「第2 事業の状況」における各事項の記載につきましては、消費税等抜きの金額を表示しております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末(平成30年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営方針等
当社は「健全な建設事業の経営を通じて会社の永続的な発展を図り、それによって社会国家の繁栄に寄与するとともに、株主各位の負託に応え、社員の人間成長と福祉を増進する」ことを経営理念として、また「安全第一、技術と信用、誠実と努力、経営の健全」を社是として掲げ、永年にわたり良質な社会資本の整備並びに提供に向けて努力しております。
当社が目標とする経営指標といたしましては、安定した経営を持続していくため、自己資本比率、売上高経常利益率、1株当たり当期純利益などの指標の向上を目指しております。
当事業年度における各経営指標の実績につきましては、自己資本比率は65.0%(前事業年度64.0%)、売上高経常利益率は5.9%(前事業年度6.3%)、1株当たり当期純利益は734.93円(前事業年度576.09円)となっております。なお当社は、平成29年10月1日を効力発生日として、普通株式5株につき1株の割合で株式併合を実施したため、前事業年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
今後のわが国経済は、海外経済の動向に関する不確実性など、企業業績を下押しする懸念材料はあるものの、政府による各種経済政策や成長戦略の実行及び日銀の金融緩和策の継続などにより、景気は回復基調を維持すると期待されます。
建設業界におきましても、東京オリンピック関連工事が本格化するとともに、首都圏を中心とする大型インフラ整備や大規模再開発などの牽引により、建設需要は全体として高い水準を維持しております。経済対策の効果などから防災・減災対策関連の工事量も増加し、公共投資は引き続き堅調に推移すると期待され、経済環境の改善による企業業績の向上によって、民間設備投資も回復を続けるものと予想されます。
当社といたしましては、これまで築いてきた信用と健全な財務力に加え、技術力、提案力、営業力を一層強化するとともに、人材育成に注力し、総合力の更なる向上を図ってまいります。
また、企業の魅力とイメージの更なる向上を図るとともにマーケティングを徹底し、民間建築事業を継続的に強化してまいります。官公庁工事においても、安定的な受注量を確保するべく、総合評価方式での受注競争力を更に強化してまいります。
建設市況の活性化に伴い、特に首都圏において技能労働者の不足が予測されますが、タイムリーに最新情報の収集に努め、協力業者との一層の連携強化、新規協力業者開拓に注力することにより、施工体制の強化を図ってまいります。
また、建設業界全体の中長期的な課題である、労働時間の適正化や生産性の向上などを含む働き方改革への取り組みを推進してまいります。
そして、社会から高い信頼を寄せていただける企業であり続けるべく、全社を挙げて品質管理及び安全管理並びにコンプライアンスの徹底に努めてまいります。さらに、建設業の存在意義と社会的使命とを再認識し、人びとの安心・安全と豊かな暮らしに貢献できるよう、全力を尽くしてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成30年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
(1)建設市場の縮小
当社の主要事業である建設事業におきましては、国や地方公共団体等による公共投資及び民間企業による設備投資の動向に大きく影響を受けます。当社は市場構造や競争環境に即した積極的な営業活動を展開しておりますが、今後、公共建設需要及び民間建設需要が予想以上に抑制され、国内建設市場が縮小した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)取引先の信用リスク
当社の主要事業である建設事業におきましては、一取引における請負金額が大きく、請負代金の回収が工事目的物の引渡時に行われる条件で契約が締結される場合があります。取引先の与信管理については、万全の体制を整え、貸倒損失発生の防止に取り組んでおりますが、予想しない取引先の倒産等により貸倒れが発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)資材価格等の変動
主要な建設資材である鋼材等の原材料価格及び労務コストが上昇し、またその価格上昇分が請負金額に反映されない場合には、当社の建設事業売上粗利益額の減少を招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)退職給付債務
当社は、確定給付型の退職給付制度を採用しており、退職給付債務及び退職給付費用は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出しております。運用している年金資産の時価が著しく変動した場合、または割引率、期待運用収益率等の前提条件に変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)製品の欠陥
建設工事の品質につきましては、品質マネジメントシステム(ISO9001)の継続的改善により、徹底した品質管理に努めておりますが、予想しない瑕疵担保責任による損害賠償が発生した場合、またその結果、当社への社会的信用が著しく低下した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制等
