第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当社グループは、企業価値の向上とステークホルダーへの還元を会社の基本方針としており、20154月に現商号である「株式会社アジアゲートホールディングス」に変更して以降、リアルエステート事業の拡充とゴルフ・リゾート事業及び建設事業の安定的な運営に努めております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(2)経営環境

当社グループの事業を取り巻く環境は著しく変化しており、政府主導による観光産業の基幹産業化に向けた取り組みにより訪日外国人旅行者数が大きく伸び、情報通信技術の急速な進歩と相まって、キャッシュレス決済の促進、ホテル業界及び観光業界の市場拡大が期待される一方、少子高齢化の進行と本格的な人口減少社会の到来が予想され、都市部への人口の集中や労働力不足が顕在化するなど、事業環境の不透明感・不確実性も高まっております。

また、その規模が69兆円と言われるわが国の余暇市場においては、ゴルフ人口の減少傾向が続くなか、フィットネスやスキー場、観光・行楽の分野が伸びております。

かたや不動産市場は販売価格高騰による需要減少、期待利回りの低下が顕著であり、主要都市のオフィスビルの需給は逼迫した状態が続いております。

 (3)対処すべき課題

当社グループは、今後の持続的成長に向けて以下の事項を対処すべき課題として認識し、取り組んでまいります。


    ①経営資源のコア事業への集中

当連結会計年度においては、安比エリアでのリゾートビジネスからの撤退を決定、創進国際投資有限公司を譲渡し、経営資源の集約を進めました。

当社グループは、コア事業であるリアルエステート事業に経営資源を集中し、優良な不動産の取得を進めつつ、保有物件の改修・改良によりバリューアップを図ることで、安定的な賃貸事業収入の拡充を図ってまいります。

    ②各事業の収益安定化

ゴルフ・リゾート事業においては、お客様に満足いただけるサービスを提供することにより、エリアのお客様の新規来場数の増加とリピート率の向上に努めてまいります。アウトドアスポーツは天候に左右されやすく、また季節変動が大きいことから業績は不安定になりがちですが、ウィークデイ、ローシーズンにもお客様に来場していただけるような施策により、年間を通じた施設利用の平準化を図ってまいります。

建設事業においては、引き続き都市インフラ整備工事において、当社の技術性により着実に受注を確保し、利益向上を進めてまいります。

リアルエステート事業においては、引き続き取得不動産のバリューアップによる賃料増加や売却価格の上昇などにより収益の安定化を図る一方で、宿泊施設や飲食関連への事業展開など他業態との協業による運用資産のバリエーションを増やすことで、更なる収益の多様化と安定化を図ってまいります。

 ③人材の確保と育成

ゴルフ場の運営や建設工事においては、人材の確保と育成が大きな課題となっています。当社グループは、従業員一人一人の能力向上のための社員教育の充実と、働きやすい職場環境の整備による人材の確保と維持に取り組んでまいります。また、各ゴルフ場では、従業員が自分の持ち場だけでなく複数の業務を担えるようにすることで、効率的な人員配置を実施し、労働生産性の向上に努めてまいります。

 ④事業の拡大

当社グループを取り巻く環境としては、首都圏をはじめとする主要都市のオフィスビル需要は引き続き堅調であるものの、長期的な視点から、オフィスビル需要、居住用不動産需要の構造変化が予測されます。

当社グループの将来的な収益性、成長性を確保するためには、事業領域を拡大する必要があると考えております。その一環として、他業態との協業による国内及び訪日観光客をターゲットにしたリーズナブルな価格帯の宿泊及び飲食施設など、運用資産のバリエーションを増やすことで、物件運営能力の向上を図ります。

当社グループは今後も新しい事業領域に挑戦し、事業を通じて社会に貢献して行くとともに、更なる企業価値の創造へ向けて努めてまいります。


 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

また、必ずしも事業上のリスクとして具現化する可能性が高くないと見られる事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家及び株主に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

なお、当社事業等はこれら以外にも様々なリスクを伴っており、ここに記載されたものがリスクの全てではありません。

そして、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、その発生の回避及び発生の際に適切な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の特別記載事項を慎重に検討のうえ行われる必要があると考えられます。また、本項において将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものです。

