第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、外部環境として、海外において、欧州経済では製造業中心に受注が拡大し、雇用も改善して堅調な景気回復が維持されており、欧州中央銀行は緩和策からの脱却への方向付けを示している。また、米国経済でも企業業況は底堅く、新規受注、生産、雇用も好調な状況となっており、連邦公開市場委員会での資産縮小とともに、2015年12月の9年半ぶりの政策金利引き上げ以降、年内には5回目の引き上げが視野に入っているのが現状です。

しかしながら、北朝鮮情勢、イスラム勢力動向を始めとする世界動向の先行きが見えない状況に加え、産油国の減産合意、米国でのシェールオイル生産状況等を背景とした原油価格の動向、中国経済を始めとする新興国経済の減速地合いが引き続いており、大いに不透明な状況は変わっておりません。

一方、国内経済は、衆議院議総選挙にて与党信任を得た中で、政府の経済政策の一層の継続と日銀の異次元の金融政策が継続される見込みながら、景気回復が着実に進展し、個人消費の拡大にまで浸透しているとは言えず、また、原油価格の動向や為替動向等にも先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが中核事業としている建設業界におきましては、企業での設備投資意欲に増加傾向は見られてきてはいるものの、当地区においては、総じて景気回復を実感できる状況には無く、民間設備投資は、先行きを見通すと慎重な姿勢が大勢を占め、合わせて価格競争も依然として激しい状況で推移しております。

このような環境のもと、地域密着型の堅実経営を目指し、BIM・CIM・VRを用いた提案型営業の積極的な展開により、医療介護・マンション・流通・食品関連・水力発電設備及び道路・河川建設工事など公共工事等の受注に注力いたしました。

また、顧客ニーズに対応するべく開発したハイグレードな自由設計住宅フレック、サービス付き高齢者向け住宅クラスケア、メゾネット型賃貸住宅メゾーネ等の受注に注力いたしました。

利益面においては、販売費及び一般管理費の効果に見合った支出を念頭に一層の削減に努めながら、IEを主としたKAIZEN活動の全社展開による原価の削減に引き続き取り組んだ結果、受注高は前期に比べ減少となったものの、売上は前期に比べ増加、営業利益、経常利益、当期純利益についても前期に比べ増益となり、厳しい環境ではありますが、業況は堅調に推移しております。なお、特別利益が計上されている大きな要因は、永年の懸案だった長野県建設業厚生年金基金の解散手続き完了に伴い、引当金の戻入益が発生したものです。

当連結会計年度の業績は受注高(開発事業等を含む)220億54百万円(前年対比91.0%)、売上高222億42百万円(前年対比108.5%)、営業利益16億34百万円(前年対比148.8%)、経常利益17億35百万円(前年対比118.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益13億28百万円(前年対比152.9%)となりました。

 

事業部の種類別セグメントの実績は次のとおりであります。

 

(建設事業)

建設事業につきましては、受注高173億26百万円(前年対比93.2%)、売上高173億30百万円(前年対比117.7%)、営業利益15億30百万円となりました。

 

(エンジニアリング事業)

エンジニアリング事業につきましては、ダム関連工事、合成床版、大型精密製缶工事、水力発電設備工事等により、受注高18億41百万円(前年対比98.8%)、売上高20億25百万円(前年対比102.2%)、営業利益2億33百万円となりました。

 

(開発事業等)

開発事業等につきましては、首都圏等でのマンション分譲事業等により、売上高29億16百万円(前年対比76.6%)、営業利益2億49百万円となりました。

 

(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額を表示しております。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比ベ5億26百万円減少し、当連結会計年度末には10億63百万円になりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は15億94百万円となりました。主な要因は、退職給付に係る負債の減少6億57百万円、未成工事支出金の減少2億43百万円などによるキャッシュ・フローの減少の一方、税金等調整前当期純利益の増加(前期比+6億93百万円)に加え、仕入債務の増加4億円や未成工事受入金の増加1億4百万円などによるキャッシュ・フローの増加によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金はマイナス3億53百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出3億41百万円、無形固定資産の取得による支出17百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は17億67百万円となりました。主な要因は、短期借入金の返済17億円、配当金の支払額94百万円等によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める建設事業及びエンジニアリング事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

