第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2022年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営方針等

 ① 基本的な経営方針

当社は「健全な建設事業の経営を通じて会社の永続的な発展を図り、それによって社会国家の繁栄に寄与するとともに、株主各位の負託に応え、社員の人間成長と福祉を増進する」ことを経営理念として、また「安全第一、技術と信用、誠実と努力、経営の健全」を社是として掲げ、永年にわたり良質な社会資本の整備並びに提供に向けて努力しております。

 

② 目標とする経営指標

当社が目標とする経営指標といたしましては、株主価値の向上や安定した経営の持続に向けて、売上高総利益率、売上高営業利益率、自己資本比率、配当性向などの指標の向上を目指しております。

これら各指標の推移は以下のとおりであります。

決算期

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高総利益率     (%)

11.7

13.2

10.8

12.3

10.3

売上高営業利益率    (%)

5.8

6.5

3.9

5.1

3.3

自己資本比率     (%)

65.8

67.8

70.1

72.6

73.6

配当性向       (%)

13.6

15.5

33.2

33.5

48.3

 

 (注) 1.2017年10月1日を効力発生日として、普通株式5株につき1株の割合で株式併合を実施しております。

2018年3月期の期首に当該株式併合が行われたと仮定した1株当たり当期純利益に基づき、配当性向を算定しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年3月期の期首から適用しており、2022年3月期に係る経営指標については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

③ 中期経営計画

当社は企業価値の更なる向上を目指すため、「品質・安全・コンプライアンスの確保を第一とし、収益力の強化を図るとともに、本業を通じて広く社会に貢献する」ことを基本方針とし、2021年度から2023年度の3ヵ年を対象とする中期経営計画を策定しております。

中期経営計画(2021年度~2023年度 3ヵ年計画)の概要及び2021年度実績は、以下のとおりであります。

a. 数値目標及び実績

 

 

2021年度実績(百万円)

2023年度目標(百万円)

受注高

91,509

80,000

売上高

71,276

80,000

売上総利益

7,372

8,000

営業利益

2,337

2,800

 

 

 

b. 目標経営指標及び実績

 

 

2021年度実績(%)

目標値(%)

売上高総利益率

10.3

10.0

売上高営業利益率

3.3

3.0

自己資本比率

73.6

60.0

配当性向

48.3

30.0

 

 

c. 事業方針

(イ) 建築事業

主力分野における取組強化、都市型建築の事業領域拡大、民間建築事業への継続的注力

(ロ) 土木事業

公共事業への持続的取り組み強化、独自技術の深化と生産性向上技術への取り組み、顧客ニーズに沿った事業分野への注力

(ハ) 働き方改革の推進

週休二日の実現と労働時間短縮及び業務の効率化と生産性向上への取り組み推進

(ニ) ESGへの取り組み

・Environment(環境)

CO2削減等の環境負荷低減への取り組み、再生可能エネルギー事業、リニューアル技術によるライフサイクルの長期化、環境マネジメントシステムの効果的運用

・Social(社会)

暮らしを守る防災・減災インフラの整備、ICT技術による生産性向上と働き方改革の推進、美しい街づくりへの貢献、社会貢献活動の推進

・Governance(企業統治)

コンプライアンスとコーポレートガバナンス体制の継続的強化、従業員の働きやすい環境の整備、法令違反・重大災害ゼロの実現、適切なIR活動による投資家との対話の推進

 

(2) 経営環境及び優先的に対処すべき課題等

今後のわが国経済は、社会・経済活動が徐々に正常化に向かい、景気は持ち直しの動きを強めることが期待されます。一方で感染再拡大への懸念に加え、地政学的リスクの高まりやエネルギー・原材料価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続くことが予想されます。

建設業界におきましては、公共投資は国土強靭化政策に基づく防災・減災対策関連事業や大型インフラ整備などにより、引き続き堅調に推移すると見込まれます。また、民間設備投資も大規模再開発及び周辺物流施設の需要が牽引し、全体として高い水準を維持するものと期待されます。一方で資材の価格高騰や納期延伸、労務逼迫等による競争環境の悪化が懸念されます。

このような事業環境のもと、当社といたしましては、リスク管理を徹底し、これまで築いてきた信用と健全な財務力などを一層強化するとともに、人財育成に注力し、事業環境の変化にしなやかに対応できるよう、総合力の更なる向上を図ってまいります。

