第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、『企画提案力・技術開発力・施工力を総合的に強化し、顧客ニーズに合う高品質の商品を提供するとともに、専門業者としての見識を再構築し企業イメージの向上を図る』ことを経営の基本方針とし、新築市場及び、成長著しいリニューアル市場において、お客さまの信頼と期待に応え、社会の発展に貢献してまいります。また、経営効率の徹底及び内部統制の整備により経営基盤を強化するとともに、財務体質の強化を図ることで、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

(2)経営環境

 今後の世界経済は、ウクライナ情勢の長期化や中東地域の地政学的リスク、中国経済の減速傾向、さらには欧米諸国における金融引き締めの影響などにより、不透明感の強い状況が続く見通しです。特に、中国の不動産市場の調整や内需の伸び悩みがアジア全体の成長鈍化要因となっており、外需環境の先行きには慎重な見極めが求められます。

 一方で、国内経済においては、賃上げの広がりや企業収益の改善、積極的な設備投資が継続するなど、緩やかな回復基調が維持される見通しです。生産年齢人口の減少により人手不足が構造的課題となる一方で、デジタル化・省人化投資や外国人労働力の活用など、生産性向上に向けた取り組みが進展しています。高市政権の誕生を契機として、食料安全保障、エネルギー安全保障、防災・インフラ分野への重点投資など、成長基盤の再構築に向けた政策も進みつつあります。

 当連結会計年度の我が国経済は、賃金上昇や設備投資の堅調さを背景に、緩やかな回復基調を維持しております。日本銀行の見通しによれば、企業の前向きな投資姿勢や雇用環境の改善が実体経済を下支えしている一方で、為替変動や海外経済の減速などによる下振れリスクも依然として残されています。物価は基調として上昇が続くものの、実質所得の増加が消費を徐々に押し上げており、緩やかな成長が継続する局面にあります。

 建設業界においては、国土交通省が公表した2025年度の建設投資見通しによれば、公共投資および民間設備投資の双方が底堅く推移し、総建設投資額は前年度を上回る水準で推移する見込みです。特に、防災・減災やインフラ老朽化対策、都市再開発案件などによる継続的な需要が確認されております。一方で、資材価格および労務費の高止まりが続いており、工事費用の上昇が収益性の圧迫要因となっています。

 都心部のオフィス賃貸市場では、企業の集約や機能強化を目的とした移転需要が継続し、空室率は低下傾向にあります。賃料水準は堅調に推移しており、高稼働ビルを中心に上昇基調が継続するなど、都市部の不動産市場は回復傾向を強めています。このような環境のもと、建設需要は安定的に推移するものの、コスト上昇への対応が引き続き重要な課題となっております。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループは、安定した経営を持続していくため、自己資本比率、売上高営業利益率、1株当たり当期純利益などを経営指標の目標とし、指標の向上を目指しております。

 

(4)中長期的な会社の経営戦略

 2021年10月から2030年9月までの9ヵ年に及ぶ長期経営計画『~100年選ばれ続ける会社を目指す!~』のもと、急激に変容していく経営環境の中でも永続的な成長ができる総合専門工事会社となることを目指しております。テーマとして、1.「ゼネコン上位10社でのシェア№1」、2.「ROE15%」、3.「成長性分野開拓」を最終年度の達成目標として掲げ、SDGsへの取り組みも強化し長期的視野で着実な態勢整備と業務推進により業容の拡大、業績の向上を図っております。

 

(5)会社の対処すべき課題

 当社グループは2021年10月から2030年9月までの9ヵ年に及ぶ長期経営計画『~100年選ばれ続ける会社を目指す!~』のもと、急激に変容していく経営環境の中でも永続的な成長ができる総合専門工事会社となることを目指します。テーマとして、1.「ゼネコン上位10社でのシェアNo.1」、2.「ROE15%」、3.「成長性分野開拓」、を最終年度の達成目標として掲げ、SDGsへの取り組みも強化し長期的視野で着実な態勢整備と業務推進により業容の拡大、業績の向上を図ってまいります。

 推進するテーマに変更はありませんが、以下の経営施策を着実に実行し、業容拡大、収益確保を図ってまいります。

 

1.「ゼネコン上位10社でのシェア№.1」

⑴ 営業力強化 :営業情報共有

受注体制の大幅な強化

⑵ 受注領域拡大:工種の拡充(仮設工事との業務提携、設備、原状復旧)