1)  M&Aについて

当社グループは、業容の拡大を図る一つの手段として、M&A戦略を推進してまいります。M&Aを行う場合は、その対象企業の経営内容や財務内容等について厳密にデューデリジェンスを行うことにより、買収によるリスクを極力回避することが必要と認識しております。しかしながら買収した企業が当初想定した利益が出ない場合や取得時に予測できなかった偶発債務などが顕在した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

2)  天候不順・個人消費

当社グループのゴルフ・リゾート事業は、天候及び個人消費動向等の景気変動の影響を受けます。予想外の景気変動が生じ、個人消費が低迷した場合や台風・降雪等想定以上の天候不順や地震等の自然災害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

3)  証券投資について

当社グループは、市場性のある株式及び市場性のない株式を保有しております。市場性のある株式については株価が著しく下落した場合、市場性のない株式については、その企業の業績が悪化し評価額が著しく下落した場合には減損処理が発生するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

4)  不動産市場について

不動産販売事業は、地価変動や競合他社の供給動向・価格動向の影響を受けやすく、また景気悪化、金利上昇、不動産関連税制の変更など経済情勢の変化があった場合には、保有資産等の価値が減少する可能性があり、これは当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5)  訴訟等について

 当社グループは、多種多様な事業を行っている関係上、業務を遂行するうえでトラブル等の発生に起因する訴訟が発生する可能性があります。

また、もし重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの主張と相違する結果となるリスクがあります。当社グループに不利益な判断が下された場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

    なお、重要事象等は存在しておりません。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の概要)

(1) 経営成績

当連結会計年度(2018年10月1日~2019年9月30日)におけるわが国の経済状況は、相場は円高株安の局面も時折見せる不安定な様相であり、米中貿易摩擦、自然災害など当社にも大きな影響を与えた厳しい状況もありました。5月には令和に改元され、9月に開催されたラグビーワールドカップは日本代表の奮闘や日本人の高いホスピタリティが海外で高い評価を受けるなど成功裏に終わり、来年に迫った東京オリンピック・パラリンピックに向けて明るい兆しも感じられます。しかしながら、経済状況については引き続き、政治・金融情勢、保護貿易の広がり、新興国経済の停滞などのリスク要因が考えられます。
 当社グループは、2016年9月期以降、3期連続で黒字を計上いたしましたが、当連結会計年度は、賃料収入が見込める収益不動産の取得を進めたものの、予定していた販売用不動産の売却が延期したこと等に加えて、2018年の西日本集中豪雨による広島紅葉カントリークラブの損害の復旧費用や投資有価証券の評価損を計上したこと等によって、当期純損失を計上しました。一方、これまで創進国際投資有限公司を通じて、東北のリゾート地である岩手県安比エリアにおいてスキー場、ホテル、ゴルフ場を運営する株式会社岩手ホテルアンドリゾートの株式を保有しておりましたが、収益改善に要する期間が長期化していたため、安比エリアでのリゾートビジネスの整理を決定、創進国際投資有限公司を譲渡し、経営資源の集約を進めました。
 当社グループは、これらの取組を通じて、業務体制を見直し、令和の新時代に向けて収益改善に取り組んでまいります。

当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高は前年同期と比較して34億31百万円減少し、営業利益も前年同期と比較して7億76百万円減少いたしました。
 経常損益に関しましては、実質的な関係会社であった株式会社岩手ホテルアンドリゾートの業績内容の影響などにより、持分法による投資損失1億26百万円が発生いたしました。
  この結果、当連結会計年度の業績は、売上高33億円(前年同期売上高67億31百万円)、営業損失1億34百万円(前年同期営業利益6億42百万円)、経常損失2億82百万円(前年同期経常利益6億89百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失36百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純利益5億19百万円)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、以下の売上高にはセグメント間の内部売上高または振替高を含んでおります。

