第2 【事業の状況】

 

「第2 事業の状況」における各事項の記載につきましては、消費税等抜きの金額を表示しております。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2020年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営方針等

 ①基本的な経営方針

当社は「健全な建設事業の経営を通じて会社の永続的な発展を図り、それによって社会国家の繁栄に寄与するとともに、株主各位の負託に応え、社員の人間成長と福祉を増進する」ことを経営理念として、また「安全第一、技術と信用、誠実と努力、経営の健全」を社是として掲げ、永年にわたり良質な社会資本の整備並びに提供に向けて努力しております。

②目標とする経営指標

当社が目標とする経営指標といたしましては、安定した経営を持続していくため、自己資本比率、売上高経常利益率、1株当たり当期純利益などの指標の向上を目指しております。

 これら各指標の推移は以下のとおりであります。

決算期

2016年3月期

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

自己資本比率     (%)

62.7

64.0

65.8

67.8

70.1

売上高経常利益率    (%)

5.1

6.3

5.9

6.7

4.1

1株当たり当期純利益 (円)

103.12

576.09

734.93

773.60

452.48

 

 (注) 1.2017年10月1日を効力発生日として、普通株式5株につき1株の割合で株式併合を実施しております。

2017年3月期の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。

  2.「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を2019年3

月期の期首から適用しており、2018年3月期に係る自己資本比率については、当該会計基準等を遡って

適用した後の指標等となっております。

 

(2)経営環境

今後のわが国経済は、米中対立などの動向が世界経済に与える影響や地政学的リスクの高まりに加え、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による海外経済の不確実性などが下押し要因となり、先行き不透明な状況が続くと予想されます。政府による各種経済対策等の実行やその効果は期待されるものの、新型コロナウイルス感染症が経済及び社会活動に与える影響は甚大かつ広範囲にわたり、その収束の如何によっては長期間にわたって景気後退を招くことも予想されます。

建設業界におきましては、民間設備投資は首都圏を中心とする大規模再開発及び周辺における物流施設の建設などが牽引して、建設需要は全体として高い水準を維持しております。また、公共投資につきましても、経済対策の効果などから大型インフラ整備や防災・減災対策関連の工事量が維持され、引き続き堅調に推移すると期待されます。一方で新型コロナウイルス感染症による影響につきましては、民間設備投資需要の一部に減速が懸念される状況にあると認識しております。

 

 

(3)セグメントごとの事業環境及び優先的に対処すべき課題等

・建築事業

民間設備投資は、大型物流施設や大型商業施設、工場の建設が続くとともに、オフィスビルや複合ビルの建設も一定の需要を維持すると予想されます。一方で建設費は高い水準で推移し、鋼材等資材納期の長期化や地代の高騰が続いていることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響等により、一部で設備投資計画見直しによる工事の延期等も懸念される状況にあります。

当社は、技術力・提案力・営業力を強化し、誠実な対応を通じて既存顧客を確実に維持するとともに、長期的な視野を持って新規顧客の開拓に注力し、シェアを拡大してまいります。

・土木事業

公共投資につきましては、首都圏インフラ整備や国土強靭化施策に基づく防災・減災対策等、首都圏を中心として高い水準の維持が予想されます。民間投資につきましては、工場土木、鉄道関連、土地造成工事に加えて環境関連等で一定の需要が維持されると予想されます。一方で大規模工事への予算集中により案件は減少・大型化傾向にあり、受注競争での厳しさが増すことも見込まれる状況にあります。

当社は、選択と集中を徹底し、受注効率を高めることで、シェアの拡大と利益の獲得を目指します。また、今後需要が見込まれるインフラ老朽化対策や環境関連対策事業について情報収集を行い、受注への仕組み作りを行ってまいります。

 

これらのことを踏まえ、当社といたしましては、リスク管理を徹底し、これまで築いてきた信用と健全な財務力に加え、技術力、提案力、営業力を一層強化するとともに、人材育成に注力し、事業環境の変化に柔軟に対応できるよう、総合力の更なる向上を図ってまいります。