改修チームの連携強化による受注戦略の再構築

2.「ROE15%」

⑴ 生産性向上 :着前検討会の強化と評価

協力会社で構成する勝栄会との連携強化により、施工品質の統一基準を設定

⑵ 現場力の強化:専門知識研修の継続とOJTによる知識の習得

協力会社の施工能力向上と現場作業員確保

改修チームの連携による人員補完力の強化

3.「成長性分野開拓」

⑴ 戦略的投資 :周辺分野へのM&Aの推進

周辺分野における企業との業務提携、資本提携

 

 更に、次期連結会計年度の受注活動につきましては、新築市場、改修市場、子会社セグメント市場において安定的な受注基盤確保のため、採算性に留意しながら引き続き積極的に行い、受注案件における工期の長期化や資材・労務費の上昇が収益に与える影響を踏まえ、見積精度の向上および原価管理体制の強化などリスク管理の徹底にも留意してまいります。

 また、子会社経営管理にも注力する他、引き続き、成長領域と捉えている直接受注市場の開拓や成長分野への投資にも取り組んでまいります。

 

(6)長期経営計画について

 長期経営計画(2021年10月~2030年9月)を策定し、スタートしております。

 

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2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、中長期の企業価値の向上とサステナビリティ課題の解決の両立が重要であると考え、『~100年選ばれ続ける会社を目指す!~』をキーワードに2022年9月期から2030年9月期までを対象とした長期経営計画を策定のうえ、連結売上高200億円を目指しております。このなかで当社は『SDGsへの取組み~Sustainable Development Goals~』を方針として定め、取り組んでおります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 また、連結グループにおける記載が困難であるため、連結グループにおいて主要な事業を営む提出会社単体の記載としております。

 

(1)ガバナンス

 当社は、サステナビリティに関する方針や施策の提案、進捗のモニタリングを管理本部で行い、経営会議で決定し、取締役会に報告する管理体制を構築しております。

 

(2)戦略

 当社を取り巻く経営環境は変化しており、労働集約型ビジネスである建設業においては、長期経営計画に基づき、「労働力の確保」及び「イノベーション」を主要な課題として認識しております。労働力の確保に関しては、ダイバーシティマネジメント、健康経営、職場環境整備などの取組みを進めております。具体的には、性別や国籍を問わない採用の実施、ウェルネス推進室の設置による社員の健康維持、男性育休取得の促進や勤務体系の整備、DX推進による業務効率化などを進めてまいりました。今後も人材育成の強化に向けて必要な体制整備を検討し、方針・施策の検討及び運用を継続してまいります。

 当社は、『SDGsへの取組み~Sustainable Development Goals~』のなかで、環境問題、社会課題、企業統治の各分野に関する課題を設定し、取組みを行っております。

 建設業という事業特性を踏まえ、特に「安全かつ健康に働ける環境の整備」を重要な取組みとして位置付けており、自然界や人体に有害な有機溶剤であるトルエンの使用を削減するため、自然環境や作業環境の改善に直結する無溶剤「4Sクリン」を開発し、その普及に取り組んでおります。

 また、今後も、人材育成や社内環境の整備に向けた体制構築について、必要に応じて検討を進めてまいります。

 人材育成の戦略としましては、以下のとおり方針を定めております。

① 若年層においては当社における専門知識を座学で習得、並行してOJT(職場内訓練)を実施し、早期育成を図る。

② 中長期においては社内共通知識(社会常識・経理財務・マーケティング・企業法務・IT・経営戦略等)をEラーニングで習得、自主的に学ばせ、一人一人の能力を早期理解し、マネジメント力の高い人材を見出す。

③ 上記の方法を用い、一人一人の適性に合わせた人材育成プログラムを実施する。

 

(3)リスク管理

 当社は、サステナビリティ課題について、戦略で示した課題に関連するリスクについて、経営企画室・管理本部及び経営会議で議論・評価・モニタリングを実施することとしております。

 

(4)指標及び目標

 当社は、サステナビリティに関する重要課題について上記戦略において示した取組みを推進していくこととしております。なお、各課題に対する指標及び目標については、現時点において指標を定めていないため、記載しておりません。今後、指標を定めて取り組んでいく予定です。

 

 当社は、上記「(2)戦略」において記載した、人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について男女ともに全社員が活躍できる雇用環境の整備を行うため、指標及び行動目標を策定しております。具体的な目標と実績については次のとおりであります。

