文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 社是、経営方針
<社 是> すべてのことに誠実に よりよい仕事をしよう
<経営方針>
1.基本方針
部署一体となったチームとして、業務の効率化・ワークシェアリング等を実行するとともに、個人としても自主性・主体性をもった働き方を日々実践することにより、会社の目標を達成するなかで、仕事や私生活のやりがい・生きがいに繋げる。
2.重点実施事項
(1)安全衛生の基本に戻った取り組みを徹底する。
(2)働き方改革を更に発展させる。
(3)コンプライアンス遵守を更に徹底する。
(4)教育・訓練を広範囲に展開する。
(5)SDGsへの取り組みを全社展開する。
(2) 当社グループの経営環境について
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済が米中貿易摩擦などを背景に先行きに不透明感が強まったことなどを受け、前年度に比べやや減速しましたが、米国を中心とした主要国や新興国の国内景気が底堅く推移したこと、米中貿易摩擦も収束の兆しが見え始めたことなどから、緩やかに持ち直していくものと予測されていたところ、12月に中国で発生した新型コロナウイルス感染症が期末にかけて瞬く間に全世界を覆い、世界経済は中国が大幅なマイナス成長に陥るなど一気に混迷を極める状況になりました。これを受けて国内景気も期央頃から米中貿易摩擦や消費税増税等の下押しリスクにより、これまでの拡大基調に翳りが見え始めていたところ、年明け以降は新型コロナウイルス感染防止対策の影響が徐々に強まり、期末にかけて景況が急速に悪化すると共に先行きの見えない状況に立ち至りました。
当社グループが中核事業としている建設業界におきましては、国内景気にやや減速感が強まり、期末にかけて新型コロナウイルス感染防止対策の影響が急速に拡大し始めたものの、通期では政府投資、民間投資は共に前年度を上回り、国土強靭化対策や大規模自然災害の復旧需要、大都市圏の大型再開発事業、訪日外国人旅行客の増加に伴うホテル等の建設増加などに支えられ、事業環境は概ね堅調に推移しました。
今後の建設投資動向の見通しにつきましては、政府建設投資は国土強靭化政策の推進等により前年度並みの水準が期待できるものの、民間建設投資は新型コロナウイルス感染拡大問題が長期化すれば急減速する可能性を否定できないうえ、慢性的な人手不足と建設作業員の高齢化による生産性の低下等が将来に亘って想定され、労務費や資材価格の上昇、人件費コストの増大等も見込まれることから、建設業界を取り巻く経営環境は一段と厳しさを増すものと思われます。
地方圏を事業基盤としている当社グループは、長野県内でこれまで以上に安定した業績を維持、確保すると共に、首都圏・中京圏を核とする大都市圏では引き続き事業基盤の構築・強化対策を継続し、併せて与信審査等を含めた事業リスクの管理を徹底することがより一層強く求められています。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは「営業利益率」を重要な経営指標と位置づけ、経営計画の基本方針となる「強靭な経営体質の確立」を目指して、「生き残る為の収益至上主義への変革」を実現するために、工事粗利益率の向上と固定費の削減に注力し、安定した利益を確保する体制を構築するとともに、資産及び資本効率を高め、企業価値の向上に注力してまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
建設業界におきましては、大都市圏では今後も人口集中に伴うインフラ整備や再開発事業の加速が見込めること、公共インフラの防・減災、老朽化対策需要等が増加基調にあること、大規模自然災害の復旧需要が本格化することなどから一定程度の市場規模の維持は期待できますが、長期間に亘って新型コロナウイルス問題に起因する内外経済の減速が続けば、国内景気がこれまでどおりの拡大基調を維持することは期待できず、殊に地方圏の建設業界を取り巻く事業環境は楽観視できない状況になることは言を待ちません。
このような環境下、当社グループは、コンプライアンス遵守体制を更に徹底させると共に、業務処理の効率化を推進して生産性の向上を図り、「市況に影響されない事業収益力の確立・強化」を目標として引き続き以下の施策
を実行し、高収益体質への転換を一層推進しつつ、安定した事業収益を確保できる体制を構築する所存です。
① 基本を踏まえた安全衛生対策の徹底
② 受注時目標粗利益の確保と厳格な工事収支管理の実行
③ 首都圏・中京圏における受注・施工体制の強化
④ 不動産開発事業における回収活動の優先実行
⑤ 働き方改革の更なる推進
⑥ 社員に対する教育訓練の広範囲な展開と木目細かな実施
⑦ SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))の全社展開
こうした施策の実行により、確実に利益を確保する体制の整備を進めてまいります。
(5) コンプライアンスの徹底及び体制の整備
① 部署長間の情報共有、協議の活性化とコンプライアンスを踏まえた業務遂行の徹底
② 損失リスクの未然防止対策の強化と規程の整備
③ 組織の整備及び監理室の充実による業務処理の強化
④ 弁護士等の専門家との一層の連携強化
⑤ 営業段階から工事(現業)部門が参加する協議体制の整備
⑥ 取締役を含めた役職員に対する部署別(業務別)研修会の実施
⑦ 内部通報制度の利用の活性化
こうした施策及び体制の整備により、コンプライアンスの強化・徹底を図ってまいります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループ経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めていますが、建設市場は受注価格競争の熾烈化や労務費、建設資材の急激な上昇及び建設技術者・技能者の人員不足がますます深刻化するなど、取り巻く経営環境は引続き厳しい状況が続くものと予想されます。