また、企業の魅力とイメージの更なる向上を図るとともにマーケティングを徹底し、民間建築事業を継続的に強化してまいります。官公庁工事においても、安定的な受注量を確保するべく、総合評価方式での受注競争力を更に強化してまいります。

また、建設業界全体の中長期的な課題である、労働時間の適正化や生産性の向上などを含む働き方改革への取り組みを推進してまいります。

そして、社会から高い信頼を寄せていただける企業であり続けるべく、全社を挙げて品質管理及び安全管理並びにコンプライアンスの徹底に努めてまいります。さらに、建設業の存在意義と社会的使命とを再認識し、人びとの安心・安全と豊かな暮らしに貢献できるよう、全力を尽くしてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社では、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。

文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2020年3月31日)現在において当社が判断したものであります。

(特に重要なリスク)

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

(1)建設市場の縮小

当社の主要事業である建設事業におきましては、民間企業による設備投資及び国や地方公共団体等による公共投資の動向に大きく影響を受けます。今後、民間建設需要及び公共建設需要が予想以上に抑制され、国内建設市場が縮小した場合には、受注及び売上の減少など、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

市場構造や競争環境に即した営業活動を展開するため、マーケティングを強化し、既存の顧客をしっかりとフォローしつつ、将来性のある優良企業等の新規開拓にも注力しております。また、将来の環境変化に柔軟に対応できるよう、人員計画を実施するなど、リスクの軽減に取り組んでおります。

 

(2)取引先の信用リスク

当社の主要事業である建設事業におきましては、一取引における請負金額が大きく、請負代金の回収が工事目的物の引渡時に行われる条件で契約が締結される場合があります。予想しない取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合には、貸倒損失の発生など、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

取引先の与信管理については、社内の営業管理規程に従い、営業債権について、各事業本部及び各支店が連携して与信管理を行うことによりリスクの低減を図るとともに、情報管理を徹底し、貸倒損失等の発生防止に取り組んでおります。

(3)事故又は災害等の発生

当社の主要事業である建設事業におきましては、施工中に予期しない重大事故が発生した場合、受注機会の逸失や企業イメージの棄損など、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。また地震、風水害等の大規模災害や感染症等の疫病の流行が発生した場合にも、事業活動の休止など、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

重大事故又は災害のリスクの低減を図るため、安全教育の充実を図るとともに、各施工部門及び社内の専門部署が工事現場の安全管理を補完しております。
災害に強い事業拠点を東京本社及び岡山本店の二箇所に整備するとともに、災害等緊急時に迅速かつ効果的な対応が行えるよう、BCP(事業継続計画)を作成、定期的な全社訓練の実施及びそれに基づく計画内容の見直しを行うなど、リスクの低減に取り組んでおります。

 

(4)新型コロナウイルス感染症
  拡大に伴うリスク

2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の流行は、世界的な規模で経済活動に影響を及ぼしております。当社の主要事業である建設事業におきましては、影響は限定的であると判断しておりますが、今後予想を超える感染拡大や長期化が進んだ場合には、民間設備投資の減速、サプライチェーンの寸断、工事の一時中止等により、受注や売上の減少など、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

IT環境の整備や柔軟な勤務体制の運用を通じて、新型コロナウイルス感染症の予防対策を徹底した上で事業活動を継続するとともに、東京本社及び岡山本店の二つの拠点整備により、事業停止リスクの低減を図っております。また、市場動向を注視し、各サプライチェーンとの情報共有を進めるなど、将来の変化へ柔軟に対応できるよう体制整備を図っております。

 

 

(重要なリスク)

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

(1)資材価格等の変動

主要な建設資材である鋼材等の原材料価格及び労務コストが上昇し、またその価格上昇分が請負金額に反映されない場合には、当社の建設事業売上粗利益額の減少を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

