第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国経済は、外部環境として、海外においては、欧州経済では消費の改善傾向が維持され、輸出に持ち直しの傾向が窺われる等、景気下振れリスクをかかえながらもEU離脱国民投票後も緩やかな回復基調が続き、また、米国経済では企業の投資活動は緩やかに持ち直しつつあり、個人消費の底堅さ、堅調な雇用情勢を背景に、昨年末に続く金利再引き上げのタイミングが計られているのが現状です。

しかしながら、米国第一主義を掲げ、孤立主義、保護貿易主義に重きを置く新大統領の誕生によって、どのような経済政策が打ち出されていくのかは、今後の注目点と言えます。さらに原油価格の動向に加え、中国経済を始めとする新興国経済の減速地合いが引き続いており、先行きが見通せない状況です。

一方、国内経済は、政府の経済政策の継続と日銀の異次元の金融政策が継続され、量的な金融政策から金利を中心とする政策への転換が明言されたものの、景気回復への目に見えた効果に直結しているとは言い難く、また、原油価格の動向や為替動向等にも先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが中核事業としている建設業界におきましては、一部企業に設備投資増加の兆しが見られるものの、当地区においては、総じて景気回復を実感できる状況には無い中、民間設備投資については、慎重な姿勢が大勢を占め、合わせて価格競争も依然として激しい状況で推移しております。

このような環境のもと、地域密着型の堅実経営を目指し、BIM・CIMを用いた提案型営業の積極的な展開により、医療介護・マンション・流通・食品関連・水力発電設備及び道路・河川建設工事など公共工事等の受注に注力いたしました。

また、顧客ニーズに対応するべく開発した高品質・低価格住宅フレック、サービス付き高齢者向け住宅クラスケア、メゾネット型賃貸住宅メゾーネ等の受注に注力いたしました。

利益面においては、販売費及び一般管理費削減に努めつつ、IEを主としたKAIZEN活動の全社展開による原価の削減に引き続き取り組んだ結果、営業利益は前期に比べ減益となったものの、受注高、売上は前期に比べ増加、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益についても前期に比べ増益となり、厳しい環境ではありますが、業況は堅調に推移しております。

当連結会計年度の業績は受注高(開発事業等を含む)242億26百万円(前年対比118.8%)、売上高204億91百万円(前年対比102.8%)、営業利益10億98百万円(前年対比85.5%)、経常利益14億63百万円(前年対比106.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益8億68百万円(前年対比130.9%)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(建設事業)

建設事業につきましては、受注高185億84百万円(前年対比113.7%)、完成工事高147億30百万円(前年対比90.1%)、営業利益9億50百万円となりました。

 

(エンジニアリング事業)

エンジニアリング事業につきましては、ダム関連工事、合成床版、大型精密製缶工事、水力発電設備工事等により、受注高18億63百万円(前年対比87.5%)、完成工事高19億81百万円(前年対比102.7%)、営業利益1億62百万円となりました。

 

(開発事業等)

開発事業等につきましては、首都圏等でのマンション分譲事業等により、開発事業等売上高38億9百万円(前年対比194.9%)、営業利益13百万円となりました。

 

(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額を表示しております。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます)の残高は、前連結会計年度末に比ベ9億94百万円減少し、当連結会計年度末には15億89百万円になりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により使用した資金はマイナス16億23百万円(前期は16億45百万円の資金使用)となりました。主な要因は、その他のたな卸資産の減少3億41百万円、未成工事支出金の減少1億68百万円などによるキャッシュ・フローの増加の一方、仕入債務の減少11億27百万円、未収入金の増加10億28百万円などによるキャッシュ・フローの減少によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金はマイナス3億90百万円(前期は42百万円の資金使用)となりました。主な要因は、有形固定資産の売却による収入1億37百万円、有形固定資産の取得による支出5億8百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は10億19百万円(前期は1億2百万円の資金使用)となりました。主な要因は、短期借入による収入17億円、自己株式の売却による収入1億7百万円、自己株式の取得による支出6億33百万円等によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める建設事業及びエンジニアリング事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