指標

目標

2025年度実績

総合職新卒採用の女性割合

直近3年平均で20.0

59.7%

年次有給休暇の取得率

全社員6日以上を達成

76.6%

 

 なお、人的資本に関する指標等の実績につきましては、「第1 企業の概況 5従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載のとおりであります。

 当社は、現時点では多様性の確保について明確な目標数値や達成までのスケジュールは定めておりませんが、重要な経営課題のひとつとして認識しており、今後、目標の設定や開示の方法等について、検討を進めてまいります。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項としては以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)建設市場の動向

 当社グループの主たる事業分野の防水工事業は請負形態をとっており、受注先の動向により受注額の増減、競合する他社との受注競争の激化等による低採算化のため収益力の低下など、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)取引先の信用のリスク

 当社グループは、取引先に関し審査の実施や信用不安情報の収集など、信用リスク回避の方策を講じております。しかしながら、万一、発注者、協力会社等に信用不安が生じた場合、資金回収の懸念や工期の遅延など、予定外の事態により業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)重大事故の発生

 安全管理には万全を期しておりますが、施工中に予期しない重大事故が発生した場合、関係諸官庁からの行政処分を受けることなどにより、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)業績の季節的変動

 当社グループの属する建設業界における業績については、受注高、売上高ともに、上半期の割合が大きい傾向にあります。したがって、連結会計年度の上半期と下半期の受注高、売上高には大きな相違があり、業績に季節的変動があります。

 

(5)施工物の不具合

 品質管理には万全を期しておりますが、万一、欠陥が発生した場合には顧客に対する信用を失うとともに、瑕疵担保責任による損害賠償が発生した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)資材価格の変動

 当社グループは、新築防水工事、改修工事、直接受注工事、設備工事等を主な業務としており、受注先との契約から工事完了までの間に防水材、資材などの値上げが実施され、請負代金に反映させることが困難な場合、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害の発生

 地震、津波、風水害等の自然災害が発生した場合、当社グループが保有する資産や当社グループの従業員に直接被害が及び、損害が発生する可能性があります。災害規模が大きな場合には、事業環境が変化し業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、依然として地政学的・政治的な不確実性を抱える状況が続いております。米国ではトランプ前大統領の復権により通商・安全保障政策の再編が進む一方、中東ではパレスチナ情勢の緊迫化が長期化の様相を呈し、国際的な資源価格や物流コストの変動リスクが高まっています。

 国内においては、高市政権の発足により経済政策・財政運営の方向性が新たな局面を迎えるなか、自公連立の終焉と自維連立による新たな政治体制のもとで、成長戦略の再構築に向けた動きが加速しています。

 こうした国際・国内情勢の変化のなか、当連結会計年度の我が国経済は、一部に弱めの動きもみられるものの、緩やかに回復しています。個人消費は徐々に回復軌道に乗りつつあり、賃上げや物価上昇も実体経済に一定の影響を及ぼしています。

 首都圏の非居住用建物の着工床面積については、前年同期比で減少し、工事費予定額についても減少しています。着工時点での工事費予定額平米当たり単価については、労務費、材料費等の価格上昇も影響し、前年に引き続き増加しています。

 東京都心5区におけるオフィス賃貸市場では、移転や拡張、分室開設、集約・統合など多様なニーズによる成約がみられ、空室率は低下しました。大規模ビルでの成約は年間を通じて継続し、既存ビルでも安定した需要が確認されるなど、高稼働の動きが広がっています。賃料は2万円/坪を上回る水準で推移しており、足元でも上昇が続いています。

 このような経営環境のなか、2021年10月から2030年9月までの9ヵ年に及ぶ長期経営計画『~100年選ばれ続ける会社を目指す!~』のもと、急激に変容していく経営環境の中でも永続的な成長ができる総合専門工事会社となることを目指しております。テーマとして、1.「ゼネコン上位10社でのシェアNo.1」、2.「ROE15%」、3.「成長性分野開拓」、を最終年度の達成目標として掲げ、SDGsへの取り組みも強化し長期的視野で着実な態勢整備と業務推進により業容の拡大、業績の向上を図ってまいりました。

 

