第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におきましては、港湾施設の維持管理を中心としたインフラ整備・長寿命化需要は引き続き底堅く推移し、受注高は10,810百万円と直近2期に次ぐ高水準となり、売上高は前事業年度並みの10,846百万円を確保いたしました。受注残高は2,003百万円と前事業年度末と同水準を維持しております。

損益面では、経常利益806百万円(前事業年度895百万円)、当期純利益504百万円(同545百万円)となりました。

当事業年度の各事業別の概況は以下のとおりであります。

港湾事業の受注高は、直近2期の急増の反動から前事業年度に比べ722百万円減の5,573百万円となり、売上高は同642百万円減の5,525百万円となりましたが、依然高水準にあります。

保守点検業務を中心とした地中事業の受注高は前事業年度並みの2,613百万円となり、売上高は同162百万円増の2,674百万円となりました。

陸上事業の受注高は、防汚大型工事の新規受注が寄与し前事業年度に比べ363百万円増の1,547百万円となり、売上高は同294百万円増の1,418百万円となりました。

その他の受注高は前事業年度に比べ355百万円減の1,077百万円となりましたが、売上高は、期首手持ち工事の完成などにより前事業年度並の1,227百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ670百万円増加の4,152百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは990百万円の資金獲得(前事業年度は736百万円の資金獲得)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは81百万円の資金使用(前事業年度は74百万円の資金使用)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは238百万円の資金使用(前事業年度は282百万円の資金使用)となりました。

なお、キャッシュ・フローの詳細については、「7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 財政状態の分析 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) セグメント別受注高・売上高・繰越高

区分

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

構成比(%)

金額(千円)

構成比(%)

増減率(%)

前期繰越高

港湾

664,644

42.8

791,753

38.8

19.1

地中

350,212

22.5

493,600

24.2

40.9

陸上

299,634

19.3

359,131

17.6

19.9

その他

239,321

15.4

395,235

19.4

65.1

合計

1,553,813

100.0

2,039,720

100.0

31.3

受注高

港湾

6,295,548

54.4

5,573,046

51.6

△11.5

地中

2,655,350

23.0

2,613,674

24.2

△1.6

陸上

1,183,123

10.2

1,547,034

14.3

30.8

その他

1,432,083

12.4

1,077,016

10.0

△24.8

合計

11,566,106

100.0

10,810,771

100.0

△6.5

売上高

港湾

6,168,440

55.7

5,525,811

50.9

△10.4

地中

2,511,962

22.7

2,674,343

24.7

6.5

陸上

1,123,627

10.1

1,418,539

13.1

26.2

その他

1,276,169

11.5

1,227,865

11.3

△3.8

合計

11,080,198

100.0

10,846,560

100.0

△2.1

繰越高

港湾

791,753

38.8

838,988

41.9

6.0

地中

493,600

24.2

432,931

21.6

△12.3

陸上

359,131

17.6

487,625

24.3

35.8

その他

395,235

19.4

244,385

12.2

△38.2

合計

2,039,720

100.0

2,003,931

100.0

△1.8

 

(注) 繰越高、受注高及び売上高には消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 工事部門におけるセグメント別の受注工事高及び施工高

① 当社の主要事業である工事部門の状況は次のとおりであります。

期別

セグメント
の名称

前期繰越
工事高

(千円)

当期受注
工事高

(千円)

(千円)

当期完成
工事高

(千円)

次期繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持
工事高

(千円)

うち施工高

(%)

(千円)

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

港湾

448,897

5,399,816

5,848,713

5,141,591

707,122

3.0

21,204

5,154,052

地中

344,908

2,495,763

2,840,672

2,353,532

487,139

10.5

51,208

2,365,191

陸上

239,953

625,406

865,360

540,003

325,356

3.7

12,015

543,558

その他

236,842

1,389,356

1,626,199

1,234,824

391,375

15.2

59,483

1,273,377

工事合計

1,270,603

9,910,342

11,180,945

9,269,952

1,910,993

7.5

143,912

9,336,180

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

港湾

707,122

4,801,274

5,508,396

4,823,886

684,509

4.8

32,609

4,835,291

地中

487,139

2,498,386

2,985,526

2,558,500

427,025

6.4

27,125

2,534,417

陸上

325,356

958,482

1,283,839

878,765

405,073

1.9

7,771

874,520

その他

391,375

884,847

1,276,223

1,066,375

209,847

1.7

3,602

1,010,494

工事合計

1,910,993

9,142,991

11,053,985

9,327,528

1,726,456

4.1

71,108

9,254,724

 

(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減高が含まれております。なお、請負金額には消費税等は含まれておりません。

2.次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事施工高-前期の次期繰越工事施工高)に一致しております。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

特命(%)

競争(%)

合計(%)

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

58.0

42.0

100.0

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

64.9

35.1

100.0

 

(注) 比率は請負工事高の比率であります。

 

 

③ 完成工事高

期別

セグメント
の名称

官公庁

民間

金額(千円)

比率(%)

金額(千円)

比率(%)

金額(千円)

比率(%)