当連結企業集団においては建設事業及びエンジニアリング事業以外では受注生産形態をとっていません。

したがって受注及び販売の状況については「1  業績等の概要」における各セグメントごとの業績に関連付けて記載しております。

当グループは、連結ベースでの事業別受注・売上・繰越高の状況は作成しておりません。

なお、当社単独の事業の状況は、以下のとおりです。

(1) 受注工事高及び施工高の状況

①  受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

項目

工事別

前期繰越

工事高

(千円)

当期受注

工事高

(千円)

(千円)

当期完成

工事高

(千円)

次期繰越工事高

当期施工高

(千円)

手持工事高

(千円)

うち施工高

(千円)

第56期

自平成26年10月1日

至平成27年9月30日

建設

建築

6,644,820

14,674,599

21,319,419

14,325,264

6,994,155

9.4

659,336

14,588,628

土木

1,295,086

1,933,745

3,228,831

2,032,308

1,196,523

13.6

163,583

2,051,402

小計

7,939,906

16,608,344

24,548,251

16,357,572

8,190,678

10.0

822,919

16,640,030

エンジニアリング

1,235,107

2,128,059

3,363,167

1,928,566

1,434,601

20.9

300,986

1,982,446

9,175,014

18,736,404

27,911,418

18,286,138

9,625,279

11.6

1,123,906

18,622,477

第57期

自平成27年10月1日

至平成28年9月30日

建設

建築

6,994,155

16,729,718

23,723,874

12,822,113

10,901,760

5.5

604,108

12,766,885

土木

1,196,523

1,854,465

3,050,989

1,908,377

1,142,611

4.0

46,625

1,791,419

小計

8,190,678

18,584,184

26,774,863

14,730,490

12,044,372

5.4

650,733

14,558,304

エンジニアリング

1,434,601

1,863,032

3,297,633

1,981,306

1,316,327

22.0

290,347

1,970,666

9,625,279

20,447,216

30,072,496

16,711,796

13,360,699

7.0

941,080

16,528,971

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

1  前期以前に受注した工事で契約の変更により請負金額を変更したものについては、当期受注工事高にその増減額を含めております。従って、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。

2  次期繰越工事高の手持工事高は(前期繰越工事高+当期受注高-当期完成工事高)に一致します。

3  次期繰越工事高のうち施工高は、未成工事支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

 

 

②  受注工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第56期

自  平成26年10月1日

至  平成27年9月30日

建設

建築

2,036,322

12,638,276

14,674,599

土木

1,663,974

269,771

1,933,745

小計

3,700,296

12,908,048

16,608,344

エンジニアリング

297,323

1,830,736

2,128,059

3,997,619

14,738,784

18,736,404

第57期

自  平成27年10月1日

至  平成28年9月30日

建設

建築

5,048,495

11,681,222

16,729,718

土木

1,711,284

143,181

1,854,465

小計

6,759,780

11,824,404

18,584,184

エンジニアリング

209,840

1,653,191

1,863,032

6,969,620

13,477,596

20,447,216

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

③  完成工事高

 

期別

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

計(千円)