また品質・安全・コンプライアンスの確保を第一とし、収益力の強化を図るとともに、本業を通じて広く社会に貢献することを基本方針とする中期経営計画(2021年度~2023年度 3ヵ年計画)を着実に実行することで、営業力、提案力の強化や技術優位性の構築を進め、ESG経営、働き方改革、生産性向上など喫緊の課題解決に向けた取り組みを全社的に推進してまいります。

そして、社会から高い信頼を寄せていただける企業であり続けるべく、全社を挙げて企業価値の更なる向上を目指してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当社では、事業等のリスクを、将来の経営成績等に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。

文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2022年3月31日)現在において当社が判断したものであります。

(特に重要なリスク)

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

(1)建設市場の縮小

当社の主要事業である建設事業におきましては、民間企業による設備投資及び国や地方公共団体等による公共投資の動向に大きく影響を受けます。今後、民間建設需要及び公共建設需要が予想以上に抑制され、国内建設市場が縮小した場合には、受注及び売上の減少など、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

市場構造や競争環境に即した営業活動を展開するため、マーケティングを強化し、既存の顧客をしっかりとフォローしつつ、将来性のある優良企業等の新規開拓にも注力しております。また、将来の環境変化に柔軟に対応できるよう、人員計画を実施するなど、リスクの軽減に取り組んでおります。

 

(2)取引先の信用リスク

当社の主要事業である建設事業におきましては、一取引における請負金額が大きく、請負代金の回収が工事目的物の引渡時に行われる条件で契約が締結される場合があります。予想しない取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合には、貸倒損失の発生など、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

取引先の与信管理については、社内の営業管理規程に従い、営業債権について、各事業本部及び各支店が連携して与信管理を行うことによりリスクの低減を図るとともに、情報管理を徹底し、貸倒損失等の発生防止に取り組んでおります。

(3)事故又は災害等の発生

当社の主要事業である建設事業におきましては、施工中に予期しない重大事故が発生した場合、受注機会の逸失や企業イメージの棄損など、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。また地震、風水害等の大規模災害や感染症等の疫病の流行が発生した場合にも、事業活動の休止など、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

重大事故又は災害のリスクの低減を図るため、安全教育の充実を図るとともに、各施工部門及び社内の専門部署が工事現場の安全管理を補完しております。
災害に強い事業拠点を東京本社及び岡山本店の二箇所に整備するとともに、災害等緊急時に迅速かつ効果的な対応が行えるよう、BCP(事業継続計画)を作成、定期的な全社訓練の実施及びそれに基づく計画内容の見直しを行うなど、リスクの低減に取り組んでおります。

 

(4)資材価格の変動等

主要な建設資材である鋼材等の原材料価格及び労務コストが上昇し、その価格上昇分が請負金額に反映されない場合及び建設材料等の納期が大幅に遅延する状況が発生した場合には、当社の建設事業売上粗利益額の減少や工期遅延による損失等の発生を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

資機材調査及び購買業務において、市況動向、地域特性の早期把握と共有に基づく価格交渉を行うことにより、更なるコスト低減を図るとともに、メーカーからの情報に基づく輸入原料動向の把握等、最新情報の多角的な収集に努めております。

また、安定的な建設資材の確保に向けて、サプライチェーンの強化や代替材料の検討などを進めております。

 

 

 

(重要なリスク)

 

リスクの内容

リスクに対する対応策

(1)新型コロナウイルス感染症

  拡大に伴うリスク

2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の流行は、依然として社会・経済活動に影響を及ぼしております。当社の主要事業である建設事業におきましては、影響は限定的であると判断しておりますが、今後予想を超える感染拡大や長期化が進んだ場合には、民間設備投資の減速、サプライチェーンの寸断、工事の一時中止等により、受注と売上の減少や競争環境の悪化など、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

IT環境の整備や柔軟な勤務体制の運用を通じて、新型コロナウイルス感染症の予防対策を徹底した上で事業活動を継続するとともに、東京本社及び岡山本店の二つの拠点整備により、事業停止リスクの低減を図っております。また、市場動向を注視し、各サプライチェーンとの情報共有を進めるなど、将来の変化へ柔軟に対応できるよう体制整備を図っております。

(2)退職給付債務

当社は、確定給付型の退職給付制度を採用しており、退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。運用している年金資産の時価が著しく変動した場合、または割引率、期待運用収益率等の前提条件に変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