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

港湾

3,456,570

67.2

1,685,020

32.8

5,141,591

100.0

地中

944,919

40.1

1,408,612

59.9

2,353,532

100.0

陸上

146,977

27.2

393,026

72.8

540,003

100.0

その他

864,999

70.1

369,824

29.9

1,234,824

100.0

5,413,467

58.4

3,856,484

41.6

9,269,952

100.0

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

港湾

2,997,182

62.1

1,826,704

37.9

4,823,886

100.0

地中

1,114,270

43.6

1,444,229

56.4

2,558,500

100.0

陸上

192,782

21.9

685,982

78.1

878,765

100.0

その他

362,937

34.0

703,438

66.0

1,066,375

100.0

4,667,173

50.0

4,660,354

50.0

9,327,528

100.0

 

(注) 1.金額は請負金額によっており、消費税等は含まれておりません。

2.官公庁の金額及び比率は建設会社、商社等民間を経由して官公庁から受注した物件も含めて表示しております。

3.当社の一般的な工事の場合、受注から完工まで3ヶ月程度、着工から完工まで2ヶ月程度の期間を要しております。

4.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度

発注者

工事件名

三井物産プラントシステム株式会社

碧南火力発電所 D護岸(セルNo.34~76)電気防食装置

株式会社本間組

博多港(箱崎ふ頭地区)岸壁(-12m)(改良)工事(第2次)

 

 

当事業年度

発注者

工事件名

三井物産プラントシステム株式会社

五井火力発電所 1-5号復水器細管防食処理業務委託

東京湾横断道路株式会社

平成27年度風の塔電気防食補修工

 

 

5.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

 

④ 手持工事高(平成28年3月31日現在)

期別

セグメント
の名称

官公庁

民間

金額(千円)

比率(%)

金額(千円)

比率(%)

金額(千円)

比率(%)

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

港湾

320,282

46.8

364,226

53.2

684,509

100.0

地中

156,900

36.7

270,125

63.3

427,025

100.0

陸上

19,558

4.8

385,515

95.2

405,073

100.0

その他

27,448

13.1

182,398

86.9

209,847

100.0

524,190

30.4

1,202,266

69.6

1,726,456

100.0

 

(注) 1.金額は請負金額によっており、消費税等は含まれておりません。

2.官公庁の金額及び比率は建設会社、商社等民間を経由して官公庁から受注した物件も含めて表示しております。

3.当社の一般的な工事の場合、受注から完工まで3ヶ月程度、着工から完工まで2ヶ月程度の期間を要しております。

 

手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。

発注者

工事件名

完成予定年月

三井物産プラントシステム株式会社

富津火力発電所 取水路側壁面海生生物付着防止装置

平成29年2月

五洋建設株式会社

東ソー㈱セメント2号桟橋 鋼管杭修理

平成28年9月

 

 

(3) 生産実績

品目

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

電気防食

アルミニウム合金陽極

(ALAP)

数量(トン)

2,401

2,228

電極製品

金額(千円)

220,048

197,679

 

(注) 1.製品品目によっては、複数のセグメントに使用するため、セグメント別の集計はしておりません。

2.当社は埼玉県上尾市に所在する工場において、工事用材料を生産しております。

3.工事用材料については、当社請負工事として使用される場合と、外部に製品として販売される場合があります。

4.アルミニウム合金陽極には外部に委託した重量(当事業年度597トン、前事業年度727トン)が含まれております。また、この委託生産品の仕入価額は(4) 商品等仕入実績に含まれております。

5.電極製品については種類が多岐にわたるため、標準原価による表示としております。

 

(4) 商品等仕入実績

部門

前事業年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当事業年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

全事業部門(千円)

776,995

620,983

 

(注) 1.仕入品目によっては、複数のセグメントに使用するため、セグメント別の集計はしておりません。

2.金額は、仕入価額によっており、生産に投入した額は除いております。

なお、消費税等は含まれておりません。

3.仕入品は製品等販売に供する仕入で、主に防食工事用副材料として使用しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は『顧客のニーズを先取りして、創造にチャレンジし社会に貢献すると共に、社業の発展を期する』を経営理念として掲げております。様々な環境の中で使用される金属材料を腐食から守り、構造物の期待寿命を確実に維持させる技術と材料を提供し、もって、省資源並びに地球環境の改善に寄与することを、当社の社会的使命であり存在意義と認識しております。

上記認識に基づき、国内最大の防食企業としての豊富な実績と技術力をベースに、お客様に高品質のサービスを提供することを経営の基本方針としております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

防食業界における市場や競合、自社の状況を常に意識し、市場ニーズの先取りにより、競合との差別化を図ることを経営戦略の骨子としております。

このために、幅広く人材の活用を行い、技術力・営業力の継承と向上を図り、地域顧客に密着した様々な商品・サービスを提供する「地域支店制組織」をとっております。また、新事業の企画・実践・新技術の現場への適用推進を目指す組織として平成26年4月より事業開発本部を設けております。

以上により、「コア事業(港湾・地中・陸上の各事業)を堅持・進化させ、RC事業を拡大して、着実な成長を目指す。」方針であります。

 