第56期

自  平成26年10月1日

至  平成27年9月30日

建設

建築

1,109,098

13,216,165

14,325,264

土木

1,662,533

369,775

2,032,308

小計

2,771,631

13,585,941

16,357,572

エンジニアリング

6,731

1,921,835

1,928,566

2,778,362

15,507,776

18,286,138

第57期

自  平成27年10月1日

至  平成28年9月30日

建設

建築

2,077,370

10,744,742

12,822,113

土木

1,700,823

207,554

1,908,377

小計

3,778,193

10,952,296

14,730,490

エンジニアリング

127,282

1,854,024

1,981,306

3,905,476

12,806,320

16,711,796

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

1  完成工事のうち主なものは次のとおりです。

第56期の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの

建設事業

発注者

工事件名

施工場所

社会福祉法人
しなのさわやか福祉会

平成26年度伊那プラムの里建設工事

長野県

社会福祉法人
高遠さくら福祉会

平成26年度地域密着型特別養護老人ホームみのりの杜建設工事

長野県

農事組合法人
安曇野北穂高農業生産組合

農事組合法人安曇野北穂高農業生産組合乾燥調整施設新設事業

長野県

有限会社諏訪ひまわり企画

(仮称)西弥生町高齢者複合施設新築工事

長野県

サンゴバン株式会社

サンゴバン株式会社諏訪工場増築工事

長野県

国土交通省中部地方整備局飯田国道事務所

平成26年度三遠南信飯田東IC建設工事

長野県

米澤酒造株式会社

米澤酒造㈱増改築工事Ⅰ期工事

長野県

 

第57期の完成工事のうち請負金額2億円以上の主なもの

建設事業

発注者

工事件名

施工場所

伊那食品工業株式会社

伊那食品工業㈱藤沢工場増築工事

長野県

上伊那農業協同組合 本所

JA上伊那駒ヶ根支所建設工事

長野県

養命酒製造株式会社

養命酒製造㈱様生薬倉庫新築工事

長野県

長野トヨペット株式会社

長野トヨペット茅野店新築工事

長野県

伊那市役所

平成27年度東春近保育園(仮称)建設建築工事

長野県

一般財団法人
長野県歯科医師会

長野県歯科医師会館新築工事

長野県

株式会社伊東電機工作所

株式会社伊東電機工作所工場新築工事

長野県

 

 

 

2  完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりであります。

第56期

該当はありません。

第57期

該当はありません。

 

④  手持工事高(平成28年9月30日現在)

 

区分

官公庁(千円)

民間(千円)

合計(千円)

建設

建築

4,528,742

6,373,018

10,901,760

土木

1,113,884

28,726

1,142,611

小計

5,642,627

6,401,745

12,044,372

エンジニアリング

445,920

870,407

1,316,327

6,088,547

7,272,152

13,360,699

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

1  手持工事のうち請負金額2億円以上の主なものは次のとおりであります。

繰越工事

発注者

工事件名

完成予定

三洋グラビア株式会社

三洋グラビア株式会社WF二期増築工事

平成29年2月

社会福祉法人
ロングライフ・小諸

平成28年度特別養護老人ホーム「菊の園」新築工事

平成29年3月

国土交通省中部地方整備局
飯田国道事務所

平成27年度三遠南信上久堅地区道路建設工事

平成29年3月

南信州菓子工房株式会社

南信州菓子工房㈱工場増築工事

平成29年3月

富岳通運株式会社

富岳通運株式会社移転新築工事

平成29年8月

伊那市役所

平成28年度高遠スポーツ公園文化体育館耐震補強工事

平成29年9月

上伊那広域連合

新ごみ中間処理施設建設工事

平成31年3月

 

 

⑤  完成工事予定額

今後6ヶ月間(平成28年10月1日から平成29年3月31日まで)の完成工事予定額は、8,000百万円(建築工事6,150百万円、土木工事900百万円、エンジニアリング工事950百万円)であります。

 

 

(2) 開発事業等の状況

①  開発事業等の売上実績

 

区分

第56期

自  平成26年10月1日

至  平成27年9月30日

(千円)

第57期

自  平成27年10月1日

至  平成28年9月30日

(千円)

開発事業その他

334,703

214,239

334,703

214,239

 

(注)  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

②  開発事業等の売上計画

今後6ヶ月間(平成28年10月1日から平成29年3月31日まで)の開発事業等の売上計画は1,760百万円であります。

 

 

3 【対処すべき課題】

我が国の建設市場は、首都圏を含む一部地域を除き、縮小傾向にある一方、業界内の淘汰には今暫くの時間を要することから、より一層の価格競争が展開され、当社を取り巻く環境は更に厳しくなっております。

