第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 社是、経営方針

<社  是> すべてのことに誠実に よりよい仕事をしよう

<経営方針>

1.基本方針

 会社内外の環境の変化や問題に柔軟且つ迅速に対応し、全社一丸となって課題解決に当たるとともに、様々な手段を戦略的に進め企業益を追求する。

(1)全社を網羅したコミュニケーションを活発に行い、互いに補い合い、オールモリヤとして仕事に臨む。

(2)担当職務に全力で当たり、利益を上げ、各自の充実した豊かな生活につなげる。

2.重点実施事項

(1)毎月12日の『守谷の安全の日』を有効運用し、墜落・転落災害ゼロを達成する。

(2)コンプライアンス遵守を徹底し、決められた事は必ず守る。

(3)基本に戻った営業、全社連携した営業により受注を確保した上で、工事原価の圧縮及び経費の削減を行い、利益を追求する

(4)心身の健康の維持・増進のために、検査・治療・環境改善を進める。

(5)教育訓練、自己研鑽、資格取得に注力し、個人の力量をアップし、顧客の要望に応えられる高品質の成果物を造り上げる。

(6)仕事の省力化、効率化、ICT導入、ワークシェアリング等による働き方改革を推進し、結果として時間外労働の削減につなげる

 

(2) 当社グループの経営環境について

 当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済が新型コロナウイルスの度重なる感染拡大により、前半期に大きく落ち込んだことを受け急激に不透明感が強まりましたが、期央から中国経済の回復等を受けて輸出が増加に転じ、製造業を中心に持ち直し傾向が強まるなど期末にかけてようやく回復途上の兆しが見え始めました。

 当社グループが中核事業としている建設業界におきましては、政府投資は国土強靭化対策工事や自然災害からの復興需要を中心として前年度を上回ったものの、民間投資は内外経済の減速の影響から発注量が減少基調に転じ、価格競争が強まり、収益の漸減傾向が徐々に顕在化するなど厳しい事業環境下での経営を強いられつつあります。

 このような経営環境の変化を受けて地方圏を事業基盤としている当社グループは、主力営業圏である長野県内での業績を確実に維持・確保することを柱に、首都圏・中京圏を核とする大都市圏での事業基盤の拡大、強化に努め、併せてリスク管理対策の継続的な精査、実行を徹底することが強く求められる状況になりました

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは「営業利益率」を重要な経営指標と位置づけ、経営計画の基本方針となる「強靭な経営体質の確立」を目指して、「生き残る為の収益至上主義への変革」を実現するために、工事粗利益率の向上と固定費の削減に注力し、安定した利益を確保する体制を構築するとともに、資産及び資本効率を高め、企業価値の向上に注力してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の建設投資の動向見通しにつきましては、政府建設投資は国土強靭化政策の延長が決まったことなどを受けて微減程度に留まると予想されるものの、民間建設投資はアベノミクス政策下における景気拡大時の新規投資やオリンピック関連投資が一巡したこと、コロナ禍による景気動向の不透明さから新規投資の手控え傾向が続く虞があること等から伸び悩む可能性も強く、建設業界を取り巻く経営環境は依然楽観を許しません。

 このような環境下、当社グループは、コンプライアンス遵守体制をより充実させると共に、「市況に左右されない収益力の確立・強化」方針を継続し、以下の施策を確実に実施して安定した事業収益を確保できる体制を実現させてまいります

① 安全衛生対策の徹底による安全第一主義の定着

② 与信管理の徹底及び受注時目標粗利益の確保と厳格な工事収支管理の実行

③ 首都圏・中京圏における受注・施工体制の一層の強化

④ 不動産開発事業の慎重な見極めと回収業務の確実な実行

⑤ 働き方改革の推進による快適な職場環境の維持、形成

⑥ 社員に対する教育訓練の確実な実施

⑦ SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))の継続的な展開

こうした施策の実行により、確実に利益を確保する体制の整備を進めてまいります。

 