当連結企業集団においては建設事業及びエンジニアリング事業以外では受注生産形態をとっていません。

したがって受注及び販売の状況については「1  業績等の概要」における各セグメントごとの業績に関連付けて記載しております。

当グループは、連結ベースでの事業別受注・売上・繰越高の状況は作成しておりません。

なお、当社単独の事業の状況は、以下のとおりです。

(1) 受注工事高及び施工高の状況

①  受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

項目

工事別

前期繰越

工事高

(千円)

当期受注

工事高

(千円)

(千円)

当期完成

工事高

(千円)

次期繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高

(千円)

第57期

自平成27年10月1日

至平成28年9月30日

建設

建築

6,994,155

16,729,718

23,723,874

12,822,113

10,901,760

5.5

604,108

12,766,885

土木

1,196,523

1,854,465

3,050,989

1,908,377

1,142,611

4.0

46,625

1,791,419

小計

8,190,678

18,584,184

26,774,863

14,730,490

12,044,372

5.4

650,733

14,558,304

エンジニアリング

1,434,601

1,863,032

3,297,633

1,981,306

1,316,327

22.0

290,347

1,970,666

9,625,279

20,447,216

30,072,496

16,711,796

13,360,699

7.0

941,080

16,528,971

第58期

自平成28年10月1日

至平成29年9月30日

建設

建築

10,901,760

15,772,483

26,674,244

15,454,380

11,219,863

7.4

834,416

15,684,689

土木

1,142,611

1,554,467

2,697,079

1,876,520

820,558

15.8

130,100

1,959,995

小計

12,044,372

17,326,950

29,371,323

17,330,901

12,040,421

8.0

964,516

17,644,684

エンジニアリング

1,316,327

1,841,133

3,157,460

2,025,281

1,132,178

23.1

262,422

1,997,357

13,360,699

19,168,084

32,528,784

19,356,183

13,172,600

9.3

1,226,939

19,642,041

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

1  前期以前に受注した工事で契約の変更により請負金額を変更したものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2  次期繰越工事高の手持工事高は(前期繰越工事高+当期受注高-当期完成工事高)に一致します。

3  次期繰越工事高のうち施工高は、未成工事支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

 

 

②  受注工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第57期

自  平成27年10月1日

至  平成28年9月30日

建設

建築

5,048,495

11,681,222

16,729,718

土木

1,711,284

143,181

1,854,465

小計

6,759,780

11,824,404

18,584,184

エンジニアリング

209,840

1,653,191

1,863,032

6,969,620

13,477,596

20,447,216

第58期

自  平成28年10月1日

至  平成29年9月30日

建設

建築

940,936

14,831,546

15,772,483

土木

1,309,735

244,732

1,554,467

小計

2,250,672

15,076,278

17,326,950

エンジニアリング

100,878

1,740,255

1,841,133

2,351,550

16,816,534

19,168,084

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

③  完成工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第57期

自  平成27年10月1日

至  平成28年9月30日

建設

建築

2,077,370

10,744,742

12,822,113

土木

1,700,823

207,554

1,908,377

小計

3,778,193

10,952,296

14,730,490

エンジニアリング

127,282

1,854,024

1,981,306

3,905,476

12,806,320

16,711,796

第58期

自  平成28年10月1日

至  平成29年9月30日

建設

建築

1,060,197

14,394,183

15,454,380

土木

1,669,457

207,062

1,876,520

小計

2,729,655

14,601,246

17,330,901

エンジニアリング

465,687

1,559,594

2,025,281

3,195,342

16,160,840

19,356,183

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

1  完成工事のうち主なものは次のとおりです。

第57期の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの

建設事業

発注者

工事件名

施工場所

伊那食品工業株式会社

伊那食品工業㈱藤沢工場増築工事

長野県

上伊那農業協同組合 本所

JA上伊那駒ヶ根支所建設工事

長野県

養命酒製造株式会社

養命酒製造㈱様生薬倉庫新築工事

長野県

長野トヨペット株式会社

長野トヨペット茅野店新築工事

長野県

伊那市役所

平成27年度東春近保育園(仮称)建設建築工事

長野県

一般財団法人
長野県歯科医師会

長野県歯科医師会館新築工事

長野県

株式会社伊東電機工作所

株式会社伊東電機工作所工場新築工事

長野県

 