当社グループは、一層激しくなる受注競争に勝ち抜くため、BIM・CIMを始めとするIT化を駆使した、技術力・人間力に裏打ちされた技術提案・商品企画提案力の強化、資機材価格などの原価の高止まりを十分に見据えたコスト競争力の一段の強化を図り、お客様満足度に裏打ちされた受注の獲得とともに、「高い品質第一」「顧客第一」の考えに基づいて、高効率・高収益の経営と財務体質の強化を推し進め、内部留保の充実と安定的な配当により企業価値の向上に努力して参ります。

さらに内部統制システムの継続的な整備・運用を通じ、グループ全体での内部統制システムを充実させ、ガバナンスの強化を行うと同時に公正な人事処遇・職場環境の整備等により社員満足度の向上を図ります。

さらに、環境保全活動の推進等により、社会より高い信頼を寄せていただける企業となるべく、引き続き全社を挙げてコンプライアンス及びリスク管理の徹底に努めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当グループの経営成績、財務状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。

(1) 事業環境の変化

想定を上回る建設需要の減少や主要資材価格等の急激な上昇、不動産市場における需給状況や価格の大幅な変動等、建設事業・開発事業等に係る著しい環境変化が生じた場合には、業績等に影響の及ぼす可能性があります。

 

(2) 保有資産の価格変動

当社グループが保有している有価証券、販売用不動産及び固定資産その他の資産について、時価の変動などが、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 取引先の信用リスク

当社グループは、取引先(発注者、協力会社、JV共同施工会社他)に関し、可能な限りリスク管理をしているものの、これらについて信用不安などが顕在化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制等

当社グループの属する建設業界は、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、国土利用計画法、都市計画法、独占禁止法、さらには環境関連の法令等、さまざまな法的規制を受けており、当社グループにおいて違法な行為があった場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

特に、環境分野、労働関連分野においては、新たな法規制の制定や法令の改廃等が増加してきておりそれらへの的確な対応に不備が生じ、法令違反等が発生した場合には、業績や企業評価に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 安全管理

工事は市街地、山間地などの多様な周辺環境の中で行われ、現場内では多数の作業員が他種な作業を同時に行うほか高所等での危険作業も多いため、工事部外者に対する加害事故や作業員の労働災害等が発生し易い危険性を有しております。

このため、大規模な事故や災害が発生した場合は、一時的に復旧費用、補償金等の負担が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 災害・事故

災害・事故等による影響を最小限にとどめる為の万全な対策をとっておりますが、それらによる影響を完全に防止・軽減できる保証はありません。大規模な地震、その他事業に支障をきたす災害・事故・感染症等の影響が生じた場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 厚生年金基金の影響について

当社が加入する長野県建設業厚生年金基金(以下、「基金」という)は、総合設立型基金として昭和62年11月に設立され、当社は基金設立時より加入しています。基金において、顕在化した消失見込相当額のうち当社の負担相当額については、引当金を計上しております。加えて、基金に関し、現状において当社が認識するリスクとしては、以下のものが挙げられます。

①  基金の財政状態悪化による業績の変動リスク

基金は代行部分の予定利率を5.5%で想定されて年金給付が決められているため、基金の運用利回りが低下した場合に、最終的な補填を加入企業が行うこととされています。既に予定利率を大幅に下回っているため掛け金の引き上げを数度に及び実施しており、又、年金基金運営上の損失の発生など当社の直接的な業績とは関係ないところで、業績変動リスクを抱えているということになります。

②  脱退企業の増加による負担の増大リスク

基金から脱退した事業所がでた場合、過去に加入していた年金受給者を含めて扶助していく枠組みとなっており、今後当社の負担が増加することが予想されます。

③  基金解散に伴う追加費用発生のリスク

基金は、平成28年5月31日付にて厚生労働大臣の認可を得、同日をもって解散しました。現在、清算に向けた精査手続き中です。これにより、基金解散に伴う費用の発生が生じるリスクが見込まれます。