資機材調査及び購買業務において、市況動向、地域特性の早期把握と共有に基づく価格交渉を行うことにより、更なるコスト低減を図るとともに、メーカーからの情報に基づく輸入原料動向の把握等、最新情報の多角的な収集に努めております。

 

(2)退職給付債務

当社は、確定給付型の退職給付制度を採用しており、退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。運用している年金資産の時価が著しく変動した場合、または割引率、期待運用収益率等の前提条件に変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

年金資産の時価、割引率、期待運用収益率等の前提条件の変更に関して適時に情報を収集することで、経営成績及び財務状況に与える影響を早期に把握するよう努めております。

(3)製品の欠陥

建設工事の品質につきましては、予想しない契約不適合責任による損害賠償が発生した場合、またその結果、当社への社会的信用が著しく低下した場合には、損失の発生や受注機会の逸失など、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 品質マネジメントシステム(ISO9001)の運用と継続的改善により、徹底した品質管理を実施しております。また、社内での品質検査体制を整備、運用し、品質事故を未然に防止するよう努めております。

 

(4)法的規制等

当社の主要事業である建設事業におきましては、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、国土利用計画法、都市計画法、独占禁止法等により法的規制を受けております。そのため、上記法律の改廃や新たな法的規制の新設、適用基準の変更等によっては、業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社に対する訴訟等につきまして、当社側の主張・予測と相違する結果となった場合には、損失の発生や企業イメージの棄損など、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

社内に法務専門部署を設置し、法令の遵守及び運用状況、改訂動向に関する情報収集に努めるとともに、逐次法令適合性についての確認を行い、コンプライアンス違反を未然に防ぐよう努めております。訴訟等につきましては、顧問弁護士等外部の専門機関と緊密に連携し対応できる体制を構築しております。

(5)金融市場の変動

金利水準及び株式市場に大幅な変動が生じた場合には、株式評価損の計上など、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

定期的に金利動向や金融機関の融資姿勢についてモニタリングを行うとともに、借入における機動的な資金確保のための融資枠設定等、安定的かつ経済的な資金調達に努めております。 


 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)

当事業年度のわが国経済は、企業収益の改善傾向が持続するとともに、設備投資も高い水準で推移したほか、雇用・所得環境も底堅く推移するなど、引き続き緩やかな回復基調にありました。一方で米中対立などの動向が世界経済に与える影響や地政学的リスクの高まりなどに加え、年度後半には新型コロナウイルス感染症の世界的流行による海外経済の不確実性などが下押し要因となり、景気は先行き不透明な状況が続きました。

建設業界におきましては、一部地方で需要減少による厳しさがみられたものの、民間設備投資は企業業績の回復に伴い増加基調にあるなど、全体として緩やかな回復基調で推移したほか、公共投資も首都圏を中心とした大型インフラ整備等により引き続き高い水準を維持しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響は拡大傾向にあり、業況の先行きについても不透明な状況となりました。

こうした経営環境の中で当社は、全社を挙げて品質管理及び安全管理並びにコンプライアンスの徹底に努めるとともに、技術力、提案力等の総合力の更なる向上と安定的な収益基盤の構築を目指して積極的な営業活動を展開してまいりました。

これらの結果、受注高は前期比14.1%増の920億13百万円となりました。

売上高は前期比5.7%減の790億60百万円となりました。

利益面では、営業利益が前期比43.2%減の30億85百万円、経常利益が前期比42.2%減の32億54百万円、当期純利益は前期比41.5%減の23億10百万円となりました。

(財政状態)
〈資産〉

当事業年度末の資産合計は、925億15百万円(前年同期比24億75百万円減)となりました。

流動資産は、完成工事未収入金の減少等により、前年同期比7億6百万円の減少、固定資産は、保有株式の株価下落に伴う投資有価証券の減少等により、前年同期比17億68百万円の減少となりました。

〈負債〉

当事業年度末の負債合計は、276億26百万円(前年同期比29億89百万円減)となりました。

流動負債は、未払金の減少等により、前年同期比28億42百万円の減少、固定負債は、退職給付引当金の減少等により、前年同期比1億47百万円の減少となりました。

〈純資産〉

当事業年度末の純資産合計は、前年同期比5億14百万円増の648億88百万円となりました。これは、当期純利益の計上によるものであります。

 