年金資産の時価、割引率、期待運用収益率等の前提条件の変更に関して適時に情報を収集することで、経営成績及び財務状況に与える影響を早期に把握するよう努めております。

(3)製品の欠陥

建設工事の品質につきましては、予想しない契約不適合責任による損害賠償が発生した場合、またその結果、当社への社会的信用が著しく低下した場合には、損失の発生や受注機会の逸失など、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

品質マネジメントシステム(ISO9001)の運用と継続的改善により、徹底した品質管理を実施しております。また、社内での品質検査体制を整備、運用し、品質事故を未然に防止するよう努めております。

 

(4)法的規制等

当社の主要事業である建設事業におきましては、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、国土利用計画法、都市計画法、独占禁止法等により法的規制を受けております。そのため、上記法律の改廃や新たな法的規制の新設、適用基準の変更等によっては、業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社に対する訴訟等につきまして、当社側の主張・予測と相違する結果となった場合には、損失の発生や企業イメージの棄損など、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

社内に法務専門部署を設置し、法令の遵守及び運用状況、改訂動向に関する情報収集に努めるとともに、逐次法令適合性についての確認を行い、コンプライアンス違反を未然に防ぐよう努めております。訴訟等につきましては、顧問弁護士等外部の専門機関と緊密に連携し対応できる体制を構築しております。

(5)金融市場の変動

金利水準及び株式市場に大幅な変動が生じた場合には、株式評価損の計上など、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

定期的に金利動向や金融機関の融資姿勢についてモニタリングを行うとともに、借入における機動的な資金確保のための融資枠設定等、安定的かつ経済的な資金調達に努めております。


 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)

当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、ワクチン接種の進展や各種財政施策の効果により、個人消費や設備投資などで持ち直しの動きが見られたものの、年度後半には新たな変異株による感染再拡大に加え、ウクライナ情勢など地政学的リスクの高まりにより、景気の先行きは予断を許さない状況が続きました。

建設業界におきましては、大型インフラ整備や防災・減災対策を始めとする国土強靭化政策の推進などにより、公共投資は引き続き高い水準を維持しました。民間設備投資も一部で持ち直しの動きが見られたものの、国内外での感染再拡大による景気の下振れリスクや競争環境の悪化、建設資材の価格高騰など、業況の先行きについては依然として不透明な状況が続きました。

こうした経営環境の中で当社は、全社を挙げて品質管理及び安全管理並びにコンプライアンス確保の徹底に努めるとともに、技術力、提案力等の総合力の更なる向上と安定的な収益基盤の構築を目指して積極的な営業活動を展開してまいりました。

これらの結果、受注高は前期比22.1%増の915億9百万円となりました。

売上高は前期比2.8%減の712億76百万円となりました。

利益面では、営業利益が前期比37.6%減の23億37百万円、経常利益が前期比35.6%減の25億45百万円、当期純利益は前期比31.1%減の17億84百万円となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高は16億33百万円増加し、営業利益及び経常利益に影響はありません。

 

(財政状態)
〈資産〉

当事業年度末の資産合計は、909億12百万円(前年同期比16億17百万円減)となりました。

流動資産は、現金預金の減少等により、前年同期比9億46百万円の減少、固定資産は、有形固定資産の減価償却等により、前年同期比6億70百万円の減少となりました。

〈負債〉

当事業年度末の負債合計は、239億78百万円(前年同期比13億99百万円減)となりました。

流動負債は、未成工事受入金の減少等により、前年同期比13億89百万円の減少、固定負債は、退職給付引当金の減少等により、前年同期比10百万円の減少となりました。

〈純資産〉

当事業年度末の純資産合計は、前年同期比2億18百万円減の669億34百万円となりました。これは、自己株式の取得による自己株式の増加等によるものであります。

なお、収益認識会計基準等の適用による利益剰余金の期首残高に影響はありません。

 

セグメントごとの経営成績及び財政状態は、以下のとおりであります。

・建築事業

建築事業の当事業年度のセグメント受注高は506億89百万円(前年同期比49.6%増)となりました。セグメント売上高は356億53百万円(前年同期比11.8%減)となり、セグメント利益は31億91百万円(前年同期比33.6%減)となりました。当事業年度末のセグメント資産は、電子記録債権の増加等により198億10百万円(前年同期比14.1%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、セグメント売上高は10億26百万円増加しましたが、セグメント利益に影響はありません。