 

5 【経営上の重要な契約等】

フランチャイズ契約

当社と加盟店は、当社が開発したブレインシステムを利用して、ブレインマンション建設事業を行うフランチャイズ契約を締結しております。

 

6 【研究開発活動】

建設事業(建築・土木)及びエンジニアリング事業において、社会の変化とお客様の多様なニーズに対応し、満足して頂けるよう環境に配慮し、品質及び生産性の向上を目的として、建設資材、設計、施工及び営業に関する技術の研究開発を積極的に推進しております。

当連結会計年度における研究開発活動に投入した費用総額16,599千円であり主な研究テーマは次のとおりです。

(建設事業)

1  オリジナル住宅の開発

移りゆく時代、ニーズに対応するべくアルミ遮熱材と環境にやさしい断熱材(アクアフォーム)を組み合わせた高気密・高断熱住宅での省エネ生活の実現、プレカットハイブリッド構造と耐震性、デザイン性を高めたローコスト・コンパクト住宅の開発に取り組んでおります。

 

2  仮設資材

環境に配慮した転用率の高いスチール型枠・樹脂型枠の開発と特殊形状のオリジナルアルミ脚立の開発、製作及び作業環境の改善、軽量化・省力化を実現したオリジナルスパーフォーム(SF)型枠等の研究開発を継続して実施しております。

 

 

3  ブレインマンション

従来のハイクオリティーブレインマンションの仕様見直しを行い、機能・品質を維持しつつ更にローコスト化を狙いとして構造躯体の合理化、外観デザイン、設備配管・配線の合理化方法の開発を進めております。

 

4  YNP(Yamaura Newel Post)工法

ブレインマンションの基礎配筋に於ける躯体隅部配筋のユニット化ならびに基礎配筋構造の研究・開発を行い、YNP工法の建築技術性能証明も取得いたしました。

 

5  土木用断熱型枠

厳寒期でも躯体養生不要なコンクリート自体の水和熱を利用する断熱養生工法の研究・開発を進めております。

 

建設事業にての研究開発費の金額は12,314千円であります。

 

(エンジニアリング事業)

1  自然再生エネルギー資源活用技術の研究開発

小水力発電を中心とした自然エネルギーを有効的かつ効率的に活用するためのシステム設計技術・機器等の開発実用化研究を進めております。当期においては、昨年7月から始まった再生エネルギー固定価格買取制度により、従来から進めてきた小水力発電提案事業が具体的に動き始めております。

 

エンジニアリング事業にての研究開発費の金額は4,285千円であります。

 

(開発事業等)

研究開発活動は特段行われておりません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。この連結財務諸表作成に当たる重要な会計方針につきましては、第5「経理の状況」に記載されております。

 

 

(2) 財政状態の分析

①  資産の部

流動資産は販売用不動産・完成工事未収入金・未収入金などの増加の一方、現預金・開発事業等支出金などの減少により流動資産は5億94百万円増加して140億94百万円、固定資産は有形固定資産などの減少はあったものの、投資有価証券などの増加により23百万円増加して54億71百万円になりました。資産合計では6億17百万円増加して195億65百万円となりました。

②  負債の部

流動負債は工事未払金・開発事業等未払金などの減少、短期借入金・支払手形などが増加した結果、4億49百万円増加して71億41百万円となりました。固定負債は長期借入金の返済があったものの、退職給付に係る負債などの増加により25百万円増加し、負債合計は83億69百万円となりました。

③  純資産の部

純資産の残高は111億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億42百万円増加しました。主な要因は、自己株公開買付による自己株式勘定の増加はありましたが、従業員持株会専用信託による自己株式勘定の減少や親会社株主に帰属する当期純利益確保による繰越利益剰余金などの増加などによるものです。