セグメントごとの経営成績及び財政状態は、以下のとおりであります。

・建築事業

建築事業の当事業年度のセグメント受注高は456億83百万円(前年同期比6.2%減)となりました。セグメント売上高は407億88百万円(前年同期比17.5%減)となり、セグメント利益は43億61百万円(前年同期比22.7%減)となりました。当事業年度末のセグメント資産は、完成工事未収入金の減少等により340億61百万円(前年同期比10.1%減)となりました。

当事業年度の建築事業は、企業業績の回復に伴う民間設備投資の増加などにより緩やかな回復基調で推移しましたが、受注高は前年同期比で減少となりました。売上高は大型工事の受注及び施工時期の影響等により前年同期比で減少となりました。完成工事利益率は引き続き高い水準で推移したものの、売上高減少の影響等により利益面では前年実績を下回る結果となりました。

 

・土木事業

土木事業の当事業年度のセグメント受注高は463億29百万円(前年同期比45.2%増)となりました。セグメント売上高は382億71百万円(前年同期比11.2%増)となり、セグメント利益は31億46百万円(前年同期比38.1%減)となりました。当事業年度末のセグメント資産は、完成工事未収入金の増加等により230億27百万円(前年同期比23.6%増)となりました。

当事業年度の土木事業は、首都圏を中心とした大型インフラ整備等により公共投資が引き続き高い水準を維持していることなどから良好な環境が続きました。受注高は民間・官庁ともに多年度工事の受注が重なったため、前年同期比で大幅な増加となりました。順調な受注及び施工消化により売上高は前年同期比で増加しましたが、完成工事利益率の低下により利益面では前年実績を下回る結果となりました。

  

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度末残高から3億25百万円減少し、147億62百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の89億77百万円に対し△3億53百万円となりました。これは、主に売上債権の増加等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の△21億6百万円に対し6億42百万円となりました。これは、主に有価証券の償還による収入の増加等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の△5億11百万円に対し△6億14百万円となりました。これは、主に配当金の支払額が増加したことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 受注実績

 

セグメントの名称

当事業年度(百万円)

前年同期比(%)

建築事業

45,683

△6.2

土木事業

46,329

45.2

合計

92,013

14.1

 

 

b. 売上実績

 

セグメントの名称

当事業年度(百万円)

前年同期比(%)

建築事業

40,788

△17.5

土木事業

38,271

11.2

合計

79,060

△5.7

 

(注) 当社では生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

 

 

c. 受注工事高、完成工事高及び繰越工事高

 

期別

工事別

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)

計(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越
工事高
(百万円)

第82期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

建築

33,160

48,724

81,884

49,470

32,414

土木

49,702

31,901

81,604

34,403

47,200

82,863

80,625

163,488

83,873

79,614

第83期

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

建築

32,414

45,683

78,097

40,788

37,309

土木

47,200

46,329

93,530

38,271

55,258

79,614

92,013

171,628

79,060

92,568

 

(注) 1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

d. 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第82期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

建築工事

68.7

31.3

100

土木工事

31.4

68.6

100

第83期

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

建築工事

49.2

50.8

100

土木工事

29.0

71.0

100

 

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

 

e. 完成工事高

 

期別

区分

民間(百万円)

官公庁(百万円)

計(百万円)

第82期

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

建築工事

48,790

679

49,470

土木工事

9,197

25,205

34,403

57,988

25,885

83,873

第83期

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

建築工事

40,150

637

40,788

土木工事

12,430

25,841

38,271

52,581

26,478

79,060

 

(注) 1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

  第82期 請負金額10億円以上の主なもの

イオンモール㈱

西風新都プロジェクト新築工事

東日本高速道路㈱

上信越自動車道 矢代工事

㈱メディセオ

㈱メディセオ関東ALC増築工事

エムジーリース㈱

大森海岸プロジェクト

新津山国際ホテル㈱

新津山国際ホテル建設工事

 