 推進するテーマに変更はありませんが、次のとおりテーマごとに取組んでまいりました。

1.「ゼネコン上位10社でのシェアNo.1」

  (1)営業力強化:リスク管理を前提とした合理的な受注、直接受注顧客の増強

  (2)受注領域拡大:ワンストップ提案によるセット受注推進、新工法にも対応した施工・資材の提供

2.「ROE15%」

  (1)生産性向上:採算性に留意した最適配置、技能職部門強化、社員エンゲージメントの取組み

  (2)現場力の強化:着工前事前検討会の徹底、現場パトロール強化による社員教育と育成

3.「成長性分野開拓」

  (1)マサルグループ内連携強化:各社機能の統合や合理化への取組み

  (2)新たな事業領域への進出:投資を伴うシナジー事業領域開発、海外事業の模索

 

 受注活動につきましては、採算性に留意しながら、新築市場、改修市場、子会社セグメント市場において安定的な受注基盤確保のため、積極的に行ってまいりました。また、受注案件における工期の長期化や資材・労務費の上昇が収益に与える影響を踏まえ、見積精度の向上および原価管理体制の強化などリスク管理の徹底にも留意してまいりました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ4億12百万円増加し、88億6百万円となりました。その内訳といたしましては、流動資産65億54百万円、有形・無形固定資産15億46百万円、投資その他の資産7億5百万円であります。

 当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ75百万円増加し、35億29百万円となりました。その内訳といたしましては、流動負債28億33百万円、固定負債6億95百万円であります。

 当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ3億37百万円増加し、52億77百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は59.9%となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、受注高が127億60百万円(前年同期比44.6%増)となりました。売上高につきましては、106億47百万円(前年同期比19.0%増)となりました。利益につきましては、営業利益は6億38百万円(前年同期比56.6%増)、経常利益6億58百万円(前年同期比56.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、4億5百万円(前年同期比46.1%増)となりました。

 

(建設工事業)

 売上高は91億65百万円(前年同期比13.8%増)、セグメント利益は5億68百万円(前年同期比52.1%増)となりました。受注高につきましては、83億11百万円(前年同期比2.5%増)となりました。

 

(設備工事業)

 売上高は14億84百万円(前年同期比64.4%増)、セグメント利益は69百万円(前年同期比108.8%増)となりました。受注高につきましては、44億49百万円(前年同期比522.9%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は32億94百万円となり、期首残高に比べ10億15百万円の増加となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動により得られた資金は12億38百万円となりました。これは主に、仕入債務の減少2億円、法人税等の支払額1億30百万円等により資金が減少したものの、未成工事支出金の減少2億85百万円、売上債権の減少2億84百万円等により資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動により得られた資金は9百万円となりました。これは主に、保険の解約等による収入41百万円等により資金が増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動により使用した資金は2億32百万円となりました。これは主に、長期借入金の借入による収入3億円等により資金が増加したものの、長期借入金の返済による支出3億21百万円、社債の償還による支出96百万円等により資金が減少したことによるものであります。

 

 

③ 建設業における受注工事高及び施工高の実績

a.生産実績

 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建設工事業

8,311,239

2.5

5,078,020

△14.1

設備工事業

4,449,328

522.9

3,602,261

442.9

合計

12,760,567

44.6

8,680,281

32.0

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、設備工事業セグメントにおける大型案件の受注によるものであります。

 

c.売上実績

 当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

建設工事業

9,165,016

13.8

設備工事業

1,482,672

66.2

合計

10,647,689

19.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度において、売上実績に著しい変動がありました。これは、設備工事業セグメントにおいて、前連結会計年度から繰り越された大型案件が当連結会計年度に完工したことに加え、当連結会計年度に受注した大型案件について工事進行基準による売上計上が行われたことによるものであります。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年10月1日

至 2024年9月30日)

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

至 2025年9月30日)

売上高(千円)

割合(%)

売上高(千円)

割合(%)

鹿島建設株式会社

1,399,124

15.6

1,879,861

17.6

大成建設株式会社

461,169

5.2

1,086,753

10.2

 

(参考)提出会社の事業の状況は次のとおりであります。

a.受注工事高、完成工事高及び繰越工事高

期別

区分

前期

繰越工事高

(千円)

当期

受注工事高

(千円)

(千円)

当期

完成工事高

(千円)

当期

繰越工事高

(千円)