当事業年度の建築事業は、民間設備投資は一部で持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株による感染再拡大や地政学的リスクの高まりなどで先行き不透明な状況で推移しました。受注高は大型の商業施設及び物流施設の受注が寄与して前年同期比で大幅な増加となりましたが、売上高は大型工事の受注時期及び施工時期が下半期に偏った影響等により前年同期比で減少となりました。利益面では完成工事利益率は堅調に推移したものの、売上高の減少などにより前年実績を下回る結果となりました。

 

・土木事業

土木事業の当事業年度のセグメント受注高は408億20百万円(前年同期比0.6%減)となりました。セグメント売上高は356億22百万円(前年同期比8.2%増)となり、セグメント利益は32億76百万円(前年同期比9.3%減)となりました。当事業年度末のセグメント資産は、完成工事未収入金の増加等により272億48百万円(前年同期比18.9%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、セグメント売上高は6億7百万円増加しましたが、セグメント利益に影響はありません。

当事業年度の土木事業は、大型インフラ整備や国土強靭化政策の推進等により公共投資が引き続き高い水準を維持していることなどから良好な環境が続きました。受注高は前年同期比で微減となりました。売上高は豊富な手持工事量を背景として施工消化が順調に推移したことなどにより前年同期比で増加となりましたが、利益面では完成工事利益率の低下により前年実績を下回る結果となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度末残高から43億37百万円減少し、208億30百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の177億5百万円に対し△62億2百万円となりました。これは、主に売上債権の増加等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の△65億33百万円に対し36億9百万円となりました。これは、主に定期預金の払戻による収入の増加等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の△7億66百万円に対し△17億44百万円となりました。これは、主に自己株式の取得による支出が増加したことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 受注実績

 

セグメントの名称

当事業年度(百万円)

前年同期比(%)

建築事業

50,689

49.6

土木事業

40,820

△0.6

合計

91,509

22.1

 

 

b. 売上実績

 

セグメントの名称

当事業年度(百万円)

前年同期比(%)

建築事業

35,653

△11.8

土木事業

35,622

8.2

合計

71,276

△2.8

 

(注) 当社では生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

 

 

c. 受注工事高、完成工事高及び繰越工事高

 

期別

工事別

前期繰越
工事高
(百万円)

当期受注
工事高
(百万円)

計(百万円)

当期完成
工事高
(百万円)

次期繰越
工事高
(百万円)

第84期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

建築

37,309

33,888

71,198

40,426

30,771

土木

55,258

41,054

96,312

32,934

63,378

92,568

74,942

167,510

73,360

94,150

第85期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

建築

30,771

50,689

81,461

35,653

45,807

土木

63,378

40,820

104,199

35,622

68,576

94,150

91,509

185,660

71,276

114,384

 

(注) 1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

 

d. 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

第84期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

建築工事

36.0

64.0

100

土木工事

18.5

81.5

100

第85期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

建築工事

46.8

53.2

100

土木工事

15.6

84.4

100

 

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

 

e. 完成工事高

 

期別

区分

民間(百万円)

官公庁(百万円)

計(百万円)

第84期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

建築工事

38,445

1,980

40,426

土木工事

12,871

20,062

32,934

51,316

22,043

73,360

第85期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

建築工事

32,796

2,857

35,653

土木工事

10,464

25,158

35,622

43,260

28,015

71,276

 

(注) 1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

  第84期 請負金額10億円以上の主なもの

イオンモール㈱

 

イオンモール高崎増床活性化工事

みずほ丸紅リース㈱

 

京都市東山区本町計画

井原市

 

井原市立井原中学校新校舎建設工事

国土交通省

 

新宮紀宝道路熊野川河口大橋P4-P6下部工事

西日本旅客鉄道㈱

 

H30岡幹土セ単柱橋脚耐震補強D(複)

 

  第85期 請負金額10億円以上の主なもの

一般財団法人倉敷成人病センター

 

倉敷成人病センター新棟建築工事及び

倉敷成人病センター・クリニック既存棟改修工事

総社3ロジスティック特定目的会社

 

GLP岡山総社Ⅲプロジェクト

㈲小沼興産

 