  第83期 請負金額10億円以上の主なもの

イオンモール㈱

イオンモール高岡Ⅱ期工事

山王エステート㈱

ホテルモントレ神戸建替計画

三井不動産㈱

三井アウトレットパーク横浜ベイサイド建替計画
B地区店舗棟新築工事

国土交通省

東京外環中央JCT北側ランプ改良工事

積水ハウス㈱他

印西牧の原3-50街区宅地造成工事

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上に該当する相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

  第82期

㈱PALTAC

9,375百万円

11.2%

イオンモール㈱

8,875百万円

10.6%

 

  第83期

イオンモール㈱

12,992百万円

16.4%

国土交通省

11,770百万円

14.9%

 

 

f. 手持工事高(2020年3月31日現在)

 

区分

民間(百万円)

官公庁(百万円)

計(百万円)

建築工事

34,212

3,096

37,309

土木工事

20,669

34,588

55,258

54,882

37,685

92,568

 

(注) 手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。

イオンモール㈱

 

イオンモール高崎増床活性化工事

 

2020年9月完成予定

㈲小沼興産

 

㈱アクティオ広島テクノパーク工場新築工事

 

2021年6月完成予定

環境省

 

平成29年度中間貯蔵(大熊3工区)土壌貯蔵施設等工事

 

2021年3月完成予定

富谷市明石台東土地区画
整理組合

 

富谷市明石台東土地区画整理事業

 

2024年5月完成予定

独立行政法人鉄道建設・
運輸施設整備支援機構

 

北海道新幹線、札樽トンネル(札幌)

 

2026年8月完成予定

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2020年3月31日)現在において当社が判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態及び経営成績の状況

財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b. 目標とする経営指標の達成状況等

当社が目標とする経営指標といたしましては、安定した経営を持続していくため、自己資本比率、売上高経常利益率、1株当たり当期純利益などの指標の向上を目指しております。

当事業年度における各経営指標の実績及び推移につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営方針等 ②目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

また、当事業年度の期首に設定した経営成績目標とその達成状況は以下のとおりであります。

当事業年度

(2020年3月期)

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

当期純利益

(百万円)

1株当たり

当期純利益(円)

経営成績目標

75,000

2,800

3,000

2,000

391.58

実績値

79,060

3,085

3,254

2,310

452.48

達成率(%)

105.4

110.2

108.5

115.5

115.6

 

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の運転資金需要のうち主なものは、建設工事に係る材料費、外注費、人件費等の経費や販売費及び一般管理費などの営業費用であります。通常の運転資金、設備投資資金及び配当につきましては、営業活動により生じた手元流動資金及び内部資金を充てることとしておりますが、効率的な調達を行うため取引金融機関9社と借入枠50億円の貸出コミットメント契約を締結しております。

 

  ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 財務諸表の作成にあたっては、当事業年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び予測を必要としております。当社は財務諸表作成の基礎となる見積り及び予測を過去の実績や状況に応じて合理的と判断される一定の前提に基づいて継続的に検証し、意思決定を行っております。そのため、実際の結果は、見積り及び予測に伴う不確実性などにより異なる場合があります。

 当社の財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

a.収益及び費用の認識

 当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事収益総額、工事原価総額及び工事の進捗率の見積りについて疑義が生じた場合、収益及び費用が増減する可能性があります。

 

b. 工事損失引当金

 受注工事に係る将来の損失に備えるため、当事業年度末手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を計上しております。損失見込額について疑義が生じた場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

c. 貸倒引当金

 債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。債権の回収可能性について疑義が生じた場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

d. 繰延税金資産

 繰延税金資産は将来の課税所得の見込等を勘案して、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収可能性に疑義が生じた場合、適正と考えられる金額まで減額する可能性があります。