第58期の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの

建設事業

発注者

工事件名

施工場所

独立行政法人国際協力機構

駒ヶ根青年海外協力隊訓練所改修工事

長野県

富岳通運株式会社

富岳通運株式会社 移転新築工事

長野県

社会福祉法人ロングライフ・小諸

平成28年度特別養護老人ホーム「菊の園」新築工事

長野県

南信州菓子工房株式会社

南信州菓子工房㈱工場増築工事

長野県

株式会社ユーエスアイ

㈱ユーエスアイ様 新第2工場建設工事

長野県

国土交通省 中部地方整備局 天竜川上流河川事務所

平成28年度天竜川水系中田切田切地区渓流保全工事

長野県

株式会社IHIエアロマニュファクチャリング

IAM 城前第3工場 新築工事

長野県

 

 

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。

第57期

該当はありません。

第58期

該当はありません。

 

④  手持工事高(平成29年9月30日現在)

 

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

建設

建築

4,409,482

6,810,381

11,219,863

土木

754,162

66,396

820,558

小計

5,163,644

6,876,777

12,040,421

エンジニアリング

81,111

1,051,067

1,132,178

5,244,755

7,927,845

13,172,600

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

1  手持工事のうち請負金額2億円以上の主なものは次のとおりであります。

繰越工事

発注者

工事件名

完成予定

伊那食品工業株式会社

伊那食沢渡工場第六棟新築工事(本体工事)

平成30年3月

やまなし勤労者福祉会

特別養護老人ホーム「いけだの里」(仮称)新築工事

平成30年3月

福井 大祐

さくら血管病クリニック新築工事

平成30年4月

三峰川総合開発工事事務所

平成29年度美和ダム再開発ストックヤード川側下流部側壁工事

平成30年6月

ニッパツ・メック株式会社

ニッパツ・メック㈱様工場増築工事

平成30年8月

株式会社ホライズン・ホテルズ

(仮称)芹が沢宿泊施設新築工事

平成30年10月

上伊那広域連合

新ごみ中間処理施設建設工事

平成31年3月

 

 

 

(2) 開発事業等の状況

①  開発事業等の売上実績

 

区分

第57期

自  平成27年10月1日

至  平成28年9月30日

(千円)

第58期

自  平成28年10月1日

至  平成29年9月30日

(千円)

開発事業その他

214,239

274,845

214,239

274,845

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針・経営戦略等

当社グループは、一層激しくなる受注競争に勝ち抜くため、BIM・CIMを始めとするIT化を駆使した、技術力・人間力に裏打ちされた技術提案・商品企画提案力の強化、資機材価格などの原価の高止まりを十分に見据えたコスト競争力の一段の強化を図り、お客様満足度に裏打ちされた受注の獲得とともに、「高い品質第一」「顧客第一」の考えに基づいて、高効率・高収益の経営と財務体質の強化を推し進め、内部留保の充実と安定的な配当により企業価値の向上に努力して参ります。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

建設業を取り巻く環境は、首都圏等一部地域を除き、総体的に縮小傾向にある状況は変わっておりません。当社が事業基盤とする地域においては、半導体関連の設備投資を中心に若干の増加傾向が見られる他、中央リニア新幹線、三遠南信自動車道等大型のプロジェクトも進行しており、これらのもたらす効果に対する期待感もありますが、当面建設業界の受注環境、収益環境が大きく改善される状況にはありません。経済情勢の動向如何によっては業者間の受注競争が激しくなることも懸念されます。

当社グループは、どのような状況下でも、各ステークホルダーに対する責任を果たすべく、以下の方針を進め企業価値の向上に努めてまいります。

・高効率・高収益の経営を実現し、内部留保の充実に努め一層の財務体質の強化と安定的な株主還元維持に努めてまいります。

・「品質第一」「顧客第一」の考えの下、従来から培った技術力に、BIM・CIM・VRを始めとするICT技術を駆使して技術提案力・商品企画提案力の強化を図り、情報化施工を進めてまいります。

・社内教育、資格取得の体制を強化して、協力業者を含めて技能技術の継承、技術力、人間力、コスト競争力の向上に努めてまいります。

・内部統制システムの継続的な整備・運用を通じ、コンプライアンスの徹底・リスク管理の強化を図り、グループ全体のガバナンス機能を高めてまいります。

・公正な人事処遇とホワイト500認定継続等働く環境の整備を一層進め、社員満足度の向上を図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当グループの経営成績、財務状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。

(1) 事業環境の変化

想定を上回る建設需要の減少や主要資材価格等の急激な上昇、不動産市場における需給状況や価格の大幅な変動等、建設事業・開発事業等に係る著しい環境変化が生じた場合には、業績等に影響の及ぼす可能性があります。

 