(5) コンプライアンスの徹底及び体制の整備

① 部署長間の情報共有、協議の活性化とコンプライアンスを踏まえた業務遂行の徹底

② 損失リスクの未然防止対策の強化と規程の整備

③ 組織の整備及び監理室の充実による業務処理の強化

④ 弁護士等の専門家との一層の連携強化

⑤ 営業段階から工事(現業)部門が参加する協議体制の整備

⑥ 取締役を含めた役職員に対する部署別(業務別)研修会の実施

⑦ 内部通報制度の利用の活性化

こうした施策及び体制の整備により、コンプライアンスの強化・徹底を図ってまいります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループ経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するよう努めていますが、建設市場は受注価格競争が強まりつつあり、労務費、建設資材の一部が上昇基調に転じ、建設技術者・技能者の人員不足がますます深刻化するなど、取り巻く経営環境は引続き厳しい状況が続くものと予想されます。

 さらに、2020年1月に発生した新型コロナウイルス感染症は、ワクチンの接種が始まったものの依然終息の見通しが立たず、さらに長期化すれば民間建設投資が急減速する可能性があります。

 このような環境下、当社グループでは継続的な発展を遂げていくため、「受注戦略の見直し」と収益構造・人員構造・組織構造の再構築を図り、「経営資源の選択と集中による恒常的収益構造の確立」を目指し、企業力の強化に取り組んでまいります。

 また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策については、当社グループはお客様、従業員、関係先等の安全を第一に考え、従業員や各工事現場の作業従事者の感染予防対策、体調管理の徹底、テレワークやWEB会議の導入、出張制限や時差出退勤等の勤務形態の見直し等を継続して実施しています。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月21日)現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経済の状況及び公共投資の状況について

 当社グループの中核事業である建設事業は、営業活動を行っている地域の経済状況が悪化したり公共投資が減少した場合は受注面において影響を受けるため、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)工事受注方法について

 民間工事における発注方法の多くは、工事業者に見積を依頼して、その中から発注先を決定する方法が採られています。また、公共工事においては、入札により工事業者を決定する方法が採られています。官・民いずれにおいても、受注するための主な決定要素は見積価格です。したがって、当社グループが他の参加者に比して価格優位性がない場合は受注できないことになります。競争激化により受注価格が著しく低下したりすると、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)資材及び労務の調達について

 当社グループの中核事業である建設事業においては、多くの資材調達と外注労務費が必要となります。鋼材、セメント等の建設資材の価格高騰や建設作業員の労務費単価が上昇した場合は、見積価格が上昇し受注競争時の価格優位性を弱めるほか、工事中に発生した場合は、工期や原価に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)工事代金回収について

 工事代金の回収リスクを回避するため、受注審査規程等を整備し、受注活動のなかで発注者の経営内容等の与信情報を収集して与信管理を行い、法務コンプライアンス室を中心として回収不能事故の未然防止対策を講じていますが、請負事業に特有な事情として、工事の受注から完成までに相当期間を要することから、引渡しまでの間に発注者側の経営状態が変化したり、金融環境や経済情勢等の急変から資金調達、事業遂行等に支障が生じたり、また発注者と個別要因によりトラブルが発生した場合に工事代金の回収に遅延や貸倒れが発生するリスクを常に有しています。このためリスクの顕在化により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)瑕疵責任について

 当社グループが行う施工工事・サービス等には、瑕疵が生じるリスクがあります。

 当社グループの中核事業である建設事業は、社会生活の基盤を造る事業であり、公共性・安全性が求められており、責任期間も長期にわたります。そのため、様々な規制・法令の適用があり、また、高い技術力の伴った施工能力を求められているので、瑕疵が生じた場合は直接的損害のみならず間接的損害の責任も問われる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財務状況にも悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制について

 当社グループの建設事業における取引については、「建設業法」「建築基準法」「宅地建物取引業法」「会社法」「金融商品取引法」等の法的規制があります。現時点の規制に従って業務を遂行していますが、将来において規制等の変更がなされた場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人材の確保について

 当社グループの中核事業である建設事業は、優秀な資格者と高度な技術による施工実績の良好な評価が、事業を継続拡大するためのベースとなっており、それゆえに優秀な人材を獲得し維持する必要があります。

 当社グループの人事部門は、優秀な人材を確保するため注力していますが、当社グループが必要とする人材が計画どおり確保できなかった場合は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)安全管理について

 工事は、市街地、地中、山間地等の多様な周辺環境の中で行われ、現場内では多数の作業員が多種の作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しています。このため大規模な事故や災害が発生した場合は、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当社グループの業績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)保有資産について