第69期

自 2023年

10月1日

至 2024年

9月30日

新築防水工事

2,865,433

2,989,377

5,854,811

3,140,307

2,714,503

改修工事

1,648,720

4,211,444

5,860,164

3,283,506

2,576,658

直接受注工事

1,332,038

907,177

2,239,215

1,617,392

621,823

5,846,192

8,107,999

13,954,191

8,041,206

5,912,985

第70期

自 2024年

10月1日

至 2025年

9月30日

新築防水工事

2,714,503

3,340,332

6,054,835

3,485,337

2,569,498

改修工事

2,576,658

3,256,822

5,833,480

3,996,755

1,836,725

直接受注工事

621,823

1,714,084

2,335,907

1,664,111

671,796

5,912,985

8,311,239

14,224,224

9,146,204

5,078,019

(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にも係る増減額が含まれております。

2.当期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。

 

b.受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注区分は官公庁と民間に大別されます。

期別

区分

官公庁(%)

民間(%)

計(%)

第69期

自 2023年10月1日

至 2024年9月30日

新築防水工事

100.00

100.00

改修工事

100.00

100.00

直接受注工事

100.00

100.00

第70期

自 2024年10月1日

至 2025年9月30日

新築防水工事

100.00

100.00

改修工事

100.00

100.00

直接受注工事

100.00

100.00

(注)百分比は請負金額比であります。

c.完成工事高

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

第69期

自 2023年10月1日

至 2024年9月30日

新築防水工事

3,140,307

3,140,307

改修工事

3,283,506

3,283,506

直接受注工事

1,617,392

1,617,392

8,041,206

8,041,206

第70期

自 2024年10月1日

至 2025年9月30日

新築防水工事

3,485,337

3,485,337

改修工事

3,996,755

3,996,755

直接受注工事

1,664,111

1,664,111

9,146,204

9,146,204

(注)完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

第69期

清水建設㈱

麻布台ヒルズ森JPタワー

新築防水工事

鹿島建設㈱

Shibuya Sakura Stage

新築防水工事

鹿島建設㈱

文京グリーンコート センター棟

改修工事

㈱ザイマックス

錦糸町プライムタワー外壁改修

改修工事

管理組合

パティオス2番街 第2回大規模修繕工事

直接受注工事

第70期

大成建設㈱

三田ガーデンヒルズ(南棟)

新築防水工事

三井住友建設㈱

HARUMI FLAG PARK VILLAGE T棟

新築防水工事

鹿島建設㈱

浦安ブライトンホテル東京ベイ 外壁改修工事

改修工事

三井住友建設㈱

住友不動産飯田橋ファーストビル

改修工事

管理組合

ゆりが丘ヴィレッジ大規模修繕工事

直接受注工事

 

d.手持工事高 (2025年9月30日現在)

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

新築防水工事

2,569,498

2,569,498

改修工事

1,836,725

1,836,725

直接受注工事

671,796

671,796

5,078,019

5,078,019

(注)手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。

清水建設㈱

日本橋一丁目中地区再開発C街区

新築防水工事

2026年9月完工予定

㈱大林組

品川駅北周辺開発3街区

新築防水工事

2025年12月完工予定

鹿島建設㈱

霞が関ビルディング外壁改修工事

改修工事

2026年8月完工予定

大成建設㈱

ニューピア竹芝ノースタワー 改修工事

改修工事

2025年12月完工予定

施主直

ロゼオ水戸モール棟屋上防水 改修工事

直接受注工事

2026年9月完工予定

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

 当社グループの財政状態は以下のとおりであります。なお、財政状態につきましては、工事進捗に伴って発生する契約資産を含む売上債権や未成工事支出金、仕入債務や未成工事受入金等により変動いたします。

 なお、具体的な財政数値については「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。

 

(資産合計)

 資産増加の要因については、主に完成工事高の増加に伴い現金及び預金が10億15百万円増加したことによるものであります。

 

(負債合計)

 負債増加の要因については、主に未払法人税等が1億30百万円増加したことに加え、完成工事高の増加に伴い契約負債が1億7百万円増加したことによるものです。

 

(純資産合計)

 純資産増加の要因については、主に完成工事高の増加に伴い利益剰余金が2億94百万円増加したことによるものであります。

 

2)経営成績

(売上高)

 具体的な経営成績の要因については「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(完成工事原価、販売費及び一般管理費)

 完成工事原価は完成工事高の増加等に伴い、84億17百万円(前年同期は71億58百万円)となり、販売費及び一般管理費は、従業員給与手当の増加等により15億91百万円(前年同期は13億81百万円)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、完成工事高の増加等に伴い4億5百万円(前年同期は2億77百万円)となりました。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況、3 事業等のリスク」に記載のとおりであると認識しております。

 

2)経営者の問題意識と今後の方針についての検討

 経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり検討しております。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指数等に関しましては、「第2 事業の状況、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」をご参照ください。