(2) 保有資産の価格変動

当社グループが保有している有価証券、販売用不動産及び固定資産その他の資産について、時価の変動などが、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 取引先の信用リスク

当社グループは、取引先(発注者、協力会社、JV共同施工会社他)に関し、可能な限りリスク管理をしているものの、これらについて信用不安などが顕在化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制等

当社グループの属する建設業界は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、国土利用計画法、都市計画法、独占禁止法、さらには環境関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、当社グループにおいて違法な行為があった場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

特に、環境分野、労働関連分野においては、新たな法規制の制定や法令の改廃等が増加してきておりそれらへの的確な対応に不備が生じ、法令違反等が発生した場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 安全管理

工事は市街地、山間地などの多様な周辺環境の中で行われ、現場内では多数の作業員が他種な作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しております。

このため、大規模な事故や災害が発生した場合は、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 災害・事故

災害・事故等による影響を最小限にとどめる為の万全な対策をとっておりますが、それらによる影響を完全に防止・軽減できる保証はありません。大規模な地震、その他事業に支障をきたす災害・事故・感染症等の影響が生じた場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

フランチャイズ契約

当社と加盟店は、当社が開発したブレインシステムを利用して、ブレインマンション建設事業を行うフランチャイズ契約を締結しております。

 

6 【研究開発活動】

建設事業(建築・土木)及びエンジニアリング事業において、社会の変化とお客様の多様なニーズに対応し、満足して頂けるよう環境に配慮し、品質及び生産性の向上を目的として、建設資材、設計、施工及び営業に関する技術の研究開発を積極的に推進しております。

当連結会計年度における研究開発活動に投入した費用総額7,497千円であり主な研究テーマは次のとおりです。

(建設事業)

1  オリジナル住宅の開発

移りゆく時代、ニーズに対応するべくアルミ遮熱材と環境にやさしい断熱材(アクアフォーム)を組み合わせた高気密・高断熱住宅での省エネ生活の実現、プレカットハイブリッド構造と耐震性、デザイン性を高めたローコスト・コンパクト住宅の開発に取り組んでおります。

 

2  仮設資材

環境に配慮した転用率の高いスチール型枠・樹脂型枠の開発と特殊形状のオリジナルアルミ脚立の開発、製作及び作業環境の改善、軽量化・省力化を実現したオリジナルスパーフォーム(SF)型枠等の研究開発を継続して実施しております。

 

 

3  ブレインマンション

従来のハイクオリティーブレインマンションの仕様見直しを行い、機能・品質を維持しつつ更にローコスト化を狙いとして構造躯体の合理化、外観デザイン、設備配管・配線の合理化方法の開発を進めております。

 

4  YNP(Yamaura Newel Post)工法

ブレインマンションの基礎配筋に於ける躯体隅部配筋のユニット化ならびに基礎配筋構造の研究・開発を行い、YNP工法の建築技術性能証明も取得いたしました。

 

5  土木用断熱型枠

厳寒期でも躯体養生不要なコンクリート自体の水和熱を利用する断熱養生工法の研究・開発を進めております。

 

建設事業にての研究開発費の金額は6,990千円であります。

 

(エンジニアリング事業)

1  自然再生エネルギー資源活用技術の研究開発

小水力発電を中心とした自然エネルギーを有効的かつ効率的に活用するためのシステム設計技術・機器等の開発実用化研究を進めております。当期においては、昨年7月から始まった再生エネルギー固定価格買取制度により、従来から進めてきた小水力発電提案事業が具体的に動き始めております。

 

エンジニアリング事業にての研究開発費の金額は507千円であります。

 

(開発事業等)

研究開発活動は特段行われておりません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。この連結財務諸表作成に当たる重要な会計方針につきましては、第5「経理の状況」に記載されております。

 

 

(2) 財政状態の分析

①  資産の部

流動資産は完成工事未収入金・未収入金・未成工事支出金などの増加の一方、現預金・開発事業等支出金などの減少により流動資産は4億29百万円増加して145億24百万円、固定資産は長期繰延税金資産などの減少はあったものの、車輛など有形固定資産・ソフトウェア仮勘定など無形固定資産の増加に加え、投資有価証券などの増加により4億5百万円増加して58億77百万円になりました。資産合計では8億35百万円増加して204億1百万円となりました。

②  負債の部

流動負債は工事未払金・未払法人税等・開発事業等未払金などの増加の一方、短期借入金・支払手形などが減少した結果、1億80百万円減少して69億60百万円となりました。固定負債は長期繰延税金負債などの増加はあったものの、退職給付引当金や退職給付に係わる負債などの減少により5億62百万円減少し、負債合計は76億69百万円となりました。