 当社グループは、営業活動を行うにあたって、不動産等の資産を保有していますが、市場価格の変動等により時価が著しく下落した場合に減損損失が生じ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)自然災害の発生・新型コロナウイルス感染症の長期化や再拡大その他疫病の蔓延について

 大規模な自然災害の発生あるいは新型コロナウイルス感染症の長期化や再拡大その他疫病の蔓延などに伴い、経済状況の急激な悪化、サプライチェーンの寸断、行政機関からの要請などによる工事の中断や大幅な遅延、保有設備の損傷や就業者の減少といった事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは、コンプライアンス遵守体制を更に徹底させると共に、業務処理の効率化を推進して生産性の向上を図りつつ、「市況に影響されない収益力の確立・強化」を目標に諸施策を実行し、事業収益を安定的に確保できる体制の構築に努めてまいりました

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,377百万円減少し、27,443百万円となりました。当連結会計年度末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ2,962百万円減少し、16,777百万円となりました。当連結会計年度末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ585百万円増加し、10,666百万円となりました。

b.経営成績

 当連結会計年度の経営業績は、売上高は36,841百万円(前連結会計年度比6.8%減)となりました。損益面につきましては、営業利益891百万円(前連結会計年度比32.0%減)、経常利益は948百万円(前連結会計年度比29.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、652百万円(前連結会計年度比22.4%減)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりです。

(建築事業)

 完成工事高は25,127百万円(前連結会計年度比15.2%減)となり、営業利益は1,170百万円(前連結会計年度比46.3%減)となりました

(土木事業)

 完成工事高は9,117百万円(前連結会計年度比3.7%増)となり、営業利益は856百万円(前連結会計年度比24.7%増)となりました。

(不動産事業)

 不動産事業の売上高は2,490百万円(前連結会計年度比159.8%増)となり、営業利益は477百万円(前連結会計年度比808.2%増)となりました。

(その他の事業)

 その他の事業(ゴルフ事業)は売上高が105百万円(前連結会計年度比23.7%減)、営業損失は28百万円(前連結会計年度は78百万円の営業損失)となりました

(注)「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額を表示しています。

 

 ②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,830百万円増加し、当連結会計年度末は5,573百万円となりました

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、獲得した資金は3,188百万円(前連結会計年度は4,328百万円の使用)となりました。これは主に販売用不動産が増加し、仕入れ債務が減少しましたが、売上債権、不動産事業支出金が減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は412百万円(前連結会計年度は365百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得と連結の範囲変更を伴う子会社株式の売却による支出です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は946百万円(前連結会計年度は1,450百万円の獲得)となりました。これは主に短期借入金、長期借入金の減少によるものです。

 

 ③受注及び売上の実績

a.受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

建築事業(千円)

23,374,261

7.0%

土木事業(千円)

13,045,898

30.3%

不動産事業(千円)

3,568,575

674.1%

その他の事業(千円)

105,210

△23.7%

合計(千円)

40,093,945

23.6%

 

b.売上実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

建築事業(千円)

25,127,824

△15.2%

土木事業(千円)

9,117,681

3.7%

不動産事業(千円)

2,490,467

159.8%

その他の事業(千円)

105,210

△23.7%

合計(千円)

36,841,183

△6.8%

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。

2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の実績」は記載していません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a.当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりです。

 1)財政状態

 当連結会計年度末の資産につきましては、現金預金、販売用不動産は増加しましたが、受取手形・完成工事未収入金等、不動産事業支出金が減少したことなどを主因に、総資産は前連結会計年度比2,377百万円減少し、27,443百万円となりました。当連結会計年度末の負債につきましては、支払手形・工事未払金、短期借入金、未成工事受入金が減少したことなどを主因とし、負債合計は前連結会計年度比2,962百万円の減少となり、16,777百万円となりました。純資産につきましては、前連結会計年度比585百万円増加し、10,666百万円となりました。

 2)経営成績

 当社グループの当連結会計年度おいて、売上高は、工事の進捗度は堅調に推移したものの、前期からの繰越工事が少なかったこと等により、前連結会計年度比6.8%減の36,841百万円となりました。

 利益面では、建設技術者・技能者の逼迫に加え、価格競争が顕在化しつつあるなかで、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めた結果、営業利益891百万円(前連結会計年度比32.0%減)の計上となりました。