 なお、当連結会計年度の売上高営業利益率は6.0%であります。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(建設工事業)

 売上高は91億65百万円(前年同期は80億55百万円)、セグメント利益は5億68百万円(前年同期は3億73百万円)となりました。

 セグメント資産は、現金及び預金が増加した結果、前連結会計年度末に比べ2億79百万円増加し、72億43百万円となりました。

 

(設備工事業)

 売上高は14億84百万円(前年同期は9億3百万円)、セグメント利益は69百万円(前年同期は33百万円)となりました。

 セグメント資産は、現金及び預金が増加した結果、前連結会計年度末に比べ1億31百万円増加し、18億19百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況・検討内容

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況、4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの検討内容といたしましては、税金等調整前当期純利益が6億18百万円と比較的大きかったことに加え、長期借入金の借入による収入3億円等により、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ10億15百万円増加し、32億94百万円となりました。

 また、その他キャッシュ・フローへ影響を与えたものにつきましては、長期借入金の返済による支出3億21百万円、未成工事支出金の減少2億85百万円、売上債権の減少2億84百万円等があります。

 

 

b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報

1)資金需要

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、建設工事業及び設備工事業により構成される工事業に関わる、材料費、労務費、外注費及び経費に係る費用に加えて販売費及び一般管理費等であります。

 

2)財政政策

 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。

 主要な運転資金及び設備資金に関しては、子会社のものを含めて当社においてコントロールを行いながら、資金調達コストの低減に努め、当社グループ全体の有利子負債の削減を図っております。また、資金の流動性確保の観点から、設備投資に係る借入れは長期を中心に行っております。

 この結果、当連結会計年度末の有利子負債残高は10億33百万円となっております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

(建設工事業)

 当社グループは、建物防水工事において、施工機器・工具の開発、工法の開発、材料・副資材の開発・改良、特に産業廃棄物の低減など同業他社に先がけて積極的に推進してまいりました。建築物は時代のニーズに応えながら高層化、軽量化、外装材の高級化、デザインの複雑化、低価格化など常に変化しており、当社もこれらの変化に対応した研究開発を推進することが今後も重要なテーマとなっております。

 当社グループの技術本部は、実際の作業を通して発見する課題について、設計事務所、総合建設会社、材料メーカー、材料ディーラー等との共同研究、又は自主研究を行っております。

 当連結会計年度における研究は次のとおりであります。なお、当連結会計年度に支出した研究開発費は、技術スタッフの人件費等を含めて総額32,971千円であります。

 

(1) 新規シーリング材の耐久性及び市場対応性の研究

(2) ガラス突合わせ目地のシーリング工法の研究

(3) 長期耐久性材料の研究

(4) シーリング工事長期保証に関する研究

(5) ガラススクリーン構法のシーリング施工に関する研究

(6) ムーブメントが大きい目地の剥離のメカニズム研究(プライマーの開発研究)

(7) ボンドブレーカー貼り治具の研究

(8) 石目地施工方法の研究

(9) 有機溶剤代替品の完成・販売/4SクリンNEWの洗浄力アップ

(10) 石目地汚染除去方法の研究

(11) 有機溶剤使用量の削減研究

(12) シーリング工事施工能力(生産性)向上研究

(13) 逆打ち工法における打継部処理の工法研究

(14) 各種止水材の研究

(15) ウレタン塗膜の新工法に関する研究

(16) ウレタン塗膜・膜厚測定器の開発

(17) 太陽光発電に関わる防水工事の研究

(18) 地下ピット防水仕様の研究

(19) 防水新工法の研究

(20) 外壁汚染の洗浄方法の研究

(21) シーリング材切取り方法の研究

(22) 外壁汚染防止コーティング材の研究

(23) 水切ゴムによる外壁汚染防止の研究

(24) シリコーンオイル除去材の研究

(25) コンクリート・モルタル表面保護材の研究

(26) ガラスグレージングガスケット改修方法の検証

(27) 浸透性防水剤の研究

(28) 外壁調査プロット作業の開発

(29) シーリング目地の余寿命診断技法の開発研究

(30) 外壁タイル調査診断技法の開発研究

(31) コロナ放電技術を駆使した接着力向上の開発研究

(32) マサルブランド、オリジナルシーリング材の開発

(33) シールノズル開発

(34) ACW漏水対策試験および開発

(35) シーリング剥離防止技術開発

 

(設備工事業)

設備工事業において研究開発活動は行われておりません。