① ゴルフ・リゾート事業

ゴルフ・リゾート事業におきましては、2018年の西日本集中豪雨で広島紅葉カントリークラブの3コースの一部が一時的に閉鎖を余儀なくされましたが、集客に努める等の努力により、売上高は12億31百万円(前年同期売上高11億97百万円)、営業利益44百万円(前年同期営業利益56百万円)となりました。

② 建設事業

建設事業におきましては、収益性が改善し、売上高17億80百万円(前年同期売上高19億12百万円)、営業利益69百万円(前年同期営業利益49百万円)となりました。

③ リアルエステート事業

リアルエステート事業におきましては、2018年度に行った箱根山松苑の売却のような大型の取引が無かったことに加え、予定していた販売用不動産の売却が延期したことから売上高2億87百万円(前年同期売上高36億21百万円)、営業利益1億26百万円(前年同期営業利益8億24百万円)となりました。

④ その他

上記に属さない事業(主にファイナンス取引)は売上高4百万円(前年同期売上高3百万円)、営業利益2百万円(前年同期営業損失0百万円)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ25億58百万円減少し、8億35百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。   

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により減少した資金は30億35百万円(前年同期は15億82百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純損失22百万円、たな卸資産の増加24億99百万円、負ののれん発生益3億38百万円です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は17億53百万円(前年同期は1億65百万円の減少)となりました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出10億46百万円、投資有価証券の取得による支出5億39百万円です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により増加した資金は22億33百万円です(前年同期は8億19百万円の増加)。主な要因は、長期借入による収入23億80百万円です。

 

 

(生産、受注及び販売の実績)

(1) 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

建設事業

1,147,957

55.2

1,009,932

61.5

合計

1,147,957

55.2

1,009,932

61.5

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。

4.当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2018年10月1日

至  2019年9月30日)

前年同期比(%)

ゴルフ・リゾート事業(千円)

1,231,600

102.9

建設事業(千円)

1,780,636

93.1

リアルエステート事業(千円)

287,169

7.9

その他(千円)

1,487

231.2

合計(千円)

3,300,893

49.0

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、貸倒引当金、賞与引当金、ポイント引当金、役員退職慰労引当金、退職給付に係る負債の計上について見積り計算を行っており、その概要については「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

(2) 当連結会計年度の経営成績に関する分析

①売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ、34億31百万円減少し、33億円となりました。

主な要因にリアルエステート事業の売上高の減少があげられます。

②営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ7億76百万円減少し、1億34百万円の営業損失となりました。

主な要因は、リアルエステート事業の売上高の減少があげられます。

③経常利益

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ、9億71百万円減少し、2億82百万円の経常損失となりました。

主な要因は、リアルエステート事業の売上高の減少があげられます。

④親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ、5億56百万円減少し、36百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因

2[事業等のリスク]をご参照ください。

(4) 財政状態の分析

① 資産

当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べて28億41百万円増加し141億82百万円となりました。 

流動資産は73百万円増加し67億78百万円、固定資産は27億68百万円増加し74億4百万円となりました。流動資産増加の主な要因は販売用不動産の24億96百万円の増加、減少の主な要因は現金及び預金の25億58百万円の減少です。

固定資産の増加の内訳は、投資その他の資産の増加27億68百万円であります。投資その他の資産の増加の主な要因は投資有価証券の44億3百万円の増加、減少の要因は関係会社株式の17億82百万円の減少によるものです。

② 負債

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末に比べて32億16百万円増加し、63億90百万円となりました。負債増加の主な要因は、長期借入金が32億15百万円増加したことによります。

③ 純資産

当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3億75百万円減少し、77億92百万円となりました。純資産減少の主な要因は、その他有価証券評価差額金の減少3億34百万円、親会社株主に帰属する当期純損失36百万円によるものです。

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要はゴルフ・リゾート事業及び建設事業の運転資金、リアルエステート事業における不動産購入費用、並びに主に本社における販管費・一般管理費です。運転資金及び販管費・一般管理費におきましてはほぼ内部資金で賄っておりますが、不動産の購入資金に関しましては主に銀行からの借入によって資金調達しております。

(6) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) キャッシュ・フロー」をご参照ください。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。