 営業外収益(費用)の差引純額は57百万円の利益となり、経常利益は948百万円(前連結会計年度比29.7%減)となりました。

 特別利益(損失)の差額純額は41百万円の損失となり、親会社株主に帰属する当期純利益は652百万円(前連結会計年度比22.4%減)となりました。

 

 b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、市場動向、資材及び労務の動向、工事に起因する事故・災害、新型コロナウイルス感染症の長期化や再拡大等があります

 市場動向については、国内景気の変動による影響を大きく受けるほか、当社グループが事業基盤としている地方圏においては、建設投資は新型コロナウイルス感染症の長期化等による経済活動の停滞等により総じて踊り場感が強く、これが下振れに転じれば再び激しい受注価格競争に転じる要因になると認識しています。こうした中、当社グループは、与信時・契約時・施工時リスクの徹底した管理及び厳格な工事収支管理を行うことにより、リスク回避を図りつつ市場競争力を高め、確実に利益を確保できるよう経営基盤の強化を図ってまいります。

 資材及び労務の動向については、鋼材、セメント等の建設資材の価格高騰や建設作業員の労務費単価が上昇した場合、見積価格が上昇し受注競争時の価格優位性を弱めるほか、工事中に発生した場合は、工期や原価に影響し、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼすと認識しています。このため、工事受注後に資材、労務の早期発注を行うと共に、発注先との関係をより強化し情報を共有することによるリスクヘッジに取り組んでまいります。

 工事に起因する事故・災害等については、工事現場内では多数の作業員が多種の作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しており、事故や災害が発生した場合は業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす原因になると認識しています。安全対策を確実に講じ、安全教育・危険予知活動等を通じて現場作業に携わる現場管理者、作業員の継続的な意識改革を図ることにより、経営に影響する事故・災害の事前抑制に努めてまいります。

 新型コロナウイルス感染症の長期化による影響については、介護事業等の福祉分野の建設投資に与える影響は軽微であるものの、他の産業分野においては総じて新規投資が延期、中止され、引き合い工事の減少から受注価格競争が激化し、当社グループの受注活動に重大な影響を及ぼす可能性があると認識しています。なお、世界的に新型コロナウイルスワクチンの接種が順調に進み、訪日外国人旅行者の受入れが再開されれば経済活動も徐々に正常化し、建設需要も感染拡大前の状況に戻ると考えられますが、感染が再拡大したり長期化すれば民間建設投資は更に急減速する可能性があります。

 

 c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

(建築事業)

 工事の進捗度は堅調に推移したものの、前期からの繰越工事が少なかったこと等により、完成工事高は25,127百万円(前連結会計年度比15.2%減)となりました。

 損益面につきましては、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めました結果、営業利益は1,170百万円(前連結会計年度比46.3%減)となりました。

 セグメント資産は、完成工事未収入金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,657百万円減少し、8,097百万円となりました。

(土木事業)

 前期からの繰越工事が豊富であったこと、当期の受注及び工事の進捗度が堅調に推移したこと等により、完成工事高は9,117百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。

 損益面につきましては、受注前における施工体制の確認、原価管理の徹底及び経費の削減に努めました結果、営業利益は856百万円(前連結会計年度比24.7%増)となりました。

 セグメント資産は、完成工事未収入金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,251百万円減少し、3,821百万円となりました。

(不動産事業)

 首都圏での開発案件の完成引渡しが堅調に推移したこと等により、不動産事業の売上高は2,490百万円(前連結会計年度比159.8%増)となりました。

 損益面につきましては、売上高が増加したことにより、営業利益は477百万円(前連結会計年度比808.2%増)となりました。

 セグメント資産は、販売用不動産が増加しましたが、不動産事業支出金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ805百万円減少し、3,776百万円となりました。

(その他の事業)

 その他の事業(ゴルフ事業)につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛による入場者数の減少等により、売上高は105百万円(前連結会計年度比23.7%減)となりました。

 損益面につきましては、売上高が減少したこと等により、営業損失は28百万円(前連結会計年度は78百万円の営業損失)となりました。

 セグメント資産は、現金預金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ65百万円減少し、192百万円となりました。

 

 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、企業価値の向上及び全てのステークホルダーの利益と合致するものとして「営業利益率」を重要な指標として位置づけています。当連結会計年度における「営業利益率」は2.4%でした。引続き「営業利益率」を高める事ができるよう、リスク管理の徹底と受注時目標粗利益率の確保及び厳格な工事収支管理等に取り組んでまいります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a.当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりです。