自己資本比率は1.1ポイント減少して57.2%であります。

 

(3) 経営成績

当社グループの連結会計年度において、景気回復マインドが隅々まで行き渡っているとは言えない中、民間設備投資についての慎重な姿勢・価格競争が依然として激しい状況で推移しております。連結会計年度の売上高は、このような環境のもと、地域密着型の堅実経営を目指し、BIM・CIMを始めとするIT化を駆使した提案型営業の積極的な展開により、医療介護・マンション・流通・食品関連・水力発電設備及び道路・河川建設工事など公共工事等の受注に注力した結果、前年対比2.8%増加の204億91百万円となりました。

利益面では、販売費及び一般管理費削減に努めつつ、IEを主としたKAIZEN活動の全社展開による原価の削減に引き続き取り組んだ結果、営業利益10億98百万円(前年対比14.5%減)となりました。

経常利益は、受取利息などを含む営業外収益416百万円及び支払利息を主因とした営業外費用52百万円を加算・減算の結果、14億63百万円(前年対比6.6%増)となりました。

特別利益は固定資産売却益469千円、特別損失は固定資産売却損149百万円、固定資産除却損21百万円で1億70百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は8億68百万円(前年対比30.9%増)となりました。

 

(4) 次期の見通し

今後の我が国経済見通しにつきましては、政府の経済政策の継続と日銀の異次元の金融政策が継続され、量的な金融政策から金利を中心とする政策への転換が明言されたものの、景気回復への目に見えた効果に直結しているとは言い難く、また原油価格の動向や為替動向等にも先行き不透明な状況が続いております。そのため、一部企業には設備投資増加の兆しが見られるものの、一般企業等の設備投資への慎重な姿勢、公共工事の動向、国内総生産の6割を占める個人消費の回復動向も懸念される状況であります。

当社グループといたしましては、建築事業・土木事業・エンジニアリング事業・首都圏にての開発事業等のバランスの取れた経営基盤を活かし、売上、収益確保を目指します。

 

特に当グループの主要事業であります建設事業は、現在展開中の医療介護・エネルギー事業等を中心に提案強化を図り、同業他社に比べ優位にあります健在な財務体質を活用し、市場ニーズを的確に捉えた事業展開に取り組んでまいります。

 

次期通期業績予測につきましては、企業収益低迷感の払拭時期不透明による設備投資の減退、原材料価格高止まりによる収益利回り鈍化に伴う投資の縮小等により、売上高は減少する見込みであります。また、減収に伴い営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益についても減少する見込みであります。

 

(5) 当期のキャッシュ・フローの分析(現金及び現金同等物を「資金」という)

当社グループの資金状況は、営業活動の結果、使用した資金はマイナス16億23百万円(前年対比21百万円増)となりました。これは主に販売用不動産の増加、その他のたな卸資産の増加等によるものであります。

投資活動により使用した資金はマイナス3億90百万円(前年対比3億47百万円減)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入、有形固定資産の取得による支出等によるものです。

財務活動の結果、獲得した資金は10億19百万円(前年対比11億21百万円増)となりました。これは主に、短期借入による収入、自己株式の売却による収入、自己株式の取得による支出等によるものであります。

以上の活動の結果、前連結会計年度末に比べ9億94百万円減少し、当連結会計年度末には15億89百万円になりました。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案・実行するよう努めております。

建設事業は中長期的に需要の減少及び競争の激化は避けられない見通しであり、取り巻く経営環境は厳しい状況が続くものと予想されます。

このような環境の下、当社グループは継続的な発展を遂げていくため、法令遵守、コンプライアンスの徹底のもと、ヤマウラブランドの向上に向け、顧客の皆様に、より満足いただけるよう技術力・提案力を高め且つ技能継承を行い、高品質な建物・商品をご提供して収益確保に努め、内部留保と継続的な配当を行いつつ財務体質の強化を図るとともに、社会に貢献して参りたいと考えております。