

 セグメント資産は、収益性の低下している連結子会社の資産状況を勘案し、資金の贈与及び債権放棄を行ったこと等により、前連結会計年度末に比べ224百万円増加し、315百万円となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

(建築事業及び土木事業)

 石油等の化石燃料に依存しない低炭素社会に向け、再生可能エネルギーへの期待が市場で高まる状況にあって、地域のリーディングカンパニーとしての責務を自覚し、市場要求の負託に応えるなかで、技術研究室を中心に高度技術の確立を目指し日々研鑽を積んでいます。当連結会計年度における研究開発費は41百万円となっています。また、当連結会計年度の重点的な活動は以下のとおりです。

 地中熱エネルギーの活用に関する研究

 浅層地盤中において未利用となっている地中熱を有効活用するための基礎的研究を行い、地中熱ヒートポンプシステムにおける地中採放熱装置の技術開発を進め、その実用化を目指しています。

 2014年9月には本研究技術の実用化にあたり、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した2014年度 再生可能エネルギー熱利用技術開発事業に採択され、5年間の共同研究を行いました。その後、5年間の共同研究技術の適用範囲を発展的に拡大する目的で、従来型のオープンループ方式技術を複合したカスケードタイプを2018年8月に実装しました。

 2019年2月にはカスケードタイプの初期段階における性能データにより、環境省が2019年度に行う環境技術実証(ETV)事業の実証対象技術として選定されましたので、今後、実証済み技術としての認定を取得する予定です。実証済み技術には実証番号が付されたロゴマークが環境省より交付され、その成果が環境省ウェブサイト等で公表されるため、カスケードタイプ等技術の普及に繋がります。

 なお、本研究技術は特許第5963790号「地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム」として、2016年7月8日に特許を取得しています

 

 子会社においては、研究開発活動は特段行われていません。

 

(不動産事業及びその他の事業)

 研究開発活動は特段行われていません。