 当社グループにおける資金需要は主に運転資金需要です。運転資金需要のうち主なものは、当社グループの建設業に関わる材料費、労務費、外注費及び現場経費等の工事費用並びに不動産事業に関わる土地、建物等の取得費用があります。また、各事業に共通するものとして販売費及び一般管理費等の営業費用があります。その他に社員寮、社宅等の整備の設備投資需要としまして、固定資産購入費用があります。

 当社グループは現在、運転資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した内部資金を充当し、不足が生じた場合は金融機関からの短期借入金で調達しています。金融機関には十分な借入枠を有しており、短期的に必要な運営資金の調達は可能な状況です。また長期借入金については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を勘案し、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しています。一方、資金調達コストの低減のため、売上債権の圧縮等にも取り組んでいます。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) 当社は、2020年7月10日開催の取締役会において、当社の連結子会社であったトヨタホームしなの株式会社の全株式を譲渡することを決議し、同日株式譲渡契約を締結、2020年7月31日に譲渡を完了しました。

 なお、本株式譲渡にともないトヨタホームしなの株式会社は当社の連結対象子会社から除外しています。

1.株式譲渡の理由

 トヨタホームしなの株式会社は2003年12月25日に当社の完全子会社として設立され、設立以来、トヨタホーム株式会社と同社製のプレハブ住宅(トヨタホーム)の販売代理契約を締結し、住宅事業を営んでまいりました。しかしながら、トヨタホームしなの株式会社の今後の事業展開方針等につきトヨタホーム株式会社と協議を重ねた結果、トヨタホームしなの株式会社をトヨタウッドユーホーム株式会社(トヨタホーム株式会社の完全子会社です)の完全子会社にしたうえで事業を継続することが、トヨタホームしなの株式会社の事業基盤をより一層強化し、延いてはトヨタホーム住宅の拡販に繋がる最善策であり、同時に当社グループの経営資源の集中と効率化を図り、以ってグループの総合的企業価値の一層の向上に資すると判断し、今般、同社株式を譲渡しました。

株式譲渡先の名称:トヨタウッドユーホーム株式会社

株式譲渡の時期:2020年7月31日

当該子会社の名称、事業内容及び当社との取引内容

①名称  :トヨタホームしなの株式会社

②事業内容:鉄骨プレハブ住宅事業

③取引内容:当社は当該子会社へ本社事務所、駐車場を貸付けし、当社の社有施設改修工事等を発注しています。

譲渡する株式の数、譲渡価格、譲渡損益及び譲渡後の持分比率

①譲渡する株式の数:1,600株

②譲渡価格    :譲渡価格は両社間の秘密保持契約により非開示といたします。

③譲渡損益    :子会社株式売却益として99千円を計上しています。

④譲渡後の持分比率:0%

(2) 当社は、2020年11月26日に開催した取締役会にて(1)当社の連結子会社である菅平峰の原グリーン開発株式会社(以下、「グリーン開発㈱」といいます。)において会社分割(新設分割。以下、「本件会社分割」といいます。)を行い、そのゴルフ事業を新たに設立する新設会社(グリーン開発㈱の完全子会社・当社の完全孫会社)に承継させたうえで、(2)グリーン開発㈱において当該新設会社の全株式を株式会社ノザワワールドへ譲渡するための株式譲渡契約を締結すること(以下、「本件株式譲渡」といいます。)、(3)グリーン開発㈱(分割会社)を解散し同社において特別清算手続(以下、「本件特別清算手続」といいます。)の開始を申し立てることをそれぞれ承認する決議を行いました。

 なお、本件特別清算手続につきましては、下記5のとおり長野地方裁判所から手続の開始決定を受けました。

 また、本件会社分割及び本件株式譲渡は、いずれも本件特別清算手続における所管裁判所の許可等を条件としますが、2021年1月21日に長野地方裁判所から本件会社分割の効力発生日を2021年4月1日、本件株式譲渡日を同月2日とする旨の許可を得てそれぞれ実施しました。

1.本件会社分割及び本件株式譲渡の目的に関する要旨

(1)本件会社分割の目的

 当社の連結子会社であるグリーン開発㈱が運営しているゴルフ場事業を譲渡するため、会社分割の方法で新たに設立する新設会社に当該事業に属する資産・債務・権利義務等(ただし、当該事業の継続に必要のないものを除く)を承継するため行うものです。