③  純資産の部

純資産の残高は127億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億78百万円増加しました。主な要因は、従業員持株会専用信託による自己株式勘定の減少に加え、当期純利益確保による繰越利益剰余金、その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額などの増加によるものです。

自己資本比率は5.4ポイント増加して62.6%であります。

 

(3) 経営成績

当社グループの連結会計年度において、景気回復マインドが隅々まで行き渡っているとは言えない中、民間設備投資についての慎重な姿勢・価格競争が依然として激しい状況で推移しております。連結会計年度の売上高は、このような環境のもと、地域密着型の堅実経営を目指し、BIM・CIM・VRを始めとするIT化を駆使した提案型営業の積極的な展開により、医療介護・マンション・流通・食品関連・水力発電設備及び道路・河川建設工事など公共工事等の受注に注力しましたが、前年度大型工事受注の影響もあり、前年対比6.3%減少の191億68百万円となりました。

利益面では、販売費及び一般管理費の効率的運営とともに、IEを主としたKAIZEN活動の全社展開による原価の削減に引き続き取り組んだ結果、営業利益16億34百万円(前年対比48.8%増)となりました。

経常利益は、受取利息などを含む営業外収益118百万円及び支払利息を主因とした営業外費用18百万円を加算・減算の結果、17億35百万円(前年対比18.6%増)となりました。

特別利益は前述した厚生年金基金解散損失戻入益2億56百万円、特別損失は固定資産除却損などで4百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は13億28百万円(前年対比52.9%増)となりました。

 

(4) 次期の見通し

今後の我が国経済見通しにつきましては、総選挙による与党信任を受け、成長戦略の実効性が問われながらも現在の経済重視の政策と日銀の異次元の金融政策が引き続き実施されると予想されながら、今後の見通しが依然不透明な状況は変わりません。約5年前からの円安による原材料価格の高止まりや建設業界での技能工を中心とした人手不足等の影響も勘案すると、企業での設備投資意欲に増加傾向はあるものの、今後、一般企業等の設備投資への慎重な姿勢、公共工事の動向、個人消費の回復動向は、引き続き懸念される状況であります。

当社グループといたしましては、建築事業・土木事業・エンジニアリング事業・首都圏にての開発事業等のバランスの取れた経営基盤を活かし、売上、収益確保を目指します。

 

特に当グループの主要事業であります建設事業は、現在展開中の医療介護・エネルギー事業等を中心にBIM・CIM・VRを用いた提案営業強化を図り、同業他社に比べ優位にあります健在な財務体質を活用し、市場ニーズを的確に捉えた事業展開に取り組んでまいります。

 

平成30年3月期の業績予想としましては、定時株主総会での承認を条件としての決算期変更を踏まえ、円安による資材価格の高止まり、専門工不足などによる影響や受注環境が不透明な状況を勘案し、前年度の半期決算計数と比較して、売上高は減少する見込みであります。また、減収に伴い営業利益、経常利益及び当期純利益についても減少する見込みであります。

 

(5) 当期のキャッシュ・フローの分析(現金及び現金同等物を「資金」という)

当社グループの資金状況は、営業活動の結果、獲得した資金は15億94百万円(前年対比32億18百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益に加え、仕入債務、未成工事受入金の増加等によるものであります。

投資活動により使用した資金はマイナス3億53百万円(前年対比36百万円増)となりました。これは主に、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出等によるものです。

財務活動の結果、使用した資金は17億67百万円(前年対比27億86百万円減)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出、配当金の支払額による支出等によるものであります。

以上の活動の結果、前連結会計年度末に比べ5億26百万円減少し、当連結会計年度末には10億63百万円になりました。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案・実行するよう努めております。

建設事業は中長期的に需要の減少及び競争の激化は避けられない見通しであり、外部環境は未だ不透明で厳しい状況が続くものと予想されます。

このような環境の下、当社グループは継続的な発展を遂げていくため、法令遵守、コンプライアンスの徹底のもと、ヤマウラブランドの向上に向け、顧客の皆様に、より満足いただけるよう技術力・品質第一の精神の基、提案力を高め且つ技能継承を行い、高品質な建物・商品をご提供して収益確保に努め、内部留保と継続的な配当を行いつつ財務体質の強化を図るとともに、社会に貢献して参りたいと考えております。