さらに、今年1月に発生した新型コロナウイルス感染症は終息の見通しが立たず、第2波、第3波の発生などにより長期化すれば民間建設投資が急減速する可能性があります。
このような環境下、当社グループでは継続的な発展を遂げていくため、「受注戦略の見直し」と収益構造・人員構造・組織構造の再構築を図り、「経営資源の選択と集中による恒常的収益構造の確立」を目指し、企業力の強化に取り組んでまいります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策については、当社グループはお客様、従業員、関係先等の安全を第一に考え、従業員の体調管理の徹底、テレワークやWEB会議の導入、出張制限や時差出退勤等の勤務形態の見直し等を実施しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月22日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)経済の状況及び公共投資の状況について
当社グループの中核事業である建設事業は、営業活動を行っている地域の経済状況が悪化したり公共投資が減少した場合は受注面において影響を受けるため、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)工事受注方法について
民間工事における発注方法の多くは、工事業者に見積を依頼して、その中から発注先を決定する方法が採られています。また、公共工事においては、入札により工事業者を決定する方法が採られています。官・民いずれにおいても、受注するための主な決定要素は見積価格です。したがって、当社グループが他の参加者に比して価格優位性がない場合は受注できないことになります。競争激化により受注価格が著しく低下したりすると、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)資材及び労務の調達について
当社グループの中核事業である建設事業においては、多くの資材調達と外注労務費が必要となります。鋼材、セメント等の建設資材の価格高騰や建設作業員の労務費単価が上昇した場合は、見積価格が上昇し受注競争時の価格優位性を弱めるほか、工事中に発生した場合は、工期や原価に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)工事代金回収について
工事代金の回収リスクを回避するため、受注審査規程等を整備し、受注活動のなかで発注者の経営内容等の与信情報を収集して与信管理を行い、法務コンプライアンス室を中心として回収不能事故の未然防止対策を講じていますが、請負事業に特有な事情として、工事の受注から完成までに相当期間を要することから、引渡しまでの間に発注者側の経営状態が変化したり、金融環境や経済情勢等の急変から資金調達、事業遂行等に支障が生じたり、また発注者と個別要因によりトラブルが発生した場合に工事代金の回収に遅延や貸倒れが発生するリスクを常に有しています。このためリスクの顕在化により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)瑕疵責任について
当社グループが行う施工工事・サービス等には、瑕疵が生じるリスクがあります。
当社グループの中核事業である建設事業は、社会生活の基盤を造る事業であり、公共性・安全性が求められており、責任期間も長期にわたります。そのため、様々な規制・法令の適用があり、また、高い技術力の伴った施工能力を求められているので、瑕疵が生じた場合は直接的損害のみならず間接的損害の責任も問われる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財務状況にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制について
当社グループの建設事業における取引については、「建設業法」「建築基準法」「宅地建物取引業法」「会社法」「金融商品取引法」等の法的規制があります。現時点の規制に従って業務を遂行していますが、将来において規制等の変更がなされた場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材の確保について
当社グループの中核事業である建設事業は、優秀な資格者と高度な技術による施工実績の良好な評価が、事業を継続拡大するためのベースとなっており、それゆえに優秀な人材を獲得し維持する必要があります。
当社グループの人事部門は、優秀な人材を確保するため注力していますが、当社グループが必要とする人材が計画どおり確保できなかった場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)安全管理について
工事は、市街地、地中、山間地等の多様な周辺環境の中で行われ、現場内では多数の作業員が多種の作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しています。このため大規模な事故や災害が発生した場合は、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)保有資産について
当社グループは、営業活動を行うにあたって、不動産等の資産を保有していますが、市場価格の変動等により時価が著しく下落した場合に減損損失が生じ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)自然災害の発生・新型コロナウイルス感染症の長期化やその他疫病の蔓延について