(2)本件株式譲渡の目的

 当社は、1973年3月3日に出資してグリーン開発㈱を設立し、長野県菅平高原においてゴルフ場事業を行ってきましたが、ゴルフ人口の減少や高齢化、同業者間の競争激化等の事業環境の変化を受けて、当該事業は業績の改善、向上が見込めないまま当社グループのノンコア事業に止まってきました。このため当社は、当社グループの経営資源の選択と集中を進め経営の効率化を図ることが、当社グループの総合的企業価値の一層の向上に資すると判断し、当該ゴルフ事業を新設会社に承継させたうえで当該新設会社の全株式を譲渡することを承認決議したものです。

本件会社分割に関する要旨

(1)本件会社分割の日程

①グリーン開発㈱の取締役会における分割計画書の承認決議

2020年11月26日

②グリーン開発㈱の株主総会における分割計画書の承認決議

2020年12月11日

③分割期日

2021年4月1日

④分割登記日

2021年4月1日

(2)本件会社分割の方式

 当社の連結子会社であるグリーン開発㈱を分割会社とし、新設会社を承継会社とする分社型新設分割です。

(3)新設会社の株式の割当等

 新設会社は、本件分割に際して普通株式60株を発行し、その全てを分割会社であるグリーン開発㈱に割り当てます。これにより新設会社はグリーン開発㈱の完全子会社(当社の完全孫会社)になります。なお、分割会社は新株予約権、新株予約権付社債を発行していません。

(4)本件会社分割により増減する資本金等

本件新設分割に伴うグリーン開発㈱の資本金の額等に増減はありません。

(5)新設会社が承継する権利義務等

 新設会社が分割会社であるグリーン開発㈱から承継する権利義務等は、2020年11月26日付の分割計画書に別段の定めがあるものを除き、分割効力発生日現在のゴルフ場事業に属する資産・債務・権利義務等とします。

(6)本件会社分割後の分割会社・新設会社の債務履行の見込み

 本件会社分割の分割会社であるグリーン開発㈱の分割後の債務は、特別清算手続において清算する予定です。本件会社分割により、新設会社の負担すべき債務の履行に影響を及ぼすような事態は想定されず、債務の履行の見込みに問題はないと判断しています。

(7)本件会社分割後の当事者の概要(2021年4月1日現在)

項目区分

分割会社

新設会社

商号

菅平峰の原グリーン開発株式会社

株式会社菅平グリーンゴルフ

代表者

代表清算人 飯島伸明

取締役 飯島伸明

所在地

須坂市大字仁礼字峰の原3153番地124

須坂市大字仁礼字峰の原3153番地124

設立年月日

1973年3月3日

2021年4月1日

資本金

80,000千円

3,000千円

発行済み株式数

16万株

60株

主な事業内容

ありません(本件会社分割後に特別清算する予定です)

ゴルフ場事業

決算期日

3月31日

3月31日

従業員数

0名

0名

大株主及び所有割合

当社100%

分割会社100%

(8)分割会社(グリーン開発㈱)の直近3決算期間の業績概要(単位:千円)

項目区分

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

売上高

201,806

149,012

137,951

営業利益

▲44,122

▲23,706

▲78,387

経常利益

2,192

21,586

▲72,026

当期純利益

▲227,454

1,371,234

▲72,274

総資産

29,990

319,375

261,500

純資産

▲1,565,454

▲194,219

▲266,494

3.本件株式譲渡に関する要旨

(1)本件株式譲渡先の概要

(1)商号

株式会社ノザワワールド

(2)所在地

茨城県ひたちなか市馬渡西谷津3846番地

(3)代表者の役職・氏名

代表取締役 野澤敏伸

(4)事業内容

国内のゴルフ場・ゴルフ練習場・ホテル・倉庫等の経営を柱に不動産賃貸事業などを運営。

(5)設立年月日

1995年2月6日

(6)資本金

10,000千円

(7)年商

1,448,395千円(2019年12月期)

(8)総資産

6,714,529千円(2019年12月期)

(9)純資産

1,751,348千円(2019年12月期)