 

e.新型コロナウイルス感染症の影響に係る会計上の見積りについて

「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社は、研究開発部門においても益々多様化するニーズに応えるべく、関連する各分野で幅広く研究を行い、技術の確立と新技術の開発に努めております。また、異業種、大学等の研究機関、公共機関との共同研究も積極的に推進しております。なお、当事業年度における研究開発費は191百万円であります。
 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(建築事業、土木事業)

a ニューマチックケーソン工法関連技術

・非接触給電方式の開発

 函内掘削機の給電方式について、機動性と安全性に優れた非接触式給電方式の開発を行っております。装置の実用化に向けた課題の一つである発熱に関する対策と開発を行い、掘削機の動作が問題ないことを検証しました。今後は、実用化に向けて諸課題へのさらなる対策と開発を行う予定であります。

・総合施工管理システムの開発

 施工中の各種計測データを取得し、そのデータからケーソンの挙動予測を可能にするシステムの開発を目的としております。当事業年度は、掘削形状の3Dデータや各種計測データを複数の工事で取得して、データの蓄積を行いました。今後は、蓄積したデータを利用して挙動予測に向けた開発を進める予定であります。

・掘削機の自動(自律)運転システムの開発

 函内の掘削は人の遠隔操作による無人施工であるため、人の関与をなくした自動(自律)掘削が可能となるシステムの開発を目指しております。当事業年度は、プログラムによって限られた範囲の繰り返し掘削や排土が可能となるシステムの開発を行いました。今後は、総合施工管理システムの挙動予測を元に、AI等を利用した自動(自律)掘削施工が可能なシステムの開発を目指す予定であります。

 

b ICT関連技術の開発

 国土交通省で推進しているi-Construction(建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組み)への対応を進めております。

 造成工事等において、ドローンによる3次元測量、3次元設計データを使用したマシンガイダンスやマシンコントロールによるICT施工、3次元点群データによる出来形管理及びデータ納品といった全てのプロセスで3次元モデルを活用することによって、生産性の向上を図っております。

 

c 地震対策技術

・ 当社で開発したスマート制震システムを用いた大型賃貸マンションの耐震改修工事が、2015年3月に竣工しました。この工事では、外付けフレームと建物を接続する後施工アンカーである「ピン支承アンカー」と、既存構造体の耐震性能向上に適した接合部材である「プレミアムアンカー」を新たに適用し、当工事の施工実績を踏まえて、一般財団法人ベターリビングの一般評定の認定を取得しました。

・ 当社は2020年4月から2年間の予定で、「オープン・イノベーションによる建築新技術実用化のための『ビジネスモデル』に関する研究(ディスク・ジョイントを例として)」を題目として、国立大学法人東京大学と共同研究を進めております。

・ アクティブ制振装置を設置した青山OHMOTOビルが2016年2月に竣工しました。国立大学法人東京農工大学、株式会社構造計画研究所、特許機器株式会社と共同開発した「実時間シミュレーションを用いた建物の振動制御(RTCS制御)」を新たに採用し、特許査定を受けました。

・ パッシブ制振装置(TMD)を設置した岡山本店ビルの新棟新築工事が2018年12月に完了しました。従来のガイドレール式の装置に加速度センサーによるトリガー機構を有した空気浮上式の機構を併用し、特許出願中であります。

 

d 建築技術の共同研究

 ゼネコン各社で技術開発・研究を行う共研フォーラムに参加し、「コンクリート品質向上検討会」、「LCC算出システム開発」の各テーマについて、共同研究を行っております。今後は、「コンクリート工事に関する教育研修資料の整備」、「デッキ合成スラブのひび割れ防止対策方法の確立」の各テーマについても調査研究を開始する予定であります。

 

e その他

 その他の主な研究開発テーマを下記に示します。

 ・AIを活用したトンネル切羽評価システムの開発

 ・ニューマチックケーソン工法の安全性向上技術の開発

 

f 特許に関する事項

 当事業年度の特許出願は1件であります。

 

 当事業年度における建築事業及び土木事業の研究開発費の金額は、191百万円であります。