(3) 会社の対処すべき課題

今後の事業活動におきましては、公共投資の量的制約、競争入札による競争の激化、資材・労務費の高騰、与信リスクの高まり等のダウンサイド・リスクを認識する必要がありますが、公共投資の方向は、ライフサイクル・コスト低減の観点から、設備の延命化を目的とする当社の防食事業にとって追い風であると認識しております。

このような判断、現状認識の下、当社は以下のことを対処すべき課題とし、全社一丸で取り組んでおります。

① 事業毎に技術に裏打ちされた提案営業を徹底し、防食効果の経済性を市場に浸透させ、既存の更新にとどまらず、無防食設備や従来認識されていなかった新たな対象の「掘り起こし」を図る。

② 事業で培った技術力、営業力を総合的に活かし、新商品、新事業の展開を加速する。

③ 生産性向上、更なるコスト・ダウンの継続により、競争力と収益力の維持を図る。

④ 人材を確保・育成し、将来想定される事業環境の変化に柔軟に対応できる組織体制を構築する。

以上の実施に加え、日常の事業活動におけるたゆまぬ努力により企業価値を高め、配当可能利益の確保に努めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 

(1) 公共投資への依存度

当社の基幹事業である港湾関連施設の防食事業は主に官公庁を対象としており、公共投資の動向に大きく左右されます。

公共投資は財政の制約から、既存設備を延命化し、更新投資の発生を極力抑える取組が進められており、設備の延命化を目的とした防食事業にとっては、中長期的に追い風と認識しております。

 

(2) 特定対象物への依存度

当社事業の対象物は、鋼構造物が主体であり、鉄から他の素材への転換に伴う需要の喪失リスクが一部想定されますが、中長期的な経済性等から判断し、事業への大きな影響はないと判断しております。

 

(3) 海外・異業種からの事業参入

海外からの防食材料の流入、国内の異業種からの事業参入等があります。当社は電気防食を中核として、防食に関する調査、設計、製造、施工までを一貫して行う防食専業者として長年培った技術力・営業力によるお客様の信頼に加え、継続したコスト削減の実施により、競争力の維持を図っております。

 

(4) 原材料の高騰

当社製品の主要原材料であるアルミニウム地金等の価格が高騰した場合、それを直ちに製品価格に転嫁しづらいというリスクがあります。

 

(5) 与信リスク

当社事業の防食工事はお客様から単体で直接請負うことは少なく、全体工事をゼネコン等の建設業者が元請し、当社は防食工事部分を下請することが多い状況にあります。

公共工事については、入札により小規模な建設業者が元請することも多く、与信リスクは増大しております。社内与信管理システムの強化により、与信問題の発生を最小限に抑えるよう努めております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社の事業は、社会インフラの維持管理や更新に向けての整備に対して、これからも引き続き重要な役割を担っています。そこで、当社の研究開発活動は、即戦力となる当社の既存技術の見直しをはかり、より確かな品質の商品を提供するとともに新たな維持管理手法や適切な補修対策工法を提案し、お客様から高い信頼を得るために尽力して参りました。

当事業年度における研究開発費は、総額で158百万円であります。その主たる費用は、人件費、物品費、減価償却費であります。

なお、当事業年度に実施した研究開発活動は、事業の種類別セグメントに明確な関連付けができないため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

その作成にあたっての重要な方針・見積りは「重要な会計方針」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

経営成績の分析につきましては「1.業績等の概要 (1) 業績」、「4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(3) 財政状態の分析

① 資産、負債及び純資産

当事業年度末の総資産につきましては、前事業年度末に比べ193百万円減の9,980百万円となりました。主な減少要因は、完成工事未収入金及び売掛金の減849百万円、並びに現預金減の202百万円であり、主な増加要因は、関係会社預け金の増872百万円であります。

負債につきましては、前事業年度末に比べ461百万円減の3,200百万円となりました。主な減少要因は、支払手形、工事未払金及び買掛金の減303百万円であります。

純資産につきましては、前事業年度末に比べ268百万円増の6,780百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増272百万円によるものであります。

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ670百万円増の4,152百万円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と主な増減要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動で獲得した資金は990百万円(前事業年度は736百万円の資金獲得)となりました。資金の主な増加要因は、税引前当期純利益の増805百万円及び売上債権の減702百万円であり、資金の主な減少要因は、仕入債務の減302百万円及び法人税等の支払い287百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は81百万円(前事業年度は74百万円の資金使用)となりました。このうち、主なものは事業活動に必要な固定資産の取得であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用した資金は238百万円(前事業年度は282百万円の資金使用)で、このうち主なものは、配当金の支払いであります。

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 平成24年

3月期

 平成25年

3月期

 平成26年

3月期

 平成27年

3月期

 平成28年

3月期

自己資本比率(%)

62.1

61.0

61.8

64.0

67.9

時価ベースの自己資本比率(%)

40.2

42.8

55.3

47.5

55.9

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

(注)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

 

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(5) 事業戦略の現状と見通し及び経営者の問題意識と今後の方針について

「対処すべき課題」に記載のとおりであります。