(10)当社(上場会社)及び

  グリーン開発㈱との関係

資本関係

両社ともに当該事項はありません。

人的関係

両社ともに当該事項はありません。

取引関係

両社ともに当該事項はありません。

 

(2)本件株式譲渡における譲渡株式数及び譲渡前後の所有株式数の状況

①譲渡前のグリーン開発㈱の所有株式数:60株(所有割合:100%)

②譲渡株式数:60株(全株式)

③譲渡後のグリーン開発㈱の所有株式数:0株(所有割合:0%)

(3)本件株式譲渡に係る日程

①グリーン開発㈱の取締役会における本件株式譲渡の承認決議

2020年11月26日

②新設会社の株式譲渡日

2021年4月2日

(4)本件株式譲渡の価格

本件株式譲渡先との契約により非開示とします。

4.本件会社分割、本件株式譲渡、本件特別清算手続の業績への影響見通し等に関する要旨

 本件会社分割、本件株式譲渡、本件特別清算手続の当社グループの業績に与える影響については、(1)グリーン開発㈱の資本金は、当社において既に全額減損処理済みであること、(2)当社とその連結子会社2社がグリーン開発㈱に対して有する入会保証預託金返還債権1,353万6,000円は、各社において損失見込み額を全額引き当て済みであること、(3)当社とその連結子会社2社はグリーン開発㈱に対し上記の入会保証預託金以外の貸付金債権及び売掛金債権等の一切の債権を有していないことなどから、現時点においては軽微と判断しています。

5.本件特別清算手続の開始決定

 グリーン開発㈱は、2020年12月11日に臨時株主総会を開催し、解散を決議するとともに同日付で長野地方裁判所に対し本件特別清算手続の開始を申し立て、同月21日に同裁判所から本件手続の開始決定を受けました。現在、2022年3月期中の清算結了に向けて諸手続を進めています。

 

5【研究開発活動】

(建築事業及び土木事業)

 石油等の化石燃料に依存しない低炭素社会に向け、再生可能エネルギーへの期待が市場で高まる状況にあって、地域のリーディングカンパニーとしての責務を自覚し、市場要求の負託に応えるなかで、技術研究室を中心に高度技術の確立を目指し日々研鑽を積んでいます。当連結会計年度における研究開発費は39百万円となっています。また、当連結会計年度の重点的な活動は以下のとおりです。

①再生可能エネルギー地中熱の活用に関する研究

 浅層地盤中において未利用となっている地中熱、および地下水熱を有効活用するため、2014年9月から、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と5年間の共同研究を行い、2018年に基本技術を確立しました。なお、本研究技術は特許第5963790号「地下水循環型地中熱採熱システム及び地中熱利用冷暖房又は給湯システム」として、2016年7月8日に特許を取得し、また、登録第6194370号「地下水循環型地中採放熱システムHeat-Gw-Power」として、2019年11月1日に商標登録をしています。

 その後、更なる高性能化を目指しHeat-Gw-Powerカスケードタイプを開発・実装し、ボーリング孔内に熱交換器を挿入して地中から採熱する従来方式(ボアホール方式)と比して、イニシャルコストの大幅な低減を可能にしました。

 2020年度においてHeat-Gw-Powerカスケードタイプは、環境省より環境技術実証(ETV)事業の実証済み技術としてETVロゴマークの交付を受け、その成果が環境省ウェブサイト等で公表されるとともに、ETV事業における性能評価結果に基づき、同年12月に省エネ大賞「製品・ビジネスモデル部門」を受賞しています。

 地球環境の保全が喫緊の課題となるなか、SDGsに準拠した全世界的行動が求められ、長野県は2019年12月に「気候非常事態宣言-2050ゼロカーボンへの決意-」を発出し、2050年に二酸化炭素排出量実質ゼロを宣言しました。

 このような状況にあって、建物のゼロエネルギー(ZEB)化を実現するための手段として有望な、地中熱・地下水熱利用冷暖房技術「Heat-Gw-Powerカスケードタイプ」の普及拡大を図り、建築物の省エネ化を強力に推進しています

②i-Constructionによる生産性向上

 ICTの利用で建設生産システム全体の生産性向上を目指し、当部署においてBIM/CIM、および3D測量、3D設計の内製化を推進しています

 

子会社においては、研究開発活動は特段行われていません。

 

(不動産事業及びその他の事業)

研究開発活動は特段行われていません。