㈱アクティオ広島テクノパーク工場新築工事

独立行政法人鉄道建設・

運輸施設整備支援機構

 

北陸新幹線、竹田川橋りょう他

国土交通省

 

国道121号 湯野上3号トンネル工事

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上に該当する相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

  第84期

該当する相手先はありません。

 

 

 

第85期

国土交通省

9,236百万円

13.0%

 

 

f. 手持工事高(2022年3月31日現在)

 

区分

民間(百万円)

官公庁(百万円)

計(百万円)

建築工事

41,978

3,829

45,807

土木工事

14,452

54,124

68,576

56,430

57,953

114,384

 

(注) 手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。

イオンリテール㈱

 

イオンスタイル天王町新築工事

マルイト㈱

 

ホテルモンテエルマーナ東京日本橋新築工事

東京都

 

業平橋ポンプ所施設再構築その5工事

国土交通省

 

令和2年度新丸山ダム本体建設第1期工事

西日本高速道路㈱

 

山陽自動車道 倉敷JCT~早島IC間橋梁

耐震補強工事

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2022年3月31日)現在において当社が判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態及び経営成績の状況

財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b. 目標とする経営指標の達成状況等

当社が目標とする経営指標といたしましては、株主価値向上及び安定した経営を持続していくため、売上高総利益率、売上高営業利益率、自己資本比率、配当性向などの指標の向上を目指しております。

当事業年度における各経営指標の実績及び推移につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)会社の経営方針等 ②目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

また、当事業年度に設定した経営成績目標とその達成状況は以下のとおりであります。

当事業年度

(2022年3月期)

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

当期純利益

(百万円)

1株当たり

当期純利益(円)

経営成績目標

73,000

1,800

2,000

1,300

254.55

実績値

71,276

2,337

2,545

1,784

352.31

達成率(%)

97.6

129.9

127.3

137.3

138.4

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の運転資金需要のうち主なものは、建設工事に係る材料費、外注費、人件費等の経費や販売費及び一般管理費などの営業費用であります。通常の運転資金、設備投資資金及び配当につきましては、営業活動により生じた手元流動資金及び内部資金を充てることとしておりますが、効率的な調達を行うため取引金融機関9社と借入枠50億円の貸出コミットメント契約を締結しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

財務諸表の作成にあたっては、当事業年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び予測を必要としております。当社は財務諸表作成の基礎となる見積り及び予測を過去の実績や状況に応じて合理的と判断される一定の前提に基づいて継続的に検証し、意思決定を行っております。そのため、実際の結果は、見積り及び予測に伴う不確実性などにより異なる場合があります。

当社の財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

a. 一定の期間にわたり収益を認識する方法による収益認識

「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

b. 工事損失引当金

「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

c. 貸倒引当金

債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。債権の回収可能性について疑義が生じた場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

d. 繰延税金資産

繰延税金資産は将来の課税所得の見込等を勘案して、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収可能性に疑義が生じた場合、適正と考えられる金額まで減額する可能性があります。

 

e.新型コロナウイルス感染症の影響に係る会計上の見積りについて

「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社は、研究開発部門においても益々多様化するニーズに応えるべく、関連する各分野で幅広く研究を行い、技術の確立と新技術の開発に努めております。また、異業種、大学等の研究機関、公共機関との共同研究も積極的に推進しております。なお、当事業年度における研究開発費は124百万円であります。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(建築事業、土木事業)

a ニューマチックケーソン工法関連技術

・非接触給電方式の開発(バッテリー適応検討を含む)

函内掘削機の給電方式について、機動性と安全性に優れた非接触式給電方式の開発を大学と共同で行っております。バッテリー稼働するための設計及びシミュレーションを完了し、当事業年度は、非接触給電の検証を終了しております。今後は、実用化に向けて諸課題への更なる対策と開発を行う予定であります。

・総合施工管理システムの開発

施工中の各種計測データを取得し、そのデータからケーソンの挙動予測を可能にするシステムの開発を目的としております。当事業年度は、掘削形状の3Dデータや各種計測データを複数の工事において取得し、データの蓄積を行いました。今後は、蓄積したデータを利用して挙動予測に向けた開発を進める予定であります。