当社の主要事業である建設事業におきましては、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、国土利用計画法、都市計画法、独占禁止法等により法的規制を受けております。そのため、上記法律の改廃や新たな法的規制の新設、適用基準の変更等によっては、業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社に対する訴訟等につきまして、当社側の主張・予測と相違する結果となった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)金融市場の変動
金利水準及び株式市場に大幅な変動が生じた場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)事故又は災害の発生
当社の主要事業である建設事業におきましては、施工中に予期しない重大事故が発生した場合、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。また地震、風水害等の大規模災害が発生した場合にも、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度のわが国経済は、政府による各種経済政策や日銀の金融緩和策の効果により企業収益の改善傾向が持続するとともに、設備投資や輸出も増加したほか、堅調な雇用・所得環境を背景に個人消費も底堅く推移するなど、景気は引き続き緩やかな回復基調にありました。
建設業界におきましても、公共投資は首都圏を中心とした大型インフラ工事等により引き続き高い水準を維持するとともに、民間設備投資も企業業績の回復に伴い増加基調にあるなど、全体として緩やかな回復基調で推移しました。
こうした経営環境の中で当社は、全社を挙げて品質管理及び安全管理並びにコンプライアンスの徹底に努めるとともに、技術力、提案力、知名度等の総合力の更なる向上と安定的な収益基盤の構築を目指して積極的な営業活動を展開してまいりました。
これらの結果、売上高は前期比27.0%増の962億68百万円となりました。利益面では、営業利益が前期比16.9%増の56億5百万円、経常利益は前期比19.7%増の57億26百万円、当期純利益は前期比21.0%増の38億10百万円となり、前期に比べて増収増益を達成することができました。
受注高は、手持ち工事の消化や施工体制を鑑みて受注対応したことなどにより、前期比22.8%減少して729億58百万円となりました。
当事業年度末の資産合計は、937億72百万円(前年同期比26億12百万円増)となりました。
流動資産は、受取手形の増加等により、前年同期比16億49百万円の増加、固定資産は、投資有価証券の増加等により、前年同期比9億62百万円の増加となりました。
当事業年度末の負債合計は、328億円(前年同期比0百万円減)となりました。
流動負債は、電子記録債務の増加等により、前年同期比17百万円の増加、固定負債は、退職給付引当金の減少等により、前年同期比18百万円の減少となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前年同期比26億12百万円増の609億71百万円となりました。これは、利益剰余金の増加等によるものであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
・建築事業
建築事業の当事業年度のセグメント受注高は395億29百万円(前年同期比38.9%減)となりました。セグメント売上高は647億38百万円(前年同期比40.8%増)となり、セグメント利益は82億27百万円(前年同期比12.9%増)となりました。当事業年度末のセグメント資産は、完成工事未収入金の増加等により442億円(前年同期比27.8%増)となりました。
当事業年度の建築事業は、企業業績の回復に伴う民間設備投資の増加などにより良好な環境が続きました。手持ち工事の消化や施工体制を鑑みて受注対応したことなどにより受注高は前年同期比で減少となりましたが、工事の施工が順調に進捗したことなどから売上高が増加するとともに、完成工事利益率が高い水準で推移したため利益面でも前年実績を上回る結果となりました。
・土木事業
土木事業の当事業年度のセグメント受注高は334億29百万円(前年同期比12.4%増)となりました。セグメント売上高は315億30百万円(前年同期比5.8%増)となり、セグメント利益は30億78百万円(前年同期比22.4%増)となりました。当事業年度末のセグメント資産は、完成工事未収入金の減少等により181億80百万円(前年同期比16.3%減)となりました。
当事業年度の土木事業は、首都圏を中心とした大型インフラ工事等により公共投資が引き続き高い水準を維持していることなどから良好な環境が続きました。順調な受注及び施工消化により受注高及び売上高が前年同期比で増加するとともに、完成工事利益率が良化したため利益面でも前年実績を上回る結果となりました。
当事業年度末における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前事業年度末残高から23億21百万円減少し、87億29百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の43億36百万円に対し△19億22百万円となりました。これは、主に売上債権の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の△31億63百万円に対し8億72百万円となりました。これは、主に投資有価証券の償還による収入の増加等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の△16億7百万円に対し△12億71百万円となりました。これは、自己株式の取得による支出が減少したことによるものであります。