大規模な自然災害の発生あるいは新型コロナウイルス感染症の長期化や疫病の蔓延などに伴い、経済状況の急激な悪化、サプライチェーンの寸断、行政機関からの要請などによる工事の中断や大幅な遅延、保有設備の損傷や就業者の減少といった事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、コンプライアンス遵守体制の強化を図ると共に、「市況に影響されない事業収益力の確立・強化」を目標に「与信時・契約時・施工時リスクの徹底した管理」、「受注時目標粗利益の確保と厳格な工事収支管理の実行」、「首都圏・中京圏における受注・施工体制の強化」、「不動産開発事業への積極的な取り組み」などの諸施策を実行し、収益力の強化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,821百万円増加し、29,820百万円となりました。当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ2,112百万円増加し、19,740百万円となりました。当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ708百万円増加し、10,080百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営業績は、売上高は39,531百万円(前連結会計年度比3.0%増)となりました。損益面につきましては、営業利益1,311百万円(前連結会計年度比3.2%減)、経常利益は1,350百万円(前連結会計年度比4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、841百万円(前連結会計年度比12.0%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(建築事業)
完成工事高は29,639百万円(前連結会計年度比3.7%減)となり、営業利益は2,178百万円(前連結会計年度比8.1%減)となりました。
(土木事業)
完成工事高は8,795百万円(前連結会計年度比24.9%増)となり、営業利益は687百万円(前連結会計年度比57.1%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業の売上高は958百万円(前連結会計年度比139.5%増)となり、営業利益は52百万円(前連結会計年度比43.5%増)となりました。
(その他の事業)
その他の事業(ゴルフ事業)は売上高が137百万円(前連結会計年度比7.4%減)、営業損失は78百万円(前連結会計年度は23百万円の営業損失)となりました。
(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額を表示しています。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,243百万円減少し、当連結会計年度末は3,743百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は4,328百万円(前連結会計年度は227百万円の使用)となりました。これは主に売上債権の増加と、不動産事業支出金の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は365百万円(前連結会計年度は85百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得と事業譲受による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1,450百万円(前連結会計年度は189百万円の使用)となりました。これは主に短期借入金の増加によるものです。
③受注及び売上の実績
a.受注実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%)
|
|
建築事業(千円) |
21,838,791 |
△49.5 |
|
土木事業(千円) |
10,013,053 |
21.9 |
|
不動産事業(千円) |
460,987 |
△48.7 |
|
その他の事業(千円) |
137,951 |
△7.4 |
|
合計(千円) |
32,450,784 |
△38.2 |
b.売上実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%)
|
|
建築事業(千円) |
29,639,885 |
△3.7 |
|
土木事業(千円) |
8,795,513 |
24.9 |
|
不動産事業(千円) |
958,487 |
139.5 |
|
その他の事業(千円) |
137,951 |
△7.4 |
|
合計(千円) |
39,531,837 |
3.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりです。
1)財政状態
当連結会計年度末の資産につきましては、現金預金は減少しましたが、受取手形・完成工事未収入金等・不動産事業支出金が増加したことなどを主因に、前連結会計年度末に比べ2,821百万円増加し、29,820百万円となりました。当連結会計年度末の負債につきましては、未成工事受入金が減少しましたが、支払手形・工事未払金・短期借入金が増加したことなどを主因に、前連結会計年度末に比べ2,112百万円増加し、19,740百万円となりました。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ708百万円増加し、10,080百万円となりました。
2)経営成績