・掘削機の自動(自律)運転システムの開発

函内の掘削は人の遠隔操作による無人施工であるため、人の関与をなくした自動(自律)掘削が可能となるシステムの開発を目指しております。当事業年度は、プログラムによって限られた範囲での繰り返し掘削や排土が可能となるシステムの開発、実証及び自動運転の可能性の確認を行いました。また、自動(自律)運転を目指すにあたり、掘削機制御のための基礎データの取得及びシミュレーターの開発を行いました。今後は、総合施工管理システムの挙動予測を元に、AI等を利用した自動(自律)掘削施工が可能となるシステムの開発を目指す予定であります。

 

b 生産性向上技術の開発

 国土交通省で推進しているi-Construction(建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組み)への対応を進めております。

・ 造成工事等において、ドローンによる3次元測量、3次元設計データを使用したマシンガイダンスやマシンコントロールによるICT施工、3次元点群データによる出来形管理及びデータ納品といった全てのプロセスで3次元モデルを活用することによって、生産性の向上を図っております。

・ 仮設を含む構造物等工事等において、3次元モデルを活用したBIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling / Management)により工事関係者間の情報共有・連携を深め、作業性や安全性の向上に努めております。

 

c 地震対策技術

・ 当社で開発したスマート制震システムを用いた大型賃貸マンションの耐震改修工事が、2015年3月に竣工しました。この工事では、外付けフレームと建物を接続する後施工アンカーである「ピン支承対応型アンカー」と、既存構造体の耐震性能向上に適した接合部材である「プレミアムアンカー」を新たに適用し、当工事の施工実績を踏まえて、2018年3月には一般財団法人ベターリビングの一般評定(2度目のバージョンアップ版)を取得しました。また、2020年9月には『プレミアムアンカーを使用した柱梁構面内へのブレース型(ダンパー)ブレースの直接接合に依る組込み方法』の発明名称を「柱・梁架構の補強構造」として特許を出願し、特許査定を取得しました。当該技術アイデアは国立大学法人東京大学との調整・協議の上、米国においても特許出願を準備しております。

・ 岡山県内の耐震改修工事において、当社で開発したスマート制震システムを事業主指定の設計者に技術提案し、採用されました。事業主による一般財団法人ベターリビングの個別評定取得を経て一般競争入札にて公告となり、当社が受注し2022年2月に竣工しました。この工事においても「ピン支承対応型アンカー」と「プレミアムアンカー」を適用しております。

 

・ 当社は2020年4月から2年間の予定で、「オープン・イノベーションによる建築新技術実用化のための『ビジネスモデル』に関する研究(ディスク・ジョイントを例として)」を題目として共同研究を進めておりましたが、その共同研究対象範囲を「スマート制震システム&ディスク・ジョイントを例として」に拡大したため、研究期間を1年間延長し、2023年3月の終結を目指して、国立大学法人東京大学と共同研究を進めております。当該特許技術を根拠とした「広く・あまねく」の将来展開と普及を目標として、ビジネスモデルの構築を行っております。

・ アクティブ制振装置を設置した青山OHMOTOビルが2016年2月に竣工しました。国立大学法人東京農工大学、株式会社構造計画研究所、特許機器株式会社と共同開発した「実時間シミュレーションを用いた建物の振動制御(RTCS制御)」を新たに採用し、特許権の設定登録が行われました。

・ パッシブ制振装置(TMD)を設置した岡山本店ビルの新棟新築工事が2018年12月に完了しました。従来のガイドレール式の装置に加速度センサーによるトリガー機構を有した空気浮上式の機構を併用し、特許権の設定登録が行われました。

 

d 建築技術の共同研究

ゼネコン35社で技術開発・調査研究を行う共研フォーラムに参加し、「コンクリート品質向上検討会」、「コンクリート工事に関する教育・研修資料の整備」、「デッキスラブのひび割れ防止対策方法の確立」の各テーマについて、調査と検討を行っております。また、共同研究開発した「建築物のLCサポートシステム」を運用し、システムの改修と保守を共同で行っております。

 

e その他

その他の主な研究開発テーマを下記に示します。

・ニューマチックケーソン工法の安全性向上技術(救護設備、バイタルデータによる健康管理等)の開発

・CO2削減(カーボンニュートラル対策)技術の実証研究

・熱中症対策支援サービスやウェアラブル健康管理システム等の現場実証

 

f 特許に関する事項

当事業年度の特許登録は1件、特許出願は1件であります。

 

当事業年度における建築事業及び土木事業の研究開発費の金額は、124百万円であります。