(注) 当社では生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
(注) 1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致いたします。
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注) 1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第80期 請負金額10億円以上の主なもの
第81期 請負金額10億円以上の主なもの
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上に該当する相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
第80期
第81期
(注) 手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成30年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成にあたっては、当事業年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り及び予測を必要としております。当社は財務諸表作成の基礎となる見積り及び予測を過去の実績や状況に応じて合理的と判断される一定の前提に基づいて継続的に検証し、意思決定を行っております。そのため、実際の結果は、見積り及び予測に伴う不確実性などにより異なる場合があります。
財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社が目標とする経営指標といたしましては、安定した経営を持続していくため、自己資本比率、売上高経常利益率、1株当たり当期純利益などの指標の向上を目指しております。
当事業年度における各経営指標の実績につきましては、自己資本比率は65.0%(前事業年度64.0%)、売上高経常利益率は5.9%(前事業年度6.3%)、1株当たり当期純利益は734.93円(前事業年度576.09円)となっております。
また、当事業年度の期首に設定した経営成績目標とその達成状況は以下のとおりであります。
(注) 平成29年10月1日を効力発生日として、普通株式5株につき1株の割合で株式併合を実施したため、当事業年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。
当社の運転資金需要のうち主なものは、建設工事に係る材料費、外注費、人件費等の経費や販売費及び一般管理費などの営業費用であります。通常の運転資金及び設備投資資金につきましては内部資金を充てることとしておりますが、効率的な調達を行うため取引金融機関9社と貸出コミットメント契約を締結しております。
該当事項はありません。
当社は、研究開発部門でも益々多様化するニーズに応えるべく、関連する各分野で幅広く研究を行い、技術の確立と新技術の開発に努めております。また、異業種、大学等の研究機関、公共機関との共同研究も積極的に推進しております。なお、当事業年度における研究開発費は1億67百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(建築事業、土木事業)
a ニューマチックケーソン工法関連技術
・非接触給電方式の開発
函内掘削機の給電方式について、機動性と安全性に優れた非接触式給電方式の開発を行っております。室内実験を通じて各種仕様の動作を確認した装置により、実際の掘削機を用いて給電実験を行いました。その結果、実際の掘削機の動作が問題ないことを検証しました。今後は、実用化に向けて諸課題への対策と開発を行う予定であります。
・総合施工管理システムの開発
施工中の各種計測データを取得し、そのデータからケーソンの挙動予測を可能にするシステムの開発を目的としております。当事業年度は、計測データの取得を行いました。
b ICT関連技術の開発
国土交通省で推進しているi-Construction(建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組み)への対応を進めております。
造成工事等において、ドローンによる3次元測量、3次元設計データを使用したマシンガイダンスやマシンコントロールによるICT施工、3次元点群データによる出来形管理及びデータ納品といった全てのプロセスで3次元モデルを活用することによって、生産性の向上を図っております。
c 地震対策技術
・当社で開発したスマート制震システムを用いた大型賃貸マンションの耐震改修工事が、平成27年3月に竣工しました。この工事では、外付けフレームと建物を接続する後施工アンカーである「ピン支承アンカー」と、既存構造体補強に適した接合部材である「プレミアムアンカー」を新たに適用しました。現在、当工事の施工を踏まえて、今後の耐震改修ニーズに対応するため、さらなる研究開発を行っております。
・共同開発により実用化した後施工アンカー「ディスクシアキー」について、汎用性拡大を目的に、継続して共同開発を進めており、販売実績も伸びております。
d 建築技術の共同研究
ゼネコン各社で技術開発・研究を行う共研フォーラムに参加し、「コンクリート品質向上検討会」、「デッキスラブのひび割れ低減対策」、「LCC算出システム開発」の各テーマについて、共同研究を行っております。
e その他
その他の主な研究開発テーマを下記に示します。
・NEDOの委託する共同研究への参加
・ニューマチックケーソン工法の安全性向上技術の開発
f 特許に関する事項
当事業年度の特許登録は1件、特許出願は2件であります。
当事業年度における建築事業及び土木事業の研究開発費の金額は、1億67百万円であります。