当社グループの当連結会計年度おいては、売上高は、建築事業、土木事業は前期からの繰越工事が豊富であり、工事の進捗度が堅調に推移したこと等により、前連結会計年度比3.0%増の39,531百万円となりました。
利益面では、引き続き建設技術者・技能者の逼迫に加え、再び採算を無視した価格競争へ転じる兆しが見え始めているなか、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めた結果、営業利益1,311百万円(前連結会計年度比3.2%減)の計上となりました。
営業外収益(費用)の差引純額は38百万円の利益となり、経常利益は1,350百万円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。
特別損失は67百万円の損失となり、親会社株主に帰属する当期純利益は841百万円(前連結会計年度比12.0%減)となりました。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、市場動向、資材及び労務の動向、工事に起因する事故・災害、新型コロナウイルス感染症の拡大等があります。
市場動向については、国内景気の変動による影響を大きく受けるほか、当社グループが事業基盤としている地方圏においては、建設投資は新型コロナウイルス感染症の拡大による経済活動の停滞等により総じて踊り場感が強く、これが下振れに転じれば再び激しい受注価格競争に転じる要因になると認識しています。こうした中、当社グループは、与信時・契約時・施工時リスクの徹底した管理及び厳格な工事収支管理を行うことにより、リスク回避を図りつつ市場競争力を高め、確実に利益を確保できるよう経営基盤の強化を図ってまいります。
資材及び労務の動向については、鋼材、セメント等の建設資材の価格高騰や建設作業員の労務費単価が上昇した場合、見積価格が上昇し受注競争時の価格優位性を弱めるほか、工事中に発生した場合は、工期や原価に影響し、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼすと認識しています。このため、工事受注後に資材、労務の早期発注を行うと共に、発注先との関係をより強化し情報を共有することによるリスクヘッジに取り組んでまいります。
工事に起因する事故・災害等については、工事現場内では多数の作業員が多種の作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しており、事故や災害が発生した場合は業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす原因になると認識しています。安全対策を確実に講じ、安全教育・危険予知活動等を通じて現場作業に携わる現場管理者、作業員の継続的な意識改革を図ることにより、経営に影響する事故・災害の事前抑制に努めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の拡大による影響については、介護事業等の福祉分野の建設投資に与える影響は軽微であるものの、他の産業分野においては総じて新規投資が延期、中止され、引き合い工事の減少から受注価格競争が激化し、当社グループの受注活動に重大な影響を及ぼす可能性があると認識しています。なお、新型コロナウイルス感染症が今後、短期間のうちに終息すれば訪日外国人旅行者の回復等を含めて経済活動も徐々に正常化し、建設需要も感染拡大前の状況に戻ると考えられますが、第2、第3波の感染拡大等の発生により長期化すれば民間建設投資は更に急減速する可能性があります。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
(建築事業)
前期からの繰越工事が豊富であったこと、当期の受注及び工事の進捗度が堅調に推移したこと等により、完成工事高は29,639百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。
損益面につきましては、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めました結果、営業利益は2,178百万円(前連結会計年度比8.1%減)となりました。
セグメント資産は、完成工事未収入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,716百万円増加し、9,755百万円となりました。
(土木事業)
前期からの繰越工事が豊富であったこと、当期の受注及び工事の進捗度が堅調に推移したこと等により、完成工事高は8,795百万円(前連結会計年度比24.9%増)となりました。
損益面につきましては、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めました結果、営業利益は687百万円(前連結会計年度比57.1%増)となりました。
セグメント資産は、完成工事未収入金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,974百万円増加し、5,072百万円となりました。
(不動産事業)
首都圏、中京圏での開発案件の完成引渡しが堅調に推移したこと等により、不動産事業の売上高は958百万円(前連結会計年度比139.5%増)となりました。
損益面につきましては、売上高が増加したことにより、営業利益は52百万円(前連結会計年度比43.5%増)となりました。
セグメント資産は、不動産事業支出金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ630百万円増加し、4,582百万円となりました。
(その他の事業)
その他の事業(ゴルフ事業)につきましては、土日祝祭日の天候不良による入場者数の減少等により、売上高は137百万円(前連結会計年度比7.4%減)となりました。
損益面につきましては、売上高が減少したこと等により、営業損失は78百万円(前連結会計年度は23百万円の営業損失)となりました。
セグメント資産は、現金預金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ57百万円減少し、257百万円となりました。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上及び全てのステークホルダーの利益と合致するものとして「営業利益率」を重要な指標として位置づけています。当連結会計年度における「営業利益率」は3.3%でした。引続き「営業利益率」を高める事ができるよう、リスク管理の徹底と受注時目標粗利益率の確保及び厳格な工事収支管理等に取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりです。
当社グループにおける資金需要は主に運転資金需要です。運転資金需要のうち主なものは、当社グループの建設業に関わる材料費、労務費、外注費及び現場経費等の工事費用並びに不動産事業に関わる土地、建物等の取得費用があります。また、各事業に共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用があります。その他に社員寮、社宅等の整備の設備投資需要としまして、固定資産購入費用があります。
当社グループは現在、運転資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金を充当し、不足が生じた場合は金融機関からの短期借入金で調達しています。金融機関には十分な借入枠を有しており、短期的に必要な運営資金の調達は可能な状況です。また長期借入金については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を勘案し、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しています。一方、資金調達コストの低減のため、売上債権の圧縮等にも取り組んでいます。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する以下の分析が行われています。この連結財務諸表作成に当たる重要な会計方針につきましては、第5「経理の状況」に記載しています。連結財務諸表の作成に当たっては会計上の見積もりを行っていますが、それらの見積もりが経営状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすものとして以下の事項が考えられます。
a.繰延税金資産の評価
当社グループは、繰延税金資産については、将来における十分な課税所得の確保を前提として、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の評価に関する見積りは、経営者による事業計画や将来の予測に基づいた課税所得を反映しているため、市場経済の悪化や利益計画の目標未達などその見積りに影響を与える事象が発生し、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩され税金費用が増加する可能性があります。
b.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しています。当該資産又は資産グループの経済的耐用年数を見積り、その資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。しかし、市場経済の悪化や利益計画の目標未達など固定資産の減損処理の見積りに影響を与える事象が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
特記事項はありません。
(建築事業及び土木事業)
石油等の化石燃料に依存しない低炭素社会に向け、再生可能エネルギーへの期待が市場で高まる状況にあって、地域のリーディングカンパニーとしての責務を自覚し、市場要求の負託に応えるなかで、技術研究室を中心に高度技術の確立を目指し日々研鑽を積んでいます。当連結会計年度における研究開発費は
地中熱エネルギーの活用に関する研究
浅層地盤中において未利用となっている地中熱を有効活用するための基礎的研究を行い、地中熱ヒートポンプシステムにおける地中採放熱装置の技術開発を進め、その実用化を目指しています。
2014年9月には本研究技術の実用化にあたり、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した2014年度再生可能エネルギー熱利用技術開発事業に採択され、5年間の共同研究を行いました。その後、5年間の共同研究技術の適用範囲を発展的に拡大する目的で、従来型のオープンループ方式技術を複合したカスケードタイプを2018年8月に実装しました。
2019年度は環境省が行う環境技術実証(ETV)事業の対象技術に選定され、実証を行いました。その結果、目標とした比較対象技術の特性値を大幅に上回り、実証済み技術としてETVの認定を取得しました。実証済み技術には実証番号が付されたロゴマークが環境省より交付され、その成果が環境省ウェブサイト等で公表されるため、カスケードタイプ等技術の普及に繋がります。
なお、本研究技術は特許第5963790号「地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム」として、2016年7月8日に特許を取得しています。
子会社においては、研究開発活動は特段行われていません。
(不動産事業及びその他の事業)
研究開発活動は特段行われていません。